JP2001202490A - Icカード及びその製造方法 - Google Patents

Icカード及びその製造方法

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JP2001202490A
JP2001202490A JP2000011654A JP2000011654A JP2001202490A JP 2001202490 A JP2001202490 A JP 2001202490A JP 2000011654 A JP2000011654 A JP 2000011654A JP 2000011654 A JP2000011654 A JP 2000011654A JP 2001202490 A JP2001202490 A JP 2001202490A
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card
chip
reinforcing plate
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Tatsuya Hirata
達也 平田
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面に対する印刷性を向上する。 【解決手段】 第1シート12の外面側に共通印刷(共
通印刷層20)を予め施し、その内面側に回路パターン
15を形成する。第1シート12の内面側に、ICチッ
プ16を、そのバンプ16aが回路パターン15に接続
されるように、異方導電性接着剤17を介してフリップ
チップ実装する。さらに、ICチップ16の周囲部を、
軟質な封止樹脂18によりモールドし、ICチップ16
に補強板19を装着する。このとき、補強板19のばり
19aの方向を、第1シート12側とする。第1シート
12の内面側に、中間接着層14を挟んで第2シート1
3を接合してカード化する。この後、第2シート13の
外面側に、任意の意匠印刷(意匠印刷層21)を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、第1シートと第2
シートとを中間接着層を挟んで接合してなるICカード
に係り、特に表面の印刷性を向上させたICカード及び
その製造方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】近年、例えばテレホン
カード等においては、従来の磁気記録方式のカードに代
わるものとして、非接触型のICカードが実用化されて
きている。この種のICカードとしては、例えば特開平
10−211784号公報に記載された三層構造のもの
が、低コストに適したものとして知られている。
【0003】即ち、図6に示すように、ICカード1
は、共に合成樹脂製の第1シート2と第2シート3と
を、中間接着層4を挟んで熱プレスにより接合して構成
される。このとき、前記第1シート2の内面側には、予
め、回路パターン5が印刷形成されていると共に、それ
に接続するようにICチップ6がフリップチップ実装さ
れている。また、前記ICチップ6の保護のため、該I
Cチップ6の周囲はエポキシ樹脂等の封止樹脂7により
封止され、さらに、ICチップ6の回路面と反対面(図
で下面)側には、例えばSUS製の補強板8が設けられ
ている。そして、このICカード1の表裏両面には、夫
々所定の絵柄や文字等の印刷が施された印刷層9,10
が設けられるようになっている。
【0004】ところで、このようなICカード1、特に
表面側の印刷層9については、意匠上の要求から、絵柄
や写真、個別のカード管理情報(例えば持主の名前,顔
写真)等の多種多様な意匠印刷を施すことが要望されて
おり、しかも早い納期が求められる。かかる要望に応え
るためには、予め印刷を施した第1シート2及び第2シ
ート3を接合してカード化するのではなく、印刷の施さ
れていない第1シート2及び第2シート3に対して、カ
ードとしての構成後に印刷を施すようにすることが望ま
しい。
【0005】しかしながら、図6に示すように、出来上
がったICカード1の表面(第1シート2の外面)のう
ち、ICチップ6の実装部分に、バンプ6aに対応した
部分が凸状となるような凹凸(段差)が生ずる事情があ
り、従って、カードとしての構成後に印刷を施すこと
は、その凹凸に起因して、例えば凹凸のうち急激に立ち
下がる部分に印刷の抜けが発生するというように、印刷
性の低下を招くことになるのである。また、ICカード
1の表面には、回路パターン5がある部分だけ凸部とな
ることがあり、その部分でも印刷の抜けが発生すること
があった。
【0006】尚、上述のように、補強板8を設けた場合
には、補強板8のばり8aが大きくなると、そのばり8
