JPH11203706A - 光学ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

光学ヘッド及びその製造方法

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JPH11203706A
JPH11203706A JP10005893A JP589398A JPH11203706A JP H11203706 A JPH11203706 A JP H11203706A JP 10005893 A JP10005893 A JP 10005893A JP 589398 A JP589398 A JP 589398A JP H11203706 A JPH11203706 A JP H11203706A
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JP
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lens
optical
recording medium
opposing surface
optical head
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JP10005893A
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English (en)
Inventor
Kouichirou Kijima
公一朗 木島
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/12Heads, e.g. forming of the optical beam spot or modulation of the optical beam
    • G11B7/135Means for guiding the beam from the source to the record carrier or from the record carrier to the detector
    • G11B7/1372Lenses
    • G11B2007/13727Compound lenses, i.e. two or more lenses co-operating to perform a function, e.g. compound objective lens including a solid immersion lens, positive and negative lenses either bonded together or with adjustable spacing

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学記録媒体の表面性や平行誤差等に起因す
る光学記録媒体と集光レンズとの接触が抑制され、集光
レンズを光学記録媒体に近接させることが可能となると
共に、集光レンズの取り付け精度が緩和された光学ヘッ
ド及びこの光学ヘッドの製造方法を提供する。 【解決手段】 先玉レンズ31の光磁気ディスク2と対
向する側に、集束した光を透過する第1の対向面35
と、この第1の対向面35の外周側に位置する第2の対
向面56とを、第2の対向面36と光磁気ディスク2と
の離間距離が、第1の対向面35と光磁気ディスク2と
の離間距離よりも大となるように設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学記録媒体に対
して情報信号を書き込み、または光学記録媒体に記録さ
れた情報信号を読み取る光学ヘッド及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、動画、静止画などのビデオデータ
をディジタルデータとして記録する技術の発達に伴い、
取り扱われるデータの大容量化が進んでいる。そして、
こうしたデータを記録する記録媒体においては、データ
の大容量化に対応すべく、信号記録密度の向上が図られ
ている。
【0003】このような高密度記録化の流れの中で、記
録媒体として、光磁気ディスクや相変化光ディスク等の
光学記録媒体が普及しつつある。この光学記録媒体は、
光記録技術を用いた記録媒体であり、磁気記録媒体と比
較して、容易に記録密度の向上を図ることができる。
【0004】光記録技術においては、記録媒体の信号記
録面上に光を集束して照射し、光の照射された箇所に情
報信号を記録し、または、信号記録面上に照射された光
の反射光を検出することにより記録された情報信号を読
み取るようにしている。
【0005】したがって、この光記録技術を用いた光学
記録媒体においては、記録密度が、集束された光のスポ
ットサイズに依存することとなる。すなわち、光のスポ
ットサイズが小さいほど、1つの信号が小さいエリアに
記録され、信号記録密度が向上することになる。
【0006】集束された光のスポットサイズは、光の波
長:λに比例し、この光を集束するレンズ(以下、集光
レンズという。)の開口数:NAに反比例する特性を有
している。そこで、光学記録媒体の信号記録密度を向上
させるために、使用する光の波長の短波長化及び集光レ
ンズの高NA化が要求されている。
【0007】ここで、集光レンズの開口数:NAは、集
束する光の角度をθとし、光が集束される媒質中の屈折
率をnとしたときに、以下の式(1)で表される。
【0008】 NA=n×sinθ ・・・・(1) したがって、屈折率が1である空気を光が集束される媒
質とした場合、すなわち空気中に光集束経路を設けた場
合においては、NAを1よりも高くすることは、実質的
に不可能である。
【0009】そこでNAをより高める方法として、集光
レンズと光学記録媒体との間の空気層の厚さを極力薄く
して、光学的に空気層がない状態、すなわち集光レンズ
と光学記録媒体とが光学的に接触した状態とすることに
より、NAを1以上にする試みがなされている。(例え
ば、Terris et al., Appl. Phys. Lett. 65 (4),p388-p
390,25 July , 1994,あるいは、Terris et al.,Appl.Ph
ys.Lett , 68(2),p141-p143,8 January,1996)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、集光レンズ
と光学記録媒体との間に光学的に空気層がない状態とさ
れるのは、光の波長にも依存するが、およそ空気層の厚
さが約200nm以下の場合である。
【0011】記録媒体として光磁気ディスクや相変化光
ディスクを用いた光ディスク装置においては、光が回転
するディスクの信号記録面上に常に焦点を結ぶように、
集光レンズをディスクに接離する方向に移動させるとと
もに、光が回転するディスクの記録トラックに常に追従
するように、集光レンズをディスクの半径方向に移動さ
せる(いわゆるフォーカスサーボとトラッキングサーボ
をかける)必要がある。
【0012】しかしながら、このようにフォーカスサー
ボとトラッキングサーボをかけた状態で、空気層の厚さ
を200nm以下に保つことは非常に困難であり、この
ことが、NAを1以上にした光ディスク装置の実用化を
妨げる要因となっていた。
【0013】特に、空気層の厚さを約200nm以下に
保つことを困難にしている一因として、回転するディス
ク表面のうねり等が挙げられる。
【0014】すなわち、回転するディスク表面にうねり
等が生じているために、集光レンズのディスクと対向す
る面の中央部、すなわち光をディスクに向けて透過する
箇所が、例えば100nm程度の離間距離でディスクに
対向したときに、集光レンズのディスクと対向する面の
外周部がディスクに接触してしまう場合がある。
【0015】また、集光レンズと回転するディスクとの
間の距離を約200nm以下に保つことを困難にしてい
る一因として、ディスクの平行誤差が挙げられる。
【0016】すなわち、ディスクを回転操作する際に、
ディスクの表面が集光レンズのディスクと対向する面に
対して平行とならずに、多少の傾きが生じてしまう場合
がある。そして、ディスクがこのように傾いた状態で、
集光レンズをディスクに近づけると、集光レンズのディ
スクと対向する面の中央部とディスクとの離間距離が2
00nm程度になる前に、集光レンズのディスクと対向
する面の外周部がディスクに接触してしまう場合があ
る。
【0017】より具体的には、集光レンズのディスクと
の対向面がφ1mmの円形平面である場合において、集
光レンズとディスクとの離間距離を50nmにするに
は、ディスクの平面度を、少なくともφ1mmの円形の
範囲において50nm以上の突起がないように高める必
要があると同時に、ディスクの集光レンズに対する平行
度を、絶えずarctan(50/500000)=
0.00578(deg)以下となるように保たなけれ
ばならないこととなる。
【0018】さらに、集光レンズのディスクとの対向面
がφ2.5mmの円形平面である場合においては、集光
レンズとディスクとの離間距離を50nmにするには、
ディスクの平面度を、少なくともφ2.5mmの円形の
範囲において50nm以上の突起がないように高める必
要があると同時に、ディスクの集光レンズに対する平行
度を、絶えずarctan(50/1250000)=
0.0023(deg)以下となるように保たなければ
ならないこととなり、容易にディスクを製造することが
困難となり、さらには、容易に組立を行うことが困難と
なる。
【0019】なお、回転するディスクと集光レンズとが
接触してしまう危険性は、上述したようにNAを1以上
とする場合に限らず、高密度化を目的として集光レンズ
のNAを高めていく場合に常に生じる問題である。
【0020】すなわち、集光レンズのNAを高めていく
と、自然とディスクへの入射角度が増加するので、レン
ズの口径をさほど大きくすることなく、NAを高めた場
合においては、回転するディスクとレンズとの距離:す
なわちWD(ワーキングディスタンス)を狭くしなくて
はならなくなり、回転するディスクと集光レンズとが接
触してしまう危険性が高くなる。特に、WDが100μ
m以下となる場合においては、ディスクの面振れ等によ
り回転するディスクと集光レンズとが接触する危険性が
高くなる。
【0021】また、この場合においても、ディスクの平
行誤差により、ディスクと集光レンズとが接触する危険
性がある。そして、ディスクとの対向面がφ2.5mm
の円形平面である集光レンズを、40μmのWDでディ
スクに対向させる場合において、ディスクと集光レンズ
との接触を避けるためには、ディスクの集光レンズに対
する平行度を、絶えずarctan(40/1250)
=1.833(deg)以下となるように、すなわち2
(deg)以下の精度に保たなければならないこととな
り、突き当て治具等を用いた単純な組立装置において
は、容易に組立を行うことは容易でなくなる。
【0022】さらに、ディスクとの対向面がφ2.5m
mの円形平面である集光レンズを、20μmのWDでデ
ィスクに対向させる場合において、ディスクと集光レン
ズとの接触を避けるためには、ディスクの集光レンズに
対する平行度を、絶えずarctan(20/125
0)=0.917(deg)以下となるように、すなわ
ち1(deg)以下の精度に保たなければならないこと
となり、突き当て治具等を用いた単純な組立装置におい
ては、容易に組立を行うことはさらにできなくなるとと
もに、検査工程においても、目視検査など簡単な検査工
程において組立不良を判別することが容易でなくなる。
【0023】また、例えば、ディスクへの光の集光手段
として2つ以上の集光レンズを用い、球面と平面とを有
するレンズ(例えば、SIL:Solid Immersion Lens)
の平面部分をディスクに対して光学的な接触状態として
用いる場合においては、SILは、平面部分をディスク
に対して光学的に接触した状態としているために、平面
以外の部分、すなわち鏡面加工された球面部分を取り付
け部として、支持部材に取り付けなければならないこと
となる。
【0024】そのため、SILの支持部材に対する取り
付け強度が弱く、取り付け誤差が生じてしまう場合があ
った。そして、このSILの取り付け誤差に起因して、
光学記録媒体と集光レンズとが接触してしまう場合があ
った。
【0025】そこで、本発明は、光学記録媒体の表面性
や平行誤差等に起因する光学記録媒体と集光レンズとの
接触が抑制され、集光レンズを光学記録媒体に近接させ
ることが可能となると共に、集光レンズの取り付け精度
が緩和された光学ヘッド及びこの光学ヘッドの製造方法
を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光学ヘッド
は、光学記録媒体に向けて光を出射する光源と、光学記
録媒体に対向するように配置され光源から出射された光
を集束して光学記録媒体の信号記録面上に照射させるレ
ンズと、このレンズを支持する支持手段とを備えてい
る。
【0027】そして、この光学ヘッドは、レンズが、光
学記録媒体と対向し集束した光を透過する第1の対向面
と、この第1の対向面の外周側に位置して光学記録媒体
と対向する第2の対向面とを有し、第2の対向面と光学
記録媒体との離間距離が、第1の対向面と光学記録媒体
との離間距離よりも大とされていることを特徴としてい
る。
【0028】この光学ヘッドによれば、光源から出射さ
れた光が、レンズに入射して集光される。そして、レン
