JP2001199744A - 低放射ガラスと該低放射ガラスを使用したガラス物品 - Google Patents

低放射ガラスと該低放射ガラスを使用したガラス物品

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JP2001199744A
JP2001199744A JP2000071686A JP2000071686A JP2001199744A JP 2001199744 A JP2001199744 A JP 2001199744A JP 2000071686 A JP2000071686 A JP 2000071686A JP 2000071686 A JP2000071686 A JP 2000071686A JP 2001199744 A JP2001199744 A JP 2001199744A
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glass
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antimony
based thin
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Hodaka Norimatsu
穂高 乗松
Masahiro Hirata
昌宏 平田
Yukio Sueyoshi
幸雄 末吉
Akira Fujisawa
章 藤沢
Toru Yamamoto
透 山本
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C17/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
    • C03C17/34Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions
    • C03C17/3411Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions with at least two coatings of inorganic materials
    • C03C17/3417Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions with at least two coatings of inorganic materials all coatings being oxide coatings

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性や断熱性を損なうことなく遮熱性能を
一定の範囲内に制御することにより、広範な地域や場所
で快適な居住環境等を実現することができるようにし
た。 【解決手段】 ガラス基板1の表面には酸化スズ系薄膜
2が形成されると共に、該酸化スズ系薄膜2の表面に酸
化ケイ素系薄膜3が形成され、さらに該酸化ケイ素系薄
膜膜3の表面にはアンチモンを含有したアンチモン含有
・酸化スズ系薄膜4が形成され、さらに、アンチモン含
有・酸化スズ系薄膜4の表面にフッ素を含有したフッ素
含有・酸化スズ系薄膜5が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低放射ガラスと該低
放射ガラスを使用したガラス物品に関し、特に建築物や
車輛の窓ガラスとして使用される低放射ガラス及び該低
放射ガラスを使用した複層ガラス等のガラス物品に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の低放射ガラスとして
は、ガラス基板の表面にAg層や金属酸化物を積層する
ことにより、遮熱性能を高めた断熱ガラスが提案されて
いる(特開平8−104547号公報;以下「第1の従
来技術」という)。
【0003】該第1の従来技術においては、金属酸化物
を挟んでAg膜を2層に分割してなる金属化合物膜をガ
ラス基板の表面に積層することにより、断熱性を確保す
ると共に、可視光線の透過率を高く維持してガラスの透
明性を確保し、且つ日射光の透過率を抑制してガラスの
遮熱性能を高め、さらに、前記金属酸化物を酸化スズ又
は酸化亜鉛で形成することにより、透過色と反射色とを
共に無彩色に保持している。
【0004】また、該第1の従来技術では、窓ガラスと
しての断熱性能を高めるべく、少なくとも1枚以上の前
記断熱ガラスを使用した複層ガラスも提案されている。
【0005】さらに、他の従来技術としては、半導体で
被覆された異方性双極子微粒子上に可視−近赤外領域の
光を吸収・反射する物質を析出させると共に、前記異方
性双極子微粒子を液体誘電中に分散させ、これにより吸
光度や反射率を電気的に制御可能とした調光ガラスも提
案されている(特開昭64−38732号公報;以下
「第2の従来技術」という)。
【0006】該第2の従来技術では、吸光度や反射率を
電気的に制御することにより遮熱性能を必要に応じて任
意に選択することが可能と考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、建築物や車
輛に使用される窓ガラスの場合、寒暖等の気候的な地域
的特性によって要求されるガラス性能が異なり、また窓
ガラスを透過する日射エネルギのエネルギ量についても
該窓ガラスの設置方位によって異なるため、斯かる窓ガ
ラスの取付個所によっても要求されるガラス性能は異な
る。
【0008】例えば、冬季の寒さが厳しい北海道等の寒
冷地域では冬季は室内を暖房するためガラスの断熱性能
を確保することが重要視される一方で、遮熱性能は余り
重要視されない。また、沖縄等の熱暑感の激しい地域で
は、特に夏季においては日射エネルギの室内や車内への
流入を少なくすべく遮熱性能が重要視される一方で、断
熱性能は余り重要視されない。
【0009】また、窓ガラスの取付個所についても、建
築物の東側及び西側は太陽の高度が低いため、窓ガラス
を透過する日射エネルギが大きく、したがって斯かる東
西側面に設置される窓ガラスの場合は遮熱性能の高いガ
ラス板を使用する必要がある。一方、建築物の北側は太
陽の光が直接入らないため、窓ガラスを透過する日射エ
ネルギが小さく、したがって遮熱性能の低いガラス板を
使用するのが望ましい。
【0010】しかしながら、上記第1の従来技術は、赤
外線反射率の高いAgを2層に分割してガラス基板の表
面上に成膜しているため日射光の透過率が60%以下と
低く、したがってガラスの遮熱性能が非常に高い。この
ため、斯かる第1の従来技術の断熱ガラスを建築物の北
側に使用したときは日射エネルギの室内への流入が少な
くなって室内が過度に冷え込み、その結果快適な居住環
境が損なわれる。特に、この場合は日射エネルギの室内
への流入が少ないため、室内が冷え込んで暖房器具を稼
動させる必要が生じる場合もあり、昨今の省エネルギの
要請にも反する結果となる。
【0011】すなわち、該第1の従来技術では、特定の
地域や特定の設置方位に使用する場合は或る程度の満足
感を得ることができるものの、窓ガラスの取付場所や地
域によっては快適な居住環境を提供することができない
という問題点があった。
【0012】また、第2の従来技術では、前記異方性双
極子微粒子の凝集等が生じ易く品質的な信頼性に劣り、
また経済的にもコストが高いため、建築物や車輛用の窓
ガラスとしては実用性から程遠いというのが現状であ
る。
【0013】本発明はこのような事情に鑑みなされたも
のであって、透明性や断熱性を損なうことなく遮熱性能
を一定の範囲内に制御することにより、広範な地域や場
所で快適な居住環境を実現することができる低放射ガラ
スと該低放射ガラスを使用したガラス物品を提供するこ
とを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】断熱性能に優れ且つ種々
の設置方位に好適な低放射ガラスを得るためには、遮熱
性能を一定の範囲内に制御することが必要と考えられ、
そのためには遮熱性能を適度に高める必要がある。
【0015】ところで、断熱性を高める手段としては導
電性を上げることが効果的であることが知られており、
従来より、酸化スズを主成分とした酸化スズ系薄膜(以
下、「SnO2膜」という)にフッ素(F)を含有(ド
ープ)させることによって導電性を上げ、これにより所
望の断熱性能を確保することが行われている。
【0016】そこで、本発明者等は、断熱性能を確保す
ると共に、ガラスの遮熱性能を一定の範囲内で制御可能
とすべく鋭意研究を行った結果、上記フッ素を含有した
SnO2膜に加えてアンチモン(Sb)を含有したSn
2膜をガラス基板上に積層させることにより、断熱性
能を損なうことなく遮熱性能を一定の範囲に制御するこ
とができ、広範な地域や種々の設置方位に好適な低放射
ガラスを得ることができるという知見を得た。
【0017】本発明はこのような知見に基づきなされた
ものであって、本発明に係る低放射ガラスは、ガラス基
板の表面に金属酸化物を主成分とした複数の金属酸化物
系薄膜が積層された低放射ガラスにおいて、前記複数の
金属酸化物系薄膜が、少なくともアンチモンを含有した
アンチモン含有・酸化スズ系薄膜(以下、「SnSbO
x膜」という)と、フッ素を含有したフッ素含有・酸化
スズ系薄膜(以下、「SnO2:F膜」という)とを含
んでいることを特徴としている。
【0018】また、本発明者等はアンチモン含有率と可
視光線の透過率との関係について研究を進めたところ、
アンチモンについてもその含有率が過度に多くなると可
視光透過率が低下するという知見を得、更に鋭意研究を
した結果、SnSbOx膜中のスズに対するアンチモン
のモル比(=Sbのモル数/Snのモル数)を0.01
〜0.2に設定するのが好ましいことが判明した。
【0019】そこで、本発明は、上記低放射ガラスにお
いて、前記SnSbOx膜のスズに対するアンチモン含
有率が、モル比で0.01〜0.2に設定されているこ
とを特徴としている。
【0020】このようにSnSbOx膜中の前記モル比
を0.01〜0.2に設定することにより、可視光透過
率は多少下がる傾向にあるが、それ以上に近赤外域に吸
