JP2001203404A - 強誘電体薄膜素子の製造方法及び加熱処理装置 - Google Patents

強誘電体薄膜素子の製造方法及び加熱処理装置

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JP2001203404A JP2000173609A JP2000173609A JP2001203404A JP 2001203404 A JP2001203404 A JP 2001203404A JP 2000173609 A JP2000173609 A JP 2000173609A JP 2000173609 A JP2000173609 A JP 2000173609A JP 2001203404 A JP2001203404 A JP 2001203404A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた結晶性を有し、膜厚方向に均一に結晶
配向した強誘電体薄膜素子を製造する方法を提供する。 【解決手段】 強誘電体を構成する金属元素及び酸素元
素を含む非晶質膜を下部電極上に形成する工程と、当該
非晶質膜を熱処理することで結晶化した強誘電体薄膜を
成膜する工程とを備え、前記熱処理の際に、前記下部電
極側から加熱する。強誘電体薄膜の結晶化は下部電極に
影響を受けて進行するとともに、下部電極側からの加熱
によって結晶成長が下部電極側から始まって薄膜上部に
至るので、結晶性が良好となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は強誘電体薄膜素子の
製造技術に関し、特に、非晶質膜を加熱処理して結晶化
させ強誘電体薄膜を形成する際に、良好な結晶性を得る
ことができる強誘電体薄膜素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】強誘電性を示す複合酸化物の結晶性材
料、例えば、ジルコン酸チタン酸鉛、チタン酸バリウ
ム、ニオブ酸リチウム 等には、自発分極、高誘電率、
電気光学効果、圧電効果、及び焦電効果等の多くの機能
をもつので、広範なデバイス開発に応用されている。例
えば、その圧電性を利用して圧電体素子として、高誘電
性を利用してFRAM(Ferroelectric Random Access
Memory)やDRAM(Dynamic Random Access Memory)
等のキャパシタに、焦電性を利用して赤外線リニアアレ
イセンサに、また、その電気光学効果を利用して導波路
型光変調器にと、様々な方面で用いられている。このよ
うに多様な機能を有する強誘電体薄膜素子を機能素子と
もいう。
【0003】かかる強誘電体薄膜素子の製造にあたって
は、下部電極上に、強誘電体を構成する金属元素を含ん
だ非晶質の薄膜を積層し、これを例えば拡散炉や、高速
熱処理(RTA)装置によって、例えば600℃の温度
で焼成することによって結晶化させ、ペロブスカイト型
結晶構造を有する強誘電体薄膜素子を形成することが行
われている。
【0004】かかる加熱処理を行うことにより、生成さ
れる強誘電体薄膜の結晶配向方位は、強誘電体薄膜の成
膜の際に下地となる基板或いは下部電極の結晶方位の影
響を受けることが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
では、強誘電体薄膜の下部電極に近い部分では所望の結
晶配向が得られても、下部電極から遠い部分、すなわち
強誘電体薄膜の上部においては、結晶性が悪くなる場合
があった。特に、膜厚0.5μm以上に厚膜化したとき
には、薄膜の上部において結晶性が低下する傾向が顕著
となり、圧電特性が劣るという問題があった。
【0006】また、膜厚方向に歪みの分布ができるた
め、アクチュエータの変位効率が低くなるという問題が
あった。
【0007】そこで、本発明は、優れた結晶性を有し、
膜厚方向に均一に結晶配向した強誘電体薄膜素子を製造
する方法を提供することを目的とする。
【0008】さらには、この製造法によって得られる電
気機械変換素子をインク吐出駆動源とするインクジェッ
ト式記録ヘッド及びその製造方法並びにインクジェット
プリンタを提供することを目的とする。また、本製造法
によって得られる強誘電体薄膜素子をキャパシタとする
強誘電体不揮発性メモリ及びその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本願の請求項1に記載された発明は、強誘電体を構成す
る金属元素及び酸素元素を含む非晶質膜を下部電極上に
形成する工程と、当該非晶質膜を熱処理することで結晶
化した強誘電体薄膜を成膜する工程とを備え、前記熱処
理の際に、前記下部電極側から加熱することを特徴とす
る強誘電体薄膜素子の製造方法である。
【0010】これにより、強誘電体薄膜の結晶成長が下
部電極側から始まって、強誘電体薄膜の結晶配向が下部
