JP2001200160A - 増粘・ゲル化剤組成物、及びこれを含有して成る組成物 - Google Patents

増粘・ゲル化剤組成物、及びこれを含有して成る組成物

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JP2001200160A
JP2001200160A JP2000017792A JP2000017792A JP2001200160A JP 2001200160 A JP2001200160 A JP 2001200160A JP 2000017792 A JP2000017792 A JP 2000017792A JP 2000017792 A JP2000017792 A JP 2000017792A JP 2001200160 A JP2001200160 A JP 2001200160A
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Takashi Nakamura
高志 中村
Yuki Yamashita
由貴 山下
Hiroshi Shiroshita
浩 城下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油性物質の増粘・ゲル化能に優れ
た増粘・ゲル化剤組成物を得、さらにそれらを用いて、
油性物質の安定なゲル組成物を得る。 【解決手段】 チタンアルコキシド又はその油性
溶液もしくは分散液に、分子内に孤立電子対を有する原
子及び/又は極性基を有する有機化合物の1種以上、或
いはさらに加水分解抑制剤の1種以上と、水を添加して
加水分解して得られる酸化チタンの油性分散体、及びこ
れより分散媒を除去した後乾燥して得る親油性酸化チタ
ン粉体より成る群から選択した1種以上と、カルボキシ
ル基,カルボキシアルキレン基,ヒドロキシフェニル基
及びリン酸基より成る群から選択される1種以上の官能
基を2個以上有するオルガノポリシロキサン誘導体より
選択した1種以上を併用して含有させて増粘・ゲル化剤
組成物とし、さらに前記増粘・ゲル化剤組成物により、
油性物質を含む高粘性もしくはゲル組成物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油性物質、特にシ
リコーン油を良好且つ安定に増粘,ゲル化することので
きる増粘・ゲル化剤組成物、及びこれを用いて得られる
安定な高粘性組成物もしくはゲル組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】医薬品,化粧品,塗料その他の化学製品
など幅広い分野において、油性物質を含む系を増粘させ
たり、油性物質をゲル化させたりする必要が生じること
が多い。かかる増粘・ゲル化剤としては、グリセリル脂
肪酸エステル,コレステリル脂肪酸エステル,デキスト
リン脂肪酸エステルをはじめとする脂肪酸エステル類、
12-ヒドロキシステアリン酸等のヒドロキシステアリン
酸類、金属セッケン、有機変性ベントナイト等の有機ア
ンモニウム塩を層間挿入した粘土鉱物類などが用いられ
ている。またシリコーン油の増粘・ゲル化を行うには、
三次元架橋構造を有するオルガノポリシロキサン重合体
や、アクリル・シリコーン系グラフト共重合体を用いる
方法が開示されている(特開平1−79106,同2−
132141等)。
【0003】しかしながら上記したような従来のゲル化
剤においては、油性物質の種類によっては相溶性が悪か
ったり、或いは増粘作用やゲル化能が十分ではないため
に、経時的に製品の粘度低下が見られたり、ゲルから油
分が滲出する「離液」と呼ばれる現象が見られたりし
て、有効なものが少ないのが実情である。また、シリコ
ーン油を含有し、高粘性でありながら流動性を有するよ
うな組成物を得るのは困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明において
は、増粘作用及びゲル化能に優れ、油性物質、特にシリ
コーン油の増粘・ゲル化に有用な増粘・ゲル化剤組成物
を得、さらにそれらを用いることにより、油性物質の安
定な高粘性組成物もしくはゲル組成物を得ることを目的
とした。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するべ
く、油性物質を良好に増粘・ゲル化し得る増粘・ゲル化
剤の探索を行ったところ、本発明者らがすでに開示した
酸化チタンの油性分散体、もしくは前記油性分散体より
分散媒を除去した後乾燥して得た親油性酸化チタン粉体
(特願平11−210073)と、カルボキシル基等特
定の官能基を分子内に複数個有するオルガノポリシロキ
サン誘導体とを組み合わせて用いることにより、油性物
質を含む系において著しい増粘・ゲル化が認められ、安
定な高粘性組成物もしくはゲル組成物が得られることを
見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明においては、チタンアルコ
キシド又はその油性溶液もしくは分散液に、分子内に孤
立電子対を有する原子及び/又は極性基を有する有機化
合物の1種又は2種以上、或いはさらに加水分解抑制剤
の1種又は2種以上と、水を添加して加水分解して得ら
れる酸化チタンの油性分散体、及びこれより分散媒を除
去した後乾燥して得られる親油性酸化チタン粉体より成
る群から選択した1種又は2種以上と、カルボキシル
基,式 -X-COOH(Xは炭素数1〜30の直鎖状又
は分岐鎖を有するアルキレン基)で表されるカルボキシ
アルキレン基,ヒドロキシフェニル基及びリン酸基より
