JP2001200464A - タフトミシン - Google Patents

タフトミシン

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JP2001200464A
JP2001200464A JP2000012232A JP2000012232A JP2001200464A JP 2001200464 A JP2001200464 A JP 2001200464A JP 2000012232 A JP2000012232 A JP 2000012232A JP 2000012232 A JP2000012232 A JP 2000012232A JP 2001200464 A JP2001200464 A JP 2001200464A
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needle bar
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Kiyomitsu Kumazawa
清光 熊澤
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Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基布に形成されたカットパイルを基布の送り
により綺麗に整頓してタフト模様の品質を高めることが
でき、しかも、基布を任意方向に自由自在に送ることが
できるタフトミシンを提供する。 【解決手段】 基布7に形成済みの多数のカットパイル
を、基布7の送りにより梳いて整頓する為の複数のピン
81,82を針板80上に立設し、これら複数のピン8
1,82は、布押え75と対向状に設けられその布押え
75とともに基布7を挟持する布押えピン81を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明はタフトミシンに関
し、特に、基布に形成済みの多数のカットパイルを、基
布の送りにより梳いて整頓する為の複数のピンを針板上
に立設したタフトミシンに関する。
【0002】
【従来の技術】 従来のタフトミシンは、基本的に、上
下駆動される縫針と、上下動する縫針に同期して揺動駆
動されその縫針から延びる糸を捕捉するルーパを備え、
これら縫針とルーパの協働により、針板に支持されて布
送りされる基布の下側に多数の糸ループが形成される。
更に、従来のタフトミシンの多くは、ルーパを含むルー
プ切断機構を設け、このループ切断機構により、多数の
糸ループが切断され多数のカットパイルが形成される。
【0003】一般的なタフトミシンでは、針板の下側に
おいてルーパが作動するため、基布に形成されるカット
パイルの下端部が針板の下側に位置し、そのため、基布
のカットパイル形成部分を針板の上面に沿って送ると、
そのカットパイルが針板と接触して倒れ込む虞が高い。
そこで、針板に、カットパイルが通過可能なスリットを
基布の送り方向に形成したタフトミシンは実用に供され
ている。
【0004】他方、特公平8−19616号公報のタフ
トミシンでは、針板上に布押えと対向する複数の布押え
ピンが立設され、これら布押えピンと布押えにより基布
を挟持する技術が開示されている。基布に形成された糸
ループが針板の少し上側で切断されてカットパイルが形
成されるため、そのカットパイルを針板に接触させずに
基布を送ることができる。
【0005】また、一般的なタフトミシンにおいて、カ
ットパイルを形成する場合、ルーパが複数の糸ループ
(例えば、3つ)を捕捉している状態で、基布が送られ
て新たに1つの糸ループを捕捉する毎に、ルーパに捕捉
されているなかで最初に捕捉された糸ループを、ループ
切断機構のルーパと下メスで切断してカットパイルを形
成する。尚、特開平5−222660号公報に、1つの
糸ループを形成する毎に、その糸ループをループ切断機
構が切断する技術は開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】 針板の下側において
ルーパが作動するタフトミシンでは、基布のカットパイ
ル形成部分を針板の上面に沿って送ると、そのカットパ
イルが針板と接触して倒れ込み、更には、カットパイル
同士が絡み合う虞が高く、タフト模様の品質を確保する
ことが難しい。一方、針板に、カットパイルが通過可能
なスリットを基布の送り方向に形成したタフトミシンで
は、カットパイルを針板と接触させずに基布を送ること
ができるが、その送り方向が一方向(スリットの形成方
向)のみとなり、基布に多種多様なタフト模様を形成す
るうえでも非常に不利になる。
【0007】特公平8−19616号公報のタフトミシ
ンでは、針板上に布押えと対向する複数の布押えピンを
立設することにより、基布に垂下状に形成されたカット
パイルを針板に接触させずに基布を任意方向に自由自在
に送ることができる。しかしながら、カットパイルを形
成した直後に自由に垂下した状態にしておくと、糸の縒
りや正電気等の種々の要因により、基布に形成されたカ
ットパイルが綺麗に整頓されず、場合によっては、カッ
トパイルが倒れ込んだり、カットパイル同士が絡み合う
という虞もある。尚、糸の縒りや正電気等の種々の要因
により、基布に形成されたカットパイルが綺麗に整頓さ
れないという問題は、このタフトミシンに限らず、基本
的に全てのタフトミシンに起こりうる課題である。
【0008】カットパイルを形成する場合、ルーパが複
