JP5197601B2 - タフティングマシン - Google Patents

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Description

本発明は、カーペット等のパイル織物を製造するタフティングマシンに係り、特に、カットパイルとループパイルの両方が混在するパイル織物を製造することの出来るタフティングマシンに関するものである。
従来から、例えばカーペット等として用いられるパイル織物が知られており、かかるパイル織物には、肌触りや質感を高めるために基布に多数のパイルが形成されている。このようなパイル織物に形成されるパイルとしては、大きく分けて端部を有さない輪状のループパイルと、端部を有するひも状のカットパイルの2種類がある。
ところで、これらパイル織物の製造には、タフティングマシンが広く用いられている。かかるタフティングマシンは、例えばループパイルを形成するものの場合には、パイル糸を通した針を基布に刺し通し、基布の送り方向と同方向に先端を向けたルーパーによってパイル糸を捕捉せしめた後に、針を基布から引き抜くことによってループパイルを形成する。一方、カットパイルを形成するものの場合には、ループパイルとは逆に、基布の送り方向と反対方向に先端を向けたルーパーによってパイル糸を捕捉せしめてループを形成し、かかるループをルーパーで捕捉せしめた状態でナイフで切断することによってカットパイルを形成する。
このように、ループパイルとカットパイルでは、ルーパーの向きが反対であることから、一台のタフティングマシンでは何れか一方のパイルしか形成することが出来ないという問題を有していた。それ故、一台のマシンで異なるパイルを形成しようとする場合には、ルーパーを交換する等の手間が必要であった。
このような問題に対処するために、本願発明者は、特許文献1(実開昭62−70197号公報)において、ループパイル用のルーパーとカットパイル用のルーパーの両方を備え、それら両ルーパーを選択的に用いることの出来るタフティングマシンを提案した。これにより、一台のタフティングマシンでループパイルとカットパイルの2種類のパイルを形成することが可能になると共に、ルーパーを交換するような手間も不要とされることから、製造効率の向上を図ることが出来た。
このように、特許文献1に記載のタフティングマシンによって、ループパイルとカットパイルの両方を一台のタフティングマシンで製造することが可能とされて、製造効率をより向上せしめることが可能となったものの、特許文献1に記載のタフティングマシンには、未だ改良の余地が存していた。
すなわち、特許文献1に記載のタフティングマシンにおいては、ループパイル用とカットパイル用の2種類のルーパーを備えると共に、各ルーパーを駆動せしめる駆動機構が必要とされることから、構造が複雑なものであった。また、かかるタフティングマシンは、ループパイルとカットパイルの何れか一方のパイル織物を択一的に製造可能とするものであって、ループパイルとカットパイルが混在するパイル織物を製造することは不可能であったのである。
実開昭62−70197号公報
ここにおいて、本発明は上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、簡易な構成をもって、カットパイルとループパイルの両方が混在するパイル織物を製造することの出来る、新規な構造のタフティングマシンを提供することにある。
以下、前述の如き課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
すなわち、本発明の第一の態様は、繰出ローラによって一方向に送られる基布を表側からフィンガープレートによって支持せしめつつ、パイル糸が通された針を該基布に裏側から刺し通すことによって該パイル糸を該基布に刺し通す一方、自由端が該基布の送り方向と相対せしめられて該針に対して接近離隔方向に往復変位せしめられるルーパーを用いて該基布に刺し通された該パイルを捕捉せしめることによってループを形成すると共に、
該ルーパーに対して相対変位せしめられるナイフによって該ルーパーに捕捉された該ループを切断してカットパイルを形成することと、該ループを切断しないでループパイルを形成することとの両方が可能なタフティングマシンであって、前記フィンガープレートを前記針の前記基布への刺し通し方向に変位せしめる変位手段を設けて、該ループパイルを形成するにあたり該変位手段で該フィンガープレートを変位させて該基布の表面側への変位を許容することにより前記ループの前記ルーパーによる捕捉状態を解除可能としたことを、特徴とする。
本態様に従う構造とされたタフティングマシンにおいては、変位手段でフィンガープレートを針の刺し通し方向である基布表面側に変位せしめて、基布の表側でのフィンガープレートによる支持を解除乃至は緩和することによって基布の表面側への変位が許容される。これにより、ルーパーに捕捉されて基布の表側にループを形成するパイル糸のテンションを緩めることが可能となって、例えばルーパーの変位なども相作用して、ループのルーパーによる捕捉状態を解除することが出来る。そして、ルーパーによる捕捉状態から解除されたループは、ナイフで切断されることなく、ループパイル形状をもって基布に植設されることとなる。一方、フィンガープレートが変位せしめられていない場合には、従来公知のカットパイル機と同様に、パイル糸にテンションを及ぼした状態でルーパーに捕捉せしめられることによって、ルーパーによる捕捉状態が維持される。そして、ルーパーに捕捉されたループは、最終的にはナイフで切断されてカットパイルとして基布に植設される。
