JP2001319369A - 光学ヘッドの製造方法 - Google Patents

光学ヘッドの製造方法

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JP2001319369A
JP2001319369A JP2000137811A JP2000137811A JP2001319369A JP 2001319369 A JP2001319369 A JP 2001319369A JP 2000137811 A JP2000137811 A JP 2000137811A JP 2000137811 A JP2000137811 A JP 2000137811A JP 2001319369 A JP2001319369 A JP 2001319369A
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Japan
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lens
optical head
wafer
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slider
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JP2000137811A
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Takeshi Mizuno
剛 水野
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学ヘッドを小型化してもなお精度を高くし
て、且つ大量生産を可能とする。 【解決手段】 半導体プロセス或いはそれに準じたプロ
セスにより、複数のスライダーからなるスライダアレイ
ウェハと、複数のレンズからなる単レンズアレイウェハ
とを一体として、それを個々に切り離すことにより、光
学ヘッドを一度に多く製造する。第1のレンズ3からな
る単レンズアレイウェハを、スライダー部材2からなる
スライダーアレイウェハに取り付けて一体として、それ
を個々に切り離すことにより、光学ヘッド1を製造す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スライダー部材と
レンズとから構成されている光学ヘッドを製造する光学
ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】レンズ系を利用した装置(光学デバイ
ス)として、光ピックアップが挙げられる。光ピックア
ップは、例えば、光磁気ディスク装置等の光ディスクシ
ステムに使用され、光磁気ディスクや相変化型光ディス
ク等の光ディスクに記録された信号を読み取る、或いは
ディスクへ信号を書き込むものとされている。
【0003】対物レンズには、単レンズや複数個のレン
ズからなるもの(組レンズ)がある。組レンズとして
は、いわゆる2群レンズ、3群レンズ、4群レンズ等が
挙げられる。
【0004】ここで、単レンズの作製手法としては、例
えば、レンズ母材を研磨して作製する手法、プレス加
工、或いはモールド成形による手法などが挙げられる。
そして、単レンズにあっては、そのような手法により1
枚ずつ作製されていた。なお、レンズ母材としては、ガ
ラスやプラスチック等のガラスに代替可能なものが用い
られている。
【0005】また、複数のレンズからなるいわゆる組レ
ンズの作製については、上述したような同様な手法によ
り単レンズを1枚ずつ作製し、その後、アライメント、
組み立又は接合をすることによって、作製されていた。
【0006】一方、光磁気ディスクや相変化型光ディス
ク等の光ディスクの高記録密度化を達成する手法とし
て、近接場(ニアフィールド)光学の原理を利用して記
録再生を行う手法が考案されている。同原理を利用して
光ディスクの記録再生を行う際は、レンズに対する入射
光束がレンズ端面にて結像し、その大部分が当該レンズ
端面で全反射されるようにする。このとき、レンズ端面
と光ディスクとの間隔を十分に狭めておけば、エバネッ
セント光が光ディスク面と結合してレンズ外に取り出さ
れ、当該エバネッセント光によって光ディスクに対する
信号の記録再生を行うことが可能となる。
【0007】このような近接場光学において使用する光
記録・再生用の光学ヘッドは、信号の記録・再生におい
てエバネッセンス光を利用することから、光ディスクの
記録面と光記録・再生用の光学ヘッドを100nm程度以
下の間隔で接近させる必要があり、このことからハード
ディスク装置等で用いられているような浮上形ヘッド
(フライングヘッド或いはヘッドスライダー)での信号
検出が望ましい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、上述
した光ピックアップ等を含めた光学デバイスの小型、軽
量化がますます重要となってきており、それに伴って、
レンズ系の小型化が不可欠となりつつある。
【0009】しかし、上述したような手法により、レン
ズを1枚ずつ作製し、さらには組レンズにあっては複数
枚のレンズを組み立てることから、小型、特に微小径を
有するレンズヘの適応が難しい、レンズが小型化(微細
化)するほどアライメント(組み立て)が困難になる、
等の問題があった。
【0010】さらに、上述した近接場光学を利用する光
学ヘッドは、光ディスクの記録面と光記録・再生用の光
学ヘッドとの間の間隔が100nm程度以下に近接してい
ることから、安定な浮上を実現する必要があり、そのた
めには小型化が不可欠である。一方で、光学ヘッドの間
隔を安定に維持するためには、従来の光ディスクシステ
ムの光学ヘッド構成ではフォーカスサーボが不可欠とな
るだけではなく、光学ヘッドの記録メディアに対する追
従性が低下することにより、高速な読み出しが期待でき
ず、また、安価なプラスチックメディアの採用において
困難がある。
【0011】そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて
なされたものであり、光学ヘッドを小型化してもなお精
度を高くして、且つ大量生産を可能とする光学ヘッドの
製造方法の提供を目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光学ヘッド
の製造方法は、上述の課題を解決するために、記録媒体