収スペクトルを有するため、透明性を損なうことなく遮
熱性能を一定の範囲内で制御することができる。
【0021】さらに、本発明者等は金属酸化膜の積層順
序について研究を進めた結果、反射色や透過色の所謂色
ムラ防止及び色調調整等の観点からは、ガラス基板の表
面にSnO2膜を積層し、該SnO2膜の表面に酸化ケイ
素を主成分とした酸化ケイ素系薄膜(以下、「SiO2
膜」という)を積層する必要があり、したがって色調を
満足させつつ所望の遮断性能及び断熱性能を有する低放
射ガラスを得るためには前記SiO2膜の表面に前記S
nSbOx膜及びSnO2:F膜を含む金属酸化物系薄膜
を積層する必要があるという知見を得た。
【0022】そこで、本発明は、前記ガラス基板の表面
にSnO2膜が形成されると共に、該SnO2膜の表面に
SiO2膜が形成され、さらに、少なくとも前記SnS
bOx膜及びSnO2:F膜を含む複数の薄膜が前記Si
2膜の表面に積層されていることを特徴としている。
【0023】具体的には、前記SiO2膜の表面に前記
SnSbOx膜が形成され、さらに該SnSbOx膜の表
面に前記SnO2:F膜が形成され、かつ、前記SnS
bOx膜のスズに対するアンチモン含有率が、モル比で
0.01〜0.1に設定されていることが好ましく、或
いは前記SiO2膜の表面に前記SnO2:F膜が形成さ
れ、さらに該SnO2:F膜の表面に前記SnSbOx膜
が形成されていることが好ましい。
【0024】上記積層順序でもってガラス基板上に金属
酸化物系薄膜を形成することにより、外観を損なうこと
なく所望の遮断性能及び断熱性能を有する透明な低放射
ガラスを得ることができる。
【0025】さらに、本発明者等はその他の膜構成につ
いても研究を進めたところ、SnSbOx膜、SiO
2膜、及びSnO2:F膜をガラス基板の表面に順次積層
した場合であっても所望の遮熱性能、断熱性能、及び色
調を満足させ得る透明な低放射ガラスを得る可能性のあ
ることが判明した。
【0026】したがって、本発明に係る低放射ガラス
は、前記ガラス基板の表面に前記SnSbOx膜が形成
されると共に、該SnSbOx膜の表面にSiO2膜が形
成され、さらに該SiO2膜の表面に前記SnO2:F膜
が形成されていることを特徴とするのも好ましい。
【0027】上記積層順序とすることにより金属酸化物
薄膜系の積層層の削減を可能とし、生産性向上を図るこ
とができる。
【0028】また、導電性を向上させるためには、上述
の各低放射ガラスにおいて、前記SnO2膜、SnSb
Ox膜及び前記SnO2:F膜のうちの少なくとも1つ以
上の薄膜に塩素が含まれていることが好ましい。
【0029】次に、上記各種金属酸化物系薄膜をガラス
基板上に形成する方法としては、ガラス基板上でガス状
化合物を化学反応させることにより薄膜を堆積させる化
学気相成長(chemical vapor deposition;以下「CV
D」という)法や、溶液スプレー法等のスプレー法が好
ましいが、高品質の低放射ガラスを効率良く大量生産す
るためには、所謂フロート法でガラス基板となるリボン
状ガラスを作製し、該リボン状ガラスの表面に成膜原料
を供給すると共に、前記リボン状ガラスの有する熱エネ
ルギを利用し前記リボン状ガラス上での熱分解により金
属酸化物系薄膜を積層するのが好ましい(オンラインC
VD法)。
【0030】そこで、本発明に係る低放射ガラスは、前
記ガラス基板は、溶融スズ上にガラス原料を流し込んで
形成された所定高温状態のリボン状ガラスから製造さ
れ、前記金属酸化物系薄膜は、前記リボン状ガラスの表
面に金属酸化物系固相を堆積して形成されたことを特徴
としている。
【0031】上記オンラインCVD法で製造された低放
射ガラスは、軟化点以上の温度を有するガラス表面で成
膜することが可能となるため、膜性能等を向上させるこ
とができ、また生産性の観点からも低放射ガラスを極め
て効率良く大量生産することができる。
【0032】また、従来より複数のガラス基板間に空気
層や不活性ガス層或いは真空層等の中空層を介在させた
ガラス物品としての複層ガラスは、断熱性能に極めて優
れた作用・効果を発揮することが知られているが、上述
した本発明の低放射ガラスを複層ガラスに組み入れた場
合は更なる断熱性能の向上を図ることができると考えら
れる。
【0033】そこで、本発明に係るガラス物品は、上記
低放射ガラスを少なくとも1枚含む複数のガラスが互い
に対向配置されると共に、これら複数のガラス間には中
空層が形成されていることを特徴としている。
【0034】上記ガラス物品を建築物の窓ガラスとして
使用することにより、優れた断熱性能と遮熱性能の選択
性から、より快適な居住環境を実現することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳説する。
【0036】図1は本発明に係る低放射ガラスの一実施
の形態(第1の実施の形態)を示す断面図である。
【0037】同図において、1は、ソーダ石灰ガラスや
該ソーダ石灰ガラスに微量の着色成分を添加した熱線吸
収ガラス等の板状に形成されたガラス基板であって、該
ガラス基板1の表面にはSnO2膜2が形成されると共
に、該SnO2膜2の表面にはSiO2膜3が形成され、
さらに該SiO2膜3の表面にはSnSbOx膜4が形成
され、さらに該SnSbOx膜4の表面にはSnO2:F
膜5が形成されている。そして、ガラス基板1の表面に
積層されたこれらSnO2膜2、SiO2膜3、SnSb
Ox膜4及びSnO2:F膜5とで金属酸化物系薄膜6を
構成している。
【0038】また、本実施の形態では、SnSbOx膜
4中のアンチモン含有率は、スズに対するモル比(=S
bのモル数/Snのモル数)が0.01〜0.1となる
ように調合され、またSnO2:F膜5中のフッ素含有
率は、0.01〜1wt%に設定されている。このよう
にアンチモン含有率及びフッ素含有率を設定したのは以
下の理由による。
【0039】(a)アンチモン含有率 アンチモンは導電性の向上に寄与してガラスの遮熱性能
を適度に向上させる作用を有するが、SnSbOx膜中
のスズに対するアンチモン含有率が、モル比で0.01
未満の場合は所望の遮熱性能を得ることができず、一方
前記アンチモン含有率が前記モル比で0.1を超えると
薄膜の積層順序との関係で色調整が困難となり、色ムラ
が生じて品質が低下する。そこで、本実施の形態ではS
nSbOx膜中のアンチモン含有率を前記モル比で0.
01〜0.1に設定した。
【0040】(b)フッ素含有率 フッ素も、アンチモンと同様、導電性の向上に寄与して
遮熱性能を向上させる作用を有し、またフッ素をSnO
2膜中に含有(ドープ)させることによりガラスの放射
率を低下させて断熱性能を向上させる作用を有するが、
SnO2膜中のフッ素含有率が0.01wt%以下では
上記した所期の作用を発揮することができず、一方Sn
2膜中のフッ素含有率が1wt%を超えると、可視光
線の透過率が低くなってガラスの透明性を損ない、室内
や車内にいる人間に不快感を与える。そこで、本実施の
形態ではSnO2膜中のフッ素含有率を0.01〜1w
t%に設定した。
【0041】次に、前記金属酸化物系薄膜6の膜厚につ
いては、本実施の形態では、SnO 2膜2及びSiO2
3の膜厚は10nm〜50nmに設定され、SnSbO
x膜4の膜厚は20nm〜300nmに設定され、Sn
2:F膜5の膜厚については200nm〜500nm
に設定されており、以下、その理由について述べる。
【0042】(a)SnO2膜2及びSiO2膜3の膜厚 SnO2膜2及びSiO2膜3は、これら2層の屈折率の
相違による光の干渉現象を利用して色調整を行っている
が、これらの膜厚が共に10nm未満又は50nmを超
えた場合は、SnSbOx膜4及びSnO2:F膜5がS
iO2膜3上に積層されると色調整が困難となって色ム
ラが生じ易くなり、品質の低下を招く。したがって、本
実施の形態では、SnO2膜2及びSiO2膜3の膜厚を
10nm〜50nmに設定した。
【0043】尚、SnO2膜はITO(Indium Tin Oxid
e)膜等と比べると低コストで成膜でき、しかも耐久性
にも優れており、本実施の形態では耐久性の優れたSn
2膜を低コストで作製することができる。
【0044】(b)SnSbOx膜4の膜厚 SnSbOx膜4は膜中にアンチモン(Sb)を含有し
ているため遮熱性能を適度に向上させる作用を呈する
が、SnSbOx膜4の膜厚が20nm未満の場合は所
期の遮熱性能を発揮することができず、また製造技術的
にも膜厚制御が困難となり、均一な膜厚を得ることがで
きない。
【0045】一方、住宅用建築物では、拡散透過率(=
全透過率−直進透過率)と全透過率との比を示すヘイズ
率が一般的には低い方が好ましいとされているが、Sn
SbOx膜4の膜厚が300nmを超えると金属酸化物
系薄膜6の全膜厚が過度に厚くなって前記ヘイズ率が大
きくなり、住宅用窓ガラスに適さなくなる。このため本
実施の形態では、SnSbOx膜4の膜厚を20nm〜
300nmに設定した。
【0046】(c)SnO2:F膜5の膜厚 SnO2:F膜5は膜中にフッ素(F)を含有している
ため放射率を低下させて断熱性能の向上に寄与するが、
SnO2:F膜5の膜厚が200nm未満では充分な断
熱性能を発揮することができず、一方、SnO2:F膜
5の膜厚が500nmを超えると金属酸化物系薄膜6の
全膜厚が過度に厚くなり、SnSbOx膜4の場合と同
様、前記ヘイズ率が大きくなって住宅用窓ガラスに適さ
なくなる。このため本実施の形態では、SnO2:F膜
5の膜厚を200nm〜500nmに設定した。
【0047】上記した各層の膜厚とアンチモン及びフッ
素の含有率は、必要とする遮熱性能、断熱性能、及び反
射色調等を考慮して上述した範囲内で設定すればよい
が、より好ましくは、SnO2膜2の膜厚は36nm〜
45nm、SiO2膜3の膜厚は19nm〜26nm、
SnSbOX膜4の膜厚は190nm〜230nm、S
nO2:F膜5の膜厚は210nm〜260nmの範囲
に夫々設定するのが望ましい。さらに、この場合、Sn
SbOX膜4のアンチモン含有率を前記モル比で0.0
2〜0.04、SnO2:F膜5のフッ素含有率を0.