このように、本態様に従う構造とされたタフティングマシンにおいては、変位手段でフィンガープレートの位置を変位せしめることによって、従来のようにカットパイル用のルーパーとループパイル用のルーパーを交換する手間を要することもなく、ループパイルとカットパイルを選択的に形成することが可能となる。そして、ルーパーの交換も不要とされることによって、繰出ローラによる基布の送り工程を中断することなくカットパイル及びループパイルを選択的に形成出来ることから、ループパイルとカットパイルが混在するパイル織物を、優れた加工精度と製造効率をもって製造することが可能となるのである。
なお、ループパイルとカットパイルの混在の態様は、例えばループパイル領域とカットパイル領域を明確に分けて混在させる他、ランダムに混在させるなど、各種態様が採用可能である。例えば、基布の展張力やフィンガープレートの変位量、ルーパーによってパイル糸に及ぼされるテンションの大きさ、ルーパーの変位方向などを適当に調節することにより、ループパイルのみが形成される状態とカットパイルのみが形成される状態とを、選択的に発現させることも可能であるし、また、ループパイルとカットパイルの両方を不規則に発現させることも可能である。
更にまた、本態様に従う構造とされたタフティングマシンにおいては、フィンガープレートを変位せしめる変位手段以外の構造は、従来公知のカットパイル機と略同様の構造を用いて実現することも可能である。これにより、ループパイルとカットパイルが混在するパイル織物を製造可能なタフティングマシンを、簡易な構成で実現することが出来る。また、従来から用いられていたカットパイル機に僅かな改造を施すことで、カットパイル及びループパイルが混在するパイル織物を形成することの出来るタフティングマシンを得ることも可能となるのである。
なお、本態様における変位手段の具体的な構造としては、各種の構造が適宜に採用可能である。例えば、フィンガープレートをシリンダ機構やサーボモータで支持せしめて変位可能としたり、ラック・ピニオン機構を用いて変位可能とする等の態様が採用され得る。また、フィンガープレートが変位せしめられる方向である針の基布への刺し通し方向とは、必ずしも針の往復方向と平行である必要は無く、基布の表側に対してフィンガープレートが離隔する方向であれば良い。好適には、基布の表面を鉛直下方に向けてループ植設加工が行われることとなり、その場合にフィンガープレートは基布を下方から支えるようになる。そして、フィンガープレートが鉛直又は斜め下方に向けて変位せしめられることで、基布は、重力作用も利用して下方に垂れるようにして変位せしめられるようにされる。
本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係るタフティングマシンにおいて、前記フィンガープレートを前記基布の表面側において幅方向に延びる回動軸まわりで往復回動変位可能とする回動機構と、該回動機構による該フィンガープレートの往復回動変位量を調節する回動量調節機構とによって前記変位手段を構成したことを、特徴とする。より具体的には、例えば本発明の第三の態様として、前記回動機構をヒンジ機構によって構成すると共に、前記回動量調節機構をシリンダ機構によって構成した態様が、かかる第二の態様の一つとして好適に採用され得る。
このようにすれば、簡易な構成をもって変位手段を構成することが出来る。ここにおいて、第三の態様におけるシリンダ機構としては、エアシリンダ、油圧シリンダ等公知のシリンダ機構が適宜に採用可能である。また、第二の態様における回動量調節機構としては、第三の態様の如きシリンダ機構に限定されるものではなく、例えばサーボモータを用いる等しても良い。
本発明の第四の態様は、前記第一乃至第三の何れか一つの態様に係るタフティングマシンにおいて、前記フィンガープレートを前記基布の幅方向で分割構成として、該分割された各フィンガープレートのそれぞれに前記変位手段を設けることによって、それら各フィンガープレートを各別に前記針の刺し通し方向に変位せしめることができるようにしたことを、特徴とする。
本態様に従う構造とされたタフティングマシンにおいては、複数のフィンガープレートを基布の幅方向で各別に変位せしめることによって、基布の送り方向でループパイルとカットパイルを混在せしめるのみならず、送り方向に直交する幅方向にもループパイルとカットパイルを混在せしめることが出来る。これにより、ループパイルとカットパイルを基布の幅方向で交互に縞状に形成したり、更には、各フィンガープレートの変位をより高精度に制御することによって、カットパイル乃至はループパイルの模様を基布の斜め方向に連続して形成すること等も可能となることから、より複雑又は多様な模様を形成することも可能となる。
すなわち、各フィンガープレートの基布に対する離隔方向への変位を相互に独立して設定できることから、例えば、特定領域でカットパイルだけを形成したり、特定領域でループパイルだけを形成したり、また特定領域でカットパイルとループパイルを不規則に混在させて形成したりすることが可能であり、更に、カットパイルとループパイルが不規則に混在する領域においてもカットパイルとループパイルの相対比率を異ならせたりすることも可能となる。そして、そのような各種設定を、基布の送り方向だけでなく幅方向においても、フィンガープレートの分割数に対応した領域に区分して、各別に行うことが可能となるのである。