成る群から選択される1種又は2種以上の官能基を2個
以上有するオルガノポリシロキサン誘導体より選択した
1種又は2種以上を担体や分散媒に併用して含有させて
増粘・ゲル化剤組成物とし、さらに前記増粘・ゲル化剤
組成物と油性物質を含有させることにより、高粘性組成
物もしくはゲル組成物を得る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において用いる酸化チタン
の油性分散体は、チタンアルコキシド又はその油性溶液
もしくは分散液に、分子内に孤立電子対を有する原子及
び/又は極性基を有する有機化合物の1種又は2種以上
と水を添加して加水分解して得ることができる。また親
油性酸化チタン粉体は、前記油性分散体より分散媒を除
去した後乾燥することにより得ることができる。
【0008】酸化チタンの油性分散体等の調製において
用い得るチタンアルコキシドとしては、チタンテトラメ
トキシド,チタンテトラエトキシド,チタンテトラノル
マルプロポキシド,チタンテトライソプロポキシド,チ
タンテトラノルマルブトキシド,チタンテトライソブト
キシド,チタンテトラターシャルブトキシド等が挙げら
れ、これらより1種又は2種以上を選択して用いる。か
かるチタンアルコキシドは、分子内に孤立電子対を有す
る原子及び/又は極性基を有する有機化合物が液状の場
合には、直接それらに溶解又は分散することができる。
また油性溶媒に溶解又は分散して、分子内に孤立電子対
を有する原子及び/又は極性基を有する有機化合物を添
加し、作用させる。かかるチタンアルコキシドの溶液又
は分散液の濃度としては0.0001M〜10.0Mで
あることが好ましく、0.01M〜6.0Mの範囲とす
ることが特に好ましい。
【0009】上記チタンアルコキシドを溶解又は分散す
る油性溶媒としては、ノルマルヘキサン,ノルマルヘプ
タン,ノルマルオクタン等のノルマルアルカン類、1-ヘ
キセン,1-ヘプテン,1-オクテン,1-ノネン,1-デセ
ン,1-ウンデセン等のノルマルアルケン類、ベンゼン,
メチルベンゼン,エチルベンゼン等のベンゼン類、ヘキ
シルアルコール,ヘプチルアルコール,オクチルアルコ
ール,カプリルアルコール,ノニルアルコール,デシル
アルコール等のアルコール類、プロピルエーテル,イソ
プロピルエーテル,ブチルエーテル,イソブチルエーテ
ル,ノルマルペンチルエーテル,イソペンチルエーテ
ル,メチルブチルエーテル,メチルイソブチルエーテ
ル,メチルノルマルペンチルエーテル,メチルイソペン
チルエーテル,エチルプロピルエーテル,エチルイソプ
ロピルエーテル,エチルブチルエーテル,エチルイソブ
チルエーテル,エチルノルマルペンチルエーテル,エチ
ルイソペンチルエーテル,アリルエーテル,エチルアリ
ルエーテル,アニソール,フェネトール,フェニルエー
テル,ベンジルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル,
酢酸イソプロピル,酢酸ブチル,酢酸イソブチル,プロ
ピオン酸メチル,プロピオン酸エチル,プロピオン酸プ
ロピル,プロピオン酸ブチル,プロピオン酸イソブチ
ル,酪酸メチル,酪酸エチル,酪酸プロピル,酪酸イソ
プロピル,酪酸ブチル,酪酸イソブチル等のエステル類
などが使用できる。また、アボカド油,アルモンド油,
オリーブ油,ゴマ油,サザンカ油,サフラワー油,大豆
油,ツバキ油,トウモロコシ油,ナタネ油,パーシック
油,ヒマシ油,綿実油,落花生油,ホホバ油等の液状植
物油類、ミンク油,卵黄油,液状ラノリン等の液状動物
油類、流動パラフィン,イソパラフィン,スクワラン,
プリスタン等の炭化水素油類、オレイルアルコール,2-
ヘキシルデカノール,イソステアリルアルコール,2-オ
クチルドデカノール等の液状高級アルコール類、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル,エチレングリコール
モノエチルエーテル,エチレングリコールモノブチルエ
ーテル,エチレングリコールモノフェニルエーテル,エ
チレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテル,エチ
レングリコールジメチルエーテル,エチレングリコール
ジエチルエーテル,エチレングリコールジブチルエーテ
ル,ジエチレングリコールモノメチルエーテル,ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル,ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテル,ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル,ジエチレングリコールジエチルエーテル,
ジエチレングリコールジブチルエーテル,エチレングリ
コールメチルエーテルアセテート,エチレングリコール
エチルエーテルアセテート,エチレングリコールブチル
エーテルアセテート,エチレングリコールフェニルエー
テルアセテート,ジエチレングリコールエチルエーテル
アセテート,ジエチレングリコールブチルエーテルアセ
テート等の二価アルコール誘導体類、オクタン酸セチ
ル,ミリスチン酸イソプロピル,パルミチン酸イソプロ
ピル,ラウリン酸ヘキシル,オレイン酸オレイル,オレ
イン酸デシル,ミリスチン酸オクチルドデシル,ジメチ
ルオクタン酸ヘキシルデシル,フタル酸ジエチル,フタ
ル酸ジブチル,ジオイレイン酸プロピレングリコール,
トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル,トリ2-エチルヘキ
