JP2001200689A - 推進工法用埋設管および推進・シールド複合工法 - Google Patents

推進工法用埋設管および推進・シールド複合工法

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JP2001200689A
JP2001200689A JP2000010339A JP2000010339A JP2001200689A JP 2001200689 A JP2001200689 A JP 2001200689A JP 2000010339 A JP2000010339 A JP 2000010339A JP 2000010339 A JP2000010339 A JP 2000010339A JP 2001200689 A JP2001200689 A JP 2001200689A
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pipe
shield
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English (en)
Inventor
Kazunori Hanami
和則 花見
Atsushi Takeda
惇 竹田
Tetsuya Wada
哲也 和田
Yasuo Terauchi
保男 寺内
Yutaka Watanabe
豊 渡辺
Etsuo Sakakura
悦生 坂倉
Yoshiki Baba
吉樹 馬場
Hiroaki Sato
裕明 佐藤
Kazuya Tanabe
和也 田辺
Masaaki Nakano
正明 中野
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Maeda Corp
Kidoh Construction Co Ltd
Tokyo Electric Power Company Holdings Inc
Original Assignee
Tokyo Electric Power Co Inc
Maeda Corp
Kidoh Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 埋設管の端面に配置される緩衝材の緩衝機能
を損なうことなく緩衝材の保護を図る。 【解決手段】 先導体10とその後方に連結された埋設
管20とを地盤内に推進させて、先導体10で形成され
た埋設孔に埋設管20を敷設していく推進工法に用いら
れる埋設管20であって、筒状の管本体22と、管本体
22の端面に配置された緩衝材50と、剛性材料からな
り、緩衝材50を挟んで、管本体22に対して傾動可能
に支持された環状端部材40とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、推進工法用埋設管
および推進・シールド複合工法に関し、詳しくは、市街
地における下水道施工などに利用され、地盤を開削する
ことなく先導体と埋設管とを地盤内に推進させて埋設管
を敷設していく推進工法に用いる埋設管と、上記推進工
法とシールド工法とを組み合わせて実施する推進・シー
ルド複合工法とを対象にしている。
【0002】
【従来の技術】推進・シールド複合工法は、トンネルの
構築技術として何れも良く知られている推進工法とシー
ルド工法とを組み合わせることで、両工法の欠点を補
い、利点を効果的に発揮させることができる。具体的に
は、施工を開始する立坑から一定の距離までは推進工法
を適用し、その後はシールド工法を適用する。
【0003】推進工法では、埋設管列の最後尾に元押し
ジャッキで推進力を加えて、埋設管列および先導体の全
体を地盤内に推進させていく。そのため、埋設管列が長
くなるほど、大きな推進力が必要になる。大きな推進力
を発生させるには、元押しジャッキなどの設備が大掛か
りになる。大きな推進力が埋設管同士の連結個所に加わ
ると、埋設管の損傷や変形の問題が生じる。したがっ
て、推進工法では、あまり長距離の推進作業を一度に実
施するのは難しい。推進距離を短くするために、短い間
隔で立坑を配置すると、開削による地上交通などへの影
響が大きくなり、施工時間および施工コストも増大す
る。
【0004】シールド工法は、先導体の内部でセグメン
トを組み立ててシールド筒を構築したあと、先導体内に
備えたシールドジャッキでシールド筒を後方に押し出
し、押し出されたシールド筒からの反力で先導体を前進
させる。したがって、施工距離が長くなっても、シール