数の糸ループを捕捉している状態で、基布が送られて新
たに1つの糸ループを捕捉する毎に、ルーパに捕捉され
ているなかで最初に捕捉された糸ループを切断して行う
ものでは、ルーパが大型化すること、基布を一定方向へ
しか送ることができないこと、基布の送りピッチを変更
できないこと、更には送り速度にも制限が課せられるこ
と、等の問題がある。
【0009】本発明の目的は、基布に形成されたカット
パイルを基布の送りにより綺麗に整頓してタフト模様の
品質を高めることができ、しかも、基布を任意方向に自
由自在に送ることができるタフトミシンを提供すること
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】 請求項1のタフトミシ
ンは、針板の上側に支持されて布送りされる基布に、上
下動する縫針とこの縫針から延びる糸を捕捉するルーパ
との協働により多数の糸ループを形成し、これら糸ルー
プをループ切断機構で切断して多数のカットパイルを形
成可能なタフトミシンにおいて、基布に形成済みの多数
のカットパイルを、基布の送りにより梳いて整頓する為
の複数のピンを針板上に立設したことを特徴とするもの
である。
【0011】針棒とルーパが駆動されて、その針棒とと
もに上下動する縫針から延びる糸がルーパにより捕捉さ
れ、針板の上側に支持されて布送りされる基布の下側に
糸ループが形成され、続いて、ループ切断機構によりカ
ットパイルが形成される。
【0012】糸の縒りや正電気等の種々の要因により、
基布に形成された直後のカットパイルが倒れ込んだり、
カットパイル同士が絡み合うという虞があるが、針板上
に立設された複数のピンが、基布の送りにより多数のカ
ットパイルをしばらくの間梳いて綺麗に整頓することが
できるため、タフト模様の品質を高めることができる。
また、針板上に立設されたピンにより、基布を針板の上
側で確実に支持して送ることができるため、針板よりも
高くまたピンよりも低い位置において、ループ切断機構
により糸ループを切断すように構成することで、基布に
形成されたカットパイルを針板に接触させずに基布を任
意方向に自由自在に送ることが可能になり、基布の送り
により多数のカットパイルをより綺麗に梳いて整頓でき
る。
【0013】請求項2のタフトミシンは、請求項1の発
明において、前記複数のピンは、布押えと対向状に設け
られその布押えとともに基布を挟持する布押えピンを含
むことを特徴とするものである。つまり、この布押えピ
ンを含む複数のピンにより、基布の送りにより多数のカ
ットパイルを梳いて整頓できるとともに、布押えにより
基布を布押えピンの上端部に確実に押えることができ
る。
【0014】請求項3のタフトミシンは、請求項2の発
明において、前記複数のピンのうち布押えピンの高さを
その他のピンよりも高くしたことを特徴とするものであ
る。つまり、複数のピンのうち布押えピン以外のピンが
基布に接触しなくなるため、ピンとの摩擦による基布の
送り抵抗を低減することができる。
【0015】請求項4のタフトミシンは、請求項1〜3
の何れか1項の発明において、1つの糸ループを形成す
る毎にその糸ループを切断するように構成されたことを
特徴とするものである。つまり、ルーパに捕捉された糸
ループに拘束されずに、基布を任意方向に任意ピッチで
自由自在に且つ所望の速度で送りながら、糸ループとカ
ットパイルを形成していくことができる。つまり、基布
に多種多様なタフト模様を形成するうえで非常に有効に
なる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。本実施形態は、図19
に示すように、基布7に糸ループ8aを形成しながら、
図20に示すように、その糸ループ8aを切断してカッ
トパイル8bを形成してタフト模様を形成可能なタフト
ミシンに、本発明を適用した場合の例である。
【0017】図1に示すように、タフトミシンTMは、
ベッド部1と脚柱部2とアーム部3からなるミシン本体
部と、アーム部3の前端部側に設けられたヘッドユニッ
ト4と、ベッド部1の前端部に設けられたベッド部ユニ
ット5と、脚柱部2とアーム部3の上側に設けられた糸
供給装置19等を備えている。
【0018】先ず、ヘッドユニット4について説明す
る。図1〜図6に示すように、ヘッドユニット4には、
縫針10が夫々装着された複数(例えば、7本)の針棒
11と、複数の針棒11を夫々上下移動可能に支持する
針棒ケース12と、複数の針棒11に対応する複数対
(例えば、7対)の糸掛け部材13,14と、針棒ケー
ス12を左右方向に移動駆動して複数の針棒11のなか
から選択された1本の針棒11をベッド部ユニット5の
ルーパ83と対応する使用位置に択一的に切換える針棒
切換え機構15と、使用位置の針棒11を上下駆動する
針棒駆動機構16の主要部等が設けられている。
【0019】針棒ケース12は正面視にて略矩形に形成
され、複数の針棒11はこの針棒ケース12の内部に左
右方向に一列状に並設され、各針棒11の下端部に装着
された縫針10がケース本体12の下側に突出してい
る。各針棒11に対応する上下1対の糸掛け部材13,
14は、針棒11に固定的に連結され、針棒ケース14
の上下スリット20から前方へ突出している。
【0020】針棒ケース12の上部は後側に張出し、そ
の下部に更に後側へ張出した連結部材21が固定されて
いる。連結部材21の下部に固定された左右に長いスラ
イドレール22が、アーム部3の前端上側に固定された
