JPH1031107A - 変形可能ミラー、及び光学装置、並びに記録再生装置 - Google Patents

変形可能ミラー、及び光学装置、並びに記録再生装置

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JPH1031107A
JPH1031107A JP8186488A JP18648896A JPH1031107A JP H1031107 A JPH1031107 A JP H1031107A JP 8186488 A JP8186488 A JP 8186488A JP 18648896 A JP18648896 A JP 18648896A JP H1031107 A JPH1031107 A JP H1031107A
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light
deformable mirror
substrate
shape
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JP8186488A
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English (en)
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Koji Matoba
宏次 的場
Yorishige Ishii
▲頼▼成 石井
Susumu Hirata
進 平田
Shingo Abe
新吾 阿部
Tetsuya Inui
哲也 乾
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Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境の変動や電気回路の変動の影響を受けに
くく、ミラー面を精度よく所要の形状となるよう変形さ
せて保持することが可能であり、しかも光ディスクの基
板厚みに応じて、収差補償とともに対物レンズの開口数
の変更を行うことができる変形可能ミラーを得る。 【解決手段】 その表面が反射面となっている弾性変形
可能な可撓性部材2と、該可撓性部材の裏面側に配設さ
れ、その可撓性部材裏面と対向する部分に形成された内
側凹凸部4及び外側凹凸部5を有する円柱状基板7とを
備え、該可撓性部材を上記凹凸部に吸着して反射面の形
状を変化させ、内側凹凸部4の表面形状に基づいて球面
収差を、外側凹凸部5の表面形状に基づいて開口数を変
化させるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、変形可能ミラー、
及び光学装置、並びに記録再生装置に関し、特に、反射
面の変形により異なる基板厚さの光ディスク対する正確
な記録再生動作を可能とする変形可能ミラーの構造、並
びにこの可変形ミラーを用いた光学装置及び記録再生装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光ディスクは、多量の情報信号を
高密度で記録することができるようになってきており、
このため、オーディオ装置,ビデオ装置,コンピュータ
等の多くの分野においてその利用が進められている。
【0003】図18は、これらの装置に用いられる光ピ
ックアップの一例を示す構成図である。図において、1
00は、光ディスク108に記録されている情報を検出
する光ピックアップで、光源としての半導体レーザ10
1と、該半導体レーザからの出射光を該光ディスク10
8に導く光路を構成する、コリメートレンズ102,対
物レンズ107等の光学部品と、該光ディスク108か
らの反射光を検出する光検出器112と、該光路から反
射光を取り出すビームスプリッタ104とを有してい
る。
【0004】ここで、上記光ディスク108は、回転モ
ータ113の回転軸113aに対して取り付けられ、該
回転軸113aの回転により回転するようになってい
る。
【0005】また、上記ビームスプリッタ104は、上
記光路中のコリメートレンズ102と対物レンズ107
との間に配置され、該ビームスプリッタ104と対物レ
ンズ107との間には1/4波長板105が配置されて
いる。また、該1/4波長板105と対物レンズ107
との間には、反射ミラー106が配置され、半導体レー
ザ101からのレーザ光は、該反射ミラー106で反射
されて対物レンズ107に入射し、光ディスク108か
らの反射光は該反射ミラー106で反射して1/4波長
板105に入射するようになっている。
【0006】次に動作について説明する。
【0007】半導体レーザ101から出射した光は、コ
リメートレンズ102により平行光103となる。この
平行光103は偏光ビームスプリッター104及び1/
4波長板105を通過して反射ミラー106に至る。そ
してこの反射ミラー106で反射された上記平行光10
3が対物レンズ107に入射する。該対物レンズ107
に入射した光は絞り込まれて、回転モータ113の回転
軸に対して固定された光ディスク108の情報記録媒体
面上に光スポット109を形成する。
【0008】次に、光ディスク108で反射した反射光
110は、再び対物レンズ107と反射ミラー106お
よび1/4波長板105を経て、偏光ビームスプリッタ
ー104に入射する。この反射光110は、1/4波長
板105の作用により、偏光ビームスプリッター104
で反射されて絞りレンズ111に至る。そして該絞りレ
ンズ111を通過した光は、光検出器112に受光され
る。この光検出器112は、反射光線の光強度を検出す
ることによって再生信号を検出する。
【0009】このような構成の光ピックアップに用いら
れる対物レンズ107は、光ディスク108の厚みを考
慮して設計されている。このため、この設計値と異なる
厚みの光ディスクに対しては、球面収差が生じて該対物
レンズ107の結像性能が劣化し、記録や再生が不可能
になる。
【0010】従来、コンパクトディスクやビデオディス
クあるいはデータ用のISO規格光磁気ディスク装置等
に用いられる光ディスクの厚みは、ほぼ同一(約1.2
mm)であった。このため、一つの光ピックアップで種
類の異なる光ディスク、例えば、コンパクトディスク、
ビデオディスク、光磁気ディスク等を記録再生すること
が可能であった。
【0011】ところで、近年、光ディスクのより高密度
化が進められており、このような記録密度の高い光ディ
スクの情報を検出するには、光ディスクの記録面上に形
成される集光ビーム径を小さくする必要がある。
【0012】そこで、集光ビーム径を小さくして光学的
な分解能を高めるために、下記のような方法が検討され
ている。
【0013】まず、第1の方法として、対物レンズの開
口数(開口半径÷焦点距離)を大きくして光学的な分解
能を向上させる方法が検討されている。
【0014】このように、対物レンズの開口数を大きく
すると、集光ビーム径は、開口数増大に比例して小さく
なるが、開口数を大きくした場合に、ディスク傾きの許
容誤差を、開口数が小さい場合と同程度に収めるために
は、ディスクの基板厚さを薄くする必要がある。一般
に、ディスクの光軸に対する傾きに起因するコマ収差
は、ディスクの基板厚さの3乗に比例する。このような
ことから、例えば、対物レンズの開口数が0.5、ディ
スクの基板厚さが1.2mmである場合のディスク傾き
の許容誤差は、対物レンズの開口数が0.6、ディスク
の基板厚さが0.6mm程度である場合のディスク傾き
許容誤差と同程度である。
【0015】ところが、このようにディスクの基板厚さ
を薄くした場合、その基板厚さの薄い光ディスクに対応
する対物レンズを使用して、従来の光ディスクを記録再
生すると、球面収差が増大し、結像点が広がってしま
い、記録再生が困難となる。
【0016】したがって、従来の光ディスク(例えばC
D)と、基板厚さの薄い光ディスク(例えばDVD)と
の間での互換性を1つの光ピックアップ装置により保つ