ドジャッキは先導体を前進させる程度の能力があれば十
分であり、シールド筒に加わる力が過大にならない。但
し、先導体内でセグメントを組み立ててシールド筒を作
製するため、予め作製された埋設管を最後尾に連結して
いく推進工法に比べると施工能率が劣る。
【0005】そこで、施工開始の段階では、能率的に施
工できる推進工法を適用し、施工距離が長くなって推進
工法が難しくなった段階でシールド工法に切り換えるこ
とによって、長距離にわたるトンネル施工を能率的に行
えるようにした技術が、推進・シールド複合工法であ
る。より具体的には、書籍「“ここまできた”最近の推
進工法」〔57〜60頁:(有)日本プロジェクト・リ
サーチ、昭和62年7月14日発行〕、特開平7−54
577号公報などに開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような推進・シ
ールド複合工法において、推進工法を実行している段階
で、先導体の直ぐ後方に連結された最先端の埋設管の端
部が欠けたり変形したり損傷が生じやすいという問題が
ある。最先端の埋設管は、先導体の後端に設置された鋼
材などからなる接続リングに、ボルトなどを用いて連結
されているので、後方の元押しジャッキから加わる推進
力は、最先端の埋設管の端面から接続リングに伝達され
る。剛体である接続リングに、ヒューム管などからなる
埋設管の端面が当接して局部的に強い圧力が加わると、
埋設管の材料が耐えきれずに欠けたり変形したりし易
い。
【0007】特に、曲線経路に沿って推進させる曲線推
進工法では、埋設管と接続リングの当接面には曲率の内
側になる位置のみで推進力を伝達する場合が生じ、当該
個所に損傷が生じ易い。そこで、埋設管の端面に、発泡
プラスチックや木材、ゴムなどからなる緩衝材を取り付
けておくことが提案されている。ところが、このような
緩衝材は変形し易く強度に劣るため、埋設管の運搬や保
管などの取扱い中に、周囲の物品や器具に接触したとき
に、緩衝材の一部が欠けたり、傷ついたり、変形したり
し易いという問題がある。
【0008】緩衝材は、その面方向に均等な圧縮力が加
わるような場合には比較的に耐久性があるが、角部分に
外力が加わったり、鋭い突起物が当たったり、薄刃状の
物体で擦るような力が加わったりすると、簡単に傷が付
いたり変形してしまう。微細な損傷でも、その後で大き
な圧力が加わったときに変形や破断が発生する起点にな
る。傷ついた緩衝材を、前記した推進・シールド複合工
法に用いると、埋設管の端面に加わる圧力の緩衝性能や
耐久性も低下してしまう。
【0009】本発明の課題は、前記した推進工法あるい
は推進・シールド複合工法に用いられる埋設管として、
埋設管の端面に配置される緩衝材の緩衝機能を損なうこ
となく緩衝材の保護を図ることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる推進工法
用埋設管は、先導体と先導体の後方に連結された埋設管
とを地盤内に推進させて、先導体で形成された埋設孔に
埋設管を敷設していく推進工法に用いられる埋設管であ
って、筒状の管本体と、管本体の端面に配置された緩衝
材と、剛性材料からなり、緩衝材を挟んで、管本体に対
して傾動可能に支持された環状端部材とを備える。 〔推進工法〕本発明において、推進工法とは、1区間の
トンネル構築を、推進工法だけで行う場合の全工程と、
推進工法とシールド工法とを組み合わせて行う推進・シ
ールド複合工法における推進工程との両方の意味を含ん
でいる。
【0011】基本的な使用装置、作業手順などは通常の
推進工法あるいは推進・シールド複合工法と同様でよ
い。先導体には、地盤を掘削する掘削ビットを備えた掘
削盤、先導体の前面に泥水を供給する泥水供給機構、掘
削された土砂や泥水を排出する排出機構、先導体の推進
方向を変える方向修正ジャッキ、先導体の位置を埋設管
列の後方から測量するレーザ測量機構、その他の必要な
機構装置を備えておくことができる。
【0012】推進・シールド工法用の先導体には、内部
でセグメントを組み立ててシールド筒を構築するための
組立空間や、セグメントを埋設管列の後方から先導体ま
で搬送するセグメント搬送コンベア、セグメントを所定
位置に配置するためのエレクタ、シールド筒を押し出す
シールドジャッキなどのシールド工法に必要な構造も備
えておく。
【0013】先導体および埋設管の推進は、埋設管列の
最後尾に元押しジャッキなどで推力を加えて推進させ