係合部材23に上側から摺動自在に係合し、連結部材2
1の後端部に固定されたブラケット24が、アーム部3
の上側に固定された左右に長いロッド25に摺動自在に
外嵌されて、針棒ケース12がアーム部3に左右方向へ
移動可能にガイド支持されている。
【0021】針棒ケース12とともに左右方向へ移動す
る複数の針棒11の移動領域において、複数の針棒11
のうち1本の針棒11だけを後述の針棒駆動機構16に
より上下駆動可能な位置(これが使用位置であり、通
常、アーム部3の幅方向中央にある)が設定されてお
り、この使用位置に複数の針棒11のなかから選択され
た針棒11を択一的に切換える機構が、針棒切換え機構
15である。
【0022】この針棒切換え機構15は、図5、図6に
示すように、針棒ケース12に固定の連結部材21の後
側においてアーム部3に固定された電動モータ30と、
電動モータ30により左右方向の軸心回りに回動駆動さ
れるカム31と、カム31の外周部に形成された螺旋溝
32と、針棒ケース12に固定的に設けられて螺旋溝3
1に係合可能な複数(例えば、9個)のコロ33を有す
る。カム31は回動軸34に外嵌状に固着され、電動モ
ータ30が駆動されると、電動モータ30の出力軸に固
着のギア35と回動軸34に固着のギア36を介して、
回動軸34と一体的にカム31が回動駆動される。
【0023】連結部材21の後側に左右に長い鉛直板3
7が固定され、この鉛直板37の後側に複数のコロ33
が左右方向に等間隔に配置され、夫々前後軸心回りに回
動自在に装着されている。複数のコロ33のうちの少な
くとも1個が螺旋溝32に常時係合するように構成され
ている。カム31が回動駆動されると、螺旋溝32に係
合する少なくとも1個のコロ33が案内され、そのコロ
33とともに鉛直板37と連結部材21を介して針棒ケ
ース12が左右方向へ移動駆動される。そして、近接ス
イッチ等により針棒ケース12の位置を検出して、複数
の針棒11を使用位置に択一的に切換え可能である。
【0024】針棒駆動機構16は、図5に示すように、
アーム部3の内部に前後方向向きに設けられた軸受け4
0a等を介して機枠に回転自在に支持された上軸40
と、上軸40の前端部にクランク取付部材41を介して
一端部が偏心状に回動可能に連結されたクランクレバー
42と、クランクレバー42の前側に固定的に設けられ
た鉛直の基針棒43と、基針棒43に外嵌されて上下方
向にガイドされ且つクランクレバー42の他端部が連結
された上下可動体45を有する。
【0025】上下可動体45は相対回転可能に連結され
た第1,第2可動部材46,47を有し、下側の第1可
動部材46にクランクレバー42の端部が回動可能に連
結されている。ミシンモータにより上軸40が回転駆動
されると、クランクレバー42のクランク運動を介し
て、上下可動体45が基針棒43に案内されて上下に往
復駆動される。第2可動部材47には、通常前方へ向く
嘴状の係合部47aが設けら、各針棒11には後方へ突
出する係合ピン48が固定的に設けられている。使用位
置の針棒11の係合ピン48と係合部47aが係合可能
であり、係合ピン48と係合部47aとが係合した状態
で、針棒駆動機構16が作動すると、上下可動体45と
一体的に針棒11及びそれに固定的に連結された1対の
糸掛け部材13,14が上下に往復駆動される。
【0026】各針棒11は圧縮コイルバネ11aを外装
し、その圧縮コイルバネ11aにより上方へ弾性付勢さ
れている。それ故、係合ピン48が上下可動体45の係
合部47aに係合していない針棒11は、常時、針上位
置に位置している。上下可動体45が上限位置のとき、
その係合部47aが針上位置の針棒11の係合ピン48
と係合可能な高さ位置になる。
【0027】つまり、上下可動体45を上限位置に位置
させた状態で、針棒切換え機構15により、針棒ケース
12を移動駆動し、複数の針棒11のなかから選択され
た針棒11を使用位置に択一的に切換えると、その使用
位置の針棒11の係合ピン48が上下可動体45の係合
部47aに係合連結し、針棒駆動機構16により使用位
置の針棒11を上下駆動することができる。
【0028】ここで、針棒駆動機構16により上下駆動
されている針棒11と1対の糸掛け部材13,14を停
止させる時、駆動停止しても惰性により作動する針棒駆
動機構16と針棒11との連結を瞬時に解除してその上
下駆動を停止させる為の針棒天秤ジャンプ機構49が設
けられている。この針棒天秤ジャンプ機構49はソレノ
イドアクチュエータを有し、そのソレノイドアクチュエ
ータにより第2可動部材47を所定角度(例えば、90
度)以上回動させることにより、第2可動部材47の係
合部47aと針棒11の係合ピン48との係合を解除し
て、針棒駆動機構16から針棒11への動力伝達を遮断
するとともに、圧縮コイルバネ11aの弾性付勢力によ
り針棒11を1対の糸掛け部材13,14とともに針上
位置にジャンプさせる。
【0029】図2〜図4に示すように、針棒ケース12
の前面側には、複数の糸案内部材50〜53が固定的に
設けられ、糸供給装置19からの延びる各糸8は、糸案
内部材50、糸掛け部材13、糸案内部材51、糸案内
部材52、糸掛け部材14、糸案内部材53の順に糸掛
けしてから縫針10に導かれる。
【0030】ところで、針棒ケース12には、天秤装置
60と、糸供給装置19の複数の糸駒9(糸供給源)か
ら複数の縫針10に夫々延びる糸8の途中部を解放可能
に挟持する糸挟持機構65と、複数の縫針10のうち休