aに起因して、ICカード1の裏面側(第2シート3の
外面側)においても凹凸が発生する事情がある。また、
前記封止樹脂7が比較的硬質であった場合にも、その封
止樹脂7に起因してICカード1の裏面側(第2シート
3の外面側)に凹凸が発生する虞がある。これらも、カ
ードとしての構成後における印刷性の低下の一因とな
る。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、表面に対する印刷性を向上させること
ができるICカード及びその製造方法を提供するにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】ICカードにおいては、
一般に、その片面(表面)が、意匠上の要求から絵柄や
写真、個別のカード管理情報等の多種多様な意匠印刷が
施される意匠印刷面とされ、その反対側の面(裏面)
が、ICカードの種類に応じた注意書き、例えばテレホ
ンカードの場合にはその使用方法等が共通して印刷され
る共通印刷面とされることが多い。本発明者は、このよ
うに、ICカードの一方の面が共通印刷面とされ、意匠
印刷面については、カード化した後に印刷できることが
要求されること、及び、三層構造とされたICカードに
おける表面の凹凸の急激な立上り/立下りは、ICチッ
プ等の部品が実装された側の面で大きくなることに着目
し、本発明を成し遂げたのである。
【0009】即ち、本発明のICカードは、部品が実装
される第1シートの外面側に、共通印刷が予め施されて
いると共に、その第1シートと中間接着層を挟んで接合
される第2シートの外面側を、カードとしての構成後に
任意の意匠印刷を施すことが可能に構成したところに特
徴を有する(請求項1の発明)。
【0010】これによれば、カードとしての構成後にも
凹凸が発生しにくい平坦面とされる第2シートの外面側
を、カード化後に多種多様な印刷を施すことが要求され
る意匠印刷面としたので、意匠印刷を抜け等なく良好に
行なうことができる。一方、カード化後に凹凸が発生す
る第1シートの外面側には、共通印刷を予め施すように
したので、印刷性が阻害されることはなく、意匠上の要
求にも反することはない。この結果、本発明のICカー
ドによれば、全体として表面に対する印刷性を向上させ
ることができるという優れた効果を得ることができる。
【0011】また、前記部品として、ICチップをフリ
ップチップ実装すれば(請求項2の発明)、ICカード
の製造コストが安く実現できる上、このときのバンプに
起因する凹凸も第1シートの外面側に発生するだけなの
で、印刷性の阻害を防止できる。部品がICモジュール
であれば(請求項3の発明)、製造上の扱いも簡単であ
り、モジュールの細かな凹凸に起因する凹凸も第1シー
トの外面側に発生するだけなので、印刷性の阻害を防止
できる。
【0012】このとき、部品を保護するための補強板を
設けるものにあっては、その補強板を、ばり方向が第1
シート側となるように配置するようにすれば(請求項4
の発明)、補強板のばりが大きくなることに起因する凹
凸も、第1シートの外面側に発生することになるので、
補強板のばりが印刷性を阻害することを未然に防止する
ことができる。また、部品の周囲部を封止樹脂により覆
うものにあっては、その封止樹脂を中間接着層よりも軟
質に構成するようにすれば(請求項5の発明)、封止樹
脂に起因する表面の凹凸の発生を未然に防止することが
できる。
【0013】第2シートの外面部に、印刷及び消去が繰
返し可能なリライト層を設けることもできる(請求項6
の発明)。これによれば、リライト層は平坦面とされた
第2シートの外面側に設けられているので、カードとし
ての構成後に、リライト層に対する印刷及び消去を良好
に行なうことができる。
【0014】そして、本発明のICカードの製造方法
は、第1シートの外面側に共通印刷を施す共通印刷工程
と、その第1シートの内面に形成された回路パターンに
部品を実装する実装工程と、この第1シートの内面側に
中間接着層を挟んで、外面側が意匠印刷面とされる第2
シートを接合するカード化工程とを順に実行するところ
に特徴を有する(請求項7の発明)。
【0015】これによれば、共通印刷工程は、第1シー
トの外面側に凹凸が発生する前に行なわれるので、印刷
性が阻害されることはなく、共通印刷を施すことができ
る。そして、実装工程及びカード化工程により、第1シ
ートの内面側に中間接着層を挟んで第2シートが接合さ
れてカード化されるのであるが、第2シートの外面側
は、カードとしての構成後にも凹凸が発生しにくい平坦
面とされるので、この第2シートの外面側を意匠印刷面
としたことにより、意匠印刷を抜け等なく良好に行なう
ことが可能となる。この結果、本発明のICカードの製
造方法によれば、全体として表面に対する印刷性を向上
