JP2001204798A - 蒸気滅菌器の運転制御方法 - Google Patents

蒸気滅菌器の運転制御方法

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JP2001204798A
JP2001204798A JP2000018125A JP2000018125A JP2001204798A JP 2001204798 A JP2001204798 A JP 2001204798A JP 2000018125 A JP2000018125 A JP 2000018125A JP 2000018125 A JP2000018125 A JP 2000018125A JP 2001204798 A JP2001204798 A JP 2001204798A
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sterilization
pressure
sterilization tank
pressure sensor
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JP2000018125A
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Hideki Higashiura
秀樹 東浦
Yuichi Takahashi
裕一 高橋
Masato Kira
正人 吉良
Katsuaki Kano
克晃 加納
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Miura Co Ltd
Original Assignee
Miura Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明が解決しようとする課題は、滅菌
槽内の圧力を検出する圧力センサの不良が発生したとき
にも、滅菌作業を継続させ、かつ空気排出を十分に行
い、確実に滅菌処理を行うことができる滅菌器の運転制
御方法を提供することである。 【解決手段】 滅菌槽2内の空気排出工程,滅菌工程お
よび乾燥工程の各工程により滅菌処理を行う蒸気滅菌器
1の運転制御方法において、前記滅菌槽2内の圧力を検
出する工程制御用の圧力センサ30の不良が判定された
とき、前記圧力センサ30を用いないで工程制御を行う
バックアップ制御による真空引きおよび蒸気導入を所定
回数B行った後、前記バックアップ制御による滅菌工程
および乾燥工程を行うことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、蒸気滅菌器の運
転制御方法に関するもので、この発明の蒸気滅菌器は、
主として、医療用の器具類等の滅菌を行うのに用いられ
る。
【0002】
【従来の技術】蒸気滅菌器は、滅菌槽内に被滅菌物を収
容した後、前記滅菌槽およびこの滅菌槽の外側に設けた
蒸気ジャケットへ蒸気を供給し、蒸気の保有する熱によ
り滅菌処理を行う装置である。この滅菌処理は、つぎの
各工程から成っている。まず、前記蒸気ジャケット内へ
蒸気を供給して滅菌槽を予熱する予熱工程を行い、つぎ
に滅菌槽内の空気を排出する空気排出工程を行い、続い
て蒸気を滅菌槽内へ供給して被滅菌物の滅菌を行う滅菌
工程を行い、さらに滅菌槽内の蒸気を排出し清浄な空気
を供給する乾燥工程を行う。
【0003】このような蒸気滅菌器の運転制御において
は、各種の検出手段が設けられている。とくに、前記滅
菌槽内の圧力を検出するには、電子式等の圧力センサが
多く用いられている。また、前記蒸気ジャケット内や前
記滅菌槽内の温度を検出する温度センサも設けられてい
る。そして、これらのセンサからの信号を制御器に入力
し、前記蒸気滅菌器の運転工程を時間経過も含めて監視
および制御を行っている。また、前記制御器では、前記
温度センサからの信号を圧力検出として使用する変換処
理および前記圧力センサからの信号を温度検出として使
用する変換処理等も行われる。しかし、これらのセンサ
の不良が発生したときには、前記工程を正しい順序で行
うことができなくなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明が解決しよう
とする課題は、前記各センサのうち滅菌槽内の圧力を検
出する工程制御用の圧力センサの不良が発生したときに
も、滅菌作業を継続させ、かつ空気排出を十分に行い、
確実に滅菌処理を行うことができる蒸気滅菌器の運転制
御方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記課題を
解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明
は、滅菌槽内の空気排出工程,滅菌工程および乾燥工程
の各工程により滅菌処理を行う蒸気滅菌器の運転制御方
法において、前記滅菌槽内の圧力を検出する工程制御用
の圧力センサの不良が判定されたとき、前記圧力センサ
を用いないで工程制御を行うバックアップ制御による真
空引きおよび蒸気導入を所定回数行った後、前記バック
アップ制御による滅菌工程および乾燥工程を行うことを
特徴としている。
【0006】請求項2に記載の発明は、滅菌槽内を減圧
する真空引きと蒸気導入を行い復圧する第一空気排出工
程,前記滅菌槽内を加圧する蒸気の導入と排気を行う第
二空気排出工程,滅菌工程および乾燥工程の各工程によ
り滅菌処理を行う蒸気滅菌器の運転制御方法において、
前記滅菌槽内の圧力を検出する工程制御用の圧力センサ
の不良が判定されたとき、前記圧力センサを用いないで
工程制御を行うバックアップ制御による真空引きおよび
蒸気導入を所定回数行った後、前記バックアップ制御に
よる滅菌工程および乾燥工程を行うことを特徴としてい
る。
【0007】請求項3に記載の発明は、滅菌槽内を減圧
する真空引きと蒸気導入を行い復圧する第一空気排出工
程,前記滅菌槽内を加圧する蒸気の導入と排気を行う第
二空気排出工程,滅菌工程および乾燥工程の各工程によ
り滅菌処理を行う蒸気滅菌器の運転制御方法において、
前記第一空気排出工程に移行するまでまたは前記第一空
気排出工程の運転中に前記滅菌槽内の圧力を検出する工
程制御用の圧力センサの不良が判定されたとき、前記第
一空気排出工程における通常の真空引きおよび蒸気導入
の所定設定回数Mと、前記圧力センサを用いないで工程
制御を行うバックアップ制御による真空引きおよび蒸気
導入の所定回数Bとを比較し、M≧Bならば前記所定設
定回数Mになるまで前記バックアップ制御による真空引
きと蒸気導入を行い、M<Bならば前記所定回数Bまで
前記バックアップ制御による真空引きと蒸気導入を行っ
た後、前記バックアップ制御による滅菌工程および乾燥
工程を行うことを特徴としている。
【0008】請求項4に記載の発明は、滅菌槽内を減圧
する真空引きと蒸気導入を行い復圧する第一空気排出工
程,前記滅菌槽内を加圧する蒸気の導入と排気を行う第
二空気排出工程,滅菌工程および乾燥工程の各工程によ
り滅菌処理を行う蒸気滅菌器の運転制御方法において、
前記第二空気排出工程の運転中に前記滅菌槽内の圧力を
検出する工程制御用の圧力センサの不良が判定されたと
き、前記第一空気排出工程における通常の真空引きおよ
び蒸気導入の所定設定回数Mと、前記圧力センサを用い
ないで工程制御を行うバックアップ制御による真空引き
および蒸気導入の所定回数Bとを比較し、M≧Bならば
前記第二空気排出工程を取消して前記バックアップ制御
による滅菌工程および乾燥工程を行い、M<Bならば前
記第二空気排出工程を取消して、所定回数Bを追加して
前記バックアップ制御による真空引きと蒸気導入を行っ
た後、前記バックアップ制御による滅菌工程および乾燥
工程を行うことを特徴としている。
【0009】さらに、請求項5に記載の発明は、滅菌槽
内の圧力を検出する工程制御用の圧力センサの不良が判
定されたとき、前記圧力センサとは別の圧力検出手段に
より、前記滅菌槽内の復圧検出を行うことを特徴として
いる。
【0010】
【発明の実施の形態】この発明は、蒸気を用いて医療用
具等を滅菌する蒸気滅菌器において実施することができ
る。すなわち、この蒸気滅菌器は、密閉可能な滅菌槽を