また、フィンガープレートを基布の幅方向で分割構成するに際しては、例えばルーパーにおいても、それら各分割されたフィンガープレートに対応する部分ごとに分割構造とすることも可能である。これにより、ルーパーによってループに及ぼされるテンションなどの条件も、各分割フィンガープレートごとに設定することが可能となり、上述の如きカットパイルとループパイルの選択的な形成をより高精度に行うことが可能となる。
本発明の第五の態様は、前記第一乃至第四の何れか一つの態様に係るタフティングマシンにおいて、互いに異なる速度で回転せしめられる複数のロールと、該ロールと対を成して設けられると共に、該ロールに対して当接離反せしめられて該ロールとの間で前記パイル糸を繰り出す遊転輪を備えた遊転輪装置と、該遊転輪装置を該ロールに対して接近離隔せしめる制御装置を含んで構成された糸供給装置を備えたことを、特徴とする。
本態様に従う構造とされたタフティングマシンにおいては、制御装置によって接近せしめられた遊転輪装置の遊転輪が、対向するロールとの間でパイル糸を狭持することによって、それぞれのロールの回転速度に対応した速さでパイル糸を送り出すことが出来る。そして、パイル糸の送り量を調節することによって、パイル糸のテンションを調節することが出来る。
従って、例えばフィンガープレートが針の刺し通し方向に変位せしめられて、パイル糸のテンションが緩められる場合でも、パイル糸の送り量を少なくしてテンションを保つことによって、ルーパーによる捕捉状態を保ち、カットパイルを形成することが出来る。一方、フィンガープレートが変位せしめられる場合には、パイル糸の供給量を多くしてテンションを緩めることによって、ルーパーによる捕捉状態をより容易に解除せしめてループパイルを形成することが出来る。このように、本態様によれば、針へのパイル糸の供給量を調節することによってループパイルとカットパイルを一層精度良く選択的に形成することが可能となる。それと共に、各針へのパイル糸の供給量を各別に調節出来ることから、より複雑な模様を形成することも可能であるし、或いは、カットパイルとループパイルが無作為に混在するパイル織物を製造すること等も一層容易となる。
本発明の一実施形態としてのタフティングマシンの概略を示す説明図。 同タフティングマシンの植込機構および糸送り機構を示す説明図。 図2に示した糸送り機構に用いられる遊転輪装置を示す説明図。 図1に示したタフティングマシンのパイル機構を示す説明図。 同タフティングマシンの作動態様を説明するための説明図。 異なる態様のフィンガープレートおよび変位手段を説明するための説明図。
10 タフティングマシン
12 基布
14 パイル糸
30 ニードル
84 ルーパー
96 ナイフ
98 フィンガープレート
106 ヒンジ
108 エアシリンダ
109 電磁弁
110 フィンガー
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1に、本発明の一実施形態としてのタフティングマシン10の概略を示す。タフティングマシン10は、略水平方向に広げられる基布12の上方に、パイル糸14を基布12に植え込む植込機構16および植込機構16にパイル糸14を供給する糸供給装置としての糸送り機構17が設けられる一方、基布12の下方に、パイルを形成するためのパイル機構18が設けられた構造とされている。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、上下方向とは、図1中の上下方向をいうものとする。
より詳細には、パイル機構18を挟んだ水平方向両側には、一対のスパイクローラ20,22が回転可能に設けられており、一方のスパイクローラ20の下方にはフィードローラ24が設けられ、他方のスパイクローラ22の上方には送出ローラ26が設けられており、これら各ローラ20,22,24,26によって繰出ローラが構成されている。更に、フィードローラ24の下方には、基布12がロール状に巻き付けられた基布スタンド28が回転可能に設けられている。これら各ローラ20,22,24,26および基布スタンド28は、基布12の幅寸法と同じ乃至はやや大きな軸方向長さ寸法をもって、互いの軸を同じ方向(本実施形態においては、図1の紙面に直交する方向)に向けて、互いに平行に配設されている。
そして、基布12は基布スタンド28から上方に延び出されて、フィードローラ24とスパイクローラ20の間を通って両ローラ24,20に掛装されている。更に、基布12は、スパイクローラ20,22の間に掛装されている。ここにおいて、スパイクローラ20の上端縁部とスパイクローラ22の下端縁部は略同じ高さ位置とされており、これにより、両スパイクローラ20,22の間に掛装された基布12は、略水平方向に広がって掛装されている。また、基布12は、スパイクローラ20,22の間の掛装状態において、表面29が下側に、裏面31が上側に位置せしめられている(図2参照)。更に、基布12はスパイクローラ22から上方に延び出されて、スパイクローラ22と送出ローラ26の間を通って両ローラ22,26に掛装されている。
そして、フィードローラ24および送出ローラ26を同期して回転せしめると、基布スタンド28に巻き付けられた基布12が繰り出されて、両スパイクローラ20,22の間に位置する基布12がスパイクローラ22に向けて移動せしめられる。更に、送出ローラ26から繰り出された基布12は、タフティングマシン10の外部へ送り出されるようになっている。
