JP2001195773A - 浮上型光学ヘッドの製造方法 - Google Patents

浮上型光学ヘッドの製造方法

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JP2001195773A
JP2001195773A JP2000010186A JP2000010186A JP2001195773A JP 2001195773 A JP2001195773 A JP 2001195773A JP 2000010186 A JP2000010186 A JP 2000010186A JP 2000010186 A JP2000010186 A JP 2000010186A JP 2001195773 A JP2001195773 A JP 2001195773A
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optical
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mirror
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JP2000010186A
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Atsumichi Kawashima
敦道 川島
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 品質の大幅な向上を図ると共に、生産性を大
幅に向上させることを可能とする。 【解決手段】 スライダとミラーに対応した形状の金型
とによりミラーとなる半固体状の母材をモールド成形
し、この半固体状の母材を冷却して硬化させることによ
り、ミラーをスライダの所定の位置に精度良く、且つ容
易に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスク状記録媒
体の信号記録面上を浮上するスライダを備え、このスラ
イダに搭載された反射面を有する略半球状のミラーによ
り反射されて集光された光を上記ディスク状記録媒体の
信号記録面に照射させる浮上型光学ヘッドの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、光磁気ディスクや相変化型光
ディスク等のように、信号記録面に光を照射することに
より、情報信号の読み出しや書き込みが行われる光記録
媒体が普及している。そして、これら光記録媒体におい
ては、できるだけ多くの情報を記録可能とすべく、記録
密度の高密度化が盛んに行われている。
【0003】また、このような光記録媒体の高記録密度
化に伴って、光記録媒体に対して情報信号の読み出しや
書き込みを行う光学ヘッドに対しても、光記録媒体の信
号記録面に照射される光のスポット径を小さくすること
により、記録密度を向上させる試みが行われている。
【0004】具体的には、ハードディスク装置等におけ
る浮上型磁気ヘッドの技術を応用した、いわゆる光ハー
ドディスク装置が提案されている。この光ハードディス
ク装置は、図15に示すように、反射面100aを有す
る略半球状の固浸ミラー100をスライダ101に搭載
して浮上型光学ヘッド102を構成し、光学記録媒体1
03の信号記録面103a上を所定の浮上量で浮上させ
ながら、このスライダ101に搭載された固浸ミラー1
00により反射されて集光された光を光学記録媒体10
3の信号記録面103aに照射させることにより、情報
信号の読み出しや書き込みを行うものである。
【0005】この光ハードディスク装置では、浮上型光
学ヘッド102が、回転する光記録媒体103とスライ
ダ101との間に発生する空気流により浮揚力を受け、
この浮揚力により光記録媒体103の信号記録面103
a上から微小な間隔で浮上した状態となる。この場合、
光記録媒体103の信号記録面103aとスライダ10
1との間隔を、例えば1μm以下の微小な間隔に保持す
ることができる。
【0006】そして、この光ハードディスク装置では、
浮上型光学ヘッド102が光学記録媒体103の信号記
録面103aと極めて近接した状態となることで、近接
場光記録と呼ばれる、近接場での集光された光を利用し
た情報信号の読み出しや書き込みが行われる。
【0007】この場合、光ハードディスク装置では、従
来の光ディスク装置の光学系と比べて、光記録媒体10
3の信号記録面103aに照射される光のスポット径を
小さくすることができる。しがたって、光ハードディス