備え、この滅菌槽内に被滅菌物を収容する。この蒸気滅
菌器の通常の運転工程は、少なくとも空気排出工程,滅
菌工程および乾燥工程の各工程を備え、まず空気排出工
程を行う。この空気排出工程は、前記滅菌槽内を減圧す
る真空引きと蒸気導入を行い復圧する第一空気排出工程
および前記滅菌槽内を加圧する蒸気の導入と排気を行う
第二空気排出工程からなるときもある。この真空引き
と、導入した蒸気を前記滅菌槽内から排出することによ
り、前記滅菌槽内の空気を排出する。
【0011】つぎに、滅菌工程を行う。この滅菌工程
は、前記滅菌槽内に蒸気を供給し蒸気を充満させて、設
定圧力および設定温度に維持した状態を所定時間継続す
る。前記滅菌工程終了後、乾燥工程を行う。この乾燥工
程は、前記滅菌槽内の蒸気を排出し、さらに前記滅菌槽
内を減圧する真空引きと前記滅菌槽への清浄な空気の供
給を、1回または複数回繰り返す。なお、前記空気排出
工程に先立って、予熱工程を行うこともできる。この予
熱工程は、前記滅菌槽の外側に設けた加熱手段を作用さ
せて、前記滅菌槽内を予熱するものである。また、前記
被滅菌物の状況によっては、前記乾燥工程を省略すると
きもある。以上の各工程の制御は、前記滅菌槽内の圧力
を検出する電子式等の圧力センサおよび前記蒸気ジャケ
ット内や前記滅菌槽内の温度を検出する温度センサから
の出力信号も加えて制御器にて判断し、予め設定したプ
ログラムに従い、前記制御器から指令信号を出力するこ
とにより行う。
【0012】そして、通常、被滅菌物は、適当な収納容
器に収納された状態で前記滅菌槽内へ収容され滅菌処理
を受ける。この収納容器は、頂壁や側壁に開孔を設けた
り、本体と蓋との間に隙間を形成して、半閉塞型となっ
ている。したがって、前記空気排出工程時、真空引きを
行うことにより、前記収納容器内の空気が排出されて前
記収納容器内の残留空気量が減少する。また、前記被滅
菌物を前記収納容器に収納しないで、直接、前記滅菌槽
内に収容する場合にも適用可能である。
【0013】このような滅菌処理を行う蒸気滅菌器にお
いて、前記各センサのうち前記滅菌槽内の圧力を検出す
る工程制御用の圧力センサの不良が発生したときにも、
滅菌作業を継続させ、かつ空気排出を十分に行い、確実
に滅菌処理を行うために、前記圧力センサを用いないで
工程制御を行うバックアップ制御(以下「バックアップ
制御」と云う)を行うものである。すなわち、前記圧力
センサが不良のとき、前記通常の運転制御とは別の前記
バックアップ制御を行うことにより、前記圧力センサの
不良を補完するものである。そして、前記圧力センサの
不良が判定されたときの制御は、前記バックアップ制御
による真空引きおよび蒸気導入を所定回数行った後、前
記バックアップ制御による滅菌工程および乾燥工程を行
う。
【0014】そして、滅菌槽内を減圧する真空引きと蒸
気導入を行い復圧する第一空気排出工程,前記滅菌槽内
を加圧する蒸気の導入と排気を行う第二空気排出工程,
滅菌工程および乾燥工程の各工程により滅菌処理を行う
場合に、前記圧力センサの不良が判定されたときの制御
は、前記バックアップ制御による真空引きおよび蒸気導
入を所定回数行った後、前記バックアップ制御による滅
菌工程および乾燥工程を行う。
【0015】ここで、前記圧力センサの不良は通常の運
転の各工程のどの工程でも発生する可能性があるので、
その不良の発生した時点を判別してバックアップ制御を
行うこともできる。すなわち、前記第一空気排出工程に
移行するまでまたは前記第一空気排出工程の運転中に前
記圧力センサの不良が判定されたとき、前記第一空気排
出工程における通常の真空引きおよび蒸気導入の所定設
定回数Mと、前記バックアップ制御による真空引きおよ
び蒸気導入の所定回数Bとを比較し、M≧Bならば前記
所定設定回数Mになるまで前記バックアップ制御による
真空引きと蒸気導入を行い、M<Bならば前記所定回数
Bまで前記バックアップ制御による真空引きと蒸気導入
を行った後、前記バックアップ制御による滅菌工程およ
び乾燥工程を行う。
【0016】そして、前記第二空気排出工程の運転中に
前記圧力センサの不良が判定されたとき、前記第一空気