させることができるという優れた効果を得ることができ
る。
【0016】上記部品の実装として、ICチップをフリ
ップチップ実装したり(請求項8の発明)、ICモジュ
ールを実装するようにすれば(請求項9の発明)、製造
が簡単化できると共に、その細かな凹凸が印刷性を阻害
することを防止できる。
【0017】この場合、前記カード化工程の後に、第2
シートの外面側に任意の意匠印刷を施す意匠印刷工程を
実行することができる(請求項10の発明)。これによ
り、意匠印刷工程において、意匠印刷が抜け等なく良好
に行なわれるようになり、カードとしての構成後に、意
匠印刷面に多種多様な意匠印刷を施すという要望に応え
ることができる。
【0018】また、部品保護用の補強板を設ける場合に
は、前記実装工程において、その補強板を、ばり方向が
第1シート側となるように設けることができる(請求項
11の発明)。これによれば、補強板のばりが大きくな
ることに起因する凹凸も、第1シートの外面側に発生す
ることになるので、補強板のばりが印刷性を阻害するこ
とを未然に防止することができる。
【0019】あるいは、ICチップをフリップチップ実
装する場合には、実装工程において、複数の補強板構成
部がつながった状態の連続体に対して、それらの各補強
板構成部にICチップを装着し、その連続体からばり方
向を該ICチップ側とするように打抜くことにより、補
強板を予め有した状態のICチップを供給するようにし
ても良い(請求項12の発明)。これによれば、ICチ
ップと補強板とを一度に組付けることが可能となり、別
々に組付ける場合に比べて組み付け工程の簡単化を図る
ことができる。また、補強板のばりに起因して印刷性が
阻害されることもない。
【0020】さらには、前記第2シートの外面部に、カ
ード化工程以前に、印刷及び消去が繰返し可能なリライ
ト層を設けることもできる(請求項13の発明)。これ
によれば、リライト層は平坦面とされた第2シートの外
面側に設けられているので、カードとしての構成後に、
リライト層に対する印刷及び消去を良好に行なうことが
可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明をテレホンカードと
してのICカードに適用した第1の実施例(請求項1,
2,4,5,7,8,10,11に対応)について、図
1及び図2を参照しながら説明する。
【0022】図1は、本実施例に係るICカード11の
構成を示しており、このICカード11は、第1シート
12と第2シート13とを、中間接着層14を挟んで接
合することにより、カード状(薄形矩形板状)に構成さ
れている。前記第1シート12及び第2シート13は、
共に例えばPET等のプラスチックからなり、また、前
記中間接着層14は、例えはポリエステル系ホットメル
ト接着剤からなる。後述するように、この中間接着層1
4は、ICカード11に製造時には、シート状に成形さ
れた状態で供給されるようになっている。
【0023】前記第1シート12の内面側(図で上面
側)には、回路パターン15が形成されていると共に、
ICチップ16がフリップチップ実装されている。図2
に示すように、前記回路パターン15は、例えば銀ペー
ストの印刷,焼付けによりコイル状に形成され、外部機
器との間で電波信号を送受信するアンテナとして機能す
ると共に、外部からICチップ16の動作用電力を得る
機能も果たすようになっている。
【0024】また、前記ICチップ16は、その回路面
側(図で下面側)に形成されたバンプ16aが、前記回
路パターン15の端部に電気的に接続されるように、異
方導電性接着剤17により接続されている。尚、前記I
Cチップ16の回路面とは反対側(図で上面側)の面
は、ICチップ16自身の厚みが極力薄くなるように研
削された研削面とされている。
【0025】そして、前記ICチップ16は、その周囲
部が封止樹脂18により覆われている。本実施例では、
この封止樹脂18として、前記中間接着層14よりも軟
質な材料例えばシリコーン樹脂から構成されている。ま
た、前記ICチップ16の研削面(図で上面)側には、
該ICチップ16より一回り大きい矩形薄板状をなす例
えばSUS製の補強板19が例えば接着により設けられ
ている。このとき、この補強板19は、例えばSUS板
からの打抜きにより形成されるのであるが、本実施例で
は、そのばり19aの方向が、第1シート12側つまり
下向きとなるように配置されている。
【0026】これにて、前記封止樹脂18及び補強板1
9によって、曲げ力等の機械的外力からのICチップ1
6の保護が図られると共に、外部からの塩素イオンやN
aイオン等の不純物イオンによるICチップ16の腐食
等が防止されるようになっている。これらICチップ1
6並びに封止樹脂18及び補強板19は、前記中間接着