止中の複数の縫針10から延びる糸8の端部付近を夫々
解除可能に保持する保持部材70が設けられている。
【0031】天秤装置60は、図2〜図4に示すよう
に、各針棒11に固定された上下1対の糸掛け部材(上
側糸掛け部材13と下側糸掛け部材14)と、針棒支持
体である針棒ケース12に固定的に設けられた上下1対
の糸案内部材(上側固定糸案内部材51と下側固定糸案
内部材52)と、上側固定糸案内部材51から下側固定
糸案内部材52へ延びる複数の糸8の途中部を解放可能
に挟持する天秤用糸挟持機構61を備えている。
【0032】固定糸案内部材51,52の前端の糸案内
部同士は同じ前後位置に位置し、糸掛け部材13,14
の前端の糸案内部同士も同じ前後位置に位置し、固定糸
案内部材51,52の糸案内部は糸掛け部材13,14
の糸案内部より前側に位置している。図2は糸掛け部材
13,14(針棒11)が上限位置にある状態を示し、
図3は糸掛け部材13,14が下限位置にある状態を示
している。これらの図から判るように、上側糸掛け部材
13の上下移動領域の間の中央位置付近に上側固定糸案
内部材51の糸案内部が位置し、下側糸掛け部材14の
上下移動領域の間の下端位置付近に下側固定糸案内部材
52の糸案内部が位置するように構成されている。
【0033】天秤用糸挟持機構61は、針棒ケース12
に固定されたブラケット62aの前端部に設けられた左
右に長い帯板状の固定側挟持部材62と、固定側挟持部
材62の前側に配設された可動側挟持部材63と、針棒
ケース12の左側に取付け板64aを介して固定的に設
けられたソレノイドアクチュエータ64を有する。両挟
持部材62,63は針棒ケース12と略同じ左右長を有
し、両挟持部材62,63の間を、上側固定糸案内部材
51から下側固定糸案内部材52へ延びる複数の糸8が
通っている。
【0034】可動側挟持部材63は、固定側挟持部材6
2に糸8を押圧可能な押圧板部63aと、押圧板部63
aと直交状に一体形成された連結板部63bを有する。
連結板部63bの右端部分が屈曲して針棒ケース12の
側部に枢支され、連結板部63bの左端部がソレノイド
アクチュエータ64に連結されている。ソレノイドアク
チュエータ64により可動側挟持部材63が揺動駆動さ
れ、上側固定糸案内部材51から下側固定糸案内部材5
2へ延びる糸8の途中部を両挟持部材62,63で挟持
する挟持動作と解放する解放動作を行うことができる。
尚、固定側挟持部材62の前面部と可動側挟持部材63
の後面部の少なくとも一方を、ゴム製部材を取付けて構
成してもよい。
【0035】糸挟持機構65は、図2〜図4、図7に示
すように、糸案内部材53の上部前面に固定された左右
に長い帯板状の固定側挟持部材66(例えば、ゴム製の
部材からなる)と、固定側挟持部材66の前側に配設さ
れた可動側挟持部材67と、針棒ケース12の左側に固
定的に設けられたソレノイドアクチュエータ68を有す
る。両挟持部材66,67は針棒ケース12と略同じ左
右長を有し、両挟持部材66,67の間を糸案内部材5
3へ至る複数の糸8が通っている。
【0036】可動側挟持部材67は、固定側挟持部材6
6に糸8を押圧可能な押圧板部67aと、押圧板部67
aと直交状に一体形成された連結板部67bを有する。
連結板部67bの右端部分が屈曲して針棒ケース12の
側部に枢支され、連結板部67bの左端部がソレノイド
アクチュエータ68に連結されている。
【0037】ソレノイドアクチュエータ68により可動
側挟持部材67が揺動駆動され、両挟持部材66,67
間の糸8が解放されると、縫針10への糸8の自由な繰
り出しが可能になり、両挟持部材67間の糸8が保持さ
れると、縫針10への糸8の自由な繰り出しが不能にな
る。複数の糸8に対応する複数の糸挟持機構を設けるの
に対して、複数の糸8に共通の糸挟持機構65とするこ
とができるため構造を簡単化し製作コスト的に有利にな
る。
【0038】ここで、図8に基づいて、縫針10の上下
動に対する、天秤装置60の天秤用糸挟持機構61と、
下部の糸挟持機構65の動作について説明する。
【0039】天秤用糸挟持機構61においては、縫針1
0が上限位置付近から下降しているときには挟持状態に
あり、縫針10が下限位置付近に達すると解放状態に切
換わり、次に、縫針10が上限位置付近に達すると再び
挟持状態に切換わる。このように、天秤装置60は、縫
針10(針棒11)の上下動に同期させて、上側固定糸
案内部材51の糸案内部から下側固定糸案内部材52の
糸案内部へ延びる糸の途中部を挟持する挟持動作と解放
する解放動作を繰り返し行うように構成され、これによ
り、上側糸掛け部材13による糸8の適度な繰出しと、
下側糸掛け部材14による糸ループ8aの適度な引締め
とを確実に行うことが可能になる。
【0040】下部の糸挟持機構65においては、縫針1
0が上限位置付近から下降しているときには挟持状態に
あり、縫針10が針板80付近に達すると挟持状態に切
換わり、次に、縫針10が下限位置付近に達すると再び
挟持状態に切換わる。この挟持は、糸8の移動が不能に
なるように固定的に行うものではなく、糸の盲動を防ぐ
ように適当な抵抗を糸8に付与する形で行われる。この
ように、縫針10(針棒11)の上下動に同期させて、
特に、下限位置の縫針10から延びる糸8をルーパ83
が捕捉するタイミングと略同時に糸8を挟持するので、
針先側へ糸8が過剰に繰出されるのを防止することがで
きる。
【0041】保持部材70は、図2〜図4、図7に示す
ように、左右に長い糸保持板71,72を密接状に固定