排出工程における通常の真空引きおよび蒸気導入の所定
設定回数Mと、前記バックアップ制御による真空引きお
よび蒸気導入の所定回数Bとを比較し、M≧Bならば前
記第二空気排出工程を取消して前記バックアップ制御に
よる滅菌工程および乾燥工程を行い、M<Bならば前記
第二空気排出工程を取消して、前記所定回数Bを追加し
て前記バックアップ制御による真空引きと蒸気導入を行
った後、前記バックアップ制御による滅菌工程および乾
燥工程を行う。
【0017】そして、滅菌槽内の圧力を検出する前記圧
力センサの不良が判定されたとき、前記圧力センサとは
別の圧力検出手段により、前記滅菌槽内圧力が大気圧と
略同圧力となっているか検出(以下「復圧検出」と云
う)を行う運転制御方法である。すなわち、通常の蒸気
滅菌器の運転制御では、前記圧力センサの信号により、
前記滅菌槽内の圧力を検出して、前記滅菌槽内圧力が大
気圧と略同圧力となっているか検出し、制御している。
前記圧力センサ不良のとき、前記圧力センサとは別に設
けられている圧力検出手段と切り換えて前記復圧検出を
行い、前記バックアップ制御を行うものである。
【0018】
【実施例】以下、この発明の具体的実施例を図面に基づ
いて詳細に説明する。図1は、この発明における蒸気滅
菌器1の説明図である。滅菌槽2は、扉3を備えた被滅
菌物の出入口があり、この扉3を閉じることで前記滅菌
槽2を完全に密閉することができるようになっている。
被滅菌物は、カスト等の収納容器(図示省略)に収納し
て、前記滅菌槽2内へ収容される。前記滅菌槽2を二重
缶状に形成して前記滅菌槽2の外側に蒸気ジャケット4
を設け、この蒸気ジャケット4へ蒸気を供給して、前記
滅菌槽2を外側から加熱する。また、前記滅菌槽2の周
囲には、加熱管(図示省略)を設け、この加熱管内へ蒸
気を供給することにより、前記滅菌槽2を外側から加熱
することもできる。
【0019】前記蒸気ジャケット4には、第一蒸気供給
弁5および圧力調整弁6を設けた第一蒸気供給管7を接
続している。前記蒸気ジャケット4の上部位置から、第
二蒸気供給管8を分岐させ、その先端を前記滅菌槽2の
側壁上部に設けた蒸気導入口9と接続している。前記第
二蒸気供給管8には、第二蒸気供給弁10および前記蒸
気ジャケット4の温度を検出する第一温度センサ11を
設けている。したがって、前記第一蒸気供給弁5および
前記第二蒸気供給弁10の開閉を制御することにより、
前記蒸気ジャケット4および前記滅菌槽2への蒸気の供
給を制御する。
【0020】また、前記滅菌槽2に接続した空気供給管
12には、上流側より順に、エアフィルタ13,空気供
給弁14および第一逆止弁15を設けている。この空気
供給管12は、前記第二蒸気供給弁10の出口側と合流
し、前記蒸気導入口9と接続している。したがって、前
記エアフィルタ13を通して細菌やほこり等を除去した
清浄な空気を前記滅菌槽2へ供給するようになってい
る。
【0021】前記蒸気ジャケット4の下部に接続した第
一排出管16には、スチームトラップ17および第二逆
止弁18を設けている。前記滅菌槽2の底壁の排出口1
9に接続した第二排出管20には、第一排出弁21,第
三逆止弁22,真空ポンプ23および第四逆止弁24を
設けている。前記第二排出管20から、第三排出管25
を分岐し、この第三排出管25には、第二排出弁26お
よび第五逆止弁27を設けている。これらの第一排出管
16,第二排出管20および第三排出管25は、下流位
置で排出管28とそれぞれ合流している。
【0022】そして、前記滅菌槽2には、前記第二排出
管20に接続され、前記滅菌槽2の内部温度を検出する
第二温度センサ29,前記滅菌槽2内部の圧力を検出す
る電子式の圧力センサ30,機械式の圧力検出手段31
および前記滅菌槽2の内部の圧力を表示する圧力計32
をそれぞれ設けている。なお、図1において、以下に説
明する各機器の制御を行う制御器とその接続回線は、と
もに図示を省略している。
【0023】つぎに、前記構成の作用を、図2に基づい
て説明する。図2は、通常の各工程における前記滅菌槽
2内の圧力変化を示している。そして、各工程は、予め