3wt%〜0.6wt%に設定するのが好ましい。
【0048】上述のような膜構成と上記アンチモン含有
率及びフッ素含有率とを有することにより、可視光透過
率を高く維持しつつ、遮熱性能が高く、しかも充分な断
熱性能を有し、さらに正面又は斜め方向から見た場合で
あっても反射色調は自然なニュートラル系の色調とな
り、より好ましい実施の形態となる。
【0049】次に、前記金属酸化物系薄膜6の成膜に使
用する原料について説明する。
【0050】金属酸化物系薄膜をガラス基板1上に成膜
する方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法或い
は塗布法等を適用して行うことも可能であるが、薄膜の
生産性や耐久性(耐剥離性)等を考慮し、CVD法、又
は溶液スプレー法、分散液スプレー法、粉末スプレー法
等のスプレ−法を使用するのが好ましい。
【0051】そして、CVD法でSnO2膜2を成膜す
る場合のスズ原料としては、導電性を上げる観点からは
モノブチルスズトリクロライド、四塩化スズ、ジメチル
スズジクロライド、ジブチルスズジクロライド、ジオク
チルスズジクロライド等の塩素を含有したスズ化合物が
好ましいが、テトラメチルスズ、テトラブチルスズ、ジ
ブチルスズジアセテート等を使用することもでき、また
酸化原料としては、酸素、水蒸気、乾燥空気等を使用す
ることができる。
【0052】また、スプレー法でSnO2膜2を成膜す
る場合のスズ原料としては、導電性を上げる観点から
は、上述したCVD法の場合と同様、モノブチルスズト
リクロライド、四塩化スズ、ジメチルスズジクロライ
ド、ジブチルスズジクロライド、ジオクチルスズジクロ
ライド等の塩素を含有したスズ化合物が好ましいが、テ
トラメチルスズ、テトラオクチルスズ、ジブチルスズオ
キサイド、ジブチルスズジラウレート、モノブチルスズ
脂肪酸、ジブチルスズ脂肪酸、ジブチルスズジアセテー
ト、ジオクチルスズジラウレート等を使用することもで
きる。
【0053】さらに、CVD法でSiO2膜3を成膜す
る場合のケイ素原料としては、モノシラン、ジシラン、
トリシラン、モノクロロシラン、1,2−ジメチルシラ
ン、1,1,2−トリメチルジシラン、1,1,2,2−テトラメチ
ルジシラン等のシラン系化合物や、テトラメチルオルソ
シリケート、テトラエチルオルソシリケート等を使用す
ることができ、また酸化原料としては酸素、水蒸気、乾
燥空気、二酸化炭素、一酸化炭素、二酸化窒素、オゾン
等を使用することができる。
【0054】尚、上記ケイ素原料としてシラン系化合物
を使用する場合は、該シラン系化合物がガラス基板1の
表面に到達するまで該シラン系化合物の反応を抑止し、
かつSiO2膜3の屈折率を制御するために、エチレ
ン、アセチレン或いはトルエン等の不飽和炭化水素を適
宜添加するのも好ましい。
【0055】また、上記ケイ素原料としてテトラメチル
オルソシリケート、テトラエチルオルソシリケート等を
使用する場合は、アルミニウムイソプロポキシド等を添
加して成膜速度を促進させるのも好ましい。
【0056】また、スプレー法でSiO2膜3を成膜す
る場合のケイ素原料としては、テトラメチルオルソシリ
ケート、テトラエチルオルソシリケート等を使用するこ
とができ、これらのケイ素原料にアルミニウムイソプロ
ポキシド等を添加して成膜速度を促進させるのも好まし
い。
【0057】さらに、SnSbOx膜4の成膜に使用さ
れるアンチモン化合物としては、三塩化アンチモンや五
塩化アンチモンを使用することができ、SnO2:F膜
5の成膜に使用されるフッ素化合物としては、フッ化水
素、トリフルオロ酢酸、ブロモトリフルオロメタン、ク
ロルジフルオロメタン、ジフルオロエタン等を使用する
ことができる。
【0058】図2は本発明に係る低放射ガラスの第2の
実施の形態を示す断面図であって、該第2の実施の形態
では、第1の実施の形態と同様に形成されたガラス基板
1の表面にSnO2膜2が形成されると共に、該SnO2
膜2の表面にはSiO2膜3が形成され、さらに該Si
2膜3の表面にはSnO2:F膜5が形成され、さらに
該SnO2:F膜4の表面にSnSbOx膜4が形成され
ている。そして、ガラス基板1の表面に積層されたこれ
らSnO2膜2、SiO2膜3、SnO2:F膜5及びS
nSbOx膜4とで金属酸化物系薄膜7を構成してい
る。
【0059】また、本第2の実施の形態では金属酸化物
系薄膜7の積層順序との関係で、SnSbOx膜4の膜
中のアンチモン含有率は、スズに対するモル比で0.0
1〜0.2に設定される。すなわち、上述したようにア
ンチモンは導電性の向上に寄与してガラスの遮熱性能を
向上させる作用を有するが、SnSbOx膜4中のスズ
に対するアンチモン含有率がモル比で0.01以下の場
合は遮熱性能の向上に寄与しない。一方、SnSbOx
膜4中のスズに対するアンチモンの含有率が、モル比で
0.1を超えた場合であっても、積層順序との関係で上
記第1の実施の形態(図1)とは異なり、色調整は可能
であるが、前記モル比が0.2を超えると可視光透過率
が低くなってガラスの透明性が低下し、室内や車内にい
る人間に不快感を与える。そこで、本第2の実施の形態
ではSnSbOx膜中のアンチモン含有率を前記モル比
で0.01〜0.2に設定した。
【0060】尚、その他の成膜条件(膜厚、SnO2
F膜中のフッ素含有率、使用原料)は第1の実施の形態
と同様である。
【0061】図3は本発明に係る低放射ガラスの第3の
実施の形態を示す断面図であって、該第3の実施の形態
では、第1及び第2の実施の形態と同様に形成されたガ
ラス基板1の表面にSnSbOx膜4が形成されると共
に、該SnSbOx膜4の表面にはSiO2膜3が形成さ
れ、さらに該SiO2膜3の表面にはSnO2:F膜5が
形成されている。そして、ガラス基板1の表面に積層さ
れたこれらSnSbOx膜4、SiO2膜3、SnO2
F膜5とで金属酸化物系薄膜8を構成している。
【0062】そして、本第3の実施の形態では、SnS
bOx膜4の膜厚は10nm〜50nmに設定され、S
iO2膜3は10nm〜50nmに設定され、SnO2
F膜5の膜厚については200nm〜500nmに設定
されている。
【0063】前述した第1及び第2の実施の形態ではS
nO2膜2及びSiO2膜3をガラス基板1上に順次積層
させてこれらSnO2膜2及びSiO2膜3で色調整機能
を確保しているのに対し、本第3の実施の形態ではSn
SbOx膜4及びSiO2膜3をガラス基板1上に積層さ
せてこれらの膜厚を制御することにより、SnO2膜2
及びSiO2膜3をガラス基板1上に積層された場合と
同様の色調整機能を確保し、これにより金属酸化物系薄
膜8の積層数を削減可能として生産性の効率化を図って
いる。すなわち、SnSbOx膜4及びSiO2膜3の膜
厚を所定範囲内で略同一厚さに制御することにより、所
望の色調整が可能となると共に、断熱性能や透明性に優
れ且つ所望の遮熱性能を有する低放射ガラスを得ること
ができる。
【0064】そして、これらSnSbOx膜4及びSi
2膜3の膜厚を共に10nm〜50nmに設定したの
は、これら膜厚が10nm未満の場合は、遮熱性能を発
揮することができず、また所望の色調整を行うことがで
きないからであり、これらの膜厚が50nmを超える場
合も所望の色調整を行うことができないからである。
【0065】また、SnO2:F膜5の膜厚を200n
m〜500nmに設定したのは上記第1の実施の形態と
同様、200nm未満の膜厚では断熱性能を確保するこ
とができず、一方、膜厚が500nmを超えると前記ヘ
イズ率が大きくなり、住宅用窓ガラスに適さなくなるた
めである。
【0066】尚、本第3の実施の形態においても、上記
第1及び第2の実施の形態と同様の成膜原料を使用する
