JPH11292562A - 透明遮熱ガラス及びこれを用いた複層ガラス - Google Patents

透明遮熱ガラス及びこれを用いた複層ガラス

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JPH11292562A
JPH11292562A JP9952898A JP9952898A JPH11292562A JP H11292562 A JPH11292562 A JP H11292562A JP 9952898 A JP9952898 A JP 9952898A JP 9952898 A JP9952898 A JP 9952898A JP H11292562 A JPH11292562 A JP H11292562A
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transparent heat
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Hodaka Norimatsu
穂高 乗松
Yukio Sueyoshi
幸雄 末吉
Yasukimi Nagashima
廉仁 長嶋
Masahiro Takahara
正弘 高原
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Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い可視光透過性と高い日射熱遮蔽性能を確
保し、しかも全体の透過色調が無彩色系のガラス板を得
る。 【解決手段】 ガラス板に含まれる着色成分として、F
e23に換算した全酸化鉄が0.10重量%以上0.3
0重量%以下、FeOが0.04重量%以上0.06重
量%以下で、ガラス板表面に金属酸化物膜が複数積層さ
れ、その可視光透過率が80%以上で透過色のクロマテ
ィックネス指数(a*,b*)の絶対値が5以下の無彩色
系となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば建築物、自動
車或いは車両の窓ガラス等として用いるのに好適な透明
遮熱ガラス、この透明遮熱ガラスを用いた複層ガラスに
関する。
【0002】
【従来の技術】太陽光に含まれる熱線の透過を阻止し、
冷房負荷の軽減と太陽光による熱暑感の低減を図ったガ
ラス板として遮熱ガラスや熱線吸収ガラス、更には2枚
のガラス板をスペーサを介して対向配置し、2枚のガラ
ス板間に外部とは気密に遮断された空気層を形成した複
層ガラスも知られている。
【0003】遮熱ガラスはガラス板表面にスパッタリン
グ法などによって金属銀の多層膜を形成し、その光干渉
効果を利用して表面反射率を高め太陽エネルギーを反射
することで、建物、自動車或いは車両内へ太陽エネルギ
ーが入り込むのを抑制している。
【0004】また、遮熱ガラスとして景観の自然な色調
を損ねない無彩色系を得るために、屈折率の異なる複数
の膜を積層したものが特公平3−72586号公報に提
案されている。この公報に提案される内容は、ガラスと
透明導電膜との間に中間層を2層設け、これら中間層に
て透明導電膜の干渉色を低減し、無彩色系の透過色調を
呈するようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記した先行技術のう
ち、熱線吸収ガラスはガラス板中に微量成分を添加して
いるが、この熱線吸収ガラスにおいて、日射熱遮蔽性能
を高めようとすると、透過率を極端に低くしなければな
らず、室内が暗くなり快適性が損われる。
【0006】また、スパッタリング法で金属銀の多層膜
を形成する遮熱ガラスの場合には、日射熱遮蔽性能は高
いが、製造コストの面で不利があり、また多層膜の耐久
性が低く、例えば複層ガラスを構成するガラス板として
用いた場合に、接着部位で膜の剥離が発生しやすい。
【0007】更に、特公平3−72586号公報に提案
される遮熱ガラスにあっては、無彩色系の透過色調を呈
するものの、日射熱遮蔽性能は事実上第3層目の透明導
電膜で決定するため、日射熱遮蔽性能を高めようとする
と、可視光透過率を低くしなければならず、前記と同様
に室内が暗くなり快適性が損われる。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題、即ち、高い耐
久性、高い可視光透過性、高い熱線遮蔽性及び無彩色系
の透過色調を有するガラスを安価に得ることを目的とし
て本発明をなしたものである。また、本発明は比較的低
緯度の温暖〜高温地域での使用に好適な透明遮熱複層ガ
ラスを得ることも目的とする。
【0009】即ち、本発明に係る透明遮熱ガラスは、ガ
ラス板表面に金属酸化物膜が複数積層され、その可視光
透過率が80%以上で透過色のクロマティックネス指数
(a*,b*)の絶対値が5以下の無彩色系の透明遮熱ガ
ラスであって、ガラス板を構成する基礎成分と着色成分
が以下の組成と割合からなることを特徴とする。 (基礎成分) SiO2 :65重量%以上80重量%以下 Al23:5重量%以下 B23 :5重量%以下 MgO :10重量%以下 CaO :5重量%以上15重量%以下 Na2O :10重量%以上18重量%以下 K2O :5重量%以下 MgOとCaOとの合計量 :5重量%以上15重量%以
下 Na2OとK2Oとの合計量:10重量%以上20重量%
以下 (着色成分) Fe23に換算した全酸化鉄:0.10重量%以上0.