ことができなくなり、光ピックアップを2個使い、薄型
光ディスクと従来型光ディスクを別々の光ピックアップ
で記録再生せざるを得なくなる。
【0017】また、光ディスクにおける記録密度増大の
ための第2の方法としては、光ディスクにおける記録層
を基板厚さ方向に複数設ける方法が検討されている。
【0018】このように記録層をある程度の厚さの透明
基板を介して複数設けた多層ディスクの場合も、1枚の
光ディスクにおける記録容量が大幅に増加する。しかし
ながら、対物レンズから見た各記録層に対する基板厚さ
が異なるため、1つの光ピックアップでは正確な情報の
記録再生ができない。
【0019】このような問題点を解決する方法として、
例えば、変形可能ミラーにより基板厚さを補正する方法
が開発されている(特開平5−151591号公報参
照)。
【0020】図19は、この変形可能ミラーを用いたデ
ィスク装置の光学系を示す構成図である。図において、
100aは、このディスク装置に用いられている光ピッ
クアップ装置であり、これは反射面が変形するよう構成
した可変形ミラー200を有している。また、この光ピ
ックアップ装置100aは、図18に示す光ピックアッ
プ装置100における反射ミラー106に代えて、第2
の偏光ビームスプリッタ202を備え、この偏光ビーム
スプリッタ202と対物レンズ107との間の光路中に
上記可変形ミラー200が配置されている。また、この
可変形ミラー200と第2の偏光ビームスプリッタ20
2との間には第2の1/4波長板201が配置されてい
る。
【0021】そして、このディスク装置では、上記可変
形ミラー200は、その駆動回路203により、反射面
の変形及び変形解除が行われるようになっている。その
他の構成は、図18に示す光ピックアップ装置100と
同一である。
【0022】次に動作について説明する。半導体レーザ
101から出たビーム103は、コリメータレンズ10
2、第1のビームスプリッター104、第1の1/4波
長板105を透過し、第2のビームスプリッター202
に到達する。なお、ここで、コリメートレンズ102を
通過したビーム103は、第1の偏光ビームスプリッタ
104,第1の1/4波長板105,第2のビームスプ
リッター202,及び第2の1/4波長板201を通過
して、変形可能ミラー200に達するような偏光光とな
っている。
【0023】この変形可能ミラー200は、ミラー表面
が変形可能に構成されており、基板厚みの厚い光ディス
クの記録情報を読み出す場合には、変形可能ミラー駆動
回路203によりミラー表面が変形されて、該ミラー表
面に入射する光ビーム103に、光ディスクの基板が厚
くなったことによって発生する球面収差を打ち消すよう
な球面収差が与えられる。
【0024】上記変形可能ミラー200で反射されたビ
ーム103は、第2の1/4波長板201を通って第2
の偏光ビームスプリッタ202に戻り、該ビームスプリ
ッター202で反射されて対物レンズ107に達する。
対物レンズ107に入射した光は、絞り込まれ、光ディ
スク108の情報記録媒体面上に光スポット109を形
成する。
【0025】次に、光ディスク108で反射した反射光
(戻り光)110は、再び対物レンズ107を通過し第
2の偏光ビームスプリッタ202により反射されて、第
2の1/4波長板201を介して変形可能ミラー200
に至る。この変形可能ミラー200で反射された戻り光
110は、再度第2の1/4波長板201を通過し、さ
らに、第2の偏光ビームスプリッタ202を通過して第
1の1/4波長板105に至る。この第1の1/4波長
板105を通過した戻り光が第1のビームスプリッター
104に入射すると、該戻り光110はビームスプリッ
ター104により反射され、絞りレンズ111を介して
光検出器112に至る。該光検出器112では、光ディ
スクで反射された戻り光の光強度を検出することによっ
て再生信号を検出する。
【0026】図20は、特開平5−151591号公報
に記載の変形可能ミラーの具体的な構成を示す図であ
り、これは、「”Adaptive optics f
oroptimization of image r
esolution”(Applied Optic
s”,vol.26,pp‐3372−3777,(1
987),J.P.Gaffarel等)」に記載され
たものである。
【0027】この変形可能ミラー200は、表面にミラ
ー面300を形成した変形プレート301と、変形プレ
ート301の裏側の数カ所を加圧する圧電アクチュエー
タ302と、変形プレート301,圧電アクチュエータ
302,及び変形プレート301を固定するベース基板
303等から構成され、それぞれの圧電アクチュエータ
302に印加する電圧を変えることにより、変形プレー
ト301の上面位置が所望の量だけ変位し、全体として
変形プレート上のミラー面300を所望の形状に変形さ
せるようになっている。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図19
に示す光ディスク記録再生装置では、使用される光ディ
スクがディスク厚み0.6mmのものからディスク厚み
1.2mmのものに変更された場合、対物レンズ107
に入射する平行ビーム103のビーム半径、すなわち開
口半径はほとんどかわらず開口数は変わらない。
【0029】従って、基板厚みが1.2mmの光ディス
クを使用している時でも、対物レンズの光ディスク側で
の開口数が、基板厚みが0.6mmの光ディスクを使用
している時の大きな開口数と同じになる。
【0030】光ディスクは製造段階や経年変化でそりが
生じ、このそりが原因で光ディスクに傾きが生じる。上
記開口数が大きなままで、光ディスクの基板厚みが厚く
なると、光ディスクの傾き、つまり光ディスク表面の法
線方向と光軸とのなす角度(チルト角)によって発生す
るコマ収差が大きくなってしまい、光ビームの結像性能
が劣化し、記録再生が困難となる。
【0031】また、図20に示した従来の圧電アクチュ
エータ302を用いた変形可能ミラー200では、駆動
電圧が変動するとそのミラー面300の位置も変動して
しまう。特に各圧電アクチュエータ302間で電圧変動
があると、変形ミラー面300の形状が所要の形状から
大きくずれてしまう。
【0032】一方、環境温度の変動によっても熱膨張の
影響によって各圧電アクチュエータの加圧力が変動し、
ミラー面300の形状が所要の形状からずれてしまうと
いう問題点がある。
【0033】さらに、収差補正の対象となる光ビームの
直径は4mm程度であり、従って、変形可能ミラーの正
確な変形形状を実現するためには、多数の圧電アクチュ
エータ302を直径4mmの領域中に多数配置すること
が必要となる。また、このように多数の圧電アクチュエ
ータを有する変形可能ミラーの構造では、組立が複雑に
なると共に、多数の圧電アクチュエータ302の固定や
配線の引き回し等で、全体として変形可能ミラーの大き
さが大きくなり、ひいては光ピックアップ装置の構成が
大きなものとなってしまう。
【0034】本発明は上記のような問題点を解決するた
めになされたもので、環境の変動や電気回路の変動の影
響を受けにくく、ミラー面を精度よく所要の形状となる
よう変形させて保持することが可能であり、しかも光デ
ィスクの基板厚みに応じて、対物レンズの開口数の変更
を行うことができる小型でかつ簡単な構造の変形可能ミ
ラーを提供することを目的とする。
【0035】また、本発明は、環境の変動や電気回路の
変動の影響を受けにくく、ミラー面を精度よく所要の形
状となるよう変形させて保持することが可能であり、し
かも光ディスクの基板厚みに応じて、収差補償とともに
対物レンズの開口数の変更を行うことができる小型でか
つ簡単な構造の変形可能ミラーを提供することを目的と
する。
【0036】また、本発明は、ディスク厚みが厚くなる
ことによって発生する収差を補償すると同時に、対物レ
ンズに入射する平行ビームを制限することにより、対物
レンズの開口数を変更させ、光ビームの良好な結像性能