ことができ、アンチモン含有率は第2の実施の形態と同
様、モル比で0.01〜0.2に設定され、フッ素含有
率は0.01〜1wt%に設定されている。
【0067】以上、上記第1〜第3の実施の形態で本発
明の低放射ガラスを詳述したが、本発明の低放射ガラス
は上記実施の形態に限定されるものではなく、少なくと
もSnSbOx膜4及びSiO2膜3を含有した多層膜か
らなる金属酸化物系薄膜についても同様に適用可能であ
る。
【0068】次に、上記低放射ガラスの製造方法につい
て説明する。
【0069】上記各種金属酸化物系薄膜をガラス基板上
に形成する方法としては、上述したように真空蒸着法、
スパッタリング法、塗布法等でも可能であるが、生産性
や薄膜の耐久性を考慮するとCVD法か、或いはスプレ
ー法が好ましい。
【0070】しかしながら、膜性能や生産性をより高め
るためには所謂フロート法によりガラス基板となるリボ
ン状ガラス(ガラスリボン)を作製し、次いで該ガラス
リボンの有する熱エネルギを利用した熱分解CVDを行
い、これによりガラスリボン上に膜形成を行うオンライ
ンCVD法により、製造するのが最も好ましい。
【0071】図4はオンラインCVD装置を模式的に示
した概略構成図であって、該オンラインCVD装置は、
所定の高温雰囲気下、ガラス原料が投入されて該ガラス
原料を溶融する溶融窯11と、該溶融窯11からの溶融
ガラスが流れ込むバス(浴)12と、該バス12から引
き出されたガラスリボン15を徐冷する徐冷窯13とを
備え、また、前記バス12には、所定量の溶融スズ14
が内有されると共に、該バス12の前方には複数の成膜
原料供給部16(第1〜第5の成膜原料供給部16a〜
16e)がガラスリボン15の幅方向を覆うように列設
されている。尚、該成膜原料供給部16の個数は、ガラ
スリボンに対する積層数や形成される膜厚の厚さに応じ
て適宜増減される。
【0072】このように構成されたオンラインCVD装
置においては、所定のガラス原料粉末が1500〜16
00℃に加熱された溶融窯11に投入されると該ガラス
原料粉末は溶融窯11の内部で溶融して溶融ガラスとな
り、該溶融ガラスはバス12に流れ込む。そして、バス
12には上述したように溶融スズ14が内有されている
が、溶融ガラスは溶融スズ14に比べて比重が軽いため
溶融スズ14上を浮いた状態で矢印A方向へと移動して
いく。すなわち、溶融ガラスは溶融スズ14上を浮く結
果、リボン状に成形されてガラスリボン15となる。そ
して、該ガラスリボン15は高温状態(例えば、600
〜750℃)を保持して成膜原料供給部16の下方に移
動する。
【0073】そしてこの後、所定の成膜原料が成膜原料
供給部16からガラスリボン15の表面に供給され、該
ガラスリボン15の有する熱エネルギを介して成膜原料
がガラスリボン15上で熱分解し、所望の金属酸化物系
薄膜がガラスリボン15上に堆積される。例えば、上記
図1に示すような金属酸化物系薄膜6を作製する場合
は、第1の成膜原料供給部16aからは、窒素で希釈さ
れたスズ化合物、酸素及び水がガラスリボン15の表面
に供給されて第1層としてのSnO2膜2が形成され、
第2の成膜原料供給部16bからは、窒素で希釈された
ケイ素化合物、酸素及び必要に応じてエチレン等の不飽
和炭化水素がSnO2膜2の表面に供給されて第2層と
してのSiO2膜3が形成される。さらに第3の成膜原
料供給部16cからは、窒素で希釈されたスズ化合物、
アンチモン化合物、酸素及び水蒸気からなる混合ガスが
SiO2膜3の表面に供給されて第3層としてのSnS
bOx膜4が形成され、第4の成膜原料供給部16dか
らは、窒素で希釈されたスズ化合物とフッ素化合物の蒸
気、酸素及び水蒸気からなる混合ガスがSnSbOx膜
4の表面に供給されて第4層としてのSnO2:F膜5
が形成される。尚、膜厚の厚い薄膜を積層する場合は、
同一の成膜原料が複数段(例えば、第4及び第5の成膜
原料供給部16d、16e)に分割されてガラスリボン
15上に供給される。
【0074】このようにして成膜されたガラスリボン1
5は複数のロール17を介して徐冷窯13に引き上げら
れ、矢印B方向に搬送されて該徐冷窯13から順次排出
される。
【0075】このように上記オンラインCVD法におい
ては、ガラスリボン15の有する熱エネルギを利用した
熱分解により膜形成を行っているので、軟化点以上の温
度を有するガラス表面で成膜することが可能となり、膜
の性能、成膜反応速度、及び成膜反応効率も向上し、ま
た生産性の観点からも低放射ガラスを極めて効率良く大
量生産することができる。
【0076】尚、その他の製造方法としては、上述した
ようにCVD法、又はスプレー法で製造するのが好まし
い。
【0077】CVD法で金属酸化物系薄膜を形成する場
合は、ガラス基板1を所定形状に切断した後、該ガラス
基板1を所定の高温に加熱し、該加熱したガラス基板1
上に成膜用の蒸気を噴霧することにより行うことができ
る。例えば、ガラス基板1をメッシュベルト上を搬送さ
せて加熱炉に案内し、該ガラス基板1が加熱炉を通過す
る間に成膜原料をガラス基板1に噴霧させ、ガラス基板
1の表面で反応させることにより、ガラス基板1には所
望の膜形成を行うことができる。
【0078】スプレー法で金属酸化物系薄膜を形成する
場合は、溶液スプレー法で膜形成を行う場合は所定の金
属化合物を含む溶液を高温のガラス基板1上に噴霧すれ
ばよく、分散液スプレー法で膜形成を行う場合は上記溶
液に代えて所定の金属化合物の微粒子を溶液や溶剤に分
散させて分散液を作製し、該分散液を高温のガラス基板
1上に噴霧すればよい。また、粉末スプレー法で膜形成
を行う場合は所定の金属化合物の粉末を高温のガラス基
板1上に噴霧すればよい。
【0079】尚、CVD法とスプレー法とを比較した場
合、スプレー法では噴霧する液滴や粉末の制御が困難で
あり、また反応生成物や未分解生成物等の制御が困難で
あるため、膜厚の均一性を得ることが困難であり、また
積層後のガラスの歪も大きいく、したがってCVD法で
製造する方が好ましい。
【0080】図5は本発明の低放射ガラスを使用したガ
ラス物品としての複層ガラスの一実施の形態を示す要部
断面図であって、該複層ガラスは、金属酸化物系薄膜6
(7、8)が積層された上記低放射ガラス18とソーダ
石灰ガラス等からなるガラス板22とが、前記金属酸化
物系薄膜6(7、8)がガラス板22と対向するように
配置されると共に、その両端近傍には乾燥剤を含有した
スペーサ部材20が介装され、さらにブチルゴム等の封
着材19により両端が熱融着されて封止されている。そ
してこれにより、中空層21が、低放射ガラス1、ガラ
ス板22、スペーサ部材20及び封着材19により囲繞
されて画成されている。
【0081】この種の複層ガラスは、従来より、ガラス
板単板に比べてより一層の断熱性能を向上させることが
できるとされているが、本発明の低放射ガラスは、可視
光透過率や断熱性能を低下させることなく遮熱性能を一
定範囲内で制御することができるので、本発明の低放射
ガラス18を使用することにより、断熱性能が低下する
ことなく、遮熱性能がより一層向上し、使用地域やガラ
スの設置方位に限定されることなく快適な居住環境の実
現が可能な複層ガラスを得ることができる。
【0082】尚、中空層21としては、空気が充填され
た空気層が一般的に考えられるが、空気層に代えてアル
ゴンガス等の不活性ガスを封入した不活性ガス層として
もよい。また、空気を排出させて減圧した減圧層として
もよく、斯かる減圧層にした場合は断熱効果をより一層
高めることができる。また、中空層21を減圧層で構成
する場合は、封着材19を上記ブチルゴムに代えて低融
点ガラスで構成するのも好ましく、また減圧層内部の適
数個所に低放射ガラス18とガラス板22との間隔を調
整するためのスペーサ部材を配設するのも好ましい。