30重量%以下 FeO:0.04重量%以上0.06重量%以下
【0010】上記構成のうち特徴的な点は、着色成分と
して添加するFeの量および価数であり、本発明にあっ
ては、Feの量・価数を調整することで可視光透過率を
高く保ったうえで太陽光透過率を低くし、ガラス板表面
に金属酸化物膜を複数積層することで、更に太陽光透過
率を低くして日射熱遮蔽性を高めている。
【0011】ここで、Fe23は紫外線吸収性能を高
め、FeOは赤外線吸収性能を高める成分であり、全酸
化鉄がFe23に換算して0.10重量%未満としたう
えで赤外線吸収効果を高めるためにFeO比を高めると
ガラスの溶融が困難になるとともにガラスの透過色調が
ブルーになるため好ましくない。また、全酸化鉄がFe2
3に換算して0.30重量%を超えると可視光透過率
が低下し、これを防ぐためにFeO比を低くするとガラ
スの赤外線吸収効果が低くなり、透過色調がグリーンに
なるため好ましくない。このような観点から、Fe23
に換算した全酸化鉄については、0.18重量%〜0.
25重量%がより好ましい。
【0012】そして、上記の全鉄量のもとで、所望の太
陽光エネルギー吸収能及び可視光透過能を得るために
は、FeOの量を0.04重量%〜0.06重量%とす
る。これよりも少ないと、赤外線吸収能が低くなり多く
なると可視光透過率が低くなる。また、本発明の透明遮
熱ガラスは、可視光透過率が80%以上であり、透過色
が無彩色系となるため、景観の自然な色調を損わないガ
ラスとなっている。
【0013】本発明にあっては、ガラス板表面に積層す
る金属酸化物膜の材料、積層数、積層順、更には各金属
酸化物膜の厚みを調整することで、透過色調を無彩色系
にすることができる。特に、ガラスより数えて第3層目
の金属酸化物膜については、必要な日射熱遮蔽性能とフ
ッ素等の添加剤とその添加量等によって決まる屈折率に
よって厚み等が決定され、第1層目及び第2層目につい
てはそれぞれの層の屈折率と第3層目の屈折率及び膜厚
によって決められる。即ち、積層する金属酸化物膜の具
体例を挙げれば、ガラス板上に直接形成される第1層目
の金属酸化物膜は酸化錫を主体とするとともに厚みが1
0nm以上40nm以下好ましくは20nm以上30n
m以下で、この第1層目の金属酸化物膜の上に形成され
る第2層目の金属酸化物膜は酸化シリコンを主体とする
とともに厚みが10nm以上40nm以下好ましくは2
0nm以上30nm以下で、この第2層目の金属酸化物
膜の上に形成される第3層目の金属酸化物膜は酸化錫を
主体とするとともに厚みが300nm以上450nm以
下好ましくは350nm以上400nm以下とする。
【0014】また第3層目の金属酸化物膜にはフッ素を
添加することが可能である。フッ素を添加することで日
射熱遮蔽性能が向上するが、大量に添加すると可視光透
過率が低下するので、0.1重量%以上1重量%以下好
ましくは0.4重量%以上0.6重量%以下の割合で添
加するのが好ましい。
【0015】次に、ガラス板を構成する基礎成分の特性
と好ましい割合について説明する。SiO2はガラスの骨
格を形成する主成分であり、このSiO2の割合が65重
量%未満ではガラスの耐久性が低下し、80重量%を超
えるとガラスの溶解が困難になるので、SiO2の割合は
65重量%以上80重量%以下にする。Al23は必須
の成分ではないがガラスの耐久性を向上させる成分であ
り、5重量%を超えるとガラスの溶解が困難になるので
5重量%以下にする。B23は必須の成分ではないがガ
