JP2001200145A - ポリエステル樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物およびその製造方法

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JP2001200145A
JP2001200145A JP2000007832A JP2000007832A JP2001200145A JP 2001200145 A JP2001200145 A JP 2001200145A JP 2000007832 A JP2000007832 A JP 2000007832A JP 2000007832 A JP2000007832 A JP 2000007832A JP 2001200145 A JP2001200145 A JP 2001200145A
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polyester resin
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melt viscosity
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JP2000007832A
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Terushi Ueda
昭史 上田
Masaharu Fujimoto
雅治 藤本
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリエステル樹脂に関し、その分子量と溶融
粘度の関係に起因する制約を克服することにより、流動
性に優れ、かつ、高い機械強度や靱性を有するポリエス
テル樹脂組成物を、ブリードアウトの発生や、耐熱性、
耐久性の低下を招くことなく、低コストで提供すること
を目的とする。 【解決手段】 ポリエステル(A)100重量部に対
し、ゴム状重合体(B)0.5〜25重量部およびビニ
ル重合体(C)0.5〜25重量部を含む。しきり板、
パネル、ケース、カップなど薄肉成形品用途や、特にリ
サイクルポリエステルを用いたゴミ箱、パレットなど大
型成形品等に用いる射出成形用材料として極めて有用で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル樹脂
組成物に関し、詳しくは機械特性を高レベルに維持しな
がら成形加工性が一段と改良されたポリエステル樹脂組
成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル樹脂、特にポリエチレンテ
レフタレート樹脂(以下PET樹脂と記す)は、機械的
強度、靱性、透明性、耐熱性、耐薬品性、ガスバリア性
および成形加工性に優れ、またガラス容器に比べて軽量
であるため、各種のボトル、シート、トレイ、容器、機
械部品、電子部品、車両用部品等の様々な用途に広く使
用されている。特にその優れた流動性から、射出成形に
よって薄肉の成形品を得るのに適している。例えば、P
ET樹脂は、単独であるいはガラス繊維等で強化された
複合材料として、薄肉あるいは複雑形状の部品用途等に
広く用いられている。ところが、PET樹脂製品が普及
した結果、多量のPET樹脂廃棄物が家庭から排出され
るようになった。PET樹脂製品はかさばるうえに容易
に分解しないため、放置すると公害などの諸問題を引き
起こす。このような多量のPET樹脂廃棄物から有用な
PET樹脂を回収し再利用することは、資源の有効利用
および環境保全の面から極めて重要な課題である。ま
た、PET樹脂製品の成形時に生じる格外品を回収して
再使用することは、PET樹脂製品の全体的なコスト削
減になり極めて有用である。近年、PET樹脂廃棄物か
ら有用なPET樹脂を回収し再利用する試みが種々なさ
れている。例えば、特開平5−293885号公報には
回収ポリエステル樹脂などの低粘度ポリエステル樹脂を
減圧下に溶融押出してポリエステルシートを製造する方
法が、特開平6−255645号公報には固相重合した
再生PET樹脂を二軸延伸してボトルを製造する方法が
開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
方法によって得られるシートやボトルは、回収PET樹
脂の極限粘度などの原料物性が市販されているペレット
状のPET樹脂に比べると劣っているために、シートや
ボトルの要求物性として重要な機械的強度などの特性が
充分に得られない問題点がある。耐衝撃性の改善方法と
して、例えば特公昭58−47419号公報、特公昭6
3−4566号公報、特公平1−26380号公報など
に開示されているごとく各種のエポキシ基含有エチレン
共重合体などを溶融混練する方法などが提案されてい
る。しかしながら、かかる方法によると、耐衝撃性は改
善されるものの、ポリエステル樹脂とエポキシ基含有エ
チレン共重合体との間に生じる化学反応などに起因して
溶融粘度が著しく増大して流動性(成型加工性)が低下
するので実用上の新たな問題となる。また、リサイクル
ポリエステル樹脂を射出成形用途に使用する場合、ボト
ル用に使用されたPET樹脂のほとんどは固相重合によ
り製造されたものであるため、リサイクル使用した場合
でも大型成形品を射出成形により得るには流動性が低
く、良好な製品が得られにくい。樹脂の重要な特性の1
つである流動性は、その分子量に依存することが知られ
ており、例えば、数平均分子量10000〜40000
のPET樹脂においては、流動性の指標である溶融粘度
D(Pa・s)と、PET樹脂の数平均分子量Mnの間
には下記式2に示す関係が概ね成り立ち、低分子量のP
ET樹脂ほど溶融粘度が小さく、流動性に優れている。
そこで、薄肉あるいは複雑形状の射出成形には、分子量
