JP2001204306A - 釣竿及びその製造方法 - Google Patents

釣竿及びその製造方法

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JP2001204306A
JP2001204306A JP2000017766A JP2000017766A JP2001204306A JP 2001204306 A JP2001204306 A JP 2001204306A JP 2000017766 A JP2000017766 A JP 2000017766A JP 2000017766 A JP2000017766 A JP 2000017766A JP 2001204306 A JP2001204306 A JP 2001204306A
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fishing rod
reinforcing rib
inward
forming
spiral
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Takahisa Yamaguchi
貴久 山口
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Ryobi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内向き補強リブ及び外向き補強リブの形成を
確保し、釣竿の長さ方向への曲げ及び捻れ強度を向上
し、曲りが生じ難く、優れた感度を有し、歩留まりの低
下やコスト高の問題を解決できる釣竿を提供する。 【解決手段】 釣竿本体1の内周面に内向き補強リブ3
を螺旋状に形成する。釣竿本体1の外周面に外向き補強
リブ2を、内向き補強リブ3の螺旋方向と逆向きになる
ように螺旋状に形成する。内向き補強リブ3は、釣糸案
内用のガイド体を構成してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、釣竿及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、釣竿の撓み時の径方向の変形に伴
う割れを防止するために、釣竿の主に軸方向に配向され
た補強繊維に対して、一部の補強繊維をほぼ直交するよ
うに周方向に配向することが知られている。
【0003】しかしながら、補強繊維をほぼ直交するよ
うに周方向に配向しても、これ等は、釣竿の長さ方向へ
の曲げに対する補強に殆ど機能しないのみならず、釣竿
の捻れに対しても殆ど機能しないという問題がある。
【0004】この問題の解決策として、実公昭62−3
025号(実開昭59−77362号)には、釣竿本体
の中間層、又は、釣竿本体の内周部と外周部とに高強度
繊維の引き揃えシートからなる細幅条体を逆方向の螺旋
状に巻回することによって釣竿の長さ方向への曲げ及び
捻れ強度を向上することが提案されている(以下、「先
行技術1」という)。
【0005】又、先行技術1の後述する問題点に鑑み、
特公平3−7334号公報には、軸方向に配向された補
強繊維の蛇行を最小限に抑制するために、細幅条体の厚
さを0.08mm以下に限定することが提案されている
(以下、「先行技術2」という)。
【0006】又、近年の中通し釣竿の流行により、釣竿
本体の内面に螺旋状の案内突条を形成したものが数多く
開発され、実施されてきている(以下、「先行技術3」
という)。
【0007】又、特開平11−9148号公報には、釣
竿本体の外周面への釣糸の付着を防止することを目的と
して、釣竿本体の外周面に螺旋状の突条を剥離テープ及
びヤーンを用いて形成した釣竿が提案されている(以
下、「先行技術4」という)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先行技
術1においては、芯金に軸方向に主に配向された補強繊
維引き揃えシートや織布などに樹脂を含浸したプリプレ
グシートを、巻回時にその内周や中間層に細幅条体を螺
旋状に巻回した上で、テープや収縮チューブ等の緊締手