ズにより集光された光は、レンズの第1の対向面を透過
して、光学記録媒体に照射される。
【0029】そして、この光学ヘッドにおいては、集束
した光を透過する第1の対向面の外周側に第2の対向面
が設けられ、この第2の対向面と光学記録媒体との離間
距離が、第1の対向面と光学記録媒体との離間距離より
も大とされているので、光学記録媒体に多少の平行誤差
が生じている場合、あるいは、光学記録媒体の表面が平
坦でなく、うねり等を有している場合においても、レン
ズの第1の対向面を光学記録媒体との接触を生じること
なく、光学記録媒体に近接させることができる。
【0030】また、本発明に係る光学ヘッドは、支持手
段が、レンズと光軸を一致して配設された他のレンズを
支持することが望ましい。
【0031】光学ヘッドは、このように光軸を一致して
配設された複数のレンズを備えることにより、容易にN
Aを高めることが可能となり、信号記録密度の向上を図
ることができる。
【0032】また、本発明に係る光学ヘッドは、レンズ
が、第2の対向面の外周側に位置して光学記録媒体と対
向する第3の対向面を有し、第3の対向面と光学記録媒
体との離間距離は、第2の対向面と光学記録媒体との離
間距離よりも大とされていることが望ましい。
【0033】光学ヘッドは、レンズが、第2の対向面の
外周側に、第2の対向面よりも更に光学記録媒体から離
間した第3の対向面を有することにより、レンズの第1
の対向面と光学記録媒体との接触を更に効率よく防止す
ることができる。
【0034】また、本発明に係る光学ヘッドは、レンズ
に粉体粒子を吹き付ける方法のエッチング処理を施し、
この粉体粒子を吹き付ける方法のエッチング処理を施し
た箇所の少なくとも一部を取り付け部として、レンズが
取り付け手段に取り付けられていることが望ましい。
【0035】集光レンズの粉体粒子を吹き付ける方法の
エッチング処理が施された箇所は粗面とされるので、こ
の粗面の一部を取り付け部としてレンズを支持手段に取
り付けることにより、レンズの取り付け強度が向上す
る。
【0036】本発明に係る光学ヘッドの製造方法は、光
学記録媒体に対向するように配置され、光源から出射さ
れた光を集束して光学記録媒体の信号記録面上に照射さ
せるレンズと、このレンズを支持する支持手段とを備え
た光学ヘッドの製造方法において、レンズの光学記録媒
体と対向する側に、光学記録媒体と対向し集束した光を
透過する第1の対向面と、この第1の対向面の外周側に
位置して光学記録媒体と対向する第2の対向面とを、第
2の対向面と光学記録媒体との離間距離が、第1の対向
面と光学記録媒体との離間距離よりも大となるように形
成する工程を有することを特徴としている。
【0037】この光学ヘッドの製造方法により製造され
た光学ヘッドは、レンズが、光学記録媒体と対向し集束
した光を透過する第1の対向面と、この第1の対向面の
外周側に位置して光学記録媒体と対向する第2の対向面
とを有し、第2の対向面と光学記録媒体との離間距離
が、第1の対向面と光学記録媒体との離間距離よりも大
とされるので、光学記録媒体に多少の平行誤差が生じて
いる場合、あるいは、光学記録媒体の表面が平坦でな
く、うねり等を有している場合においても、レンズの第
1の対向面を光学記録媒体との接触を生じることなく、
光学記録媒体に近接させることができる。
【0038】なお、この光学ヘッドの製造方法は、レン
ズと光軸を一致させて他のレンズを配設する工程を有す
ることが望ましい。
【0039】これにより、製造された光学ヘッドは、光
軸を一致して配設された複数のレンズを備えることとな
り、容易にNAを高めて、信号記録密度の向上を図るこ
とが可能となる。
【0040】また、この光学ヘッドの製造方法は、第2
の対向面の外周側に位置して光学記録媒体と対向する第
3の対向面を、第3の対向面と光学記録媒体との離間距
離が、第2の対向面と光学記録媒体との離間距離よりも
大となるように形成する工程を有することが望ましい。
【0041】これにより、製造された光学ヘッドは、レ
ンズが、第2の対向面の外周側に、第2の対向面よりも
更に光学記録媒体から離間した第3の対向面を有するこ
ととなり、レンズの第1の対向面と光学記録媒体との接
触を更に効率よく防止することができる。
【0042】また、この光学ヘッドの製造方法は、粉体
粒子を吹き付ける方法のエッチング処理を施した箇所の
少なくとも一部を取り付け部として、レンズを支持手段
に取り付ける工程を有することが望ましい。
【0043】これにより、製造された光学ヘッドは、レ
ンズの取り付け強度が向上する。
【0044】また、この光学ヘッドの製造方法は、第1
の対向面となる箇所にフィルム状のレジスト材料または
スクリーン印刷法により形成されたレジスト材料を用い
たマスクを形成して、集光レンズの光学記録媒体と対向
する側にエッチング処理を施す工程を有することが望ま
しい。
【0045】光学ヘッドの製造方法は、このように、第
1の対向面となる箇所に形成されるマスクの材料とし
て、フィルム状のレジスト材料またはスクリーン印刷法
により形成されたレジスト材料を用いることにより、例
えばスピンコート法により形成される液状レジスト材料
を用いた場合と比較して、レジスト材料を露光現像する
際のマージンが広くなる。
【0046】
【本発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図
面を参照して説明する。なお、ここでは光磁気ディスク
に対して情報信号の書き込み及び読み出しを行うように
構成された光学ヘッドを例に説明する。
【0047】(第1の実施の形態)本発明に係る光学ヘ
ッド1は、例えば図1に示すように、光磁気ディスク2
に向けてレーザ光を出射する半導体レーザ3と、半導体
レーザ3から出射された光及び光磁気ディスク2からの
戻り光を受光する第1乃至第4の光検出器4,5,6,
7と、半導体レーザ3から出射されたレーザ光を光磁気
ディスク2に導くと共に、半導体レーザ3から出射され
た光を第1の光検出器4に導き、光磁気ディスク2から
の戻り光を第2乃至第4の光検出器5,6,7に導く光
路形成手段8と、半導体レーザ3から出射され光路形成
手段8を介して入射されたレーザ光を集束して光磁気デ
ィスク2の信号記録面2a上に照射させる対物レンズユ
ニット30と、光磁気ディスク2の信号記録面に所定の
磁界を印加する磁気ヘッド9とを備えている。
【0048】半導体レーザ3は、例えば波長が約680
nmのレーザ光を光磁気ディスク2に向けて出射する。
【0049】第1の光検出器4は、半導体レーザから出
射されたレーザ光を受光して、受光信号を半導体レーザ
3の出力を検出する図示しないAPC(Automatic Powe
r Contorol)回路に供給する。そして、APC回路は、
第1の光検出器4から供給された受光信号に基づいて、
半導体レーザ3から出射されるレーザ光の出力が一定と
なるように、半導体レーザ3を制御する。
【0050】第2の光検出器5は、光磁気ディスク2か
らの戻り光を受光して、制御信号の信号成分を含む受光
信号を図示しない信号処理回路に供給する。そして、信
号処理回路は、第2の光検出器5から供給された受光信
号に基づいて、フォーカスエラー信号やトラッキングエ
ラー信号等の制御信号を生成する。
【0051】第3及び第4の光検出器6,7は、光磁気
ディスク2からの戻り光を受光して、再生信号の信号成
分を含む受光信号を図示しない信号処理回路に供給す
る。そして、信号処理回路は、第3及び第4の光検出器
6,7から供給された受光信号に基づいて、再生信号を
生成する。
【0052】対物レンズユニット30は、光磁気ディス
ク2と光路形成手段8との間に配され、詳細を後述する
が、光軸を一致して配設された2つのレンズ(以下、光
磁気ディスク2側に配されたレンズを先玉レンズ31と
いい、光路形成手段8側に配されたレンズを後玉レンズ
32という。)を備えている。この対物レンズユニット
30は、後玉レンズ32により集束されたレーザ光を先
玉レンズで更に絞り込む構成とすることにより、高NA
化が実現されている。
【0053】また、この対物レンズユニット30は、図
示しない二軸電磁アクチュエータに搭載されおり、上述
した信号処理回路により生成された制御信号に基づき二
軸電磁アクチュエータが駆動されることにより、光磁気
ディスク2に接離する方向及び光磁気ディスク2の径方
向に移動操作され、フォーカス制御及びトラッキング制
御等が可能とされている。
【0054】磁気ヘッド9は、例えば光磁気ディスク2
を挟んで、対物レンズユニット30と対向する側に配設
されている。そして、この磁気ヘッド9は、図示しない
システムコントローラから供給された記録信号に基づい
て、光磁気ディスク2の信号記録面2a上における対物
レンズユニット30により集束されたレーザ光が照射さ
れた箇所に所定の強度の磁界を印加する。
【0055】なお、ここでは、磁気ヘッド9が光磁気デ
ィスク2を挟んで対物レンズユニット30と対向する側
に配設された例について説明しているが、磁気ヘッド9
は、対物レンズユニット30と同じ側に配設されるよう
にしてもよい。
【0056】光路形成手段8は、半導体レーザ3から出
射されたレーザ光を平行光にするコリメータレンズ10
と、このコリメータレンズ10を透過したレーザ光を回
折する回折格子11と、この回折格子11を透過したレ
ーザ光を2方向に分岐してその一方を対物レンズユニッ
ト20に入射させると共に光磁気ディスク2からの戻り
光を2方向に分岐する第1のビームスプリッタ12と、
第1のビームスプリッタ12により分岐されたレーザ光
の他方を集束して第1の光検出器4に入射させる第1の
集光レンズ13とを備えている。
【0057】また、光路形成手段8は、第1のビームス
プリッタ12により分岐された戻り光の一方を更に2方
向に分岐する第2のビームスプリッタ14と、第2のビ
ームスプリッタ14により分岐された戻り光の一方を集
束する第2の集光レンズ15と、第2の集光レンズ15
により集光された戻り光に非点収差を与えて第2の光検
出器5に入射させる第1のマルチレンズ16とを備えて
いる。
【0058】また、光路形成手段8は、第2のビームス
プリッタ14により分岐された戻り光の偏光状態を調整
する1/2波長板17と、1/2波長板17を透過した
戻り光をp偏光成分とs偏光成分とに分岐する偏光ビー
ムスプリッタ18と、偏光ビームスプリッタ18により
分岐された戻り光の一方を集束する第3の集光レンズ1
9と、第3の集光レンズ19により集束された戻り光の
焦点距離及び収差を調整して第3の光検出器6に入射さ
せる第2のマルチレンズ20と、偏光ビームスプリッタ
18により分岐された戻り光の他方を集束する第4の集
光レンズ21と、第4の集光レンズ21により集束され
た戻り光の焦点距離及び収差を調整して第4の光検出器
7に入射させる第3のマルチレンズ22とを備えてい
る。
【0059】なお、以上は光路形成手段の一構成例であ
り、対象とする光学記録媒体の種類や要求されるスペッ
ク等に応じて、上述の光路形成手段を構成する光学素子
に、追加、変更、削除を加えるようにしても良いことは
勿論である。
【0060】以上のように構成される光学ヘッド1は、
記録時においては、図示しないシステムコントローラの
制御に基づいて、半導体レーザ3がレーザ光を出射す
る。半導体レーザ3から出射されたレーザ光は、まずコ
リメータレンズ10に入射して平行光とされる。
【0061】コリメータレンズ10を透過し平行光とさ
れたレーザ光は、回折格子11を透過する際に、その回
折作用により、複数のレーザ光に分離される。回折格子
11により複数に分離されたレーザ光は、第1のビーム
スプリッタ12に入射し、2方向に光路が分岐される。
【0062】第1のビームスプリッタ12により光路が
分岐されたレーザ光の一方は、対物レンズユニット30
に入射し、対物レンズユニット30によって集束されて
光磁気ディスク2の信号記録面2a上に照射される。そ
して、光磁気ディスク2の信号記録面2a上の対物レン
ズユニット30により集束されたレーザ光が照射された
箇所に、磁気ヘッド9が所定の強度の磁界を印加するこ
とにより、光磁気ディスク2に所望の情報信号が記録さ
れる。
【0063】なお、第1のビームスプリッタ12により
光路が分岐されたレーザ光の他方は、第1の集光レンズ
13により集光されて、第1の光検出器4に受光され
る。第1の光検出器4は、受光したレーザ光の出力を受
光信号として、図示しないAPC回路に供給する。そし
て、APC回路が半導体レーザ3を制御することによ
り、半導体レーザ3の出力が一定に保たれる。
【0064】また、光学ヘッド1は、再生時において
は、記録時と同様に、図示しないシステムコントローラ
の制御により、半導体レーザ3がレーザ光を出射する。
【0065】そして、半導体レーザ3から出射されたレ
ーザ光は、コリメータレンズ10、回折格子11、第1
のビームスプリッタ12を介して対物レンズユニット3
0に入射する。対物レンズユニット30に入射したレー
ザ光は、対物レンズユニット30によって集束されて光
磁気ディスク2の信号記録面2a上に照射される。
【0066】なお、この場合も記録時と同様に、レーザ
光の一部は第1のビームスプリッタ12により光路が分
岐され、第1の集光レンズ13により集光されて、第1
の光検出器4に受光される。そして、第1の光検出器4
が、受光したレーザ光の出力を受光信号としてAPC回
路に供給し、APC回路が半導体レーザ3を制御するこ
とにより、半導体レーザ3の出力が一定に保たれる。