【0083】
【実施例】次に、本発明の実施例を具体的に説明する。
【0084】本発明者等は、縦10cm、横10cm、
厚さ3mmのフロート板ガラスを洗浄して乾燥し、該フ
ロート板ガラスをガラス基板1として、CVD法により
該ガラス基板1に多層膜を形成した。すなわち、ガラス
基板1を大気開放型のメッシュベルトで搬送して約57
0℃に加熱された加熱炉内に案内し、ガラス基板1が該
加熱炉を通過する間に所定の成膜原料をガラス基板1上
に供給し、ガラス基板1上で化学反応を起こさせて固相
を析出させ、ガラス基板1上に金属酸化物系薄膜6、
7、8を形成した。
【0085】表1は本実施例で作製された金属酸化物系
薄膜の原料組成比、アンチモンとスズのモル比、膜種、
及び膜厚を示している。
【0086】
【表1】
【0087】〔実施例1〕まず、スズ原料として塩素を
含有したモノブチルスズトリクロライドを使用し、該モ
ノブチルスズトリクロライドの蒸気、酸素、及び窒素を
所定モル比に調合して原料ガスを作製し、該原料ガスを
ガラス基板1上に供給して膜厚25nmのSnO2膜2
を該ガラス基板1上に積層し、第1層を形成した。次い
で、ケイ素原料としてモノシランを使用し、該モノシラ
ン、酸素、窒素及び添加剤としてのエチレンを所定モル
比に調合して原料ガスを作製し、該原料ガスをSnO2
膜2上に供給して膜厚25nmのSiO2膜3を積層
し、第2層を形成した。次にスズ原料として塩素を含有
したモノブチルスズトリクロライド、アンチモン化合物
として三塩化アンチモンを使用し、該モノブチルスズト
リクロライドの蒸気、酸素、三塩化アンチモンの蒸気及
び窒素を所定モル比に調合して原料ガスを作製し、該原
料ガスをSiO2膜3上に供給して膜厚200nmのS
nSbOx膜4を積層し、第3層を形成した。次いで、
スズ原料として塩素を含有したモノブチルスズトリクロ
ライド、フッ素化合物としてフッ化水素を使用し、該モ
ノブチルスズトリクロライドの蒸気、酸素、フッ化水素
の蒸気及び窒素を所定モル比に調合して原料ガスを作製
し、該原料ガスをSnSbOx膜4上に供給して膜厚2
50nmのSnO2:F膜5を積層して第4層を形成
し、これにより、膜構成がガラス基板1/SnO2膜2
/SiO2膜3/SnSbOx膜4/SnO2:F膜5の
試験片を作製した(図1参照)。
【0088】尚、第3層のSnSbOx膜4におけるア
ンチモン含有率がスズに対しモル比で0.04となるよ
うにモノブチルスズトリクロライド及び三塩化アンチモ
ンの使用量を調整した。
【0089】〔実施例2〕実施例1と同様、まず、モノ
ブチルスズトリクロライドの蒸気、酸素、及び窒素を所
定モル比に調合して原料ガスを作製し、該原料ガスをガ
ラス基板1上に供給して膜厚25nmのSnO2膜2を
積層し、次いで、モノシラン、酸素、窒素及び添加剤と
してのエチレンを所定モル比に調合して原料ガスを作製
し、該原料ガスをSnO2膜2上に供給して膜厚25n
mのSiO2膜3を積層し、さらにモノブチルスズトリ
クロライドの蒸気、酸素、三塩化アンチモンの蒸気及び
窒素を所定モル比に調合して原料ガスを作製し、該原料
ガスをSiO2膜3上に供給して膜厚50nmのSnS
bOx膜4を積層し、最後にモノブチルスズトリクロラ
イドの蒸気、酸素、フッ化水素の蒸気及び窒素を所定モ
ル比に調合して原料ガスを作製し、該原料ガスをSnS
bOx膜4上に供給して膜厚310nmのSnO2:F膜
5を積層し、これにより、実施例1と同様の膜構成(ガ
ラス基板1/SnO2膜2/SiO2膜3/SnSbOx
膜4/SnO2:F膜5)を有する試験片を作製した。
【0090】尚、SnSbOx膜4におけるアンチモン
含有率がスズに対するモル比で0.09となるようにモ
ノブチルスズトリクロライド及び三塩化アンチモンの使
用量を調整した。
【0091】〔実施例3〕まず、スズ原料として塩素を
含有したモノブチルスズトリクロライドを使用し、該モ
ノブチルスズトリクロライドの蒸気、酸素、及び窒素を
所定モル比に調合して原料ガスを作製し、該原料ガスを
ガラス基板1上に供給して膜厚25nmのSnO2膜2
を該ガラス基板1上に積層し、第1層を形成した。次い
で、ケイ素原料としてモノシランを使用し、該モノシラ
ン、酸素、窒素及び添加剤としてのエチレンを所定モル
比に調合して原料ガスを作製し、該原料ガスをSnO2
膜2上に供給して膜厚25nmのSiO2膜3を積層
し、第2層を形成した。次にスズ原料として塩素を含有
したモノブチルスズトリクロライド、フッ素化合物とし
てフッ化水素を使用し、該モノブチルスズトリクロライ
ドの蒸気、酸素、フッ化水素の蒸気及び窒素を所定モル
比に調合して原料ガスを作製し、該原料ガスをSiO2
膜3上に供給して膜厚350nmのSnO2:F膜5を
積層し、第3層を形成した。次いでスズ原料として塩素
を含有したモノブチルスズトリクロライド、アンチモン
化合物として三塩化アンチモンを使用し、該モノブチル
スズトリクロライドの蒸気、酸素、三塩化アンチモンの
蒸気及び窒素を所定モル比に調合して原料ガスを作製
し、該原料ガスをSnO2:F膜5上に供給して膜厚2
5nmのSnSbOx膜4を積層して第4層を形成し、
これにより、膜構成がガラス基板1/SnO2膜2/S
iO2膜3/SnO2:F膜5/SnSbOx膜4の試験
片を作製した(図2参照)。
【0092】尚、第4層のSnSbOx膜4におけるア
ンチモン含有率はスズに対しモル比で0.12となるよ
うにモノブチルスズトリクロライド及び三塩化アンチモ
ンの使用量を調整した。
【0093】〔実施例4〕実施例3と同様、モノブチル
スズトリクロライドの蒸気、酸素、及び窒素を所定モル
比に調合して原料ガスを作製し、該原料ガスをガラス基
板1上に供給して膜厚25nmのSnO2膜2を積層
し、次いでモノシラン、酸素、窒素及び添加剤としての
エチレンを所定モル比に調合して原料ガスを作製し、該
原料ガスをSnO2膜2上に供給して膜厚25nmのS
iO2膜3を積層し、さらにモノブチルスズトリクロラ
イドの蒸気、酸素、フッ化水素の蒸気及び窒素を所定モ
ル比に調合して原料ガスを作製し、該原料ガスをSiO
2膜3上に供給して膜厚250nmのSnO2:F膜5を
積層し、最後にモノブチルスズトリクロライドの蒸気、
酸素、三塩化アンチモンの蒸気及び窒素を所定モル比に
調合して原料ガスを作製し、該原料ガスをSnO2:F
膜5上に供給して膜厚200nmのSnSbOx膜4を
積層し、これにより、実施例3と同様の膜構成(ガラス
基板1/SnO2膜2/SiO2膜3/SnO2:F膜5
/SnSbOx膜4)を有する試験片を作製した。
【0094】尚、SnSbOx膜4におけるアンチモン
含有率がスズに対するモル比で0.04となるようにモ
ノブチルスズトリクロライド及び三塩化アンチモンの使
用量を調整した。
【0095】〔実施例5〕実施例3と同様、モノブチル
スズトリクロライドの蒸気、酸素、及び窒素を所定モル
比に調合して原料ガスを作製し、該原料ガスをガラス基
板1上に供給して膜厚25nmのSnO2膜2を積層
し、次いでモノシラン、酸素、窒素及び添加剤としての
エチレンを所定モル比に調合して原料ガスを作製し、該
原料ガスをSnO2膜2上に供給して膜厚25nmのS
iO2膜3を積層し、さらにモノブチルスズトリクロラ
イドの蒸気、酸素、フッ化水素の蒸気及び窒素を所定モ
ル比に調合して原料ガスを作製し、該原料ガスをSiO
2膜3上に供給して膜厚350nmのSnO2:F膜5を
積層し、最後にモノブチルスズトリクロライドの蒸気、
酸素、三塩化アンチモンの蒸気及び窒素を所定モル比に
調合して原料ガスを作製し、該原料ガスをSnO2:F
膜5上に供給して膜厚25nmのSnSbOx膜4を積
層し、これにより、実施例3と同様の膜構成(ガラス基
板1/SnO2膜2/SiO2膜3/SnO2:F膜5/