との間に生じる空気流により当該記録媒体上に浮上され
るスライダー部材と、当該スライダー部材に搭載され、
記録媒体に対向されるレンズとを備え、近接場光学を利
用して記録媒体に対する信号の記録及び/又は再生を行
う光学ヘッドを製造する光学ヘッドの製造方法であっ
て、複数のスライダー部材が形成されるスライダー母材
とされるウェハにレンズ母材を取り付けるレンズ母材取
り付け工程と、レンズ母材取り付け工程にてレンズ母材
が取り付けられたウェハから、スライダー部材とレンズ
とを備えた光学ヘッドを単位として個々に分離する光学
ヘッド形成工程とを有する。
【0013】このような光学ヘッドの製造方法は、複数
のスライダー部材が形成されるスライダー母材とされる
ウェハにレンズ母材をレンズ母材取り付け工程にて取り
付け、レンズ母材取り付け工程にてレンズ母材が取り付
けられたウェハから、スライダー部材とレンズとを備え
た光学ヘッドを単位として個々に光学ヘッド形成工程に
て分離することにより、複数の光学ヘッドが一度に製造
される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を用いて詳しく説明する。この実施の形態は、図
1に示すように、本発明を、浮上スライダー一体形の光
学ヘッドの製造方法に適用したものである。先ず、浮上
スライダー一体型の光学ヘッドの構造について説明し
て、その後、その製造方法について説明する。
【0015】浮上スライダー一体型の光学ヘッド(以
下、単に光学ヘッドという。)は、近接場光学を利用し
て光磁気ディスクや相変化型光ディスク等の光ディスク
に対する信号の記録及び/又は再生を行うものであり、
図1に示すように、スライダー部材2と、2群レンズ5
とを備えている。
【0016】スライダー部材2は、ハードディスク装置
等で用いられるヘッドスライダーと同様に、サスペンシ
ョン6によって光ディスク100と相対向するように支
持される構造となっている。これにより、光ディスク1
00に対する信号の書き込みや読み出しを行う際に、回
転操作される光ディスク100との間に生じる空気流を
受けて、光ディスク100上を100nm以下の浮上量で
浮上しながら走行する。なお、スライダー部材2は、後
述するように浮上量を安定するための溝部が底面に形成
されているものやそれと同等の効果を有する構造であっ
てもよい。
【0017】スライダー部材2には、所定の箇所にその
厚み方向に貫通する貫通孔2aが設けられている。この
貫通孔2aには、2群レンズ5が配置されている。
【0018】2群レンズ5は、近接場光学においてエバ
ネッセンス光の滲み出しを利用した組レンズからなるい
わゆるSIL(Solid Immersion Lens)であり、開口数
NAが1以上の対物レンズとして用いられている。
【0019】2群レンズ(以下、SILという。)5
は、図2に示すように、第1のレンズ3と、第2のレン
ズ4とから構成される組レンズである。
【0020】第1のレンズ3は、片面が球面又は非球面
の凸面とされた第1の面3aと、他方の面が球面又は非
球面とされた第2の面3bとを有している。そして、第
2のレンズ4は、第1のレンズ3に対向される面が球面
又は非球面の凸面とされた第3の面4aと、他方の面が
略平面とされた第4の面4bとを有している。SIL5
において、第1のレンズ3は、光源から出射されてレー
ザ光が入射される側のレンズとされ、第2のレンズ4
は、被照射体とされる光ディスクに対向される側のレン
ズとされる。そして、例えば、1以上の開口数NAを可
能とするような場合にあっては、第2のレンズ4の第4
の面4bと光ディスクとの間の距離が100nm以下とさ
れている。
【0021】このようなSIL5において、光源からの
レーザ光Lは、先ず第1のレンズ3の第1の面3aに入
射されて、当該第1のレンズ3内を透過されて、第2の
面3bから、第2のレンズ4に向けて出射される。光源
からのレーザ光Lは、第1のレンズ3を透過されること
により、第2のレンズ4に向けて収束光として出射され
る。
【0022】第1のレンズ3の第2の面3bから出射さ
れたレーザ光Lは、第2のレンズ4の第3の面4aから
入射されて、通常、光ディスクの対向面とされる第4の
面4b上に集光され、全反射する。
【0023】このようなSIL5により、第4の面4b
上に集光されたレーザ光のいわゆる滲みだしを利用し
て、光ディスクに対する信号の記録や再生を行ってい
る。
【0024】光学ヘッド1は、以上のようなスライダー
部材2及びSIL5が一体とされて構成されている。
【0025】また、光ディスクに対して信号の再生をす
るための構成として、図1に示すように、光学ヘッド1
への入射光の生成及び光学ヘッド1からの戻り光を適切
に処理するための処理系8を備えている。処理系8は、
例えば、電子回路系及び光学系として構成されている。
また、光学ヘッド1と処理系8との間には、反射材7が
配置されており、反射板7は、光学ヘッド1と処理系8
とを光学的に適切に結合するものとして機能する。以上
のように、光学ヘッド1が構成されている。次に、光学
ヘッドの製造方法について説明する。本発明を適用した
光学ヘッドの製造方法は、半導体プロセスを利用して、
光学ヘッドを製造するものである。なお、以下の説明で
は半導体プロセスを利用することとして主に説明する
が、これに準ずるプロセスであってもよい。
【0026】半導体プロセスにより、図3中(A)に示
すウェハ10から、図3中(B)に示すように半導体チ
ップ11aがアレイ形状とされたウェハ11を形成する
ことができる。本発明を適用した光学ヘッドの製造方法
では、このような製造工程を利用して一度に多くの光学
ヘッドを製造する。一度に多くの光学ヘッドを製造する
ことについて説明する前に、先ず、1個の光学ヘッド1
を製造する工程について説明する。
【0027】先ず、図4中(A)に示すように、略球形
状のレンズ母材21と、略中心位置に、略漏斗形状とさ
れた開口部22aが形成されているスライダー母材22
とを用意し、図4中(A)から同図中(B)に示すよう
に、レンズ母材21を、スライダー母材22の開口部2
2aに置く。このとき、レンズ母材21を開口部22a
に載置することだけで、共に中心位置(中心線Y)が一
致されたものとなる。
【0028】そして、同図中(B)に示すように、レン
ズ母材21とスライダー母材22の開口部22aとを接
合する。接合には、接着剤による硬化やガラス融着によ