る。 〔埋設管〕埋設管の管本体は、施工目的に合わせて、各
種の材料からなるものが用いられる。例えば、鋼管、コ
ンクリート管、ヒューム管、FRP管、塩ビ管などがあ
る。本発明は、比較的に強度が劣り損傷し易いヒューム
管などに適用するのが好ましい。埋設管は直管のほか曲
管を用いることもできる。
【0014】〔緩衝材〕緩衝材は、管本体の軸方向の端
面に配置されて、管本体の端面に生じる圧力を緩衝す
る。通常の推進工法において使用されている緩衝材と同
様の材料が使用できる。具体的には、発泡ポリスチレン
等の合成樹脂の発泡体、ベニヤ板等の合板材料その他の
木材、ゴムなどが使用できる。少なくとも、埋設管の管
本体よりも変形し易くて、管本体に加わる力を緩衝でき
る機能を有するものを用いる。
【0015】緩衝材は、管本体の端面全周に配置してお
いてもよいが、全周に間隔をあけて複数個の緩衝材を配
置しておいたり、推進作業時に圧力を緩衝する必要のあ
る個所のみに緩衝材を配置しておくこともできる。ま
た、曲線推進の場合、水平面内で推進経路を曲げるとき
には、管本体の端面外周のうち、垂直方向で対向する上
下位置に緩衝材を配置しておくと、緩衝材の変形を少な
くできる。逆に、垂直面内で推進経路を曲げるときに
は、管本体の端面外周のうち、水平方向で対向する左右
位置に緩衝材を配置しておくことができる。
【0016】緩衝材は、管本体の端面に全面で接着剤な
どを介して接合しておいてもよいし、ある程度の移動や
接離を許容する程度に位置決めされた状態で取り付けて
おくだけでもよい。管本体に環状端部材を取り付けるの
と同じ手段で緩衝材も取り付けることができる。〔環状
端部材〕環状端部材は、埋設管に加わる推進力などに耐
え、埋設管の取扱い中に損傷し難い程度の剛性および強
度を有する材料が用いられる。具体的には、型鋼材や鋼
板などの鋼材が使用できる。
【0017】環状端部材は、管本体と同程度の内外径を
有するものが好ましい。環状端部材は、少なくとも緩衝
材の端面を覆う位置および形状で配置される。緩衝材の
端面だけでなく外周も覆っておけるものが好ましい。環
状端部材で、緩衝材の外周を覆う構造として以下の構造
が採用できる。管本体のうち、環状端部材が取り付けら
れる端部に、外径の小さな挿入端部を備えておく。環状
端部材には、管本体の挿入端部と間隔をあけて外周を覆
う筒状端部を備えておく。管本体の挿入端部と環状端部
材の筒状端部との間にはシール材を備えておく。筒状端
部と挿入端部との間に隙間を設けることで、管本体に対
する環状端部材の傾動を許容し、シール材が傾動状態で
も水密性を確保する。
【0018】環状端部材は、緩衝材を挟んで管本体に取
り付ければよく、緩衝材に対しては固定されていなくて
もよい。環状端部材を管本体に傾動可能に支持するに
は、各種の機械装置における傾動支持機構を採用するこ
とができる。例えば、環状端部材を管本体に対して周方
向の複数個所で互いに接離可能に支持しておくことがで
きる。
【0019】環状端部材の先端面には、先導体に備えた
接続リングや他の埋設管の端面と連結するための連結構
造を備えておく。具体的には、ボルト挿通孔を設けてお
けばよい。凹凸嵌合による係合構造などを設けておくこ
ともできる。 〔傾動構造〕環状端部材を管本体に傾動可能に支持する
構造として、以下の構造が採用できる。
【0020】管本体には、端面から軸方向に突出して配
置され、緩衝材および環状端部材に挿通される取付軸を
備える。緩衝材および環状端部材には、取付軸が挿入で
きる挿通孔や挿通溝、切り欠きなどを設けておく。取付
軸として、アンカーボルトが使用できる。アンカーボル
トは、ヒューム管などコンクリートを用いた管本体に対
して埋め込んでおくのに適している。
【0021】取付軸に軸方向に移動自在に支持され、緩
衝材および環状端部材を止定する止定部材を備えてお
く。止定部材として、アンカーボルトにねじ込み可能な
ナットが使用できる。ナットは、アンカーボルトに対す
る取付位置を細かく調整できるので、管本体に対する環
状端部材の傾動許容量を調節するのが容易である。止定
部材として、ピンや係合金具などを用いることもでき
る。
【0022】〔推進・シールド複合工法〕基本的には通
常の推進・シールド複合工法と同様の装置および作業条
件が適用できる。推進工程は、前記した推進工法の説明
と同様に、先導体と先導体の後方に連結された埋設管と
を地盤内に推進させて、先導体で形成された埋設孔に埋
設管を敷設していく。