SnSbOx膜4)を有する試験片を作製した。
【0096】尚、SnSbOx膜4におけるアンチモン
含有率がスズに対するモル比で0.19となるようにモ
ノブチルスズトリクロライド及び三塩化アンチモンの使
用量を調整した。
【0097】〔実施例6〕まず、スズ原料として塩素を
含有したモノブチルスズトリクロライド、アンチモン化
合物として三塩化アンチモンを使用し、該モノブチルス
ズトリクロライドの蒸気、酸素、三塩化アンチモンの蒸
気及び窒素を所定モル比に調合して原料ガスを作製し、
該原料ガスをガラス基板1上に供給して膜厚25nmの
SnSbOx膜4を積層し、第1層を形成した。次い
で、ケイ素原料としてモノシランを使用し、該モノシラ
ン、酸素、窒素及び添加剤としてのエチレンを所定モル
比に調合して原料ガスを作製し、該原料ガスをSnSb
Ox膜4上に供給して膜厚25nmのSiO2膜3を積層
し、第2層を形成した。次に、スズ原料として塩素を含
有したモノブチルスズトリクロライド、フッ素化合物と
してフッ化水素を使用し、該モノブチルスズトリクロラ
イドの蒸気、酸素、フッ化水素の蒸気及び窒素を所定モ
ル比に調合して原料ガスを作製し、該原料ガスをSiO
2膜3上に供給して膜厚350nmのSnO2:F膜5を
積層して第3層を形成し、これにより、膜構成がガラス
基板1/SnSbOx膜4/SiO2膜3/SnO2:F
膜5の試験片を作製した(図3参照)。
【0098】尚、第1層のSnSbOx膜4におけるア
ンチモン含有率はスズに対するアンチモンのモル比が
0.12となるようにモノブチルスズトリクロライド及
び三塩化アンチモンの使用量を調整した。
【0099】〔実施例7〕この実施例7では、オンライ
ンCVD法(図4参照)により、実施例1と同様の膜構
成からなる試験片を作製した。
【0100】すなわち、まず、けい砂、ソーダ灰等のガ
ラス原料粉末を1500〜1600℃に加熱された溶融
窯11に投入して該ガラス原料粉末を溶融窯11の内部
で溶融させ、次いで溶融した溶融ガラスをバス12に流
れ込ませた。そして、バス12では溶融スズ14により
溶融ガラスがリボン状に成形されてガラスリボン15と
なり、600〜750℃の高温状態を保持して成膜原料
供給部16の下方に移動する。
【0101】そして、スズ原料として塩素を含有したモ
ノブチルスズトリクロライド、ケイ素原料としてモノシ
ラン、アンチモン化合物として三塩化アンチモン、及び
フッ素化合物としてフッ化水素を夫々使用し、熱分解C
VD法により膜形成を行ったすなわち、第1の成膜原料
供給部16aからは、窒素で希釈されたモノブチルスズ
トリクロライド、酸素及び水をガラスリボン15の表面
に供給して膜厚25nmのSnO2膜2を積層し(第1
層)、次いで第2の成膜原料供給部16bからは、窒素
で希釈されたモノシラン、酸素、更には添加剤としての
エチレンをSnO2膜2の表面に供給して膜厚25nm
のSiO2膜3を積層した(第2層)。そしてさらに第
3の成膜原料供給部16cからは、窒素で希釈されたモ
ノブチルスズトリクロライド、三塩化アンチモン、酸素
及び水蒸気からなる混合ガスをSiO2膜3の表面に供
給して膜厚200nmのSnSbOx膜4を積層し(第
3層)、第4の成膜原料供給部16dからは、窒素で希
釈されたモノブチルスズトリクロライドとフッ化水素の
蒸気、酸素及び水蒸気からなる混合ガスをSnSbOx
膜4の表面に供給して膜厚250nmのSnO2:F膜
5を積層し(第4層)、このようにして膜構成がガラス
基板1/SnO2膜2/SiO2膜3/SnSbOx膜4
/SnO2:F膜5の試験片をオンラインCVD法で作
製した。
【0102】尚、第3層のSnSbOx膜4におけるア
ンチモン含有率はスズに対するアンチモンのモル比が
0.04となるようにモノブチルスズトリクロライド及
び三塩化アンチモンの使用量を調整した。
【0103】〔実施例8〕実施例7と同様、まず、けい
砂、ソーダ灰等のガラス原料粉末を1500〜1600
℃に加熱された溶融窯11に投入して該ガラス原料粉末
を溶融窯11の内部で溶融させ、次いで溶融した溶融ガ
ラスをバス12に流れ込ませた。そして、バス12では
溶融スズ14により溶融ガラスがリボン状に成形されて
ガラスリボン15となり、600〜750℃の高温状態
を保持して成膜原料供給部16の下方に移動する。
【0104】そして、スズ原料として塩素を含有したモ
ノブチルスズトリクロライド、ケイ素原料としてモノシ
ラン、アンチモン化合物として三塩化アンチモン、及び
フッ素化合物としてフッ化水素を夫々使用し、熱分解C
VD法により膜形成を行った。すなわち、第1の成膜原
料供給部16aからは、窒素で希釈されたモノブチルス
ズトリクロライド、酸素及び水をガラスリボン15の表
面に供給して膜厚41nmのSnO2膜2を積層し(第
1層)、次いで第2の成膜原料供給部16bからは、窒
素で希釈されたモノシラン、酸素、更には添加剤として
のエチレンをSnO2膜2の表面に供給して膜厚21n
mのSiO2膜3を積層した(第2層)。そしてさらに
第3の成膜原料供給部16cからは、窒素で希釈された
モノブチルスズトリクロライド、三塩化アンチモン、酸
素及び水蒸気からなる混合ガスをSiO2膜3の表面に
供給して膜厚210nmのSnSbOx膜4を積層し
(第3層)、第4の成膜原料供給部16dからは、窒素
で希釈されたモノブチルスズトリクロライドとフッ化水
素の蒸気、酸素及び水蒸気からなる混合ガスをSnSb
Ox膜4の表面に供給して膜厚240nmのSnO2:F
膜5を積層し(第4層)、このようにして膜構成がガラ
ス基板1/SnO2膜2/SiO2膜3/SnSbOx膜
4/SnO2:F膜5の試験片をオンラインCVD法で
作製した。
【0105】尚、第3層のSnSbOx膜4におけるア
ンチモン含有率はスズに対するアンチモンのモル比が
0.03となるようにモノブチルスズトリクロライド及
び三塩化アンチモンの使用量を調整し、第4層のSnO
2:F膜5におけるフッ素含有率が0.45wt%とな
るようにモノブチルスズトリクロライド及びフッ化水素
等の使用量を調整した。
【0106】〔比較例1〕実施例1〜6と同様のCVD
法により膜構成がガラス基板1/SnO2膜2/SiO2
膜3/SnO2:F膜5の試験片を作製した。
【0107】すなわち、モノブチルスズトリクロライド
の蒸気、酸素、及び窒素を所定モル比に調合して原料ガ
スを作製し、該原料ガスをガラス基板1上に供給して膜
厚25nmのSnO2膜2を該ガラス基板1上に積層し
て第1層を形成した。次いで、モノシラン、酸素、窒素
及びエチレンを所定モル比に調合して原料ガスを作製
し、該原料ガスをSnO2膜2上に供給して膜厚25n
mのSiO2膜3を積層し、第2層を形成した。次に、
モノブチルスズトリクロライドの蒸気、酸素、フッ化水
素の蒸気及び窒素を所定モル比に調合して原料ガスを作
製し、該原料ガスをSiO2膜3上に供給して膜厚35
0nmのSnO2:F膜5を積層して第3層を形成し、
比較例1の試験片を作製した。
【0108】〔比較例2〕実施例1〜6と同様のCVD
法により、膜構成がガラス基板1/SnO2膜2/Si
2膜3/SnO2:F膜5/SnSbOx膜4であっ
て、SnSbOx膜4中のスズに対するアンチモンのモ
ル比が0.2を超える試験片を作製した。
【0109】すなわち、まず、モノブチルスズトリクロ
ライドの蒸気、酸素、及び窒素を所定モル比に調合して
原料ガスを作製し、該原料ガスをガラス基板1上に供給
して膜厚25nmのSnO2膜2を該ガラス基板1上に
積層して第1層を形成した。次いで、モノシラン、酸
素、窒素及びエチレンを所定モル比に調合して原料ガス
を作製し、該原料ガスをSnO2膜2上に供給して膜厚
25nmのSiO2膜3を積層し、第2層を形成した。
次に、モノブチルスズトリクロライドの蒸気、酸素、フ