設定したプログラムに従い、制御器(図示省略)により
制御されている。
【0024】まず、被滅菌物を前記滅菌槽2内へ搬入
後、前記扉3を閉め、前記蒸気ジャケット4内へ前記第
一蒸気供給管7を通して蒸気を供給し(前記第一蒸気供
給弁5:開,前記第二蒸気供給弁10:閉)、前記滅菌
槽2を加温する予熱工程を行う。前記蒸気ジャケット4
内で生じたドレンは、前記第一排出管16より外部へ排
出する。また、運転中の空気排出工程,滅菌工程および
乾燥工程においても、前記蒸気ジャケット4内には蒸気
の供給を継続するように制御する。
【0025】つぎに、空気排出工程を行う。この実施例
における空気排出工程においては、まず第一空気排出工
程を行う。すなわち、前記第一排出弁21を開くととも
に、前記真空ポンプ23を稼動させて、前記滅菌槽2内
を略−0.08MPaまで、減圧するように真空引きす
る。そして、前記第一排出弁21を閉じるとともに、前
記真空ポンプ23を停止させる。つぎに、前記第二蒸気
供給弁10を開いて、略大気圧まで復圧するように、前
記滅菌槽2内へ蒸気を導入する。この真空引きと蒸気導
入の操作を3回繰り返す。前記第一空気排出工程時の真
空引きの圧力レベルは、前記被滅菌物の種類や前記収納
容器の形状,熱容量および熱伝導性等を考慮して設定す
る。具体的な設定範囲としては、好ましくは圧力レベル
を−0.08〜−0.03MPaの範囲に設定する。ま
た、この第一空気排出工程時の復圧の蒸気導入の圧力レ
ベルは、好ましくは圧力レベルを+0.0〜+0.02
MPaの範囲に設定する。
【0026】つぎに、第二空気排出工程を行う。すなわ
ち、前記第二排出弁26を閉じ、前記滅菌槽2内へ前記
第二蒸気供給弁10を開いて、略0.21MPaとなる
まで蒸気を導入する。そして、前記第二蒸気供給弁10
を閉じるとともに、前記第二排出弁26を開き、前記滅
菌槽2内から前記蒸気の排気を行い、略大気圧まで排出
する。この蒸気の導入と排出を4回繰り返す。この第二
空気排出工程時の蒸気導入の圧力レベルは、好ましくは
圧力レベルを+0.2〜+0.22MPaの範囲に設定
する。この第二空気排出工程時の蒸気排気の圧力レベル
は、好ましくは圧力レベルを+0.0〜+0.02MP
aの範囲に設定する。
【0027】前記空気排出工程での真空引きおよび前記
蒸気の導入と排出において、その回数および圧力の設定
は、前記被滅菌物の状況等により適宜変更可能になって
いる。
【0028】前記空気排出工程時、前記滅菌槽2内へ蒸
気を導入すると、空気と蒸気の比重差により、前記滅菌
槽2内の上部に蒸気が充満し、前記滅菌槽2内の下部に
空気が充満する。したがって、蒸気を前記滅菌槽2の上
部の前記蒸気導入口9から導入して下部の前記排出口1
9から排出することにより、前記滅菌槽2内の空気を下
方へ向かって蒸気により押し出すことができ、前記滅菌
槽2内の空気の排出を確実にかつ短時間で行うことがで
きる。
【0029】そして、前記空気排出工程終了後、滅菌工
程へ移る。前記第二排出弁26を閉じるとともに、前記
第二蒸気供給管8を通して(前記第二蒸気供給弁10:
開)、前記滅菌槽2内へ加熱滅菌用の蒸気を供給し、前
記滅菌槽2内に蒸気を充満させた状態を所定時間継続す
る。前記滅菌槽2内の温度は、滅菌温度135℃に対応
する飽和蒸気圧力0.22MPaに維持される。蒸気の
保有する熱により、被滅菌物に付着している黴菌を加熱
滅菌処理する。前記滅菌温度は、前記被滅菌物の状態に
より115℃〜135℃に適宜設定される。
【0030】つぎに、滅菌工程が終了すると、前記第二
蒸気供給弁10を閉じて前記滅菌槽2への蒸気の供給を
停止し、乾燥工程へ移る。この乾燥工程では、前記第一
排出弁21を開くとともに、前記真空ポンプ23を駆動
して前記滅菌槽2内を略−0.095MPaまで減圧す
る。そして、所定時間経過後、前記空気供給弁14を開
き、前記エアフィルタ13を通して清浄空気を前記滅菌
槽2内へ供給する。これらの減圧動作と清浄空気供給動
作は、交互に複数回繰り返して行うこともできる。この
乾燥工程終了後、前記滅菌槽2内の圧力が略大気圧にな