電極の影響を受けながら順次進行し、薄膜上部に至るの
で、優れた結晶性を有し、膜厚方向に均一な強誘電体薄
膜素子を製造することができる。また、圧電特性の優れ
た強誘電体薄膜素子を製造することができる。
【0011】また、本願の請求項2に記載された発明
は、強誘電体を構成する金属元素及び酸素元素を含む非
晶質膜を下部電極上に形成する工程と、当該非晶質膜を
熱処理することで結晶化した強誘電体薄膜を成膜する工
程とを備え、前記熱処理の際に、前記非晶質膜に対して
下部電極側から供給される熱エネルギーは、下部電極の
反対側から供給される熱エネルギーよりも大きいことを
特徴とする強誘電体薄膜素子の製造方法である。
【0012】これにより、下部電極側から先に、結晶化
が促進される温度に到達するので、強誘電体薄膜の結晶
化が下部電極側から始まるようにすることができる。
【0013】また、本願の請求項3に記載された発明
は、強誘電体を構成する金属元素および酸素元素を含む
非晶質膜を下部電極上に形成する工程と、当該非晶質膜
を熱処理することで結晶化した強誘電体薄膜を成膜する
工程とを備え、前記熱処理の際に、前記下部電極上に前
記非晶質膜を形成した基板を複数用意し、当該複数の基
板の各非晶質側の面を互いに向かい合わせにして加熱す
ることを特徴とする強誘電体薄膜素子の製造方法であ
る。
【0014】非晶質側の面が向かい合わせになっている
ので、非晶質側から受ける輻射熱を軽減し、下部電極側
に受ける輻射熱が強くなるようにすることができる。
【0015】また、本願の請求項4に記載された発明
は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の強誘
電体薄膜素子の製造方法であって、前記下部電極上にチ
タン層を積層する工程を更に含み、当該工程の実行後
に、前記非晶質膜を形成する工程を実行することを特徴
とする強誘電体薄膜素子の製造方法である。
【0016】下部電極上にチタン層を積層することによ
り、強誘電体薄膜の結晶配向を所望の方向に制御するこ
とができる。
【0017】また、本願の請求項5に記載された発明
は、請求項4に記載の強誘電体薄膜素子の製造方法であ
って、前記チタン層の膜厚を2nm以上10nm未満と
することを特徴とする強誘電体薄膜素子の製造方法であ
る。これにより、強誘電体薄膜を(100)面に優先配
向させることができる。
【0018】また、本願の請求項6に記載された発明
は、請求項4に記載の強誘電体薄膜素子の製造方法であ
って、前記チタン層の膜厚を10nm以上20nm未満
とすることを特徴とする強誘電体薄膜素子の製造方法で
ある。これにより、強誘電体薄膜を(111)面に優先
配向させることができる。
【0019】また、本願の請求項7に記載された発明
は、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の強誘
電体薄膜素子の製造方法であって、前記強誘電体はジル
コン酸チタン酸鉛であることを特徴とする強誘電体薄膜
素子の製造方法である。
【0020】また、本願の請求項8に記載された発明
は、請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の強誘
電体薄膜素子の製造方法であって、前記強誘電体薄膜の
膜厚は0.5μm以上であることを特徴とする強誘電体
薄膜素子の製造方法である。膜厚の大きな強誘電体素子
の製造において、従来に比べ特に優れた結晶性を得るこ
とができる。
【0021】また、本願の請求項9に記載された発明
は、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の方法
によって得られた電気機械変換素子である。電気機械変
換素子に応用することにより、変位効率の向上が達成で
きる。
【0022】また、本願の請求項10に記載された発明
は、請求項9に記載の電気機械変換素子と、当該電気機
械変換素子の機械的変位によって内容積が変化するイン
ク室と、当該インク室に連通してインク滴を吐出する吐
出口とを備えることを特徴とするインクジェット式記録
ヘッドである。圧電特性が向上した電気機械変換素子を
備えているので、高速化、高解像度化を可能にするイン
クジェット式記録ヘッドを提供することができる。
【0023】また、本願の請求項11に記載された発明
は、請求項10に記載のインクジェット式記録ヘッドを
印字機構に備えるインクジェットプリンタである。
【0024】また、本願の請求項12に記載された発明
は、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の方法
によって製造した強誘電体薄膜素子をキャパシタとする
強誘電体不揮発性メモリ素子である。結晶性に優れた強
誘電体薄膜を備えているので、特性良好なメモリ素子を
提供することができる。
【0025】また、本願の請求項13に記載された発明
は、強誘電体を構成する金属元素及び酸素元素を含む非