【0067】光磁気ディスク2の信号記録面2a上にて
反射された信号成分を含む反射光(戻り光)は、再度対
物レンズユニット30を透過して第1のビームスプリッ
タ12に入射し、2方向に光路が分岐される。
【0068】第1のビームスプリッタ12により光路が
分岐されたレーザ光の一方は、第2のビームスプリッタ
14に入射し、更に2方向に光路が分岐される。
【0069】第2のビームスプリッタ14により光路が
分岐されたレーザ光の一方は、第2の集光レンズ15に
より集束され、第1のマルチレンズ16により所定の非
点収差が与えられて第2の光検出器5により受光され
る。そして、第2の光検出器5が制御信号の信号成分を
含む受光信号を図示しない信号処理回路に供給し、信号
処理回路がこの受光信号に基づいて、フォーカスエラー
信号やトラッキングエラー信号等の制御信号を生成す
る。
【0070】一方、第2のビームスプリッタ12により
光路が分岐されたレーザ光の他方は、1/2波長板17
を透過した後、偏光ビームスプリッタ18に入射する。
偏光ビームスプリッタ12は、入射した戻り光をp偏光
成分とs偏光成分とに偏光分離する。
【0071】偏光ビームスプリッタ12により分離され
た戻り光のp偏光成分は、第3の集光レンズ19により
集束され、第2のマルチレンズ20を介して第3の光検
出器6により受光される。
【0072】一方、偏光ビームスプリッタ12により分
離された戻り光のs偏光成分は、第4の集光レンズ21
により集束され、第3のマルチレンズ22を介して第4
の光検出器7により受光される。
【0073】そして、第3の光検出器6及び第4の光検
出器7が再生信号の信号成分を含む受光信号を図示しな
い信号処理回路に供給し、信号処理回路がこの受光信号
に基づいて、再生信号を生成することにより、光磁気デ
ィスク2に記録された情報信号が再生される。
【0074】ここで、対物レンズユニット30につい
て、詳述する。
【0075】対物レンズユニット30は、例えば図2に
示すように、光磁気ディスク2に対向配置された先玉レ
ンズ31と、この先玉レンズ31を支持する先玉レンズ
ホルダ33と、先玉レンズ31と光軸を一致して配され
た開口数が例えば約0.6の後玉レンズ32と、この後
玉レンズ32を支持する後玉レンズホルダー34とを備
えている。
【0076】そして、この対物レンズユニット30は、
図示しないアクチュエータに搭載され、光磁気ディスク
2に対して光学的な接触状態となるように、すなわち、
光磁気ディスク2との間のエアギャップ(空気層の厚
さ)が約200nm以下となるように、光磁気ディスク
2に近接することが可能とされている。
【0077】この対物レンズユニット30は、後玉レン
ズ32により集束されたレーザ光を先玉レンズ31で更
に絞り込む構成とすることにより、高NA化が実現され
ている。
【0078】また、この対物レンズユニット30は、光
磁気ディスク2に対して光学的な接触状態となるよう
に、光磁気ディスク2に近接することにより、NAを1
以上とすることが可能となる。
【0079】先玉レンズ31は、例えば図3及び図4に
示すように、半球面レンズより構成される。そして、こ
の半球面レンズには、光磁気ディスク2と対向する側に
エッチング加工が施されることにより、平面部分に、集
束したレーザ光を透過する第1の対向面35と、この第
1の対向面35の外周側に位置する第2の対向面36
と、第2の対向面36の外周側に位置する第3の対向面
37とがそれぞれ形成されている。そして、第2の対向
面36と光磁気ディスク2との離間距離は、第1の対向
面35と光磁気ディスク2との離間距離よりも大とさ
れ、第3の対向面37と光磁気ディスク2との離間距離
は、第2の対向面36と光磁気ディスク2との離間距離
よりも大とされている。
【0080】第1の対向面35は、先玉レンズ31の平
面部分の略中央部に形成され、例えば直径が約40μm
の円形を呈している。
【0081】第2の対向面36は、第1の対向面35の
外周側に位置して形成され、例えば直径が約400μm
の円環状を呈している。そして、第1の対向面35と第
2の対向面36との間には、例えば高さが約2μmの第
1の段差部38が形成されており、この第1の段差部3
8により、第2の対向面36と光磁気ディスク2との離
間距離は、第1の対向面35と光磁気ディスク2との離
間距離よりも大とされている。
【0082】第3の対向面37は、第2の対向面36の
外周側に位置して形成され、例えば直径が約2.5mm
の円環状を呈している。そして、第2の対向面36と第
3の対向面37との間には、例えば高さが約50μmの
第2の段差部39が形成されており、この第2の段差部
39により、第3の対向面37と光磁気ディスク2との
離間距離は、第2の対向面36と光磁気ディスク2との
離間距離よりも大とされている。また、この第3の対向
面37は、その外周が、先玉レンズ31の光磁気ディス
ク2と対向する側の外周を構成している。
【0083】なお図3は、先玉レンズ31として、エッ
チング加工を施す前のレンズの半径をr、レンズの厚さ
をtとした場合に、t=rとなるような半球面レンズを
用いた例を示し、図4は、エッチング加工を施す前のレ
ンズの半径をr、レンズの厚さをtとした場合に、t=
(1+1/n)rとなるような半球面レンズを用いた例
を示している。なお、ここでnはレンズ材質の屈折率で
ある。
【0084】また、図3及び図4中、破線は、先玉レン
ズ31の光磁気ディスク2と対向する側のエッチング加
工を施す前の形状を示している。
【0085】後玉レンズ32は、非球面レンズより構成
され、先玉レンズ31よりも半導体レーザ3側に、先玉
レンズ31と光軸を一致して配設されている。そして、
半導体レーザ3より出射されたレーザ光は、後玉レンズ
32を透過した後に先玉レンズ31を透過して、光磁気
ディスク2の信号記録面2a上に照射されるようになさ
れている。
【0086】なお、後玉レンズ32により集束されたレ
ーザ光は、先玉レンズ31により更に集束され、先玉レ
ンズ31の第1の対向面35を透過して、光磁気ディス
ク2の信号記録面2a上に照射される。
【0087】先玉レンズ31に用いる材質としては、例
えば屈折率が1.8であるガラス(OHARA製ガラ
ス:LAH−65等)が用いられる。このように、先玉
レンズ31に屈折率の高いガラスを用いることによっ
て、対物レンズユニット30は、NAが1以上の光学的
特性が得られることとなる。より具体的には、図3に示
した形状の先玉レンズ31を用いた場合においては、N
A=0.6× 1.8=1.08となり、図4に示した
形状の先玉レンズ31を用いた場合においては、NAを
更に高めることが可能となる。
【0088】なお、先玉レンズ31の形状は、図3及び
図4に示したものに限定されるものではなく、光磁気デ
ィスク2に情報信号を書き込み、または光磁気ディスク
2に書き込まれた情報信号を読み取ることが可能なレン
ズ形状であればよい。具体的には、図3と図4に示した
形状の中間の厚さを有しても良くさらには、半球レンズ
以外の形状であってもよい。
【0089】本発明に係る光学ヘッド1においては、対
物レンズユニット30の先玉レンズ31が上述したよう
な形状とされているので、光磁気ディスク2が、この光
磁気ディスク2に集光されるレーザ光の光軸に直交する
方向に対して傾斜している場合、あるいは、光磁気ディ
スク2の表面が平坦でなく、うねりを有している場合な
どにおいても、先玉レンズ31と光磁気ディスク2との
衝突を生じさせることなく、対物レンズユニット30を
光磁気ディスク2に対して光学的な接触状態が得られる
程度に近づけることが可能となる。
【0090】すなわち、先玉レンズ31は、レーザ光を
光磁気ディスク2に向けて透過する第1の対向面35の
外周側に位置する第2の対向面36が、第1の対向面3
5よりも光磁気ディスク2から離間しており、更に第2
の対向面36の外周側に位置する第3の対向面37が、
第2の対向面36よりも光磁気ディスク2から離間して
いるので、例えば図5に示すように、光磁気ディスク2
が、この光磁気ディスク2に集光されるレーザ光の光軸
に直交する方向に対して傾斜している場合においても、
先玉レンズ31の外周部分が光磁気ディスク2に接触す
る前に、先玉レンズ31のレーザ光が透過する第1の対
向面35を光磁気ディスク2に光学的な接触状態が得ら
れる距離に近づけることが可能となる。
【0091】また、図6に示すように、光磁気ディスク
2の表面が平坦でなく、うねり等を有している場合にお
いても、先玉レンズ31の外周部分が光磁気ディスク2
に接触する前に、先玉レンズ31のレーザ光が透過する
第1の対向面35を光磁気ディスク2に光学的な接触状
態が得られる距離に近づけることが可能となる。
【0092】このように、光磁気ディスク2がレーザ光
の光軸に直交する方向に対して傾斜している場合や、光
磁気ディスク2の表面にうねり等が存在する場合であっ
ても、先玉レンズ31の外周部分が光磁気ディスク2に
接触する前に、先玉レンズ31のレーザ光が透過する第
1の対向面35を光磁気ディスク2に光学的な接触状態
が得られる距離に近づけることが可能となることによ
り、光磁気ディスク2の組立て精度を緩和することがで
きるとともに、光磁気ディスク2に要求される表面の平
坦性を緩和することができる。
【0093】すなわち、図3及び図4に示した先玉レン
ズ31においては、第1の対向面35が直径が約40μ
mの円形とされ、第1の段差部38の高さが約2μmと
され、第2の対向面36が直径が約400μmの円環状
とされ、第2の段差部39の高さが約50μmとされ、
第3の対向面37が直径が約2.5mmの円環状とされ
ている。したがって、光学的な接触状態を得るために、
第1の対向面35を光磁気ディスク2の表面に対して約
50nmの離間距離で近づけた場合、すなわち、空気層
の厚さを約50nmとした場合においては、第1の対向
面35と光磁気ディスク2との平行度を、絶えず傾きが
arctan(50/20000)=0.14(de
g)以下となるように保てばよいこととなり、先玉レン
ズ31の平面部分が全体にフラットな場合の数値と比較
して、格段に精度を緩和することができることとなる。
【0094】光磁気ディスク2表面のうねり等に関して
も、光学的な接触状態を得るために空気層の厚さを50
nmとした場合においては、直径が約40μmである第
1の対向面35の範囲において、光磁気ディスク2の表
面に、高さが50nm以上のうねりが存在しないような
平面度が保たれればよいこととなるので、先玉レンズ3
1の平面部分が全体にフラットな場合の数値と比較し
て、格段に精度を緩和することができることとなる。
【0095】また、先玉レンズ31は、第2の対向面3
6の外周側に第3の対向面37が形成されていることに
より、第1の対向面35を形成する際の加工量:エッチ
ング量をさほど大きくしなくても、先玉レンズ31の外
周部分が光磁気ディスク2に接触する危険性を低めるこ
とができる。
【0096】具体的には、先玉レンズ31の光磁気ディ
スク2と対向する側の外周の直径が約2.5mmであ
り、第1の段差部38の高さが約2μmである場合にお
いて、第3の対向面37がない場合、すなわち第2の対
向面36の外周が先玉レンズ31の光磁気ディスク2と
対向する側の外周を構成する場合には、arctan
(2050/1250000)=0.094(deg)
程度の傾斜により先玉レンズ31の外周部分が光磁気デ
ィスク2に衝突してしまうこととなる。
【0097】しかしながら、第2の対向面36の外周側
に第3の対向面37が形成されている場合には、この程
度の傾斜では、先玉レンズ2の外周部分が光磁気ディス
ク2に衝突する危険性はほとんどない。
【0098】このように、先玉レンズ31を第2の対向
面36の外周側に第3の対向面37が形成された形状と
することにより、先玉レンズ31として、大きな径のレ
ンズを用いることが可能となり、NAを容易に高めるこ
とが可能となる。
【0099】また、第2の対向面36の外周側に第3の
対向面37が形成されることにより、第1の段差部38
の高さを低く設定することが可能となり、加工効率を高
めて、先玉レンズ31の作製コストを低減することがで
きる。
【0100】次に、対物レンズユニット30の製造方法
について説明する。ここでは、図4に示した先玉レンズ
31を備えた対物レンズユニット30の製造方法に付い
て説明する。
【0101】まず、図7に示すように、中央部に先玉レ
ンズ31となる半球レンズ50を収容するためのレンズ
収容孔41が設けられた真鍮製の平板状のレンズ固定治
具40が準備される。レンズ収容孔41は、レンズ固定
治具40の上面40a及び下面40bで開口し、上面開
口部から下面開口部にかけて次第に縮径された形状とさ
れている。そして、上面開口部の開口径は収容する半球
レンズ50の外形寸法よりも大とされ、下面開口部の開
口径は収容する半球レンズ50の外形寸法よりも小とさ
れている。
【0102】先玉レンズ31となる半球レンズ50とし
ては、例えば屈折率が1.8であるガラス(OHARA
製ガラス:LAH−65等)が用いられ、半径1.25
mm、厚さtが、t=(1+1/n)rの関係式を満足
するように、1.933mmとされている。
【0103】そして、この半球レンズ50は、上面開口
部からレンズ固定治具40のレンズ収容孔41内に収容
され、平面部分50aがレンズ固定治具40の上面40
aと同一平面を形成するように、レンズ収容孔41内に
て位置決めされる。
【0104】なお、レンズ収容孔41内には、下面開口