を小さくして流動性を高めたPET樹脂等が使用されて
きた。 D=3.5×10-10×Mn2.7 …(式2) (ただし、式2において溶融粘度Dは270℃、せん断
速度1200/(1/秒)で測定した値とする。)
【0004】樹脂の分子量を調節して、その流動性を制
御する方法以外に、樹脂への溶解性がよい低分子量化合
物を可塑剤として加えて、樹脂の分子量を変更せずに溶
融粘度だけを低下させることも一般によく知られてお
り、塩化ビニル樹脂等においては工業的にも実施されて
いる。また、特開平9−328589号公報に、芳香族
系プラスチックに特定の分子量、分子量分布を持つスチ
レンオリゴマーを配合することにより、芳香族系プラス
チックの優れた諸特性を損なうことなく成形性を向上で
きる改質方法が開示されている。しかしながら、低分子
量の可塑剤をポリエステルに加えて機械強度を保ち、溶
融粘度のみを低下させようとすると、可塑剤のブリード
アウトにより樹脂に汚れが生じたり、ガラス転移温度が
低下して耐熱性が低下したりする等の問題があった。さ
らに、このような物性低下に加えてPET樹脂のような
耐薬品性のよい樹脂を可塑化するためには、可塑剤とし
て特殊な化合物を選択することが必要となり、コストや
耐久性の面でも制約があった。このように、溶融粘度が
低く流動性に優れ、かつ、機械特性が高いPET樹脂を
低コストで得ることは非常に困難であった。
【0005】本発明は前記課題を解決するためになされ
たもので、ポリエステル樹脂に関し、その分子量と溶融
粘度の関係に起因する制約を克服することにより、流動
性に優れ、かつ、高い機械強度や靱性を有するポリエス
テル樹脂組成物を、ブリードアウトの発生や、耐熱性、
耐久性の低下を招くことなく、低コストで提供すること
を目的とする。特に固相重合に由来するリサイクルポリ
エステル樹脂の再生用途に適したものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のポリエステル樹
脂組成物は、ポリエステル(A)100重量部に対し、
ゴム状重合体(B)0.5〜25重量部およびビニル重
合体(C)0.5〜25重量部を含むことを特徴とする
ものである。ここで、ポリエステル(A)にはリサイク
ルポリエステルを利用できる。ゴム状重合体(B)とし
てはコア・シェル型のポリ(メタ)アクリレート系エラ
ストマーが望ましい。また、ビニル重合体(C)は少な
くとも10%の芳香族ビニル単量体を含有し、(C)成
分の溶融粘度D(Pa・s)とポリエステル(A)の数
平均分子量Mnとの関係が下記式1を満足するものが望
ましい。 D<0.005Mn (式1) (ただし、式1において溶融粘度Dは270℃、角周波
数100rad/sで測定した値とする。) 本発明のポリエステル樹脂組成物の製造方法は、ポリエ
ステル(A)、ゴム状重合体(B)、ビニル重合体
(C)のうち少なくとも2成分をマスターバッチとして
供給し、ポリエステル(A)とさらに混合することを特
徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において用いられるポリエステル(A)は、ジカ
ルボン酸およびジオールをエステル化反応またはエステ
ル交換反応後、重合反応して得られるものである。ポリ
エステル(A)を構成するのに用いられるジカルボン酸
としては特に制限はないが、得られるポリエステル
(A)の機械特性が優れ、安価であることからテレフタ
ル酸が特に好ましい。テレフタル酸以外のジカルボン酸
としては、例えばイソフタル酸、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエ
タンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン
酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸等
の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等
の脂環族ジカルボン酸等が挙げられ、これらの中ではイ
ソフタル酸が好ましく用いられる。以上に挙げたジカル
ボン酸は1種のみを用いても2種以上を併用しても良い
が、得られるポリエステル(A)の機械特性が優れ、安
価であることから、ジカルボン酸としてテレフタル酸を
80モル%以上使用することが好ましい。
【0008】また、ポリエステル(A)を構成するのに
用いられるジオールとしては、特に制限はないが得られ
るポリエステル(A)の耐熱性が優れ、安価であること
からエチレングリコールが特に好ましい。エチレングリ
コール以外のジオールとしては、例えばジエチレングリ
コール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリ
コール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリ
コール、ドデカメチレングリコール、トリエチレングリ
コール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリ
コール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノ
ール等の脂環族グリコール、ビスフェノール類、ハイド
ロキノン、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシ
フェニル)プロパン等の芳香族ジオール等が挙げられ、
これらの中ではジエチレングリコール、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−β−ヒドロ
キシエトキシフェニル)プロパンが好ましく用いられ
る。以上に挙げたジオールは、1種のみを用いても2種
以上を併用しても良いが、得られるポリエステル(A)
の耐熱性が優れ、安価であることから、ジオールとして