【0023】推進工程では、先導体に有するセグメント
の組立空間の後端に筒状の接続リングを配置しておき、
接続リングの後端に前記した推進工法用埋設管を連結す
る。接続リングは、鋼材などで構成され、推進工程の間
は先導体の後端に配置されていて、埋設管の連結構造と
なる。シールド工程では、接続リングの前方でシールド
筒を構築する。接続リングは、埋設管とシールド筒とを
連結した状態で地盤に敷設され、トンネルの壁構造の一
部を構成することになる。
【0024】接続リングには、埋設管およびシールド筒
への連結構造を備えておく。具体的には、ボルトの挿通
孔を設けておくことができる。先導体を推進させる際に
は、埋設管から接続リングを介して先導体に推進力を加
える。推進工程で、所定の距離にわたる埋設管の敷設が
終了した段階で、シールド工程を実施する。推進距離あ
るいはシールド工程の開始時期は、地盤の土質や埋設管
の種類、曲線区間の存在などの作業条件によって変わっ
てくる。
【0025】シールド工程は、先導体の内部でセグメン
トから組み立てられたシールド筒を、先導体の後方に押
し出し、押し出されたシールド筒からの反力で先導体を
地盤内に推進させる。先導体の内部には、接続リングの
前方にセグメントの組立空間を設けておき、ここでシー
ルド筒を組み立てる。シールド工程で最初に施工させる
シールド筒は、その後端部分を接続リングの前端部分
に、ボルトなどの連結手段を用いて接続される。その後
に施工するシールド筒は、先に施工されたシールド筒に
順次連結される。
【0026】
【発明の実施形態】図1に示す実施形態は、推進・シー
ルド複合工法を実施する装置であって、推進工法を行っ
ている状態を示している。 〔推進装置の全体構造〕先導体10は、全体が筒状をな
し、先端にモータなどで駆動される回転自在な掘削盤1
2を有する。先導体10の筒状後部14には、シールド
工法に用いるセグメント62を組み立てるための組立空
間13が設けられている。組立空間13には、セグメン
ト62を所定の組立位置に搬送するエレクタ16が設置
されている。図示しないが、先導体10の後方からセグ
メント62を搬送してくる搬送コンベアも設置されてい
る。
【0027】組立空間13の後方には、鋼材を筒状に組
み立ててなる接続リング30が配置されている。筒状後
部14の内面にはゴム等からなるシール材18を有し、
接続リング30の外周面との間の水密性を確保してい
る。接続リング30の後端に、最先端用の特性構造を備
えた埋設管20が連結される。埋設管20の後方には、
従来と同様の通常の埋設管70が順次連結されていく。
【0028】図示しないが、埋設管列の最後尾は、推進
工法を開始する出発立坑に配置され、埋設管列の後端に
元押しジャッキが当接して、元押しジャッキから加えら
れる推力で、埋設管列および先導体を前方へと推進させ
る。 〔埋設管の構造〕図2に詳しく示すように、埋設管20
は、ヒューム管からなる管本体22と、発泡ポリスチレ
ンからなる緩衝材50と、鋼材から組み立てられた環状
端部材40とを有する。
【0029】管本体22の先端には、後方部分よりも外
径を少し小さくした挿入端部24を有する。挿入端部2
4の外周には、ゴムなどからなる環状のシールド材23
が取り付けられている。管本体22の端面には、アンカ
ーボルト80が埋め込まれている。具体的には、ヒュー
ム管からなる管本体22の端面に穴を堀り、その穴にア
ンカーボルト80の一端を挿入しモルタルなどで埋めて
固定している。
【0030】アンカーボルト80は、管本体22の端面
から垂直に管本体22の軸方向に延びている。図4に示
すように、アンカーボルト80は、管本体22の端面の
うち、垂直方向の中心線に対して左右対象位置で上下そ
れぞれに合計4個所設けられている。緩衝材50は、図
4に詳しく示すように、管本体22の端面形状に沿った
弓形をなし、円周状の端面の上下に合計2本が配置され
ている。緩衝材50の外径は、管本体22の挿入端部2
4の外径と同じである。緩衝材50は、左右の端部近く
にそれぞれ貫通形成された挿通孔52を有する。挿通孔
52をアンカーボルト80に挿通することで、緩衝材5
0が管本体22に支持される。
【0031】図2に示すように、環状端部材40は、全
体の断面形状がF字形をなしている。環状端部材40の
外径および内径は、管本体22の外径および内径とほぼ
同じに設定されている。環状端部材40は、コ字形をな
し緩衝材50の端面に配置される本体部42と、本体部
42の外周から後方に延びる筒状端部44とを有する。