る硬化等を用いる。これにより、レンズ母材21とスラ
イダー母材22とが強固に固定される。
【0029】固定した後、同図中(B)に示すように、
スライダー母材22の厚み方向の所定の位置とされてい
る基準面Xまで、レンズ母材21とスライダー母材22
を一体とした状態のままでポリッシングして、光学鏡面
を形成する。これにより、図4中(C)に示すように、
第2のレンズ4と、当該第2のレンズ4の周囲を囲むよ
うにスライダー部材2とが一体とされた形状を得ること
ができる。このとき、開口部22aは、第2のレンズ4
が取り付けられた貫通孔2aを構成することになる。
【0030】そして、図4中(D)から同図中(E)に
示すように、第2のレンズ4に対向するようにスライダ
ー部材2に第1のレンズ3を取り付けることにより、同
図中(F)に示すように、光学ヘッド1が形成される。
そして、光学ヘッド1にサスペンション6を取り付け
る。
【0031】このような製造工程による光学ヘッド1の
製造が、半導体プロセスを利用して可能とされ、一度に
多くの光学ヘッド1を製造することができる。半導体プ
ロセスを利用した光学ヘッドの製造工程については次の
ようになる。
【0032】先ず、スライダー母材22がアレイ形状と
して形成されているウェハ(以下、スライダーアレイウ
ェハという。)を用意する。例えば、図3に示したよう
な半導体プロセスを利用して製造したスライダーアレイ
ウェハ(スライダー母材22)を用意する。このスライ
ダーアレイウェアには、各スライダーに対応して開口部
22aが複数形成されている。
【0033】それから、スライダーアレイウェハに形成
されている各スライダー部分の各開口部22aに略球形
のレンズ母材21を入れ込む。例えば、スライダーアレ
イウェハ上に一度に多くのレンズ母材21を流し込むよ
うにして入れ込む。スライダーアレイウェハ上に多くの
レンズ母材21を流し込むようにすることで、既に開口
部22aにレンズ母材21が入っている場合には、当該
開口部22aにはそれ以上レンズ母材21が入り込むこ
とはなく、一方で、未だ開口部22aにレンズ母材21
が入っていないような場合には、当該開口部22aにレ
ンズ母材21が入り込むようになる。よって、スライダ
ーアレイウェハ上に多くのレンズ母材21を流し込むよ
うにすることで、スライダーアレイウェハの各開口部2
2aにレンズ母材21を入れ込むことが容易に実現され
たことになる。
【0034】そして、各開口部22a毎に、接着材によ
る硬化等によりレンズ母材21を固定して、図4中
(C)に示すような状態になるまで、レンズ母材21が
一体とされているスライダーアレイウェハを半導体プロ
セスに準じた工程で研磨加工(ポリッシング)して、ス
ライダーアレイウェハを所定厚さとし、また光学鏡面を
形成する。
【0035】そして、図4中(C)に示すような形状が
アレイとして形成されたウェハに、図4中(D)から同
図中(E)に示すように、第1のレンズ3のレンズ母材
であって、レンズがアレイ形状とされているウェハ(以
下、単レンズアレイウェハという。)を取り付けて一体
とする。単レンズアレイとウェハとスライダーアレイウ
ェハのアライメントは、それぞれのウェハに予め所定位
置に形成されたマーカーを合わせることにて、サブミク
ロン単位の精度で実現される。その後、それを個々に切
り離すことにより、図4中(F)に示すような光学ヘッ
ド1を一度に多く得ることができる。
【0036】例えば、図5に示すように、第1のレンズ
3のアレイ形状からなる単レンズアレイウェハ12を、
スライダーアレイウェハとされるウェハ11に取り付け
て一体として、一度に多くの光学ヘッド1を得ることが
できる。
【0037】ここで、ウェハ状のレンズ母材である単レ
ンズアレイウェハの製造方法について説明する。この単
レンズアレイウェハについても半導体プロセスを利用し
て製造することができる。大別して、いわゆるグレース
ケールマスク(グレースケール露光マスクともいう。)
を使用したレンズ曲面の作製原理と、半導体ウェハの製
造に使用する半導体プロセスとを利用して単レンズアレ
イウェハを製造することができる。
【0038】一般的な半導体プロセスには、レーザ光を
照射してフォトレジストの露光を行う露光工程と、露光
工程において露光されたフォトレジストを現像により取
り除く現像工程と、現像工程において残存するフォトレ
ジストをマスクとして、基板(ウェハ)のエッチングを
行うエッチング加工工程とがある。このような半導体プ
ロセスを利用しつつ、グレースケールマスクを使用して
単レンズアレイウェハを製造するものである。
【0039】例えば、半導体を形成する化合物半導体
(半導体材料)の中には、光ディスクの記録や再生に用
いられるようなさまざまな波長帯のレーザ光に対して透
過率を十分に有する材料が存在する。また、そのような
化合物半導体には、形状の制御が容易(製造が容易)な
ものも存在する。よって、半導体材料をレンズ母材とし
て使用して、半導体プロセスによりレンズを製造するこ
とは可能であり、所望の形状としたレンズを製造するこ
とができる。
【0040】例えば、半導体材料として、赤色帯のレー
ザ光に対し透過性のよいものにGaPが挙げられ、青色帯
のレーザ光に対し透過性のよりにGaN,ZnSe,ZnSが挙げ
られる。このような半導体材料は、ウェット或いはドラ
イエッチングによってサブミクロン単位で形状の制御可
能とされている。このようなエッチング加工では、エッ
チング時間を十分にとることで、数十〜100ミクロン程
度の任意の段差を形成することが可能である。反応性イ
オンエッチング(Reactive Ion Etching,RIE)等
は、特にエッチング速度の速いエッチング法として知ら
れている。
【0041】そして、半導体プロセスにおけるエッチン
グ加工としては、一般的なものとして、所定の形状を得
るために何らかの手法で材料表面にマスキングをして、
これに沿ってエッチング加工を施し、所定の段差形状を
形成するものがある。例えば、エッチング速度とエッチ
ング時間でエッチング深さを制御して、所望の段差形状
を得ることができる。
【0042】グレースケールマスクの使用は、エッチン
グ加工の前工程であるマスキング処理においてなされる
もので、被エッチング部材の表面を不連続な段差ではな
く、連続的に変化する面形状を任意に形成することを可
能にするものである。言い換えれば、グレースケールマ
スクは、エッチング加工に用いるガス等に対して所定の