ク装置では、このような近接場光記録を利用することに
より、従来の光ディスク装置を上回る記録密度で情報信
号の読み出しや書き込みを行うことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した光
ハードディスク装置において、浮上型光学ヘッド102
は、図15に示すように、例えばセラミック製のスライ
ダ101に孔部101aを形成し、この孔部101aに
固浸ミラー100に形成された凸部100bを嵌合させ
ることにより、固浸ミラー100をスライダ101に組
み込んだ構造とされている。また、浮上型光学ヘッドに
は、図16に示すように、固浸ミラー200を、例えば
ガラス製のスライダ201に貼り付けた構造のものもあ
る。
【0009】従来、このような浮上型光学ヘッドを作製
する際は、スライダと固浸ミラーとを別々に成形した後
に、固浸ミラーをスライダの所定の位置に取り付けてい
た。
【0010】しかしながら、浮上型光学ヘッドにおい
て、固浸ミラーは、複雑な形状を有しており、スライダ
に対しても同様に複雑な形状に加工する必要があった。
このため、従来の製造方法では、固浸ミラーをスライダ
に取り付ける際に、手間がかかるうえに、取付誤差によ
る特性のばらつきを避けることができなかった。さら
に、それぞれの加工精度が低い場合には、固浸ミラーを
スライダにうまく取り付けられないことがあった。
【0011】具体的に、このような浮上型光学ヘッドに
おいて、近接場光記録を実現するためには、スライダに
取り付けられる固浸ミラーの取付精度を、例えば100
nm以下の誤差にしなければならない。また、浮上型光
学ヘッドの光記録媒体に対する追従性を向上させるため
には、スライダの大きさを、例えば5mm以下とし、で
きるだけ小さくすることが望ましいが、小さくなるとそ
れだけ精度良く取り付けることが困難となる。
【0012】そこで、本発明はこのような従来の事情に
鑑みて提案されたものであり、品質の大幅な向上を図る
と共に、生産性を大幅に向上させることを可能とした浮
上型光学ヘッドの製造方法を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】この目的を達成する本発
明に係る浮上型光学ヘッドの製造方法は、ディスク状記
録媒体の信号記録面上を浮上するスライダを備え、この
スライダに搭載された反射面を有する略半球状のミラー
により反射されて集光された光を上記ディスク状記録媒
体の信号記録面に照射させる浮上型光学ヘッドの製造方
法であって、スライダとミラーに対応した形状の金型と
によりミラーとなる半固体状の母材をモールド成形する
工程と、ミラーとなる半固体状の母材を冷却して硬化さ
せる工程と、金型をスライダから離型する工程とを有す
ることを特徴とする。
【0014】以上のように、本発明に係る浮上型光学ヘ
ッドの製造方法では、スライダとミラーに対応した形状
の金型とによりミラーとなる半固体状の母材をモールド
成形し、この半固体状の母材を冷却して硬化させること
により、ミラーをスライダの所定の位置に精度良く、且
つ容易に形成することができる。
【0015】なお、母材として、光学ガラスを用いるこ
とが好ましい。また、母材として、光学プラスチックを
用いることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0017】本発明を適用した浮上型光学ヘッドは、再
生専用光ディスク、光磁気ディスク、相変化光ディスク
等のディスク状記録媒体に対して、近接場光記録と呼ば
れる、近接場での集光された光を照射させることによ
り、情報信号の読み出しや書き込みを行う、いわゆる光
ハードディスク装置に適用されるものである。光ハード
ディスク装置では、このような浮上型光学ヘッドを適用
することにより、従来の光ディスク装置の光学系と比べ
て、ディスク状記録媒体の信号記録面に照射される光の
スポット径を小さくすることができる。
【0018】先ず、本発明の実施の形態として図1に示
す浮上型光学ヘッド1について説明する。
【0019】この浮上型光学ヘッド1は、光磁気ディス
ク2の信号記録面2a上をスライダ3が浮上しながら、
このスライダ3に搭載された固浸ミラー4により集光さ
れたレーザービームを光磁気ディスク2の信号記録面2
aに照射させる浮上型光学ヘッドである。
【0020】詳述すると、この浮上型光学ヘッド1にお
いて、スライダ3は、例えばアルチック(Al23−T
iC)等の硬質の非磁性部材が略矩形状に形成されてな
る。また、スライダ3には、光磁気ディスク2の信号記
録面2aと対向する面に、回転する光磁気ディスク2と
