JP2000355657A - 流動性改質剤およびこれを用いた熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
流動性改質剤およびこれを用いた熱可塑性樹脂組成物Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 熱可塑性樹脂の透明性、高い機械特性を維持
したまま、高い流動性を付与できる流動性改質剤とこれ
を用いた熱可塑性樹脂組成物を低コストで提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂(A)に配合する流動性改
質剤において、少なくとも一種のビニル単量体から構成
され、ガラス転移温度が−10℃以下で分子量が500
以上のポリマーからなるセグメント(b−1)と、少な
くとも一種のビニル単量体から構成され、ガラス転移温
度が50℃以上のポリマーからなるセグメント(b−
2)からなるビニル共重合体(B)であり、熱可塑性樹
脂(A)の屈折率aと下記式1の関係を満足する屈折率
bを有する流動性改質剤およびこれを配合した熱可塑性
樹脂組成物である。 |a−b|≦0.005…(式1)
したまま、高い流動性を付与できる流動性改質剤とこれ
を用いた熱可塑性樹脂組成物を低コストで提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂(A)に配合する流動性改
質剤において、少なくとも一種のビニル単量体から構成
され、ガラス転移温度が−10℃以下で分子量が500
以上のポリマーからなるセグメント(b−1)と、少な
くとも一種のビニル単量体から構成され、ガラス転移温
度が50℃以上のポリマーからなるセグメント(b−
2)からなるビニル共重合体(B)であり、熱可塑性樹
脂(A)の屈折率aと下記式1の関係を満足する屈折率
bを有する流動性改質剤およびこれを配合した熱可塑性
樹脂組成物である。 |a−b|≦0.005…(式1)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂の透
明性、高い機械特性を維持したまま、高い流動性を付与
できる流動性改質剤およびこれを用いた熱可塑性樹脂組
成物に関し、特に薄肉成形に適した熱可塑性樹脂組成物
を提供できるようにしたものである。
明性、高い機械特性を維持したまま、高い流動性を付与
できる流動性改質剤およびこれを用いた熱可塑性樹脂組
成物に関し、特に薄肉成形に適した熱可塑性樹脂組成物
を提供できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、ポリカーボネート等の熱
可塑性樹脂は一般に耐熱性、機械強度、寸法安定性、電
気特性、透明性等に優れたプラスチックとして機械部
品、電子部品、車両用部品等の様々な用途に利用されて
いる。熱可塑性樹脂はこのように各種の特性を兼ね備え
ているため、広い用途に使用できることが大きな特長で
ある。熱可塑性樹脂の中でも特にポリエステル樹脂は、
その優れた流動性から、射出成形によって薄肉の成形品
を得るのに適している。例えば、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)樹脂は、単独であるいはガラス繊維等
で強化された複合材料として、薄肉あるいは複雑形状の
部品用途等に広く用いられている。
可塑性樹脂は一般に耐熱性、機械強度、寸法安定性、電
気特性、透明性等に優れたプラスチックとして機械部
品、電子部品、車両用部品等の様々な用途に利用されて
いる。熱可塑性樹脂はこのように各種の特性を兼ね備え
ているため、広い用途に使用できることが大きな特長で
ある。熱可塑性樹脂の中でも特にポリエステル樹脂は、
その優れた流動性から、射出成形によって薄肉の成形品
を得るのに適している。例えば、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)樹脂は、単独であるいはガラス繊維等
で強化された複合材料として、薄肉あるいは複雑形状の
部品用途等に広く用いられている。
【0003】樹脂の重要な特性の1つである流動性は、
その分子量に依存することが知られており、例えば、数
平均分子量10000〜40000のPETにおいて
は、流動性の指標である溶融粘度C(Pa・s)と、P
ETの数平均分子量Mnの間には下記式3に示す関係が
概ね成り立ち、低分子量のPETほど溶融粘度が小さ
く、流動性に優れている。そこで、薄肉あるいは複雑形
状の射出成形には、分子量を小さくして流動性を高めた
PET等が使用されてきた。 C=3.5×10−10 ×Mn2.7 …(式3) (ただし、式3において溶融粘度Cは270℃、せん断
速度1200/(1/秒)で測定した値とする。)その
他、樹脂の分子量を調節して、その流動性を制御する方
法以外に、樹脂への溶解性がよい低分子量化合物を可塑
剤として加えて、樹脂の分子量を変更せずに溶融粘度だ
けを低下させることも一般によく知られており、塩化ビ
ニル樹脂等においては工業的にも実施されている。ま
た、特開平9−328589号公報には、芳香族系プラ
スチックに特定の分子量、分子量分布を持つスチレンオ
リゴマーを配合することにより、芳香族系プラスチック
の優れた諸特性を損なうことなく成形性を向上できる改
質方法が開示されている。
その分子量に依存することが知られており、例えば、数
平均分子量10000〜40000のPETにおいて
は、流動性の指標である溶融粘度C(Pa・s)と、P
ETの数平均分子量Mnの間には下記式3に示す関係が
概ね成り立ち、低分子量のPETほど溶融粘度が小さ
く、流動性に優れている。そこで、薄肉あるいは複雑形
状の射出成形には、分子量を小さくして流動性を高めた
PET等が使用されてきた。 C=3.5×10−10 ×Mn2.7 …(式3) (ただし、式3において溶融粘度Cは270℃、せん断
速度1200/(1/秒)で測定した値とする。)その
他、樹脂の分子量を調節して、その流動性を制御する方
法以外に、樹脂への溶解性がよい低分子量化合物を可塑
剤として加えて、樹脂の分子量を変更せずに溶融粘度だ
けを低下させることも一般によく知られており、塩化ビ
ニル樹脂等においては工業的にも実施されている。ま
た、特開平9−328589号公報には、芳香族系プラ
スチックに特定の分子量、分子量分布を持つスチレンオ
リゴマーを配合することにより、芳香族系プラスチック
の優れた諸特性を損なうことなく成形性を向上できる改
質方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリエ
ステル等の熱可塑性樹脂の機械強度や靭性等の機械特性
もその分子量に強く依存し、分子量が高いほどその機械
特性が優れることから、流動性に優れた低分子量の樹脂
を用いると、得られる成形品の機械特性が低下してしま
うといった問題があった。そのため、製品に要求される
機械特性に対応して、使用できるポリエステル等の熱可
塑性樹脂の分子量下限が決定され、十分な流動性を有す
る樹脂を使用することが難しかった。また、低分子量の
可塑剤を熱可塑性樹脂に加えて機械強度を保ち、溶融粘
度のみを低下させようとすると、可塑剤のブリードアウ
トよる樹脂の汚れ、ガラス転移温度の低下による耐熱性
の低下や、溶融賦形時の熱で樹脂との間に交換反応が起
こり、分子量の低下や分子量のばらつきが起こる等、問
題があった。さらに、このような物性低下に加えてPE
Tのような耐薬品性のよい樹脂を可塑化するためには、
可塑剤として特殊な化合物を選択することが必要とな
り、コストや耐久性の面でも制約があった。また、熱可
塑性樹脂に相溶しないものを添加すると透明性が著しく
低下するので、高い透明度を必要とする場合に問題があ
った。また、特開平9−328589号公報に開示の方
法では、芳香族系プラスチックとスチレンオリゴマーと
の屈折率差により、透明性を維持できない場合があると
いう問題があった。このように、溶融粘度が低く流動性
に優れ、かつ、機械特性、透明性が高い熱可塑性樹脂を
低コストで得ることは非常に困難であった。
ステル等の熱可塑性樹脂の機械強度や靭性等の機械特性
もその分子量に強く依存し、分子量が高いほどその機械
特性が優れることから、流動性に優れた低分子量の樹脂
を用いると、得られる成形品の機械特性が低下してしま
うといった問題があった。そのため、製品に要求される
機械特性に対応して、使用できるポリエステル等の熱可
塑性樹脂の分子量下限が決定され、十分な流動性を有す
る樹脂を使用することが難しかった。また、低分子量の
可塑剤を熱可塑性樹脂に加えて機械強度を保ち、溶融粘
度のみを低下させようとすると、可塑剤のブリードアウ
トよる樹脂の汚れ、ガラス転移温度の低下による耐熱性
の低下や、溶融賦形時の熱で樹脂との間に交換反応が起
こり、分子量の低下や分子量のばらつきが起こる等、問
題があった。さらに、このような物性低下に加えてPE
Tのような耐薬品性のよい樹脂を可塑化するためには、
可塑剤として特殊な化合物を選択することが必要とな
り、コストや耐久性の面でも制約があった。また、熱可
塑性樹脂に相溶しないものを添加すると透明性が著しく
低下するので、高い透明度を必要とする場合に問題があ
った。また、特開平9−328589号公報に開示の方
法では、芳香族系プラスチックとスチレンオリゴマーと
の屈折率差により、透明性を維持できない場合があると
いう問題があった。このように、溶融粘度が低く流動性
に優れ、かつ、機械特性、透明性が高い熱可塑性樹脂を
低コストで得ることは非常に困難であった。
【0005】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
で、分子量と溶融粘度の関係に起因する制約を克服する
ことにより、熱可塑性樹脂の透明性、高い機械特性を維
持したまま、高い流動性を付与できる流動性改質剤およ
びこれを用いた熱可塑性樹脂組成物、特にポリエステル
樹脂組成物を、ブリードアウトの発生や耐熱性、耐久性
の低下を招くことなく、低コストで提供することを課題
とする。
で、分子量と溶融粘度の関係に起因する制約を克服する
ことにより、熱可塑性樹脂の透明性、高い機械特性を維
持したまま、高い流動性を付与できる流動性改質剤およ
びこれを用いた熱可塑性樹脂組成物、特にポリエステル
樹脂組成物を、ブリードアウトの発生や耐熱性、耐久性
の低下を招くことなく、低コストで提供することを課題
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にあって