晶質膜であって下部電極上に形成されたものを、熱処理
することで結晶化させて強誘電体薄膜を形成するための
加熱処理装置であって、前記熱処理の際に、前記下部電
極側から加熱するように構成されていることを特徴とす
る加熱処理装置である。
【0026】また、本願の請求項14に記載された発明
は、強誘電体を構成する金属元素及び酸素元素を含む非
晶質膜であって下部電極上に形成されたものを、熱処理
することで結晶化させて強誘電体薄膜を形成するための
加熱処理装置であって、前記非晶質膜を備えた基板を、
前記非晶質膜側の面が一定方向を向くように保持する保
持部を設け、前記非晶質膜側の面と反対側の面に対向す
る位置に加熱部を設けたことを特徴とする加熱処理装置
である。
【0027】また、本願の請求項15に記載された発明
は、強誘電体を構成する金属元素及び酸素元素を含む非
晶質膜であって下部電極上に形成されたものを、熱処理
することで結晶化させて強誘電体薄膜を形成するための
加熱処理装置であって、前記非晶質膜を備えた基板を、
前記非晶質膜側の面が互いに向かい合うように複数保持
する保持部を設けたことを特徴とする加熱処理装置であ
る。
【0028】また、本願の請求項16に記載された発明
は、下部電極と、該下部電極上に形成されるPZT薄膜
と、該PZT薄膜上に形成された上部電極とを備えた強
誘電体素子であって、前記PZT薄膜のX線回折広角法
により測定した(100)面半価幅は、0.2度以下で
あることを特徴とする強誘電体薄膜素子である。
【0029】また、本願の請求項17に記載された発明
は、下部電極と、該下部電極上に形成されるPZT薄膜
と、該PZT薄膜上に形成された上部電極とを備えた強
誘電体素子であって、前記PZT薄膜のX線回折広角法
により測定した(111)面半価幅は、0.2度以下で
あることを特徴とする強誘電体薄膜素子である。
【0030】また、本願の請求項18に記載された発明
は、下部電極と、該下部電極上に形成されるPZT薄膜
と、該PZT薄膜上に形成された上部電極とを備えた強
誘電体素子であって、前記PZT薄膜中の鉛(Pb)原
子の含有量は、膜厚方向に一定であることを特徴とする
強誘電体薄膜素子である。
【0031】
【発明の実施の形態】(インクジェットプリンタの全体
構成)図1は、本発明の1実施形態に係る製造方法によ
って製造される強誘電体薄膜素子である電気機械変換素
子を備えたインクジェットプリンタの構成図である。イ
ンクジェットプリンタは、主にインクジェット式記録ヘ
ッド100、本体102、トレイ103、ヘッド駆動機
構106を備えて構成されている。
【0032】インクジェット式記録ヘッド100は、イ
エロー、マゼンダ、シアン、ブラックの計4色のインク
カートリッジ101を備えており、フルカラー印刷が可
能なように構成されている。また、このインクジェット
プリンタは、内部に専用のコントローラボード等を備え
ており、インクジェット式記録ヘッド100のインク吐
出タイミング及びヘッド駆動機構106の走査を制御す
る。
【0033】また、本体102は背面にトレイ103を
備えるとともに、その内部にオートシードフィーダ(自
動連続給紙機構)105を備え、記録用紙107を自動
的に送り出し、正面の排出口104から記録用紙107
を排紙する。
【0034】(インクジェット式記録ヘッドの全体構
成)図2に、上記インクジェット式記録ヘッドの分解斜
視図を示す。インクジェット式記録ヘッド100は、イ
ンク室基板20と、その一方の面に固定された振動板3
0と、他方の面に固定されたノズル板10とを備えて構
成されている。このヘッド100は、オンデマンド形の
ピエゾジェット式ヘッドを構成している。
【0035】インク室基板20は、キャビティ(インク
室)21、側壁(隔壁)22、リザーバ23および供給
口24を備えている。キャビティ21は、インクなどを
吐出するために貯蔵する空間となっている。側壁22は
複数のキャビティ21間を仕切るよう形成されている。
リザーバ23は、インクを共通して各キャビティ21に
充たすための流路となっている。供給口24は、リザー
バ23から各キャビティ21にインクを導入可能に形成
されている。
【0036】ノズル板10は、インク室基板20に設け
られたキャビティ21の各々に対応する位置にそのノズ
ル穴11が配置されるよう、インク室基板20に貼り合
わせられている。ノズル板10を貼り合わせたインク室
基板20は、筐体25に納められている。
【0037】振動板30には圧電アクチュエータ(後
述)が設けられている。振動板30には、インクタンク
口(図示せず)が設けられて、図示しないインクタンク
に貯蔵されているインクをリザーバ23に供給可能にな
っている。
【0038】(層構造)図3に、本発明の製造方法によ
って製造されるインクジェット式記録ヘッドおよび各圧
電アクチュエータ40の層構造を説明する断面図を示
す。図に示すように、振動板30は、絶縁膜31、下地