部から半球レンズ50をレンズ固定治具40に対して固
定するための充填材42が充填される。この充填材42
は、半球レンズ50の平面部分と反対側の球面部分、す
なわち、半球レンズ50が先玉レンズ31とされたとき
に光が入射する側の球面部分を覆うように、レンズ収容
孔41内に充填される。
【0105】充填材42としては、加工工程終了後にお
いて洗浄が容易に行える材料が好ましく、例えば半導体
チップの作製工程などに一般的に用いられているフォト
レジスト材料等が用いられる。より具体的には、例えば
東京応化製のOFPR−800−1,34cP(商品
名)等を用い、その熱処理条件を120℃において2時
間以上とすることにより、後述する加工工程に耐え、か
つ加工工程終了後における洗浄工程において容易に剥離
することができる充填材42が得られる。
【0106】なお、ここでは、レンズ固定治具40とし
て、比較的剛性を有し、かつ高精度の作製精度が得られ
やすい材料である真鍮材質を用いた例について説明して
いるが、レンズ固定治具40の材料としては真鍮以外の
他の材料であっても構わない。
【0107】次に、図8に示すように、半球レンズ50
の平面部分50aに、第2の対向面36を形成するため
のマスク43となるマスク材料が塗布される。ここで
は、マスク材料として、プリント基板の作製工程におい
て一般に用いられているネガ型のレジスト材料である、
日立化成株式会社のドライフィルムレジストK−815
(商品名)を用いている。このマスク材料は、その感光
層の厚さが15μmとされている。
【0108】なお、マスク材料としては、半導体の形成
工程に一般的に用いられている原材料の形態が液状であ
りスピンコート法により形成される感光性材料(液状レ
ジスト)を用いることも可能であるが、レンズ固定治具
40と半球レンズ50との間に空隙44が存在するため
に、スピンコート法により形成される液状レジストを用
いた場合には、液状レジストが盛り上がって塗布されて
しまい、半球レンズ50の平面部分50aの中央付近と
外周付近とで、厚さがことなるために、露光現像工程に
おけるマージンが厳しくなる。
【0109】これに対して、原材料の形状が液状でない
ドライフィルムレジストを用いた場合においては、レジ
スト材料の厚さはほぼ前もって規定されていること、さ
らには、ドライフィルムの現像工程直前までは、図示し
ないカバーフィルムが存在していることから、空隙44
にドライフィルム材料はさほど入り込まない。このた
め、マスク材料としてドライフィルムレジストを用いた
場合は、露光現像工程におけるマージンが、液状レジス
トを用いた場合と比較して広くなる。
【0110】また、以上は、マスク材料としてドライフ
ィルムレジスト材料を用いた場合を示したが、マスク材
料としては、スクリーン印刷法により表面に塗布される
レジスト材料、例えば、太陽インキ製造(株)製、現像
型エッチングレジストインキ:PER−20(商品名)
を用いるようにしてもよい。マスク材料としてこのスク
リーン印刷法により表面に塗布されるレジスト材料を用
いた場合は、空隙44が存在していても、レジスト部分
が盛り上がることはなく、ドライフィルムレジストを用
いた場合とほぼ同様に、露光現像工程におけるマージン
が広くなる。
【0111】次に、半球レンズ50の平面部分50a上
に塗布されたマスク材料を露光現像することにより(露
光現像工程)、平面部分50aの中央部に、第2の対向
面36を形成するためのマスク43が形成される。この
マスク43は、第1の対向面35の形状に対応するよう
に、直径が40μmの円形形状に形成され、その中心が
半球レンズ50の平面部分50aの中心と一致するよう
に形成される。
【0112】次に、図9に示すように、半球レンズ50
の平面部分50aに、イオンミリング加工を行い、マス
ク43が形成された箇所の外周側(加工面)を所定の厚
さで除去加工し、第2の対向面36及び第1の段差部3
8を形成する。ここで、イオンミリング加工の条件は、
半球レンズ50の平面部分50aにおける加工速度が2
0〜25nm/min程度の加工速度となるように設定
される。これにより、マスク43に対して熱的損傷を与
えずに加工を行うことができる。また、この加工条件で
イオンミリング加工を行うことにより、得られた加工面
の表面粗さは、もとの平面部分50aの表面粗さからさ
ほど変化なく、Ra<5nm程度の光学表面が維持され
る。
【0113】次に、図10に示すように、半球レンズ5
0の平面部分50a及びレンズ固定治具40の上面40
a上に、第3の平面部37を形成するためのマスクとな
るレジスト材料45が塗布される。このレジスト材料4
5としては、例えばサンドブラスト用レジスト材料が用
いられる。サンドブラスト用レジスト材料としては、例
えば東京応化製のドライフィルムレジストBF−405
(商品名)等が挙げられる。このサンドブラスト用レジ
スト材料は、その感光層の厚さが50μmである。
【0114】なお、このサンドブラスト用レジスト材料
としても、上述のマスク43を形成するためのレジスト
材料と同様に、原材料の形態が液状でありスピンコート
法により形成される感光性材料を用いることも可能であ
るが、原材料がフィルム状態であるドライフィルム材料
およびスクリーン印刷法により形成される液状レジスト
を用いた場合のほうが、露光現像工程のマージンが広く
なる。
【0115】なお、この工程を行うにあたり、第2の対
向面36及び第1の段差部38を形成する際に用いたマ
スク43は、剥離されていなくても問題はない。
【0116】次に、図11に示すように、サンドブラス
ト用レジスト材料を露光現像することにより(露光現像
工程)、第2の対向面36を形成するためのマスク43
の外周側に、第3の対向面37を形成するためのマスク
46が形成される。このマスク46は、第2の対向面3
6の形状に対応するように、直径が400μmの円形形
状に形成され、その中心が半球レンズ50の平面部分5
0aの中心及び第2の対向面36を形成するためのマス
ク43の中心と一致するように形成される。
【0117】次に、図12に示すように、半球レンズ5
0の平面部分50a及びレンズ固定治具40の上面40
aに、パウダービームエッチング加工を行い、マスク4
6が形成された箇所の外周側(加工面)を所定の厚み分
だけ除去し、第3の対向面37及び第2の段差部39を
形成する。なお、加工面であるマスク46の外周側が第
3の対向面37とされる。
【0118】パウダービームエッチング加工の条件は、
#600程度のSiC粒子を用い、空気流量が300リ
ットル/min程度に対して、粉の量を60g/min
の混合条件とされる。これにより、レジスト材料45に
剥離などの損傷を与えずに、加工を行うことができる。
また、この加工条件でパウダービームエッチング加工を
行うことにより、得られた加工面は、表面粗度の大き
な、いわゆる砂かけ面とされる。なお、上述した加工法
によれば、加工面だけでなく、レンズ固定治具40のレ
ンズ収容孔41内壁と半球レンズ50との間に形成され
る空隙44に面する半球レンズ50の球面部分50bも
砂かけ面とすることが可能となる。
【0119】なお、以上は、第3の対向面37及び第2
の段差部39を形成する手段として、パウダービームエ
ッチング加工法を用いた例を示したが、第2の対向面3
6及び第2の段差部39を形成する手段は、この例に限
定されるものではなく、粉体粒子を吹き付ける方法のエ
ッチング処理であれば良く、例えばサンドブラスト加工
等を用いるようにしてもよい。
【0120】次に、レンズ固定治具40をアセトンある
いはレジスト剥離溶液などの溶剤中に浸し、超音波洗浄
を行うことにより、第1の対向面35を形成するための
マスク43及び第2の対向面36を形成するためのマス
ク46が剥離される。また、このとき、レンズ固定治具
40内に充填された充填材42も除去され、エッチング
加工が施された半球レンズ50がレンズ固定示具40か
ら取り外されて、図13に示すような先玉レンズ31が
完成する。
【0121】以上のように製造された先玉レンズ31
は、エッチング加工が施された側の中央部に第1の対向
面35を有し、第1の対向面35の外周側に第2の対向
面を有し、第2の対向面の外周側に第3の対向面を有し
ている。そして、第2の対向面36は第1の対向面35
よりも低い位置、すなわち第1の対向面35よりも球面
部分に近い位置に形成されており、第3の対向面37は
第2の対向面36よりも低い位置、すなわち第2の対向
面36よりも球面部分に近い位置に形成されている。
【0122】また、以上のように製造された先玉レンズ
の第1の対向面35及び第2の対向面36は、ほぼ光学
面とされており、第3の対向面37及びパウダービーム
エッチングが施された球面部分50bは、光学面でない
砂かけ面とされている。さらに、半球レンズ50をレン
ズ固定治具40のレンズ収容孔41内に固定する際に用
いた充填材42に被覆されていた球面部分は、加工前の
半球レンズ50の面がそのまま残存し、光学面とされて
いる。
【0123】次に、対物レンズユニット30を組み立て
る工程について説明する。
【0124】まず、図14に示すように、製造された先
玉レンズ31を、砂かけ面とされた球面部分50bを取
り付け面として、先玉レンズホルダ33に取り付け、例
えばエポキシ樹脂等の接着剤47を用いて固定する。
【0125】先玉レンズ31は、このように砂かけ面で
ある球面部分50bを取り付け面として先玉レンズホル
ダ33に取り付けられることにより、光学面を取り付け
面とした場合と比較して、先玉レンズホルダ33に対す
る接着強度が高められている。したがって、この先玉レ
ンズ31が取り付けられた対物レンズユニット30は、
この対物レンズユニット30を搭載した記録再生装置に
過度の振動が加わった場合においても、先玉レンズ31
にアライメントのずれ等が生じる可能性が低い。
【0126】次に、図15に示すように、先玉レンズ3
1が取り付けられた先玉レンズホルダ33と、例えば開
口数が約0.6とされた後玉レンズ32を支持する後玉
レンズホルダ34とを、先玉レンズ31と後玉レンズ3
2の光軸が一致するように位置合わせを行いながら接着
して一体化する。なお、この場合、先玉レンズホルダ3
3の平面部分と、後玉レンズホルダ34の平面部分とを
突き合わせるようにして両者を接着することにより、高
い接着強度を得ることができる。
【0127】先玉レンズホルダ33と後玉レンズホルダ
34とが一体化されてなる対物レンズユニット30は、
先玉レンズ31が光磁気ディスク2の信号記録面と対向
するように記録再生装置内に配設される。
【0128】ここで、対物レンズユニット30に搭載さ
れた先玉レンズ31の形状がもたらす効果について詳述
する。
【0129】先玉レンズ31は、上述したように、光磁
気ディスク2と対向する側に、集束したレーザ光を透過
する第1の対向面35と、この第1の対向面35の外周
側に位置する第2の対向面36と、第2の対向面36の
外周側に位置する第3の対向面37とがそれぞれ形成さ
れ、第2の対向面36と光磁気ディスク2との離間距離
が、第1の対向面35と光磁気ディスク2との離間距離
よりも大とされ、第3の対向面37と光磁気ディスク2
との離間距離が、第2の対向面36と光磁気ディスク2
との離間距離よりも大とされている。
【0130】これにより、先玉レンズ31は、光磁気デ
ィスク2との角度マージンが拡大されている。そして、
この角度マージン拡大の効果は、第1の対向面35及び
第2の対向面36の大きさがそれぞれ小さく、更に第1
の段差部38及び第2の段差部39の高さがそれぞれ高
いほど、大きくなる。
【0131】しかしながら、先玉レンズ31の製造方法
においては、マスク材料の形成時における位置合わせ精
度が存在すること、さらには、マスク材料の解像度に限
界を有していることにより、第1の対向面35及び第2
の対向面36の大きさを限りなく小さく、第1の段差部
38及び第2の段差部39の高さを限りなく高く形成す
ることは困難な状況である。
【0132】そこで、本発明においては、実現可能な角
度マージン量の数値として、0.1(deg)程度であ
れば組立時などにおいて比較的容易に達成できる数値で
あるとし、0.05(deg)程度であれば組立時等に
おいて、綿密に調整などを行えば達成できる数値である
とした。すなわち、先玉レンズ31の第1の対向面35
と光磁気ディスク2との離間距離(空気層の厚さ)が5
0nmであるとした場合において、第1の対向面35の
直径が、2×0.05/tan(0.1)=57(μ
m)以下であれば容易に調整できる効果を有し、さら
に、2×0.05/tan(0.05)=115(μ
m)以下であれば綿密に調整を行えば達成できるという
効果を有していることとなる。
【0133】つまり、第1の対向面35の直径が約10
0μm以下であればある程度綿密に調整を行うことによ
り実現可能な範囲となり、さらには、約60μm以下の
大きさであれば、容易に実現できる程度となる効果を有
している。
【0134】また、第1の段差部38の高さを0.2μ
m以上とした場合において、第2の対向面36の直径
が、2×(0.2+0.05)/tan(0.1)=2
86(μm)以下であれば容易に調整できる効果を有
し、さらには、2×(0.2+0.05)/tan
(0.05)=572(μm)以下であれば綿密に調整
を行えば達成できるという効果を有していることとな
る。
【0135】またさらに、第1の段差部38の高さを
0.5μm以上とした場合においては、第2の対向面3
6の直径が、2×(0.5+0.05)/tan(0.