層14内に埋め込まれた形態に設けられるようになって
いる。
【0027】さて、本実施例では、前記第1シート12
の外面側(図で下面側)は、ICカード11の種類に応
じた注意書き等が共通して印刷される共通印刷面とさ
れ、後の製造方法の説明でも述べるように、共通印刷が
予め施されて共通印刷層20が形成されている。この共
通印刷層20においては、例えば同種のテレホンカード
(例えば50度数のテレホンカード)に関しては、50
度数のテレホンカードである旨や、使用の際の注意書き
(使用方法)等の全て共通の印刷がなされるようになっ
ている。
【0028】これに対し、本実施例では、前記第2シー
ト13の外面側(図で上面側)は、意匠上の要求から任
意の意匠印刷が施される意匠印刷面とされ、例えば小ロ
ット毎に、絵柄や写真等の多種多様な意匠印刷が施され
た意匠印刷層21が形成されるようになっている。後の
製造方法の説明でも述べるように、この意匠印刷層21
は、ICカード11がカードとして構成された後に、印
刷されるようになっている。
【0029】次に、上記のように構成されたICカード
11を製造するための本実施例に係る製造方法につい
て、図2も参照して述べる。図2は、ICカード11の
製造手順を模式的に示しており、ここで、まず、図2
(a)に示すように、第1シート12を準備し、この第
1シート12の外面側(図で下面側)に共通印刷を施し
て共通印刷層20を設ける共通印刷工程が実行される。
次に、図2(b)に示すように、その第1シート12の
内面側(図で上面側)に、例えば銀ペーストによる印刷
及び焼付けにより回路パターン15を形成する工程が実
行される。
【0030】そして、図2(c)〜(e)に示すよう
に、第1シート12の内面側にICチップ16をフリッ
プチップ実装する実装工程が行なわれる。本実施例で
は、この実装工程は、まず、図2(c)に示すように、
第1シート12の内面側の回路パターン15に対して、
ICチップ16の回路面(図で下面)に設けられたバン
プ16aが接続されるように、異方導電性接着剤17を
介してフリップチップ実装することが行なわれる。
【0031】次に、図2(d)に示すように、実装され
たICチップ16の周囲部を封止樹脂(例えばシリコー
ン樹脂)18によりモールドすることが行なわれ、次い
で、図2(e)に示すように、封止樹脂18の上面側に
補強板19を装着することが行なわれる。このとき、上
述のように、補強板19は、そのばり19aの方向が、
第1シート12側つまり下向きとなるように設けられる
のである。この場合、予め個々の補強板19を用意して
おくのではなく、材料(SUS板)から補強板19を打
抜いて直ちに装着するといったことを繰返すことによ
り、ばり19aの方向を揃えながら組付け作業を行なう
ことができる。
【0032】この後、ICチップ16が実装された第1
シート12の内面(図で上面)側に中間接着層14を挟
んで第2シート13を接合(ラミネート)するカード化
工程が実行される。このカード化工程では、第1シート
12上に、予めシート状に成形された中間接着層14及
び第2シート13を順に重ね、全体を熱プレス装置によ
り加熱しながら加圧される。これにより、第1シート1
2と第2シート13との間で、中間接着層14が溶融状
態となって、ICチップ16(封止樹脂18及び補強板
19)が中間接着層14内に隙間なく埋込まれるように
して接合が行なわれ、これと共に、全体としての厚みが
均一となるように加圧され、その後の冷却により中間接
着層14が硬化して接合が完了する。
【0033】これにて、図2(f)に示すように、第1
シート12と第2シート13とを中間接着層14を挟ん
で接合してなる三層構造のICカード11が構成される
のである。このとき、ICカード11の図で下面側(第
1シート12の外面側)は、予め共通印刷層20が形成
された共通印刷面とされ、一方、図で上面側(第2シー
ト13の外面側)は、任意の意匠印刷を施すことが可能
な意匠印刷面とされ、ここには未だ印刷が施されていな
い状態とされている。
【0034】しかる後、図2(g)に示すように、IC
カード11の上面の意匠印刷面(第2シート13の外
面)に、例えば個別の意匠印刷を施す意匠印刷工程が実
行される。この意匠印刷工程により、ICカード11の
意匠印刷面には、例えば小ロット毎に、任意の絵柄や写
真等の多種多様な意匠印刷が施された意匠印刷層21が
形成され、もってICカード11として完成するのであ
る。
【0035】しかして、このようにして製造されたIC
カード11は、前記カード化工程における加圧により全
体として均一厚みとされるのであるが、その表面には、
ICチップ16のバンプ16aといった硬質な突起状部
分に対応した部分が凸状となるような凹凸(段差)が生