また、基布12の上方には、植込機構16および糸送り機構17が設けられている。図2に、植込機構16および糸送り機構17を示す。植込機構16は、針としてのニードル30を垂直方向に往復駆動せしめることによってパイル糸14を基布12に植え込むためのものであり、箱体形状とされたヘッド32内に、ニードル30を往復駆動せしめるクランク機構34を備えた構造とされている。クランク機構34は、前記スパイクローラ20,22の延び出し方向(図2の紙面と直交する方向)と平行に延びるニードルシャフト36に固定的に取り付けられたニードルロッカーアーム38と、鉛直方向に延びるプッシュロッド40がコネクションリンク42によって連結されて構成されている。更に、プッシュロッド40の下端部には、所定幅寸法をもってニードルシャフト36と平行に延びるニードルバー44が設けられており、かかるニードルバー44の下端部に、針としてのニードル30が、下方に突出してニードルバー44の長手方向(図2の紙面と直交する方向)に沿って複数設けられている。そして、ニードルシャフト36の回転運動がプッシュロッド40の垂直方向の往復運動に変換されることによって、ニードル30が基布12に対して垂直方向で接近離反せしめられるようになっている。このように、本実施形態においては、ニードル30の基布12への刺し通し方向は、鉛直下方とされており、ニードル30は、基布12の裏面31から表面29に向けて刺し通されるようになっている。
一方、糸送り機構17は、パイル糸14をニードル30に供給するためのものである。なお、本実施形態における糸送り機構17は、本出願人が以前に出願した特開昭63−203861号公報に記載のものと同様であることから、以下はその概要を説明するに留める。
タフティングマシン10の上部には、上方に延びる上部スタンド46が設けられており、かかる上部スタンド46に、周面に例えば粗面加工等が施されたロール48a,48b,48c,48dがニードルシャフト36と同方向(図2の紙面と直交する方向)に延びる軸回りで回転可能に上下方向に並設されている。これらロール48a乃至48dは、互いに異なる速度で回転せしめられるようになっている。
そして、ロール48a乃至48dに対向して、遊転輪装置50a乃至50dが設けられている。遊転輪装置50a乃至50dは互いに同様の構造とされていることから、以下は遊転輪装置50aを例に説明する。
図3に、遊転輪装置50aを示す。遊転輪装置50aは、ロール48a側の端部に遊転輪52を備えると共に反対側の端部がエアシリンダ54のシャフト56に連結せしめられた支杆58が、支持部材60でロール48aに対して接近離隔方向(図3中、左右方向)に摺動可能に支持された構造とされている。また、支杆58には、シャフト56に外挿されたコイルスプリング62によって、ロール48aから離隔する付勢力が及ぼされており、エアシリンダ54にエアが供給されていない状態では、遊転輪52がロール48aから離隔するようにされている。そして、エアシリンダ54が作動せしめられてエアが供給されることによって、支杆58がロール48aに接近せしめられて、遊転輪52をロール48aに当接せしめるようにされている。
エアシリンダ54へのエアの供給は、各エアシリンダ54に対応する電磁弁群64を設け、予め設定した模様を記憶したコンピュータや光電管を使用したパターンドラム等のパターン制御装置66から発せられる制御信号に基づいて、電磁弁群64の電磁弁を選択的に作動することによって行われる。
そして、ロール48a乃至48dと遊転輪装置50a乃至50dの間に、パイル糸14が上下方向に通されて、ヘッド32に取り付けられたテンションロール68,68によってテンションを与えられると共に、ヘッド32の適当な箇所に複数設けられた糸ガイド70で案内されて、ニードル30に貫設された針穴112(図5参照)に通されることによって、ニードル30に供給されるようになっている。
このような構造とされた糸送り機構17は、例えばパターン制御装置66から発せられた信号が電磁弁群64中の特定の電磁弁を励磁して、遊転輪装置50aのエアシリンダ54にエアを供給すると、遊転輪装置50aのエアシリンダ54が作動して支杆58をロール48aに接近せしめる。そして、遊転輪52がパイル糸14をローラ48aとの間で狭持してローラ48aに当接せしめられ、ローラ48aの回転に合わせて回転せしめられる。これにより、パイル糸14がロール48aの回転速度に従って送り出されて、かかる送り出し量に応じたパイル長をもって基布12に植え付けられることとなる。
一方、パターン制御装置66によって遊転輪装置50bのエアシリンダ54にエアが供給されると、遊転輪装置50aのエアシリンダ54へのエアの供給が停止されて、遊転輪52がコイルスプリング62の付勢力によってロール48aから離隔せしめられる。そして、遊転輪装置50bの遊転輪52がパイル糸14をロール48bとの間で狭持してロール48bに当接せしめられることによって、パイル糸14がロール48bの回転速度に従って送り出されることとなる。
ここにおいて、ロール48a乃至48dの回転速度は互いに異ならされていることから、各ロール48a乃至48dによって送り出されるパイル糸14の送り出し量も異ならされることとなる。その結果、基布12の表面29に形成されるパイルの大きさを制御することが出来て、パターン制御装置66に予め設定された模様を基布12上に現出せしめることが可能となる。