ラスの耐久性を向上させ、また溶解助剤として使用さ
れ、5重量%を超えるとB23の揮発等による成形時の
不都合が生じるので5重量%以下にする。MgOとCaO
はガラスの耐久性を向上させるとともに成形時の失透温
度、粘度を調整するために用いられ、MgOが10重量
%を超えると失透温度が上昇するので、MgOについて
は10重量%以下とし、またCaOについては5重量%
未満或いは15重量%を超えると失透温度が上昇するの
で、5重量%以上15重量%以下にする。更にMgOと
CaOとの合計量が5重量%未満ではガラスの耐久性が
低下し、15重量%を超えると失透温度が上昇するの
で、MgOとCaOとの合計量については5重量%以上1
5重量%以下にする。Na2OとK2Oはガラスの溶解促
進剤として用いられる。Na2Oが10重量%未満あるい
はNa2OとK2Oの合計量が10重量%未満では溶解促
進効果が乏しく、Na2Oが18重量%を超えるか、また
はNa2OとK2Oの合計量が20重量%を超えるとガラ
スの耐久性が低下する。K2OはNa2Oに比べて高価な
ためK2Oの割合は5重量%以下とすることが好まし
い。
【0016】尚、上記の組成の他に、CoO、NiO、S
e、Cr23、ZnO、MnO、SnO2、MoO3から選択し
た1種類または2種類以上のものを合計量で1重量%以
下、またはSO3に換算したSを1重量%以下添加する
ことで、色調や還元度を調整することが可能である。
【0017】上記の酸化シリコン、酸化錫等の金属酸化
物膜を形成する方法としては、真空蒸着法、スパッタリ
ング法、塗布法等が挙げられ、特に、化学気相法(CV
D)或いは溶液スプレー法、分散液スプレー法、粉末ス
プレー法等のスプレー法が生産性、被膜耐久性及び成膜
後に風冷及び化学強化が可能であるといった観点から好
ましい。
【0018】上記の化学気相法(CVD)にあっては、
金属酸化物膜となる化合物を含む被膜形成用の蒸気を用
いればよい。また、溶液スプレー法においては、所望の
金属の化合物を含む溶液を高温のガラス基板上に噴霧す
ればよく、分散液スプレー法においては上記各溶液の代
りに金属の化合物の微粒子を溶液や溶剤に分散させた分
散液を用い、粉末スプレー法においては上記各溶液の代
りに金属の化合物の粉末を用いればよい。尚、スプレー
方法としては、予め各成分を混合した液を微小な液滴・
粉末として噴霧してもよいし、各成分を別個に液滴・粉
末として同時に噴霧・反応させてもよい。しかしなが
ら、スプレー法は吹き付ける液滴の制御や反応生成物や
未分解生成物など排気されるべき生成物の制御が難しい
ため膜厚の均一性が得にくく、更にガラスの歪も大きく
なるので、トータル的には化学気相法(CVD)の方が
優れている。
【0019】化学気相法(CVD)で各金属酸化物膜を
形成する場合、一般に切断されたガラスを加熱し、ガス
状の金属酸化物を吹き付けて成膜される。しかし、斯か
る方法で成膜する場合、溶融後一旦冷却したガラス板を
再加熱するなどの工程が増えるため、請求項5で特定し
たように、ガラス成形時(フロート成形)の熱エネルギ
ーを利用して、高温ガラスリボン上にCVD法で成膜す
ることが望ましい。更に、このCVD法を錫フロート槽
空間で行うことにより、一般にピンホールと呼ばれる膜
抜けの欠点を少なくできる。尚、CVD法によって第1
層、第2層の金属酸化物膜を形成した後に、スプレー法
で第3層の金属酸化物膜を形成してもよい。
【0020】上記の熱分解法に用いることができる原料