ずる事情がある。また、補強板19のばり19aが大き
くなった場合にも、そのばり19aに起因して凹凸が生
ずる事情があり、さらには、封止樹脂18が比較的硬質
であった場合にも、その封止樹脂18に起因してICカ
ード11の表面に凹凸が発生することがある。このよう
な凹凸は、急激な立上り/立下りを有することが多い。
【0036】ところが、本実施例では、図1に示すよう
に、ICチップ16のバンプ16aや、補強板19のば
り19aに起因した凹凸は、第1シート12の外面側に
発生するようになり、この第1シート12の外面側に
は、カード化以前つまり凹凸の発生前に予め共通印刷層
20が形成されているので、その共通印刷層20の印刷
性が阻害されることはない。一方、第2シート13の外
面側については、カードとしての構成後にも急激に変化
する凹凸が発生しにくいフラットな面とされ、その面を
意匠印刷面としたので、カード化後の意匠印刷が抜け等
なく良好に行われるのである。
【0037】また、前記封止樹脂18として、中間接着
層14よりも軟質な材料(シリコーン樹脂)から構成さ
れているので、封止樹脂18に起因する表面の凹凸の発
生も未然に防止される。尚、このとき、封止樹脂18が
軟質であることにより、ICチップ16の機械的外力か
らの保護特性に変化はあるが、ICチップ16の保護は
補強板19によりまかなうことができ、信頼性が低下す
ることはない。
【0038】このように本実施例によれば、ICカード
11においては、その片面が、意匠上の要求から絵柄や
写真等の多種多様な意匠印刷が施される意匠印刷面とさ
れ、その反対側の面が、ICカード11の種類に応じた
注意書き等が共通して印刷される共通印刷面とされるこ
とに着目し、カードとしての構成後にも急激に変化する
凹凸が発生しにくい平坦面とされる第2シート13の外
面側を意匠印刷面とすると共に、カード化後に急激な凹
凸が発生する第1シート12の外面側に予め共通印刷を
施すようにしたので、共通印刷層20の印刷性が阻害さ
れることなく、意匠印刷を抜け等なく良好に行なうこと
ができ、全体として表面に対する印刷性を向上させるこ
とができるという優れた効果を奏する。
【0039】また、特に本実施例では、補強板19を設
けたことにより、曲げ力等の機械的外力からのICチッ
プ16の保護を図ることができ、その補強板19のばり
19aが大きくなることに起因する凹凸も、第1シート
12の外面側に発生することになるので、補強板19の
ばり19aが印刷性を阻害することも防止することがで
きる。更に、本実施例では、封止樹脂18によりICチ
ップ16の物理的,化学的な保護を図ることができるも
のであって、その封止樹脂18を中間接着層14よりも
軟質に構成したので、封止樹脂18に起因する表面の凹
凸の発生をも未然に防止することができるものである。
【0040】図3は、本発明の第2の実施例(請求項1
2に対応)を示している。この実施例が上記第1の実施
例と異なるところは、第1シート12に対してICチッ
プ16を実装する実装工程において、ICチップ16と
補強板19とを別々に組付けることに代えて、ICチッ
プ16の研削面側に補強板19を予め設けた状態で第1
シート12に組付けるようにした点にある。
【0041】即ち、本実施例では、図3(a)に示すよ
うに、補強板19を構成する複数の補強板構成部31a
がフレーム部31bによってつながった状態の連続体3
1を、SUS板から予め形成しておく。次いで、図3
(b)に示すように、その連続体31の各補強板構成部
31aに夫々ICチップ16を例えば接着剤により取付
ける。このとき、ICチップ16は、研削面側を図で下
面側として、補強板構成部31aに装着される。
【0042】その後、図3(c)に示すように、ICチ
ップ16の装着後の連続体31から補強板19を打抜く
ことが行なわれ、これにて、研削面(図で下面)側に予
め補強板19を有した状態のICチップ16が得られる
のである。このとき、ばり19aの方向が図で上面側即
ちICチップ16側となるように、連続体31からの補
強板19を打抜く。
【0043】そして、実装工程においては、図3(d)
に示すように、回路パターン15が形成された第1シー
ト12に対し、補強板19を予め有したICチップ16
が実装される。このとき、ICチップ16は図3(c)
等とは上下反転されてフリップチップ実装されるのであ
る。しかる後、図示はしないが、補強板19及びICチ
ップ16が封止樹脂により覆われ、その後、上記第1の
実施例と同様に、カード化工程、意匠印刷工程が順に実
行され、ICカード11が構成されるようになってい
る。
【0044】このような第2の実施例によれば、ICチ
ップ16と補強板19とを一度に組付けることが可能と
なり、別々に組付ける場合に比べて組み付け工程の簡単