一方、基布12を挟んでこれら植込機構16および糸送り機構17の反対側、即ち、基布12の下方には、パイル機構18が設けられている。図4に、パイル機構18を示す。なお、図4においては、基布12およびパイル糸14を省略した形で図示する。パイル機構18には、スパイクローラ20と同じ方向(図4の紙面に直交する方向)に延びるルーパーシャフト72が設けられている。ルーパーシャフト72には、上方に円弧状に延びるルーパーロッカーアーム74の下端部が固定的に連結されている。また、ルーパーロッカーアーム74の上端部の外側には、ルーパーシャフト72と平行に延びるルーパードライブシャフト76が設けられている。かかるルーパードライブシャフト76にはロッカーアーム78が固定的に取り付けられており、ロッカーアーム78が、コネクティングリンク80を介してルーパーロッカーアーム74の上端部に連結されることによって、リンク機構が構成されている。
また、ルーパーロッカーアーム74の上端部には、ニードルバー44と同じ方向(図4の紙面に直交する方向)に延びるルーパーバー82が設けられており、かかるルーパーバー82の延出方向に沿って、複数のルーパー84が並設されている。ここにおいて、各ルーパー84は各ニードル30と対応して、ニードル30と同じ数だけ設けられている。また、自由端とされたルーパー84の先端部は、ルーパーバー82からニードル30に向けて、換言すれば、基布12の送り出し方向(図4の左から右方向)に相対する方向に突出せしめられており、かかる突出先端部には、下方に突出せしめられた突起86が設けられている。これにより、ルーパー84の先端部は、下方に開口する鉤形状とされている。
また、ルーパーシャフト72およびルーパードライブシャフト76は、互いに同期して所定の角度内で往復回動せしめられるようになっており、ルーパーシャフト72の往復回動は、ルーパーロッカーアーム74およびルーパーバー82を介してルーパー84へ僅かな上下動として伝達される。一方、ルーパードライブシャフト76の往復回動は、ロッカーアーム78、コネクティングリンク80、ルーパーロッカーアーム74およびルーパーバー82を介してルーパー84へ左右動として伝達される。そして、両シャフト72,76の動きが合成されることによって、ルーパー84は各ニードル30の上下動と同期して楕円軌道上を移動する。これにより、ルーパー84が、ニードル30によって基布12に刺し通されたパイル糸14を補足する糸取り動作を行うようにされている。
また、ルーパーシャフト72のやや上方には、ルーパーシャフト72と平行に延びるナイフドライブシャフト88が設けられている。ナイフドライブシャフト88には、ナイフロッカーアーム90が固定されており、かかるナイフロッカーアーム90の上端部には、ナイフドライブシャフト88と同じ方向に延びるナイフバー92が設けられている。
ナイフバー92において各ルーパー84に対応する位置には、それぞれ、ナイフブロック94が設けられており、かかるナイフブロック94に、略鉛直方向に延びるナイフ96が取り付けられている。ナイフ96の上端縁部には切刃が形成されており、ナイフ96とルーパー84は、それらの厚さ方向(図4の紙面に直交する方向)で互いに対向する面が接触せしめられる。
ナイフドライブシャフト88は、所定の角度内で往復回動せしめられるようになっており、かかるナイフドライブシャフト88の往復回動が、ナイフロッカーアーム90、ナイフバー92、ナイフブロック94を介してナイフ96の上下動として伝達される。かかるナイフ96の上下動によってナイフ96がルーパー84に対して接近離隔方向に摺動せしめられ、ナイフ96がルーパー84に捕捉されたパイル糸14を切断するための糸切り動作を行うようになっている。
一方、ニードル30を挟んでルーパー84やナイフ96の反対側には、フィンガープレート98を支持するベッド100が配設されている。ベッド100は、鉛直上方に立ち上がると共に、ルーパーシャフト72やナイフドライブシャフト88と同じ方向(図4の紙面に直交する方向)に延びる板状のベッドフレーム102の上端部に、ベッドフレーム102と略等しい長さ寸法を有する板状のベッドプレート104の一方の端部が回動機構としてのヒンジ106によって回動可能に連結された構造とされている。更に、ベッドフレーム102におけるニードル30側の面とベッドプレート104のニードル30側の端部の下面との間に、シリンダ機構としてのエアシリンダ108のそれぞれの端部が連結されている。かかるエアシリンダ108へのエアの供給は、電磁弁109を設け、前述のパターン制御装置66から発せられる制御信号に基づいて電磁弁109を作動することによって行われる。そして、エアシリンダ108の伸縮量によって、ベッドプレート104のベッドフレーム102に対する回動量が調節されるようになっており、本実施形態においては、エアシリンダ108によって回動量調節機構が構成されていると共に、ヒンジ106、エアシリンダ108を含んでフィンガープレート98を変位せしめる変位手段が構成されている。なお、ベッドプレート104は、通常は、フィンガープレート98が水平方向に広がる位置が定常位置とされている。
そして、ベッドプレート104の上面に、フィンガープレート98が取り付けられており、フィンガープレート98の上面によって、基布12の表面29が支持されるようになっている。フィンガープレート98は、ニードル30に向けて突出する多数のフィンガー110がニードル30の径寸法より僅かに大きな所定間隔を隔ててニードル30の配列方向(図4の紙面に直交する方向)に形成された櫛のような形状とされており、隣り合うフィンガー110の間の空隙に、ニードル30が通されるようになっている。そして、かかるフィンガープレート98がベッドプレート104の上面に取り付けられていることによって、本実施形態におけるフィンガープレート98は、基布12の幅方向に延びるヒンジ106を回動軸として回動可能とされている。