ッ化水素の蒸気及び窒素を所定モル比に調合して原料ガ
スを作製し、該原料ガスをSnO2膜2上に供給して膜
厚350nmのSnO2:F膜5を積層して第3層を形
成した。次いで、モノブチルスズトリクロライドの蒸
気、酸素、三塩化アンチモンの蒸気及び窒素を所定モル
比に調合して原料ガスを作製し、該原料ガスをSn
2:F膜5上に供給して膜厚25nmのSnSbOx膜
4を積層し、第4層を形成し、比較例2の試験片を作製
した。
【0110】尚、第4層のSnSbOx膜4におけるア
ンチモン含有率はスズに対するアンチモンのモル比が
0.22となるようにモノブチルスズトリクロライド及
び三塩化アンチモンの使用量を調整した。
【0111】〔比較例3〕実施例1〜6と同様のCVD
法により、膜構成がガラス基板1/SiO2膜3/Sn
2:F膜5/SnSbOx膜4の試験片を作製した。
【0112】すなわち、モノシラン、酸素、窒素及びエ
チレンを所定モル比に調合して原料ガスを作製し、該原
料ガスをガラス基板1上に供給して膜厚25nmのSi
2膜3を積層して第1層を形成し、次いで、該モノブ
チルスズトリクロライドの蒸気、酸素、フッ化水素の蒸
気及び窒素を所定モル比に調合して原料ガスを作製し、
該原料ガスをSiO2膜3上に供給して膜厚350nm
のSnO2:F膜5を積層して第2層を形成し、さら
に、モノブチルスズトリクロライドの蒸気、酸素、三塩
化アンチモンの蒸気及び窒素を所定モル比に調合して原
料ガスを作製し、該原料ガスをSnO2:F膜5上に供
給して膜厚25nmのSnSbOx膜4を積層して第3
層を形成し、比較例3の試験片を作製した。
【0113】尚、第3層のSnSbOx膜4におけるア
ンチモン含有率はスズに対するアンチモンのモル比が
0.12となるようにモノブチルスズトリクロライド及
び三塩化アンチモンの使用量を調整した。
【0114】〔比較例4〕実施例1〜6と同様のCVD
法により、膜構成がガラス基板1/SnO2膜2/Si
2膜3/SnSbOx膜4であって、SnSbOx膜4
中のスズに対するアンチモンのモル比が0.01未満の
試験片を作製した。
【0115】すなわち、モノブチルスズトリクロライド
の蒸気、酸素、及び窒素を所定モル比に調合して原料ガ
スを作製し、該原料ガスをガラス基板1上に供給して膜
厚25nmのSnO2膜2を該ガラス基板1上に積層
し、第1層を形成した。次いで、モノシラン、酸素、窒
素及び添加剤としてのエチレンを所定モル比に調合して
原料ガスを作製し、該原料ガスをSnO2膜2上に供給
して膜厚25nmのSiO2膜3を積層し、第2層を形
成した。次にモノブチルスズトリクロライドの蒸気、酸
素、三塩化アンチモンの蒸気及び窒素を所定モル比に調
合して原料ガスを作製し、該原料ガスをSiO2膜3上
に供給して膜厚200nmのSnSbOx膜4を積層
し、第3層を形成した。次いで、モノブチルスズトリク
ロライドの蒸気、酸素、フッ化水素の蒸気及び窒素を所
定モル比に調合して原料ガスを作製し、該原料ガスをS
nSbOx膜4上に供給して膜厚250nmのSnO2
F膜5を積層して第4層を形成し、比較例4の試験片を
作製した。
【0116】尚、第3層のSnSbOx膜4におけるア
ンチモン含有率は、スズに対しモル比が0.009とな
るようにモノブチルスズトリクロライド及び三塩化アン
チモンの使用量を調整した。
【0117】次に、このようにして得られた各試験片
(実施例1〜実施例7及び比較例1〜比較例4)につい
て、ガラスの透明性の尺度となる可視光透過率、ガラス
の遮熱性能の尺度となる日射透過率、及びガラスの断熱
性能の尺度となる垂直放射率をJIS R3106に準
拠して測定し、また色ムラについては目視判定した。
【0118】尚、可視光透過率及び日射透過率は、日立
製作所社製330型分光光度計を使用して測定し、垂直
放射率を算出するための赤外反射率は日立製作所社製2
70−30型赤外分光光度計を使用して測定した。
【0119】表2は各実施例及び各比較例における測定
結果を示している。
【0120】表2中、色ムラ判定は、○は良、△は可、
×は不良を示す。
【0121】
【表2】
【0122】可視透過率は、複層ガラスに組み入れた場
合を考慮し、低放射ガラス単板では75%以上が必要で
あり、また、日射透過率は地域や方位に限定されること
なく適度な遮熱性能を確保するためには60〜70%の
範囲内とする必要がある。さらに垂直放射率については
良好な低放射性を有し、所望の断熱性能を確保するため
には0.2以下とする必要がある。
【0123】以上の基準を踏まえて測定結果を考察する
と、比較例1は、可視光透過率が81.7%と高くガラ
スの透明性は十分に確保されており、また垂直放射率も
0.13と低く断熱性能も確保され、さらに色ムラも生
じていないが、金属酸化物系薄膜中にはSnSbOx膜
が含まれていないため、日射透過率が71.5%と高
く、すなわち太陽光に含まれる赤外線を有効に遮断する
ことができず、遮熱性能を充分に確保することができな
い。したがって比較例1の低放射ガラスは断熱性能の点
から寒冷地域には適していても、夏季に熱暑感の激しい
地域や大量の日射エネルギが室内に流入する設置場所に
は適さない。
【0124】また、比較例2は、日射透過率は69.0
%で遮熱性能は適度に確保され、垂直放射率も0.13
と低く断熱性能も確保され、さらに色ムラも生じていな
いが、比較例2の膜構成ではSnSbOx膜中のモル比
(=Sb/Sn)が0.22(>0.2)と大きいため
可視光透過率が73.9%と低い。すなわち、該低放射
ガラス単板を後述する複層ガラスに組み入れたときは、
可視光透過率が低下して透明性を損なう虞があり、室内
に居住する人間に不快感を与える結果となる。すなわ
ち、比較例2の低放射ガラスは低放射ガラス単板として
しか使用できない虞が大きく、用途が限定されることと
なる。
【0125】また、比較例3は、可視光透過率が78.
0%と高くガラスの透明性は十分に確保されており、ま
た日射透過率も68.9%と適度な遮熱性能が確保さ
れ、さらに垂直放射率も0.13と低く断熱性能も確保
されているが、SnSbOx膜中のモル比(=Sb/S
n)が0.12(>0.1)と大きいため所望の色調整
を行うことができず色ムラが生じ、外観上の品質低下を
招いている。
【0126】さらに、比較例4は、可視光透過率が8
1.6%と高くガラスの透明性は十分に確保されてお
り、また垂直放射率も0.13と低く断熱性能も確保さ
れており、さらに色ムラも生じないが、アンチモン含有
率がスズに対しモル比で0.009(<0.01)と少
なすぎるため日射透過率が71.3%と高く、所期の遮
熱性能を発揮し得ない。
【0127】これに対して、実施例1〜実施例8は、い
ずれも可視光透過率は75%以上であり、したがって透
明性は十分に確保され、また、日射透過率はいずれも6
0〜70%の範囲内にあり、一定の範囲内で遮熱性能が
制御されて地域や設置方位に限定されることなく適度な
遮熱性能が確保される。また、実施例1、実施例2、実
施例7及び実施例8はガラス基板1/SnO2膜2/S
iO2膜3/SnSbOx膜4/SnO2:F膜5の膜構
成を有しているが、SnSbOx膜4中のスズに対する
アンチモン含有率がモル比で0.01〜0.1の範囲内
に入っているため、色ムラが生じることもない。また、
その他の実施例についても色ムラについて実用上支障が
生じない程度のものを得ることができることが判った。
【0128】さらに、実施例8は、SnO2膜の膜厚は
36nm〜45nm、SiO2膜3の膜厚は19nm〜
26nm、SnSbOX膜4の膜厚は190nm〜23
0nm、SnO2:F膜5の膜厚は210nm〜260
nmの範囲に夫々設定されており、また、SnSbOX
膜4のアンチモン含有率は前記モル比で0.02〜0.