化を図ることができる。補強板19の上下の向きを誤っ
て組付けてしまう虞もない。また、上記第1の実施例と
同様に、補強板19のばり19a方向が、ICチップ1
6側つまり第1シート12側とされているので、補強板
19のばり19aが大きくなることに起因する印刷性の
低下も防止できることは勿論である。
【0045】図4は、本発明の第3の実施例(請求項
6,13に対応)に係るICカード41の構成を示して
いる。このICカード41は、例えば定期券等に有効な
もので、上記第1の実施例のICカード11と異なると
ころは、その表面部(第2シート13の外面部)に、例
えば熱的な手段により印刷及び消去が繰返し可能なリラ
イト層42を設けるようにした点にある。
【0046】前記リライト層42は、例えば染色剤や発
色剤等を混合してなる感熱発色材料(サーモクロミック
有機材料)から構成され、記録用温度まで加熱して急冷
することにより発色状態となり、前記記録用温度より高
い消去用温度まで加熱して徐冷することにより、発色状
態が消えるといった性状を呈するようになっている。こ
のリライト層42は、例えばカード化工程以前に、第2
シート13の外面側に塗布あるいはシート状に構成され
たものを貼付けることにより予め設けられ、カードとし
て構成された後に、例えば専用の印刷装置により、乗車
区間や有効期限等が、自在に印刷されるようになってい
る。
【0047】このような構成によれば、リライト層42
は平坦面とされた第2シート13の外面側に設けられて
いるので、ICカード41としての構成後に、リライト
層42に対する印刷及び消去を良好に行なうことができ
る。尚、第2シート13の外面側全体をリライト層42
とすることに限らず、第2シート13の外面側に部分的
にリライト層を設け、残りの部分を上記第1の実施例と
同様の意匠印刷面としても良いことは勿論である。
【0048】図5は、本発明の第4の実施例(請求項
3,9に対応)に係るICカード51の構成を示してい
る。このICカード51が上記第1の実施例のICカー
ド11と異なるところは、ICチップ部分がICモジュ
ール52となっており、補強板53が枠状になってIC
モジュール52の周囲に設置されるという点にある。
【0049】前記1Cモジュール52は、ICチップ5
2a、基板52b、電極52cなどから成り、電極など
による細かな凹凸が存在する。このICモジュール52
は、異方導電性接着剤17により回路パターン15に接
続される。また、ここに封止樹脂18と枠状の補強板5
3とが組付けられる。このとき、補強板53のばり53
aが第1シート12側となっている。以上の構成によ
り、ICモジュール52や補強板53のばり53aに起
因する急激な凹凸は、第1シート12側にのみ現れるこ
ととなり、第2シート13の外面側には、急激な凹凸は
現れず、印刷性を阻害することを防止できる。
【0050】その他、本発明は、上記した各実施例に限
定されるものではなく、以下のような拡張,変更が可能
であり、更には、下記以外でも要旨を逸脱しない範囲内
で適宜変更して実施し得るものである。即ち、第1シー
ト12及び第2シート13並びに中間接着層14の材質
としては、上記したものに限定されることはなく、各種
のプラスチック材料等を採用することができ、第1シー
トと第2シートとを別の材質とすることもできる。
【0051】補強板19や封止樹脂18の材質として
も、各種のものを採用することができ、補強板及び封止
樹脂は、必要に応じて設ければ良い。またその形状も、
円や多角形とすることができ、板状,枠状の種々の形状
とすることもできるし、複数設けても良い。封止樹脂1
8による凹凸発生の心配がなければ、封止樹脂18の材
質を硬質のものとしても良い。ICカードを、動作電源
としての電池を内蔵する構成としたり、その表面部に電
極の接触により外部との電気的な接続を行なう端子を備
えるものとして構成しても良い。本発明は、テレホンカ
ードや定期券に限らず、各種の用途に利用されるICカ
ード全般に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すもので、ICカー
ドの縦断面図
【図2】ICカードの製造手順を示す図
【図3】本発明の第2の実施例を示すもので、製造手順
を部分的に示す図
【図4】本発明の第3の実施例を示す図1相当図
【図5】本発明の第4の実施例を示す図1相当図
【図6】従来例を示す図1相当図
【符号の説明】
図面中、11,41,51はICカード、12は第1シ
ート、13は第2シート、14は中間接着層、15は回
路パターン、16はICチップ(部品)、16aはバン
プ、18は封止樹脂、19,53は補強板、19a,5
3aはばり、20は共通印刷層、21は意匠印刷層、3
1は連続体。42はリライト層、52はICモジュール