サン酸トリメチロールプロパン等の液状エステル油類、
ジメチルポリシロキサン,メチルフェニルポリシロキサ
ン,オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチル
シクロペンタシロキサン等のシリコーン油など、一般に
医薬品・化粧料用或いは塗料用等として用いられる油性
物質を用いることができる。本発明にはこれらより1種
又は2種以上を選択して用いる。
【0010】また酸化チタンの油性分散体等の調製にお
いて用い得る、分子内に孤立電子対を有する原子及び/
又は極性基を有する有機化合物は、液状であるか、油性
溶媒に溶解又は分散させ得るものであれば、特に限定さ
れない。たとえば、リン酸,ピロリン酸,メタリン酸,
フルオロリン酸等のリン酸類、グルコース-1-リン酸,
グルコース-6-リン酸,フルクトース-6-リン酸,グリセ
ロール-1-リン酸,ホスホエノールピルビン酸等のリン
酸エステル類、フッ化アセチル,フッ化アミル,フッ化
アリル,フッ化デシル等のフッ素化合物類、γ-クロロ
プロピルトリメトキシシラン,ビニルトリクロロシラ
ン,ビニルトリエトキシシラン,ビニルトリス(β-メト
キシエトキシ)シラン,γ-メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン,β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリメトキシシラン,γ-グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン,γ-メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン,γ-アミノプロピルトリエトキシシラン,N-
β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシ
ラン,γ-ウレイドプロピルトリエトキシシラン,N-β-
(アミノエチル)-β-アミノプロピルメチルジメトキシシ
ラン等のシランカップリング剤、イソプロピルトリイソ
ステアロイルチタネート,イソプロピルトリデシルベン
ゼンスルホニルチタネート,イソプロピルトリス(ジオ
クチルピロホスフェート)チタネート,テトライソプロ
ピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート,テトラ
オクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート,
テトラ(2,2-ジアリルオキシメチル-1-ブチル)ビス(ジ-
トリデシル)ホスファイトチタネート,ビス(ジオクチル
ピロホスフェート)オキシアセテートチタネート,トリ
ス(ジオクチルピロホスフェート)エチレンチタネート等
のチタンカップリング剤、乳酸,シュウ酸,酒石酸,ク
エン酸,リンゴ酸,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステ
アリン酸,イソオクタン酸,イソミリスチン酸,イソパ
ルミチン酸,イソステアリン酸,ヒドロキシパルミチン
酸,ヒドロキシステアリン酸,安息香酸,ヒドロキシ安
息香酸等のカルボン酸類、ラウリルアルコール,ミリス
チルアルコール,パルミチルアルコール,ステアリルア
ルコール,オレイルアルコール,ベヘニルアルコール等
の高級脂肪族アルコール類、ジグリセリン,グリセリル
モノパルミチルエーテル,グリセリルモノステアリルエ
ーテル,グリセリルモノオレイルエーテル等のグリセリ
ルエーテル類、グリセリルモノパルミチン酸エステル,
グリセリルモノステアリン酸エステル,グリセリルモノ
イソステアリン酸エステル,グチセリルジイソステアリ
ン酸エステル,グリセリルトリ2-エチルヘキサン酸エス
テル等のグリセリルエステル類、ホスファチジン酸,ホ
スファチジルイノシトール,ホスファチジルエタノール
アミン,ホスファジルコリン,ホスファチジルセリン等
のグリセロリン脂質類、N-ステアロイルスフィンゴシ
ン,N-ステアロイルフィトスフィンゴシン等のセラミド
類、スフィンゴミエリン,グルコシルセラミド,ガラク
トシルセラミド等のスフィンゴ脂質類、アセチルアセト
ン,エチレングリコール,ジエチレングリコール,プロ
ピレングリコール,ジプロピレングリコール,エチレン
ジアミン,エチレンジアミン四酢酸,ジチゾン,ジメチ
ルグリオキシム,8-キノリノール,フタロシアニン,1,
10-フェナントロリン,2,2'-ビピリジル,インジゴ等の
キレート作用を有する化合物、デシルアミン,ウンデシ
ルアミン,ドデシルアミン,テトラデシルアミン,ヘキ
サデシルアミン,オクタデシルアミン,ジヘキシルアミ
ン,ジオクチルアミン,ジデシルアミン,N-メチルデシ
ルアミン,N-メチルラウリルアミン,N-メチルパルミチ
ルアミン,N-エチルパルミチルアミン等のアミン類、ヘ
キシルアミド,オクチルアミド,デシルアミド,ウンデ
シルアミド,ラウリルアミド,ミリスチルアミド,パル
ミチルアミド,ステアリルアミド等のアミド類、ミリス
チン酸モノエタノールアミド,ステアリン酸モノエタノ
ールアミド,ミリスチン酸ジエタノールアミド,ステア
リン酸ジエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミ
ド類、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン,2-ヒ
ドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸,ジ
ヒドロキシジメトキシベンゾフェノン,2,4-ジヒドロキ
シベンゾフェノン,テトラヒドロキシベンゾフェノン等
のベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸,パラア
ミノ安息香酸エチル,パラジメチルアミノ安息香酸ペン
チル,パラジメチルアミノ安息香酸オクチル等のパラア
ミノ安息香酸誘導体、パラメトキシ桂皮酸エチル,パラ
メトキシ桂皮酸イソプロピル,パラメトキシ桂皮酸オク
チル,パラメトキシ桂皮酸2-エトキシエチル等のメトキ
シ桂皮酸誘導体、サリチル酸オクチル,サリチル酸フェ
ニル,サリチル酸ホモメンチル,サリチル酸ジプロピレ
ングリコール,サリチル酸エチレングリコール,サリチ
ル酸ミリスチル,サリチル酸メチル等のサリチル酸誘導
体、ウロカニン酸,ウロカニン酸エチル,4-ターシャル
ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン,2-(2'-ヒドロ
キシ-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール,アント
ラニル酸メチルといった紫外線吸収剤、ローダミンBス
テアレート(赤色215号),テトラクロロテトラブロ
モフルオレセイン(赤色218号),テトラブロモフル
オレセイン(赤色223号),スダンIII(赤色225
号),ジブロモフルオレセイン(だいだい色201
号),ジヨードフルオレセイン(だいだい色206
号),フルオレセイン(黄色201号),キノリンイエ
ローSS(黄色204号),キニザリングリーンSS
(緑色202号),アリズリンパープルSS(紫色20
1号),薬用スカーレット(赤色501号),オイルレ
ッドXO(赤色505号),オレンジSS(だいだい色
403号),イエローAB(黄色404号),イエロー
405号(黄色405号),スダンブルーB(青色40
3号)等の油溶性色素類などが挙げられ、これらより1
種又は2種以上を選択して用いる。チタンアルコキシド
に対する添加量としては、チタンアルコキシド1モルに
対して0.001モル〜4モル程度とするのが好まし
い。
【0011】また、チタンアルコキシドから酸化チタン
への重縮合に際し、加水分解を制御する加水分解抑制剤
を添加することもできる。かかる加水分解抑制剤はキレ
ート試薬及び電子供与性試薬より選択され、ジエチレン
グリコール,トリエチレングリコール,ポリエチレング
リコール,ポリプロピレングリコール等のアルキレング
リコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル,
エチレングリコールモノエチルエーテル,エチレングリ
コールモノブチルエーテル,ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル,ジエチレングリコールモノエチルエー
テル,テトラエチレングリコールモノメチルエーテル,
テトラエチレングリコールモノエチルエーテル,プロピ
レングリコールモノメチルエーテル,プロピレングリコ
ールモノエチルエーテル等のアルキレングリコールのア
ルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエ
ーテル,エチレングリコールモノベンジルエーテル等の
アルキレングリコールのアリールエーテル類、アセチル
アセトン等のβ-ジケトン類、エチレンジアミン,トリ
エタノールアミン等のアミン類などが挙げられ、これら
より1種又は2種以上を選択して用いる。前記の中で
も、特にアルキレングリコール類が好ましく使用でき
る。
【0012】上記の加水分解抑制剤は、チタンアルコキ
シド1モルに対し1モル〜20モルの割合で添加するこ
とが好ましく、2モル〜10モルとするのがより好まし
い。加水分解抑制剤の添加量が1モル未満であると、チ
タンアルコキシドの加水分解の制御効果が十分に得られ
ず、また20モルを超えると、チタンアルコキシドの加
水分解が十分に進行しないので好ましくない。
【0013】さらに、必要に応じ酸又は塩基、或いは弱
酸と弱塩基,強酸と弱塩基,弱酸と強塩基の中和により
得られる塩を触媒として添加することができる。かかる
酸又は塩基としては、塩酸,硫酸等の強酸、炭酸,ギ
酸,酢酸,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸
等の弱酸、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム等の強塩
基、ヒドロキシアンモニウム,アセトアミジン,ヒドラ
ジン等の弱塩基が用いられる。これら酸又は塩基の添加
量としては、チタン1モルに対し10-3〜10-4モルの
範囲とするのが適切である。
【0014】また、弱酸と弱塩基,強酸と弱塩基,弱酸
と強塩基の中和により得られる塩としては、炭酸,カル
ボン酸及びその誘導体、並びにフェノキシド及びその誘
導体より成る群から選ばれる1種以上と、アルカリ金
属,アルカリ土類金属,アミン類,アンモニウム化合
物,ヒドラジニウム化合物,ピリジニウム化合物及びヒ
ドロキシアルミニウム化合物から成る群から選ばれる1
種以上との塩が好ましく用いられ、炭酸リチウム,炭酸
ナトリウム,炭酸カリウム,炭酸ルビジウム,炭酸セシ
ウム,炭酸アンモニウム,炭酸水素リチウム,炭酸水素
ナトリウム,炭酸水素カリウム,炭酸水素ルビジウム,
炭酸水素セシウム,炭酸水素アンモニウム,ギ酸リチウ
ム,ギ酸ナトリウム,ギ酸カリウム,ギ酸ルビジウム,