を以下に例示する。CVD法で成膜する酸化シリコンの
シリコン原料としては、モノシラン、ジシラン、トリシ
ラン、モノクロロシラン、1,2-ジメチルシラン、1,1,2-
トリメチルジシラン、1,1,2,2-テトラメチルジシラン、
テトラメチルオルソシリケート、テトラエチルオルソシ
リケートなどが挙げられ、酸化原料としては、酸素、水
蒸気、乾燥空気、二酸化炭素、一酸化炭素、二酸化窒
素、オゾンなどが挙げられる。また、シランを使用した
場合にガラス表面に到達するまでの酸化を防止する目的
と、酸化シリコン膜の屈折率制御のため、エチレン、ア
セチレン、トルエン等の不飽和炭化水素を添加してもか
まわない。またテトラメチルオルソシリケート、テトラ
エチルオルソシリケートなどを使用した場合には成膜速
度促進のため、アルミニウムイソプロポキシドなどを添
加してもかまわない。
【0021】CVDで成膜する酸化錫の錫原料として
は、モノブチル錫トリクロライド、四塩化錫、ジメチル
錫ジクロライド、ジブチル錫ジクロライド、ジオクチル
錫ジクロライド、テトラメチル錫、テトラブチル錫、テ
トラオクチル錫などが挙げられ、酸化原料としては、酸
素、水蒸気、乾燥空気などが挙げられる。
【0022】添加剤としてアンチモンを添加する場合に
は、三塩化アンチモン、五塩化アンチモンなどが挙げら
れ、フッ素を添加する場合には、フッ化水素、トリフル
オロ酢酸、プロモトリフルオロメタン、クロルジフルオ
ロメタン、ジフルオロエタンなどが挙げられる。
【0023】スプレー法で成膜するシリコン原料として
は、テトラメチルオルソシリケート、テトラエチルオル
ソシリケート等が挙げられ、また成膜速度促進のためジ
ルコニウムアセチルアセテートなどを添加してもかまわ
ない。
【0024】スプレー法で成膜するSn原料としては、
四塩化錫、ジブチル錫ジクロライド、テトラメチル錫、
ジオクチル錫ジクロライド、ジメチル錫ジクロライド、
テトラオクチル錫、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫
ジラウレート、ジブチル錫脂肪酸、モノブチル錫脂肪
酸、モノブチル錫トリクロライド、ジブチル錫ジアセテ
ート、ジオクチル錫ジラウレートなどが挙げられる。
【0025】また、本発明においては、得られる熱線反
射ガラスの色調や光学特性または被膜耐久性を調整する
ために、マンガン、バナジウム、ビスマス、コバルト、
鉄、クロム、ニッケル、銅、錫、アンチモン、チタン、
ジルコニウム、亜鉛、アルミニウム、シリコン、インジ
ウムなどの金属塩や塩素、臭素などのハロゲン元素を被
膜中に含ませてもよい。
【0026】複層ガラスとしては、2枚のガラス板間の
間隔を5〜6mm程度とし、その間を空気層としたも
の、或いは2枚のガラス板間の間隔を1mm以下とし、
その間を10-2Torr〜10-4Torrの減圧層としたものが
考えられる。本発明に係る透明遮熱ガラスを用いて上記
の複層ガラスを構成する場合、少なくとも透明遮熱ガラ
スが室外側となるようにし、且つこの透明遮熱ガラス表
面に形成される金属酸化物膜が前記空気層または減圧層
側となるようにするのが好ましい。即ち、上記の構成と
することで、太陽エネルギー(赤外線)が室外側ガラス
板として配設された透明遮熱ガラスに吸収され、この吸
収された太陽エネルギーを前記透明遮熱ガラスの空気層
または減圧層側に形成した金属酸化物膜にて室外側に放
出し、太陽エネルギーが室内側に入り込まないようにし
ている。具体的数値を挙げれば、日射熱遮蔽性能を0.