っているか前記圧力センサ30により検出確認し、また
前記滅菌槽2内の温度の確認も前記第二温度センサ29
により行ない、所定の温度以下なら前記扉3を開き、前
記被滅菌物を取り出す。
【0031】このような滅菌処理を行う蒸気滅菌器にお
いて、前記圧力センサ30が不良となると、前記通常の
運転制御における空気排出が不完全になり、滅菌処理自
体が不完全になることはもちろん、制御ができなくな
り、運転が停止してしまうことがある。ここにおいて、
前記各センサのうち前記圧力センサ30の不良が発生し
たときにも、滅菌作業を継続させ、かつ空気排出を十分
に行い、確実に滅菌処理を行うために、前記バックアッ
プ制御を行うものである。前記圧力センサ30は感度は
良いが、経年経過等により不良となるときもある。前記
圧力センサ30の不良の判定は、前記扉3が開放されて
いるときの前記圧力センサ30の出力が略大気圧である
範囲を示す(−0.01〜+0.01MPa以内)範囲
でないとき、またこのセンサ出力信号電圧が所定の範囲
をはずれて、かつ所定時間経過したとき等の判定基準と
比較することにより、運転中は常に行われている。
【0032】そして、前記圧力センサ30が不良のと
き、前記通常の運転制御とは別の前記バックアップ制御
を行うことにより、前記圧力センサ30の不良を補完す
るものである。すなわち、前記圧力センサ30の不良が
判定されたときの制御は、前記バックアップ制御による
真空引きおよび蒸気導入を所定回数B行った後、前記バ
ックアップ制御による滅菌工程および乾燥工程を行う。
【0033】前記バックアップ制御による真空引きおよ
び蒸気導入を行う工程とは、すなわち不良と判定された
前記圧力センサ30での検出による制御に変えて、前記
圧力検出手段31の信号を略大気圧を示す復圧検出信号
として用いるものである。さらに、これに時間経過を組
み合わせる制御である。すなわち、一回目の真空引き
は、所定の時間前記第一排出弁21と前記真空ポンプ2
3を稼動させたのち停止し、つぎに前記圧力検出手段3
1の信号が略大気圧を示す復圧検出信号となるまで、前
記滅菌槽2へ蒸気を供給し、前記滅菌槽2内を復圧す
る。つぎに、二回目を同様に繰り返す。そして、前記バ
ックアップ制御による所定回数Bになるまで繰り返す制
御である。
【0034】前記バックアップ制御による滅菌工程と
は、前記第二排出弁26を閉じるとともに、前記第二蒸
気供給管8を通して(前記第二蒸気供給弁10:開)、
前記滅菌槽2内へ加熱滅菌用の蒸気を供給し、前記滅菌
槽2内に蒸気を充満させた状態を所定時間継続する。す
なわち、前記滅菌槽2内の温度は、滅菌温度135℃に
所定の時間維持し、蒸気の保有する熱により、被滅菌物
に付着している黴菌を加熱滅菌処理する。前記滅菌温度
は、前記被滅菌物の状態により115℃〜135℃に適
宜設定される。そして、不良と判定された前記圧力セン
サ30での検出による制御に変えて、前記圧力検出手段
31の信号が略大気圧を示す復圧検出信号を出力するま
で、前記滅菌槽2内の蒸気を排気し、滅菌工程を終了す
る。
【0035】前記バックアップ制御による乾燥工程と
は、前記第二蒸気供給弁10を閉じて前記滅菌槽2への
蒸気の供給を停止し、前記第一排出弁21を開くととも
に、前記真空ポンプ23を所定の時間稼動させたのち停
止し、そして所定時間経過後、前記空気供給弁14を開
き、前記エアフィルタ13を通して清浄空気を前記滅菌
槽2内へ供給する。これらの減圧動作と清浄空気供給動
作は、交互に複数回繰り返して行うこともできる。この
乾燥工程終了後、前記滅菌槽2内の圧力が略大気圧にな
っているか前記圧力検出手段31により検出確認し、ま
た前記滅菌槽2内の温度の確認も前記第二温度センサ2
9により行い、所定の温度以下なら前記扉3を開き、前
記被滅菌物を取り出す。
【0036】そして、前記第一空気排出工程,前記第二
空気排出工程,前記滅菌工程および前記乾燥工程の各工
程により滅菌処理を行う場合に、前記圧力センサ30の
不良が判定されたときの制御は、前記バックアップ制御
による真空引きおよび蒸気導入を所定回数B行った後、
前記バックアップ制御による滅菌工程および乾燥工程を