エチレングリコールを80モル%以上使用することが好
ましい。ポリエステル(A)としては、以上説明したジ
カルボン酸およびジオールから得られるものであれば、
特に制限はないが、繰り返し単位の80モル%以上がエ
チレンテレフタレートであるものが好ましい。エチレン
テレフタレートが繰り返し単位の80モル%未満では、
耐熱性、機械強度、靭性等の特性が損なわれる場合があ
る。また、ポリエステル(A)は、その数平均分子量M
nが12000以上であることが好ましい。数平均分子
量Mnが12000未満であると得られるポリエステル
(A)の耐熱性、機械特性等が低下する場合がある。実
用的な観点から、ポリエステルの数平均分子量Mnは1
5000〜30000であればさらに好ましい。
【0009】ポリエステル(A)は、通常、ジカルボン
酸成分およびジオール成分を反応釜に仕込み、加熱昇温
して、エステル化反応またはエステル交換反応を行い、
その後引き続いて重合反応を行うことによって得られ
る。エステル化反応またはエステル交換反応には、必要
に応じてチタンブトキサイド、ジブチルスズオキシド、
酢酸マグネシウム、酢酸マンガン等の通常使用されるエ
ステル化触媒またはエステル交換触媒を使用することが
できる。エステル化反応またはエステル交換反応後に
は、常法に従って該反応で生じた水またはアルコールを
除去する。重合反応は、150mmHg以下の真空下で
ジオール成分を留出除去させながら重合を行うことが好
ましい。重合に際しては通常公知の重合触媒、例えばチ
タンブトキサイド、ジブチルスズオキシド、酢酸スズ、
酢酸亜鉛、二硫化スズ、三酸化アンチモン、二酸化ゲル
マンニウム等を用いることができる。また、重合温度、
触媒量については特に限定されるものではなく、必要に
応じて任意に設定することができる。また、必要に応じ
て固相重合を行い、高重合度のポリエステル(A)を製
造することもできる。
【0010】また、本発明において用いられるポリエス
テル(A)は、リサイクルポリエステルであってもよ
い。リサイクルポリエステルは、PETボトル、食品用
トレイ等の成形品として成形され、再び回収された回収
PET樹脂又は規格外PET樹脂である。また、PET
シート、容器などの成形時に生じた格外品であってもよ
い。
【0011】本発明において用いられるゴム状重合体
(B)とは、常温にて弾性、伸縮性を示し、分子内に化
学的あるいは物理的な結合を有する重合体のことであ
り、例えば、「コア・シェル型」のポリアクリレート系
エラストマーやビニル芳香族化合物−共役ジエン系ブロ
ック共重合体等のブロック共重合体である熱可塑性エラ
ストマーなどが挙げられる。中でも、「コア・シェル
型」のポリ(メタ)アクリレート系エラストマーが、性
能、コストの面から好ましい。コア・シェル型のポリ
(メタ)アクリレート系エラストマーは、1)アルキル
アクリレートおよび/またはアルキルメタクリレートを
主体とする弾性体(コア部)の存在下にビニル系単量体
の1種または2種以上をグラフト重合(シェル形成)さ
せて得られる樹脂重合体(B−1タイプ)と、2)アル
キルアクリレートおよび/またはアルキルメタクリレー
トと、共役ジエン型二重結合を持つ単量体とを共重合さ
せて得られるゴム状共重合体(コア部)に、ビニル系単
量体の1種もしくは2種以上をグラフト重合(シェル形
成)させて得られる樹脂重合体(B−2タイプ)とがあ
る。
【0012】B−1タイプのポリアクリレート系エラス
トマーを更に詳述すると、主要な原料単量体であるアル
キルアクリレートやアルキルメタクリレートとしては炭
素数2〜10のアルキル基のものが好適であり、具体的
にはエチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エ
チルヘキシルアクリレート、n−オクチルメタアクリレ
ートなどがあげられる。これらアルキルアクリレート類
を主体とする弾性体中(コア部)には、これらアルキル
アクリレート類と共重合可能な他のビニル単量体、たと
えばメチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、
グリシジルメタクリレート、スチレン、酢酸ビニル、ア
クリルニトリルなどを30重量%以下の範囲で共重合で
導入する場合もある。一般には、架橋剤として多官能性
単量体、たとえばジビニルベンゼンなどの芳香族ジビニ
ル類、エチレングリコールジアクリレート、エチレング
リコールジメタクリレート、ブチレングリコールジアク
リレート、オリゴエチレングリコールジメタクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレートなどのア
ルカンポリオールポリアクリレート類、アリルアクリレ
ート、アリルメタクリレート、ジアリルマレエートなど
の不飽和カルボン酸アリルエステル類などを適当量併用
するとゴム弾性をより高めるのに効果的である。さらに
は、コア部にジメチルシロキサン重合体(シリコンゴ
ム)を適当量導入したものは、低温耐衝撃性の改良効果
と耐候性の観点から特に好ましい。
【0013】かかる弾性体(コア部)の存在下にグラフ
ト重合反応させるビニル系単量体としては、スチレン、
α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル類、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、グリシジルメタクリレートなどのアク
リレート類が好ましく使用される。
【0014】かかるB−1タイプのポリアクリレート系
エラストマー中には、上記の弾性体が少なくとも20重
量%以上含まれていることが肝要である。通常は乳化重
合法で製造されるが、塊状重合法や懸濁重合法で製造さ
れたものでもよい。
【0015】B−2タイプのポリアクリレート系エラス
トマーは、B−1タイプと共通したアクリレート類単量
体とブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン型二重結
合を持つ単量体、さらに必要に応じてスチレン、α−メ
チルスチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビ
ニルなどの共重合可能な他の単量体を共重合させてゴム
状共重合体(コア部)を合成した後、B−1タイプと同
様に同類のビニル系単量体を追添してグラフト重合でシ
ェル部を形成させたものである。
【0016】また、ゴム状重合体(B)としては、ビニ
ル芳香族化合物−共役ジエン系ブロック共重合体を使用
することもできるが、コストの面からポリ(メタ)アク
リレート系エラストマーに比べると不利となる。
【0017】本発明において用いられるビニル重合体
(C)は、重合性不飽和結合を1つ以上有するビニル単
量体の重合物である。ビニル単量体としては、例えば、
メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピ
ルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチ
ルアクリレート、イソブチルアクリレート、sec−ブ
チルアクリレート、2−メチルブチルアクリレート、3
−メチルブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレー
ト、n−ヘプチルアクリレート、n−オクチルアクリレ
ート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−デシルア
クリレート、n−ラウリルアクリレート、n−トリデシ
ルアクリレート、n−セチルアクリレート、n−ステア
リルアクリレート、n−エイコシルアクリレート等のア
ルキルアクリレート;メチルメタクリレート、エチルメ
タクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロ
ピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソ
ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレー
ト、2−メチルブチルメタクリレート、3−メチルブチ
ルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、n−
ヘプチルメタクリレート、n−オクチルメタクリレー
ト、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−デシルメ
タクリレート、n−ラウリルメタクリレート、n−トリ
デシルメタクリレート、n−セチルメタクリレート、n
−ステアリルメタクリレート、n−エイコシルメタクリ
レート等のアルキルメタクリレート;スチレン、α−メ
チルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族アルケニル化
合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシア
ン化ビニル化合物;エチレン、プロピレン等のα−オレ
フィン;エチレングリコールジメタクリレート、プロピ
レングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレング
リコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコー
ルジメタクリレート等の(メタ)アクリレート、アリル
メタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリル
イソシアヌレート等のアリル化合物等の重合性不飽和結
合を2つ以上有するビニル単量体;グリシジル(メタ)
アクリレート、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリ
シジルエーテル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
ートのグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコール
(メタ)アクリレートのグリシジルエーテル、ポリアル
キレングリコール(メタ)アクリレートのグリシジルエ
ーテル、ジグリシジルイタコネート等のエポキシ基を含
有するビニル単量体;アミノ基、ヒドロキシ基、メルカ
プト基、ハロゲン基、ハロゲン化カルボニル基等の官能
基を含有するビニル単量体等のビニル単量体を例示でき
る。これらの1種のみを用いても2種以上を併用しても
よいが、得られるポリエステル樹脂組成物の成形加工性
に優れ、低コストであること等から、ブチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチ
ルメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、ア
クリロニトリル等を使用することが好ましい。なお、グ
リシジル(メタ)アクリレート、ビニルグリシジルエー
テル等のグリシジル基等の反応性官能基含有ビニル単量
体を使用すると、得られるポリエステル樹脂組成物の流
動性、靱性等が低下する場合があることから、これらは
全く使用しないか、ごく少量の使用量にとどめるのが好
ましい。
【0018】また、用いられるビニル重合体(C)は少
なくとも10重量%の芳香族ビニル単量体を含有するこ
とが好ましい。これは、スチレン、α−メチルスチレン
等の芳香族ビニル単量体を含有することによって、ビニ
ル重合体(C)は熱安定性を有し、かつ、ポリエステル
(A)への分散性が優れたものとなるためであり、さら
に好ましくは30重量%〜95重量%の芳香族ビニル単
量体を含有することが好ましい。特に、95%重量以下