の間に発生する空気流により浮揚力を発生させるための
段差部5が設けられている。この段差部5は、スライダ
3の空気流入側の両端部にそれぞれ設けられた第1の段
差部5aと、これら第1の段差部5aよりも空気流出側
の略中央部に設けられた第2の段差部5bとから構成さ
れている。また、スライダ3には、第2の段差部5bを
貫通する孔部6が設けられている。
【0021】固浸ミラー4は、光磁気ディスク2に照射
されるレーザービームを透過させるのに十分な光透過率
を有し、且つ屈折率が高い材料からなる光学ガラス或い
は光学プラスチックが略半球状に形成されてなる。ま
た、この固浸ミラー4は、その非球面の略中央部に、略
半球状に窪んでなる凹部7を有している。また、固浸ミ
ラー4は、その円形平面の略中央部に、スライダ3の孔
部6に埋め込まれた凸部8を有している。すなわち、こ
の固浸ミラー4は、スライダ3の光磁気ディスク2の信
号記録面2aと対向する面とは反対側の面において、凸
部8がスライダ2の孔部6に埋め込まれることにより、
スライダ3に保持されている。また、固浸ミラー4の表
面には、上述した凹部7及び凸部8を除いた部分に、例
えばアルミニウム等の反射膜が成膜されることにより、
反射面9が形成されている。
【0022】また、この浮上型光学ヘッド1には、磁界
変調用の薄膜コイル10が、スライダの光磁気ディスク
2の信号記録面2aに対向する面に、固浸ミラー4の凸
部8の外周に位置して設けられている。この薄膜コイル
10は、できるだけ固浸ミラー4に近接していることが
好ましい。このため、この浮上型光学ヘッド1では、ス
ライダ3に形成される孔部6の形状を下方に向かってそ
の径が小さくなるようなすり鉢状としている。これによ
り、この薄膜コイル10を固浸レンズ4により近接して
配置することを可能としている。
【0023】また、この浮上型光学ヘッド1には、スラ
イダ3を補強するための補強部材11が、固浸レンズ4
が配設された周囲を囲むように、ヘッドスライダ3に取
り付けられている。
【0024】以上のように構成される浮上型光学ヘッド
1は、回転する光磁気ディスク2とスライダ3との間に
発生する空気流により浮揚力を受け、この浮揚力により
光磁気ディスク2の信号記録面2aから微小な間隔で浮
上した状態となる。そして、浮上型光学ヘッド1は、こ
の光磁気ディスク2の信号記録面2a上を所定の浮上量
で浮上しながら、スライダ3に搭載された固浸ミラー4
により半導体レーザから出射されたレーザビームを集光
して、この集光されたレーザービームを光磁気ディスク
2の信号記録面2aに照射させる。
【0025】ここで、半導体レーザから出射されたレー
ザービームは、固浸ミラー4の凹部7に入射する。この
凹部7から入射したレーザービームは、屈折して発散し
ながら、固浸ミラー4の円形平面に設けられた第1の反
射面9aより反射される。この第1の反射面9aにより
反射されたレーザービームは、固浸ミラー4の非球面に
設けられた第2の反射面9bにより反射される。そし
て、この第2の反射面9bにより反射されたレーザービ
ームは、集束しながら凸部8の端面8aに集光される。
【0026】このとき、浮上型光学ヘッド1では、固浸
ミラー4と光磁気ディスク2の信号記録面2aとの間隔
が、レーザービームの波長よりも十分小さく、固浸ミラ
ー4の凸部8の端面8aに集光されたレーザービーム
が、この端面8aから浸し出しており、この集光された
レーザービームが光磁気ディスク2の信号記録面2aに
照射されることとなる。
【0027】このような浮上型光学ヘッド1を用いた場
合には、近接場光記録により、光磁気ディスク2に照射
されるレーザービームのスポット径を小さくすることが
でき、記録密度を向上させた情報信号の読み出しや書き
込みを行うことができる。
【0028】なお、この浮上型光学ヘッド1は、記録時
においては、薄膜コイル10が所定の強度の磁界を発生
して、この磁界を光磁気ディスク2の信号記録面2aの
レーザビームが照射された箇所に印加する。
【0029】次に、上述した浮上型光学ヘッド1の作製
方法について説明する。
【0030】この浮上型光学ヘッド1を作製する際は、
先ず、所定の間隔で上述したスライダ3が複数形成され
てなる基板を作製し、この基板を個々のスライダ3とし
て切り出すことにより、上述した浮上型光学ヘッド1を
構成するスライダ3を作製する。
【0031】具体的には、先ず、図2に示すように、例
えばアルチック(Al23−TiC)等の硬質の非磁性
部材からなる基板20を用意し、この基板20の一主面
上に、ネガ型のシートレジスト21を貼り付ける。この