は、熱可塑性樹脂(A)に配合する流動性改質剤におい
て、少なくとも一種のビニル単量体から構成され、ガラ
ス転移温度が−10℃以下で分子量が500以上のポリ
マーからなるセグメント(b−1)と、少なくとも一種
のビニル単量体から構成され、ガラス転移温度が50℃
以上のポリマーからなるセグメント(b−2)からなる
ビニル共重合体(B)であり、前記熱可塑性樹脂(A)
の屈折率aと下記式1の関係を満足する屈折率bを有す
ることを特徴とする流動性改質剤によって解決できる。 |a−b|≦0.005…(式1) 上記流動性改質剤は、ビニル共重合体(B)が、セグメ
ント(b−1)とセグメント(b−2)からなるブロッ
ク共重合体またはグラフト共重合体であることが好まし
い。また、上記流動性改質剤は、熱可塑性樹脂(A)の
数平均分子量Mnと下記式2の関係を満足する溶融粘度
D(Pa・s)を有することが好ましい。 D<0.005Mn …(式2) (ただし、式2において溶融粘度Dは270℃、角周波
数100rad/秒で測定した値とする。) 請求項4の発明にあっては、熱可塑性樹脂(A)100
質量部に対して、上記の流動性改質剤が0.5〜25質
量部配合されてなる熱可塑性樹脂組成物によって解決で
きる。上記熱可塑性樹脂(A)はポリエステルであるこ
とが好ましい。
は、熱可塑性樹脂(A)に配合する流動性改質剤におい
て、少なくとも一種のビニル単量体から構成され、ガラ
ス転移温度が−10℃以下で分子量が500以上のポリ
マーからなるセグメント(b−1)と、少なくとも一種
のビニル単量体から構成され、ガラス転移温度が50℃
以上のポリマーからなるセグメント(b−2)からなる
ビニル共重合体(B)であり、前記熱可塑性樹脂(A)
の屈折率aと下記式1の関係を満足する屈折率bを有す
ることを特徴とする流動性改質剤によって解決できる。 |a−b|≦0.005…(式1) 上記流動性改質剤は、ビニル共重合体(B)が、セグメ
ント(b−1)とセグメント(b−2)からなるブロッ
ク共重合体またはグラフト共重合体であることが好まし
い。また、上記流動性改質剤は、熱可塑性樹脂(A)の
数平均分子量Mnと下記式2の関係を満足する溶融粘度
D(Pa・s)を有することが好ましい。 D<0.005Mn …(式2) (ただし、式2において溶融粘度Dは270℃、角周波
数100rad/秒で測定した値とする。) 請求項4の発明にあっては、熱可塑性樹脂(A)100
質量部に対して、上記の流動性改質剤が0.5〜25質
量部配合されてなる熱可塑性樹脂組成物によって解決で
きる。上記熱可塑性樹脂(A)はポリエステルであるこ
とが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の流動性改質剤は、少なくとも一種のビニル単量
体から構成され、ガラス転移温度が−10℃以下で分子
量が500以上のポリマーからなるセグメント(b−
1)と、少なくとも一種のビニル単量体から構成され、
ガラス転移温度が50℃以上のポリマーからなるセグメ
ント(b−2)からなるビニル共重合体(B)である。
ここでセグメントとは、ある一定の繰り返し単位が連な
ってなるポリマーの一部分のことをいう。例えば、ビニ
ル共重合体(B)がグラフト共重合体である場合は、セ
グメントとして、主鎖をなすセグメントと側鎖をなすセ
グメントとを有し、ビニル共重合体(B)がブロック共
重合体である場合は、ある一定の繰り返し単位が連なっ
てなるセグメントと、このセグメントに連結する別の繰
り返し単位が連なってなるセグメントとを有する。ま
た、ビニル共重合体(B)がコア−シェル等の多層型で
ある場合は、コアをなすセグメントとシェルをなすセグ
メントとを有する。また、ここでいうセグメントの分子
量は、数平均分子量で表すこととする。
本発明の流動性改質剤は、少なくとも一種のビニル単量
体から構成され、ガラス転移温度が−10℃以下で分子
量が500以上のポリマーからなるセグメント(b−
1)と、少なくとも一種のビニル単量体から構成され、
ガラス転移温度が50℃以上のポリマーからなるセグメ
ント(b−2)からなるビニル共重合体(B)である。
ここでセグメントとは、ある一定の繰り返し単位が連な
ってなるポリマーの一部分のことをいう。例えば、ビニ
ル共重合体(B)がグラフト共重合体である場合は、セ
グメントとして、主鎖をなすセグメントと側鎖をなすセ
グメントとを有し、ビニル共重合体(B)がブロック共
重合体である場合は、ある一定の繰り返し単位が連なっ
てなるセグメントと、このセグメントに連結する別の繰
り返し単位が連なってなるセグメントとを有する。ま
た、ビニル共重合体(B)がコア−シェル等の多層型で
ある場合は、コアをなすセグメントとシェルをなすセグ
メントとを有する。また、ここでいうセグメントの分子
量は、数平均分子量で表すこととする。
【0008】ビニル共重合体(B)において、セグメン
ト(b−1)のガラス転移温度が−10℃を超えると、
得られる流動性改質剤を配合した熱可塑性樹脂組成物の
耐衝撃性が不足する場合があり、セグメント(b−2)
のガラス転移温度が50℃未満では、ビニル共重合体
(B)全体としてのガラス転移温度が低くなり、得られ
る流動性改質剤の取扱性が低下する場合がある。また、
セグメント(b−1)の分子量は500以上であり、好
ましくは500〜10000、さらに好ましくは600
〜5000である。セグメント(b−1)の分子量が5
00未満では、得られる流動性改質剤を配合した熱可塑
性樹脂組成物の耐衝撃性が不足する場合がある。100
00を超えると、ビニル共重合体(B)の屈折率がポリ
エステルと等しい場合でも、セグメントのサイズが大き
くなるために、得られる流動性改質剤を配合した熱可塑
性樹脂組成物の透明性が低下する場合がある。
ト(b−1)のガラス転移温度が−10℃を超えると、
得られる流動性改質剤を配合した熱可塑性樹脂組成物の
耐衝撃性が不足する場合があり、セグメント(b−2)
のガラス転移温度が50℃未満では、ビニル共重合体
(B)全体としてのガラス転移温度が低くなり、得られ
る流動性改質剤の取扱性が低下する場合がある。また、
セグメント(b−1)の分子量は500以上であり、好
ましくは500〜10000、さらに好ましくは600
〜5000である。セグメント(b−1)の分子量が5
00未満では、得られる流動性改質剤を配合した熱可塑
性樹脂組成物の耐衝撃性が不足する場合がある。100
00を超えると、ビニル共重合体(B)の屈折率がポリ
エステルと等しい場合でも、セグメントのサイズが大き
くなるために、得られる流動性改質剤を配合した熱可塑
性樹脂組成物の透明性が低下する場合がある。
【0009】セグメント(b−1)および(b−2)に
用いられるビニル単量体としては、重合性不飽和結合を
1つ以上有するものである。セグメント(b−1)に用
いられるビニル単量体としては、ガラス転移温度が−1
0℃以下となるような組み合わせで選択されたものであ
れば制限はなく、セグメント(b−2)に用いられるビ
ニル単量体としては、ガラス転移温度が50℃以上とな
るような組み合わせで選択されたものであれば制限はな
い。ビニル単量体としては、例えば、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、
イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、
イソブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレー
ト、2−メチルブチルアクリレート、3−メチルブチル
アクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘプチ
ルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチ
ルヘキシルアクリレート、n−デシルアクリレート、n
−ラウリルアクリレート、n−トリデシルアクリレー
ト、n−セチルアクリレート、n−ステアリルアクリレ
ート、n−エイコシルアクリレート等のアルキルアクリ
レート;メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタク
リレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタ
クリレート、sec−ブチルメタクリレート、2−メチ
ルブチルメタクリレート、3−メチルブチルメタクリレ
ート、n−ヘキシルメタクリレート、n−ヘプチルメタ
クリレート、n−オクチルメタクリレート、2−エチル
ヘキシルメタクリレート、n−デシルメタクリレート、
n−ラウリルメタクリレート、n−トリデシルメタクリ
レート、n−セチルメタクリレート、n−ステアリルメ
タクリレート、n−エイコシルメタクリレート等のアル
キルメタクリレート;フェニルメタクリレート、ベンジ
ルメタクリレート、2−フェニルエチルメタクリレー
ト、1−フェニルエチルメタクリレート等の芳香族メタ
クリレート;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルト
ルエン等の芳香族アルケニル化合物;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物;エ
チレン、プロピレン等のα−オレフィン;エチレングリ
コールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタ
クリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレ
ート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート等
の(メタ)アクリレート、アリルメタクリレート、トリ
アリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の
アリル化合物等の重合性不飽和結合を2つ以上有するビ
ニル単量体;グリシジル(メタ)アクリレート、ビニル
グリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ヒド
ロキシアルキル(メタ)アクリレートのグリシジルエー
テル、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート
のグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコール(メ
タ)アクリレートのグリシジルエーテル、ジグリシジル
イタコネート等のエポキシ基を含有するビニル単量体;
アミノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン基、
ハロゲン化カルボニル基等の官能基を含有するビニル単
量体等を例示できる。
用いられるビニル単量体としては、重合性不飽和結合を
1つ以上有するものである。セグメント(b−1)に用
いられるビニル単量体としては、ガラス転移温度が−1
0℃以下となるような組み合わせで選択されたものであ
れば制限はなく、セグメント(b−2)に用いられるビ
ニル単量体としては、ガラス転移温度が50℃以上とな
るような組み合わせで選択されたものであれば制限はな
い。ビニル単量体としては、例えば、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、
イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、
イソブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレー
ト、2−メチルブチルアクリレート、3−メチルブチル
アクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘプチ
ルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチ
ルヘキシルアクリレート、n−デシルアクリレート、n
−ラウリルアクリレート、n−トリデシルアクリレー
ト、n−セチルアクリレート、n−ステアリルアクリレ
ート、n−エイコシルアクリレート等のアルキルアクリ
レート;メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタク
リレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタ
クリレート、sec−ブチルメタクリレート、2−メチ
ルブチルメタクリレート、3−メチルブチルメタクリレ
ート、n−ヘキシルメタクリレート、n−ヘプチルメタ
クリレート、n−オクチルメタクリレート、2−エチル
ヘキシルメタクリレート、n−デシルメタクリレート、
n−ラウリルメタクリレート、n−トリデシルメタクリ
レート、n−セチルメタクリレート、n−ステアリルメ
タクリレート、n−エイコシルメタクリレート等のアル
キルメタクリレート;フェニルメタクリレート、ベンジ
ルメタクリレート、2−フェニルエチルメタクリレー
ト、1−フェニルエチルメタクリレート等の芳香族メタ
クリレート;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルト
ルエン等の芳香族アルケニル化合物;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物;エ
チレン、プロピレン等のα−オレフィン;エチレングリ
コールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタ
クリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレ
ート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート等
の(メタ)アクリレート、アリルメタクリレート、トリ
アリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の
アリル化合物等の重合性不飽和結合を2つ以上有するビ
ニル単量体;グリシジル(メタ)アクリレート、ビニル
グリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ヒド
ロキシアルキル(メタ)アクリレートのグリシジルエー
テル、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート
のグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコール(メ
タ)アクリレートのグリシジルエーテル、ジグリシジル
イタコネート等のエポキシ基を含有するビニル単量体;
アミノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン基、
ハロゲン化カルボニル基等の官能基を含有するビニル単
量体等を例示できる。
【0010】これらのビニル単量体は1種のみを用いて
も2種以上を併用してもよいが、透明性、成形加工性が
優れ、低コストであること等から、ブチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチ
ルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジル
メタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、アク
リロニトリル等を使用することが好ましい。なお、グリ
シジル(メタ)アクリレート、ビニルグリシジルエーテ
ル等のグリシジル基等の反応性官能基含有ビニル単量体
を使用すると、得られる流動性改質剤を配合した熱可塑
性樹脂組成物の流動性、靭性等が低下する場合があるこ
とから、これらは全く使用しないか、ごく少量の使用量
にとどめるのが好ましい。
も2種以上を併用してもよいが、透明性、成形加工性が
優れ、低コストであること等から、ブチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチ
ルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジル
メタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、アク
リロニトリル等を使用することが好ましい。なお、グリ
シジル(メタ)アクリレート、ビニルグリシジルエーテ
ル等のグリシジル基等の反応性官能基含有ビニル単量体
を使用すると、得られる流動性改質剤を配合した熱可塑
性樹脂組成物の流動性、靭性等が低下する場合があるこ
とから、これらは全く使用しないか、ごく少量の使用量
にとどめるのが好ましい。
【0011】本発明の流動性改質剤であるビニル共重合
体(B)は、熱可塑性樹脂(A)の屈折率aと下記式1
の関係を満足する屈折率bを有する。 |a−b|≦0.005…(式1) 式1の左辺の値の絶対値が0.005を超える場合に
は、得られる流動性改質剤を配合した熱可塑性樹脂組成
物の透明性が不十分となる場合がある。
体(B)は、熱可塑性樹脂(A)の屈折率aと下記式1
の関係を満足する屈折率bを有する。 |a−b|≦0.005…(式1) 式1の左辺の値の絶対値が0.005を超える場合に
は、得られる流動性改質剤を配合した熱可塑性樹脂組成
物の透明性が不十分となる場合がある。
【0012】また、ビニル共重合体(B)は少なくとも
10質量%の芳香族ビニル単量体単位を含有することが
好ましい。さらに好ましくは30質量%〜95質量%の
芳香族ビニル単量体単位を含有することが好ましい。こ
れは、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル
単量体単位を含有することによって、ビニル共重合体
(B)は熱安定性を有し、かつ、流動性改質剤として熱
可塑性樹脂(A)へ配合した際の分散性が優れたものと
なるためである。芳香族ビニル単量体単位が10質量%
未満では、ビニル共重合体(B)の熱安定性が低下する
場合がある。さらに、30〜95質量%の芳香族ビニル
単量体単位と、5〜70質量%のブチルアクリレート、
エチルアクリレート等の不飽和カルボン酸エステル単位
からなるビニル共重合体(B)は、流動性改質剤として
熱可塑性樹脂(A)へ配合した際の分散性がより優れた
ものとなりより好ましい。
10質量%の芳香族ビニル単量体単位を含有することが
好ましい。さらに好ましくは30質量%〜95質量%の
芳香族ビニル単量体単位を含有することが好ましい。こ
れは、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル
単量体単位を含有することによって、ビニル共重合体
(B)は熱安定性を有し、かつ、流動性改質剤として熱
可塑性樹脂(A)へ配合した際の分散性が優れたものと
なるためである。芳香族ビニル単量体単位が10質量%
未満では、ビニル共重合体(B)の熱安定性が低下する
場合がある。さらに、30〜95質量%の芳香族ビニル
単量体単位と、5〜70質量%のブチルアクリレート、
エチルアクリレート等の不飽和カルボン酸エステル単位
からなるビニル共重合体(B)は、流動性改質剤として
熱可塑性樹脂(A)へ配合した際の分散性がより優れた
ものとなりより好ましい。
【0013】ビニル共重合体(B)の構造としては、上
述のセグメント(b−1)およびセグメント(b−2)
からなるものであれば特に限定はなく、直鎖型;櫛型、
星型、デンドリマー型、カスケード型等の分岐型;コア
−シェル等の多層型等のものを使用できるが、得られる
流動性改質剤を配合した熱可塑性樹脂組成物の流動性と
機械特性をバランス良く向上させることが可能であるの
で、直鎖状のブロック型や、櫛型、星型等のグラフト型
のものが好ましい。ビニル共重合体(B)をグラフト型
とする場合には、市販のマクロモノマーを用いることで
容易に合成することができる。ビニル共重合体(B)の
重量平均分子量は特に限定されないが、得られる流動性
改質剤を配合した熱可塑性樹脂組成物の流動性、機械強
度、耐久性が優れることから、通常、2000〜500
000、好ましくは4000〜200000、特に好ま
しくは、10000〜100000である。重量平均分
子量が2000未満のビニル共重合体(B)を用いる
と、得られる流動性改質剤を配合した熱可塑性樹脂組成
物の機械強度や耐薬品性等が不十分な場合がある。一
方、重量平均分子量が500000を超えると優れた流
動性を有する熱可塑性樹脂組成物が得られない場合があ
る。
述のセグメント(b−1)およびセグメント(b−2)
からなるものであれば特に限定はなく、直鎖型;櫛型、
星型、デンドリマー型、カスケード型等の分岐型;コア
−シェル等の多層型等のものを使用できるが、得られる
流動性改質剤を配合した熱可塑性樹脂組成物の流動性と