ギ酸セシウム,ギ酸カルシウム,ギ酸アンモニウム,酢
酸リチウム,酢酸ナトリウム,酢酸カリウム,酢酸ルビ
ジウム,酢酸セシウム,酢酸カルシウム,酢酸アンモニ
ウム,ミリスチン酸ナトリウム,パルミチン酸ナトリウ
ム,ステアリン酸ナトリウム,ヒドロキシアンモニウム
塩酸塩,アセトアミジン塩酸塩,ヒドラジン塩酸塩等が
例示される。これらのうち、炭酸ナトリウム,炭酸アン
モニウム,炭酸水素ナトリウム,炭酸水素アンモニウ
ム,酢酸ナトリウム,酢酸アンモニウム,ステアリン酸
ナトリウムが特に好ましい。前記より1種又は2種以上
を選択して用いるが、用いる塩により、生成するチタン
アルコキシドゲルの状態を制御することができる。な
お、これらの塩は中和反応を行わせて塩を形成させてか
ら添加してもよいが、塩を形成し得る酸と塩基をそれぞ
れ別々にチタンアルコキシドの油性溶液又は分散液に添
加し、前記溶液又は分散液中で塩を形成させてもよい。
これらの塩の添加量としては、チタンアルコキシド1モ
ルに対して0.001モル〜2モルとするのが好まし
い。
【0015】本発明において用いる酸化チタンの油性分
散体の製造方法としては、まずチタンアルコキシドを油
性溶媒の1種又は2種以上に溶解又は分散し、この油性
溶液又は分散液を撹拌しながら、分子内に孤立電子対を
有する原子及び/又は極性基を有する有機化合物の1種
又は2種以上、或いはさらに加水分解抑制剤の1種又は
2種以上を油性溶媒に溶解又は分散して添加した後、水
を添加し、加水分解する。水の添加量はチタンアルコキ
シド1モルに対し0.001モル〜4モル程度とするの
が適切である。分子内に孤立電子対を有する原子及び/
又は極性基を有する有機化合物が液状である場合には、
チタンアルコキシドに直接かかる有機化合物を添加して
もよい。触媒として酸又は塩基、或いは弱酸と弱塩基,
強酸と弱塩基及び弱酸と強塩基との中和により得られる
塩を添加する場合は、これらの油性溶液又は分散液は水
と同時に添加してもよいが、ある程度加水分解を進行さ
せた後に添加してもよい。また、油性溶媒又は分子内に
孤立電子対を有する原子及び/又は極性基を有する有機
化合物として、加水分解抑制作用を有するものを用いて
もよい。
【0016】上記反応系については、撹拌を停止して2
〜120時間程度静置し、反応を継続させる。必要に応
じてチタンに対し5〜7倍モル量の酸を添加して反応を
停止し、過剰量の水を添加して未反応のチタンアルコキ
シドが残留しないことを確認し、残留する場合には過剰
量の水により洗浄,除去する。反応を停止するのに添加
する酸については特に限定されない。
【0017】上記のようにして得た酸化チタンの油性分
散体が、揮発性の油性溶媒又は有機化合物に分散されて
いる場合には、風乾,減圧蒸留等によりこれらを揮発さ
せて乾燥することによって、親油性の酸化チタン粉体を
得ることができる。油性溶媒又は有機化合物として不揮
発性のものを用いた場合には、シクロヘキサン等の揮発
性の油性溶媒を添加して共沸させて乾燥する。
【0018】本発明において、上記酸化チタンの油性分
散体等より選んだ1種又は2種以上と併用するオルガノ
ポリシロキサン誘導体は、カルボキシル基,式 -X-C
OOH(Xは炭素数1〜30の直鎖状又は分岐鎖を有す
るアルキレン基)で表されるカルボキシアルキレン基,
ヒドロキシフェニル基及びリン酸基より成る群から選択
される1種又は2種以上の官能基を2個以上有するジメ
チルポリシロキサン,メチルフェニルポリシロキサン等
のオルガノポリシロキサン誘導体より選択される。さら
に、分子中に長鎖アルキル基を有するものも用いること
ができる。これらの中でも、カルボキシル基等の官能基
を側鎖中に有するものの方が増粘・ゲル化能が高く、好
ましい。かかるオルガノポリシロキサン誘導体として
は、信越シリコーンX22-162C,信越シリコーンX22-3701
E等、市販のものを用いることができる。
【0019】本発明においては、酸化チタンの油性分散
体及び親油性酸化チタン粉体より選択した1種又は2種
以上と、上記オルガノポリシロキサン誘導体の1種又は
2種以上とを混合し、或いは前記混合物を油性溶媒その
他の担体に含有させて、増粘・ゲル化剤組成物を得る。
増粘・ゲル化剤組成物における酸化チタンの油性分散体
等より選択した1種又は2種以上と、オルガノポリシロ
キサン誘導体の1種又は2種以上との好ましい混合量比
は、酸化チタンの油性分散体等の調製条件やオルガノポ
リシロキサン誘導体の構造、増粘・ゲル化させる油性物
質の種類、目的とする増粘・ゲル化の程度などにより異
なるため、適宜適当な範囲を決定するのが適切である。
【0020】さらに本発明においては、上記増粘・ゲル
化剤組成物の1種又は2種以上により、油性物質の1種
又は2種以上を増粘,ゲル化させて、安定な高粘性組成
物もしくはゲル組成物を得ることができる。
【0021】油性物質としては、医薬品,化粧品,塗料
その他の化学製品などの分野において油性ゲルの調製に
用いられる一般的な油性物質が用いられる。たとえば、
アボカド油,アルモンド油,オリーブ油,ゴマ油,サザ
ンカ油,サフラワー油,大豆油,ツバキ油,トウモロコ
シ油,ナタネ油,パーシック油,ヒマシ油,綿実油,落
花生油,カカオ脂,パーム油,パーム核油,モクロウ,
ヤシ油等の植物性油脂類、ミンク油,卵黄油,牛脂,豚
脂,硬化油等の動物性油脂類、ミツロウ,カルナウバロ
ウ,鯨ロウ,ラノリン,液状ラノリン,還元ラノリン,
硬質ラノリン,カンデリラロウ,ホホバ油等のロウ類、
流動パラフィン,ワセリン,パラフィン,イソパラフィ