層34、密着層32、下部電極33、及びチタン層35
を積層して構成され、圧電アクチュエータ40は強誘電
体薄膜層41および上部電極42を積層して構成されて
いる。
【0039】絶縁膜31は、導電性のない材料、例えば
二酸化珪素(SiO)により構成され、強誘電体層の
変形により変形し、キャビティ21の内部の圧力を瞬間
的に高めることが可能に構成されている。
【0040】下地層34は、圧電アクチュエータ40を
構成する際の下地の役割を担うものである。例えば酸化
ジルコニウム(ZrO)で構成される。密着層32
は、下地層34と下部電極33との密着性を向上させ
る。例えばチタン(Ti)により構成される。
【0041】下部電極33は、強誘電体薄膜層41に電
圧を印加するための一方の電極であり、インク室基板2
0上に形成される複数の圧電アクチュエータに共通な電
極として機能するように絶縁膜31と同じ領域に形成さ
れる。ただし、強誘電体薄膜層41と同様の大きさに、
すなわち上部電極と同じ形状に形成することも可能であ
る。下部電極33は、導電性を有する材料により構成さ
れる。例えば、基板20側からイリジウム層/白金層/
イリジウム層の積層構造を有している。但し、下部電極
の材料はこれに限定されず、白金の単相膜や、イリジウ
ムの単層膜で構成しても良いし、イリジウム層/白金層
の積層構造や、白金層/イリジウム層の積層構造を有し
ていてもよい。また、イリジウムと白金の合金としても
よい。
【0042】強誘電体薄膜層41は、例えばペロブスカ
イト構造を持つ強誘電性セラミックスの結晶であり、振
動板30上に所定の形状で形成されて構成されている。
強誘電体薄膜層41の組成は、例えばジルコニウム酸チ
タン酸鉛(Pb(Zr、Ti)O:PZT)、チタン
酸鉛ランタン((Pb,La)TiO)、ジルコニウ
ム酸鉛ランタン((Pb,La)ZrO)またはマグ
ネシウムニオブ酸ジルコニウム酸チタン酸鉛(Pb(M
g、Nb)(Zr、Ti)O:PMN−PZT)のう
ちいずれかの強誘電性セラミックスなどである。ただし
上記組成に限定されるものではない。
【0043】上部電極42は、強誘電体薄膜層41に電
圧を印加するための他方の電極となり、導電性を有する
材料、例えば白金(Pt)、RuO2、IrO2等で構成
されている。
【0044】(インクジェット式記録ヘッドの動作)上
記インクジェット式記録ヘッド100の動作を説明す
る。所定の吐出信号が供給されず圧電アクチュエータ4
0の下部電極33と上部電極42との間に電圧が印加さ
れていない場合、強誘電体薄膜層41には変形を生じな
い。吐出信号が供給されていない圧電アクチュエータ4
0が設けられているキャビティ21には、圧力変化が生
じず、そのノズル穴11からインク滴は吐出されない。
【0045】一方、所定の吐出信号が供給され圧電アク
チュエータ40の下部電極33と上部電極42との間に
一定電圧が印加された場合、強誘電体薄膜層41に変形
を生じる。吐出信号が供給された圧電アクチュエータ4
0が設けられているキャビティ21ではその振動板30
が大きくたわむ。このためキャビティ21内の圧力が瞬
間的に高まり、ノズル穴11からインク滴が吐出され
る。細長いヘッド中で印刷させたい位置の圧電アクチュ
エータに吐出信号を個別に供給することで、任意の文字
や図形を印刷させることができる。
【0046】(製造方法)図4を参照しながら本実施の
形態の強誘電体薄膜素子の製造工程について、インクジ
ェット式記録ヘッドの製造工程と併せて説明する。ま
ず、図4(A)に示すように、インク室基板20に絶縁
膜31を成膜する。インク室基板20として、例えば、
直径100mm、厚さ220μmのシリコン単結晶基板
を用いる。絶縁膜31は、1100℃の炉の中で、乾燥
酸素を流して22時間程度熱酸化させ、約1μmの膜厚
の熱酸化膜を形成する。この他に、CVD法等の成膜法
を適宜選択して成膜してもよい。また、絶縁膜31とし
て、二酸化珪素に限られず、酸化ジルコニウム膜、酸化
タンタル膜、窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜でも
よい。
【0047】次に、下地層34として酸化ジルコニウム
(ZrO)を成膜するため、ジルコニウムをターゲッ
トとし、酸素ガスの導入による反応性スパッタリング法
等で膜厚400nm程度に成膜する。他の成膜法とし
て、酸化ジルコニウムターゲットでRFスパッタリング
法で成膜したり、DCスパッタリング法でジルコニウム
を成膜した後、熱酸化してもよい。
【0048】次に、下地層34上にチタン膜(チタン)
からなる密着層32を、例えば直流スパッタ法により形
成する。密着層32の膜厚は、5nm〜40nm程度が
望ましく、本実施形態では10nm程度に形成する。
【0049】密着層32の上に、下部電極33を成膜す
る。下部電極33として、下地層34側から、イリジウ
ム20nm/白金140nm/イリジウム20nmの積