67以下の複層ガラスを得ることが可能になる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面等に基づいて説明する。図1は本発明に係る透明遮
熱ガラスの拡大断面図であり、透明遮熱ガラスはガラス
板1の表面に金属酸化物膜2として高屈折率のSnO2
2a、低屈折率のSiO2膜2b及び高屈折率のSnO2
2cが順次形成されている。
【0028】これら、SnO2膜2a、SiO2膜2b及び
SnO2膜2cの形成方法の一例を図2に基づいて説明す
ると、図2において3は溶融窯であり、この溶融窯3か
ら堰7を介して錫浴4上に溶融ガラスを流し出して平板
状のフロートガラスを成形する。そして、このフロート
ガラスはローラ5の回転によって引き出されるので、溶
融ガラスは帯状になって連続的に製造される。
【0029】そして、この例では、錫浴4の天井部にコ
ータ6a,6b,6cを配置し、コータ6aからは帯状
になって搬送される高温のガラス板の表面にSn化合物
の蒸気を酸素ガス雰囲気で吹き付け、錫浴4内の熱を利
用した熱分解法によってガラス板の表面に第1層目のS
nO2膜2aを形成し、同様にして、コータ6bによって
第2層目のSiO2膜2bを形成し、コータ6cによって
第3層目のSnO2膜2aを形成するようにしている。
尚、金属酸化物膜の形成方法としては、フロートガラス
の製造工程を利用せずに、ガラス板をメッシュベルト等
に乗せて加熱炉を通過させる間に加熱分解法によって金
属酸化物膜を形成するなどの方法でもよい。
【0030】以下に具体的な実施例と比較例について説
明する。 (実施例1〜5)所定のガラス組成を得るように、珪
砂、苦灰石、石灰石、シーダ灰、ぼう硝、酸化第二鉄
及び炭素系還元剤を適宜混合し、この原料を電気炉中で
1450℃に加熱溶融した。着色成分以外の典型的な基
礎組成としては、重量%で表示しておおよそ、SiO2
71%、Al23:1.5%、MgO:4%、CaO:8
%、Na2O:15%、K2O:0.8%とした。原料は
4時間溶融した後、ステンレス板上にガラス素地を流し
出し、室温まで徐冷して厚さ約5mmのガラスを得、こ
のガラスを厚さが3mmとなるように研磨した。次に、
上記ガラスを洗浄・乾燥し基板とした。この基板を大気
開放型の搬送炉のメッシュベルトに乗せて加熱炉を通し
て約570℃まで加熱し、モノブチル錫トリクロライド
の蒸気及び酸素からなる混合ガス、次いで、モノシラ
ン、酸素及び窒素からなる混合ガス、更にモノブチル錫
トリクロライドの蒸気、酸素、水蒸気、窒素、及びフッ
化水素からなる混合ガスによって、順次、酸化錫、酸化
シリコン、フッ素を添加した酸化錫からなる被膜を形成
した。このようにして得られたガラスの金属量、被膜各
層の膜厚、可視光透過率、透過色調を(表1)に示す。
【0031】また、上記によって得られた透明遮熱ガラ
スと3mm厚さの通常フロートガラス板とにより図3に
示すような複層ガラスを製作した。複層ガラスは透明遮
熱ガラスが室外側となるようにし、被膜面が空気層側と
なるようにした。また透明遮熱ガラスとフロートガラス
板の対向する周縁部に乾燥剤を充填したアルミニウム製
スペーサを配置し、これらをブチルゴムで接着した。
尚、空気層の厚さは6mmであった。更に、図4に示す
ように、2枚の透明遮熱ガラス間に微細なスペーサを介
在せしめることで、その間隔を約0.3mmとし、更に
周囲を低融点ガラスからなるシール材で封止し内部を1
-4Torrの減圧層とする複層ガラス(実施例5)も製作
した。得られた各複層ガラスの日射熱取得率を(表1)
に示す。
【0032】(比較例1〜5)所定のガラス組成を得る
ように、珪砂、苦灰石、石灰石、シーダ灰、ぼう硝、酸
化第二鉄 及び炭素系還元剤を適宜混合し、この原料を
電気炉中で1450℃に加熱溶融した。着色成分以外の