ン,オゾケライト,セレシン,マイクロクリスタリンワ
ックス,スクワラン,プリスタン等の炭化水素油類、ラ
ウリン酸,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン
酸,ベヘン酸,イソパルミチン酸,イソステアリン酸,
オレイン酸,リノール酸,リノレン酸,12-ヒドロキシ
ステアリン酸,ヤシ油脂肪酸,ラノリン脂肪酸等の脂肪
酸類、ラウリルアルコール,セタノール,ステアリルア
ルコール,2-ヘキシルデカノール,イソステアリルアル
コール,2-オクチルドデカノール,オレイルアルコール
等の高級脂肪アルコール類、コレステロール,フィトス
テロール等のステロール類、ラノリンアルコール等の脂
肪アルコール及びステロール類の混合物、オクタン酸セ
チル,ミリスチン酸イソプロピル,パルミチン酸イソプ
ロピル,ステアリン酸ブチル,ラウリン酸ヘキシル,ミ
リスチン酸ミリスチル,オレイン酸オレイル,オレイン
酸デシル,ミリスチン酸オクチルドデシル,ジメチルオ
クタン酸ヘキシルデシル,乳酸セチル,乳酸ミリスチ
ル,フタル酸ジエチル,フタル酸ジブチル,酢酸ラノリ
ン,モノステアリン酸エチレングリコール,モノステア
リン酸プロピレングリコール,ジオイレイン酸プロピレ
ングリコール,モノステアリン酸グリセリル,モノオレ
イン酸グリセリル,トリ2-エチルヘキサン酸グリセリ
ル,トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン等
のエステル油類、ジメチルポリシロキサン,メチルフェ
ニルポリシロキサン,オクタメチルシクロテトラシロキ
サン,デカメチルシクロペンタシロキサン等のシリコー
ン油などが例示され、これらより1種又は2種以上を選
択して用いる。本発明に係る増粘・ゲル化剤組成物は、
特にシリコーン油の増粘・ゲル化に適する。
【0022】本発明に係る高粘性組成物もしくはゲル組
成物において、本発明に係る増粘・ゲル化剤組成物の1
種又は2種以上と油性物質の1種又は2種以上との好ま
しい配合量比は、増粘・ゲル化剤組成物の組成や用いる
油性物質の種類によって異なるため、適宜適当な範囲を
決定するのが適切である。
【0023】なお本発明に係る高粘性組成物もしくはゲ
ル組成物には、他の油性ゲル化剤,低級アルコール類,
抗酸化剤,防菌防黴剤,香料,色素,顔料等の医薬品,
化粧品,食品等の分野において油性ゲルに添加される一
般的な成分を添加することができる。
【0024】
【実施例】さらに本発明の特徴について、実施例により
詳細に説明する。
【0025】[実施例1〜実施例15] イソステアリ
ン酸を作用させた酸化チタンの油性分散体とカルボキシ
ル基を側鎖に含有するジメチルポリシロキサンより成る
増粘・ゲル化剤組成物 チタンテトラエトキシド2モルとイソステアリン酸1モ
ルとをドライボックス中で混合,溶解し、これに精製水
2モルを添加して室温で24時間静置して反応させた
後、110℃で1時間加熱して得た酸化チタンの油性分
散体と、カルボキシル基を側鎖に有するジメチルポリシ
ロキサンである信越シリコーン X22-3701Eとを、表1に
示す重量比にて混合して、実施例1〜実施例15とし
た。前記ジメチルポリシロキサン誘導体におけるカルボ
キシル基のカルボキシル基当量は、3800mg KO
H/gであった。
【0026】
【表1】
【0027】[実施例16〜実施例28] イソデカン
酸を作用させた親油性酸化チタン粉体とカルボキシル基
を両末端に含有するジメチルポリシロキサンより成る増
粘・ゲル化剤組成物 チタンテトラエトキシド0.4モルをイソパラフィン5
0mlに溶解し、イソデカン酸0.4モル,精製水0.
2モル及びステアリン酸ナトリウム0.25ミリモルを
撹拌しながら添加した。撹拌を停止した後、室温で24
時間静置し、針状の形状を有する酸化チタンの分散体を
得た。この分散体より温浴にてイソパラフィンを揮発さ
せて乾燥し、イソデカン酸を作用させた親油性酸化チタ
ン粉体を得た。この親油性酸化チタン粉体と、カルボキ
シル基を両末端に有するジメチルポリシロキサンである
信越シリコーン X22-162Cとを、表2に示す重量比にて
混合して、実施例16〜実施例28とした。前記ジメチ
ルポリシロキサン誘導体におけるカルボキシル基のカル
ボキシル基当量は、2330mg KOH/gであっ
た。
【0028】
【表2】
【0029】上記の実施例1〜実施例15と、デカメチ
ルシクロペンタシロキサンとを表3に示す組成で混合
し、増粘及びゲルの形成を評価した。表3に示すいずれ
の組成においても良好なゲルが形成され、それらは−5
℃,25℃及び50℃で3カ月間保存しても安定であっ
た。
【0030】また、これらの系における相図を作成し、
図1に示した。図1中において○で示す点はゲルの形成
の見られる組成を表し、×で示す点は粘度の高いゾルの
形成の見られる組成を表している。図に示すように、非
常に広い領域でゲルの形成が認められるが、高粘性であ
りながら流動性を有する組成物も得られることが示され
ていた。
【0031】
【表3】
【0032】上記の実施例16〜実施例28と、デカメ
チルシクロペンタシロキサンとを表4に示す組成で混合
し、ゲルの形成を評価した。いずれの組成においても良
好なゲルが形成され、それらは−5℃,25℃及び50
℃で3カ月間保存しても安定であった。なお、カルボキ
シル基を側鎖に有するジメチルポリシロキサン誘導体を
用いて調製した実施例1〜実施例15と、カルボキシル
基を両末端に有するジメチルポリシロキサン誘導体を用
いて調製した実施例16〜実施例28を比較した場合、