を得ることが可能である光学装置及び記録再生装置を提
供することを目的とする。
【0037】
【課題を解決するための手段】この発明(請求項1)に
係る変形可能ミラーは、入射光を反射する反射面を有
し、該反射面の変形により、該入射光の反射方向が変化
するよう構成したものである。
【0038】本変形可能ミラーは、その表面が該反射面
となっている弾性変形可能な可撓性部材と、該可撓性部
材の裏面側に配設され、その可撓性部材裏面と対向する
部分に形成された参照面を有する基板と、該可撓性部材
を少なくともその一部が該基板の参照面に接するよう吸
引して、該可撓性部材の反射面の形状が該基板の参照面
の表面形状に対応したものとなるよう、該可撓性部材を
変形させる駆動手段とを備えている。
【0039】また、本変形可能ミラーでは、該参照面の
表面形状は、該可撓性部材の反射面で反射された光を受
けるレンズの開口数が、該可撓性部材の吸引による変形
により変化する形状となっている。そのことにより上記
目的が達成される。
【0040】この発明(請求項2)に係る変形可能ミラ
ーは、入射光を反射する反射面を有し、該反射面の変形
により、該入射光の反射方向が変化するよう構成したも
のである。
【0041】本変形可能ミラーは、その表面が該反射面
となっている弾性変形可能な可撓性部材と、該可撓性部
材の裏面側に配設され、その可撓性部材裏面と対向する
部分に形成された第1及び第2の参照面を有する基板
と、該可撓性部材を少なくともその一部が該基板のそれ
ぞれの参照面に接するよう吸引して、該可撓性部材の反
射面の形状が該基板の各参照面の表面形状に対応したも
のとなるよう、該可撓性部材を変形させる駆動手段とを
備えている。
【0042】そのことにより上記目的が達成される。
【0043】この発明(請求項3)は、請求項2記載の
変形可能ミラーにおいて、前記第1の参照面の表面形状
を、前記可撓性部材の反射面で反射された光を受けるレ
ンズの収差が、該可撓性部材の第1の参照面側への吸引
による変形により変化する形状とし、前記第2の参照面
の表面形状を、前記可撓性部材の反射面で反射された光
を受けるレンズの開口数が、該可撓性部材の第2の参照
面側への吸引による変形により変化する形状としてい
る。
【0044】この発明(請求項4)は、請求項3記載の
変形可能ミラーにおいて、前記第2の参照面の表面形状
を、前記可撓性部材が該第2の参照面側に吸引されてい
る状態では、該可撓性部材の反射面に入射した平行光が
発散光として反射する形状としている。
【0045】この発明(請求項5)は、請求項3記載の
変形可能ミラーにおいて、前記第2の参照面の表面形状
を、前記可撓性部材が該第2の参照面側に吸引されてい
る状態では、該可撓性部材の反射面に入射した平行光が
収束光として反射する形状としたものである。
【0046】この発明(請求項6)に係る光学装置は、
その反射面を変形可能に構成した変形可能ミラーと、該
変形可能ミラーへの光の入射経路及び出射経路を構成す
る光学系とからなり、該変形可能ミラーの変形及び変形
解除により、入射光束を光学的な性質が異なる複数の出
射光束に変換するものである。
【0047】本光学装置では、該変形可能ミラーは、そ
の表面が反射面となっている弾性変形可能な可撓性部材
と、該可撓性部材の裏面側に配設され、その可撓性部材
裏面と対向する部分に形成された第1及び第2の参照面
を有する基板と、該可撓性部材を少なくともその一部が
該基板のそれぞれの参照面に接するよう吸引して、その
反射面の形状が該基板の各参照面の表面形状に対応した
ものとなるよう、該可撓性部材を変形させる駆動手段と
を備えている。
【0048】そのことにより上記目的が達成される。
【0049】この発明(請求項7)は、請求項6記載の
光学装置において、前記光学系を、前記変形可能ミラー
で反射した反射光を受光するレンズを含むものとし、前
記変形可能ミラーの変形及び変形解除により、該レンズ
における該反射光の受光領域が、範囲の異なる第1及び
第2の領域の間で切り換わるようにしたものである。
【0050】この発明(請求項8)は、請求項6記載の
光学装置において、前記光学系を、前記変形可能ミラー
で反射した反射光を受光するレンズを含むものとし、前
記変形可能ミラーの変形により、該反射光が球面収差の
付加されたものとなると同時に、該レンズにおける該反
射光の受光領域の範囲が変化するようにしたものであ
る。
【0051】この発明(請求項9)に係る記録再生装置
は、レーザ光源と、該レーザ光源から出射された光源光
を反射する反射面を有し、該反射面の変形により該光源
光の反射方向を変化させる変形可能ミラーと、該変形可
能ミラーで反射した反射光を集光して光記録媒体上に照
射する、あらかじめ決められた厚みを有する第1の光記
録媒体に対して焦点が合うように設定された対物レンズ
とを備えたものである。
【0052】この記録再生装置では、該変形可能ミラー
は、その表面が反射面となっている弾性変形可能な可撓
性部材と、該可撓性部材の裏面側に配設され、その可撓
性部材裏面と対向する部分に形成された第1及び第2の
参照面を有する基板と、該可撓性部材を少なくともその
一部が該基板のそれぞれの参照面に接するよう吸引し
て、その反射面の形状が該基板の各参照面の表面形状に
対応したものとなるよう、該可撓性部材を変形させる駆
動手段とを備えている。
【0053】また、この記録再生装置は、該可撓性部材
の変形により、該対物レンズを透過した光の焦点が該第
1の光記録媒体とは厚みの異なる第2の光記録媒体に対
して合うとともに、該対物レンズに入射する光が制限さ
れてその開口数が小さくなるよう構成されている。その
ことにより上記目的が達成される。
【0054】この発明(請求項10)は、請求項9記載
の記録再生装置において、前記第2の光記録媒体を、そ
の厚さが第1の光記録媒体の厚さより厚いものとしたも
のである。
【0055】以下、本発明の作用について説明する。
【0056】この発明(請求項1)においては、その表
面が入射光の反射面となっている弾性変形可能な可撓性
部材と、該可撓性部材の裏面側に配設され、その可撓性
部材裏面と対向する部分に形成された参照面を有する基
板とを備え、該可撓性部材をその少なくとも一部が該参
照面に接するよう吸引して、その反射面の形状を該基板
の参照面に対応したものとするようにしたから、基板の
参照面の精度に応じて、変形状態における反射面の形状
を精度のよいものとできる。
【0057】また、基板の参照面の形状は、その周辺環
境,特に環境温度の変化等により変化することはほとん
どなく、このため環境の変化に拘わらず、変形状態の反
射面の形状を安定に保持することができる。
【0058】さらに、可撓性部材を基板の参照面に完全
に吸着するようにすることにより、可撓性部材を変形さ
せる駆動手段の状態変動による反射面の形状変化を回避
できる。つまり、可撓性部材が参照面に完全に吸着する
のに十分な駆動力を可撓性部材に印加するようにするこ
とにより、駆動手段の状態変動により駆動力が多少変動
しても、可撓性部材が参照面から浮き上がることはな
く、その反射面の形状を安定に保持できる。
【0059】また、可撓性部材の変形により、その反射
面で反射された光を受ける対物レンズの開口数が変化す
るので、例えば、集光ビームが照射される光ディスクの
傾きに起因するコマ収差が、光ディスクの基板厚みの増
大とともに大きくなっていまうのを抑制できる。
【0060】この発明(請求項2)においては、その表
面が入射光の反射面となっている弾性変形可能な可撓性
部材と、該可撓性部材の裏面側に配設され、その可撓性
部材裏面と対向する部分に形成された第1及び第2の参
照面を有する基板とを備え、該可撓性部材をその少なく
とも一部が各参照面に接するよう吸引して、その反射面
の形状を該基板の各参照面に対応したものとするように
したので、上記と同様、変形状態における反射面の形状
を精度のよいものとでき、変形状態の反射面の形状を安
定に保持することができる。