典型的な基礎組成としては、重量%で表示しておおよ
そ、SiO2:71%、Al23:1.5%、MgO:4
%、CaO:8%、Na2O:15%、K2O:0.8%と
した。原料は4時間溶融した後、ステンレス板上にガラ
ス素地を流し出し、室温まで徐冷して厚さ約5mmのガ
ラスを得、このガラスを厚さが3mmとなるように研磨
した。次に、上記ガラスを洗浄・乾燥し基板とした。こ
の基板を大気開放型の搬送炉のメッシュベルトに乗せて
加熱炉を通して約570℃まで加熱し、モノブチル錫ト
リクロライドの蒸気及び酸素からなる混合ガス、次い
で、モノシラン、酸素及び窒素からなる混合ガス、更に
モノブチル錫トリクロライドの蒸気、酸素、水蒸気、窒
素、及びフッ化水素からなる混合ガスによって、順次、
酸化錫、酸化シリコン、フッ素を添加した酸化錫からな
る被膜を形成した。このようにして得られたガラスの金
属量、被膜各層の膜厚、可視光透過率、透過色調を(表
1)に示す。
【0033】また、上記によって得られた透明遮熱ガラ
スと3mm厚さの通常フロートガラス板とにより図3に
示すような複層ガラスを製作した。複層ガラスは前記し
た図3に示す構造と同じである。得られた複層ガラスの
日射熱取得率を(表1)に示す。ここで、比較例1〜4
の複層ガラスはいずれも透明遮熱ガラスを室外側に配置
したものであるが、比較例5は透明遮熱ガラスを室内側
に配置し、フロートガラスを室外側に配置したものであ
る。
【0034】
【表1】
【0035】実施例1〜5及び比較例1〜5における各
ガラスの可視光透過率及び透過色の測定を以下の方法で
行った。即ち、得られたガラスの可視光透過率および日
射熱取得率はJIS R3106−1985に従って測
定し、透過色はJIS Z 8722−1982に従い
日立330型分光光度計により測定し、JIS Z 8
729−1980において規定されるL*,a*,b*
示系クロマティックネス指数のa*,b*を計算した。
【0036】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、
主としてガラス基板ガラス基板の上に形成された第3層
目の酸化錫を主体とした膜で、高い可視光透過性と高い
日射熱遮蔽性能を確保し、ガラス板と前記第3層目の膜
との間に形成される第1層および第2層目の膜により第
3層目の膜による干渉色を低減し、更にガラスの着色成
分として、所定割合且つ価数のFeを添加することでガ
ラス全体の透過色調が無彩色系となるようにし、自然の
景観を損わない透明遮熱ガラスが得られる。また、上記
の透明遮熱ガラス表面に形成する被膜を、CVD法やス
プレー法等の熱分解法で得ることで、耐久性に優れた被
膜が得られる。更に、上記の透明遮熱ガラスを複層ガラ
スとして用いることで、日射熱遮蔽性に優れた複層ガラ
スを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る透明遮熱ガラスの拡大断面図
【図2】本発明に係る透明遮熱ガラスの表面に金属酸化
物膜を形成する装置の一例としてのオンラインCVDを
説明した図
【図3】本発明に係る透明遮熱ガラスを用いた複層ガラ
【図4】本発明に係る透明遮熱ガラスを用いた複層ガラ
スの別実施例を示す図
【符号の説明】
1…ガラス板、2…金属酸化物膜、2a,2c…SnO2
膜、2b…SiO2膜、3…溶融窯、4…錫浴、5…ロー
ラ、6a,6b,6c…コータ、7…堰。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高原 正弘 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本板硝子株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス板表面に金属酸化物膜が複数積層