段で締め付けて加圧焼成して製造するものであるため、
細幅条体がプリプレグシート内に埋没して、軸方向に配
向された補強繊維を湾曲させ、この補強繊維の湾曲位置
における曲げ強度を阻害する傾向があった。
【0009】一方、先行技術2は、先行技術1の問題点
を考慮して、細幅条体の薄肉化を図っているが、その薄
肉化の度合いが増加するに従って、釣竿の長さ方向への
曲げ及び捻れ強度が低下し、細幅条体の巻回による効果
が実質的に得られず、これを巻回するための本来の目的
と矛盾する。
【0010】一方、先行技術3及び4においては、案内
突条は、釣竿の軸芯に対して一方向にのみ螺旋状に形成
される構造であるため、逆方向の捻れ強度の補強ができ
ず、又、竿先の魚信は逆方向の捻れによって分散され
て、竿元を把持した手に伝わり難くなるという問題もあ
った。先行技術3及び4におけるように、釣竿本体の内
周面又は外周面に一方向のみに螺旋状の突条を形成した
構造では、成形後の釣竿に曲りが生じ易く、歩留まりの
低下やコスト高を招く。
【0011】本発明の目的は、内向き補強リブ及び外向
き補強リブの形成を確保し、釣竿の長さ方向への曲げ及
び捻れ強度を向上し、曲りが生じ難く、優れた感度を有
し、歩留まりの低下やコスト高の問題を解決できる釣竿
及びその製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の本発明は、釣竿本体(1)の内周面
に内向き補強リブ(3)を螺旋状に形成した釣竿におい
て、前記釣竿本体(1)の外周面に外向き補強リブ
(2)を、前記内向き補強リブ(3)の螺旋方向と逆向
きになるように螺旋状に形成したことを特徴とする。
【0013】請求項2の本発明は、請求項1の釣竿にお
いて、前記内向き補強リブ(3)が釣糸案内用のガイド
体を構成することを特徴とする。
【0014】請求項3の本発明は、離型剤を塗布した芯
金(4)の外周に、この外周上に内側螺旋状空隙部を形
成するように、内側剥離テープ(8a)を螺旋状に巻回
し、前記内側螺旋状空隙部において、前記芯金(4)の
外周に内向き補強リブ形成体(5)を螺旋状に巻回し、
このように巻回された前記内側剥離テープ(8a)及び
前記内向き補強リブ形成体(5)の外周に竿管本体形成
用プリプレグシート(6)を巻回し、次いで、これを加
圧焼成する工程からなる釣竿の製造方法において、前記
竿管本体形成用プリプレグシート巻回工程と前記加圧焼
成工程との間において、巻回された前記竿管本体形成用
プリプレグシート(6)の外周に、この外周上に外側螺
旋状空隙部を形成するように、外向き補強リブ形成体
(7)を、前記内向き補強リブ形成体(5)の巻回方向
とは逆向きに螺旋状に巻回する工程を行なうことを特徴
とする。
【0015】請求項4の本発明は、請求項3の釣竿の製
造方法において、前記外側螺旋状空隙部において、巻回
された前記竿管本体形成用プリプレグシート(6)の外
周に外側剥離テープ(8b)を螺旋状に巻回することを
特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態に係る釣
竿を、図1を参照して以下に詳細に説明する。
【0017】本発明の釣竿は、釣竿本体1と、その外周
面に形成された外向き補強リブ2と、その内周面に形成
された内向き補強リブ3とからなる基本構成を有してい
る。
【0018】釣竿本体1は、従来の釣竿における釣竿本
体と同様に、竿管本体形成用プリプレグシートからテー
パ円筒状に形成されている。
【0019】外向き補強リブ2は、釣竿本体1の外周面
に螺旋状に形成されている。この外向き補強リブ2の任
意の部分と、次のピッチにおいてこれに対応する部分と
は、釣竿本体1の長さ方向において所定間隔をあけて配
置されている。従って、このような螺旋状の外向き補強
リブ2を形成することによって、釣竿本体1の外周面に
は、外向き補強リブ2の螺旋方向と同一方向に伸びる外
側螺旋状空隙部2aが形成される。
【0020】内向き補強リブ3は、釣竿本体1の内周面
に螺旋状に形成されている。この内向き補強リブ3の任
意の部分と、次のピッチにおいてこれに対応する部分と