機械特性をバランス良く向上させることが可能であるの
で、直鎖状のブロック型や、櫛型、星型等のグラフト型
のものが好ましい。ビニル共重合体(B)をグラフト型
とする場合には、市販のマクロモノマーを用いることで
容易に合成することができる。ビニル共重合体(B)の
重量平均分子量は特に限定されないが、得られる流動性
改質剤を配合した熱可塑性樹脂組成物の流動性、機械強
度、耐久性が優れることから、通常、2000〜500
000、好ましくは4000〜200000、特に好ま
しくは、10000〜100000である。重量平均分
子量が2000未満のビニル共重合体(B)を用いる
と、得られる流動性改質剤を配合した熱可塑性樹脂組成
物の機械強度や耐薬品性等が不十分な場合がある。一
方、重量平均分子量が500000を超えると優れた流
動性を有する熱可塑性樹脂組成物が得られない場合があ
る。
【0014】また、本発明の流動性改質剤であるビニル
共重合体(B)は、熱可塑性樹脂の数平均分子量Mnと
下記式2の関係を満足する溶融粘度D(Pa・s)を有
することが好ましい。 D<0.005Mn …(式2) (ただし、式2において溶融粘度Dは270℃、角周波
数100rad/秒で測定した値とする。) さらに好ましくは、下記式4の関係を満足する溶融粘度
D(Pa・s)を有することが好ましく、このような場
合、得られる熱可塑性樹脂組成物により著しい流動性向
上効果を付与することができる。 D<0.001Mn…(式4) (ただし、式4において溶融粘度Dは270℃、角周波
数100rad/sで測定した値とする。)
共重合体(B)は、熱可塑性樹脂の数平均分子量Mnと
下記式2の関係を満足する溶融粘度D(Pa・s)を有
することが好ましい。 D<0.005Mn …(式2) (ただし、式2において溶融粘度Dは270℃、角周波
数100rad/秒で測定した値とする。) さらに好ましくは、下記式4の関係を満足する溶融粘度
D(Pa・s)を有することが好ましく、このような場
合、得られる熱可塑性樹脂組成物により著しい流動性向
上効果を付与することができる。 D<0.001Mn…(式4) (ただし、式4において溶融粘度Dは270℃、角周波
数100rad/sで測定した値とする。)
【0015】ビニル共重合体(B)は、バルク、溶液、
乳化、懸濁等の系において、ラジカル重合、アニオン重
合、カチオン重合等の通常公知の重合反応によって製造
される。この場合、必要に応じて、重合開始剤、重合触
媒、連鎖移動剤、分子量調節剤、有機溶媒、分散媒、乳
化剤、分散剤剤等の通常公知の重合添加剤を用いること
ができる。ビニル共重合体(B)をグラフト型とする場
合には、市販のマクロモノマーを用いることが好まし
い。ラジカル重合の重合開始剤としては、tert−ブ
チルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイ
ド等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ
系開始剤または酸化剤、還元剤を組み合わせたレドック
ス系開始剤を例示でき、レドックス系開始剤としては、
硫酸第一鉄、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩、
ロンガリッド、ヒドロパーオキサイドを組み合わせたス
ルホキシレート系開始剤を例示できる。乳化剤として
は、ノニオン系、アニオン系およびカチオン系乳化剤を
例示できる。連鎖移動剤としては、n−オクチルメルカ
プタン、tert−ドデシルメルカプタン等を例示でき
る。重合溶媒としては、トルエン、ベンゼン、ジオキサ
ン、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド、
ジメチルスルホキシド、メチルエチルケトン等を例示で
きる。
乳化、懸濁等の系において、ラジカル重合、アニオン重
合、カチオン重合等の通常公知の重合反応によって製造
される。この場合、必要に応じて、重合開始剤、重合触
媒、連鎖移動剤、分子量調節剤、有機溶媒、分散媒、乳
化剤、分散剤剤等の通常公知の重合添加剤を用いること
ができる。ビニル共重合体(B)をグラフト型とする場
合には、市販のマクロモノマーを用いることが好まし
い。ラジカル重合の重合開始剤としては、tert−ブ
チルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイ
ド等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ
系開始剤または酸化剤、還元剤を組み合わせたレドック
ス系開始剤を例示でき、レドックス系開始剤としては、
硫酸第一鉄、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩、
ロンガリッド、ヒドロパーオキサイドを組み合わせたス
ルホキシレート系開始剤を例示できる。乳化剤として
は、ノニオン系、アニオン系およびカチオン系乳化剤を
例示できる。連鎖移動剤としては、n−オクチルメルカ
プタン、tert−ドデシルメルカプタン等を例示でき
る。重合溶媒としては、トルエン、ベンゼン、ジオキサ
ン、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド、
ジメチルスルホキシド、メチルエチルケトン等を例示で
きる。
【0016】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性
樹脂(A)100質量部に対して、上述の流動改質剤が
0.5〜25質量部配合されてなるものである。流動改
質剤の含有量が0.5質量部未満では、流動性向上効果
が小さく、含有量が25質量部を超えると、熱可塑性樹
脂組成物の耐久性、機械特性等が低下する場合がある。
さらに、流動性改質剤の含有量は熱可塑性樹脂組成物中
1〜10質量部であることが好ましい。このような含有
量とすることによって、耐久性、機械特性を大きく損ね
ることなしに、熱可塑性樹脂の流動性を向上させること
ができる。
樹脂(A)100質量部に対して、上述の流動改質剤が
0.5〜25質量部配合されてなるものである。流動改
質剤の含有量が0.5質量部未満では、流動性向上効果
が小さく、含有量が25質量部を超えると、熱可塑性樹
脂組成物の耐久性、機械特性等が低下する場合がある。
さらに、流動性改質剤の含有量は熱可塑性樹脂組成物中
1〜10質量部であることが好ましい。このような含有
量とすることによって、耐久性、機械特性を大きく損ね
ることなしに、熱可塑性樹脂の流動性を向上させること
ができる。
【0017】本発明で用いられる熱可塑性樹脂(A)に
は特に制限はないが、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、ナイロン等の縮合反応により得られる縮合系熱可塑
性樹脂が好ましい。これらの中でも、透明性の課題を解
決することが最も容易なことから、ポリエステルが好ま
しい。ポリエステルは、ジカルボン酸およびジオールを
エステル化反応またはエステル交換反応後、重合反応し
て得られるものである。ポリエステルを構成するのに用
いられるジカルボン酸としては特に制限はないが、得ら
れるポリエステルの機械特性が優れ、安価であることか
らテレフタル酸が特に好ましい。テレフタル酸以外のジ
カルボン酸としては、例えばイソフタル酸、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフ
ェノキシエタンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、
アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカル
ボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカル
ボン酸等の脂環族ジカルボン酸等が挙げられ、これらの
中ではイソフタル酸が好ましく用いられる。以上に挙げ
たジカルボン酸は1種のみを用いても2種以上を併用し
ても良いが、得られるポリエステルの機械特性が優れ、
安価であることから、ジカルボン酸としてテレフタル酸
を80モル%以上使用することが好ましい。
は特に制限はないが、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、ナイロン等の縮合反応により得られる縮合系熱可塑
性樹脂が好ましい。これらの中でも、透明性の課題を解
決することが最も容易なことから、ポリエステルが好ま
しい。ポリエステルは、ジカルボン酸およびジオールを
エステル化反応またはエステル交換反応後、重合反応し
て得られるものである。ポリエステルを構成するのに用
いられるジカルボン酸としては特に制限はないが、得ら
れるポリエステルの機械特性が優れ、安価であることか
らテレフタル酸が特に好ましい。テレフタル酸以外のジ
カルボン酸としては、例えばイソフタル酸、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフ
ェノキシエタンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、
アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカル
ボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカル
ボン酸等の脂環族ジカルボン酸等が挙げられ、これらの
中ではイソフタル酸が好ましく用いられる。以上に挙げ
たジカルボン酸は1種のみを用いても2種以上を併用し
ても良いが、得られるポリエステルの機械特性が優れ、
安価であることから、ジカルボン酸としてテレフタル酸
を80モル%以上使用することが好ましい。
【0018】また、ポリエステルを構成するのに用いら
れるジオールとしては、特に制限はないが得られるポリ
エステルの耐熱性が優れ、安価であることからエチレン
グリコールが特に好ましい。エチレングリコール以外の
ジオールとしては、例えばジエチレングリコール、トリ
メチレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ドデ
カメチレングリコール、トリエチレングリコール、テト
ラエチレングリコール、ポリエチレングリコール等の脂
肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環