(部品)を示す。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内面に回路パターンが形成されると共に
    部品が実装された第1シートと、第2シートとを、中間
    接着層を挟んで接合することによりカード状に構成され
    るICカードであって、 前記第1シートの外面側には、共通印刷が予め施されて
    いると共に、 前記第2シートの外面側には、カードとしての構成後に
    任意の意匠印刷を施すことが可能に構成されていること
    を特徴とするICカード。
  2. 【請求項2】 前記部品として、ICチップがフリップ
    チップ実装されることを特徴とする請求項1記載のIC
    カード。
  3. 【請求項3】 前記部品がICモジュールであることを
    特徴とする請求項1記載のICカード。
  4. 【請求項4】 前記部品を保護するための補強板が設け
    られると共に、その補強板は、ばり方向が前記第1シー
    ト側となるように配置されていることを特徴とする請求
    項1ないし3のいずれかに記載のICカード。
  5. 【請求項5】 前記部品の周囲部は、封止樹脂により覆
    われていると共に、その封止樹脂は、前記中間接着層よ
    りも軟質に構成されていることを特徴とする請求項1な
    いし4のいずれかに記載のICカード。
  6. 【請求項6】 前記第2シートの外面部には、印刷及び
    消去が繰返し可能なリライト層が設けられていることを
    特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のICカ
    ード。
  7. 【請求項7】 外面に共通印刷が施される第1シート
    と、外面側に任意の意匠印刷が施される第2シートと
    を、中間接着層を挟んで接合してなるICカードを製造
    するための方法であって、 前記第1シートの外面側に前記共通印刷を施す共通印刷
    工程と、 その第1シートの内面に形成された回路パターンに部品
    を実装する実装工程と、 この第1シートの内面側に中間接着層を挟んで前記第2
    シートを接合するカード化工程とを順に実行することを
    特徴とするICカードの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記部品として、ICチップがフリップ
    チップ実装されることを特徴とする請求項7記載のIC
    カードの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記部品がICモジュールであることを
    特徴とする請求項7記載のICカードの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記カード化工程の後に、前記第2シ
    ートの外面側に任意の意匠印刷を施す意匠印刷工程が実
    行されることを特徴とする請求項7ないし9のいずれか
    に記載のICカードの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記実装工程においては、前記部品を
    保護するための補強板が、ばり方向が前記第1シート側
    となるように設けられることを特徴とする請求項7ない
    し10のいずれかに記載のICカードの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記ICチップは、複数の補強板構成
    部がつながった状態の連続体に対して、それら各補強板
    構成部に回路面の反対面側にて装着され、その連続体か
    らばり方向を該ICチップ側とするように打抜かれるこ
    とにより、ICチップに接して補強板を予め有した状態
    で、前記実装工程に供給されることを特徴とする請求項
    8記載のICカードの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記第2シートの外面部には、印刷及
    び消去が繰返し可能なリライト層が前記カード化工程以
    前に設けられていることを特徴とする請求項7ないし1
    2のいずれかに記載のICカードの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2008117382A1 (ja) * 2007-03-23 2010-07-08 富士通株式会社 電子装置、電子装置が実装された電子機器、電子装置が装着された物品、および電子装置の製造方法

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