【0061】また、上記基板には第1及び第2の参照面
が形成されているため、変形した可撓性部材の反射面に
おける、それぞれの参照面に対応する部分で反射した光
に、球面収差や開口数等の光学的に異なる特性が付加さ
れるように各参照面の表面形状を決めることができる。
これにより、対物レンズにより集光ビームが照射される
光ディスクの基板厚みに応じて、収差補償とともに対物
レンズの開口数の変更を行うことができる。
【0062】この発明(請求項3)においては、上記第
1の参照面に対応する可撓性部材の反射面の変形によ
り、該反射面で反射された光を受けるレンズの収差が変
わり、上記第2の参照面に対応する可撓性部材の反射面
の変形により、該反射面で反射された光を受けるレンズ
の開口数が変わるようにしたので、対物レンズにより集
光ビームが照射される光ディスクの基板厚みに応じて、
収差補償及び対物レンズの開口数を最適化できる。
【0063】この発明(請求項4,5)においては、前
記第2の参照面の表面形状を、前記可撓性部材が該第2
の参照面側に吸引されている状態では、該可撓性部材の
反射面に入射した平行光が発散光として、あるいは収束
光として反射する形状としたので、該反射面で反射され
た光を受けるレンズの開口数を、第2の参照面に基づい
た反射面の変形により小さくできるとともに、開口数の
縮小の際に不要となる光を光学系から排除でき、光学系
での不要な加熱などを防止できる。
【0064】この発明(請求項6)においては、変形可
能ミラーを構成する、その表面が反射面となっている弾
性変形可能な可撓性部材を、基板に形成した第1及び第
2の参照面に基づいて変形させるので、該反射面での反
射光として、光学的にその性質が異なる複数の光を得る
ことができる。
【0065】また、変形可能ミラーの反射面の変形状態
では、該反射面で反射された光束中に、第1及び第2の
参照面等に対応した、光学特性の異なる少なくとも2つ
以上の光束領域を形成することができる。
【0066】この発明(請求項7)においては、前記変
形可能ミラーの変形及び変形解除により、光学系に含ま
れるレンズにおける、該変形可能ミラーからの反射光の
受光領域が、範囲の異なる第1及び第2の領域の間で切
り換わるようにしたので、該変形可能ミラーの変形によ
り、例えば対物レンズの開口数を変化させることができ
る。
【0067】この発明(請求項8)においては、前記変
形可能ミラーの変形により、光学系に含まれるレンズに
おける、該変形可能ミラーからの反射光が球面収差の付
加されたものとなり、同時に該レンズにおける反射光の
受光領域の範囲が変化するので、変形可能ミラーの変形
により、その反射光に球面収差を付与すると同時に、レ
ンズの開口半径を実質的に変化させることができる。
【0068】この発明(請求項9)においては、可撓性
部材の変形により、対物レンズを透過した光の焦点が、
第1の光記録媒体とは厚みの異なる第2の光記録媒体に
対して合うとともに、対物レンズに入射する光が制限さ
れてその開口数が小さくなるよう構成されているので、
焦点位置の調整により、基板厚みの異なる2種類の光デ
ィスクからの情報の再生が可能となり、開口数の調整に
より、ディスクの傾きにより生じる結像効率の劣化も抑
えることが可能になる。
【0069】この発明(請求項10)においては、基板
厚みの厚い光記録媒体を再生する際には、変形可能ミラ
ーを変形させて、対物レンズの開口数を小さくするの
で、基板厚みが厚いときに生じる光記録媒体(ディス
ク)の光軸に対する傾きによるコマ収差の発生量を抑え
ることができる。
【0070】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て詳細に説明する。
【0071】(実施形態1)図1ないし図4は、本発明
の第1の実施形態による変形可能ミラーを説明するため
の図であり、図1は、該変形可能ミラーを平行光ビーム
が入射する側から見た平面図、図2は図1におけるX−
X線部分の断面構造を示す図、図3は、該変形可能ミラ
ーを、平行光ビームが入射する側とは反対の側から見た
平面図であり、図4は、該変形可能ミラーの分解斜視図
である。
【0072】図において、1は本実施形態1の変形可能
ミラーであり、この変形可能ミラー1は、入射光を反射
する反射面2aを有し、該反射面2aの変形により、該
入射光の反射方向が変化するよう構成されている。
【0073】そして該変形可能ミラー1は、その表面が
該反射面2aとなっている弾性変形可能な可撓性部材2
と、該可撓性部材2の裏面側に配設され、その可撓性部
材裏面と対向する部分に形成された第1の参照面1a及
び第2の参照面1bを有する絶縁性の円柱状基板7と、
該可撓性部材2を少なくともその一部が該基板7のそれ
ぞれの参照面1a,1bに接するよう吸引して、該可撓
性部材2の反射面2aの形状が該基板の各参照面1a,
1bの表面形状に対応したものとなるよう、該可撓性部
材2を変形させる駆動手段とを備えている。
【0074】ここで、上記可撓性部材2は、正方形形状
の開口部9を有するシリコン基板3に取り付けられてお
り、上記円柱状基板7の表面の中央部分には、内側凹凸
部4が形成され、該表面の内側凹凸部4の周囲には外側
凹凸部5が形成され、さらに該表面の外側凹凸部5の周
囲には平坦部6が形成されている。上記円柱状基板7の
表面の内側凹凸部4は上記第1の参照面1aに対応し、
上記円柱状基板7の表面における外側凹凸部5の内周側
部分は、上記第2の参照面1bに対応している。
【0075】また、上記可撓性部材2の周辺部分は、シ
リコン熱酸化膜3aを介してシリコン基板3における開
口部9の外周部分に固着されている。なお、この可撓性
部材2は、引張応力が付加された状態でシリコン基板3
に固定されている。
【0076】また、この可撓性部材2は、上記駆動手段
を構成する上部電極層10と、上記ミラー面2aを形成
するための金属薄膜32とから構成されており、上部電
極層10は、例えば7ミクロン程度の厚みを有するニッ
ケル膜で作成され、上記金属薄膜32は例えば0.07
ミクロン程度の厚みを有する金あるいはアルミニウム等
の金属により形成されている。
【0077】上記可撓性部材2には、図に示すように、
空気流通用の微小穴14が設けられている。この微小穴
の直径は、大きすぎると可撓性部材2で反射される光ビ
ームに悪影響を及ぼすため、20ミクロン以下であるこ
とが望ましい。
【0078】なお、上記ミラー面2aを形成するための
金属薄膜32は必ずしも必要ではなく、上部電極層10
の表面をそのままミラー面として用いても良い。
【0079】また、上記絶縁性の円柱状基板7は、ガラ
スモールドあるいは樹脂成型により作製されており、該
基板7の表面における内側凹凸部4及び外側凹凸部5上
には、上記駆動手段を構成する下部電極層11が形成さ
れ、該基板表面の平坦部6及びその外側の面取り部17
における一部分には、配線パッド16が形成されてお
り、該平坦部6における該配線パッド16と下部電極層
11との間の領域にはこれらを接続する接続部15が設
けられている。
【0080】そして、上記内側凹凸部4,外側凹凸部5
及び平坦部6上には、下部電極層11,接続部15,及
び配線パッド16をほぼ覆うよう絶縁層12が形成され
ている。
【0081】なお、上記円柱状基板7の上面の周縁に形
成されている面取り部17上には絶縁層12はない。つ
まり、上記絶縁パッド16における面取り部17上の部
分には絶縁層12が付着していない(図1、図4参
照)。
【0082】上記下部電極層11は、例えば0.5ミク
ロン程度の厚みを有するアルミニウム層から構成され、
絶縁層12は、例えば1ミクロン程度の厚みを有する酸
化シリコン層から構成されている。
【0083】上述したようにこの下部電極層11は、主
に上記円柱状基板7の内側凹凸部4及び外側凹凸部5だ
けに設けられ、下部電極用パッド19(図3参照)と電
気的に導通を取るための配線パッド16が上記配線部1
5を介して上記下部電極層11に接続されている。な