基板20は、最終的に浮上型光学ヘッド1のスライダ3
となるものであり、その材料には、無機材料の酸化物、
窒化物、炭化物等を用いることができ、例えば、立方晶
系酸化ジルコニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、二酸化
ケイ素、炭化ホウ素等を用いることができる。また、基
板表面に硬質保護膜を形成した場合には、金属、プラス
チック等の比較的軟らかい材料も用いることができる。
【0032】次に、図3に示すように、シートレジスト
21が貼り付けられた基板20上に、所定の領域に開口
部22を有するフォトマスク23を被せ、紫外光を照射
することにより、シートレジスト21を露光する。この
フォトマスク23は、スライダ3の第1の段差部5a及
び第2の段差部5bに対応した形状の開口部22a,2
2bが複数形成されてなるものである。したがって、シ
ートレジスト21に対しては、これら開口部22を通し
て紫外光が照射された部分のみが露光されることにな
る。
【0033】次に、図4に示すように、露光した箇所以
外のシートレジスト21を炭酸ナトリウム水溶液にて溶
解して除去する。これにより、基板20上に、スライダ
3の第1の段差部5a及び第2の段差部5bに対応した
形状のレジストパターン21a,21bを所定の間隔で
複数形成する。
【0034】次に、図5に示すように、この基板20上
に形成されたレジストパターン21a,21bをマスク
として、アルゴンのイオンビームを照射して基板20を
エッチングした後に、水酸化テトラメチルアンモニウム
水溶液にてレジストパターン21a,21bを溶解して
除去する。これにより、基板20上に、個々のスライダ
3に対応した位置に、それぞれ第1の段差部5a及び第
2の段差部5bからなる段差部5を形成する。
【0035】次に、図6に示すように、上述したフォト
リソグラフィ技術を用いて、基板20の段差部5が複数
形成された面とは反対側の主面上に、個々のスライダ3
に対応した位置に、第2の段差部5bを貫通する孔部6
を形成する。なお、孔部6を形成するため、基板20を
エッチングする際は、パウダービームエッチングが好適
である。また、本例では、孔部6の形状を下方に向かっ
てその径が小さくなるようなすり鉢状とする。これによ
り、薄膜コイル10を固浸レンズ4により近接して配置
することが可能となる。そして、この孔部6を中心とし
て、例えば白金、アルミニウム等からなる略円形状の反
射膜を成膜することにより、固浸ミラー4の第1の反射
面9aを形成する。
【0036】以上のように、所定の間隔でスライダ3が
複数形成された基板20を、ディスクカッタで個々のス
ライダ3として切り出すことにより、図7及び図8に示
すようなスライダ3を作製する。なお、図7は、作製さ
れたスライダ3を光磁気ディスク2の信号記録面2aと
対向する面から見た平面図であり、図8は、図7中線分
A−A’で切断した断面図である。
【0037】次に、作製されたスライダ3の第1の反射
面9aが形成された位置に、固浸ミラー4を形成する。
すなわち、本手法は、従来のようなスライダ3と固浸ミ
ラー4とを別々に成形した後、固浸ミラー4をスライダ
3の所定の位置に組み付けるといった手法ではなく、固
浸ミラー4をスライダ3上に直接形成する。
【0038】具体的には、先ず、図9に示すように、固
浸ミラー4に対応した内形形状24aを有する金型24
と、固浸ミラー4となる半固体状の母材25とを用意す
る。ここで、固浸ミラー4となる半固体状の母材25
は、予め金型24の内形形状24aに合わせて、略半球
状としておくことが望ましい。
【0039】次に、図10に示すように、スライダ3の
第1の反射面9aが形成された位置において、このスラ
イダ3と金型24とにより、半固体状の母材25を固浸
ミラー4に対応した形状にモールド成形する。そして、
この固浸ミラー4に対応した形状とされた母材25をキ
ャスティングで冷却することにより硬化させる。
【0040】ここで、母材25としては、光磁気ディス
ク2に照射されるレーザービームを透過させるのに十分
な光透過率を有し、且つ屈折率が高い材料からなる光学
ガラスを用いることが好ましい。例えば、このような光
学ガラスとして、ランタンクラウンガラス等のモールド
成型用ガラスや軟化点ガラス等を挙げることができる。
具体的には、オハラ社製のL−LAH53、L−BAL
42(屈折率1.58)、L-BAL35(屈折率1.62)、L−
BSM15(屈折率1.62)、L−TIM9(屈折率
1.69)、L−TIM3(屈折率1.65)、L−LA
M69(屈折率1.73)、L−LAL12(屈折率1.