して構成され、糸挟持機構65の下側において糸案内部
材53の前側に鉛直姿勢で配設されて、複数のネジ部材
73により固定されている。前側の糸保持板71は板バ
ネからなり、複数の縫針10に対応する複数(例えば、
7つ)の糸押え片71aを有する。後側の糸保持板72
は矩形に形成され、この糸保持板72の前面に、複数の
糸押え片71aの上半部が接触している。
【0042】保持部材70に縫針10から延びる糸8の
端部付近を保持させる場合には、糸8の端部を掴み、糸
8の端部付近を糸押え片71aの下面部の後面に沿って
上方へ持上げる。すると、糸8の端部付近が糸押え片7
1aに案内され、糸押え片71aの僅かな弾性変形を介
して、糸押え片71aと糸保持板72の間に挿入されて
挟持保持される。保持部材70への糸8の保持を解除す
る場合には、糸8の端部を掴んで下方へ引っ張ることで
容易に行うことができる。
【0043】複数の糸18の端部付近を保持する複数の
クリップ等の保持部材を設けた従来のものと比べた場
合、部品点数を低減でき組付けが簡単になるし、構造も
簡単化するため製作コストを低減できる。また、太さ等
が異なる種々の糸に応じて、糸押え片71aを変形させ
ることにより、糸保持力を容易に調節することができる
ため汎用性にも優れる。糸押え片71aが斜め方向を向
いているため、糸押え片71aと糸保持板72との間に
糸8を挿入し易いし、複数の糸押え片71aが全て同じ
方向を向いているため、全ての糸8を糸保持部材70に
同じ動作で糸保持させることができる。尚、後側の糸掛
け板72を省略し、その代わりに、糸案内部材53の鉛
直部を代用することも可能である。
【0044】その他、針棒ケース12には、図2、図3
に示すように、使用位置の針棒11の下側に配設され針
棒11の上下動に連動して所定の上下運動を行うリング
状の布押え75が設けられ、アーム部3には、針棒切換
えの際に、使用位置の針棒11に装着された縫針10の
糸8を切断する切断部材76を有する糸切断機構等が設
けられている。
【0045】次に、ベッド部ユニット5について説明す
る。図9〜図12に示すように、ベッド部ユニット5に
は、針板80と、針板80に立設されて基布7に形成済
みの多数のカットパイル8bを基布7の送りにより梳い
て整頓する為の複数(例えば、8本)のピン81,82
と、上下動する縫針10から延びる糸8を捕捉して糸ル
ープ8aを形成する為のルーパ83と、ルーパ83を駆
動するルーパ駆動機構84と、糸ループ8aを切断して
カットパイル8bを形成するループ切断機構85と、針
板80の高さ位置を調節可能な高さ位置調節機構86等
が設けられている。
【0046】図9、図11に示すように、針板80は平
面視にて矩形に構成され、その中央部よりも少し後側に
左右に長い矩形孔88が形成されている。矩形孔88か
らは、ルーパ83とループ切断機構85の下メス100 の
上端部が上側へ突出し、ルーパ83の上端部は左方へ捕
捉屈曲した捕捉部83a形成され、その捕捉部83aの
基端部に、糸切断部として刃83bが形成されている。
【0047】8本のピン81,82は、布押え75と対
向状に設けられその布押え75とともに基布7を挟持す
る2本の布押えピン81を含み、その2本の布押えピン
81は、矩形孔88の左右方向中央位置において矩形孔
88を挟んで前後に設けられ、残り6本のピン82は、
矩形孔88の周辺において疎らになるようにして、前後
及び左右に略対称に設けられている。
【0048】図12に示すように、布押えピン81の上
端部はルーパ83よりも高い位置にあり、布押えピン8
1以外のピン82の上端部は糸ループ8aを切断する際
のルーパ83の刃83bよりも高い位置にある。複数の
ピン81,82のうち布押えピン81の高さはその他の
ピン82よりも高く、これにより、基布7が針板80の
上側において布押えピン81の上端部に支持されて、そ
の布押えピン81と布押え75により基布7を挟持可能
になる。
【0049】図10〜図12に示すように、ルーパ駆動
機構84は、ミシンモータにより上軸40と同期させて
回転駆動される下軸90と、下軸90の回転によりギア
91,92を介して回転駆動される駆動軸93と、針板
80の下側に設けられ連動連結されたカム94、二股9
5、リンク96、カラー連結部材97、カラー98、ル
ーパ土台99を有し、ルーパ土台99にルーパ83が取
付けられている。
【0050】カム94は駆動軸93に外嵌固着され、そ
のカム94に枢支軸95aに枢支された二股95が係合
している。2股95とカラー連結部材97がリンク96
により連結され、このカラー連結部材97が、駆動軸9
3に回動自在に外嵌されたカラー98に外嵌固着され、
同じカラー98にルーパ土台99も外嵌固着されてい
る。そして、このルーパ駆動機構84により、駆動軸9
3とともにカム94が矢印方向(図12参照)に1周回
転駆動されるとルーパ83が左右に1往復揺動駆動され
る。
【0051】ループ切断機構85は、ルーパ駆動機構8
4に共通の下軸90及び駆動軸93と、針板80の下側
に設けられ連動連結されたカム101 、二股102 、メス土
台103 を有する。カム101 は駆動軸93に外嵌固着さ
れ、そのカム101 に二股102 が係合され、その二股102
にメス土台103 が連動連結され、駆動軸93とともにカ
ム101 が矢印方向に1周回転駆動されると下メス100 が
1往復駆動される。
【0052】高さ位置調節機構86は、図13に示すよ