筒状端部44は、緩衝材50の外周および管本体22の
挿入端部24の外周との間に隙間をあけて配置される。
挿入端部24の外周に配置されたシール材23が筒状端
部44の内周に当接して、当該個所の水密性を確保して
いる。
【0032】環状端部材40のうち、緩衝材50に当接
する側端面には、アンカーボルト80が挿入される挿通
孔48を有する。アンカーボルト80の先端には、ねじ
が切られている。環状端部材40の挿通孔48から前方
に突き出たアンカーボルト80の先端に締付ナット82
がねじ込まれている。締付ナット82を締め込むこと
で、環状端部材40および緩衝材50が管本体22の端
面に固定される。また、締付ナット82を少し緩めれ
ば、管本体22に対して、環状端部材40は、軸方向に
移動できるようになる。この状態では、図5に示すよう
に、管本体22に対して環状端部材40がある程度の範
囲で傾動することが可能になる。
【0033】環状端部材40の前方側の側端面にはボル
ト孔46が設けられている。このボルト孔46に対応し
て、先導体10に有する接続リング30の端面にもボル
ト孔32が設けられている。図3に示すように、接続リ
ング30のボルト孔32と、環状端部材40のボルト孔
46とを合わせて、ボルト・ナット84で締結すること
で、埋設管20が先導体10に連結固定される。
【0034】図1に示すように、埋設管20の後端に
は、別の埋設管70が連結される。埋設管20の後端に
設けられた接続筒部25に、後方の埋設管70の先端を
挿入して、ボルトなどで締結する。埋設管20と埋設管
70の端面間にも、発泡ポリスチレンなどからなる緩衝
材26を介装しておくことができる。 〔推進工法〕基本的な推進工法の手順は、通常の推進工
法と共通している。
【0035】図1に示すように、先導体10の後方に埋
設管20さらに埋設管70を順次連結するとともに、最
後尾に元押しジャッキなどで推力を加えて、先導体10
および埋設管列を推進させる。図3に示すように、埋設
管20に伝わった推進力は、管本体22の端面から緩衝
材50、環状端部材40を経て、接続リング30から先
導体10に伝達される。
【0036】通常の直線推進の場合には、緩衝材50の
全面が、管本体22の端面および環状端部材40の端面
に当接しているので、推進力は全面で均等に分配されて
伝達される。したがって、緩衝材50は、全体がわずか
に圧縮される程度で、局部的な変形が生じることはな
い。曲線推進を行うときには、先導体10に備えた方向
修正ジャッキなどを作動させて先導体10の推進方向を
変えることで、先導体10とその後方につづく埋設管2
0とが一定の角度で屈曲する。そこで、曲線推進を開始
する前に、埋設管20の管本体22と環状端部材40と
を連結しているアンカーボルト80の締付ナット82を
少し緩めておく。
【0037】この状態では、図5に示すように、環状端
部材40と管本体22とが、ある程度の範囲で傾動する
ことが可能になる。傾動の範囲は、締付ナット20を緩
める量で調整できる。環状端部材40と管本体22が傾
動するときには、環状端部材40が管本体22に近づく
側で、緩衝材40が部分的に圧縮されることで、上記傾
動が許容することができる。また、管本体22の挿入端
部24と環状端部材40の筒状端部44の内面との間に
はシール材23が存在しているので、挿入端部24と筒
状端部44とが平行でなくても、当該個所の水密性が損
なわれることはない。
【0038】なお、環状端部材40と管本体22との間
では屈曲が生じるが、ボルト・ナット84で固定された
環状端部材40と接続リング30との間では屈曲は生じ
ない。したがって、先導体10と埋設管20との間の屈
曲は、先導体10と埋設管20との連結個所ではなく、
埋設管20の内部における環状端部材40と管本体22
との間における屈曲によって実現されているのである。
【0039】曲線推進における挙動を、さらに具体的に
説明する。例えば、先導体10に備えた方向修正ジャッ
キなどを作動させて、先導体10の推進方向を変える
と、先導体10と後方の埋設管20とが一定の角度で屈
曲する。水平面内で屈曲させれば、先導体10および埋
設管20は、垂直方向の中心線に対して、左右の何れか
一方では端面同士が互いに近づき、他方では端面同士が
互いに遠ざかるように姿勢を変える。前記垂直中心線か
ら離れるほど、端面同士の接離量が大きくなる。
【0040】図4に示す埋設管20の円筒状断面で、水
平方向の直径両端が、管本体22の端面と環状端部材4