79)、L−LAM71(屈折率1.79)、L−LAM
70(屈折率1.73)等を挙げることができる。
【0041】例えば、ガラスL−LAH53を用いた場
合には、約650℃で軟化させることができ、スライダ
と金型とによりモールド成形した後、キャスティングで
冷却して硬化させる。
【0042】なお、このような光学ガラスを用いる場合
には、十分な耐熱性を有するセラミック製のスライダを
用いることが好ましい。これにより、軟化させた光学ガ
ラスをスライダと金型とにより直接モールド成形するこ
とが可能となる。
【0043】また、このような光学ガラスを用いる場合
には、固浸ミラー4の第1の反射面9aを形成する反射
膜として、白金を用いることが好ましい。これは、例え
ばアルミニウムを用いた場合、融点が約600℃と低
く、光学ガラスとの反応性が大きいからである。
【0044】また、母材25としては、光磁気ディスク
31に照射されるレーザービームを透過させるのに十分
な光透過率を有し、且つ屈折率が高い材料からなる光学
プラスチックを用いることが好ましい。例えば、このよ
うな光学プラスチックとして、熱可塑性樹脂等を挙げる
ことができる。具体的には、PRG社製のCR−39
(屈折率1.50)、ポリカーボネート(屈折率1.59)
や、ニコン社製等の含硫ウレタン樹脂(屈折率1.6
7)、HOYA社製のテスラリッド(屈折率1.71)等
を挙げることができる。
【0045】例えば、屈折率1.59のポリカーボネー
トを用いた場合には、約200℃で軟化させることがで
き、スライダと金型とによりモールド成形した後、キャ
スティングで冷却して硬化させる。
【0046】このような光学プラスチックを用いた場合
には、光学ガラスよりも低温で軟化させることが可能な
ことから、より短時間での成形が可能となる。また、固
浸ミラー4の第1の反射面9aを形成する際に、白金よ
りも安価なアルミニウムを反射膜として使用することも
可能となる。
【0047】次に、図11に示すように、スライダ3か
ら金型24を離型する。
【0048】次に、図12に示すように、スライダ3の
段差部5が形成された面を研磨することにより、孔部6
からはみ出した母材25を除去する。そして、フォトリ
ソグラフィ技術を用いて、スライダ3の固浸ミラー4が
形成される側の主面上に、レジスト26を塗布し、固浸
ミラー4の凹部7に対応した形状の開口部27aを有す
るフォトマスク27を被せ、紫外光を照射することによ
り、このレジスト26を露光する。
【0049】次に、図13に示すように、露光した箇所
以外のレジスト26を炭酸ナトリウム水溶液にて溶解し
て除去することにより、固浸ミラー4の凹部7となる部
分に、レジストパターン26aを形成する。
【0050】次に、図14に示すように、スライダ3の
固浸ミラー4が成形される面上に、例えばアルミニウ
ム、白金等からなる反射膜を成膜した後、レジストパタ
ーン26aを水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液に
て溶解して除去することにより、固浸ミラー4の第2の
反射面9bを形成する。これにより、スライダ3の孔部
6に埋め込まれた凸部8を有すると共に、反射面9を有
する略半球状の固浸ミラー4が形成される。
【0051】そして、スライダ3の光磁気ディスク2の
信号記録面2aに対向する面に、固浸ミラー4の凸部8
の外周に位置するように、磁気変調用の薄膜コイル10
を形成する。また、スライダ3を補強するための補強部
材11を取り付ける。以上のようにして、図1に示すよ
うな浮上型光学ヘッド1が作製される。
【0052】以上のように作製された浮上型光学ヘッド
1では、スライダ3と固浸ミラー3に対応した形状の金
型24とにより、固浸ミラー3となる半固体状の母材2
5をモールド成形し、この半固体状の母材25を冷却し
て硬化させることにより、固浸ミラー4が形成されてい
る。
【0053】この場合、固浸ミラー4の凸部8をスライ
ダ3の孔部8に略一致させて形成することができ、この
固浸ミラー4をスライダ3の所定の位置に精度良く形成
することができる。換言すると、この浮上型光学ヘッド
1では、固浸ミラー4の凸部8がスライダ3の孔部6に
埋め込まれており、この凸部8の形状を孔部6と略一致
した形状にすることができる。なお、この場合、スライ
ダ3の孔部6の加工精度を必ずしも高くする必要はな
い。
【0054】それに対して、従来のように、スライダ3
と固浸ミラー4とを別々に成形した後に、固浸ミラー4
をスライダ3に取り付けた場合には、手間がかかるうえ
に、取付誤差による特性のばらつきを避けることができ
なかった。さらに、これらスライダ3と固浸ミラー4の
加工精度が低い場合には、固浸ミラー4をスライダ3に
うまく取り付けられないことがあった。
【0055】特に、薄膜コイル10を固浸ミラー4によ
り近接して配置するために、スライダ3に形成される孔
部6の形状を下方に向かってその径が小さくなるような
すり鉢状とした場合には、固浸ミラー4に設けられた凸
部8をこの孔部6に略一致した形状に加工することは困
難である。
【0056】以上のことから、本発明によれば、スライ