の芳香族ビニル単量体と、5重量%以上のブチルアクリ
レート、エチルアクリレート等の不飽和カルボン酸エス
テルからなるビニル重合体(C)はポリエステル(A)
に対する分散性が良好となり好ましい。一方、芳香族ビ
ニル単量体が30重量%未満では、ビニル重合体(C)
の熱安定性が低下する場合がある。ビニル重合体(C)
の構造としては、特に限定されるものではなく、直鎖
型;櫛型、星型、デンドリマー型、カスケード型等の分
岐型;コア−シェル等の多層型等を例示できるが、少量
の添加量でポリエステル樹脂組成物の流動性を向上させ
ることが可能であるので直鎖状のものが好ましく、コス
ト面からは直鎖状のランダム共重合がさらに好ましい。
ビニル重合体(C)の重量平均分子量は特に限定されな
いが、得られる樹脂組成物の流動性、機械強度、耐久性
が優れることから、通常、1000〜100000、好
ましくは1000〜20000、特に好ましくは、20
00〜10000である。重量平均分子量が1000未
満のビニル重合体(C)を用いると、ポリエステル
(A)との相溶性が高すぎるため、得られるポリエステ
ル樹脂組成物の流動性や耐薬品性等が不十分な場合があ
る。一方、重量平均分子量が100000を越えると優
れた流動性を有するポリエステル樹脂組成物が得られな
い場合がある。
【0019】また、ビニル重合体(C)は、その溶融粘
度D(Pa・s)が、ポリエステル(A)の数平均分子
量Mnとの関係を示す下記式3を満足するようなものが
好ましい。 D<0.005Mn…(式3) (ただし、式3において溶融粘度Dは270℃、角周波
数100rad/sで測定した値とする。) さらに好ましくは、下記式4を満足するものであり、こ
のような関係を満足する場合、得られるポリエステル樹
脂組成物に著しい流動性向上効果を付与することができ
る。 D<0.001Mn…(式4) (ただし、式4において溶融粘度Dは270℃、角周波
数100rad/sで測定した値とする。)
【0020】ビニル重合体(C)は、バルク、溶液、乳
化、懸濁等の系において、ラジカル重合、アニオン重
合、カチオン重合等の通常公知の重合反応によって製造
される。この場合、必要に応じて、重合開始剤、重合触
媒、連鎖移動剤、分子量調節剤、有機溶媒、分散媒、乳
化剤、分散剤剤等の通常公知の重合添加剤を用いること
ができる。ラジカル重合の重合開始剤としては、ter
t−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオ
キサイド等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等
のアゾ系開始剤または酸化剤、還元剤を組み合わせたレ
ドックス系開始剤を例示でき、レドックス系開始剤とし
ては、硫酸第一鉄、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウ
ム塩、ロンガリッド、ヒドロパーオキサイドを組み合わ
せたスルホキシレート系開始剤を例示できる。乳化剤と
しては、ノニオン系、アニオン系およびカチオン系乳化
剤を例示できる。連鎖移動剤としては、n−オクチルメ
ルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等を例示
できる。重合溶媒としては、トルエン、ベンゼン、ジオ
キサン、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルスルホキシド等を例示できる。
【0021】ポリエステル樹脂組成物は、ポリエステル
(A)100重量部にゴム状重合体(B)0.5〜25
重量部およびビニル重合体(C)0.5〜25重量部を
含むものである。ゴム状重合体(B)の含有量が0.5
重量部未満では、機械特性維持効果が小さく、含有量が
25重量部を越えると、ポリエステル樹脂組成物の耐久
性、流動性等が低下する場合がある。ビニル重合体
(C)の含有量が0.5重量部未満では、流動性向上効
果が小さく、含有量が25重量部を越えると、ポリエス
テル樹脂組成物の耐久性、機械特性等が低下する場合が
ある。ポリエステル(A)100重量部に対し、ゴム状
重合体(B)0.5〜25重量部およびビニル重合体
(C)0.5〜25重量部の添加量において、機械特性
を損なうことなく流動性を改良できるため、両者のバラ
ンスに非常に優れたポリエステル樹脂組成物とすること
ができる。
【0022】本発明のポリエステル樹脂組成物は、ポリ
エステル(A)、ゴム状重合体(B)、ビニル重合体
(C)のうち少なくとも2成分をマスターバッチとして
供給し、さらにポリエステル(A)と混合する製造方法
をとることができる。マスターバッチは、ゴム状重合体
(B)および/またはビニル重合体(C)の比率を大き
くしてポリエステル(A)と混合して製造することが好
ましい。このようにして製造したマスターバッチを所望
の組成となるようポリエステル(A)とさらに混合し、
ポリエステル樹脂組成物とすることができる。マスター
バッチを用いてポリエステル樹脂組成物を製造すること
により、均質で性能のふれが小さいポリエステル樹脂組
成物を得ることができるため好ましい。
【0023】ポリエステル樹脂組成物には、上記のポリ
エステル(A)、ゴム状重合体(B)、ビニル重合体
(C)以外に、所望により他の樹脂を混合してもよい。
これらを混合する方法としては、全体として実質的に均
一に混合できる方法であれば特に制限されることなく、
樹脂同士の混合に通常用いられている公知の方法を適用
することができる。例えば、溶融混合法を採用する場
合、溶融押出機を用いて200〜300℃で溶融混合す
ればよい。上記溶融押出機としては、例えば単軸スクリ
ュー押出機、二軸押出機、多層押出機を用いることがで
きる。また、本発明のポリエステル樹脂組成物には、特
定の性能を付与するために各種添加剤もしくは充填剤を