族グリコール、ビスフェノール類、ハイドロキノン、
2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)
プロパン等の芳香族ジオール等が挙げられ、これらの中
ではジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキ
シフェニル)プロパンが好ましく用いられる。以上に挙
げたジオールは、1種のみを用いても2種以上を併用し
ても良いが、得られるポリエステルの耐熱性が優れ、安
価であることから、ジオールとしてエチレングリコール
を80モル%以上使用することが好ましい。
れるジオールとしては、特に制限はないが得られるポリ
エステルの耐熱性が優れ、安価であることからエチレン
グリコールが特に好ましい。エチレングリコール以外の
ジオールとしては、例えばジエチレングリコール、トリ
メチレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ドデ
カメチレングリコール、トリエチレングリコール、テト
ラエチレングリコール、ポリエチレングリコール等の脂
肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環
族グリコール、ビスフェノール類、ハイドロキノン、
2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)
プロパン等の芳香族ジオール等が挙げられ、これらの中
ではジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキ
シフェニル)プロパンが好ましく用いられる。以上に挙
げたジオールは、1種のみを用いても2種以上を併用し
ても良いが、得られるポリエステルの耐熱性が優れ、安
価であることから、ジオールとしてエチレングリコール
を80モル%以上使用することが好ましい。
【0019】ポリエステルとしては、以上説明したジカ
ルボン酸およびジオールから得られるものであれば、特
に制限はないが、繰り返し単位の80モル%以上がエチ
レンテレフタレートであるものが好ましい。エチレンテ
レフタレートが繰り返し単位の80モル%未満では、耐
熱性、機械強度、靱性等の特性が損なわれる場合があ
る。また、ポリエステルは、その数平均分子量Mnが1
2000以上であることが好ましい。数平均分子量Mn
が12000未満であると得られるポリエステルの耐熱
性、機械特性等が低下する場合がある。実用的な観点か
ら、ポリエステルの数平均分子量Mnは15000〜3
0000であればさらに好ましい。
ルボン酸およびジオールから得られるものであれば、特
に制限はないが、繰り返し単位の80モル%以上がエチ
レンテレフタレートであるものが好ましい。エチレンテ
レフタレートが繰り返し単位の80モル%未満では、耐
熱性、機械強度、靱性等の特性が損なわれる場合があ
る。また、ポリエステルは、その数平均分子量Mnが1
2000以上であることが好ましい。数平均分子量Mn
が12000未満であると得られるポリエステルの耐熱
性、機械特性等が低下する場合がある。実用的な観点か
ら、ポリエステルの数平均分子量Mnは15000〜3
0000であればさらに好ましい。
【0020】ポリエステルは、通常、ジカルボン酸成分
およびジオール成分を反応釜に仕込み、加熱昇温して、
エステル化反応またはエステル交換反応を行い、その後
引き続いて重合反応を行うことによって得られる。エス
テル化反応またはエステル交換反応には、必要に応じて
チタンブトキサイド、ジブチルスズオキシド、酢酸マグ
ネシウム、酢酸マンガン等の通常使用されるエステル化
触媒またはエステル交換触媒を使用することができる。
エステル化反応またはエステル交換反応後には、常法に
従って該反応で生じた水またはアルコールを除去する。
重合反応は、150mmHg以下の真空下でジオール成
分を留出除去させながら重合を行うことが好ましい。重
合に際しては通常公知の重合触媒、例えばチタンブトキ
サイド、ジブチルスズオキシド、酢酸スズ、酢酸亜鉛、
二硫化スズ、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマンニウム
等を用いることができる。また、重合温度、触媒量につ
いては特に限定されるものではなく、必要に応じて任意
に設定することができる。また、必要に応じて固相重合
を行い、高重合度のポリエステルを製造することもでき
る。
およびジオール成分を反応釜に仕込み、加熱昇温して、
エステル化反応またはエステル交換反応を行い、その後
引き続いて重合反応を行うことによって得られる。エス
テル化反応またはエステル交換反応には、必要に応じて
チタンブトキサイド、ジブチルスズオキシド、酢酸マグ
ネシウム、酢酸マンガン等の通常使用されるエステル化
触媒またはエステル交換触媒を使用することができる。
エステル化反応またはエステル交換反応後には、常法に
従って該反応で生じた水またはアルコールを除去する。
重合反応は、150mmHg以下の真空下でジオール成
分を留出除去させながら重合を行うことが好ましい。重
合に際しては通常公知の重合触媒、例えばチタンブトキ
サイド、ジブチルスズオキシド、酢酸スズ、酢酸亜鉛、
二硫化スズ、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマンニウム
等を用いることができる。また、重合温度、触媒量につ
いては特に限定されるものではなく、必要に応じて任意
に設定することができる。また、必要に応じて固相重合
を行い、高重合度のポリエステルを製造することもでき
る。
【0021】熱可塑性樹脂組成物には、ポリエステル等
の熱可塑性樹脂(A)、ビニル共重合体(B)からなる
流動性改質剤以外に、所望により他の樹脂を混合しても
よい。これらを混合する方法としては、全体として実質
的に均一に混合できる方法であれば特に制限されること
なく、樹脂同士の混合に通常用いられている公知の方法
を適用することができる。例えば、溶融混合法を採用す
る場合、溶融押出機を用いて200〜300℃で溶融混
合すればよい。上記溶融押出機としては、例えば単軸ス
クリュー押出機、二軸押出機、多層押出機を用いること
ができる。また、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、特
定の性能を付与するために各種添加剤もしくは充填剤を
配合することもできる。添加剤および充填剤の例として
は、ガラス繊維、炭素繊維等の強化用繊維、シリカ、タ
ルク、カオリン、炭酸カルシウム等の無機粒子、酸化チ
タン、カーボンブラック等の顔料、紫外線吸収剤、離型
剤、難燃剤等が挙げられる。本発明の熱可塑性樹脂組成
物は、特に、医療用採血管、しきり板、パネル、ケー
ス、カップなど薄肉成形品用途等に用いる射出成形用材
料として極めて有用である。
の熱可塑性樹脂(A)、ビニル共重合体(B)からなる
流動性改質剤以外に、所望により他の樹脂を混合しても
よい。これらを混合する方法としては、全体として実質
的に均一に混合できる方法であれば特に制限されること
なく、樹脂同士の混合に通常用いられている公知の方法
を適用することができる。例えば、溶融混合法を採用す
る場合、溶融押出機を用いて200〜300℃で溶融混
合すればよい。上記溶融押出機としては、例えば単軸ス
クリュー押出機、二軸押出機、多層押出機を用いること
ができる。また、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、特
定の性能を付与するために各種添加剤もしくは充填剤を
配合することもできる。添加剤および充填剤の例として
は、ガラス繊維、炭素繊維等の強化用繊維、シリカ、タ
ルク、カオリン、炭酸カルシウム等の無機粒子、酸化チ
タン、カーボンブラック等の顔料、紫外線吸収剤、離型
剤、難燃剤等が挙げられる。本発明の熱可塑性樹脂組成
物は、特に、医療用採血管、しきり板、パネル、ケー
ス、カップなど薄肉成形品用途等に用いる射出成形用材
料として極めて有用である。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例をげて詳細に説明す
る。なお、例中の「部」は特に説明のない限り「質量
部」を表す。 [実施例1] [ビニル共重合体(B1)の合成]メチルエチルケトン
150部を冷却管および攪拌翼を備えたセパラブルフラ
スコに仕込み、水浴中75℃に昇温した後、n−ブチル
アクリレート11.5部、スチレンマクロモノマー(A
S−6、片末端メタクリロイル基、数平均分子量600
0、東亜合成製)88.5部、アゾビスイソブチロニト
リル5部、n−オクチルメルカプタン5部の混合物を4
時間かけて滴下し、ラジカル重合を開始した。滴下終了
後3時間保持して重合を完了し、ビニル共重合体のメチ
ルエチルケトン溶液を得た。この溶液をメタノール中に
注入して固形分を沈降させて回収した後乾燥し、屈折率
1.576、重量平均分子量49000のビニル共重合
体(B1)を得た。ビニル共重合体(B1)はn−ブチ
ルアクリレートからなるセグメント(b−1)の主鎖に
スチレンマクロモノマーからなるセグメント(b−2)
の側鎖がぶら下がったグラフト型の共重合体である。仕
込組成から、n−ブチルアクリレートからなるセグメン
ト(b−1)のセグメント分子量は、約700であっ
た。このセグメント(b−1)のガラス転移温度は計算
により−54℃であった。スチレンマクロモノマーから
なるセグメント(b−2)のガラス転移温度は計算によ
り100℃であった。また、ビニル共重合体(B1)の
溶融粘度は5Pa・sであった。なお、ビニル共重合体
(B1)の溶融粘度Dは、レオメトリック製レオメータ
ーRDA−700を用い、270℃、角周波数100r
ad/sにおける値を測定した。これらの物性値と仕込
み組成値をあわせて表1に示す。 [ポリエステル樹脂組成物の製造]テレフタル酸成分9
4モル%、イソフタル酸成分6モル%およびエチレング
リコールから、溶融重合および固相重合の2段階の重合
によりポリエステル(A1)を得た。ポリエステル(A
1)の数平均分子量を測定した結果を表2に示す。な
お、数平均分子量は、東ソー製ゲル浸透クロマトグラフ
を用い、クロロホルム/ヘキサフロロイソプロパノール
=9/1混合溶媒を用いて標準ポリスチレン換算により
求めた。このポリエステル(A1)のペレット100部
に対し、上記ビニル共重合体(B1)を10部の割合で