ダ3と固浸ミラー4との複雑な組立工程を経ることな
く、品質の向上した浮上型光学ヘッド1を容易に作製す
ることができ、且つ生産性を大幅に向上させることがで
きる。特に、固浸ミラー4の円形平面の直径が、例えば
1mm以下と微小に形成される場合に有効であり、より
小型化された浮上型光学ヘッド1を容易に作製すること
ができる。
【0057】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、スライダとミラーに対応した形状の金型とにより
ミラーとなる半固体状の母材をモールド成形し、この半
固体状の母材を冷却して硬化させることにより、ミラー
をスライダの所定の位置に精度良く、且つ容易に形成す
ることができる。したがって、本発明によれば、品質の
向上した浮上型光学ヘッドを容易に作製することがで
き、且つ生産性を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態として示す浮上型光学ヘッ
ドの構成を示す図である。
【図2】同浮上型光学ヘッドの製造工程を示す図であ
り、基板上にシートレジストを貼り付ける状態を示す図
である。
【図3】同浮上型光学ヘッドの製造工程を示す図であ
り、シートレジストが貼り付けられた基板上に、フォト
マスクを被せる状態を示す図である。
【図4】同浮上型光学ヘッドの製造工程を示す図であ
り、基板上にレジストパターンを形成した状態を示す図
である。
【図5】同浮上型光学ヘッドの製造工程を示す図であ
り、基板上に個々のスライダに対応した段差部を複数形
成した状態を示す図である。
【図6】同浮上型光学ヘッドの製造工程を示す図であ
り、基板上に孔部及び第1の反射面を形成した状態を示
す図である。
【図7】同浮上型光学ヘッドの製造工程を示す図であ
り、作製されたスライダを光磁気ディスクの信号記録面
と対向する面から見た平面図である。
【図8】同浮上型光学ヘッドの製造工程を示す図であ
り、図7中線分A−A’で切断した断面図である。
【図9】同浮上型光学ヘッドの製造工程を示す図であ
り、半固体状の母材をスライダと金型とによりモールド
成形する前の状態を示す図である。
【図10】同浮上型光学ヘッドの製造工程を示す図であ
り、半固体状の母材をスライダと金型とによりモールド
成形した状態を示す図である。
【図11】同浮上型光学ヘッドの製造工程を示す図であ
り、スライダから金型を離型した状態を示す図である。
【図12】同浮上型光学ヘッドの製造工程を示す図であ
り、スライダ上に塗布されたレジストを露光した状態を
示す図である。
【図13】同浮上型光学ヘッドの製造工程を示す図であ
り、固浸ミラーの凹部となる部分にレジストパターンを
形成した状態を示す図である。
【図14】同浮上型光学ヘッドの製造工程を示す図であ
り、スライダ上に固浸ミラーを形成した状態を示す図で
ある。
【図15】従来の浮上型光学ヘッドの一構成例を示す図
である。
【図16】同浮上型光学ヘッドの他の構成例を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 浮上型光学ヘッド、2 光磁気ディスク、2a 信
号記録面、3 スライダ、4 固浸ミラー、5 段差
部、6 孔部、7 凹部、8 凸部、9 反射面、10
薄膜コイル、11 補強部材、20 基板、24 金
型、25 母材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスク状記録媒体の信号記録面上を浮
    上するスライダを備え、このスライダに搭載された反射
    面を有する略半球状のミラーにより反射されて集光され
    た光を上記ディスク状記録媒体の信号記録面に照射させ
    る浮上型光学ヘッドの製造方法であって、 上記スライダと上記ミラーに対応した形状の金型とによ
    り、上記ミラーとなる半固体状の母材をモールド成形す
    る工程と、 上記ミラーとなる半固体状の母材を冷却して硬化させる
    工程と、 上記金型を上記スライダから離型する工程とを有するこ
    とを特徴とする浮上型光学ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記母材として、光学ガラスを用いるこ
    とを特徴とする請求項1記載の浮上型光学ヘッドの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 上記母材として、光学プラスチックを用
    いることを特徴とする請求項1記載の浮上型光学ヘッド
    の製造方法。
JP2000010186A 2000-01-14 2000-01-14 浮上型光学ヘッドの製造方法 Withdrawn JP2001195773A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100459401B1 (ko) * 2002-02-20 2004-12-03 엘지전자 주식회사 고밀도 광기록재생장치의 광헤드모듈, 그 제조방법

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