うに、手動ダイヤル115 を備え、その手動ダイヤル115
の操作により、針板80とともに複数のピン81,82
を上下動させるように構成してある。即ち、針板80に
は、複数の縦向きガイドロッド117,118 の上端部が固定
され、これらガイドロッド117,118 が針板80の下部の
針板支持体116 に挿通状にガイドされている。手動ダイ
ヤル115 に連動連結されたネジ115aが針板80に螺合さ
れ、これにより、手動ダイヤル115 を回動させることで
ネジ115aも回動して、針板80が上下動する。これによ
り、針板80つまり基布7を支持する布押えピン81の
上端部とルーパ83の刃83bとの距離を変更しカット
パイル8bの長さを調節することができる。
【0053】ここで、図14に示すように、各縫針10
の針孔10aの上側部位に、ルーパ83が糸8を捕捉す
る際に通るルーパ導入凹部10bが形成されている。太
い糸8を使用可能に各縫針10の針径は太く、その縫針
10の針孔10aの上側部位を深く切欠いてルーパ導入
凹部10aが深く大きく形成されている。尚、図示省略
したが、このタフトミシンTMには、基布7を任意の水
平方向に布送り可能な布送り機構が設けられており、そ
の布送り機構は、例えば、基布7を着脱自在に装着した
可動部材を介して、基布7を布押えピン81の上面に略
接触させるように送る機構に構成されている。
【0054】次に、糸供給装置19について説明する。
図1、図15に示すように、脚柱部2とアーム部3の上
側に糸駒9を載置可能な載置板110 が固定され、この載
置板110 に立設された複数の糸立棒111 に複数の糸駒9
が装着されている。載置板110 の後部には棒状部材112
が立設され、その棒状部材112 に、前後に並ぶ3つの糸
案内体120 〜122 が固定的に連結されている。また、載
置板110 前部側に別の棒状部材115 が立設され、その棒
状部材115 に、糸案内体120 から針棒ケース12に向く
斜め方向に並ぶ3つ糸案内体125〜127 が連結されてい
る。
【0055】糸案内体120 〜122 は略同様の構造であ
り、これらに共通で左右に所定間隔あけて配設された前
後向きの複数の連結部材130 に連結されるとともに、夫
々、左右方向向きの1対の棒部材131,132 とコイル133
を有する。各糸案内体120 〜122 において、上側の棒部
材131 がコイル133 を挿通するようにして、両棒部材13
1,132 によりコイル133 が挟持され、この状態で、これ
ら棒部材131,132 が連結部材130 に挿通状に支持されて
いる。各糸駒9から上方へ延びる糸8は、3つの糸案内
体120 〜122 の適当な1つを使用して糸掛けされ、その
際、糸8をコイル133 の適当な位置のコイル間において
棒部材131 に掛けて、糸案内体125 側へ導く。尚、糸8
をコイル133 に通すようにして装着してもよい。
【0056】各糸案内体125 〜127 は略同様の構造であ
り、これらに共通で左右に所定間隔あけて配設された斜
め向きの複数の連結部材136 に連結されるとともに、夫
々、左右方向向きの1対の棒部材137,138 とコイル139
を有する。尚、複数の連結部材136 は、左右に長い水平
連結部材135 介して棒状部材115 に連結されている。各
糸案内体125 〜127 において、両方の棒部材137,138 が
コイル139 を挿通して支持し、棒部材137,138 が連結部
材136 に挿通状に支持されている。前記3つの糸案内体
120 〜122 のうちの1つから延びる糸8は、糸案内体12
5,126,127 の順で掛けられ、その際、各糸案内体125 〜
127 において、糸8をコイル133 の適当な位置において
両棒部材131,132 間に通すように掛けて、針棒ケース1
2の糸案内部材50に導く。
【0057】上記タフトミシンTMの作用・効果につい
て説明する。縫針10が夫々装着された複数の針棒11
が針棒ケース12に左右一列状に支持され、針棒切換え
機構15により針棒ケース12が左右方向に移動駆動さ
れて、複数の針棒11のなかから選択された針棒11が
使用位置に択一的に切換えられる。使用位置に切換えら
れた針棒11は、連結ピン48と係合部47aとの係合
により針棒駆動機構15に連結される。
【0058】次に、ミシンモータが駆動されると、針棒
駆動機構15により使用位置の針棒11が上下駆動され
るとともに、ルーパ駆動機構84によりルーパ83が駆
動されて、駆動軸93が1回転される間に、図12、図
16〜図18に示すように、針板の上側において押えピ
ン81により支持されて布送りされる基布7に糸ループ
8aが形成され、更に、ループ切断機構85によりルー
パ83とともに下メス100 が駆動されて、糸ループ8a
の形成に続いてその糸ループ8aが切断されて1個のカ
ットパイル8bが形成され、このようにカットパイル8
bを1個ずつ形成する動作を繰り返し行うことにより、
基布7に多数のカットパイル8bが形成される。
【0059】つまり、複数の縫針10に糸色等が異なる
複数種類の糸8を装着して使用することができ、これら
複数種類の糸8のうち、現在使用している(選択されて
いる)糸8から次に使用する(選択された)所望の糸8
に針棒11及び縫針10ごと簡単に切換えることができ
るため、使用する糸8の色替え毎に、面倒で煩雑な糸交
換作業を行う必要がなくなるため、糸交換の為の作業負
荷を軽減し作業能率を高めることができる。また、1つ
の糸ループ8aを形成する毎にその糸ループ8aを切断