1)=630(μm)以下であれば容易に調整できる効
果を有し、さらには、2×(0.5+0.05)/ta
n(0.05)=1260(μm)以下であれば綿密に
調整を行えば達成できるという効果を有していることと
なる。
【0136】つまり、第2の対向面36の大きさと得ら
れる角度マージン拡大の効果の関係については、第1の
段差部38の高さ:Hに大きく関連していることとな
る。したがって、第2の対向面36の直径が、ほぼ2×
H/tan(0.1)=1146×H以下、すなわち、
第1の段差部38の高さHの約1000倍以下であれ
ば、容易に調整できる効果を有し、さらに2×H/ta
n(0.05)=2291×H以下、すなわち、第1の
段差部38の高さHの約2000倍以下であれば綿密に
調整を行えば達成できるという効果を有していることと
なる。
【0137】また、先玉レンズ31の先玉レンズホルダ
33に対する接着強度向上の効果に関しては、第2の対
向面36及び第2の段差部39を形成する工程におい
て、その外周付近が加工されていればその効果は得られ
ることとなる。したがって、第2の対向面36及び第2
の段差部39形成工程において、加工される領域が、レ
ンズの外周部より約50μm以上内側、すなわち、第3
の対向面37の直径が第2の対向面36の直径よりも1
00μm以上大きくなるように加工されれば、先玉レン
ズ31を先玉レンズホルダ33に固定する場合におい
て、十分な接着面積を得ることができ、接着強度向上の
効果が容易に得られることとなる。
【0138】なお、以上は、先玉レンズ31に第1の対
向面35、第1の段差部38、第2の対向面36、第2
の段差部39、第3の対向面37がそれぞれ形成された
例について説明したが、本発明においては、先玉レンズ
31に第1の対向面35、第1の段差部38、第2の対
向面36のみが形成されるようにしてもよい。この場合
においても、角度マージンを増加させ、光磁気ディスク
2との衝突の危険性を減少させる効果を有する。
【0139】(第2の実施の形態)次に、本発明に係る
光学ヘッドの第2の実施の形態について図面を参照して
説明する。
【0140】第2の実施の形態の光学ヘッドは、基本構
成を上述した第1の実施の形態の光学ヘッドと同じく
し、対物レンズユニットのみが第1の実施の形態の光学
ヘッド異なるので、ここでは対物レンズユニットについ
てのみ説明する。なお、以下の説明において、第1の実
施の形態の光学ヘッドと同一の部材については、同一の
符号を付して説明する。
【0141】本実施の形態に係る光学ヘッドは、図16
に示すように、レーザ光を光磁気ディスク2の所定の位
置に集束させる対物レンズユニット60を備えている。
【0142】対物レンズユニット60は、光磁気ディス
ク2に対向配置された先玉レンズ61と、この先玉レン
ズ61を支持する先玉レンズホルダ63と、先玉レンズ
61と光軸を一致して配された開口数が例えば約0.6
の後玉レンズ32と、この後玉レンズ32を支持する後
玉レンズホルダー34とを備えている。
【0143】そして、この対物レンズユニット60は、
図示しないアクチュエータに搭載され、光磁気ディスク
2に対して光学的な接触状態となるように、すなわち、
光磁気ディスク2との間のエアギャップ(空気層の厚
さ)が約200nm以下となるように、光磁気ディスク
2に近接することが可能とされている。
【0144】この対物レンズユニット60は、後玉レン
ズ32により集束されたレーザ光を先玉レンズ61で更
に絞り込む構成とすることにより、高NA化が実現され
ている。
【0145】また、この対物レンズユニット60は、光
磁気ディスク2に対して光学的な接触状態となるよう
に、光磁気ディスク2に近接することにより、NAを1
以上とすることが可能となる。
【0146】先玉レンズ61は、例えば図17及び図1
8に示すように、半球面レンズより構成される。そし
て、この半球面レンズには、光磁気ディスク2と対向す
る側にエッチング加工が施されることにより、平面部分
に、集束したレーザ光を透過する第1の対向面65と、
この第1の対向面65の外周側に位置する第2の対向面
66と、第2の対向面66の外周側に位置する第3の対
向面67とがそれぞれ形成されている。そして、第2の
対向面66と光磁気ディスク2との離間距離は、第1の
対向面65と光磁気ディスク2との離間距離よりも大と
され、第3の対向面67と光磁気ディスク2との離間距
離は、第2の対向面66と光磁気ディスク2との離間距
離よりも大とされている。
【0147】第1の対向面65は、先玉レンズ61の平
面部分の略中央部に形成され、例えば直径が約40μm
の円形を呈している。
【0148】第2の対向面66は、第1の対向面65の
外周側に位置して形成され、例えば直径が約400μm
の円環状を呈している。そして、第1の対向面65と第
2の対向面66との間には、例えば高さが約2μmの第
1の段差部68が形成されており、この第1の段差部6
8により、第2の対向面66と光磁気ディスク2との離
間距離は、第1の対向面65と光磁気ディスク2との離
間距離よりも大とされている。
【0149】第3の対向面67は、第2の対向面66の
外周側に位置して形成され、例えば直径が約2.5mm
の円環状を呈している。そして、第2の対向面66と第
3の対向面67との間には、例えば高さが約150μm
の第2の段差部69が形成されており、この第2の段差
部69により、第3の対向面67と光磁気ディスク2と
の離間距離は、第2の対向面66と光磁気ディスク2と
の離間距離よりも大とされている。また、この第3の対
向面67は、その外周が、先玉レンズ61の光磁気ディ
スク2と対向する側の外周を構成している。
【0150】なお図17は、先玉レンズ61として、エ
ッチング加工を施す前のレンズの半径をr、レンズの厚
さをtとした場合に、t=rとなるような半球面レンズ
を用いた例を示し、図18は、エッチング加工を施す前
のレンズの半径をr、レンズの厚さをtとした場合に、
t=(1+1/n)rとなるような半球面レンズを用い
た例を示している。なお、ここでnはレンズ材質の屈折
率を示している。
【0151】また、図17及び図18中、破線は、先玉
レンズ61の光磁気ディスク2と対向する側のエッチン
グ加工を施す前の形状を示している。
【0152】後玉レンズ32は、非球面レンズより構成
され、先玉レンズ61よりも半導体レーザ3側に、先玉
レンズ61と光軸を一致して配設されている。そして、
半導体レーザ3より出射されたレーザ光は、後玉レンズ
32を透過した後に先玉レンズ61を透過して、光磁気
ディスク2の信号記録面2a上に照射されるようになさ
れている。
【0153】なお、後玉レンズ32により集束されたレ
ーザ光は、先玉レンズ61により更に集束され、先玉レ
ンズ61の第1の対向面65を透過して、光磁気ディス
ク2の信号記録面2a上に照射される。
【0154】先玉レンズ61に用いる材質としては、例
えば屈折率が1.8であるガラス(OHARA製ガラ
ス:LAH−65等)が用いられる。このように、先玉
レンズ61に屈折率の高いガラスを用いることによっ
て、対物レンズユニット60は、NAが1以上の光学的
特性が得られることとなる。より具体的には、図17に
示した形状の先玉レンズ61を用いた場合においては、
NA=0.6× 1.8=1.08となり、図18に示
した形状の先玉レンズ61を用いた場合においては、N
Aを更に高めることが可能となる。
【0155】なお、先玉レンズ61の形状は、図17及
び図18に示したものに限定されるものではなく、光磁
気ディスク2に情報信号を書き込み、または光磁気ディ
スク2に書き込まれた情報信号を読み取ることが可能な
レンズ形状であればよい。具体的には、図17と図18
に示した形状の中間の厚さを有しても良く、さらには、
半球レンズ以外の形状であってもよい。
【0156】本実施の形態に係る光学ヘッドにおいて
は、対物レンズユニット60の先玉レンズ61が上述し
たような形状とされているので、光磁気ディスク2が、
この光磁気ディスク2に集光されるレーザ光の光軸に直
交する方向に対して傾斜している場合、あるいは、光磁
気ディスク2の表面が平坦でなく、うねりを有している
場合などにおいても、先玉レンズ61と光磁気ディスク
2との衝突を生じさせることなく、対物レンズユニット
60を光磁気ディスク2に対して光学的な接触状態が得
られる程度に近づけることが可能となる。
【0157】すなわち、先玉レンズ61は、レーザ光を
光磁気ディスク2に向けて透過する第1の対向面65の
外周側に位置する第2の対向面66が、第1の対向面6
5よりも光磁気ディスク2から離間しており、更に第2
の対向面66の外周側に位置する第3の対向面67が、
第2の対向面66よりも光磁気ディスク2から離間して
いるので、光磁気ディスク2が、この光磁気ディスク2
に集光されるレーザ光の光軸に直交する方向に対して傾
斜している場合においても、先玉レンズ61の外周部分
が光磁気ディスク2に接触する前に、先玉レンズ61の
レーザ光が透過する第1の対向面65を光磁気ディスク
2に光学的な接触状態が得られる距離に近づけることが
可能となる。
【0158】また、光磁気ディスク2の表面が平坦でな
く、うねり等を有している場合においても、先玉レンズ
61の外周部分が光磁気ディスク2に接触する前に、先
玉レンズ61のレーザ光が透過する第1の対向面65を
光磁気ディスク2に光学的な接触状態が得られる距離に
近づけることが可能となる。
【0159】このように、光磁気ディスク2がレーザ光
の光軸に直交する方向に対して傾斜している場合や、光
磁気ディスク2の表面にうねり等が存在する場合であっ
ても、先玉レンズ61の外周部分が光磁気ディスク2に
接触する前に、先玉レンズ61のレーザ光が透過する第
1の対向面65を光磁気ディスク2に光学的な接触状態
が得られる距離に近づけることが可能となることによ
り、光磁気ディスク2の組立て精度を緩和することがで
きるとともに、光磁気ディスク2に要求される表面の平
坦性を緩和することができる。
【0160】ところで、先玉レンズ61の第2の対向面
66及び第2の段差部69は、上述した第1の実施の形
態と同様に、半球レンズの平面部分に、パウダービーム
エッチング加工やサンドブラスト加工等が施されること
により形成される。そして、このパウダービームエッチ
ング加工やサンドブラスト加工等により得られた加工面
は、表面粗度の大きな、いわゆる砂かけ面とされる。
【0161】先玉レンズ61は、図19に示すように、
砂かけ面とされた加工面(第3の対向面67)の外周側
を取り付け面として、先玉レンズホルダ63に取り付け
られ、例えばエポキシ樹脂等の接着剤47により固定さ
れる。
【0162】先玉レンズ61は、このように砂かけ面で
ある加工面の外周側を取り付け面として先玉レンズホル
ダ63に取り付けられることにより、光学面を取り付け
面とした場合と比較して、先玉レンズホルダ63に対す
る接着強度が高められている。したがって、この先玉レ
ンズ61が取り付けられた対物レンズユニット60は、
この対物レンズユニット60を搭載した記録再生装置に
過度の振動が加わった場合においても、先玉レンズ61
にアライメントのずれ等が生じる可能性が低い。
【0163】さらに、先玉レンズ61と先玉レンズホル
ダー63とは、面と面とを突き合わせて接着されること
になるので、球面部分を取り付け面とした場合に比べ
て、先玉レンズ31の平行出しが容易となる。すなわ
ち、球面部分を取り付け面とした場合においては、先玉
レンズを先玉レンズホルダに取り付ける際に、先玉レン
ズの平行出しを慎重に行う必要があったが、本実施の形
態においては、先玉レンズ61の第3の対向面67の外
周側を先玉レンズホルダ63の平面部分に突き当てて、
ある程度の荷重を与えるだけで先玉レンズ61の平行出
しを容易に行うことができる。
【0164】(第3の実施の形態)次に、本発明に係る
光学ヘッドの第3の実施の形態について図面を参照して
説明する。
【0165】第3の実施の形態の光学ヘッドは、基本構
成を上述した第1の実施の形態の光学ヘッド及び第2の
実施の形態の光学ヘッドと同じくし、対物レンズユニッ
トのみが第1の実施の形態の光学ヘッド及び第2の実施
の形態の光学ヘッドと異なるので、ここでは対物レンズ
ユニットについてのみ説明する。なお、以下の説明にお
いて、第1の実施の形態の光学ヘッド及び第2の実施の
形態の光学ヘッドと同一の部材については、同一の符号
を付して説明する。
【0166】本実施の形態に係る光学ヘッドは、図20
に示すように、レーザ光を光磁気ディスク80の所定の
位置に集束させる対物レンズユニット70を備えてい
る。
【0167】対物レンズユニット70は、光磁気ディス
ク80に対向配置された先玉レンズ71と、この先玉レ
ンズ71を支持する先玉レンズホルダ73と、先玉レン
ズ71と光軸を一致して配された開口数が例えば約0.