    され、その可視光透過率が80%以上で透過色のクロマ
    ティックネス指数(a*,b*)の絶対値が5以下の無彩
    色系の透明遮熱ガラスであって、ガラス板を構成する基
    礎成分と着色成分が以下の組成と割合からなることを特
    徴とする透明遮熱ガラス。 (基礎成分) SiO2 :65重量%以上80重量%以下 Al23:5重量%以下 B23 :5重量%以下 MgO :10重量%以下 CaO :5重量%以上15重量%以下 Na2O :10重量%以上18重量%以下 K2O :5重量%以下 MgOとCaOとの合計量 :5重量%以上15重量%以
    下 Na2OとK2Oとの合計量:10重量%以上20重量%
    以下 (着色成分) Fe23に換算した全酸化鉄:0.10重量%以上0.
    30重量%以下 FeO:0.04重量%以上0.06重量%以下
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の透明遮熱ガラスにおい
    て、前記ガラス板表面に積層される複数の金属酸化物膜
    のうち最外側の金属酸化物膜が酸化錫を主体としたもの
    であることを特徴とする透明遮熱ガラス。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の透明遮熱ガラスにおい
    て、前記ガラス板表面には3層の金属酸化物膜が積層さ
    れ、ガラス板上に直接形成される第1層目の金属酸化物
    膜は酸化錫を主体とするとともに厚みが10nm以上4
    0nm以下で、この第1層目の金属酸化物膜の上に形成
    される第2層目の金属酸化物膜は酸化シリコンを主体と
    するとともに厚みが10nm以上40nm以下で、この
    第2層目の金属酸化物膜の上に形成される第3層目の金
    属酸化物膜は酸化錫を主体とするとともに厚みが300
    nm以上450nm以下であることを特徴とする透明遮
    熱ガラス。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3に記載の透明遮
    熱ガラスにおいて、前記ガラス板表面に積層される複数
    の金属酸化物膜のうち最外側の金属酸化物膜には、フッ
    素が0.1重量%以上1重量%以下の割合で添加されて
    いることを特徴とする透明遮熱ガラス。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4に記載の透明遮熱
    ガラスにおいて、この透明遮熱ガラスはフロート法にて
    製造され、またガラス板表面に形成される金属酸化物膜
    はフロート法の熱を利用した熱分解法で形成されること
    を特徴とする透明遮熱ガラス。
  6. 【請求項6】 2枚のガラス板を対向配置することで間
    に空気層若しくは減圧層を形成した複層ガラスであっ
    て、この複層ガラスは2枚のガラス板のうちの少なくと
    も一方が前記請求項1乃至請求項5に記載の透明遮熱ガ
    ラスにて構成されていることを特徴とする複層ガラス。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の複層ガラスにおいて、
    前記透明遮熱ガラスは複層ガラスの室外側ガラス板とし
    て用いられ、且つ透明遮熱ガラスの表面に形成される金
    属酸化物膜が複層ガラスの空気層または減圧層側となる
    ように組立てられ、且つ複層ガラス全体としての日射熱
    取得率が0.67以下であることを特徴とする複層ガラ
    ス。
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