配合することもできる。添加剤および充填剤の例として
は、ガラス繊維、炭素繊維等の強化用繊維、シリカ、タ
ルク、カオリン、炭酸カルシウム等の無機粒子、酸化チ
タン、カーボンブラック等の顔料、紫外線吸収剤、離型
剤、難燃剤等が挙げられる。本発明のポリエステル樹脂
組成物は、薄肉成形品用途や、特にリサイクルポリエス
テルを用いた大型成形品用途等に用いる射出成形用材料
として極めて有用である。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて詳細に説明す
る。なお、例中の部は特に説明のない限り重量部を表
す。 [実施例1] 〔ビニル重合体(C1)の合成〕メチルエチルケトン1
50部を冷却管及び撹拌翼を備えたセパラブルフラスコ
に仕込み、水浴中75℃に昇温した後、n−ブチルアク
リレート11.5部、スチレン88.5部、アゾビスイソ
ブチロニトリル3部の混合物を3時間かけて滴下し、ラ
ジカル重合を開始した。滴下終了後4時間保持して重合
を完了し、ビニル重合体のメチルエチルケトン溶液を得
た。この溶液をメタノール中に注入して固形分を沈降さ
せて回収した後乾燥し、重量平均分子量13000のビ
ニル重合体(C1)を得た。ビニル重合体(C1)の溶
融粘度は0.2Pa・sであった。なお、ビニル重合体
の溶融粘度は、レオメトリック製レオメーターRDA−
700を用い、270℃、角周波数100rad/sに
おける値を測定した。
【0025】〔ポリエステル樹脂組成物の製造〕テレフ
タル酸成分94モル%、イソフタル酸成分6モル%およ
びエチレングリコールから、溶融重合および固相重合の
2段階の重合によりポリエステル(A1)を得た。ポリ
エステル(A1)の数平均分子量は29000であっ
た。なお、数平均分子量は、東ソー製ゲル浸透クロマト
グラフを用い、クロロホルム/ヘキサフロロイソプロパ
ノール=9/1混合溶媒を用いて標準ポリスチレン換算
により求めた。このポリエステル(A1)のペレット1
00部に対し、ゴム状重合体(B)としてメタブレンS
−2001(三菱レイヨン(株)製)5部、上記ビニル
重合体(C1)5部の割合で2軸押し出し機に供給し、
270℃で溶融混練して表2に示すポリエステル樹脂組
成物を得た。
【0026】〔ポリエステル樹脂組成物の諸特性の測
定〕得られたポリエステル樹脂組成物の溶融粘度D、I
z衝撃強度を測定した。測定は2回行った。溶融粘度
D、Iz衝撃強度を表2に示す。得られたポリエステル
樹脂組成物は流動性、機械特性(Iz衝撃強度)に優れ
ていた。ただし、2回の測定値にふれが認められた。な
お、溶融粘度Dは、東洋精機製作所製キャピログラフを
使用し、直径1mm、L(管長)/D(管内径)=10
のオリフィスを用いて、270℃、せん断速度1200
(1/秒)で押し出した際の値を測定した。Iz衝撃強
度は、ASTM D256に準拠して測定した。なお、
試験片の成形は射出成形機を用い、シリンダー温度27
0℃、金型温度10℃にて行った。
【0027】[実施例2]n−ブチルアクリレート1
1.5部、スチレン88.5部の代わりに、アクリロニト
リル30部、スチレン70部を用いた以外は実施例1と
同様にして、重量平均分子量14000のビニル重合体
(C2)を合成した。実施例1と同様にして測定したビ
ニル重合体(C2)の溶融粘度は0.3Pa・sであっ
た。ビニル重合体(C1)の代わりにビニル重合体(C
2)を用いた以外は実施例1と同様にして、表2に示す
ポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル
樹脂組成物の溶融粘度D、Iz衝撃強度を実施例1と同
様にして測定した。測定は2回行った。溶融粘度D、I
z衝撃強度を表2に示す。得られたポリエステル樹脂組
成物は流動性、機械特性(Iz衝撃強度)に優れてい
た。ただし、2回の測定値にふれが認められた。 [実施例3]ビニル重合体(C1)5部、メタブレンS
−2001(三菱レイヨン(株)製)5部の代わりに、
ビニル重合体(C1)を10部、メタブレンS−200
1(三菱レイヨン(株)製)を10部用いた以外は実施
例1と同様にして、表2に示すポリエステル樹脂組成物
を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の溶融粘度
D、Iz衝撃強度を実施例1と同様にして測定した。測
定は2回行った。溶融粘度D、Iz衝撃強度を表2に示
す。得られたポリエステル樹脂組成物は流動性、機械特
性(Iz衝撃強度)に優れていた。ただし、2回の測定
値にふれが認められた。
【0028】[実施例4]ビニル重合体(C1)5部、
メタブレンS−2001(三菱レイヨン(株)製)5部
の代わりに、ビニル重合体(C2)を10部、メタブレ
ンS−2001(三菱レイヨン(株)製)を10部用い
た以外は実施例1と同様にして、表2に示すポリエステ
ル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物
の溶融粘度D、Iz衝撃強度を実施例1と同様にして測
定した。測定は2回行った。溶融粘度D、Iz衝撃強度
を表2に示す。得られたポリエステル樹脂組成物は流動
性、機械特性(Iz衝撃強度)に優れていた。ただし、
2回の測定値にふれが認められた。
【0029】[比較例1]ビニル重合体(C1)5部、
メタブレンS−2001(三菱レイヨン(株)製)5部
の代わりに、メタブレンS−2001(三菱レイヨン
(株)製)を5部用いた以外は実施例1と同様にして、
表2に示すポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポ
リエステル樹脂組成物の溶融粘度D、Iz衝撃強度を実
施例1と同様にして測定した。溶融粘度D、Iz衝撃強
度を表2に示す。得られたポリエステル樹脂組成物は機
械特性(Iz衝撃強度)には優れていたが、流動性に劣
っていた。 [比較例2]ビニル重合体(C1)5部、メタブレンS