図5に、このような構造とされたタフティングマシンの作動態様を説明する。先ず、図5(a)に示すように、フィンガープレート98が定常位置に位置せしめられて基布12の表面29を支持せしめた状態で、針穴112にパイル糸14が通されたニードル30が下方に変位せしめられて、基布12を裏面31から表面29へ貫通する。これにより、パイル糸14が基布12を貫通して打ち込まれる。ここにおいて、ニードル30が基布12を貫通する際には、フィンガープレート98が定常位置に位置せしめられて基布12を支持することにより、基布12が撓んでニードル30の接触圧が逃がされることが抑えられて、ニードル30を基布12に安定して刺し通すことが出来るようにされている。
なお、図5においては、基布12とフィンガープレート98が上下方向で隙間をもって非接触とされているように見えるが、本実施形態におけるフィンガープレート98は、ニードル30側と反対側の端部の高さ位置が僅かに高く形成されており(図4参照)、基布12は、フィンガープレート98におけるニードル30側と反対側の部位(図5において図示されていない左側の部位)で支持されている。特に、ニードル30が基布12に刺し通される際には、基布12がニードル30の押圧力や摩擦力で下方に向かって押されることとなり、その際の基布12の下方への変位がフィンガープレート98の先端部分(図5に示されたニードル30側の部分)への当接によって制限されるようになっている。尤も、図5に示された状態下でも、基布12の表面(図中の下側面)がフィンガープレート98に当接状態で支持されるようになっていても良い。
また、図5に示されているように、基布12を貫通したニードル30の先端部は、フィンガープレート98のフィンガー110の間の空隙を通って、フィンガープレート98の下面から更に下方に突出せしめられる。
そして、ニードル30が下方に変位せしめられると共に、ルーパー84がニードル30に向けて接近せしめられる。そして、ニードル30が下死点に位置せしめられると、図5(b)に示すように、ルーパー84の先端部分がニードル30とニードル30によって打ち込まれたパイル糸14の間に挿し入れられる。
続いて、図5(c)に示すように、ニードル30が下死点から上方へ変位せしめられると、ニードル30は基布12の表面29から裏面31に向けて引き抜かれる。ここにおいて、ニードル30によって打ち込まれたパイル糸14は、ルーパー84の先端部分で捕捉されて、基布12の表面29に突出した状態に保たれることとなり、これにより、ニードル30が貫通した基布12の穴を通じて、パイル糸14が基布12の表面29にループ形状に植設されて、ループ114が形成される。
そして、ニードル30が上昇せしめられると共に、制御装置66からの制御信号に基づいてエアシリンダ108が収縮作動せしめられることによって、ベッドプレート104がヒンジ106を中心に下方に回動せしめられて、フィンガープレート98が下方に所定角度だけ回動せしめられる。これにより、フィンガープレート98で支持された基布12の下方への撓みが許容されて、基布12と共に、ルーパー84で捕捉されたループ114が下方へ変位せしめられることによって、ループ114のルーパー84による捕捉状態が解除される。
なお、ルーパー84による捕捉状態を解除するために、フィンガープレート98は、ループ114がルーパー84の突起86に引っ掛かることの無い程度に下方に回動せしめられる。また、本実施形態においては、フィンガープレート98は基布12の支持を緩和する程度に下方に回動せしめられており、下方への回動状態においても基布12の表面29に対する接触状態が保たれているが、例えば、基布12の支持を解除する程度に変位せしめることも可能であって、具体的には、基布12に生じ得る撓みよりも下方に変位せしめて、基布12の表面29と完全に離隔する程度にまで回動せしめることも可能である。
そして、ルーパー84がニードル30から離隔する方向へ変位せしめられることによって、ルーパー84の先端部が、ループ114から引き抜かれる。これにより、基布12の表面29に、ループ114がループパイルとして形成されることとなる。
続いて、制御装置66からの制御信号に基づいてエアシリンダ108が伸張作動せしめられることによって、ベッドプレート104が再び水平状態とされて、フィンガープレート98が定常位置に復帰せしめられる。
このように、フィンガープレート98が定常位置に復帰せしめられると、フィードローラ24、スパイクローラ20,22、送出ローラ26が回転せしめられることによって、基布12が所定量だけ基布スタンド28から繰り出される。なお、ルーパー84による捕捉状態が解除されたループ114は、フィンガープレート98が定常位置に復帰せしめられることによって、基布12と共に上方に変位せしめられることから、基布12の移動に際して、再びルーパー84の先端部に捕捉されるおそれも軽減されている。
一方、ニードル30が上死点に位置せしめられた(図5(c))後に、エアシリンダ108の伸縮作動を行わない場合には、ループ114のルーパー84による捕捉状態が維持される。そして、ルーパー84に捕捉されたループ114は、基布12の繰り出しに従ってルーパー84におけるニードル30から離隔する方向へ案内されて、ナイフ96により切断されてカットパイルとして形成されることとなる。