層構造を有するようにそれぞれ成膜する。後述する強誘
電体薄膜の熱処理工程においてイリジウムは酸化され、
白金の柱状結晶の間には酸化イリジウム層が形成され
る。かかる酸化イリジウムは強誘電体薄膜の酸素の抜け
出しを防ぎ、強誘電体薄膜の特性の劣化を防ぐことがで
きる。
【0050】続いて、下部電極33上に、2nm〜20
nmのチタン層35を積層する。特に、2nm以上10
nm未満とすると、強誘電体薄膜は(100)面に優先
配向される。また、10nm以上20nm未満とする
と、強誘電体薄膜は(111)面に優先配向される。チ
タン層35の成膜は、DCマグネトロンスパッタ法を利
用する。また、CVD法、蒸着法等の成膜法を利用する
こともできる。
【0051】(強誘電体前駆体膜の形成)次に、チタン
層35上に強誘電体前駆体膜41’を成膜する。強誘電
体前駆体膜41’は、後述の処理で結晶化されて強誘電
体薄膜41となる以前の、非晶質膜として構成される。
本実施例ではPZT前駆体膜をゾル・ゲル法で成膜す
る。ゾル・ゲル法とは、金属アルコキシド等の金属有機
化合物を溶液系で加水分解、重縮合させるものである。
【0052】具体的には、基板上に金属有機化合物を含
む溶液を塗布し、乾燥させる。用いられる金属有機化合
物としては、無機酸化物を構成する金属のメトキシド、
エトキシド、プロポキシド、ブトキシド等のアルコキシ
ドやアセテート化合物等が挙げられる。硝酸塩、しゅう
酸塩、過塩素酸塩等の無機塩でも良い。
【0053】本実施形態においては、PZT膜の出発原
料として、Pb(CHCOO)・3HO、Zr
(t−OCH、Ti(i−OC
混合溶液を用意する。この混合溶液を1500rpmで
0.1μmの厚さにスピンコーティングし、400℃の
温度環境下で脱脂する。この工程を5回繰り返し、膜厚
0.5μmのゲルとする。
【0054】(加熱処理)図4(B)に示すように、上
記の工程によって得られた強誘電体前駆体膜41’を加
熱処理することによって結晶化させ、強誘電体薄膜層4
1を形成する。焼結温度は材料により異なるが、通常の
金属酸化物粉末の焼成にかかる温度より低温で処理でき
る。本実施形態では650℃で5分から30分間加熱を
行う。加熱装置としては、RTA(Rapid Thermal Anne
aling)装置、拡散炉等を使用することができる。
【0055】特に本発明では、強誘電体前駆体膜41’
を、下部電極33側から加熱する。すなわち、強誘電体
前駆体膜41’に対して下部電極33側から供給される
熱エネルギーは、下部電極33の反対側から供給される
熱エネルギーよりも大きくなるようにする。
【0056】図5に、この加熱処理に使用される加熱装
置の一例であるRTA装置の概念図を示す。RTA装置
50は、装置外枠54内に、加熱手段52を配置した構
造となっている。加熱手段52は、強誘電体前駆体膜を
積層した基板である試料51を照射可能なランプ等から
なる。加熱手段52には、加熱手段制御装置53が接続
され、加熱手段52に供給する電力等が制御される。
【0057】このRTA装置のように、装置外枠54の
対向する2つの壁面に沿って加熱手段52が設けられて
いる場合には、そのうち一方(加熱される試料の下部電
極側)の壁面に沿って設けられた加熱手段52のみを点
灯させる。例えば、図5のように、試料51の強誘電体
前駆体側の面511を図示上側に、下部電極側の面51
2を図示下側に配している場合、図示下側の加熱手段5
2のみを点灯させる。
【0058】なお、本発明の目的を達成するには、試料
の一方の面から加熱すれば良いので、RTA装置はこれ
に限らず、加熱手段52が一方の壁面のみに設けられて
いるものでもよい。また、RTA装置内に基板を保持す
るための保持部(図示せず)は、基板の下部電極側の面
が、一方の壁面のみに設けられた加熱手段に対向するよ
うに、基板を一定方向に向けて保持するようにしてもよ
い。これによりRTA装置内に基板を設置する作業を、
誤りなく効率的に行うことができる。
【0059】図6に、加熱処理に使用される加熱装置の
他の一例である横型拡散炉の概念図を示す。横型拡散炉
60は、筒状の炉心管62を備えている。炉心管62
は、試料の出入口である炉口64、炉口64の開閉扉で
あるシャッタ65、及び反応ガス送入口68を備えてい
る。また、横型拡散炉60は、炉内の温度を上昇させる
ためのヒータ61を、炉心管の周りに備えている。
【0060】拡散炉内部の試料を加熱する輻射熱は、試
料の周囲を取り囲んだ炉心管62の壁面全体から発せら
れるので、炉内の一方のみから加熱することができな
い。そこで、拡散炉によって加熱処理をする場合は、基
板63を複数用意し、当該複数の基板の各非晶質側の面
631を、互いに向かい合わせにして加熱装置内で加熱
する。これにより、基板の下部電極側の面632から加
熱することができ、非晶質膜に対して下部電極側に供給
される熱エネルギーが、下部電極の反対側から供給され