は、釣竿本体1の長さ方向において所定間隔をあけて配
置されている。従って、このような螺旋状の内向き補強
リブ3を形成することによって、釣竿本体1の内周面に
は、内向き補強リブ3の螺旋方向と同一方向に伸びる内
側螺旋状空隙部3aが形成される。内向き補強リブ3の
螺旋方向は、外向き補強リブ2の螺旋方向と逆向きであ
り、しかも、前者と後者とは、釣竿本体1の中心軸線に
関して相互に対称である。
【0021】釣竿本体1の中心軸線に対する外向き補強
リブ2及び内向き補強リブ3のそれぞれの傾斜角度は、
釣竿に要求される特性に応じて予め決定される。
【0022】上述した釣竿を中通し釣竿として使用する
場合には、内向き補強リブ3は、釣糸案内用のガイド体
を構成する。
【0023】次に、上述した釣竿を製造するための方法
を、図2を参照しながら以下に詳述する。
【0024】本発明の製造方法は、内側剥離テープ巻回
工程と、内向き補強リブ形成体巻回工程と、竿管本体形
成用プリプレグシート巻回工程と、外側剥離テープ巻回
工程と、外向き補強リブ形成体巻回工程と、加圧焼成工
程と、脱芯及び剥離テープ除去工程とからなっている。
【0025】内側剥離テープ巻回工程は、ワックス等の
離型剤が塗布された芯金4の外周に、内側剥離テープ8
aを螺旋状に巻回することによって行なわれる。このよ
うに巻回された内側剥離テープ8aの任意の部分と、次
のピッチにおいてこれに対応する部分とは、芯金4の長
さ方向において所定間隔をあけて位置している。従っ
て、内側剥離テープ8aをこのように巻回することによ
って、芯金4の外周面には、内側剥離テープ8aの螺旋
方向と同一方向に伸びる内側螺旋状空隙部が形成され
る。
【0026】この内側剥離テープ8aは、加熱変形しに
くく、剥離性に優れたポリオレフィン系樹脂やフッ素系
樹脂等により構成されるが、ポリビニルアルコール系樹
脂等の水溶性テープを内側剥離テープ8aとして使用し
てもよい。
【0027】内向き補強リブ形成体巻回工程は、上述し
たようにして形成された内側螺旋状空隙部において、芯
金4の外周に内向き補強リブ成形体5を螺旋状に巻回す
ることによって行なわれる。この内向き補強リブ成形体
5に関しては、通常は、補強繊維としての炭素繊維のヤ
ーンにエポキシ樹脂を含浸させたプリプレグヤーンが使
用される。この補強繊維としては、金属、ガラス、その
他の公知の素材が使用される。補強繊維の形態は、ヤー
ンの他に、短繊維、クロステープ等でもよい。上述した
エポキシ樹脂の他に、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂
を使用してもよい。
【0028】また、この内向き補強リブ成形体5とし
て、熱硬化性樹脂を予め含浸させた上記プリプレグヤー
ン以外に、熱硬化性樹脂が含浸されていない補強繊維そ
のものを使用してもよい。この場合には、この補強繊維
は、後述する竿管本体形成用プリプレグシート6に含浸
された樹脂によって、含浸硬化される。
【0029】竿管本体形成用プリプレグシート巻回工程
は、上述したようにして巻回された内側剥離テープ8a
及び内向き補強リブ形成体5の外周に、竿管本体形成用
プリプレグシート6を巻回することによって行なわれ
る。
【0030】竿管本体形成用プリプレグシート6は、下
層6a、中間層6b及び上層6cからなる3層構造を有
している。下層6a及び上層6cは、釣竿の周方向に配
向した補強繊維に合成樹脂を含浸させた引き揃えプリプ
レグシートからなっている。一方、中間層6bは、釣竿
の軸方向に配向した補強繊維に合成樹脂を含浸させた引
き揃えプリプレグシートからなっている。
【0031】外側剥離テープ巻回工程は、巻回された竿
管本体形成用プリプレグシート6の外周に、外側剥離テ
ープ8bを内側剥離テープ8aの巻回方向とは逆向きに
螺旋状に巻回することによって行なわれる。このように
巻回された外側剥離テープ8bの任意の部分と、次のピ
ッチにおいてこれに対応する部分とは、芯金4の長さ方
向において所定間隔をあけて位置している。従って、外
側剥離テープ8bをこのように巻回することによって、
竿管本体形成用プリプレグシート6の巻回体の外周面に