そして、基布12が所定量だけ基布スタンド28から繰り出された後に、ニードル30の下降が前記同様に開始される。続いて、基布12に打ち込まれたパイル糸14のループ114がルーパー84で捕捉された後に、前記同様に、フィンガープレート98が下降せしめられた場合にはループパイル、フィンガープレート98が定常位置に位置せしめられていた場合にはカットパイルが形成されることとなる。以上の動作を繰り返すことによって、基布12の表面29に、多数のループパイルとカットパイルが混在して形成される。
なお、フィンガープレート98の下方への変位量を調節して、図5(c)〜(d)に至る工程で、ループ114がルーパー84から外れる場合と外れない場合が秩序なく発生するようにしても良い。これにより、ループパイルとカットパイルが一つの領域で混在した織物を製造することが可能となる。
また、図5においては、理解を容易とするために、一つのループ112だけを示してあるが、基布12においてニードル30が刺し通された位置(図5中の中央位置)よりも基布12の送り方向前方側(図5中の右側)には、適当な間隔でループパイル又はカットパイルが形成されて存在する。
特に、前述の如く、図5(c)〜(d)に至る工程で、ループ114がルーパー84から外れる場合と外れない場合が秩序なく発生するようにしてパイル形成する場合には、ルーパー84に対しては、一般的なループパイルの形成工程と同様に、複数個(例えば2〜5個)のループが掛けられた状態とされて、ルーパー84の一番奥方(図5中の右側)に掛けられたループだけが一つずつナイフ96で切断されることとなる。そして、図 5(d)においてフィンガープレート98が下降変位せしめられると、ルーパー84の一番先方(図5中の左側)に掛けられたループだけがルーパー84から外れてループパイルとされることとなる。なお、一旦ルーパー84から外れたループパイルは、ルーパー84によるテンションが解除されることで基布12側に縮んだ状態で存在することから、そのループパイルが再びルーパー84に係止されることはない。
ところで、特に本実施形態においては、特定構造を有する糸送り機構17を備えたことによって、各ニードル30へのパイル糸14の供給量を個別に調節することが可能とされている。これにより、ニードル30へのパイル糸14の供給量を抑えることによって、フィンガープレート98が下降せしめられた場合でも、パイル糸14にテンションを与えて、ルーパー84による捕捉状態を維持せしめてカットパイルを形成することも出来る。このようにすれば、多数のニードル30の内、特定のニードル30に対応する箇所のみカットパイルを形成することなども可能となって、予め設定したパターンに従って各ニードル30へのパイル糸14の供給量を制御することによって、より複雑な模様や任意の模様を形成することも可能となる。また、パイル糸14の供給量を調節することによって、パイルの大きさを調節することも出来る。
このような構造とされたタフティングマシン10においては、フィンガープレート98を下方に変位せしめて、基布12の表面29でのフィンガープレート98による支持を解除乃至は緩和することによって、基布12の下方への変位が許容されるようになっている。これにより、パイル糸14に加えられるテンションを調節することが可能とされており、パイル糸14を基布12に植糸してゆく過程において基布12を下方へ変位せしめることによって、パイル糸14のテンションを緩和して、ルーパー84による捕捉状態を解除することが可能とされる。従って、ルーパー84による捕捉状態から開放されたパイル糸14をループパイルとして形成することが可能とされて、ループパイルとカットパイルが混在するパイル織物を製造することが可能となるのである。
そして、特に本実施形態におけるタフティングマシン10は、従来公知のカットパイル用のタフティングマシンにフィンガープレートの変位手段を設けるという簡易な構成で実現可能であることから、従来から用いられていたカットパイル用のタフティングマシンに僅かな改造を施すことによって、カットパイルおよびループパイルが混在するパイル織物を製造可能なタフティングマシンを得ることが出来る。また、本実施形態におけるタフティングマシン10は、フィンガープレート98を下方へ変位せしめることなく定常位置に位置せしめることによって、パイル糸14にテンションを加えてルーパー84による捕捉状態を維持出来ることから、カットパイルのみを有するパイル織物も従来通り製造することが出来るのである。
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
例えば、フィンガープレートを変位せしめる変位手段は、フィンガープレートによる基布の支持を解除乃至は緩和するものであれば良いのであって、フィンガープレートの変位方向としての針の基布への刺し通し方向としては、前述の如き回転方向に限定されない。従って、例えば前記実施形態においてフィンガープレート98を支持するベッドプレート104を、ラック・ピニオン機構などを用いて鉛直上下方向に変位せしめる等しても良い。
また、前記実施形態においては、特定構造を有する糸送り機構17を備え、各ニードル30へのパイル糸14の供給量を調節することによって、各ニードル30毎にカットパイルおよびループパイルを選択的に形成することが可能とされていたが、糸送り機構17は必ずしも前述の如き特定構造を有するものに限定されるものではなく、従来公知の糸供給装置が適宜に採用可能である。
更にまた、前記実施形態においては、フィンガープレート98は基布12の幅方向に延びる単一の部材とされていたが、例えばフィンガープレートを基布の幅方向で分割構成として、分割された各フィンガープレートのそれぞれに変位手段を設けて各別に変位せしめることも可能である。図6に、そのような態様のフィンガープレートの上面をモデル的に示す。