04、SnO2:F膜5のフッ素含有率は0.3wt%
〜0.6wt%の範囲とされているため、可視光透過率
が78.8%、日射透過率が64.0%となって両者の
差が大きく正面又は斜め方向から見た場合であっても反
射色調は自然なニュートラル系の色調となった。因み
に、被膜面と反対側、すなわち非被膜面側の正面から見
た反射色調は、JIS Z8729に準拠したL**
*表色系のクロマティクネス指数a* 、b*により評価し
た結果、クロマティクネス指数a*、b*は夫々「−0.
2」、「−0.5」であり、非被膜面側の斜め方向から
見た反射色調は、クロマティクネス指数a* 、b*が夫
々「−0.9」、「2.3」であった(L***表色
系では、一般に、クロマティクネス指数a* 、b*が2
5>a*2+b*2の範囲内にあるときに反射色調は、ニュ
ートラル系と判定される)。
【0129】このように本実施例の低放射ガラスは、一
定範囲内で制御された遮熱性能を有し、しかも十分な低
放射性を有しているため断熱性能も確保され、かつ透明
性や色調についても満足すべき結果が得ることができ
る。
【0130】次に、本発明者等は上記実施例1、実施例
3、実施例6及び比較例1の低放射ガラスを使用して、
上記図5に示すような複層ガラスを作製し、JIS R
3106に準拠して可視光透過率、室内への日射エネル
ギの流入割合、すなわち遮熱性能の尺度となる日射熱取
得率を測定し、またJIS R3107に準拠して断熱
性能の尺度となる熱貫流率を測定した。
【0131】尚、可視光透過率、及び日射熱取得率を算
出するための日射透過率は日立製作所社製330型分光
光度計を使用して測定し、熱貫流率を算出するための赤
外反射率は日立製作所社製270−30型赤外分光光度
計を使用して測定した。
【0132】表3は各実施例及び比較例における測定結
果を示している。
【0133】
【表3】
【0134】複層ガラスの場合、可視透過率は、70%
以上が必要である。また、日射熱取得率は適度な遮熱性
能を確保するためには0.65前後が望ましい。さらに
熱貫流率については所望の断熱性能を確保するためには
3.0W/m2・K以下である必要がある。
【0135】以上の基準を踏まえて測定結果を考察する
と、比較例1は、可視光透過率は75.5%と高く、ガ
ラスの透明性は十分に確保されており、また熱貫流率も
2.3W/m2・Kと低いため断熱性能も確保されてい
るが、低放射ガラスの薄膜中にはSnSbOx膜が含ま
れていないため、日射熱取得率が0.70と高く、表2
の場合と同様、遮熱性能が低く、寒冷地域には適してい
ても、夏季に熱暑感の激しい地域や大量の日射エネルギ
が室内に流入する場所には適さない。
【0136】これに対して実施例1〜実施例3の複層ガ
ラスは、いずれも可視光透過率は70%を確保してお
り、したがって複層ガラスとしても透明性は十分に確保
され、また、日射熱取得率はいずれも0.65前後であ
り、したがって所望の適度な遮熱性能を確保することが
できる。すなわち本実施例の複層ガラスは、断熱性能を
損なうことなく所望の遮熱性能を有しており、使用地域
や設置方位に限定されることなく快適な居住環境の実現
が可能なことが判る。
【0137】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る低放射
ガラスは、断熱性能を損なうことなく遮熱性能を一定の
範囲に保持することができ、したがって地域や設置方位
に限定されることのない低放射ガラスを得ることができ
る。しかも、本発明の低放射ガラスは、アンチモン含有
率や積層順序を制御することにより、透明性にも優れ、
色ムラも生じることがないので、あらゆる地域や場所に
設置した場合であっても快適な居住環境を実現すること
が可能となる。
【0138】また、本発明の低放射ガラスは、溶融スズ
上にガラス原料を流し込んで所定高温状態のリボン状ガ
ラスを形成し、該リボン状ガラスの表面に金属酸化物系
固相が堆積して前記金属酸化物系薄膜を形成することに
より、リボン状ガラスの有する熱エネルギを利用した熱
分解により膜形成を行うことができ、したがって軟化点
以上の温度を有するガラス表面で成膜することが可能と
なり、低コストでもって優れた膜性能を有する低放射ガ
ラスを効率良く大量生産することができる。
【0139】また、本発明に係るガラス物品は、上記低
放射ガラスを少なくとも1枚含む複数のガラスが互いに
対向配置されると共に、これら複数のガラス間には中空
層が形成されているので、優れた断熱性能と遮熱性能の
選択性から、より快適な居住環境を実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る低放射ガラスの一実施の形態(第
1の実施の形態)を示す断面図である。
【図2】本発明に係る低放射ガラスの第2の実施の形態
を示す断面図である。
【図3】本発明に係る低放射ガラスの第3の実施の形態
を示す断面図である。
【図4】オンラインCVD装置を模式的に示した概略構
成図である。
【図5】本発明に係るガラス物品としての複層ガラスの
一実施の形態を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 SnO2膜 3 SiO2膜 4 SnSbOx膜 5 SnO2:F膜 15 ガラスリボン(リボン状ガラス) 18 低放射ガラス
フロントページの続き (72)発明者 末吉 幸雄 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本板硝子株式会社内 (72)発明者 藤沢 章 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本板硝子株式会社内 (72)発明者 山本 透 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本板硝子株式会社内 Fターム(参考) 4G059 AA01 AB11 AC06 EA02 EA05 EB01 EB06 EB09 GA01 GA04 GA12

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板の表面に金属酸化物を主成分
    とした複数の金属酸化物系薄膜が積層された低放射ガラ
    スにおいて、 前記複数の金属酸化物系薄膜が、少なくともアンチモン
    を含有したアンチモン含有・酸化スズ系薄膜と、フッ素
    を含有したフッ素含有・酸化スズ系薄膜とを含んでいる
    ことを特徴とする低放射ガラス。
  2. 【請求項2】 前記アンチモン含有・酸化スズ系薄膜の
    スズに対するアンチモン含有率は、モル比で0.01〜
    0.2に設定されていることを特徴とする請求項1記載
    の低放射ガラス。
  3. 【請求項3】 前記ガラス基板の表面に酸化スズ系薄膜
    が形成されると共に、該酸化スズ系薄膜の表面に酸化ケ
    イ素系薄膜が形成され、 さらに、少なくとも前記アンチモン含有・酸化スズ系薄
    膜及びフッ素含有酸化スズ系薄膜を含む複数の薄膜が前
    記酸化ケイ素系薄膜の表面に積層されていることを特徴
    とする請求項1又は請求項2記載の低放射ガラス。
  4. 【請求項4】 前記酸化ケイ素系薄膜の表面に前記アン
    チモン含有・酸化スズ系薄膜が形成され、さらに該アン
    チモン含有・酸化スズ系薄膜の表面に前記フッ素含有・
    酸化スズ系薄膜が形成され、 かつ、前記アンチモン含有・酸化スズ系薄膜のスズに対
    するアンチモン含有率が、モル比で0.01〜0.1に
    設定されていることを特徴とする請求項3記載の低放射
    ガラス。
  5. 【請求項5】 前記酸化ケイ素系薄膜の表面に前記フッ
    素含有・酸化スズ系薄膜が形成され、さらに該フッ素含
    有・酸化スズ系薄膜の表面に前記アンチモン含有・酸化
    スズ系薄膜が形成されていることを特徴とする請求項3
    記載の低放射ガラス。
  6. 【請求項6】 前記ガラス基板の表面に前記アンチモン
    含有・酸化スズ系薄膜が形成されると共に、該アンチモ
    ン含有・酸化スズ系薄膜の表面に酸化ケイ素系薄膜が形
    成され、さらに該酸化ケイ素系薄膜の表面に前記フッ素
    含有・酸化スズ系薄膜が形成されていることを特徴とす
    る請求項1又は請求項2記載の低放射ガラス。
  7. 【請求項7】 前記酸化スズ系薄膜、前記アンチモン含
    有・酸化スズ系薄膜及び前記フッ素含有・酸化スズ系薄
    膜のうちの少なくとも1つ以上の薄膜に塩素が含有され
    ていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれ
    かに記載の低放射ガラス。
  8. 【請求項8】 前記ガラス基板は、溶融スズ上にガラス
    原料を流し込んで形成された所定高温状態のリボン状ガ
    ラスから製造され、前記金属酸化物系薄膜は、前記リボ
    ン状ガラスの表面に金属酸化物系固相を堆積して形成さ
    れたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか
    に記載の低放射ガラス。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載
    の低放射ガラスを少なくとも1枚含む複数のガラスが互
    いに対向配置されると共に、これら複数のガラス間に中
    空層が形成されていることを特徴とするガラス物品。
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