グラデーション効果をもつようなものとされる。このよ
うに、グレースケールマスクの使用により、所定の球面
形状又は非球面形状をもたせたレンズの形成が可能にな
る。具体的には、次のようにグレースケールマスクを使
用することにより連続的な球面形状又は非球面形状とさ
れたレンズを形成することができる。
【0043】エッチング加工では、レンズ母材上に形成
された所定のレジストパターンをエッチングすることに
よりレンズ曲面を形成している。そして、レジストパタ
ーンは、レジスト層に紫外線を照射して露光し、その後
現像することにより得られるものである。
【0044】グレースケールマスクは、そのようにレジ
スト層に照射される紫外線量を制御して、当該レジスト
層を所定パターンとして露光し、所定のレジストパター
ンを形成するためのものである。このようなグレースケ
ールマスクは例えば次のように形成されている。
【0045】グレースケールマスクは、表面にAgアル
カリハライドドープ層が形成されたいわゆるHEBS
(High Energy Beam Sensitive)ガラスを基板として用
いて作製されている。
【0046】Agアルカリハライドドープ層は、通常の
クラウンガラスをAg+イオン交換反応にさらすことに
より、ガラス表面に均一に形成される。例えば、Ag+
イオンのドープ層は3μm程度の厚さとされている。
【0047】そして、グレースケールマスクのガラス表
面に均一に形成されたドープ層に電子線ビームが照射さ
れて、Ag+イオンからAgになる。そして、Agの部
分では紫外線に対して吸収を示す。
【0048】このようなことから、Agとされた部分に
分布をもたせることにより、ドープ層内において紫外線
の吸収について異なる分布が形成されるので、グレース
ケールマスクは、透過される紫外線を異なるものとする
ことができる。具体的には、グレースケールマスクは、
紫外線の透過量について、中間値を有する階調の分布を
なすように形成されることで、紫外線の透過量分布が連
続的に変化するようになされている。例えば、Ag部分
がドープ層にある分布をもつようにするためには、電子
線照射量、電子線の加速電圧、ビーム電流、ビーム径が
制御された電子線ビームを照射することにより可能とさ
れる。
【0049】このようにグレースケールマスクは、各位
置における紫外線の透過量(紫外線の吸収量)が連続的
に調整されたものとして形成されている。これにより、
所定のレジストパターンを形成することができるように
なる。グレースケールマスクによる製造方法を、第1の
レンズ3を1個の単レンズを製造する場合について先ず
説明し、その後で、半導体プロセスに適用した場合につ
いて説明する。
【0050】例えば、図6に示すように、第1のレンズ
3は、片面が球面又は非球面の凸面3aとされ、他方の
面が略平面形状の平面3bとされている。なお、ここで
いう他方の面は、略平面形状とされることに限定される
ものではなく、球面又は非球面形状とされてもよい。
【0051】このような形状とされる第1のレンズ3
が、グレースケールマスクにより、次のように所定形状
に形成される。
【0052】図7中(A)に示すように、レンズ母材3
1上に形成されているレジスト層32上にグレースケー
ルマスク33を載置する。そして、露光処理として、レ
ジスト層32に対してグレースケールマスク33を介し
た紫外線の照射がなされる。ここで、グレースケールマ
スク33は、上述したように、紫外線の透過量が連続的
に異なるように形成されている。
【0053】グレースケールマスク33を使用した露光
処理を行った後、現像処理をすることで、図7中(B)
に示すように、レジスト層32が、最終的なレンズ表面
形状に対応されたレジストパターンとして形成される。
【0054】そして、このレジスト層32をエッチング
マスクとして用いてリアクティブイオンエッチング等の
エッチング加工を施すことにより、図7中(C)に示す
ように、レンズ母材31の一旦面がマスクに応じた連続
的な球面又は非球面形状が形成される。このようにし
て、図6に示した第1のレンズ3の凸面3aがされる。
【0055】なお、曲率によって生じる段差量の最大値
が、実際のエッチング量の最大であるため、例えば数十
ミクロン程度のエッチング量を想定すると、有効径が数
百ミクロン程度のレンズが実際に形成可能になる。な
お、有効径はレンズ性能によって異なり、これ以上も、
これ以下の当然あり得る。
【0056】また、エッチング量が少ない方向、つまり
一般に有効径が小さくなる方向のレンズ形成はより安易
になされるものであるため、極めて小さい有効径をもつ
レンズの形成の方がかえって容易とされる。よって、こ
のような作製手法は、小型のレンズに適したものとなっ
ているといえる。
【0057】以上のように、グレースケールマスク33
を使用することにより、段差なく連続的な形状とされた
球面又は非球面を有する第1のレンズ3を形成すること
ができる。このようなグレースケールマスク33を半導
体プロセスにおいて使用して、図5に示した第1の単レ
ンズアレイウェハ12を作製する場合を説明する。
【0058】半導体プロセスへの適用にあたっては、複
数のグレースケールマスクが含まれるウェハ、すなわち
グレースケールマスクのアレイ形状からなるウェハ(以
下、マスクアレイウェハという。)を使用する。例え
ば、図8中(A)に示すように、複数のグレースケール
マスクGMが形成されたウェハとしてマスクアレイウェ
ハ34が形成されている。
【0059】そして、このマスクアレイウェハ34を、
図8中(A)及び図8中(B)に示すように、レンズ母
材とされるウェハ35上に載置する。ここで、ウェハ3
5は、例えば化合物半導体である。なお、ウェハ35上
には、レジスト層が既に形成されているものとする。
【0060】また、マスクアレイウェハ34とウェハ3
5との重ね合わせの際の位置決めは、精度のよいレンズ
を製造するためには重要な作業となる。このような位置
決めについても、半導体プロセスを利用することができ
る。例えば、半導体プロセスにおけるアライメント精度
による位置決めを利用する。
【0061】一般的な半導体プロセスにおいては、ウェ
ハの位置決めは、ウェハに微細に埋め込まれたマーカを
基準として、精密アライナーを用いて、サブミクロン単
位でウェハ・ベースの作業が可能とされており、レンズ
製造工程においてこれを利用する。すなわち、マスクア
レイウェハ34やウェハ35にマーカを埋め込み、これ