0の端面とが最も大きく近づくか離れる個所であり、垂
直方向の直径両端ではほとんど変化しない。水平方向の
直径両端には緩衝材40は存在しないので、管本体22
と環状端部材40が比較的自由に近づいたり離れたりで
きる。緩衝材40のうち、垂直方向の直径に近い部分で
は、ほとんど変形せず、垂直方向の直径から左右に離れ
た位置では、ある程度の圧縮変形を受けることになる。
【0041】このように、管本体22と環状端部材40
とが屈曲した状態でも、埋設管20に加わる推進力は、
管本体22の端面から緩衝材50を経て環状端部材40
へと伝達される。なお、埋設管20から接続リング30
に加わった推進力は、予め組立空間13に配置されたシ
ールド筒60を介してシールドジャッキ15および先導
体10に伝達することができる。シールド筒60が配置
されていない場合には、シールドジャッキ15の先端を
後方に延ばして接続リング30に当接させておけば、接
続リング30からシールドジャッキ15へと直接に推進
力が伝達される。
【0042】〔推進・シールド複合工法〕推進・シール
ド複合工法を行う場合、作業の第1段階である推進工程
は、前記した推進工法の説明がそのまま適用されるの
で、詳しい説明は省略する。作業の第2段階であるシー
ルド工程では、埋設管列は固定したままにして、元押し
ジャッキによる推進力の付加も行わない。
【0043】図1に示すように、先導体10の内部で、
エレクタ16を用いて、セグメント62を円筒状に組み
立て、シールド筒60を構築する。シールド筒60の後
端は接続リング30にボルト等で締結しておく。シール
ド筒60が出来上がると、シールドジャッキ15を作動
させて、シールド筒60を後方に押しやる。後方の接続
リング30および埋設管20を含む埋設管列は地盤に摩
擦支持されているので、シールド筒60が後方に移動す
ることはなく、その反力によって、シールドジャッキ1
5の本体を含む先導体10のほうが、前方に移動しよう
とする。先導体10の前進とともに掘削盤12を作動さ
せて地盤を掘削すれば、先導体10は地盤内に進んでい
く。
【0044】先導体10が一定の距離だけ前進すれば、
シールドジャッキ15の先端を元の位置に戻す。具体的
には、シールド筒60の長さに対応する距離だけ前進さ
せればよい。シールドジャッキ15の後方の組立空間1
3で、前記同様にセグメント62の組み立てによるシー
ルド筒60の構築を行う。上記のような工程を繰り返す
ことで、シールド工法によるトンネル構築が行われる。
【0045】図6に示すように、接続リング30の前方
に順次シールド筒60が連結されて延びていくととも
に、シールドジャッキ15の後方の組立空間13ではエ
レクタ16によるシールド筒60の構築が繰り返され
る。先導体10は地盤内を前方へと進んでいく。先導体
10が目的とする立坑まで到達すれば、推進工法で施工
された埋設管20、70と、シールド工法で施工された
シールド筒60とで構成されるトンネル構造が完成す
る。立坑から先導体10を撤去したり、埋設管20、7
0、接続リング30、シールド筒60の内部に仕上げ処
理を施したりするなどの工程を経て、推進・シールド複
合工法の施工が完了する。
【0046】
【発明の効果】本発明の推進工法用埋設管は、管本体の
端面に緩衝材を挟んで傾動自在な環状端部材を備えてい
るので、埋設管の端面で緩衝作用を果たす緩衝材を、環
状端部材で良好に保護しておくことができる。曲線推進
などで埋設管の連結部分を屈曲させる際には、埋設管の
内部構造である環状端部材と管本体とを緩衝材を挟んで
傾動させるので、埋設管と先導体等との連結個所そのも
のに無理な力が加わることがない。
【0047】本発明の埋設管を、推進・シールド複合工
法における先導体の直後に連結する埋設管に使用すれ
ば、先導体に有する接続リングと埋設管との連結部分に
おいて、両者間の屈曲動作をスムーズに行わせることが
でき、連結部分が損傷したり変形したりすることも防止
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態を表す推進工法の施工状態
を表す断面図
【図2】 先導体および埋設管の端部構造を分解状態で
示す拡大断面図
【図3】 先導体および埋設管の端部構造を連結状態で
示す拡大断面図
【図4】 埋設管の一部断面端面図
【図5】 環状端部材と管本体の屈曲状態を示す断面図
【図6】 シールド工法の施工状態を表す断面図
【符号の説明】