は、外側剥離テープ8bの螺旋方向と同一方向に伸びる
内側螺旋状空隙部が形成される。
【0032】この外側剥離テープ8bは、上述した内側
剥離テープ8aと同一の材料から形成されるため、その
材料の説明を省略する。
【0033】外向き補強リブ形成体巻回工程は、上述し
たようにして形成された外側螺旋状空隙部において、竿
管本体形成用プリプレグシート6の巻回体の外周に外向
き補強リブ成形体7を螺旋状に巻回することによって行
なわれる。上述から明らかなように、外向き補強リブ成
形体7の螺旋方向は、内向き補強リブ成形体5の螺旋方
向と逆向きである。しかも、前者と後者とは、芯金4の
中心軸芯に関して相互に対称である。外向き補強リブ成
形体7は、上述した内向き補強リブ成形体5と同一の材
料から形成されるため、その材料の説明を省略する。
【0034】この外向き補強リブ成形体7は、外向き補
強リブ2を形成するが、その突出量が比較的小さい場合
には、補強繊維の引き揃え細幅テープを外向き補強リブ
成形体7として使用してもよい。
【0035】加圧焼成工程は、上述した内側剥離テープ
8a、内向き補強リブ形成体5,竿管本体形成用プリプ
レグシート6、外側剥離テープ8b及び外向き補強リブ
形成体7による巻回体の外周面に図示しない加圧テープ
を巻回し、これを、加熱炉にて焼成することによって行
なわれる。加圧焼成工程によって、内向き補強リブ形成
体5,竿管本体形成用プリプレグシート6及び外向き補
強リブ形成体7に含浸された熱硬化性樹脂が硬化する。
その結果、竿管本体形成用プリプレグシート6をベース
とする釣竿本体1が形成されると共に、その内周面に
は、内向き補強リブ形成体5をベースとする内向き補強
リブ3が形成され、一方、その外周面には、外向き補強
リブ形成体7をベースとする外向き補強リブ2が形成さ
れる(図1参照)。
【0036】脱芯及び剥離テープ除去工程は、加圧焼成
工程後に、芯金4を取り外し、そして、内側剥離テープ
8a及び外側剥離テープ8bを除去することによって行
なわれる。これにより、本発明の釣竿が得られる。
【0037】このようにして得られた本発明の釣竿にお
いては、内側剥離テープ8a及び外側剥離テープ8bに
より、竿管本体形成用プリプレグシート6中の繊維の蛇
行が抑制され、適切な形状を有する内向き補強リブ3及
び外向き補強リブ2を形成することができる。
【0038】この釣竿においては、釣竿本体1の外面及
び内面に補強リブ2及び3がそれぞれ形成されているの
で、これ等リブ同士が綾状に交差することがなく、その
結果、竿の一部が極端に突出することが回避でき、応力
集中の少ない釣竿を得ることができる。
【0039】上述した実施形態において、内側剥離テー
プ巻回工程と内向き補強リブ形成体巻回工程との間にお
いて、内側剥離テープ巻回工程によって形成された内側
螺旋状空隙部に、薄肉剥離テープ又は薄肉剥離シートを
巻回する工程を追加してもよい。このように巻回される
薄肉剥離テープ又は薄肉剥離シートは、少なくとも上記
内側螺旋状空隙部内に湾曲した状態で配置されればよ
く、内側剥離テープ8aの上面を覆っていてもよい。こ
の工程によれば、薄肉剥離テープ又は薄肉剥離シートに
よって、内向き補強リブ3の頂部において、湾曲面を形
成することができる。従って、釣竿が中通し釣竿として
使用される場合に、釣竿本体1の内部を案内される釣糸
の損傷を防止できると共に、摺動抵抗の低減を図ること
ができる。
【0040】又、上記工程において、巻回された薄肉剥
離テープ又は薄肉剥離シート上に金属箔等の耐摩耗性部
材を配置すれば、形成される内向き補強リブ3の表面に
耐摩耗性部材を露呈させ、もって、釣糸の損傷を確実に
防止できると共に、摺動抵抗をより一層低減することが
できる。
【0041】尚、上述したようにして形成された釣竿の
外面に、塗装工程、例えば、吹き付け塗装工程を施すこ
とが望ましい。この吹き付け塗装工程においては、例え
ば、ウレタン系のクリアー塗料中に高硬度微粒子を重量
比で10%混合した微粒子入り塗料を使用する。このよ
うな高硬度微粒子として、アルミナ、炭化珪素、ジルコ
ニア等のセラミック微粒子を使用することが望ましい。