2軸押し出し機に供給し、270℃で溶融混練して表2
に示すポリエステル樹脂組成物を得た。
る。なお、例中の「部」は特に説明のない限り「質量
部」を表す。 [実施例1] [ビニル共重合体(B1)の合成]メチルエチルケトン
150部を冷却管および攪拌翼を備えたセパラブルフラ
スコに仕込み、水浴中75℃に昇温した後、n−ブチル
アクリレート11.5部、スチレンマクロモノマー(A
S−6、片末端メタクリロイル基、数平均分子量600
0、東亜合成製)88.5部、アゾビスイソブチロニト
リル5部、n−オクチルメルカプタン5部の混合物を4
時間かけて滴下し、ラジカル重合を開始した。滴下終了
後3時間保持して重合を完了し、ビニル共重合体のメチ
ルエチルケトン溶液を得た。この溶液をメタノール中に
注入して固形分を沈降させて回収した後乾燥し、屈折率
1.576、重量平均分子量49000のビニル共重合
体(B1)を得た。ビニル共重合体(B1)はn−ブチ
ルアクリレートからなるセグメント(b−1)の主鎖に
スチレンマクロモノマーからなるセグメント(b−2)
の側鎖がぶら下がったグラフト型の共重合体である。仕
込組成から、n−ブチルアクリレートからなるセグメン
ト(b−1)のセグメント分子量は、約700であっ
た。このセグメント(b−1)のガラス転移温度は計算
により−54℃であった。スチレンマクロモノマーから
なるセグメント(b−2)のガラス転移温度は計算によ
り100℃であった。また、ビニル共重合体(B1)の
溶融粘度は5Pa・sであった。なお、ビニル共重合体
(B1)の溶融粘度Dは、レオメトリック製レオメータ
ーRDA−700を用い、270℃、角周波数100r
ad/sにおける値を測定した。これらの物性値と仕込
み組成値をあわせて表1に示す。 [ポリエステル樹脂組成物の製造]テレフタル酸成分9
4モル%、イソフタル酸成分6モル%およびエチレング
リコールから、溶融重合および固相重合の2段階の重合
によりポリエステル(A1)を得た。ポリエステル(A
1)の数平均分子量を測定した結果を表2に示す。な
お、数平均分子量は、東ソー製ゲル浸透クロマトグラフ
を用い、クロロホルム/ヘキサフロロイソプロパノール
=9/1混合溶媒を用いて標準ポリスチレン換算により
求めた。このポリエステル(A1)のペレット100部
に対し、上記ビニル共重合体(B1)を10部の割合で
2軸押し出し機に供給し、270℃で溶融混練して表2
に示すポリエステル樹脂組成物を得た。
【0023】[ポリエステル(A1)およびポリエステ
ル樹脂組成物の諸特性の測定]得られたポリエステル樹
脂組成物の溶融粘度C、Iz衝撃強度を測定し、さらに
透明性試験を行った。また、上記ビニル共重合体(B
1)とポリエステル(A1)の屈折率を測定し、その差
を求めた。溶融粘度C、Iz衝撃強度、屈折率差を表2
に示す。得られたポリエステル樹脂組成物は流動性、透
明性および機械特性(Iz衝撃強度)に優れていた。な
お、溶融粘度Cは、東洋精機製作所製キャピログラフを
使用し、直径1mm、L/D=10のオリフィスを用い
て、270℃、せん断速度1200(1/秒)で押し出
した際の値を測定した。Iz衝撃強度は、ASTM D
256に準拠して測定した。なお、試験片の成形は射出
成形機を用い、シリンダー温度270℃、金型温度10
℃にて行った。屈折率は、ビニル共重合体、ポリエステ
ル樹脂をそれぞれ単独に加熱して、成形が可能な温度で
軟化または溶融させてプレス成形した後、急速に冷却固
化し薄い平板とした。これをアタゴ社製アッベ屈折率計
を用いてJIS K7105に準拠して屈折率を測定し
た。ポリエステル樹脂組成物の透明性試験は、屈折率測
定と同様の方法で、樹脂組成物を1mm厚の平板にプレ
ス成形し、その透明性を目視で判断した。表2中、○は
透明、×は不透明であることを示す。
ル樹脂組成物の諸特性の測定]得られたポリエステル樹
脂組成物の溶融粘度C、Iz衝撃強度を測定し、さらに
透明性試験を行った。また、上記ビニル共重合体(B
1)とポリエステル(A1)の屈折率を測定し、その差
を求めた。溶融粘度C、Iz衝撃強度、屈折率差を表2
に示す。得られたポリエステル樹脂組成物は流動性、透
明性および機械特性(Iz衝撃強度)に優れていた。な
お、溶融粘度Cは、東洋精機製作所製キャピログラフを
使用し、直径1mm、L/D=10のオリフィスを用い
て、270℃、せん断速度1200(1/秒)で押し出
した際の値を測定した。Iz衝撃強度は、ASTM D
256に準拠して測定した。なお、試験片の成形は射出
成形機を用い、シリンダー温度270℃、金型温度10
℃にて行った。屈折率は、ビニル共重合体、ポリエステ
ル樹脂をそれぞれ単独に加熱して、成形が可能な温度で
軟化または溶融させてプレス成形した後、急速に冷却固
化し薄い平板とした。これをアタゴ社製アッベ屈折率計
を用いてJIS K7105に準拠して屈折率を測定し
た。ポリエステル樹脂組成物の透明性試験は、屈折率測
定と同様の方法で、樹脂組成物を1mm厚の平板にプレ
ス成形し、その透明性を目視で判断した。表2中、○は
透明、×は不透明であることを示す。
【0024】[実施例2]n−ブチルアクリレート1
1.5部、スチレンマクロモノマー(AS−6、片末端
メタクリロイル基、数平均分子量6000、東亜合成
製)88.5部の代わりに、n−ブチルアクリレート1
1.5部、スチレン7.5部、スチレンマクロモノマー
(AS−6、片末端メタクリロイル基、数平均分子量6
000、東亜合成製)81部を用いた以外は実施例1と
同様にして、屈折率1.576、重量平均分子量270
00のビニル共重合体(B2)を合成した。ビニル共重
合体(B2)はn−ブチルアクリレートとスチレンから
なるセグメント(b−1)の主鎖にスチレンマクロモノ
マーからなるセグメント(b−2)の側鎖がぶら下がっ
たグラフト型の共重合体である。仕込組成から、n−ブ
チルアクリレートとスチレンからなるセグメント(b−
1)のセグメント分子量は、約1300であった。この
セグメント(b−1)のガラス転移温度は、計算により
−11℃であった。スチレンマクロモノマーからなるセ
グメント(b−2)のガラス転移温度は計算により10
0℃であった。また、実施例1と同様にして測定したビ
ニル共重合体(B2)の溶融粘度Dは1Pa・sであっ
た。これらの物性値と仕込み組成値をあわせて表1に示
す。ビニル共重合体(B1)の代わりにビニル共重合体
(B2)を用いた以外は実施例1と同様にして、表2に
示すポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエス
テル樹脂組成物の溶融粘度C、Iz衝撃強度を実施例1
と同様にして測定し、さらに透明性試験を行った。ま
た、ビニル共重合体(B2)の屈折率を測定し、ポリエ
ステル(A1)との屈折率差を求めた。溶融粘度C、I
z衝撃強度、屈折率差を表2に示す。得られたポリエス
テル樹脂組成物は流動性、透明性および機械特性(Iz
衝撃強度)に優れていた。
1.5部、スチレンマクロモノマー(AS−6、片末端
メタクリロイル基、数平均分子量6000、東亜合成
製)88.5部の代わりに、n−ブチルアクリレート1
1.5部、スチレン7.5部、スチレンマクロモノマー
(AS−6、片末端メタクリロイル基、数平均分子量6
000、東亜合成製)81部を用いた以外は実施例1と
同様にして、屈折率1.576、重量平均分子量270
00のビニル共重合体(B2)を合成した。ビニル共重
合体(B2)はn−ブチルアクリレートとスチレンから
なるセグメント(b−1)の主鎖にスチレンマクロモノ
マーからなるセグメント(b−2)の側鎖がぶら下がっ
たグラフト型の共重合体である。仕込組成から、n−ブ
チルアクリレートとスチレンからなるセグメント(b−
1)のセグメント分子量は、約1300であった。この
セグメント(b−1)のガラス転移温度は、計算により
−11℃であった。スチレンマクロモノマーからなるセ
グメント(b−2)のガラス転移温度は計算により10
0℃であった。また、実施例1と同様にして測定したビ
ニル共重合体(B2)の溶融粘度Dは1Pa・sであっ
た。これらの物性値と仕込み組成値をあわせて表1に示
す。ビニル共重合体(B1)の代わりにビニル共重合体
(B2)を用いた以外は実施例1と同様にして、表2に
示すポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエス
テル樹脂組成物の溶融粘度C、Iz衝撃強度を実施例1
と同様にして測定し、さらに透明性試験を行った。ま
た、ビニル共重合体(B2)の屈折率を測定し、ポリエ
ステル(A1)との屈折率差を求めた。溶融粘度C、I
z衝撃強度、屈折率差を表2に示す。得られたポリエス
テル樹脂組成物は流動性、透明性および機械特性(Iz
衝撃強度)に優れていた。
【0025】[実施例3]n−ブチルアクリレート1
1.5部、スチレンマクロモノマー(AS−6、片末端
メタクリロイル基、数平均分子量6000、東亜合成
製)88.5部の代わりに、n−ブチルアクリレート1
1.5部、スチレン88.5部を用い、アゾビスイソブ
チロニトリル1部とし、n−オクチルメルカプタンを用
いなかった以外は実施例1と同様にして、屈折率1.5
76、重量平均分子量20000のビニル共重合体(B
3)を合成した。ビニル共重合体(B3)はn−ブチル
アクリレートとスチレンがランダムに重合した直鎖状の
共重合体であり、セグメント(b−1)およびセグメン
ト(b−2)を有していなかった。また、実施例1と同
様にして測定したビニル共重合体(B3)の溶融粘度D
は0.4Pa・sであった。これらの物性値と仕込み組
成値をあわせて表1に示す。ビニル共重合体(B1)6
部とビニル共重合体(B3)4部を用いた以外は実施例
1と同様にして、表2に示すポリエステル樹脂組成物を
得た。得られたポリエステル樹脂組成物の溶融粘度C、
Iz衝撃強度を実施例1と同様にして測定し、さらに透
明性試験を行った。また、ビニル共重合体(B1)およ
び(B3)の屈折率を測定し、ポリエステル(A1)と
の屈折率差を求めた。溶融粘度C、Iz衝撃強度、屈折
率差を表2に示す。得られたポリエステル樹脂組成物は
流動性、透明性および機械特性(Iz衝撃強度)に優れ
ていた。
1.5部、スチレンマクロモノマー(AS−6、片末端
メタクリロイル基、数平均分子量6000、東亜合成
製)88.5部の代わりに、n−ブチルアクリレート1
1.5部、スチレン88.5部を用い、アゾビスイソブ
チロニトリル1部とし、n−オクチルメルカプタンを用