してカットパイル8bを形成するように構成したので、
ルーパ83に捕捉された糸ループ8bに拘束されずに、
基布7を水平面内で任意方向に任意ピッチで自由自在に
且つ所望の速度で送ることが可能になる。
【0060】そして、基布7の送り動作と、針棒切換え
機構15による針棒11の切換え動作と、使用位置の針
棒11(縫針10)とルーパ83による糸ループ形成動
作と、ルーパ83及び下メス100 とのカットパイル形成
動作等を、種々の設定パターンにより実行させることに
より、基布に多数のカットパイル8 aからなる多種多彩
なタフト模様を容易に形成することが可能になる。しか
も、複数の縫針10(針棒11)に対してそれらに共通
の1つのルーパ83を設けるだけでよく、しかも、使用
位置の1本の針棒11だけを上下駆動する針棒駆動機構
16を設けるだけでよいため、部品点数の増大を抑えて
構造を簡単且つ小型化でき製作コスト的に有利になる。
【0061】針板80つまり基布7を支持する布押えピ
ン81の高さ位置を調節可能な高さ位置調節機構86を
設けたので、この高さ位置調節機構86により針板80
と糸8を切断する際のルーパ83の刃83bとの距離を
変更しカットパイル8bの長さを簡単に調節することが
できる。しかも、高さ位置調節機構86は、手動ダイヤ
ル115 を備え、その手動ダイヤル115 の操作により、回
動されるネジ115aと螺合連結した針板80を簡単な構造
でもって確実に上下動させることができる。しかも、針
板80の高さ位置を無段階に調節可能にするとともに、
その微調節を簡単に行うこともできる。
【0062】複数の縫針10のうち休止中の複数の縫針
10から延びる糸8の端部付近を夫々解除可能に保持す
る保持部材70を設けたので、休止中の複数の縫針10
から延びる糸がからまったり邪魔になったりするのを防
止できる。
【0063】複数の糸駒9から複数の縫針10に夫々延
びる糸8の途中部を解放可能に挟持する糸挟持機構65
を設け、縫針10から延びる糸8をルーパ83が捕捉す
るタイミングと略同時に、糸挟持機構65により糸8を
挟持するので、上下動する縫針10の針先側へ糸8が過
剰に繰出されるのを防止できる。
【0064】尚、図21に示すように、前記高さ位置調
節機構86において手動ダイヤル115 を省略し、例えば
パルスモータ140 を備えた高さ位置調節機構86Aとし
てもよい。この高さ位置調節機構86Aでは、パルスモ
ータ140 が針板80の下側に縦向きに固定され、そのパ
ルスモータ140 の出力軸に固着のギア141 が、ネジ部材
115aに外嵌固着のギア142 に噛合している。
【0065】そして、このパルスモータ140 をタフト模
様形成データに基づいて駆動制御して、針板80を上下
動させるように構成され、これにより、種々の長さのカ
ットパイル8bからなるタフト模様の形成動作を連続的
に行えるようになるため、生産性が向上する。尚、パル
スモータ140 以外のアクチュエータにより、針板80の
高さ位置を調節するように構成してもよい。
【0066】また、図22に示すように、前記縫針10
の代わりに、針孔10aの上側部位を、前記縫針10の
場合よりも浅く切欠くとともに、その切欠いた部位の下
側に針幹の側面よりもごく僅かな寸法だけ側方へ突出す
る突起部10cを形成して、ルーパ83が糸8を捕捉す
る際に通るルーパ導入凹部10dを形成した縫針10A
としてもよい。これにより、あまり太くない縫針10に
ルーパ導入凹部10dを比較的大きく深めに形成するこ
とができる。また、図示していないが、縫針の針幹をや
や太めにしてその縫針の針孔の上側部位を深く切欠き、
しかも、その下側部位に前記突起部10cと同様に側方
へ突出する突起部を形成してもよい。これにより、より
太い糸8を使用する際のループ導入凹部を形成するうえ
で有効になる。
【0067】特に、本案のタフトミシンTMによれば、
糸8の縒りや正電気等の種々の要因により、基布7に形
成されたカットパイル8bが倒れ込んだり、カットパイ
ル8b同士が絡み合うという虞があるが、針板80上に
立設された複数のピン81,82が、基布7の送りによ
り多数のカットパイル8bをしばらくの間梳いて綺麗に
整頓することができるため、タフト模様の品質を高める
ことができる。
【0068】しかも、針板80上に立設された布押えピ
ン81により、基布7を針板80の上側で確実に支持し
て送ることができ、また、針板80よりも高くまた布押
えピン81よりも低い位置において、ループ切断機構8
5により糸ループ8aを切断するので、基布7に形成さ
れたカットパイル8bを針板80に接触させずに基布7
を任意方向に自由自在に送ることが可能になり、基布7
の送りにより多数のカットパイル8bをより綺麗に梳い
て整頓することができる。
【0069】複数のピン81,82は、布押え75と対
向状に設けられその布押え75とともに基布7を挟持す
る布押えピン81を含むので、この布押えピン81を含
む複数81,82のピンにより、基布7の送りにより多
数のカットパイル8bを梳いて整頓できるとともに、布
押え75により基布7を布押えピン81の上端部に確実
に押えることができる。
【0070】複数のピン81,82のうち布押えピン8
1の高さをその他のピン82よりも高くしたので、複数
のピン81,82のうち布押えピン81以外のピン82
が基布に接触しなくなるため、ピン81との摩擦による
基布7の送り抵抗を低減することができる。