る熱エネルギーよりも大きくなるようにすることができ
る。また、拡散炉内に基板を保持するための保持部は、
複数の基板の各非晶質側の面を互いに向かい合わせにし
て保持するように構成してもよい。これにより拡散炉内
に基板を設置する作業を、誤りなく効率的に行うことが
できる。
【0061】以上のように、下部電極側から基板を加熱
することにより、強誘電体前駆体膜41’の結晶化が、
下部電極33側から始まって膜厚方向に進行するので、
良好な結晶性を得ることができる。なお、インク室基板
20を構成するシリコンは加熱装置からの輻射熱をあま
り吸収しないこと、下部電極33を構成する金属は熱伝
導性が高いことも、強誘電体前駆体膜41’を下部電極
側から加熱するには好都合に働いている。
【0062】(圧電アクチュエータの形成)図4(C)
に示すように、強誘電体薄膜41上に上部電極42を形
成し、所定形状に加工して圧電アクチュエータを形成す
る。具体的には、上部電極42として白金(Pt)を1
00nmの膜厚にDCスパッタ法で成膜する。次に、上
部電極42上にレジストをスピンコートした後、インク
室が形成されるべき位置に合わせて露光・現像してパタ
ーニングする。残ったレジストをマスクとして上部電極
42、強誘電体薄膜41をイオンミリング等でエッチン
グする。以上の工程により、強誘電体薄膜素子の一例で
ある圧電アクチュエータが形成される。 (インクジェット式記録ヘッドの形成)図4(D)に示
すように、インク室基板20にインク室21を形成し、
ノズル板10を形成する。
【0063】具体的には、インク室基板20に、インク
室が形成されるべき位置に合わせてエッチングマスクを
施し、例えば平行平板型反応性イオンエッチング等の活
性気体を用いたドライエッチングにより、予め定められ
た深さまでインク室基板20をエッチングし、インク室
21を形成する。エッチングされずに残った部分は側壁
22となる。
【0064】最後に、樹脂等を用いてノズル板10をイ
ンク室基板20に接合する。ノズル板10をインク室基
板20に接合する際には、ノズル11がインク室21の
各々の空間に対応して配置されるよう位置合せする。以
上の工程により、インクジェット式記録ヘッドが形成さ
れる。
【0065】(他の強誘電体薄膜素子の例)本発明の製
造方法によって製造される強誘電体薄膜素子は、上記の
ような電気機械変換素子ないし圧電体素子に限らず、種
々の用途が存在する。例えば、キャパシタの絶縁膜に用
いれば大規模集積回路に好適な小面積、大容量のキャパ
シタが得られる。強誘電体薄膜は自発分極を持ち、外部
電場の作用により分極方向を反転させることができるた
め、この特性を用いて不揮発性メモリを製造することが
できる。
【0066】特に、本発明の強誘電体薄膜素子の製造方
法によれば、結晶性の良好な強誘電体薄膜を形成するこ
とができるので、高速動作、低消費電力等、特性良好な
キャパシタを得ることができる。
【0067】(実施例1)本実施形態の製造方法に従
い、強誘電体薄膜素子を製造した。特に、強誘電体薄膜
を所望の結晶配向に制御するため、下部電極33上に形
成する上記チタン層35の膜厚を、5nmとした。すな
わち、強誘電体前駆体層41’より下の層構造を、Ti
5nm/Ir20nm/Pt140nm/Ir20nm
/Ti10nm/ZrO400nmとした。この基板
を加熱処理して結晶化させると、上記層構造の影響によ
り、強誘電体薄膜は(100)面に優先配向される。実
際に、下部電極側から加熱処理して得られた強誘電体薄
膜について、X線回折広角法により(100)面半価幅
を測定し、更に圧電定数を測定した。その結果、(10
0)面半価幅は0.178度、圧電定数は145pC/
Nであった。
【0068】(比較例1)上記実施例1と同一の層構造
を有する試料を、強誘電体前駆体膜側から加熱処理し、
同様の測定を行った。その結果、(100)面半価幅は
0.213度、圧電定数は115pC/Nであった。
【0069】以上の実施例1と比較例1とを対比する
と、試料を下部電極側から加熱することにより、(10
0)面の半価幅がより小さい、すなわち歪みの少ない結
晶となることがわかる。また、圧電定数が向上すること
がわかる。
【0070】(実施例2)本実施形態の製造方法に従
い、他の強誘電体薄膜素子を製造した。特に、下部電極
33上に形成する上記チタン層35の膜厚を、15nm
とした。すなわち、強誘電体前駆体層41’より下の層
構造を、Ti15nm/Ir20nm/Pt140nm
/Ir20nm/Ti10nm/ZrO400nmと
した。この試料を加熱処理して結晶化させると、上記層
構造の影響により、強誘電体薄膜は(111)面に優先
配向される。実際に、下部電極側から加熱処理して得ら
れた強誘電体薄膜について、X線回折広角法により(1
11)面半価幅を測定し、インクジェットヘッドを構成
した場合の圧電定数を測定した。その結果、(111)
面半価幅は0.182度、圧電定数は131pC/Nで