−2001(三菱レイヨン(株)製)5部の代わりに、
メタブレンS−2001(三菱レイヨン(株)製)を1
0部用いた以外は実施例1と同様にして、表2に示すポ
リエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹
脂組成物の溶融粘度D、Iz衝撃強度を実施例1と同様
にして測定した。溶融粘度D、Iz衝撃強度を表2に示
す。得られたポリエステル樹脂組成物は機械特性(Iz
衝撃強度)には優れていたが、流動性に劣っていた。
【0030】[比較例3]ビニル重合体(C1)5部、
メタブレンS−2001(三菱レイヨン(株)製)5部
の代わりに、ビニル重合体(C1)を5部用いた以外は
実施例1と同様にして、表2に示すポリエステル樹脂組
成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の溶融粘
度D、Iz衝撃強度を実施例1と同様にして測定した。
溶融粘度D、Iz衝撃強度を表2に示す。得られたポリ
エステル樹脂組成物は流動性には優れていたが、機械特
性(Iz衝撃強度)に劣っていた。 [比較例4]ビニル重合体(C1)5部、メタブレンS
−2001(三菱レイヨン(株)製)5部の代わりに、
ビニル重合体(C2)を5部用いた以外は実施例1と同
様にして、表2に示すポリエステル樹脂組成物を得た。
得られたポリエステル樹脂組成物の溶融粘度D、Iz衝
撃強度を実施例1と同様にして測定した。溶融粘度D、
Iz衝撃強度を表2に示す。得られたポリエステル樹脂
組成物は流動性には優れていたが、機械特性(Iz衝撃
強度)に劣っていた。
【0031】[比較例5]ビニル重合体(C1)5部、
メタブレンS−2001(三菱レイヨン(株)製)5部
の代わりに、ビニル重合体(C1)を10部用いた以外
は実施例1と同様にして、表2に示すポリエステル樹脂
組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の溶融
粘度D、Iz衝撃強度を実施例1と同様にして測定し
た。溶融粘度D、Iz衝撃強度を表2に示す。得られた
ポリエステル樹脂組成物は流動性には優れていたが、機
械特性(Iz衝撃強度)に劣っていた。 [比較例6]ビニル重合体(C1)5部、メタブレンS
−2001(三菱レイヨン(株)製)5部の代わりに、
ビニル重合体(C2)を10部用いた以外は実施例1と
同様にして、表2に示すポリエステル樹脂組成物を得
た。得られたポリエステル樹脂組成物の溶融粘度D、I
z衝撃強度を実施例1と同様にして測定した。溶融粘度
D、Iz衝撃強度を表2に示す。得られたポリエステル
樹脂組成物は流動性には優れていたが、機械特性(Iz
衝撃強度)に劣っていた。
【0032】[比較例7]ビニル重合体(C1)、メタ
ブレンS−2001(三菱レイヨン(株)製)を添加し
ない以外は実施例1と同様にして、表2に示すポリエス
テル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成
物の溶融粘度D、Iz衝撃強度を実施例1と同様にして
測定した。溶融粘度D、Iz衝撃強度を表2に示す。得
られたポリエステル樹脂組成物は機械特性(Iz衝撃強
度)には優れていたが、流動性に劣っていた。
【0033】[実施例5] 〔マスターバッチ(M1)の作成〕ポリエステル(A
1)のペレット50部に対し、メタブレンS−2001
(三菱レイヨン(株)製)25部、ビニル重合体(C
1)25部の割合で2軸押し出し機に供給し、270℃
で溶融混練して表3に示すマスターバッチ(M1)を得
た。 〔マスターバッチを用いたポリエステル樹脂組成物の製
造および諸物性の測定〕ポリエステル(A1)90部に
対し、マスターバッチ(M1)20部の割合で2軸押し
出し機に供給し、270℃で溶融混練して表4に示すポ
リエステル樹脂組成物を得た。このポリエステル樹脂組
成物は実施例1で示したポリエステル樹脂組成物と最終
的に同じ組成である。得られたポリエステル樹脂組成物
の溶融粘度D、Iz衝撃強度を実施例1と同様にして測
定した。測定は2回行った。溶融粘度D、Iz衝撃強度
を表4に示す。得られたポリエステル樹脂組成物は流動
性、機械特性(Iz衝撃強度)に優れていた。また、2
回の測定値のふれはほとんど見られなかった。
【0034】[実施例6]メタブレンS−2001(三
菱レイヨン(株)製)25部、ビニル重合体(C1)2
5部の代わりにメタブレンS−2001(三菱レイヨン
(株)製)25部、ビニル重合体(C2)25部を用い
た以外は実施例5と同様にして、表3に示すマスターバ
ッチ(M2)を得た。ポリエステル(A1)90部に対
し、マスターバッチ(M2)20部の割合で2軸押し出
し機に供給し、270℃で溶融混練して表4に示すポリ
エステル樹脂組成物を得た。このポリエステル樹脂組成
物は実施例2で示したポリエステル樹脂組成物と最終的
に同じ組成である。得られたポリエステル樹脂組成物の
溶融粘度D、Iz衝撃強度を実施例1と同様にして測定
した。測定は2回行った。溶融粘度D、Iz衝撃強度を
表4に示す。得られたポリエステル樹脂組成物は流動
性、機械特性(Iz衝撃強度)に優れていた。また、2
回の測定値のふれはほとんど見られなかった。 [実施例7]ポリエステル(A1)90部、マスターバ
ッチ(M1)20部の代わりに、ポリエステル(A1)
80部、マスターバッチ(M1)40部を用いた以外は
実施例5と同様にして、表4に示すポリエステル樹脂組
成物を得た。このポリエステル樹脂組成物は実施例3で
示したポリエステル樹脂組成物と最終的に同じ組成であ
る。得られたポリエステル樹脂組成物の溶融粘度D、I
z衝撃強度を実施例1と同様にして測定した。測定は2
回行った。溶融粘度D、Iz衝撃強度を表4に示す。得
られたポリエステル樹脂組成物は流動性、機械特性(I
z衝撃強度)に優れていた。また、2回の測定値のふれ
はほとんど見られなかった。