を基準として、半導体プロセスによる位置決めにより、
マスクアレイウェハ34とウェハ35との位置決めを行
う。これにより、位置決め精度が半導体プロセスのアラ
イメント精度によるものとなる。
【0062】それから、図8中(B)に示すように、ウ
ェハ35上にマスクアレイウェハ34が載置された状態
において露光処理、そして現像処理を行う。現像処理に
より、レンズ母材とされるウェハ35上には、上述した
図7中(B)に示したようなレジストパターンが複数形
成される。
【0063】そして、エッチング加工をすることによ
り、図8中(C)に示すように、図7中(C)に示した
第1のレンズ3の表面(曲面)とされる部分がアレイ形
状とされたウェハ35が形成される。すなわち、複数の
レンズ面から構成されるレンズアレイとされたウェハ3
5が形成される。このようにして形成されたウェハ35
が図5に示した単レンズアレイウェハ12となる。この
ような単レンズアレイウェハ35(12)からレンズと
して個々に分離することにより、図6に示した第1のレ
ンズ3が得られる。
【0064】このように、第1のレンズ3を構成するこ
ととなる単レンズアレイウェハ12についても、半導体
プロセスにより製造することができる。そして、グレー
スケールマスクが複数形成されてなるマスクアレイウェ
ハにより、レンズ面を連続的な球面形状又は非球面形状
として形成することができる。
【0065】このような単レンズアレイウェハ12を、
図4中(E)に示すように、スライダーアレイウェハと
されるウェハ11に取り付けて一体として、個々に分離
することで、一度に多くの光学ヘッド1を得ることがで
きる。
【0066】なお、単レンズアレイウェハ12とウェハ
11との位置決めについても、マスクアレイウェハ34
とウェハ35との重ね合わせの際の位置決めについて上
述した場合と同様に、半導体プロセスによる位置決めを
利用することもできる。これにより、単レンズアレイウ
ェハ12とウェハ11との位置決めについても、半導体
プロセスのアライメント精度として行うことができるよ
うになる。
【0067】以上のように、 半導体プロセスを利用し
て光学ヘッド1を製造することができる。そして、半導
体プロセスが技術として確立されているものであること
から、光学ヘッド1は、精度のよい形状とされたものと
して製造することができるようになる。また、半導体プ
ロセスにて光学ヘッド1を作製するため、高精度アライ
メントが容易に、しかもウェハ単位でできるため、高精
度を必要とする光学ヘッドの作製が安価に実現できる。
【0068】また、ウェハからのレンズ曲面或いはスラ
イダー部材の形成が容易であること、すなわち、形成の
転写に汎用性があることから、任意の形状のレンズ或い
はスライダー部材を形成することができる。例えば、レ
ンズについては、任意の光学性能を有したレンズの製造
が可能になる。
【0069】そして、光学ヘッド1は、上述したよう
に、第2のレンズ4と光ディスクとの距離が100nm以
下とされ、非常に近接しているため、或いは開口数を1
以上として要求されているために、光学ヘッド1の組み
立て精度が非常に重要なものとなっているが、半導体プ
ロセス又はそれに準じたプロセスとしての光学ヘッドの
製造方法により、精度が非常によくでた光学ヘッド1を
製造することができる。
【0070】また、図4に示すような工程として製造す
ることができる光学ヘッド1では、レンズ母材21を略
球形とし、そのレンズ母材21をスライダー母材(スラ
イダーアレイウェハ)22の開口部22aに入れ込むだ
けで、レンズ母材21(第2のレンズ4)とスライダー
部材2との中心位置が一致させることができるので、第
2のレンズ4とスライダー部材2との位置決め精度が高
いものとされた光学ヘッド1を製造することができる。
【0071】また、上述したように、スライダーアレイ
ウェハ上に、レンズ母材21を流し込むようにすること
で、スライダーアレイウェハに形成されている開口部2
2aにレンズ母材21の取り付けることができるので、
そのような取り付け工程が簡略化されたものとなる。
【0072】また、ハードディスク装置等において使用
されるようなスライダーヘッドと同様な構成として光学
ヘッド1を製造することができることから、そのような
ハードディスク装置等において使用されるヘッドスライ
ダーと同様な効果を得ることもできる。
【0073】すなわち、ガラス製の記録及び再生メディ
アだけでなく、プラスチック製のメディアの採用を可能
にする安定な追従及び浮上特性が実現される。そして、
光学ヘッド1が安定した浮上特性を得ることができるこ
とにより、フォーカスサーボが不要となる。また、ハー
ドディスクと同程度の読み出し、アクセス時間が実現さ
れる。また、通常の遠視野領域での構成を前提とした光
記録及び再生システムだけでなく、近接場光学に基づい
た大容量光記録及び再生システム用光学ヘッドが実現で
きる。
【0074】次に、光ディスクに対して適切な浮上量を
得るスライダー部材の底面形状について説明する。ハー
ドディスク装置等で用いられるスライダーヘッドの技術
分野において、安定した浮上量を実現するために、空気
流を制御するようにスライダー部材の底面が溝形状とさ
れることは一般的である。このようなことから光学ヘッ
ド1のスライダー部材2の底面を溝形状としている。図
9及び図10には、光学ヘッド1のスライダー部材2に
形成される溝部の形状の一例を示す。なお、溝部形状に
ついては、これに限定されないことはいうまでもない。
【0075】図9に示すスライダー部材2には、底面
に、空気の流れ方向に延びて、両側に突出部2bが形成
されて全体として凹形状とされた溝部2cが形成されて
いる。なお、以下、流れ方向(矢印Z方向)における上
流側をスライダー部材2における前方として説明する。
【0076】そして、スライダー部材2には、その溝部
2cの略中央であって前端側に、第2のレンズ4が第4
の面4bが外方に臨むように取り付けられている。な
お、取り付けられるレンズが開口数NA>1を実現する
SIL又はSIMの場合には、同レンズ底面部分が、突
出部2bと同じ厚さの突出形状を別途形成する。
【0077】このような溝部2cが形成されることによ
り、スライダー部材2は、光ディスク上に位置された状
態において、矢印Z方向に生ずる空気流により安定した
浮上量を実現することができる。
【0078】また、他の例である図10中(A)及び
(B)に示すスライダー部材2は、さらに安定した浮上