高硬度微粒子は、55以上、好ましくは1200以上の
ビッカース硬度を有していることが望ましく、平均粒径
は、1−60μmの範囲内、好ましくは10−40μm
の範囲内であることが望ましい。
【0042】このようにして施される外面塗装によれ
ば、釣竿の被膜中に高硬度微粒子が存在することによ
り、外面が疵つき難くなる。勿論、この塗装工程そのも
のも容易であり、製造コストの高騰化を招くことはな
い。 実施例 上述した本発明の製造方法に従って釣竿を調製し、この
ようにして調製された本発明の釣竿について、外向き補
強リブ2及び内向き補強リブ3の幅及び厚さをそれぞれ
測定した。この補強リブの幅及び厚さは、図3に示され
ている。図3は、補強リブの幅b及び厚さhをより明確
に具現化するために、内向き補強リブ3を例として模式
的に示しているが、外向き補強リブ2の場合において
も、その幅b及び厚さhの対応関係は、内向き補強リブ
3の場合と同一である。このように測定結果を下記表1
に示す。
【0043】
【表1】
【0044】表1から明らかなように、外向き補強リブ
2及び内向き補強リブ3は何れも、1.0mmの厚さ及
び0.4mmの厚さを有していた。ここで、これ等補強
リブ2、3の厚さ、即ち、突出量が0.4mmであるこ
とに起因して、釣竿の長さ方向への曲げ及び捻れ強度が
著しく改善された。
【0045】比較のために、細幅条体の薄肉化を考慮し
た先行技術2に類似する技術的思想に基づいて、5mm
の幅及び0.5mmの厚さを有する細幅条体を、巻回さ
れたプリプレグシートの外周面に巻回し、次いで、これ
を焼成して、従来の釣竿を得た(以下、「従来例」とい
う)。この従来例について、外向き補強リブの幅及び厚
さをそれぞれ測定した。その測定結果を表1に併せて示
す。
【0046】表1から明らかなように、加圧テープの巻
回圧に起因して、外向き補強リブの厚さ、即ち、突出量
は0.1mmであり、釣竿の長さ方向への曲げ及び捻れ
強度に対しては殆ど貢献していないことが判明した。
【0047】又、5mmの幅及び0.5mmの厚さを有
する細幅条体を離型剤を塗布した芯金の外周に巻回した
後に、プリプレグシートを巻回し、次いで、これを加圧
焼成して釣竿を得、釣竿本体の内面からの内向き補強リ
ブの突出量を調べた。その結果、加圧焼成時に溶融した
樹脂によって補強条体は釣竿本体の内面から実質的に突
出せず、釣竿の長さ方向への曲げ及び捻れ強度に貢献し
ていないことも判明した。
【0048】ここで、捻れ方向の補強力を示す断面二次
モーメントと撓み時の径方向の変形強度を示す断面係数
とにおいて、本発明と従来例とを比較すれば、表1から
明らかなように、本発明においては、従来例を「1.
0」とした場合の断面二次モーメントを12.8倍に向
上でき、一方、断面係数を3.2倍に向上できた。しか
も、本発明の釣竿の重量比は、従来例を「1.0」とし
た場合において、0.8であり、軽量化を図ることが可
能であることが判明した。
【0049】
【発明の効果】請求項1の本発明によれば、釣竿本体の
内周面に内向き補強リブが螺旋状に形成される一方、そ
の外周面に外向き補強リブが、内向き補強リブの螺旋方
向と逆向きになるように螺旋状に形成されているため、
この内向き補強リブ及び外向き補強リブが釣竿の何れの
捻れ方向に対しても補強作用をもたらし、竿管の捻れ強
度の向上を図ることができ、しかも、竿先における魚信
が分散されることなく、竿元を把持した手に確実に伝播
される。
【0050】又、内向き補強リブ及び外向き補強リブの
それぞれの螺旋方向に起因して、成型後の釣竿の曲りが
生じ難く、歩留まりの向上及びコストの低下を図ること
ができる。更に、竿管本体の撓み時の径方向の変形に伴
う割れを防止でき、竿管本体の長さ方向への曲げに対す
る補強効果ももたらされ、しかも、軽量になる。
【0051】断面二次モーメント及び断面係数が所定の
値になるように、内向き補強リブ及び外向き補強リブの
突出量を調整すれば、長さ方向、周方向及び捻り方向の
補強強度を任意に設定でき、更に、この突出量や螺旋状
の巻回ピッチを変化させることによって、釣り竿の調子
や強度の調整ができ、釣竿の設計自由度の向上を図るこ