本態様におけるフィンガープレートは、基布の幅方向(図6中、上下方向)で複数(本態様においては、10個)に分割されたフィンガープレート120a乃至120jから構成されており、これらのフィンガープレート120a乃至120jが基布の幅方向に並設されることによって、基布の幅方向の略全体に亘るフィンガープレートが構成されている。更に、各フィンガープレート120a乃至120jは、基布の幅方向でフィンガープレートと同数(本態様においては、10個)に分割されたベッドプレート122a乃至122jの上面に固定されており、各ベッドプレート122a乃至122jが、前記実施形態と同様のベッドフレーム102(図4参照)に対してヒンジ124a乃至124jによって回動可能に連結されている。そして、それぞれのベッドプレート122a乃至124jとベッドフレーム102の間に、エアシリンダ126a乃至126jが設けられており、これら各エアシリンダ126a乃至126jは、それぞれに対応する電磁弁群128の電磁弁が、制御装置130から発せられる制御信号に基づいて作動せしめられることによって、伸縮作動可能とされている。要するに、本態様におけるフィンガープレートは、前述の実施形態におけるフィンガープレート98およびベッドプレート104が基布の幅方向で複数に分割されて、分割されたベッドプレート122a乃至122jのそれぞれに変位手段としてのヒンジ124a乃至124jおよびエアシリンダ126a乃至126jが設けられることによって、各別に下方への変位が可能とされている。
このようにすれば、各エアシリンダ126a乃至126jを各別に制御して、フィンガープレート120a乃至120jの下方への変位を各別に制御することによって、基布の送り方向に加えて、基布の幅方向でカットパイルとループパイルが混在するパイル織物を製造することが出来る。従って、カットパイルやループパイルの模様を基布の斜め方向に形成することなども可能となって、より複雑な模様を形成することが可能となる。
また、前記実施形態では、ルーパー84が、ルーパーシャフト72回りの往復回動運動によって大きな曲率半径の円弧を描く軌道上でニードル30に対して接近離隔方向、具体的には隣り合うニードル30,30間に対する基布12の送り方向前方からの抜き差し方向に往復変位せしめられるようになっていたが、ルーパー84に関して、その他の駆動態様や変位形態を採用することも可能である。例えば、かかるルーパー84を、基布12の表面と平行に又は所定角度だけ傾斜して、基布12の送り方向の前方からニードル30に対して接近離隔方向で直線的な軌道上で往復変位させても良い。なお、直線的な往復変位を実現するに際しての駆動手段としては、実施形態と同様な回動運動を直線運動に変換するリンク機構やラック・ピニオン機構等を利用する他、シリンダ機構やソレノイド機構、リニアモータ等を用いて直線駆動源を採用することも可能となる。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。

Claims (5)

  1. 繰出ローラによって一方向に送られる基布を表側からフィンガープレートによって支持せしめつつ、パイル糸が通された針を該基布に裏側から刺し通すことによって該パイル糸を該基布に刺し通す一方、自由端が該基布の送り方向と相対せしめられて該針に対して接近離隔方向に往復変位せしめられるルーパーを用いて該基布に刺し通された該パイルを捕捉せしめることによってループを形成すると共に、
    該ルーパーに対して相対変位せしめられるナイフによって該ルーパーに捕捉された該ループを切断してカットパイルを形成することと、該ループを切断しないでループパイルを形成することとの両方が可能なタフティングマシンであって
    前記フィンガープレートを前記針の前記基布への刺し通し方向に変位せしめる変位手段を設けて、該ループパイルを形成するにあたり該変位手段で該フィンガープレートを変位させて該基布の表面側への変位を許容することにより前記ループの前記ルーパーによる捕捉状態を解除可能としたことを特徴とするタフティングマシン。
  2. 前記フィンガープレートを前記基布の表面側において幅方向に延びる回動軸まわりで往復回動変位可能とする回動機構と、該回動機構による該フィンガープレートの往復回動変位量を調節する回動量調節機構とによって前記変位手段を構成した請求項1に記載のタフティングマシン。
  3. 前記回動機構をヒンジ機構によって構成すると共に、前記回動量調節機構をシリンダ機構によって構成した請求項2に記載のタフティングマシン。
  4. 前記フィンガープレートを前記基布の幅方向で分割構成として、該分割された各フィンガープレートのそれぞれに前記変位手段を設けることによって、それら各フィンガープレートを各別に前記針の刺し通し方向に変位せしめることができるようにした請求項1乃至3の何れか一項に記載のタフティングマシン。
  5. 互いに異なる速度で回転せしめられる複数のロールと、該ロールと対を成して設けられると共に、該ロールに対して当接離反せしめられて該ロールとの間で前記パイル糸を繰り出す遊転輪を備えた遊転輪装置と、該遊転輪装置を該ロールに対して接近離隔せしめる制御装置を含んで構成された糸供給装置を備えた請求項1乃至4の何れか一項に記載のタフティングマシン。
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