量を実現可能にするものである。図10(A)に示すス
ライダー部材2は、底面に流れ方向に延びて、両側に突
出部2dが形成されて全体として凹形状とされた溝部2
eが形成されている。なお、この図10(A)に示す例
では、突出部2dが内側に屈曲されている。
【0079】また、スライダー部材2は、底面に、前端
であって、流れ方向(矢印Z方向)に対して垂直方向に
延びたテーパ部2gが設けられている。そして、流れ方
向におけるテーパ部2gの後ろ側に一体として平面部2
fが形成され、平面部2fの両側から上述した突出部2
dが流れ方向に延びて形成されている。
【0080】このスライダ部材2では、図10中(B)
に示すように、光ディスク100上に位置された状態に
おいて、矢印Z方向に生ずる空気流により、溝部2eに
おいて空気が膨張して、さらに安定して浮上を実現する
ことができる。なお、第2のレンズ4については、この
ようなスライダー部材2の形状等が考慮されて取り付け
らていることはいうまでもない。
【0081】このように図9及び図10にスライダー部
材2を安定して浮上させるために形成される溝部を示
し、その一例を説明した。そして、スライダー部材2に
ついても、このような溝部を一体として、半導体プロセ
ス或いはそれに準じたプロセスにより製造することがで
きる。図9に示したスライダー部材2を例に挙げ、半導
体プロセス或いはそれに準じたプロセスによる製造工程
を説明する。図9に示したスライダー部材2は、例えば
図11に示すような製造工程により製造することができ
る。
【0082】先ず、図11中(A)に示すように、スラ
イダー母材22上にレジストを塗布してレジスト層(レ
ジストシート)40を形成する。例えば、スライダー母
材22の厚さd1を約0.43mmとし、レジスト層40の
厚さd2は約30μmとする。なお、図示しないもの
の、例えばこの時点ですでに、スライダー母材22に第
2のレンズ4が取り付けられているものとする。
【0083】それから、所定位置にレーザ光を照射して
露光処理して、その後の現像処理により、図11中
(B)に示すように、完成後のスライダー部材2の突出
部2bに対応したレジストパターン(レジストマスク)
40aを形成する。
【0084】そして、イオンミリングエッチング等によ
るエッチング加工により、図11中(C)に示すよう
に、完成後のスライダー部材2の溝部2cに対応される
複数の溝部22dをスライダ部材22に形成する。
【0085】そして、図11中(D)に示すように、ス
ライダー母材22を個々に分離して、スライダー部材2
の成形が完了される。
【0086】なお、図11中(D)に示すスライダー部
材2は、突出部2b上に、ABS樹脂層41が形成され
ている例である。例えば、ABS樹脂層41は、エッチ
ング加工により突出部2d上に厚さd3が約1〜5μm
として形成されている。
【0087】また、図5に示して説明したように、スラ
イダー母材22からの個々のスライダー部材2の分離
は、単レンズアレイウェハ12とスライダー母材22と
を一体化して行うが、本例では、一体化は、図11中
(D)に示したようなスライダー部材2に対する分離加
工(ダイシング)をする前に行う。
【0088】以上のように、スライダー部材2の溝部に
ついて、半導体プロセス或いはそれに準じたプロセスに
より製造することができる。これにより、溝部が精度良
く形成されたものとなる。
【0089】また、いわゆるSIM(Solid Immersion
Mirror)が対物レンズとして搭載される光学ヘッド1に
ついても、本発明を適用した光学ヘッドの製造方法によ
り製造することもできる。SIMはカタディオプトリッ
クレンズとも呼ばれ、上述したような組レンズとされる
SILと同等な光学特性を単一のレンズにより実現する
ものである。
【0090】図12に示すように、光学ヘッド50は、
スライダー部材51と、SIM52とを備えている。
【0091】スライダー部材51は、図12に示した光
学ヘッド1と同様、ハードディスク装置等で用いられる
ヘッドスライダーのように、サスペンション58によっ
て光ディスクと相対向するように支持され、光ディスク
に対する信号の書き込みや読み出しを行う際に、回転操
作される光ディスクとの間に生じる空気流を受けて、光
ディスク上を100nm以下の浮上量で浮上しながら走行
する。
【0092】このスライダー部材51は、略平板形状と
されて形成されている。このスライダー部材51の材料
としては、信号の記録再生に用いる光Lに対して十分な
透過率を有するものを用いる。そして、このスライダー
部材51上にSIM52が載置されている。
【0093】SIM52は、光ディスクに対する信号の
書き込みや読み出しを行う際に、光ディスクに照射する
レーザ光Lを集光するためのものであり、凹面屈折面か
らなる第1面53と、平面ミラーからなる第2面54
と、凸形状とされミラー面からなる第3面55とを有し
ている。ここで、第2面54及び第3面55は、例えば
Al膜等よりなる反射膜56,57が形成されることに
よりミラー面とされる。
【0094】このような形状からなるSIM52は、第
1面51から入射した光を、第2面52にて反射させた
後、第3面53にて更に反射させて、スライダー部材5
1の光ディスクの対向面にて結像する。
【0095】このような構成からなる光学ヘッド50
は、半導体プロセスを利用して次のような手順により製
造される。例えば、半導体プロセス或いはそれに準じた
プロセスを利用し、SIMが複数形成されてなる単レン
ズアレイウェハと、スライダー部材51が複数形成され
てなるスライダーアレイウェハとを形成して、これを一
体として、個々のものとして分離することにより光学ヘ
ッド50を形成する場合について説明する。
【0096】半導体プロセスを利用した第1の単レンズ
アレイウェハの製造工程については次のようになる。
【0097】先ず、レンズ母材とされるウェハ上に、マ
スクアレイウェハを使用して所定のレジストパターンを
形成する。例えば、図7中(B)として示したようにで
ある。
【0098】次に、エッチングによりウェハ上に球面又
は非球面の凸面を個々に形成する。すなわち、図13中
(A)に示すようなウェハ(一部)に、図13中(B)
に示すように球面又は非球面の凸面61aを形成する。
ここで、凸面61aは、後に反射膜が形成されてSIM
52における第3面53をなす。
【0099】次に、図13中(C)に示すように、凸面