【0035】[実施例8]ポリエステル(A1)90
部、マスターバッチ(M1)20部の代わりに、ポリエ
ステル(A1)80部、マスターバッチ(M2)40部
を用いた以外は実施例5と同様にして、表4に示すポリ
エステル樹脂組成物を得た。このポリエステル樹脂組成
物は実施例4で示したポリエステル樹脂組成物と最終的
に同じ組成である。得られたポリエステル樹脂組成物の
溶融粘度D、Iz衝撃強度を実施例1と同様にして測定
した。測定は2回行った。溶融粘度D、Iz衝撃強度を
表4に示す。得られたポリエステル樹脂組成物は流動
性、機械特性(Iz衝撃強度)に優れていた。また、2
回の測定値のふれはほとんど見られなかった。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】メタブレンS−2001、ビニル重合体
(C1)を添加した実施例1、2のポリエステル樹脂組
成物は、未添加の比較例7のポリエステル(A1)に比
べ、衝撃強度を維持したまま高流動化されている。メタ
ブレンS−2001、ビニル重合体(C2)を添加した
実施例3、4のポリエステル樹脂組成物は、実施例1、
2のポリエステル樹脂組成物と同様、衝撃強度を維持し
たまま高流動化されている。実施例1、3と比較例1、
2を比べると、比較例1、2のポリエステル樹脂組成物
は、衝撃強度を維持しているが、流動性にほとんど変化
がない。ビニル重合体成分を含まないためである。実施
例1、3と比較例3、5を比べると、比較例3、5のポ
リエステル樹脂組成物は、高流動化されているが衝撃強
度が低い。ゴム状重合体を含まないためである。実施例
2、4と比較例4、6を比べると、比較例4、6のポリ
エステル樹脂組成物は、高流動化されているが衝撃強度
が低い。ゴム状重合体を含まないためである。実施例1
〜4と実施例5〜8を比べると、同組成での測定値はほ
ぼ同じだが、マスターバッチを使用した方は測定値のふ
れがほとんど見られない。マスターバッチとすることに
より、押出時の分級が防げることによるものであり、マ
スターバッチ添加方法が性能安定性に優れたものである
ことを示す。以上から、ポリエステルに対し、ゴム状重
合体およびビニル重合体を添加して得られたポリエステ
ル樹脂組成物は、流動性に優れ、かつ機械強度(Iz衝
撃強度)にも優れたものであった。
【0041】
【発明の効果】本発明のポリエステル樹脂組成物はポリ
エステルの機械特性、特に耐衝撃性を高レベルに維持し
たまま流動性を改質したものであり、この樹脂組成物
は、流動性に優れ、かつ、高い機械強度や靱性を有する
ものであり、ブリードアウトの発生や、耐熱性、耐久性
の低下を招くことなく、低コストで得られるものであ
る。特に、しきり板、パネル、ケース、カップなど薄肉
成形品用途や、特にリサイクルポリエステルを用いたゴ
ミ箱、パレットなど大型成形品等に用いる射出成形用材
料として極めて有用である。さらに、ビニル重合体
(C)が少なくとも10%の芳香族ビニル単量体を含有
するものであると、熱安定性及び分散性が向上する。ま
た、(C)成分の溶融粘度Dとポリエステル(A)の数
平均分子量Mnとが特定の関係を満足するものである
と、流動性向上効果がより顕著となる。このようなポリ
エステル樹脂組成物は、ポリエステル(A)、ゴム状重
合体(B)、ビニル重合体(C)のうち少なくとも2成
分をマスターバッチとして供給し、ポリエステル(A)
とさらに混合して製造することが望ましく、係る方法に
よって製造されたものであると、より均質で、性能のふ
れが抑制されたものとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BB033 BB123 BC033 BC083 BC093 BG043 BG053 BG063 BG103 BN122 BP012 CD193 CF001 CF031 CF041 CF051 CF081 FD010 FD090

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル(A)100重量部に対
    し、ゴム状重合体(B)0.5〜25重量部およびビニ
    ル重合体(C)0.5〜25重量部を含むことを特徴と
    するポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記ポリエステル(A)がリサイクルポ
    リエステルであることを特徴とする請求項1に記載のポ
    リエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記ゴム状重合体(B)がコア・シェル
    型のポリ(メタ)アクリレート系エラストマーであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のポリエステル樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 前記ビニル重合体(C)が少なくとも1
    0%の芳香族ビニル単量体を含有し、(C)成分の溶融
    粘度D(Pa・s)とポリエステル(A)の数平均分子
    量Mnとの関係が下記式1を満足することを特徴とする
    請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。 D<0.005Mn (式1) (ただし、式1において溶融粘度Dは270℃、角周波
    数100rad/sで測定した値とする。)
  5. 【請求項5】 ポリエステル(A)、ゴム状重合体
    (B)、ビニル重合体(C)のうち少なくとも2成分を
    マスターバッチとして供給し、ポリエステル(A)とさ
    らに混合することを特徴とするポリエステル樹脂組成物
    の製造方法。
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