お、上記配線部15および配線パッド16は、下部電極
層11と同じ厚みの同じ材料からなる導体層により形成
されている。
【0084】また、上記可撓性部材2が固着されたシリ
コン基板3と、下部電極層11,絶縁層12等が形成さ
れた円柱状基板7とは、シリコン基板側の上部電極層1
0と円柱状基板側の下部電極層11とが互いに対向する
ように接着されている。このように両基板を接着した状
態では、上記可撓性部材2の下面は、上記絶縁層12表
面における最も高い部分と接触しており、平面状態を保
持している。
【0085】なお、上記両基板を接着する接着剤には、
例えば導電性のエポキシ系接着剤が用いられ、該基板7
の周縁部と、これに対向する該シリコン基板3の部分と
が接着剤18a,18bにより接着されている。ここ
で、上記接着剤18aは、図1及び図2に示すように、
上記基板7における面取り部17上の配線パッド16
と、シリコン基板3上に熱酸化膜3aを介して設けられ
た下部電極用パッド19とを電気的に導通させる役割も
兼ねる。また、円柱状基板7の面取り部17は、シリコ
ン基板3と円柱状基板7とが接着された状態で配線パッ
ド16を外部に露出させる役割を果たす。
【0086】さらに、上記円柱状基板7の面取り部17
には、接着剤18a,18bがこの面取り部17とシリ
コン基板の下面との間に入り込むことにより、接着の信
頼性を高め、また、配線パッド16と下部電極用パッド
19との電気的な導通を確実にする働きもある。
【0087】また、本実施形態の変形可能ミラー1は、
図3に示すように、上記変形可能ミラーの駆動手段を構
成する変形可能ミラー駆動回路8を有しており、該駆動
回路8は上記露出部分2b及び下部電極用パッド19と
配線により電気的に接続されており、該配線はハンダ等
により上記露出部分2b及び下部電極用パッド19に固
着されている。
【0088】これにより、変形可能ミラー駆動回路8
は、上記可撓性部材2の露出部分2b及び下部電極用パ
ッド19を通じて、可撓性部材2を構成する上部電極層
10と円柱状基板7上の下部電極層11との間に電圧を
印加したり、印加を中止したりする。
【0089】次に、上記変形可能ミラー1の動作原理に
ついて説明する。
【0090】図5は、変形可能ミラー1の可撓性部材2
が変形していない状態を示し、図6は、該変形可能ミラ
ーの変形状態を示している。
【0091】上記変形可能ミラー1が変形していない状
態では、上記駆動回路8は、上記両電極層10,11間
には電圧を印加しておらず、可撓性部材2は付加された
引張応力の作用で平坦のまま保持される。このため、可
撓性部材2のミラー面2aに入射する入射平行光ビーム
20はそのまま反射され、反射光も平行光ビーム21と
なる。
【0092】一方、上記変形可能ミラー1の変形状態で
は、駆動回路8により上部電極層10と下部電極層11
の間に所定の電圧が印加されている。このため、可撓性
部材2の上部電極層10と円柱状基板7の下部電極層1
1との間には静電気力が作用し、可撓性部材2は、基板
7側に引き寄せられるよう変形する。結果的には、該可
撓性部材2が円柱状基板7表面の絶縁膜12上に吸着さ
れて、そのミラー面2aの表面形状が、円柱状基板7の
内側凹凸部4及び外側凹凸部5を反映したものとなる。
ここで上記可撓性部材2が吸着される時には、吸着前に
内側凹凸部4及び外側凹凸部5と可撓性部材2との間の
スペース内にある空気が微小穴14を通り外部に抜ける
ため、確実に可撓性部材2が円柱状基板における凹凸部
の絶縁膜表面に吸着される。
【0093】続いて、上記円柱状基板表面の凹凸部の形
状について詳細に述べる。
【0094】図7は上記円柱状基板7の断面構造を示し
ており、上記下部電極層11および絶縁層12は、その
実際の厚みは基板7の厚みに比べて非常に薄いため図示
していない。ただし、凹凸部の形状はわかりやすくする
ため拡大して示してある。
【0095】上記内側凹凸部4は、円形状の円柱状基板
7の表面における、該基板の中心とその中心が一致する
直径D1の円形領域に形成されており、この内側凹凸部
4が第1の参照面となっている。該内側凹凸部4の形状
は、可撓性部材2が基板側に吸着された時のそのミラー
面2aの変形量が補正すべき球面収差量に対応したもの
となるよう設計されている。
【0096】上記内側凹凸部4の表面形状としては、上
記円柱状基板7の中心軸を含む縦断面における該内側凹
凸部4の稜線が下記の式(1)で与えられるものが好ま
しい。
【0097】 f(r)=3.3168×10-26−3.9542×10-34 −0.505r2 ・・・(1) ここでは、rは円柱状基板7の中心からの距離[mm]
であり、f(r)は、上記基板の平坦部6の高さ位置を
基準とする、中心からの距離rの地点での内側凹凸部4
の表面の高さ位置[μm]を示している。ここで、上記
直径D1は2.5mmに設定される。
【0098】また、上記円柱状基板7の表面における内
側凹凸部4の外周部分には、外側凹凸部5が形成されて
おり、該外側凹凸部5の、直径D1からD2までの範囲
の領域が第2の参照面となっている。
【0099】該外側凸凹部5の、第2の参照面に対応す
る部分の表面形状は、その法線が基板の中心軸と所定の
角度θをなして基板の表面側で該中心軸から離れる形状
となっている。図中、Cは上記第2の参照面における法
線の方向を示している。
【0100】ここで、外側凸凹部における第2参照面の
放線と中心軸とのなす角度θは1度以上に設定され、直
径D2は4mmに設定されることが好ましい。
【0101】上記可撓性部材2の変形状態では、図6に
示すように、該入射平行光ビーム20は、上記ミラー面
2aの第1参照面に対応する部分では、ミラー面2aの
放線方向に所定の球面収差量を与えられて反射されて反
射光ビーム22となり、上記ミラー面2aの第2参照面
に対応する部分では、該入射平行光ビーム20は、円柱
状基板の中心軸から離れる方向に反射偏向されて反射光
ビーム23となる。
【0102】次に、第1の実施形態による変形可能ミラ
ー1の製造方法について説明する。
【0103】図8は、上記変形可能ミラーを構成するシ
リコン基板3側の作製プロセスを示している。
【0104】1)まず、図8(a)に示すように、面方
位(100)のシリコン基板3の両面、つまり表面及び
裏面に熱酸化によりシリコン酸化膜3a,3bを形成す
る。なお、シリコン基板3の表面は研磨、ポリシング加
工が施されており、その平面度は1nm以下に抑えられ
ている。
【0105】次に、シリコン基板3の裏面にフォトレジ
スト(図示しない)を塗布し、フォトリソグラフィ処理
によって、このレジストに上記開口部9(図1及び図2
参照)に対応した矩形の開口を形成する。そして、CH
3ガスを用いてドライエッチングを行って、裏面側の
熱酸化膜3bに矩形の開口部を形成する。
【0106】2)次に、図8(b)に示すように、上記
シリコン基板3における表面側の熱酸化膜3a上に例え
ばスパッタ法により、可撓性部材2の一部として、例え
ば厚さ0.01μmのタンタル膜(図示せず)及び例え
ば厚さ0.1μmのニッケル膜30を成膜する。なお、
上記タンタル膜を成膜する理由は、酸化シリコン膜3a
とニッケル膜30との密着力を高めるためである。
【0107】3)次に、図8(c)に示すように、例え
ば電解メッキ法により上記ニッケル膜30を電極として
用いて、可撓性部材2を構成する、上記タンタル膜及び
ニッケル膜以外の金属層として、所定の厚さ(例えば5
μm)のニッケルメッキ膜31を形成する。この電解メ
ッキの際に、ニッケルメッキ膜31に引張応力が付加さ
れる。
【0108】以下、引張応力が付加されたニッケルメッ
キ膜31の形成のための一連の電気メッキ技術について
説明する。
【0109】ニッケルメッキの電解浴として、スルファ
ミン酸ニッケル(600g/リットル)、塩化ニッケル
(5g/リットル)、ほう酸(30g/リットル)を用
い、浴温度を60℃に設定した場合、電気メッキされる
メッキ膜の内部応力と電流密度との関係は、図9に示す