61aの略中央部分に球面又は非球面の凹面61bを形
成する。凹面61bは、SIM52における第1面53
をなす。また、レンズ母材61において凸面61aと反
対側の面は、後に反射膜が形成されてSIM50におけ
る第2面54をなす。
【0100】レンズ母材61の凹面61bの形成につい
ては、例えば図14に示すように、レンズ母材61に形
成される凹面61bに対応した形状のレジストパターン
からなるレジスト層62によって、エッチングを行うこ
とにより形成する。このようなレジストパターンは、複
数のグレースケールマスクが形成されてなるマスクアレ
イウェハによって形成されたものである。
【0101】以上のような半導体プロセスにより、SI
Mのレンズ部を単レンズアレイウェハとして形成するこ
とができる。例えば、このような単レンズアレイウェハ
に形成された状態において、凸面61aに反射膜が形成
される。
【0102】一方、スライダー部材の母材とされるスラ
イダーアレイウェハは略平板形状に形成されており、こ
のスライダーアレイウェハと単レンズアレイウェハとを
接合する。例えば、光学接着剤により接合する。また、
第2面54に形成する反射面57については、単レンズ
アレイウェハ側の第2面54に対応される位置に予め形
成してもよく、スライダーアレイウェハ側の上記SIM
50の第2面54が接合される位置に対応して予め形成
してもよい。
【0103】そして、単レンズアレイウェハとスライダ
ーアレイウェハとが一体とされた状態において個々に分
離することにより、図13中(D)に示すように、SI
M52が搭載された光学ヘッド50を得ることができ
る。そして、サスペンション58が取り付けられる。
【0104】以上のように、半導体プロセスを利用して
光学ヘッド50を製造することができる。そして、半導
体プロセス或いはそれに準じたプロセスを利用して、S
IM50を備えた光学ヘッド50を製造していることか
ら、光学ヘッド50は、精度のよい形状とされたものと
して製造することができるようになる。
【0105】なお、上述の実施の形態では、光学ヘッド
の構造についていくつかの例を挙げて、その製造方法に
ついて説明した。しかし、光学ヘッドの構造について
は、上述の構成例に限定されないことはいうまもでな
く、要は半導体プロセス或いはそれに準じたプロセスを
利用して製造可能な構造であればよい。
【0106】例えば、図15に示すように、光学ヘッド
50と処理系8を反射面7及び光ファイバ71を介して
光学的に接続する構成とすることもできる。例えば、こ
のような場合、光ファイバ71への光の結合のためのレ
ンズ70を備えても良い。いわゆるこの構成例は、光学
ヘッド部分と処理系8との間の光信号の伝送を、ファイ
バ伝送するものといえ、図1に示した例については、空
間伝送するものといえる。
【0107】また、上述の実施の形態では、図4に示し
て説明したように、球形状のレンズ母材21を用いて第
2のレンズ4を形成しているが、これに限定されるもの
ではない。例えば、他の一例として、図16に示すよう
に、光学ヘッド1は、断面略円形状とされた開口部2h
を介して第1のレンズ4と第2のレンズ9とをスライダ
ー部材2に取り付けた構成にすることもできる。この場
合、例えば、第1のレンズ3及び第2のレンズ9の鍔部
3c,9aが取り付けられて、SIL5として組み立て
られている。
【0108】そして、このような形状とされている場合
でも、半導体プロセス或いはそれに準じたプロセスを利
用して光学ヘッド1を製造することができ、次のように
製造することができる。
【0109】先ず、SIL5を構成することとなる第1
の単レンズアレイウェハと第2の単レンズアレイウェハ
とを用意する。すなわち、第1のレンズ3がレンズアレ
イとして形成されている第1の単レンズアレイウェハ
と、第2のレンズ9がレンズアレイとして形成されてい
る第2の単レンズアレイウェハとを用意する。そして、
スライダー部材2についてもウェハとして用意する。す
なわち、断面略円形形状の開口部が複数形成されている
ウェハであって、その開口部が第1及び第2の単レンズ
アレイウェハのレンズアレイに対応されてアレイ形状と
して形成されているもの、すなわちスライダーアレイウ
ェハを用意する。
【0110】そして、第1の単レンズアレイウェハ、ス
ライダーアレイウェハ及び第2の単レンズアレイウェハ
の順序で重ね合わせて、一体とした状態のままで個々に
切り離すことにより、図16に示すような光学ヘッド1
を製造することができるようになる。
【0111】また、上述の実施の形態では、2群レンズ
とされるSIL5或いは単レンズSIM52がスライダ
ー部材2と一体とされて光学ヘッドが構成されている場
合について説明した。しかし、これに限定されるもので
はなく、スライダー部材2に搭載されるレンズのレンズ
形状、レンズ個数或いは光学特性が上述の例と異なるも
のであったもよい。要は、本発明により、スライダー部
材とレンズとが一体とされて、半導体プロセス或いはそ
れに準じたプロセスに適用することができるようなレン
ズ及びスライダー形状であれば良い。
【0112】また、上述の実施の形態では、主に半導体
プロセスを利用したものとして光学ヘッドの製造方法に
ついて説明したが、光学ヘッドの製造方法が利用するの
は半導体プロセスであることに限定されるものではな
い。ウェハ等の一括処理可能な部材から光学ヘッドを製
造できるものであればよく、すなわち、半導体プロセス
に準じたプロセスにより光学ヘッドを製造することがで
きればよい。
【0113】また、上述の実施の形態では、本発明を、
近接光学場に対応して構成される光学ヘッド1について
説明した。しかし、これに限定されるものではなく、本
発明を、例えば、いわゆるファーフィールドにおける信
号の記録及び/又は再生をする技術に対応される光学ヘ
ッドに適用することもできる。また、光学ヘッド1に搭
載されるレンズについても、開口数NAが1以上の光学
特性を有するものに限定されるものではなく、開口数N
Aが1未満の光学特性を有するものであってもよい。
【0114】
【発明の効果】光学ヘッドの製造方法は、複数のスライ
ダー部材が形成されるスライダー母材とされるウェハに
レンズ母材をレンズ母材取り付け工程にて取り付け、レ
ンズ母材取り付け工程にてレンズ母材が取り付けられた
ウェハから、スライダー部材とレンズとを備えた光学ヘ
ッドを単位として個々に光学ヘッド形成工程にて分離す
ることにより、複数の光学ヘッドを一度に製造すること