いなかった以外は実施例1と同様にして、屈折率1.5
76、重量平均分子量20000のビニル共重合体(B
3)を合成した。ビニル共重合体(B3)はn−ブチル
アクリレートとスチレンがランダムに重合した直鎖状の
共重合体であり、セグメント(b−1)およびセグメン
ト(b−2)を有していなかった。また、実施例1と同
様にして測定したビニル共重合体(B3)の溶融粘度D
は0.4Pa・sであった。これらの物性値と仕込み組
成値をあわせて表1に示す。ビニル共重合体(B1)6
部とビニル共重合体(B3)4部を用いた以外は実施例
1と同様にして、表2に示すポリエステル樹脂組成物を
得た。得られたポリエステル樹脂組成物の溶融粘度C、
Iz衝撃強度を実施例1と同様にして測定し、さらに透
明性試験を行った。また、ビニル共重合体(B1)およ
び(B3)の屈折率を測定し、ポリエステル(A1)と
の屈折率差を求めた。溶融粘度C、Iz衝撃強度、屈折
率差を表2に示す。得られたポリエステル樹脂組成物は
流動性、透明性および機械特性(Iz衝撃強度)に優れ
ていた。
【0026】[比較例1]ビニル共重合体(B1)の代
わりにビニル共重合体(B3)を用いた以外は実施例1
と同様にして、表2に示すポリエステル樹脂組成物を得
た。得られたポリエステル樹脂組成物の溶融粘度C、I
z衝撃強度を実施例1と同様にして測定し、さらに透明
性試験を行った。また、ビニル共重合体(B3)の屈折
率を測定し、ポリエステル(A1)との屈折率差を求め
た。溶融粘度C、Iz衝撃強度、屈折率差を表2に示
す。得られたポリエステル樹脂組成物は流動性、透明性
には優れていたが、機械特性(Iz衝撃強度)に劣って
いた。
わりにビニル共重合体(B3)を用いた以外は実施例1
と同様にして、表2に示すポリエステル樹脂組成物を得
た。得られたポリエステル樹脂組成物の溶融粘度C、I
z衝撃強度を実施例1と同様にして測定し、さらに透明
性試験を行った。また、ビニル共重合体(B3)の屈折
率を測定し、ポリエステル(A1)との屈折率差を求め
た。溶融粘度C、Iz衝撃強度、屈折率差を表2に示
す。得られたポリエステル樹脂組成物は流動性、透明性
には優れていたが、機械特性(Iz衝撃強度)に劣って
いた。
【0027】[比較例2]n−ブチルアクリレート1
1.5部、スチレンマクロモノマー(AS−6、片末端
メタクリロイル基、数平均分子量6000、東亜合成
製)88.5部の代わりに、n−ブチルアクリレート7
0部、スチレン30部を用い、アゾビスイソブチロニト
リル1部とし、n−オクチルメルカプタンを用いなかっ
た以外は実施例1と同様にして、屈折率1.499、重
量平均分子量30000のビニル共重合体(B4)を合
成した。ビニル共重合体(B4)はn−ブチルアクリレ
ートとスチレンがランダムに重合した直鎖状の共重合体
であり、セグメント(b−1)およびセグメント(b−
2)を有していなかった。また、実施例1と同様にして
測定したビニル共重合体(B4)の溶融粘度Dは0.0
1Pa・sであった。これらの物性値と仕込み組成値を
あわせて表1に示す。ビニル共重合体(B1)の代わり
にビニル共重合体(B4)を用いた以外は実施例1と同
様にして、表2に示すポリエステル樹脂組成物を得た。
得られたポリエステル樹脂組成物の溶融粘度C、Iz衝
撃強度を実施例1と同様にして測定し、さらに透明性試
験を行った。また、ビニル共重合体(B4)の屈折率を
測定し、ポリエステル(A1)との屈折率差を求めた。
溶融粘度C、Iz衝撃強度、屈折率差を表2に示す。得
られたポリエステル樹脂組成物は流動性には優れていた
が、機械特性(Iz衝撃強度)、透明性に劣っていた。
1.5部、スチレンマクロモノマー(AS−6、片末端
メタクリロイル基、数平均分子量6000、東亜合成
製)88.5部の代わりに、n−ブチルアクリレート7
0部、スチレン30部を用い、アゾビスイソブチロニト
リル1部とし、n−オクチルメルカプタンを用いなかっ
た以外は実施例1と同様にして、屈折率1.499、重
量平均分子量30000のビニル共重合体(B4)を合
成した。ビニル共重合体(B4)はn−ブチルアクリレ
ートとスチレンがランダムに重合した直鎖状の共重合体
であり、セグメント(b−1)およびセグメント(b−
2)を有していなかった。また、実施例1と同様にして
測定したビニル共重合体(B4)の溶融粘度Dは0.0
1Pa・sであった。これらの物性値と仕込み組成値を
あわせて表1に示す。ビニル共重合体(B1)の代わり
にビニル共重合体(B4)を用いた以外は実施例1と同
様にして、表2に示すポリエステル樹脂組成物を得た。
得られたポリエステル樹脂組成物の溶融粘度C、Iz衝
撃強度を実施例1と同様にして測定し、さらに透明性試
験を行った。また、ビニル共重合体(B4)の屈折率を
測定し、ポリエステル(A1)との屈折率差を求めた。
溶融粘度C、Iz衝撃強度、屈折率差を表2に示す。得
られたポリエステル樹脂組成物は流動性には優れていた
が、機械特性(Iz衝撃強度)、透明性に劣っていた。
【0028】[比較例3]n−ブチルアクリレート1
1.5部、スチレンマクロモノマー(AS−6、片末端
メタクリロイル基、数平均分子量6000、東亜合成
製)88.5部の代わりに、n−ブチルアクリレート6
0部、スチレンマクロモノマー(AS−6S、片末端メ
タクリロイル基、数平均分子量6000、東亜合成製)
40部を用い、アゾビスイソブチロニトリル0.75部
とし、n−オクチルメルカプタンを用いなかった以外は
実施例1と同様にして、屈折率1.512、重量平均分
子量54000のビニル共重合体(B5)を合成した。
ビニル共重合体(B5)はn−ブチルアクリレートから
なるセグメント(b−1)の主鎖にスチレンマクロモノ
マーからなるセグメント(b−2)の側鎖がぶら下がっ
たグラフト型の共重合体である。仕込組成から、n−ブ
チルアクリレートからなるセグメント(b−1)のセグ
メント分子量は、約9000であった。このセグメント
(b−1)のガラス転移温度は計算により−54℃であ
った。スチレンマクロモノマーからなるセグメント(b
−2)のガラス転移温度は計算により100℃であっ
た。また、実施例1と同様にして測定したビニル共重合
体(B5)の溶融粘度Dは0.02Pa・sであった。
これらの物性値と仕込み組成値をあわせて表1に示す。
ビニル共重合体(B1)の代わりにビニル共重合体(B
5)を用いた以外は実施例1と同様にして、表2に示す
ポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル
樹脂組成物の溶融粘度C、Iz衝撃強度を実施例1と同
様にして測定し、さらに透明性試験を行った。また、ビ
ニル共重合体(B5)の屈折率は、n−ブチルアクリレ
ートからなるセグメント分子量が大きく、セグメントサ
イズが大きいため透明性が低下し、測定不能であった。
溶融粘度C、Iz衝撃強度を表2に示す。得られたポリ
エステル樹脂組成物は流動性、機械特性(Iz衝撃強
度)には優れていたが、透明性に劣っていた。
1.5部、スチレンマクロモノマー(AS−6、片末端
メタクリロイル基、数平均分子量6000、東亜合成
製)88.5部の代わりに、n−ブチルアクリレート6
0部、スチレンマクロモノマー(AS−6S、片末端メ
タクリロイル基、数平均分子量6000、東亜合成製)
40部を用い、アゾビスイソブチロニトリル0.75部
とし、n−オクチルメルカプタンを用いなかった以外は
実施例1と同様にして、屈折率1.512、重量平均分
子量54000のビニル共重合体(B5)を合成した。
ビニル共重合体(B5)はn−ブチルアクリレートから
なるセグメント(b−1)の主鎖にスチレンマクロモノ
マーからなるセグメント(b−2)の側鎖がぶら下がっ
たグラフト型の共重合体である。仕込組成から、n−ブ
チルアクリレートからなるセグメント(b−1)のセグ
メント分子量は、約9000であった。このセグメント
(b−1)のガラス転移温度は計算により−54℃であ
った。スチレンマクロモノマーからなるセグメント(b
−2)のガラス転移温度は計算により100℃であっ
た。また、実施例1と同様にして測定したビニル共重合
体(B5)の溶融粘度Dは0.02Pa・sであった。
これらの物性値と仕込み組成値をあわせて表1に示す。
ビニル共重合体(B1)の代わりにビニル共重合体(B
5)を用いた以外は実施例1と同様にして、表2に示す
ポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル
樹脂組成物の溶融粘度C、Iz衝撃強度を実施例1と同
様にして測定し、さらに透明性試験を行った。また、ビ
ニル共重合体(B5)の屈折率は、n−ブチルアクリレ
ートからなるセグメント分子量が大きく、セグメントサ
イズが大きいため透明性が低下し、測定不能であった。
溶融粘度C、Iz衝撃強度を表2に示す。得られたポリ
エステル樹脂組成物は流動性、機械特性(Iz衝撃強
度)には優れていたが、透明性に劣っていた。
【0029】[比較例4]ビニル共重合体(B1)を添
加しない以外は実施例1と同様にして、表2に示すポリ
エステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂
組成物の溶融粘度C、Iz衝撃強度を実施例1と同様に
して測定し、さらに透明性試験を行った。溶融粘度C、
Iz衝撃強度を表2に示す。得られたポリエステル樹脂
組成物は透明性、機械特性(Iz衝撃強度)には優れて
いたが、流動性に劣っていた。
加しない以外は実施例1と同様にして、表2に示すポリ
エステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂
組成物の溶融粘度C、Iz衝撃強度を実施例1と同様に
して測定し、さらに透明性試験を行った。溶融粘度C、
Iz衝撃強度を表2に示す。得られたポリエステル樹脂
組成物は透明性、機械特性(Iz衝撃強度)には優れて
いたが、流動性に劣っていた。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】ビニル共重合体(B1)を添加した実施例
1のポリエステル樹脂組成物は、未添加の比較例4のポ
リエステル(A1)に比べ、透明性、衝撃強度を維持し
たまま高流動化されている。ビニル共重合体(B2)を
添加した実施例2のポリエステル樹脂組成物は、実施例
1のポリエステル樹脂組成物と同様、透明性、衝撃強度
を維持したまま高流動化されている。ビニル共重合体
(B1)および(B3)を添加した実施例3のポリエス