ものとなる。
【0110】図9では、横軸は電流密度を示し、縦軸は
ニッケル層の内部応力を示している。このようにメッキ
時に電流密度を制御することにより、ニッケル層の内部
応力を制御することができ、例えば、ニッケルメッキ膜
31に50MPaの引張応力を付加させる場合には、電
流密度16(A/dm2)でもって電気めっきを行えば
よい。
【0111】4)次に、上記ニッケルメッキ膜31上に
フォトレジスト(図示せず)を塗布し、フォトリソグラ
フィ処理により、可撓性部材2の形状、微小穴14の形
状及び下部電極用パッド19の形状(図3参照)に対応
したレジストパターンを形成する。続いて、該レジスト
パターンをマスクとするエッチング処理を行って、上記
ニッケルメッキ膜31、タンタル膜(図示せず)および
ニッケル膜30(膜厚0.1μm)をパターニングする
(図8(d))。
【0112】5)次に、図8(e)に示すように、この
シリコン基板3を水酸化カリウム溶液に浸して、熱酸化
膜3bをマスクとしてシリコン基板3のウエットエッチ
ングを裏面側から表面側へ向かって行って、シリコン基
板3に開口部9を形成する。このように水酸化カリウム
溶液を用いることにより、単結晶シリコン基板の異方性
エッチングが可能となり、結晶面方位(1,0,0)方
向のエッチング速度は速く、(1,1,1)方向のエッ
チング速度は極端に遅くなる。
【0113】従って、図2や図8に示すようにその端面
がテーパ状となった開口部9がシリコン基板3に形成さ
れ、熱酸化膜3bのパターンにより決められた形状の通
りに、精度良く開口部を加工することができる。この
時、シリコン基板の表面側では、ニッケルメッキ膜31
およびニッケル膜30をマスクとしてタンタル膜も除去
される。この結果、ニッケルメッキ膜31およびニッケ
ル膜30の一部により上記可撓性部材2が形成され、ニ
ッケルメッキ膜31およびニッケル膜30の他の部分に
より下部電極用パッド19が形成される。
【0114】6)次に、図8(f)に示すように、シリ
コン基板3の裏面に、CHF3ガスを用いたドライエッ
チング処理を施して、シリコン基板裏面上の熱酸化膜3
bおよび開口部9内の熱酸化膜3a、さらにタンタル膜
を除去する。これにより、シリコン基板3における非常
に平面度の良い表面の形状がそのまま転写された可撓性
部材2の面Aが現れる。従って該可撓性部材2の面A
は、光学的に優れたミラー面として利用することが可能
となる。
【0115】7)次に、必要とあれば、図8(g)に示
すように、ミラー面2aを構成する金属層として、例え
ばスパッタ法により0.07ミクロンの厚みを有するア
ルミニウム膜32を成膜し、可撓性部材2の光入射側面
Aでの反射率をさらに向上させても良い。
【0116】次に、図10を用いて円柱状基板7に対す
る処理について説明する。
【0117】1)まず、ガラスモールドあるいは樹脂成
型により作成された、表面に内側凹凸部4,外側凹凸部
5,及び平坦部6を有する円柱状基板7(図10(a)
参照)を用意する。
【0118】2)次に、図10(b)に示すように、上
記円柱状基板7をホルダー50に保持し、その上面を、
所定の開口部が形成された第1のメタルマスク51によ
り覆う。この第1のメタルマスク51は、例えば、ステ
ンレス板のエッチングにより、上記下部電極層11,配
線部15,及び配線パッド16の形状に対応した開口部
を形成したものである。
【0119】そして、例えば、スパッタ法により、0.
5ミクロンの厚みを有するアルミニウム膜を、基板7の
表面におけるメタルマスク51の開口部に対応する部
分、つまり下部電極層11,配線部15,及び配線パッ
ド16の形状に対応した部分に成膜する。
【0120】3)次に、図10(c)に示すように、ホ
ルダー50に保持された基板7の上面を第2のメタルマ
スタ52により覆う。この第2のメタルマスク52に
は、該基板7の内側凹凸部4,外側凹凸部5,及び平坦
部6に対応する開口部が形成されており、このメタルマ
スク52により、上記円柱状基板7の表面周縁の面取り
部17が覆われることとなる。
【0121】そして、例えばスパッタ法により、1ミク
ロンの厚みを有する酸化シリコン膜12が、上記基板7
の表面におけるメタルマスタ52の開口部に対応する部
分、つまり基板7の面取り部17以外の部分に成膜され
る。
【0122】このように、この製造方法では、可撓性部
材2を半導体集積回路の作製プロセスによって作成して
いるので、可撓性部材2を高精度に作製することがで
き、可撓性部材2における光ビームの入射面の面形状を
向上させることができる。また、該可撓性部材2や下部
電極用パッド19を連続的に一括して形成しているの
で、これらの作製プロセスを簡単化することができる。
【0123】(第2の実施の形態)図11は本発明の実
施形態2による記録再生装置の構成を説明するための概
略ブロック図である。ここでは、以上で説明してきた変
形可能ミラーを光学系の一要素として用いている。
【0124】図において、図19と同一符号は従来の光
ピックアップ100aにおけるものと同一のものを示
す。500は本実施形態2による記録再生装置で、光デ
ィスク108に記録された情報を取り出す光ピックアッ
プ500aと、該光ピックアップ500aを移動させる
リニアモータ501と、該リニアモータ501の駆動を
制御するサーボ回路502と、光ピックアップ500a
を構成する光源101の制御信号を発生する制御信号発
生器504と、該光ピックアップ500aを構成する光
検出器112の検出出力を処理する信号処理回路505
とを有している。
【0125】ここで、上記光ピックアップ500aは、
図19に示す光ピックアップ100aにおける変形可能
ミラー200に代えて、上記実施形態1の変形可能ミラ
ー1を用いたものであり、この変形可能ミラー1のミラ
ー面の変形は、駆動回路8からの駆動信号により行われ
るようになっている。
【0126】また、上記記録再生装置500は、上記制
御信号発生器504,サーボ回路502,駆動回路8を
制御するシステム制御装置516を有するとともに、上
記光ディスク108の基板厚さを検知し、上記システム
制御装置516に供給する基板厚み検知装置515を有
している。
【0127】ここで、このディスク厚み検知装置515
は、例えば、図12に示すように、光ディスク108の
表面上に斜め方向から検知用光602を照射する発光素
子600と、該発光素子600に隣接して配置され、上
記光ディスクの表面にて反射された検知用光603,6
04を受光する受光素子601とを有している。基板厚
みが厚い光ディスクと基板厚みの薄い光ディスクとで
は、発光素子600から出射された検知用光602が反
射される位置が異なるため、受光素子601での検知用
光の受光位置が異なる。このため、上記ディスク厚み検
出装置515では、使用している光ディスクの基板厚さ
を識別することができる。
【0128】また、上記システム制御装置516は、上
位制御装置との間で信号の授受を行うように構成されて
おり、また該上位制御装置には上記信号処理回路505
の出力が供給されるようになっている。
【0129】次に上記光ピックアップ500aの光学系
の構成について説明する。
【0130】光源としての半導体レーザ101から出た
ビームは、コリメータレンズ102を通り平行光ビーム
504となり、第1のビームスプリッター104、第1
の1/4波長板105を透過し、第2のビームスプリッ
ター202に到達する。この平行光ビーム504は、こ
の第2のビームスプリッター202及び第2の1/4波
長板201を通過して変形可能ミラー1に達する。
【0131】そして、この変形可能ミラー1で反射され
た光が、第2の1/4波長板201を透過し、第2のビ
ームスプリッター202で反射され、対物レンズ107
で集光されて、光ディスク108上に照射される。
【0132】ここで、この対物レンズ107は、ディス
ク厚みが0.6mmの光ディスクに対して球面収差が生
じないよう設計されており、例えばその焦点距離は3.