【0071】尚、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前
記実施形態に種々の変更を付加した形態で実施すること
も可能である。
【0072】
【発明の効果】 請求項1のタフトミシンによれば、糸
の縒りや正電気等の種々の要因により、基布に形成され
た直後のカットパイルが倒れ込んだり、カットパイル同
士が絡み合うという虞があるが、針板上に立設された複
数のピンが、基布の送りにより多数のカットパイルをし
ばらくの間梳いて綺麗に整頓することができるため、タ
フト模様の品質を高めることができる。しかも、針板上
に立設されたピンにより、基布を針板の上側で確実に支
持して送ることができるため、針板よりも高くまたピン
よりも低い位置において、ループ切断機構により糸ルー
プを切断すように構成することで、基布に形成されたカ
ットパイルを針板に接触させずに基布を任意方向に自由
自在に送ることが可能になり、基布の送りにより多数の
カットパイルをより綺麗に梳いて整頓することができ
る。
【0073】請求項2のタフトミシンによれば、複数の
ピンは、布押えと対向状に設けられその布押えとともに
基布を挟持する布押えピンを含むので、この布押えピン
を含む複数のピンにより、基布の送りにより多数のカッ
トパイルを梳いて整頓できるとともに、布押えにより基
布を押えピンの上端部に確実に押えることができる。
【0074】請求項3のタフトミシンによれば、複数の
ピンのうち布押えピンの高さをその他のピンよりも高く
したので、複数のピンのうち布押えピン以外のピンが基
布に接触しなくなるため、ピンとの摩擦による基布の送
り抵抗を低減できる。
【0075】請求項4のタフトミシンによれば、1つの
糸ループを形成する毎にその糸ループを切断するように
構成したので、ルーパに捕捉された糸ループに拘束され
ずに、基布を任意方向に任意ピッチで自由自在に且つ所
望の速度で送りながら、糸ループとカットパイルを形成
していくことができる。つまり、基布に多種多様なタフ
ト模様を形成するうえで非常に有効になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るタフトミシンの側面図
である。
【図2】タフトミシン(針上位置状態)の要部縦断面図
である。
【図3】タフトミシン(針下位置状態)の要部縦断面図
である。
【図4】タフトミシンの針棒ケースの正面図である。
【図5】タフトミシン(針下位置状態)の要部縦断面図
である。
【図6】タフトミシンの要部平面図である。
【図7】タフトミシンの針棒ケース下部の正面図であ
る。
【図8】縫針の上下動に対する糸切換え機構の作動タイ
ミングを示す図である。
【図9】タフトミシンのベッド部ユニットの平面部分断
面図である。
【図10】ベッド部ユニットの横断面図である。
【図11】ベッド部ユニットの側面からの縦断面図であ
る。
【図12】ベッド部ユニットの正面からの縦断面図であ
る。
【図13】高さ調節機構の正面図である。
【図14】縫針等の拡大断面図である。
【図15】糸供給装置の正面図である。
【図16】ベッド部ユニットの縦断面図である。
【図17】ベッド部ユニットの縦断面図である。
【図18】ベッド部ユニットの縦断面図である。
【図19】糸ループとカットパイルが形成された基布の
断面図である。
【図20】カットパイルが形成された基布の断面図であ
る。
【図21】変形例に係る高さ調節機構の正面図である。
【図22】変形例に係る縫針等の拡大断面図である。
【符号の説明】
TM タフトミシン 7 基布 8 糸 8a 糸ループ 8b カットパイル 10 縫針 75 布押え 80 針板 81 布押えピン 82 ピン 83 ルーパ 85 ループ切断機構

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 針板の上側に支持されて布送りされる基
    布に、上下動する縫針とこの縫針から延びる糸を捕捉す
    るルーパとの協働により多数の糸ループを形成し、これ
    ら糸ループをループ切断機構で切断して多数のカットパ
    イルを形成可能なタフトミシンにおいて、 基布に形成済みの多数のカットパイルを、基布の送りに
    より梳いて整頓する為の複数のピンを針板上に立設した
    ことを特徴とするタフトミシン。
  2. 【請求項2】 前記複数のピンは、布押えと対向状に設
    けられその布押えとともに基布を挟持する布押えピンを
    含むことを特徴とする請求項1に記載のタフトミシン。
  3. 【請求項3】 前記複数のピンのうち布押えピンの高さ
    をその他のピンよりも高くしたことを特徴とする請求項
    2に記載のタフトミシン。
  4. 【請求項4】 前記ループ切断機構は、1つの糸ループ
    を形成する毎にその糸ループを切断するように構成され
    たことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の
    タフトミシン。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009074222A (ja) * 2007-09-23 2009-04-09 Kunio Hotta タフト刺繍ミシン用部品のユニット

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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