4の後玉レンズ72と、この後玉レンズ72を支持する
後玉レンズホルダー74とを備えている。
【0168】そして、この対物レンズユニット70は、
図示しないアクチュエータに搭載され、光磁気ディスク
80との間の距離(WD:Working Distance)が約20
μm以下となるように、光磁気ディスク2に近接するこ
とが可能とされている。
【0169】この対物レンズユニット70は、後玉レン
ズ72により集束されたレーザ光を先玉レンズ71で更
に絞り込む構成とすることにより、高NA化が実現され
ている。
【0170】本実施の形態に係る光学ヘッドにより情報
信号の書き込み又は読み取りが行われる光磁気ディスク
80としては、例えば、図21に断面図で示すように、
基板材料81上に、信号記録層82が形成され、この信
号記録層82上にカバー層83が形成されてなるものが
用いられる。そして、光学ヘッドは、この光磁気ディス
ク80のカバー層83側に配設され、信号記録層82に
信号を書き込む際、又は信号記録層82に記録されてい
る信号を読み取る際は、レーザ光をカバー層83を介し
て信号記録層82上に集束し照射する構成となされてい
る。
【0171】なお、光磁気ディスク80のカバー層83
は、例えば、屈折率が1.5の材料が用いられ、厚さh
が約20μmとされている。
【0172】先玉レンズ71は、例えば図22及び図2
3に示すように、半球面レンズより構成される。そし
て、この半球面レンズには、光磁気ディスク80と対向
する側にエッチング加工が施されることにより、平面部
分に、集束したレーザ光を透過する第1の対向面75
と、この第1の対向面75の外周側に位置する第2の対
向面76とが形成されている。そして、第2の対向面7
6と光磁気ディスク80との離間距離は、第1の対向面
75と光磁気ディスク80との離間距離よりも大とされ
ている。
【0173】第1の対向面75は、先玉レンズ71の平
面部分の略中央部に形成され、例えば直径が約200μ
mの円形を呈している。
【0174】第2の対向面76は、第1の対向面75の
外周側に位置して形成され、例えば直径が約2.5mm
の円環状を呈している。この第2の対向面76は、その
外周が、先玉レンズ71の光磁気ディスク80と対向す
る側の外周を構成している。
【0175】そして、第1の対向面75と第2の対向面
76との間には、例えば高さが約100μmの第1の段
差部78が形成されており、この第1の段差部78によ
り、第2の対向面76と光磁気ディスク80との離間距
離は、第1の対向面75と光磁気ディスク80との離間
距離よりも大とされている。
【0176】なお図22は、先玉レンズ71として、エ
ッチング加工を施す前のレンズの半径をr、レンズの厚
さをtとした場合に、t=r−hとなるような半球面レ
ンズを用いた例を示し、図23は、エッチング加工を施
す前のレンズの半径をr、レンズの厚さをtとした場合
に、t=(1+1/n)(r−h)となるような半球面
レンズを用いた例を示している。
【0177】また、図22及び図23中、波線は、先玉
レンズ71の光磁気ディスク80と対向する側のエッチ
ング加工を施す前の形状を示している。
【0178】後玉レンズ72は、非球面レンズより構成
され、先玉レンズ71よりも半導体レーザ3側に、先玉
レンズ71と光軸を一致して配設されている。そして、
半導体レーザ3より出射されたレーザ光は、後玉レンズ
72を透過した後に先玉レンズ71を透過し、カバー層
83を介して光磁気ディスク80の信号記録層82上に
照射されるようになされている。
【0179】なお、後玉レンズ72により集束されたレ
ーザ光は、先玉レンズ71により更に集束され、先玉レ
ンズ71の第1の対向面75を透過して、光磁気ディス
ク80の信号記録層82上に照射される。
【0180】先玉レンズ71に用いる材質としては、例
えば屈折率が1.51であるガラス(OHARA製ガラ
ス:BK−7等)が用いられる。
【0181】なお、先玉レンズ71の形状は、図22及
び図23に示したものに限定されるものではなく、光磁
気ディスク80に情報信号を書き込み、または光磁気デ
ィスク80に書き込まれた情報信号を読み取ることが可
能なレンズ形状であればよい。具体的には、図22と図
23に示した形状の中間の厚さを有しても良く、さらに
は、半球レンズ以外の形状であってもよい。
【0182】また、本実施の形態において、先玉レンズ
71の第1の対向面75及び第1の段差部78を形成す
る方法は、第1の実施の形態の先玉レンズ31の第1の
対向面35及び第1の段差部38を形成する方法と同様
であるので、ここでは説明を省略する。なお、先玉レン
ズ71に用いる材質として、OHARA製ガラス:BK
−7を用いた場合でも、OHARA製ガラス:LAH−
65を用いた場合と同様に、第1の対向面75及び第1
の段差部78を形成することができる。
【0183】本実施の形態に係る光学ヘッドにおいて
は、対物レンズユニット70の先玉レンズ71が上述し
たような形状とされているので、光磁気ディスク80
が、この光磁気ディスク80に集光されるレーザ光の光
軸に直交する方向に対して傾斜している場合等において
も、先玉レンズ71と光磁気ディスク80との衝突を生
じさせることなく、WDが約20μm以下となるよう
に、対物レンズユニット70を光磁気ディスク80に近
づけることが可能となるとともに、組立の精度が緩和さ
れる。
【0184】すなわち、先玉レンズ71の平面部分が全
体にフラットな場合は、先玉レンズの平面部分の直径を
2.5mmとすると、WDを約20μmとした場合にお
いては、arctan(20/1250)=0.917
(deg)以下となるように、すなわち1(deg)以
下の精度で平行度を保たなければならず、治具を用いた
単純な組み立てを行うと要求される精度を満足すること
ができず、また検査工程においても精密な検査が必要と
されることになる。
【0185】これに対して、図22及び図23に示した
先玉レンズ71においては、第1の対向面75が直径が
約200μmの円形とされ、第1の段差部78の高さが
約100μmとされ、第2の対向面76が直径が約2.