前者の方が強い増粘・ゲル化能を示した。
【0033】
【表4】
【0034】[実施例29] デカメチルシクロペンタ
シロキサンを含有する高粘性ゾル組成物 上記実施例1〜実施例15に係る増粘・ゲル化剤組成物
を調製する際に用いたイソステアリン酸を作用させた酸
化チタンの油性分散体4.0重量%、信越シリコーンX2
2-3701E9.0重量%、及びデカメチルシクロペンタシ
ロキサン87.0重量%を混合して、高粘性のゾル組成
物を得た。
【0035】上記の実施例29は、高粘性を示しながら
流動性のあるゾルであった。これに対し、イソステアリ
ン酸を作用させた酸化チタンの油性分散体及び信越シリ
コーンX22-3701Eを、架橋構造を有するメチルポリシロ
キサン重合体に代替して調製した比較例1は流動性のな
いゲル状を呈した。
【0036】[実施例30] ジメチルポリシロキサン
(重合度=50)を含有するゲル組成物 チタンテトラエトキシドをスクワランに溶解して0.2
Mの溶液とした。この溶液1リットルを撹拌しながら、
イソステアリン酸0.1モルをスクワラン溶液として添
加し、次いで0.1モルの水を添加した。撹拌を停止し
て室温で24時間静置した後、ステアリン酸1.4モル
を添加して反応を停止し、水を添加して洗浄した。この
酸化チタンのスクワラン分散体5.0重量%と、カルボ
キシエチレン基を側鎖中に有するジメチルポリシロキサ
ン(カルボキシエチレン基当量=6130mg KOH
/g)10.0重量%、及びジメチルポリシロキサン
(重合度=50)85.0重量%を混合して、ゲル組成
物を得た。
【0037】[実施例31] オクタメチルシクロテト
ラシロキサンを含有するゲル組成物 チタンテトラエトキシドを流動パラフィンに溶解し、
1.5Mの溶液を調製し、この溶液1リットルを撹拌し
ながら、イソステアリン酸0.75モルを流動パラフィ
ンに溶解して添加し、次いで水0.75モル及びジエチ
レングリコール7.5モルをそれぞれ添加した。撹拌を
停止して室温で5日間静置した後、ステアリン酸9.0
モルを添加して反応を停止し、水を加えて洗浄し、次い
で温浴で20時間処理して濃縮した。この酸化チタンの
流動パラフィン分散体2.5重量%と、カルボキシル基
を側鎖に有するジメチルポリシロキサン(カルボキシル
基当量=4965mg KOH/g)17.5重量%、
及びオクタメチルシクロテトラシロキサン80.0重量
%を混合して、ゲル組成物を得た。
【0038】[実施例32] ジメチルポリシロキサン
(重合度=20)を含有するゲル組成物 チタンテトラエトキシドをイソパラフィンに溶解し、
1.5Mの溶液を調製し、この溶液1リットルを撹拌し
ながら、イソステアリン酸0.75モルをイソパラフィ
ンに溶解して添加し、次いで水0.75モル及びジエチ
レングリコール7.5モルをそれぞれ添加した。撹拌を
停止して室温で5日間静置した後、ステアリン酸9.0
モルを添加して反応を停止し、水を加えて洗浄し、次い
で温浴でイソパラフィンを揮発させて乾燥し、親油性酸
化チタン粉体を得た。この親油性酸化チタン粉体5.0
重量%と、分子中にリン酸基を3個有するジメチルポリ
シロキサン誘導体25.0重量%、及びジメチルポリシ
ロキサン(重合度=20)70.0重量%を混合して、
ゲル組成物を得た。
【0039】[実施例33] スクワラン,ホホバ油及
びデカメチルシクロペンタシロキサンを含有するゲル組
成物 チタンテトラエトキシドをスクワランに溶解して0.2
Mの溶液とした。この溶液1リットルを撹拌しながら、
イソステアリン酸0.05モルをスクワラン溶液として
添加し、次いで0.1モルの水を添加した。撹拌を停止
して室温で24時間静置した後、ステアリン酸1.4モ
ルを添加して反応を停止し、水を添加して洗浄した。次
いでシクロヘキサンを加えて共沸させて濃縮,乾燥し、
親油性酸化チタン粉体を得た。この親油性酸化チタン粉
体10.0重量%と、ヒドロキシフェニル基を分子中に
3個有するジメチルポリシロキサン10.0重量%、ス
クワラン50.0重量%、ホホバ油10.0重量%、及
びデカメチルシクロペンタシロキサン20.0重量%を
混合して、ゲル組成物を得た。
【0040】[実施例34] スクワラン,ワセリン及
びグリセリルトリ2-エチルヘキサン酸エステルを含有す
るゲル組成物 チタンテトラエトキシドをスクワランに溶解して0.2
Mの溶液とした。この溶液1リットルを撹拌しながら、
イソステアリン酸0.05モルをスクワラン溶液として
添加し、次いで0.1モルの水を添加した。撹拌を停止
して室温で24時間静置した後、ステアリン酸1.4モ
ルを添加して反応を停止し、水を添加して洗浄し、酸化
チタンのスクワラン分散体を得た。この酸化チタンのス
クワラン分散体5.0重量%と、分子内にカルボキシル
基及びヒドロキシフェニル基を各2個有するジメチルポ
リシロキサン誘導体10.0重量%、分子内にカルボキ
シプロピレン基を5個有するジメチルポリシロキサン誘
導体10.0重量%、スクワラン40.0重量%、ワセ
リン10.0重量%、及びグリセリルトリ2-エチルヘキ
サン酸エステル25.0重量%を混合,溶解して、ゲル
組成物を得た。
【0041】上記の実施例30〜実施例34について、
得られたゲルの状態を観察し、さらに温度安定性を評価
した。その際、本発明に係る増粘・ゲル化剤組成物を形
成する酸化チタンの油性分散体又は親油性酸化チタン粉
体及びジメチルポリシロキサン誘導体を、実施例30及
び実施例31においては有機変性ベントナイトに、実施
例32及び実施例33においてはデキストリン脂肪酸エ
ステルに、実施例34においては12-ヒドロキシステア