あった。
【0071】(比較例2)上記実施例2と同一の層構造
を有する基板を、強誘電体前駆体膜側から加熱処理し、
同様の測定を行った。その結果、(111)面半価幅は
0.215度、圧電定数は95pC/Nであった。
【0072】以上の実施例2と比較例2とを対比する
と、基板を下部電極側から加熱することにより、(11
1)面の半価幅がより小さい、すなわち歪みの少ない結
晶となることがわかる。また、圧電定数が向上すること
がわかる。
【0073】(鉛原子含有量の分布)本実施形態の方法
で得られたPZT膜の膜厚方向における鉛原子含有量の
分布を、図7に線(a)で示す。比較例として、上記実
施形態と同一組成のゾル液を用い、結晶化工程において
前駆体膜側から加熱して得られたPZT膜の膜厚方向に
おける鉛原子含有量の分布を、図7に線(b)で示す。
図に示すように、比較例の製造方法では加熱により鉛原
子が飛散し、鉛の割合が低くなる。また、この傾向はP
ZT表面付近で顕著となる。これに対し、本実施形態に
よる製造方法では、鉛の飛散が少なく、比較例と比べて
鉛の割合が大きくなる。また、PZT表面付近から鉛が
飛散して濃度が不均一になることを防止することができ
る。従って、本発明の方法により製造する場合、過剰鉛
の少ないゾル液を使用することが可能である。また、耐
電圧が大きく、リーク電流が小さくなり、信頼性の向上
にも結びつくものである。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、強誘電体薄膜素子を構
成する金属元素を含んだ非晶質膜を熱処理して結晶させ
る際に、加熱装置の輻射熱が下部電極側に当たるように
基板や発熱体を配置することとしたので、下部電極側か
ら加熱され、強誘電体薄膜素子の結晶成長が下部電極側
から始まって薄膜上部に至るので、優れた結晶性を有
し、膜厚方向に均一に結晶配向した強誘電体薄膜素子を
製造することができる。これにより、例えば圧電アクチ
ュエータとして利用した場合は、変位効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態に係る製造方法によって製
造される強誘電体薄膜素子である電気機械変換素子を備
えたインクジェットプリンタの構成図である。
【図2】インクジェット式記録ヘッドの分解斜視図であ
る。
【図3】インクジェット式記録ヘッドおよび各圧電アク
チュエータ40の層構造を説明する断面図である。
【図4】インクジェット式記録ヘッドの主要部の製造工
程断面図である。
【図5】加熱装置の一例であるRTA装置の概念図であ
る。
【図6】加熱装置の他の一例である横型拡散炉の概念図
である。
【図7】本実施形態および比較例の各方法により製造し
たPZT膜の膜厚方向における鉛原子含有量の分布を示
すグラフである。
【符号の説明】
20…インク室基板、21…インク室、10…ノズル
板、11…ノズル、31…絶縁膜、34…下地層、32
…密着層、33…下部電極、35…チタン層、41…強
誘電体薄膜、41’…強誘電体前駆体膜、42…上部電
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 41/09 H01L 41/18 101D 41/187 101B 41/24 41/22 A

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強誘電体を構成する金属元素及び酸素元
    素を含む非晶質膜を下部電極上に形成する工程と、当該
    非晶質膜を熱処理することで結晶化した強誘電体薄膜を
    成膜する工程とを備え、前記熱処理の際に、前記下部電
    極側から加熱することを特徴とする強誘電体薄膜素子の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 強誘電体を構成する金属元素及び酸素元
    素を含む非晶質膜を下部電極上に形成する工程と、当該
    非晶質膜を熱処理することで結晶化した強誘電体薄膜を
    成膜する工程とを備え、前記熱処理の際に、前記非晶質
    膜に対して下部電極側から供給される熱エネルギーは、
    下部電極の反対側から供給される熱エネルギーよりも大
    きいことを特徴とする強誘電体薄膜素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 強誘電体を構成する金属元素および酸素
    元素を含む非晶質膜を下部電極上に形成する工程と、当
    該非晶質膜を熱処理することで結晶化した強誘電体薄膜
    を成膜する工程とを備え、前記熱処理の際に、前記下部
    電極上に前記非晶質膜を形成した基板を複数用意し、当
    該複数の基板の各非晶質側の面を互いに向かい合わせに
    して加熱することを特徴とする強誘電体薄膜素子の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に