5mmの円環状とされている。したがって、第1の対向
面75を光磁気ディスク80の表面に対して約20μm
の離間距離となるように近づけた場合、すなわち、WD
を約20μmとした場合においては、第1の対向面75
と光磁気ディスク80との平行度を、絶えず傾きが a
rctan(20/100)=11.310(deg)
以下となるように保てばよいこととなり、格段に精度を
緩和することができると同時に、光磁気ディスク80へ
の衝突の危険性を大幅に減少させることができる。
【0186】また、以上は、WDを約20μmとした場
合について説明したが、WDを約40μmとした場合に
おいても、先玉レンズ71の平面部分が全体にフラット
な場合は、先玉レンズの平面部分の直径を2.5mmと
すると、arctan(40/1250)=1.833
(deg)以下となるように、すなわち2(deg)以
下の精度で平行度を保たなければならず、治具を用いた
単純な組み立てを行うと要求される精度を満足すること
ができず、また検査工程においても精密な検査が必要と
されることになる。
【0187】これに対して、図22及び図23に示した
先玉レンズ71においては、WDを約40μmとした場
合、第1の対向面75と光磁気ディスク80との平行度
を、絶えず傾きが arctan(20/100)=1
1.310(deg)以下となるように保てばよいこと
となり、格段に精度を緩和することができると同時に、
光磁気ディスク80への衝突の危険性を大幅に減少させ
ることができる。
【0188】第3の実施の形態に係る光学ヘッドは、以
上のように構成されることにより、半球レンズの直径と
第1の対向面75の直径との比率の逆数にほぼ応じた程
度の角度マージンが得られることとなる。すなわち、第
1の対向面75の直径が半球レンズの直径の約1/2以
下であれば、角度マージンとして約2倍以上の組立精度
を得ることができる。さらには、第1の対向面75の直
径が半球レンズの直径の約1/5以下であれば、角度マ
ージンとして約5倍以上の組立精度を得ることができ
る。さらには、第1の対向面75の直径が半球レンズの
直径の約1/10以下であれば、角度マージンとして約
10倍以上の組立精度を得ることができる。
【0189】また、第3の実施の形態に係る光学ヘッド
においても、対物レンズユニット70の先玉レンズ71
が、パウダービームエッチング加工やサンドブラスト加
工等により得られた、砂かけ面である加工面を取り付け
面として、先玉レンズホルダ73に取り付けることが可
能であるので、光学面を取り付け面とした場合と比較し
て、先玉レンズ71と先玉レンズホルダ73との接着強
度をめることが可能となる。したがって、この先玉レン
ズ71が取り付けられた対物レンズユニット70は、こ
の対物レンズユニット70を搭載した記録再生装置に過
度の振動が加わった場合においても、先玉レンズ71に
アライメントのずれ等が生じる可能性を低くすることが
できる。
【0190】なお、この第3の実施の形態においても、
上述した第2の実施の形態と同様に、先玉レンズ71の
平面部分を取り付け面として、先玉レンズ71と先玉レ
ンズホルダー73とを、平面と平面とを突き合わせて接
着することも可能であり、このような接着工程を採用す
ることにより、第2の実施の形態にて説明した効果と同
様に、先玉レンズ71の平行出しを容易に行うことが可
能となる。
【0191】また、以上は、先玉レンズ71に、第1の
対向面75、第1の段差部78、第2の対向面76のみ
が形成された例について説明したが、本実施の形態に係
る光学ヘッドは、この例に限定されるものではなく、図
24に示すように、第1の実施の形態及び第2の実施の
形態と同様に、第2の対向面76の外周側に第2の段差
部79を介して第3の対向面77を形成するようにして
もよい。このように、第2の対向面76の外周側に第2
の段差部79を介して第3の対向面77を形成するよう
にすれば、WDをより小さくした場合においても、光磁
気ディスク80と先玉レンズ71が接触する危険性を低
減することができる。
【0192】(第4の実施の形態)次に、本発明に係る
光学ヘッドの第4の実施の形態について図面を参照して
説明する。
【0193】第4の実施の形態の光学ヘッドは、基本構
成を上述した第1乃至第3の実施の形態の光学ヘッドと
同じくし、対物レンズユニットのみが第1乃至第3の実
施の形態の光学ヘッドと異なるので、ここでは対物レン
ズユニットについてのみ説明する。なお、以下の説明に
おいて、第1乃至第3の実施の形態の光学ヘッドと同一
の部材については、同一の符号を付して説明する。
【0194】本実施の形態に係る光学ヘッドは、図25
に示すように、レーザ光を光磁気ディスク80の所定の
位置に集束させる対物レンズユニット90を備えてい
る。
【0195】対物レンズユニット90は、光磁気ディス
ク80に対向配置された例えば開口数が約0.8とされ
た対物レンズ91と、この対物レンズ91を支持する対
物レンズホルダ92とを備えている。
【0196】そして、この対物レンズユニット90は、
図示しないアクチュエータに搭載され、WDが約20μ
m以下となるように、光磁気ディスク2に近接すること
が可能とされている。
【0197】対物レンズ91は、図26に示すように、
光磁気ディスク80と対向する側にエッチング加工が施
されることにより、集束したレーザ光を透過する第1の
対向面95と、この第1の対向面95の外周側に位置す
る第2の対向面96とが形成されている。そして、第2
の対向面96と光磁気ディスク80との離間距離は、第
1の対向面95と光磁気ディスク80との離間距離より
も大とされている。
【0198】第1の対向面95は、対物レンズ91の平
面部分の略中央部に形成され、例えば直径が約200μ
mの円形を呈している。
【0199】第2の対向面96は、第1の対向面95の
外周側に位置して形成され、例えば直径が約2.5mm
の円環状を呈している。この第2の対向面96は、その
外周が、対物レンズ91の光磁気ディスク80と対向す
る側の外周を構成している。
【0200】そして、第1の対向面95と第2の対向面
96との間には、例えば高さが約100μmの第1の段
差部98が形成されており、この第1の段差部98によ
り、第2の対向面96と光磁気ディスク80との離間距
離は、第1の対向面95と光磁気ディスク80との離間
距離よりも大とされている。
【0201】そして、対物レンズ91は、半導体レーザ
3から出射されたレーザ光を集束し、第1の対向面95
を透過させて、光磁気ディスク80の信号記録層82上
に照射させる。
【0202】なお、この第4の実施の形態においても、
上述した第3の実施の形態と同様に、対物レンズ91に
用いる材質として、例えば屈折率が1.51であるガラ
ス(OHARA製ガラス:BK−7等)を用いている。
【0203】また、本実施の形態において、対物レンズ
91の第1の対向面95及び第1の段差部98を形成す
る方法は、第1の実施の形態の先玉レンズ31の第1の
対向面35及び第1の段差部38を形成する方法と同様
であるので、ここでは説明を省略する。
【0204】本実施の形態に係る光学ヘッドにおいて
は、対物レンズユニット90の対物レンズ91が上述し
たような形状とされているので、光磁気ディスク80
が、この光磁気ディスク80に集光されるレーザ光の光
軸に直交する方向に対して傾斜している場合等おいて
も、対物レンズ91と光磁気ディスク80との衝突を生
じさせることなく、WDが約20μm以下となるよう
に、対物レンズユニット90を光磁気ディスク80に近
づけることが可能となるとともに、組立の精度が緩和さ
れる。
【0205】すなわち、対物レンズ91の平面部分が全
体にフラットな場合は、対物レンズの平面部分の直径を
2.5mmとすると、WDを約20μmとした場合にお
いては、arctan(20/1250)=0.917
(deg)以下となるように、すなわち1(deg)以
下の精度で平行度を保たなければならず、治具を用いた
単純な組み立てを行うと要求される精度を満足すること
ができず、また検査工程においても精密な検査が必要と
されることになる。
【0206】これに対して、図26に示した対物レンズ
91においては、第1の対向面95が直径が約200μ
mの円形とされ、第1の段差部98の高さが約100μ
mとされ、第2の対向面96が直径が約2.5mmの円
環状とされている。したがって、第1の対向面95を光
磁気ディスク80の表面に対して約20μmの離間距離
となるように近づけた場合、すなわち、WDを約20μ
mとした場合においては、第1の対向面95と光磁気デ
ィスク80との平行度を、絶えず傾きが arctan
(20/100)=11.310(deg)以下となる
ように保てばよいこととなり、格段に精度を緩和するこ
とができると同時に、光磁気ディスク80への衝突の危
険性を大幅に減少させることができる。
【0207】また、以上は、WDを約20μmとした場
合について説明したが、WDを約40μmとした場合に
おいても、対物レンズ91の平面部分が全体にフラット
な場合は、対物レンズの平面部分の直径を2.5mmと
すると、arctan(40/1250)=1.833
(deg)以下となるように、すなわち2(deg)以
下の精度で平行度を保たなければならず、治具を用いた
単純な組み立てを行うと要求される精度を満足すること
ができず、また検査工程においても精密な検査が必要と
されることになる。
【0208】これに対して、図26に示した対物レンズ
91においては、WDを約40μmとした場合、第1の
対向面95と光磁気ディスク80との平行度を、絶えず
傾きが arctan(20/100)=11.310
(deg)以下となるように保てばよいこととなり、格
段に精度を緩和することができると同時に、光磁気ディ
スク80への衝突の危険性を大幅に減少させることがで
きる。
【0209】また、第3の実施の形態に係る光学ヘッド
においても、対物レンズユニット90の対物レンズ91
が、パウダービームエッチング加工やサンドブラスト加
工等により得られた、砂かけ面である加工面を取り付け
面として、対物レンズホルダ93に取り付けられている
ので、光学面を取り付け面とした場合と比較して、対物
レンズ91と対物レンズホルダ93との接着強度が高め
られている。したがって、この先対物レンズ91が取り
付けられた対物レンズユニット90は、この対物レンズ
ユニット90を搭載した記録再生装置に過度の振動が加
わった場合においても、対物レンズ91にアライメント
のずれ等が生じる可能性が低い。
【0210】なお、この第4の実施の形態においても、
上述した第2の実施の形態と同様に、対物レンズ91の
平面部分を取り付け面として、対物レンズ91と対物レ
ンズホルダー93とを、平面と平面とを突き合わせて接
着することも可能であり、このような接着工程を採用す
ることにより、第2の実施の形態にて説明した効果と同
様に、対物レンズ91の平行出しを容易に行うことが可
能となる。
【0211】また、以上は、対物レンズ91に、第1の
対向面95、第1の段差部98、第2の対向面96のみ
が形成された例について説明したが、本実施の形態に係
る光学ヘッドは、この例に限定されるものではなく、第
1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様に、第2の
対向面96の外周側に第2の段差部を介して第3の対向
面を形成するようにしてもよい。このように、第2の対
向面96の外周側に第2の段差部を介して第3の対向面
を形成するようにすれば、WDをより小さくした場合に
おいても、光磁気ディスク80と対物レンズ91が接触
する危険性を低減することができる。
【0212】なお、以上は、光磁気ディスク2,80に
対して情報信号を書き込み、または光磁気ディスク2,
80に書き込まれた情報信号を読み取る光学ヘッド1に
ついて説明したが、本発明に係る光学ヘッドはこの例に
限定されるものではなく、相変化光ディスク、再生専用
光ディスク等の他の光学記録媒体に情報信号の書き込み
又は読み取りを行うように構成されていても良い。
【0213】また、以上は、先玉レンズの第1の対向面
及び第1の段差部を形成する方法として、イオンミリン
グ法を用いた例を挙げて説明したが、本発明において
は、レーザ光が透過する面である先玉レンズの第1の対
向面がが荒れない方法であれば、イオンミリング法以外
の他の方法を用いるようにしてもよい。
【0214】
【発明の効果】本発明に係る光学ヘッドにおいては、上
述したように、光学記録媒体が、この光学記録媒体に集
光されるレーザ光の光軸に対して傾斜を有している場
合、あるいは、光学記録媒体の表面が平坦でなく、うね
りを有している場合などにおいても、光学記録媒体に対
向配置されたレンズに、レーザ光を透過する第1の対向
面と、第1の対向面の外周側に位置して第1の対向面よ
りも光学記録媒体から離間した第2の対向面が形成され
ていることにより、レンズの外周部分が光学記録媒体に
接触する前に、レンズの第1の対向面を容易に光学記録
媒体に近接させることができる。
【0215】すなわち、光学記録媒体とレンズの組立て
状態が傾斜していても、レンズの第1の対向面を光学記
録媒体に近接させることができ、組立て精度を緩和され
る。
【0216】また、レンズの第1の対向面は、その直径
が約100μm以下の大きさであれば、ある程度綿密に
調整を行うことにより形成可能な範囲となり、さらに
は、直径が約60μm以下の大きさであれば、形成が容
易となる。
【0217】さらには、本発明の光学ヘッドは、光学記
録媒体にうねりが存在していても、レンズの第1の対向
面を光学記録媒体に近接させることができ、光学記録媒
体に要求されていた平坦性が緩和される。
【0218】さらに、先玉レンズの第2の対向面の外周
側に第3の対向面が形成されている場合は、第1の対向
面の形成工程での加工量:エッチング量をさほど大きく
しなくても、レンズの外周部分が光学記録媒体に接触す
る危険性を低減することができ、大きい径のレンズを用
いることが可能となる。
【0219】また、第2の対向面の外周側に第3の対向
面が形成されている場合は、第1の段差部の高さを低く
設定することが可能となり、加工効率を高めて、レンズ
の作製コストを低減することができる。
【0220】また第2の対向面の大きさと得られる角度
マージン拡大の効果の関係については、第1の段差部の
高さHに大きく関連していることとなる。したがって、
第1の対向面は、ほぼ2×H/tan(0.1)=11
46×H以下、すなわち、第1の段差部の高さHの約1
000倍以下の径であれば、容易に調整でき、さらに2