3mm、開口数は0.6に設定されている。
【0133】そこで、本実施形態では、装着された光デ
ィスク108の厚みに応じて、変形可能ミラー1のミラ
ー面の状態を変えて、対物レンズ107の焦点をその光
ディスク108に合致したものとする。
【0134】すなわち、ディスク厚みが1.2mmの光
ディスクを使用している場合には、変形可能ミラー1を
変形させて、入射光をこれに球面収差が付加されるよう
反射し、上記光ディスクに対して焦点が合うようにする
と共に、対物レンズ107に入射する平行光ビームを制
限し、開口数を変更させる。なお、この変形可能ミラー
1は、無変形時には、ミラー面は平面ミラーとなるもの
である。
【0135】次に、上記記録再生装置の動作について説
明する。
【0136】まず、光ディスク108の上側に配置され
たディスク厚み検知装置515により、光ディスク10
8の厚みが0.6mmか、あるいは1.2mmかを検知
する。
【0137】つまり、このディスク厚み検知装置515
では、光源600から光ビーム602を出射し、光ディ
スク108の上面で反射させる。この反射光は、光ディ
スク108の厚みが0.6mmの場合は光路604をた
どって光位置検出器601に入射する。一方、光ディス
ク108の厚みが1.2mmである場合は、光路603
をたどって、光位置検出器601に入射する。従って、
この反射光の受光位置を光位置検出器601で検出する
ことにより、使用している光ディスク108の厚みを判
定する。
【0138】次に、システム制御装置516が、この基
板厚み検出装置515から基板厚み情報を受け、変形可
能ミラー1の駆動回路8を作動させる。このとき、駆動
回路8は、光ディスク108のディスク厚みが0.6m
mである場合は、変形可能ミラー1を変形させない。
【0139】一方、ディスク厚みが1.2mmである場
合には、変形可能ミラー1を変形させる。すなわち、図
6に示したように、変形可能ミラー1の可撓性部材2を
基板7の内側凹凸部4及び外側凹凸部5に吸着させる。
これにより、変形可能ミラー1のミラー面2aにおける
直径D1の範囲の領域(第1参照面)に入射した平行光
ビーム504は所定の球面収差が与えられて反射され、
対物レンズ107の焦点がディスク厚み1.2mmの光
ディスクに対して合うこととなる。
【0140】この場合、変形可能ミラー1の内側凹凸部
4の形状は、その凹凸部に吸着した可撓性部材2のミラ
ー面2aにおける基板の縦断面の稜線が次式(2)で表
されるものであればよい。ただし、この式では、図7に
示すように、基板中心からの距離(半径)をr[m
m]、可撓性部材の非変形時のミラー面を基準とする、
可撓性部材の変形時のミラー面までの距離に相当する値
をf(r)[μm]としている。
【0141】 f(r)=3.3168×10-26−3.9542×10-34 −0.505r2 ・・・(2) またここで直径D1は2.5mmに設定される。
【0142】一方、変形可能ミラー1のミラー面2aに
おける、直径D1からD2の範囲の領域に入射した平行
光ビーム504は、基板の中心軸から離れるように大き
く反射偏向され、上記対物レンズ107には入射されな
い。
【0143】この場合、変形可能ミラー1の外側凹凸部
5の形状は、図7に示すように外側凹凸部5の、第2参
照面に対応する部分の法線方向が基板表面側で中心軸か
ら離れる形成となっており、図7における外側凹凸部5
の表面の法線Cと中心軸とのなす角度θが1度以上に設
定されている。
【0144】なお、本実施形態では、変形可能ミラーを
変形させる場合、変形可能ミラー1の可撓性部材2を基
板7の内側凹凸部4および外側凹凸部5に完全に吸着さ
せるようにしているが、外側凹凸部5に対しては、変形
可能ミラー1の、基板7の直径D1からD2までの範囲
の領域(第2参照面)に対応する部分での反射光が、対
物レンズ108には入射されないようになれば、可撓性
部材2を完全に吸着しなくてもよい。また、基板7の内
側凹凸部4についても、変形可能ミラー1の可撓性部材
2を基板7の内側凹凸部4側に変形させたときに、ミラ
ー面2aの、該内側凹凸部4に対応する部分の表面形状
が、上記(2)を満たすものであれば、可撓性部材2を
内側凹凸部4に完全に吸着しなくてもよい。
【0145】(第3の実施の形態)図13及び図14
は、本発明の実施形態3による変形可能ミラーを説明す
るための図であり、図13は該変形可能ミラーにおける
可撓性部材が変形していない状態を示し、図14は該可
撓性部材の変形状態を示している。ただし、ここでは図
1から図6に示した第1の実施形態と同一部分について
は同一符号を付し、説明を省略する。
【0146】図において、300は本発明の実施形態3
の変形可能ミラーで、この変形可能ミラー300は、実
施形態1における、円柱状基板7の表面に形成された外
側凸凹部5及び内側凹凸部4のうちの外側凹凸部5のみ
を有している。つまり、この実施形態3の基板7では、
実施形態1の内側凹凸部4に対応する部分は、外側の平
坦部6と同じ高さの中央平坦部70となっている。ここ
で、可撓性部材2は、平坦部70に接触しているだけで
も、あるいはこの平坦部70に固着されていてもよい。
【0147】次に作用効果について説明する。
【0148】この変形可能ミラー300では、可撓性部
材2の変形時には、該可撓性部材2の、基板7の外側凹
凸部5に対向する部分が該外側凹凸部5に吸着される。
これにより、入射平行光ビーム71は、可撓性部材2の
ミラー面2aにおける直径D1の範囲内の領域(実施形
態1の変形可能ミラー1における第1参照面)に対応す
る部分ではそのまま反射されて平行光ビーム72とな
り、対物レンズに入射する。
【0149】また、入射平行光ビーム71は、可撓性部
材2のミラー面2aにおける直径D1からD2までの範
囲内の領域(実施形態1の変形可能ミラー1における第
2参照面)に対応する部分では、中心軸から離れるよう
に大きく反射偏向されて光ビーム73となり、この光ビ
ーム73は対物レンズに入射しない。これにより、対物
レンズの開口数を光ディスクの厚さに応じて変化させる
ことができる。
【0150】なお、上記実施形態3では、変形可能ミラ
ーを変形させる場合、変形可能ミラー1の可撓性部材2
が基板7の外側凹凸部5に完全に吸着するようにしてい
るが、変形可能ミラー1の、基板7の直径D1からD2
までの範囲の領域(第2参照面)に対応する部分での反
射光が、対物レンズ107(図11参照)には入射され
ないようになれば、可撓性部材2を外側凹凸部5に完全
に吸着させるようにしなくてもよい。
【0151】また、この第3の実施形態による変形可能
ミラー300を、第2の実施形態の記録再生装置に用い
れば、使用する光ディスクの基板厚さに応じて開口数を
変更することができるので、ディスク基板の傾きに対す
るコマ収差の発生量は抑えることができる。ただし、実
施形態3の変形可能ミラー300では、使用する光ディ
スクの基板厚さの変化に伴う収差発生を回避することは
できない。
【0152】(第4の実施の形態)図15ないし図17
は本発明の実施形態4による変形可能ミラーを説明する
ための図であり、図15は該変形可能ミラーを構成する
可撓性部材が変形していない状態を示し、図16は該可
撓性部材の変形状態を示し、図17は該変形可能ミラー
に用いる円柱状基板407の断面構造を示している。
【0153】図において、400は本実施形態4の変形
可能ミラーで、これは、実施形態1の変形可能ミラー1
の円柱状基板とはその参照面の形状が異なる円柱状基板
407を用いている。なお、図中、図1から図7と同一
符号は実施形態1のものと同一のものを示している。ま
た、図17では、上記下部電極層11および絶縁層12
は、その実際の厚みは基板407の厚みに比べて非常に