リン酸に代替してそれぞれ比較例2〜比較例6とし、同
時に評価を行った。
【0042】得られたゲルの状態は、実施例及び比較例
を調製した直後にゲルの外観と強度を観察して評価し、
ゲルの外観については「○;良好」,「△;やや悪
い」,「×;悪い」,強度については「○;十分な強度
を有する」,「△;やや強度が不十分である」,「×;
強度が不十分である」として表した。また温度安定性
は、調製した実施例及び比較例をそれぞれ−5℃,25
℃及び50℃にて3カ月間保存し、粘度の低下や離液現
象といった状態変化の有無を観察して評価した。結果
は、「○;状態変化を認めない」,「△;若干の状態変
化を認める」,「×;顕著な状態変化を認める」として
表した。これらの結果は、表5にまとめて示した。
【0043】
【表5】
【0044】表5より明らかなように、本発明の実施例
30〜実施例34は外観,強度ともに良好なゲル組成物
であり、−5℃,25℃及び50℃にて保存した場合の
いずれにおいても良好な安定性が認められていた。これ
に対し、有機変性ベントナイトを用いてゲル化した比較
例2及び比較例3では、ゲルの状態はやや悪く、いずれ
の温度下においても顕著な状態変化を呈していた。また
デキストリン脂肪酸エステルによりシリコーン油をゲル
化した比較例4では良好な状態を示すゲルが得られず、
いずれの温度で保存した場合も顕著な状態変化を呈して
いた。同様に、デキストリン脂肪酸エステルにてゲル化
した比較例5では、ゲルの外観もやや悪く、強度もやや
不十分で、−5℃及び50℃において著しい状態変化が
見られていた。さらに、12-ヒドロキシステアリン酸に
よりゲル化した比較例6では、状態の良いゲルが得られ
るものの、やはり温度安定性に欠けるものであった。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により、増
粘作用及びゲル化能に優れ、油性物質、特にシリコーン
油の増粘・ゲル化に有用な増粘・ゲル化剤組成物を得る
ことができ、さらにそれらを用いることにより、シリコ
ーン油をはじめとする油性物質の安定且つ良好な高粘性
組成物もしくはゲル組成物を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例1〜実施例15により、テ
トラメチルシクロペンタシロキサンの増粘,ゲル組成物
を調製した場合の相図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 3/00 103 C09K 3/00 103L // A61K 7/00 A61K 7/00 R 47/00 47/00 B01J 13/00 B01J 13/00 (72)発明者 城下 浩 滋賀県八日市市岡田町字野上112−1 株 式会社ノエビア製品研究所内 Fターム(参考) 4C076 AA09 DD29P DD30P DD41P DD65P EE27P FF17 FF35 4C083 AA122 AB241 AB242 AB442 AC012 AC022 AC242 AC262 AC422 AD042 AD151 AD152 AD161 AD162 AD172 AD242 DD41 DD42 FF01 4G047 CA02 CB06 CC03 CD03 4G065 AA05 AB03Y AB11Y AB25Y AB28Y AB32X AB33X AB38Y BB01 BB06 CA11 DA02 DA06 EA02 4J002 CP031 DE136 GT00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタンアルコキシド又はその油性溶液も
    しくは分散液に、分子内に孤立電子対を有する原子及び
    /又は極性基を有する有機化合物の1種又は2種以上、
    或いはさらに加水分解抑制剤の1種又は2種以上と、水
    を添加して加水分解して得られる酸化チタンの油性分散
    体、及びこれより分散媒を除去した後乾燥して得られる
    親油性酸化チタン粉体より成る群から選択した1種又は
    2種以上と、カルボキシル基,式 -X-COOH(Xは
    炭素数1〜30の直鎖状又は分岐鎖を有するアルキレン
    基)で表されるカルボキシアルキレン基,ヒドロキシフ
    ェニル基及びリン酸基より成る群から選択される1種又
    は2種以上の官能基を2個以上有するオルガノポリシロ
    キサン誘導体より選択した1種又は2種以上を含有して
    成る増粘・ゲル化剤組成物。
  2. 【請求項2】 オルガノポリシロキサン誘導体が、カル
    ボキシル基,式 -X-COOH(Xは炭素数1〜30の
    直鎖状又は分岐鎖を有するアルキレン基)で表されるカ
    ルボキシアルキレン基,ヒドロキシフェニル基及びリン
    酸基より成る群から選択される1種又は2種以上の官能
    基を側鎖に2個以上含有するものであることを特徴とす
    る、請求項1に記載の増粘・ゲル化剤組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1及び請求項2に記載の増粘・ゲ
    ル化剤組成物より選択した1種又は2種以上と、油性物
    質の1種又は2種以上を含有して成る、組成物。
  4. 【請求項4】 油性物質の1種又は2種以上が、シリコ
    ーン油より選択されることを特徴とする、請求項3に記
    載の組成物。
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