行う。
【0037】ここで、前記圧力センサ30の不良は、通
常の運転のいずれの工程でも発生する可能性があり、そ
のときは、前記通常の各工程のある部分の状態で停止し
たり、また滅菌不良となる。すなわち、前記両空気排出
工程時における前記真空引きおよび前記蒸気の導入と排
出において、その回数および圧力の設定は、適宜変更可
能になっている。そして、滅菌処理時間を早くするた
め、少ない回数の設定を選択しているときには、滅菌処
理不良が起こる。その不良の発生した時点を判別して、
その状況に応じて前記バックアップ制御を行うことは有
効である。
【0038】すなわち、これらの各工程のある部分の状
態での停止や滅菌不良の防止には、前記第一空気排出工
程に移行するまでまたは前記第一空気排出工程の運転中
に前記圧力センサ30の不良が判定されたとき、前記第
一空気排出工程における通常の真空引きおよび蒸気導入
の所定設定回数M(通常1〜10回)と、前記バックア
ップ制御による所定回数B(通常3回以上)とを比較
し、M≧Bならば前記所定設定回数Mになるまで前記バ
ックアップ制御による真空引きと蒸気導入を行い、M<
Bならば前記所定回数Bまで前記バックアップ制御によ
る真空引きと蒸気導入を行った後、前記第二空気排出工
程を行わずに、前記バックアップ制御による滅菌工程お
よび乾燥工程を行う。ここで、前記所定回数Bは、機器
毎に試験した蒸気滅菌器の性能結果により、適宜決定さ
れる。すなわち、前記第二空気排出工程を行わずに処理
したときをも補完する回数として決定される。
【0039】そして、前記第二空気排出工程の運転中に
前記圧力センサ30の不良が判定されたとき、前記第一
空気排出工程における前記所定設定回数Mと、前記所定
回数Bとを比較し、M≧Bならば前記第二空気排出工程
を取消して前記バックアップ制御による滅菌工程および
乾燥工程を行い、M<Bならば前記第二空気排出工程を
取消して、前記所定回数Bを追加して確実に前記バック
アップ制御による真空引きと蒸気導入を行った後、前記
第二空気排出工程を行わずに前記バックアップ制御によ
る滅菌工程および乾燥工程を行う。
【0040】そして、前記圧力センサ30の不良が判定
されたとき、前記圧力センサ30とは別の圧力検出手段
31により、前記滅菌槽2内の前記復圧検出を行う運転
制御方法である。すなわち、通常の蒸気滅菌器の運転制
御方法では、前記圧力センサ30の信号により、前記滅
菌槽2内の圧力を検出して、前記滅菌槽2内圧力が大気
圧と略同圧力となっているか検出し、この検出値に基づ
いて制御している。前記圧力センサ30の不良のとき、
別に設けられている圧力検出手段31へ切り換え、前記
復圧検出を行い、前記バックアップ制御を行うものであ
る。
【0041】
【発明の効果】この発明によれば、滅菌槽内の圧力を検
出する工程制御用の圧力センサの不良が発生したときに
も、滅菌作業を継続させ、かつ空気排出を十分に行い、
確実に滅菌処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明における蒸気滅菌器の一実施例を示す
説明図である。
【図2】この発明の実施例における各工程の説明図であ
る。
【符号の説明】
1 蒸気滅菌器 2 滅菌槽 30 圧力センサ 31 圧力検出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加納 克晃 愛媛県松山市堀江町7番地 三浦工業株式 会社内 Fターム(参考) 4C058 AA12 BB05 CC02 CC04 DD02 DD06 DD13 DD14 EE12 EE26

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 滅菌槽2内の空気排出工程,滅菌工程お
    よび乾燥工程の各工程により滅菌処理を行う蒸気滅菌器
    1の運転制御方法において、前記滅菌槽2内の圧力を検
    出する工程制御用の圧力センサ30の不良が判定された
    とき、前記圧力センサ30を用いないで工程制御を行う
    バックアップ制御による真空引きおよび蒸気導入を所定