ができる。そして、光学ヘッドを小型化してもなお精度
を高くして製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された光学ヘッドの製造方法によ
り製造される光学ヘッドの構成を示す側面図である。
【図2】光学ヘッドに搭載されるSILの構成を示す側
面図である。
【図3】半導体を製造する半導体プロセスを説明するた
めに用いた斜視図である。
【図4】半導体プロセス或いはそれに準じたプロセスに
よる光学ヘッドの製造工程を示す断面図である。
【図5】光学ヘッドの製造工程における単レンズアレイ
ウェハとスライダーアレイウェハとの一体化を示す斜視
図である。
【図6】第1のレンズの構成を示す側面図である。
【図7】第1のレンズの球面或いは非球面形状とされる
第1の面の作製工程を示す側面図である。
【図8】複数のグレースケールマスクからなるマスクア
レイウェハを使用して、単レンズアレイウェハを製造す
る工程を示す斜視図である。
【図9】スライダー部材に形成されている溝部の形状を
示す斜視図である。
【図10】スライダー部材に形成されている溝部の他の
形状を示す斜視図及び断面図である。
【図11】半導体プロセス或いはそれに準じたプロセス
によるスライダー部材の溝部の製造工程を示す斜視図で
ある。
【図12】SIMが搭載された光学ヘッドの構成を示す
側面図である。
【図13】半導体プロセス或いはそれに準じたプロセス
による上述のSIMが搭載された光学ヘッドの製造工程
を示す側面図である。
【図14】SIMのレンズ母材を示す図であって、SI
Mの第1の面の作製手順を説明するために用いた側面図
である。
【図15】光学ヘッドの他の構成例を示す側面図であ
る。
【図16】光学ヘッドにおけるSILの他の構成例を示
す側面図である。
【符号の説明】
1 光学ヘッド、2 スライダー部材、5 SIL、5
0 光学ヘッド、51スライダー部材、52 SIM

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体との間に生じる空気流により当
    該記録媒体上に浮上されるスライダー部材と、当該スラ
    イダー部材に搭載され、上記記録媒体に対向されるレン
    ズとを備え、近接場光学を利用して上記記録媒体に対す
    る信号の記録及び/又は再生を行う光学ヘッドを製造す
    る光学ヘッドの製造方法であって、 複数のスライダー部材が形成されるスライダー母材とさ
    れるウェハにレンズ母材を取り付ける上記レンズ母材取
    り付け工程と、 上記レンズ母材取り付け工程にてレンズ母材が取り付け
    られた上記ウェハから、上記スライダー部材と上記レン
    ズとを備えた光学ヘッドを単位として個々に分離する光
    学ヘッド形成工程とを有することを特徴とする光学ヘッ
    ドの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記レンズ母材を加工することにより所
    定形状の上記レンズが形成されるものであって、 上記レンズ母材取り付け工程にて上記レンズ母材が取り
    付けられたウェハを所定形状にする研磨加工工程を有
    し、 上記研磨加工工程では、上記ウェハを研磨加工するとと
    もに上記レンズ母材も研磨加工して、上記ウェハを所定
    形状とし、さらに所定形状のレンズを形成し、 上位光学ヘッド形成工程では、上記研磨工程にて研磨さ
    れた上記ウェハから上記光学ヘッドを単位として個々に
    分離することを特徴とする請求項1記載の光学ヘッドの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 上記レンズ母材に対してエッチング加工
    して、レンズ母材を所定形状にするエッチング加工工程
    を有することを特徴とする請求項1記載の光学ヘッドの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 上記レンズ母材がウェハ形状とされ、 上記エッチング加工工程では、上記レンズ母材に対して
    エッチング加工して、ウェハ形状のレンズ母材上に複数
    のレンズの曲面を形成することを特徴とする請求項3記
    載の光学ヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 少なくとも上記光学ヘッド形成工程が、
    半導体プロセス又はそれに準じたプロセスにおける工程
    を利用したものであることを特徴とする請求項1記載の
    光学ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 上記スライダー部材には、上記記録媒体
    に対向される面に当該記録媒体上に対する浮上量を安定
    させるための溝部又はそれと同等の効果を有する構造が
    形成されており、 半導体プロセス又はそれに準ずるプロセスにより、上記
    ウェハに複数の溝部又はそれと同等の効果を有する構造
    を形成する形成工程を有することを特徴とする請求項1
    記載の光学ヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】 上記スライダー部材に搭載されるレンズ
    が、複数枚のレンズにより構成される組レンズであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の光学ヘッドの製造方法。
  8. 【請求項8】 上記スライダー部材に搭載されるレンズ
    が、単レンズであることを特徴とする請求項1記載の光
    学ヘッドの製造方法。
  9. 【請求項9】 上記レンズがSIL(Solid Immersion
    Lens)であることを特徴とする請求項1記載の光学ヘッ
    ドの製造方法。
  10. 【請求項10】 上記レンズがSIM(Solid Immersio
    n Mirror)であることを特徴とする請求項1記載の光学
    ヘッドの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20170110476A (ko) * 2016-03-23 2017-10-11 엘지이노텍 주식회사 광학 모듈

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