とができる。
【0052】上述に加えて、形成された外向き補強リブ
に起因して、竿管本体表面への水の付着を防止できるの
みならず、竿管本体外面を案内される釣糸の接触面積を
小さくでき、その結果、竿管本体表面への釣糸の付着を
防止でき、しかも、釣糸との摺動抵抗を低下させること
ができる。
【0053】又、外向き補強リブの突出量を内向き補強
リブの突出量よりも小さくしても、釣竿の内外における
補強力の均衡を保つことができるので、釣竿を把持した
ときの違和感がなく、握り易い釣竿を得ることができ
る。
【0054】請求項1の本発明の釣竿において、請求項
2に記載したように、内向き補強リブが釣糸案内用のガ
イド体を構成すれば、中通し釣竿として使用される際
に、内向き補強リブが、釣竿の補強手段として作用する
のみならず、釣糸のガイド体としても作用し、釣竿の構
造を複雑にすることなく、これ等に対応する所望の効果
を得ることができる。
【0055】請求項3及び請求項4の本発明の製造方法
によれば、上述した本発明の釣竿を容易に製造でき、製
造コストを低廉に維持できる。特に、請求項3の内側剥
離テープ巻回工程によって、竿管本体形成用プリプレグ
シート巻回工程が施されるべき、被巻回面を凹凸がない
円滑な面を確保し、これによって、竿管本体形成用プリ
プレグシートの巻回を適切に行なうことができ、このシ
ート中の軸方向に配向された補強繊維の不適切な湾曲を
回避でき、内向き補強リブ形成位置における曲げ強度を
低下を防止できる。又、請求項4の外側剥離テープ巻回
工程によって、巻回された竿管本体形成用プリプレグシ
ートが適切に保持され、このシート中の軸方向に配向さ
れた補強繊維の不適切な湾曲を回避でき、外向き補強リ
ブ形成位置における曲げ強度を低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の釣竿の長さ方向の断面形状を示す部分
斜視図
【図2】本発明の釣竿の製造方法を示す概略図
【図3】補強リブの模式図
【符号の説明】
1 釣竿本体 2 外向き補強リブ 3 内向き補強リブ 4 芯金 5 内向き補強リブ形成体 6 竿管本体形成用プリプレグシート 7 外向き補強リブ形成体 8a 内側剥離テープ 8b 外側剥離テープ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 釣竿本体の内周面に内向き補強リブを螺
    旋状に形成した釣竿において、 前記釣竿本体の外周面に外向き補強リブを、前記内向き
    補強リブの螺旋方向と逆向きになるように螺旋状に形成
    したことを特徴とする釣竿。
  2. 【請求項2】 前記内向き補強リブが釣糸案内用のガイ
    ド体を構成することを特徴とする請求項1に記載の釣
    竿。
  3. 【請求項3】 離型剤を塗布した芯金の外周に、この外
    周上に内側螺旋状空隙部を形成するように、内側剥離テ
    ープを螺旋状に巻回し、 前記内側螺旋状空隙部において、前記芯金の外周に内向
    き補強リブ形成体を螺旋状に巻回し、 このように巻回された前記内側剥離テープ及び前記内向
    き補強リブ形成体の外周に竿管本体形成用プリプレグシ
    ートを巻回し、 次いで、これを加圧焼成する工程からなる釣竿の製造方
    法において、 前記竿管本体形成用プリプレグシート巻回工程と前記加
    圧焼成工程との間において、巻回された前記竿管本体形
    成用プリプレグシートの外周に、この外周上に外側螺旋
    状空隙部を形成するように、外向き補強リブ形成体を、
    前記内向き補強リブ形成体の巻回方向とは逆向きに螺旋
    状に巻回する工程を行なうことを特徴とする釣竿の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記外側螺旋状空隙部において、巻回さ
    れた前記竿管本体形成用プリプレグシートの外周に外側
    剥離テープを螺旋状に巻回することを特徴とする請求項
    3に記載の釣竿の製造方法。
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