10 先導体 12 掘削盤 13 シールド組立空間 15 シールドジャッキ 16 エレクタ 20 埋設管 22 管本体 24 挿入端部 30 接続リング 32 ボルト孔 40 環状端部材 44 筒状端部 46、48 挿通孔 50 緩衝材 60 シールド筒 62 セグメント 80 アンカーボルト 82 締付ナット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 花見 和則 東京都港区芝公園2丁目2番4号 東京電 力株式会社銀座支店内 (72)発明者 竹田 惇 東京都港区芝公園2丁目2番4号 東京電 力株式会社銀座支店内 (72)発明者 和田 哲也 東京都港区芝公園2丁目2番4号 東京電 力株式会社銀座支店内 (72)発明者 寺内 保男 東京都荒川区東尾久5丁目31番11号 東京 電力株式会社東支店内 (72)発明者 渡辺 豊 横浜市中区弁天通り1丁目1番地 東京電 力株式会社神奈川支店内 (72)発明者 坂倉 悦生 埼玉県浦和市北浦和5丁目14番2号 東京 電力株式会社埼玉支店内 (72)発明者 馬場 吉樹 横浜市西区北幸2丁目11番地 東京電力株 式会社横浜工務所内 (72)発明者 佐藤 裕明 横浜市中区弁天通り1丁目1番地 東京電 力株式会社神奈川支店内 (72)発明者 田辺 和也 東京都千代田区富士見2丁目10番26号 前 田建設工業株式会社内 (72)発明者 中野 正明 大阪市福島区福島4丁目6番31号 機動建 設工業株式会社内 Fターム(参考) 2D054 AC02 AC18 AD28 AD29

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】先導体と先導体の後方に連結された埋設管
    とを地盤内に推進させて、先導体で形成された埋設孔に
    埋設管を敷設していく推進工法に用いられる埋設管であ
    って、 筒状の管本体と、 管本体の端面に配置された緩衝材と、 剛性材料からなり、前記緩衝材を挟んで、前記管本体に
    対して傾動可能に支持された環状端部材とを備える推進
    工法用埋設管。
  2. 【請求項2】前記管本体が、前記環状端部材が取り付け
    られる端部に、外径の小さな挿入端部を備え、 前記環状端部材が、前記管本体の挿入端部が挿入される
    筒状凹部を備え、 前記管本体の挿入端部と環状端部材の筒状凹部との間に
    シール材をさらに備える請求項1に記載の推進工法用埋
    設管。
  3. 【請求項3】前記管本体が、前記環状端部材が取り付け
    られる端面から軸方向に突出し、前記緩衝材および環状
    端部材に挿通される取付軸を備え、 前記取付軸に軸方向に移動自在に支持され、前記緩衝材
    および環状端部材を止定する止定部材をさらに備える請
    求項1または2に記載の推進工法用埋設管。
  4. 【請求項4】先導体と先導体の後方に連結された埋設管
    とを地盤内に推進させて、先導体で形成された埋設孔に
    埋設管を敷設していく推進工程(A) と、 推進工程に続いて実施され、先導体の内部でセグメント
    から組み立てられたシールド筒を、先導体の後方に押し
    出し、押し出されたシールド筒からの反力で先導体を地
    盤内に推進させるシールド工程(B) とを含む推進・シー
    ルド複合工法であって、 前記推進工程(A) が、前記先導体に有する前記セグメン
    トの組立空間の後端に筒状の接続リングを配置してお
    き、接続リングの後端に前記請求項1〜3に記載された
    推進工法用埋設管を連結する工程(a1)と、前記埋設管か
    ら接続リングを介して先導体に推進力を加える工程(a2)
    とを含み、 前記推進工程(B) が、前記セグメントの組立空間で前記
    シールド筒を組み立て、シールド筒を接続リングに接続
    する工程(b1)を含む推進・シールド複合工法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013079531A (ja) * 2011-10-04 2013-05-02 Kurimoto Concrete Industries Ltd 連結管
JP2014051839A (ja) * 2012-09-07 2014-03-20 Okumura Corp 推進力伝達機構及び管路構築方法

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