×H/tan(0.05)=2291×H以下、すなわ
ち、第1の段差部の高さHの約2000倍以下の径であ
れば、綿密に調整を行えば角度マージンの拡大が達成で
きる。
【0221】さらには、第2の対向面の大きさは、レン
ズの外形の1/2以下の大きさ、さらに好ましくは、1
/5以下の大きさ、よりさらに好ましくは1/10以下
の大きさであることにより、レンズと光学記録媒体とが
接触する危険性を低めることができるとともに、組立工
程あるいは検査工程を容易とすることが可能となる。
【0222】また、レンズは、レンズ形成工程におい
て、粉体粒子を吹き付ける方法のエッチング処理を行う
際に新規に得られた加工面(砂かけ面)を接着面とし
て、支持手段に取り付けられることにより、光学面を接
着面とする場合と比較してレンズと支持手段との接着強
度を向上させることが可能となる。
【0223】そして、レンズと支持手段とお接着強度の
向上に関しては、レンズの外周付近に粉体粒子を吹き付
ける方法のエッチング処理が施されていればその効果は
得られることとなる。したがって、粉体粒子を吹き付け
る方法のエッチング処理が施される領域が、レンズの外
周部より約50μm以上内側であれば、レンズを支持手
段に取り付ける場合において、十分な接着面積を得るこ
とができ、接着強度を向上させることが可能となる。
【0224】また、レンズの支持手段に対する取り付け
面を平面とした場合には、接着強度の向上を図ることが
できると共に、レンズの平行出しも容易に行うことがで
きる。
【0225】さらに本発明に係る光学ヘッドの製造方法
においては、上述したように、第1の対向面及び第2の
対向面を形成するためのマスク材料として、原材料の形
状が液体状態でないドライフィルムレジストを用いるこ
とにより、レジスト材料の厚さはほぼ前もって規定され
ていること、さらには、ドライフィルムの現像工程直前
までは、カバーフィルムが存在しているので空隙部分に
おいてはドライフィルム材料はさほど入り込まないため
に、露光現像工程がスピンコート法により形成される液
状レジストを用いた場合と比較してマージンが広くな
る。
【0226】さらに、本発明に係る光学ヘッドの製造方
法においては、第1の対向面及び第2の対向面を形成す
るためのマスク材料として、スクリーン印刷法により表
面に塗布されるレジスト材料を用いることによっても、
空隙が存在していても、レジスト部分が盛り上がること
はなく、ドライフィルムレジストを用いた場合とほぼ同
様に露光現像工程において、マージンが広い作製工程を
得ることも可能である。
【0227】さらに、本発明に係る光学ヘッドの製造方
法においては、第1の対向面又は第2の対向面の形成工
程において、エッチング処理を行う箇所以外の箇所を除
去可能な充填材により保護することにより、レーザ光が
透過する領域に傷などが形成される危険性を低減するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光学ヘッドの構成図である。
【図2】第1の実施の形態に係る光学ヘッドの用いられ
る対物レンズユニットの縦断面図である。
【図3】先玉レンズの側面図である。
【図4】他の先玉レンズの側面図である。
【図5】光磁気ディスクに傾きが生じた様子を説明する
側面図である。
【図6】光磁気ディスクにうねりが生じている様子を説
明する側面図である。
【図7】先玉レンズを製造する工程を説明する図であ
り、先玉レンズをレンズ固定治具に固定した状態を示す
縦断面図である。
【図8】先玉レンズを製造する工程を説明する図であ
り、第1の対向面を形成するためのマスクが形成された
状態を示す縦断面図である。
【図9】先玉レンズを製造する工程を説明する図であ
り、第1の対向面の外周側にエッチング加工が施された
状態を示す縦断面図である。
【図10】先玉レンズを製造する工程を説明する図であ
り、先玉レンズの平面部分及びレンズ固定治具の上面に
レジスト材料が塗布された状態を示す縦断面図である。
【図11】先玉レンズを製造する工程を説明する図であ
り、第2の対向面を形成するためのマスクが形成された
状態を示す縦断面図である。
【図12】先玉レンズを製造する工程を説明する図であ
り、第2の対向面の外周側にエッチング加工が施された
状態を示す縦断面図である。
【図13】先玉レンズの側面図である。
【図14】先玉レンズを先玉レンズホルダに取り付けた
状態を示す縦断面図である。
【図15】組み立てられた対物レンズユニットを示す縦
断面図である。
【図16】第2の実施の形態に係る光学ヘッドに用いら
れる対物レンズユニットの縦断面図である。
【図17】先玉レンズの側面図である。
【図18】他の先玉レンズの側面図である。
【図19】先玉レンズが先玉レンズホルダに取り付けら
れた状態を示す縦断面図である。
【図20】第3の実施の形態に係る光学ヘッドに用いら
れる対物レンズユニットの縦断面図である。
【図21】光磁気ディスクの縦断面図である。
【図22】先玉レンズの側面図である。
【図23】他の先玉レンズの側面図である。
【図24】他の対物レンズユニットの縦断面図である。
【図25】第4の実施の形態に係る光学ヘッドに用いら
れる対物レンズユニットの縦断面図である。
【図26】対物レンズの側面図である。
【符号の説明】
1 光学ヘッド、2,80 光磁気ディスク、3 半導
体レーザ、30,60,70,90 対物レンズユニッ
ト、31,61,71 先玉レンズ、32,62,72
後玉レンズ、33,63,73 先玉レンズホルダ、
34,64,74 先玉レンズホルダ、35,65,7
5,95 第1の対向面、36,66,76,96 第
2の対向面、37,67,77 第3の対向面、38,
68,78,98 第1の段差部、39,69,79
第2の段差部、

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学記録媒体に向けて光を出射する光源
    と、 上記光学記録媒体に対向するように配置され、上記光源
    から出射された光を集束して上記光学記録媒体の信号記
    録面上に照射させるレンズと、 上記レンズを支持する支持手段とを備え、 上記レンズは、上記光学記録媒体と対向し集束した光を
    透過する第1の対向面と、この第1の対向面の外周側に
    位置して上記光学記録媒体と対向する第2の対向面とを
    有し、 上記第2の対向面と上記光学記録媒体との離間距離は、
    上記第1の対向面と上記光学記録媒体との離間距離より
    も大とされていることを特徴とする光学ヘッド。
  2. 【請求項2】 上記支持手段は、上記レンズと光軸を一
    致して配設された他のレンズを支持することを特徴とす
    る請求項1記載の光学ヘッド。
  3. 【請求項3】 上記レンズは、上記第2の対向面の外周
    側に位置して上記光学記録媒体と対向する第3の対向面
    を有し、 上記第3の対向面と上記光学記録媒体との離間距離は、
    上記第2の対向面と上記光学記録媒体との離間距離より
    も大とされていることを特徴とする請求項1記載の光学
    ヘッド。
  4. 【請求項4】 上記第1の対向面と上記光学記録媒体と
    の離間距離は、40μm以下とされていることを特徴と
    する請求項1記載の光学ヘッド。
  5. 【請求項5】 上記第1の対向面と上記光学記録媒体と
    の離間距離は、20μm以下とされていることを特徴と
    する請求項4記載の光学ヘッド。
  6. 【請求項6】 上記第1の対向面と上記光学記録媒体と
    の離間距離は、200nm以下とされていることを特徴
    とする請求項5記載の光学ヘッド。
  7. 【請求項7】 上記第2の対向面は、上記レンズにエッ
    チング処理を施すことにより形成されていることを特徴
    とする請求項1記載の光学ヘッド。
  8. 【請求項8】 上記第2の対向面と上記第3の対向面の
    少なくとも一方の対向面は、上記レンズに粉体粒子を吹
    き付ける方法のエッチング処理を施すことにより形成さ
    れていることを特徴とする請求項3記載の光学ヘッド。
  9. 【請求項9】 上記レンズは、粉体粒子を吹き付ける方
    法のエッチング処理を施した箇所の少なくとも一部を取
    り付け部として、上記支持手段に取り付けられているこ
    とを特徴とする請求項8記載の光学ヘッド。
  10. 【請求項10】 上記レンズは、上記粉体粒子を吹き付
    ける方法のエッチング処理を施すことにより形成された
    上記第2の対向面又は上記第3の対向面の少なくとも一
    部を取り付け部として、上記支持手段に取り付けられて
    いることを特徴とする請求項9記載の光学ヘッド。
  11. 【請求項11】 上記第1の対向面は略円形を呈し、そ
    の直径が100μm以下であることを特徴とする請求項
    1記載の光学ヘッド。
  12. 【請求項12】 上記第1の対向面の直径が60μm以
    下であることを特徴とする請求項11記載の光学ヘッ
    ド。
  13. 【請求項13】 上記第2の対向面は略円環状を呈し、
    その直径が上記第2の対向面と上記光学記録媒体との離
    間距離と上記第1の対向面と上記光学記録媒体との離間
    距離との差の2000倍以下であることを特徴とする請
    求項1記載の光学ヘッド。
  14. 【請求項14】 上記第2の対向面の直径が、上記第2
    の対向面と上記光学記録媒体との離間距離と上記第1の
    対向面と上記光学記録媒体との離間距離との差の100
    0倍以下であることを特徴とする請求項13記載の光学
    ヘッド。
  15. 【請求項15】 上記第2の対向面及び上記第3の対向
    面はそれぞれ略円環状を呈し、上記第3の対向面の直径
    が上記第2の対向面の直径よりも100μm以上大きい
    ことを特徴とする請求項3記載の光学ヘッド。
  16. 【請求項16】 上記第2の対向面及び上記第3の対向
    面はそれぞれ略円環状を呈し、上記第3の対向面の直径
    が上記第2の対向面の直径の2倍以上とされていること
    を特徴とする請求項3記載の光学ヘッド。
  17. 【請求項17】 上記第3の対向面の直径が、上記第2
    の対向面の直径の5倍以上とされていることを特徴とす
    る請求項16記載の光学ヘッド。
  18. 【請求項18】 上記第3の対向面の直径は、上記第2
    の対向面の直径の10倍以上とされていることを特徴と
    する請求項17記載の光学ヘッド。
  19. 【請求項19】 光学記録媒体に対向するように配置さ
    れ、光源から出射された光を集束して上記光学記録媒体
    の信号記録面上に照射させるレンズと、このレンズを支
    持する支持手段とを備えた光学ヘッドの製造方法におい
    て、 上記レンズの上記光学記録媒体と対向する側に、上記光
    学記録媒体と対向し集束した光を透過する第1の対向面
    と、この第1の対向面の外周側に位置して上記光学記録
    媒体と対向する第2の対向面とを、上記第2の対向面と
    上記光学記録媒体との離間距離が、上記第1の対向面と
    上記光学記録媒体との離間距離よりも大となるように形
    成する工程を有することを特徴とする光学ヘッドの製造
    方法。
  20. 【請求項20】 上記レンズと光軸を一致させて他のレ
    ンズを配設する工程を有することを特徴とする請求項1
    9記載の光学ヘッドの製造方法。
  21. 【請求項21】 上記第2の対向面の外周側に位置して
    上記光学記録媒体と対向する第3の対向面を、上記第3
    の対向面と上記光学記録媒体との離間距離が、上記第2
    の対向面と上記光学記録媒体との離間距離よりも大とな
    るように形成する工程を有することを特徴とする請求項
    19記載の光学ヘッドの製造方法。
  22. 【請求項22】 上記レンズにエッチング処理を施すこ
    とにより上記第1の対向面と第2の対向面とを形成する
    ことを特徴とする請求項19記載の光学ヘッドの製造方
    法。
  23. 【請求項23】 上記レンズに粉体粒子を吹き付ける方
    法のエッチング処理を施すことにより上記第2の対向面
    と上記第3の対向面の少なくとも一方の対向面を形成す
    ることを特徴とする請求項21記載の光学ヘッドの製造
    方法。
  24. 【請求項24】 粉体粒子を吹き付ける方法のエッチン
    グ処理を施した箇所の少なくとも一部を取り付け部とし
    て、上記レンズを上記支持手段に取り付ける工程を有す
    ることを特徴とする請求項23記載の光学ヘッドの製造
    方法。
  25. 【請求項25】 粉体粒子を吹き付ける方法のエッチン
    グ処理を施すことにより形成された上記第2の対向面又
    は上記第3の対向面の少なくとも一部を取り付け部とし
    て、上記レンズを上記支持手段に取り付けることを特徴
    とする請求項24記載の光学ヘッドの製造方法。
  26. 【請求項26】 上記第1の対向面となる箇所にフィル
    ム状のレジスト材料を用いたマスクを形成して、上記レ
    ンズにエッチング処理を施すことを特徴とする請求項2
    2記載の光学ヘッドの製造方法。
  27. 【請求項27】 上記第1の対向面となる箇所にスクリ
    ーン印刷法により形成されたレジスト材料を用いたマス
    クを形成して、上記レンズにエッチング処理を施すこと
    を特徴とする請求項22記載の光学ヘッドの製造方法。
  28. 【請求項28】 上記第1の対向面となる箇所及び上記
    第2の対向面となる箇所にフィルム状のレジスト材料を
    用いたマスクを形成して、上記レンズに粉体粒子を吹き
    付ける方法のエッチング処理を施すことを特徴とする請
    求項23記載の光学ヘッドの製造方法。
  29. 【請求項29】 上記第1の対向面となる箇所及び上記
    第2の対向面となる箇所にスクリーン印刷法により形成
    されたレジスト材料を用いたマスクを形成して、上記レ
    ンズに粉体粒子を吹き付ける方法のエッチング処理を施
    すことを特徴とする請求項23記載の光学ヘッドの製造
    方法。
  30. 【請求項30】 上記レンズの光が入射する側を保護材
    で保護しながら上記レンズにエッチング処理を施すこと
    を特徴とする請求項22記載の光学ヘッドの製造方法。
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