    回数B行った後、前記バックアップ制御による滅菌工程
    および乾燥工程を行うことを特徴とする蒸気滅菌器の運
    転制御方法。
  2. 【請求項2】 滅菌槽2内を減圧する真空引きと蒸気導
    入を行い復圧する第一空気排出工程,前記滅菌槽2内を
    加圧する蒸気の導入と排気を行う第二空気排出工程,滅
    菌工程および乾燥工程の各工程により滅菌処理を行う蒸
    気滅菌器1の運転制御方法において、前記滅菌槽2内の
    圧力を検出する工程制御用の圧力センサ30の不良が判
    定されたとき、前記圧力センサ30を用いないで工程制
    御を行うバックアップ制御による真空引きおよび蒸気導
    入を所定回数B行った後、前記バックアップ制御による
    滅菌工程および乾燥工程を行うことを特徴とする蒸気滅
    菌器の運転制御方法。
  3. 【請求項3】 滅菌槽2内を減圧する真空引きと蒸気導
    入を行い復圧する第一空気排出工程,前記滅菌槽2内を
    加圧する蒸気の導入と排気を行う第二空気排出工程,滅
    菌工程および乾燥工程の各工程により滅菌処理を行う蒸
    気滅菌器1の運転制御方法において、前記第一空気排出
    工程に移行するまでまたは前記第一空気排出工程の運転
    中に前記滅菌槽2内の圧力を検出する工程制御用の圧力
    センサ30の不良が判定されたとき、前記第一空気排出
    工程における通常の真空引きおよび蒸気導入の所定設定
    回数Mと、前記圧力センサ30を用いないで工程制御を
    行うバックアップ制御による真空引きおよび蒸気導入の
    所定回数Bとを比較し、M≧Bならば前記所定設定回数
    Mになるまで前記バックアップ制御による真空引きと蒸
    気導入を行い、M<Bならば前記所定回数Bまで前記バ
    ックアップ制御による真空引きと蒸気導入を行った後、
    前記バックアップ制御による滅菌工程および乾燥工程を
    行うことを特徴とする蒸気滅菌器の運転制御方法。
  4. 【請求項4】 滅菌槽2内を減圧する真空引きと蒸気導
    入を行い復圧する第一空気排出工程,前記滅菌槽2内を
    加圧する蒸気の導入と排気を行う第二空気排出工程,滅
    菌工程および乾燥工程の各工程により滅菌処理を行う蒸
    気滅菌器1の運転制御方法において、前記第二空気排出
    工程の運転中に前記滅菌槽2内の圧力を検出する工程制
    御用の圧力センサ30の不良が判定されたとき、前記第
    一空気排出工程における通常の真空引きおよび蒸気導入
    の所定設定回数Mと、前記圧力センサ30を用いないで
    工程制御を行うバックアップ制御による真空引きおよび
    蒸気導入の所定回数Bとを比較し、M≧Bならば前記第
    二空気排出工程を取消して前記バックアップ制御による
    滅菌工程および乾燥工程を行い、M<Bならば前記第二
    空気排出工程を取消して、所定回数Bを追加して前記バ
    ックアップ制御による真空引きと蒸気導入を行った後、
    前記バックアップ制御による滅菌工程および乾燥工程を
    行うことを特徴とする蒸気滅菌器の運転制御方法。
  5. 【請求項5】滅菌槽2内の圧力を検出する前記圧力セン
    サ30の不良が判定されたとき、前記圧力センサ30と
    は別の圧力検出手段31により、前記滅菌槽2内の復圧
    検出を行うことを特徴とする請求項1〜4に記載のいず
    れか1項に記載の蒸気滅菌器の運転制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010227485A (ja) * 2009-03-30 2010-10-14 Miura Co Ltd 蒸気滅菌器およびその空気排除方法
CN111813158A (zh) * 2020-08-11 2020-10-23 江阴滨江医疗设备有限公司 一种用于脉动灭菌器的脉动控制系统及其控制方法

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