テル樹脂組成物は、実施例1のポリエステル樹脂組成物
より耐衝撃性でわずかに劣るものの、透明性を維持した
まま高流動化されている。実施例1と比較例1を比べる
と、比較例1のポリエステル樹脂組成物は、透明で高流
動化されているが、衝撃強度が低下している。ビニル共
重合体(B3)の構造がランダム共重合体であり、セグ
メント(b−1)とセグメント(b−2)を有していな
いためである。実施例1と比較例2を比べると、比較例
2のポリエステル樹脂組成物は、高流動化されているが
不透明で衝撃強度が低い。ビニル共重合体(B4)の構
造がランダム共重合体であり、セグメント(b−1)と
セグメント(b−2)を有していないうえに、ビニル共
重合体(B4)の屈折率とポリエステル(A1)の屈折
率の差が大きいためである。実施例1と比較例3を比べ
ると、比較例3のポリエステル樹脂組成物は、高流動化
され衝撃強度も維持されているものの透明性に劣る。ビ
ニル共重合体(B5)の構造はグラフト型ではあるが、
ビニル共重合体(B5)のn−ブチルアクリレートから
なるセグメント分子量が大きく、セグメントサイズが大
きいため透明性が低下したのである。
1のポリエステル樹脂組成物は、未添加の比較例4のポ
リエステル(A1)に比べ、透明性、衝撃強度を維持し
たまま高流動化されている。ビニル共重合体(B2)を
添加した実施例2のポリエステル樹脂組成物は、実施例
1のポリエステル樹脂組成物と同様、透明性、衝撃強度
を維持したまま高流動化されている。ビニル共重合体
(B1)および(B3)を添加した実施例3のポリエス
テル樹脂組成物は、実施例1のポリエステル樹脂組成物
より耐衝撃性でわずかに劣るものの、透明性を維持した
まま高流動化されている。実施例1と比較例1を比べる
と、比較例1のポリエステル樹脂組成物は、透明で高流
動化されているが、衝撃強度が低下している。ビニル共
重合体(B3)の構造がランダム共重合体であり、セグ
メント(b−1)とセグメント(b−2)を有していな
いためである。実施例1と比較例2を比べると、比較例
2のポリエステル樹脂組成物は、高流動化されているが
不透明で衝撃強度が低い。ビニル共重合体(B4)の構
造がランダム共重合体であり、セグメント(b−1)と
セグメント(b−2)を有していないうえに、ビニル共
重合体(B4)の屈折率とポリエステル(A1)の屈折
率の差が大きいためである。実施例1と比較例3を比べ
ると、比較例3のポリエステル樹脂組成物は、高流動化
され衝撃強度も維持されているものの透明性に劣る。ビ
ニル共重合体(B5)の構造はグラフト型ではあるが、
ビニル共重合体(B5)のn−ブチルアクリレートから
なるセグメント分子量が大きく、セグメントサイズが大
きいため透明性が低下したのである。
【0033】以上から、少なくとも一種のビニル単量体
から構成され、ガラス転移温度が−10℃以下で分子量
が500以上のポリマーからなるセグメント(b−1)
と、少なくとも一種のビニル単量体から構成され、ガラ
ス転移温度が50℃以上のポリマーからなるセグメント
(b−2)からなるビニル共重合体(B)であり、熱可
塑性樹脂(A)の屈折率aと下記式1の関係を満足する
屈折率bを有することを特徴とする流動性改質剤を、ポ
リエステル樹脂100質量部に対し0.5〜25質量部
となるように添加して得られたポリエステル樹脂組成物
は、流動性に優れ、かつ機械強度(Iz衝撃強度)、透
明性にも優れたものであった。 |a−b|≦0.005…(式1)
から構成され、ガラス転移温度が−10℃以下で分子量
が500以上のポリマーからなるセグメント(b−1)
と、少なくとも一種のビニル単量体から構成され、ガラ
ス転移温度が50℃以上のポリマーからなるセグメント
(b−2)からなるビニル共重合体(B)であり、熱可
塑性樹脂(A)の屈折率aと下記式1の関係を満足する
屈折率bを有することを特徴とする流動性改質剤を、ポ
リエステル樹脂100質量部に対し0.5〜25質量部
となるように添加して得られたポリエステル樹脂組成物
は、流動性に優れ、かつ機械強度(Iz衝撃強度)、透
明性にも優れたものであった。 |a−b|≦0.005…(式1)
【0034】
【発明の効果】本発明の流動性改質剤は熱可塑性樹脂、
特にポリエステルの流動性改質に適したものであり、こ
の流動性改質剤を含む熱可塑性樹脂組成物は、流動性、
透明性に優れ、かつ、高い機械強度や靭性を有し、ブリ
ードアウトの発生や、耐熱性、耐久性の低下を招くこと
なく、低コストで得られるものである。本発明の流動性
改質剤を配合して得られる熱可塑性樹脂組成物は、特
に、医療用採血管、しきり板、パネル、ケース、カップ
など薄肉成形品用途等に用いる射出成形用材料として極
めて有用である。
特にポリエステルの流動性改質に適したものであり、こ
の流動性改質剤を含む熱可塑性樹脂組成物は、流動性、
透明性に優れ、かつ、高い機械強度や靭性を有し、ブリ
ードアウトの発生や、耐熱性、耐久性の低下を招くこと
なく、低コストで得られるものである。本発明の流動性
改質剤を配合して得られる熱可塑性樹脂組成物は、特
に、医療用採血管、しきり板、パネル、ケース、カップ
など薄肉成形品用途等に用いる射出成形用材料として極
めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上田 昭史 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 高山 暢久 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内 Fターム(参考) 4J002 AA011 BN002 BN032 BN112 BN202 BP002 CF001 CF061
Claims (8)
- 【請求項1】 熱可塑性樹脂(A)に配合する流動性改
質剤において、 少なくとも一種のビニル単量体から構成され、ガラス転
移温度が−10℃以下で分子量が500以上のポリマー
からなるセグメント(b−1)と、 少なくとも一種のビニル単量体から構成され、ガラス転
移温度が50℃以上のポリマーからなるセグメント(b
−2)からなるビニル共重合体(B)であり、 前記熱可塑性樹脂(A)の屈折率aと下記式1の関係を
満足する屈折率bを有することを特徴とする流動性改質
剤。 |a−b|≦0.005…(式1) - 【請求項2】 ビニル共重合体(B)が、セグメント
(b−1)とセグメント(b−2)からなるブロック共
重合体またはグラフト共重合体であることを特徴とする
請求項1に記載の流動性改質剤。 - 【請求項3】 熱可塑性樹脂(A)の数平均分子量Mn
と下記式2の関係を満足する溶融粘度D(Pa・s)を
有することを特徴とする請求項1または2に記載の流動
性改質剤。 D<0.005Mn …(式2) (ただし、式2において溶融粘度Dは270℃、角周波
数100rad/秒で測定した値とする。) - 【請求項4】 熱可塑性樹脂(A)100質量部に対し
て、請求項1ないし3のいずれかに記載の流動性改質剤
が0.5〜25質量部配合されてなることを特徴とする
熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項5】 熱可塑性樹脂(A)がポリエステルであ
ることを特徴とする請求項4に記載の熱可塑性樹脂組成
物。 - 【請求項6】 ポリエステルの繰り返し単位の80モル
%以上がエチレンテレフタレートであることを特徴とす
る請求項5に記載の熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項7】 ポリエステルの数平均分子量Mnが12
000以上であることを特徴とする請求項6に記載の熱
可塑性樹脂組成物。 - 【請求項8】 ポリエステルの数平均分子量Mnが15
000〜30000であることを特徴とする請求項7に
記載の熱可塑性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16747799A JP2000355657A (ja) | 1999-06-14 | 1999-06-14 | 流動性改質剤およびこれを用いた熱可塑性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16747799A JP2000355657A (ja) | 1999-06-14 | 1999-06-14 | 流動性改質剤およびこれを用いた熱可塑性樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000355657A true JP2000355657A (ja) | 2000-12-26 |
Family
ID=15850417
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16747799A Withdrawn JP2000355657A (ja) | 1999-06-14 | 1999-06-14 | 流動性改質剤およびこれを用いた熱可塑性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000355657A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7989556B2 (en) | 2004-03-25 | 2011-08-02 | Toyo Boseki Kabushiki Kaisha | Modifier for polyester resin and process for producing molded article with the same |
-
1999
- 1999-06-14 JP JP16747799A patent/JP2000355657A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7989556B2 (en) | 2004-03-25 | 2011-08-02 | Toyo Boseki Kabushiki Kaisha | Modifier for polyester resin and process for producing molded article with the same |
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---|---|---|---|
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