    記載の強誘電体薄膜素子の製造方法であって、 前記下部電極上にチタン層を積層する工程を更に含み、
    当該工程の実行後に、前記非晶質膜を形成する工程を実
    行することを特徴とする強誘電体薄膜素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の強誘電体薄膜素子の製
    造方法であって、 前記チタン層の膜厚を2nm以上10nm未満とするこ
    とを特徴とする強誘電体薄膜素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の強誘電体薄膜素子の製
    造方法であって、 前記チタン層の膜厚を10nm以上20nm未満とする
    ことを特徴とする強誘電体薄膜素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に
    記載の強誘電体薄膜素子の製造方法であって、 前記強誘電体はジルコン酸チタン酸鉛であることを特徴
    とする強誘電体薄膜素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に
    記載の強誘電体薄膜素子の製造方法であって、 前記強誘電体薄膜の膜厚は0.5μm以上であることを
    特徴とする強誘電体薄膜素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至請求項8のいずれか一項に
    記載の方法によって得られた電気機械変換素子。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の電気機械変換素子
    と、当該電気機械変換素子の機械的変位によって内容積
    が変化するインク室と、当該インク室に連通してインク
    滴を吐出する吐出口とを備えることを特徴とするインク
    ジェット式記録ヘッド。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載のインクジェット式
    記録ヘッドを印字機構に備えるインクジェットプリン
    タ。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至請求項8のいずれか一項
    に記載の方法によって製造した強誘電体薄膜素子をキャ
    パシタとする強誘電体不揮発性メモリ素子。
  13. 【請求項13】 強誘電体を構成する金属元素及び酸素
    元素を含む非晶質膜であって下部電極上に形成されたも
    のを、熱処理することで結晶化させて強誘電体薄膜を形
    成するための加熱処理装置であって、 前記熱処理の際に、前記下部電極側から加熱するように
    構成されていることを特徴とする加熱処理装置。
  14. 【請求項14】 強誘電体を構成する金属元素及び酸素
    元素を含む非晶質膜であって下部電極上に形成されたも
    のを、熱処理することで結晶化させて強誘電体薄膜を形
    成するための加熱処理装置であって、 前記非晶質膜を備えた基板を、前記非晶質膜側の面が一
    定方向を向くように保持する保持部を設け、前記非晶質
    膜側の面と反対側の面に対向する位置に加熱部を設けた
    ことを特徴とする加熱処理装置。
  15. 【請求項15】 強誘電体を構成する金属元素及び酸素
    元素を含む非晶質膜であって下部電極上に形成されたも
    のを、熱処理することで結晶化させて強誘電体薄膜を形
    成するための加熱処理装置であって、 前記非晶質膜を備えた基板を、前記非晶質膜側の面が互
    いに向かい合うように複数保持する保持部を設けたこと
    を特徴とする加熱処理装置。
  16. 【請求項16】 下部電極と、該下部電極上に形成され
    るPZT薄膜と、該PZT薄膜上に形成された上部電極
    とを備えた強誘電体素子であって、 前記PZT薄膜のX線回折広角法により測定した(10
    0)面半価幅は、0.2度以下であることを特徴とする
    強誘電体薄膜素子。
  17. 【請求項17】 下部電極と、該下部電極上に形成され
    るPZT薄膜と、該PZT薄膜上に形成された上部電極
    とを備えた強誘電体素子であって、 前記PZT薄膜のX線回折広角法により測定した(11
    1)面半価幅は、0.2度以下であることを特徴とする
    強誘電体薄膜素子。
  18. 【請求項18】 下部電極と、該下部電極上に形成され
    るPZT薄膜と、該PZT薄膜上に形成された上部電極
    とを備えた強誘電体素子であって、 前記PZT薄膜中の鉛(Pb)原子の含有量は、膜厚方
    向に一定であることを特徴とする強誘電体薄膜素子。
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