薄いため図示していない。ただし、凹凸部の形状はわか
りやすくするため拡大して示してある。
【0154】つまり、上記基板407は、その表面に形
成された内側凹凸部404及び外側凹凸部405を有し
ている。
【0155】上記内側凹凸部404は、円形状の円柱状
基板407の表面における、該基板の中心とその中心が
一致する直径D1の円形領域に形成されており、この内
側凹凸部404の表面が第1の参照面401aとなって
いる。該内側凹凸部404の表面形状は、可撓性部材2
が基板側に吸着された状態におけるミラー面2aの変形
量が補正すべき球面収差量に対応したものとなるよう設
計されている。
【0156】上記内側凹凸部404の表面形状として
は、上記円柱状基板407の中心軸を含む縦断面におけ
る該内側凹凸部404の稜線が下記の式(3)で与えら
れるものであることが好ましい。
【0157】 f(r)=3.3168×10-26−3.9542×10-34 −0.505r2−6・・・(3) ここでは、rは円柱状基板407の中心からの距離[m
m]であり、f(r)は、上記基板の平坦部6の高さ位
置を基準とする、中心からの距離rの地点での内側凹凸
部404の表面の高さ位置[μm]を示している。ここ
で、上記直径D1は2.5mmに設定される。
【0158】また、上記円柱状基板407の表面におけ
る内側凹凸部404の外周部分には、外側凹凸部405
が形成されており、該外側凹凸部405の表面における
直径D1からD2までの範囲の領域が第2の参照面40
1bとなっている。
【0159】該外側凸凹部405の、第2の参照面に対
応する部分の表面形状は、その表面の法線方向Eと中心
軸とがなす角度が、図17中に破線で示すように上記
(3)式で与えられる曲線の法線方向Dと中心軸とがな
す角度より大きくなるよう形成されている。また、上記
外側凹凸部405の表面形状については、各半径位置に
おいて、上記内側凹凸部404の表面形状を規定する上
記(3)式で与えられる曲線の法線方向Dと、外側凹凸
部405の放線方向Eとのなす角度が、1度以上となる
よう設定され、該外側凸凹部405の、第2の参照面に
対応する部分の外周径(直径D2)は4mmに設定され
ていることが望ましい。
【0160】次に作用効果について説明する。
【0161】上記可撓性部材2が変形していない状態で
は、可撓性部材2は付加された引張応力の作用で平坦の
まま保持されるため、可撓性部材2のミラー面2aに入
射する入射平行光ビーム120はそのまま反射され、平
行光ビーム121となる。
【0162】一方、可撓性部材の変形状態では、入射平
行光ビーム120は、可撓性部材のミラー面2aの、直
径D1の範囲内の領域(第1参照面)に対応する部分で
は、ミラー面2aの法線方向に所定の球面収差量を与え
られて反射されて光ビーム122となり、上記ミラー面
2aの直径D1からD2の範囲(第2参照面)に対応す
る部分では、中心軸に近づくように反射偏向されて光ビ
ーム123となる。
【0163】この第4の実施例の変形可能ミラー400
を、第2の実施例における記録再生装置における変形可
能ミラーとして用いた場合、光ディスク108のディス
ク厚みが0.6mmの場合は、変形可能ミラー400を
変形させず、一方、ディスク厚みが1.2mmの場合に
は、変形可能ミラー400を変形させることにより、変
形可能ミラー400の、第1参照面に対応する部分で反
射した光は、所定の球面収差を与えられ、対物レンズ1
07の焦点がディスク厚み1.2mmの光ディスクに対
して合うようになる。
【0164】この時、変形可能ミラー400の、第2参
照面に対応する部分で反射した光は、中心軸に近づくよ
うに反射偏向され、第1参照面に対応する反射光が対物
レンズ107によって結ぶ焦点よりも手前側の光軸上の
点を通過する。
【0165】従って、基板厚み1.2mmの光ディスク
を再生する際には、ミラー面2aの直径D1の範囲(第
1参照面に対応する部分)での反射光だけが寄与し、ミ
ラー面2aの直径D1からD2の範囲(第2参照面に対
応する部分)での反射光は、光ディスク基板上に焦点を
結ばないために、再生には殆ど関与しない。これは、実
質的には再生に寄与する、対物レンズに入射する平行光
を小さくしたことになり、開口数を小さくできる。
【0166】
【発明の効果】以上のようにこの発明(請求項1,2)
に係る変形可能ミラーによれば、反射面を有する可撓性
部材を、参照面を有する基板に吸着させることにより、
反射面の変形を行うので、基板の参照面の精度を高くし
ておけば、変形状態における反射面の形状を精度良く決
めることができる。また、環境の変動によらず、反射面
の形状を安定に維持することができる。
【0167】また、本発明(請求項1)によれば、可撓
性部材の変形により、その反射面で反射された光を受け
る対物レンズの開口数が変化するので、例えば、集光ビ
ームが照射される光ディスクの傾きに起因するコマ収差
が、光ディスクの基板厚みの増大とともに大きくなって
しまうのを抑制できる。また、このように変形可能ミラ
ーのミラー面の変形により開口数を変化させるもので
は、対物レンズの手前に液晶シャッタ等を配置して開口
数を変化させるもののように、液晶シャッタでの光の減
衰などがなく、光学系での光の減衰を小さくできる。ま
た、本発明では、変形可能ミラーのミラー面を変形させ
て開口数を変えているので、対物レンズの手前に機械的
なシャッタ等を配置して開口数を変化させるものと比べ
ると、光学系のコンパクト化の点で有利である。
【0168】この発明(請求項3)によれば、可撓性部
材の反射面の変形により、該反射面で反射された光を受
けるレンズの収差及び開口数が変わるようにしたので、
対物レンズにより集光ビームが照射される光ディスクの
基板厚みに応じて、収差補償及び対物レンズの開口数を
最適化できる。
【0169】この発明(請求項4,5)によれば、前記
第2の参照面の表面形状を、前記可撓性部材が該第2の
参照面側に吸引されている状態では、該可撓性部材の反
射面に入射した平行光が発散光として、あるいは収束光
として反射する形状としたので、該反射面で反射された
光を受けるレンズの開口数を、第2の参照面に基づいた
反射面の変形により小さくできるとともに、開口数の縮
小の際に不要となる光を光学系から排除でき、光学系で
の不要な加熱などを防止できる。
【0170】この発明(請求項6)に係る光学装置によ
れば、変形可能ミラーの反射面の変形動作により、該反
射面での反射光として、光学的にその性質が異なる複数
の光を得ることができ、また、変形可能ミラーの反射面
の変形状態では、該反射面で反射された光束中に、第1
及び第2の参照面等に対応した、光学特性の異なる少な
くとも2つ以上の光束領域を形成することができる。
【0171】この発明(請求項7)によれば、前記変形
可能ミラーの変形及び変形解除により、光学系に含まれ
るレンズにおける、該変形可能ミラーからの反射光の受
光領域が、範囲の異なる第1及び第2の領域の間で切り
換わるようにしたので、該変形可能ミラーの変形によ
り、例えば対物レンズの開口数を変化させることができ
る。
【0172】この発明(請求項8)によれば、前記変形
可能ミラーの変形により、その反射光に球面収差を付与
すると同時に、レンズの開口半径を実質的に変化させる
ことができる。
【0173】この発明(請求項9)に係る記録再生装置
によれば、対物レンズの焦点位置を変えると共に、対物
レンズの開口数を変えることにより、ディスク厚みの異
なる2種類の光ディスクの再生を可能とし、ディスクの
傾きにより生じる結像効率の劣化も抑えることが可能に
なる。
【0174】この発明(請求項10)によれば、基板厚
みの厚い光記録媒体を再生する際には、変形可能ミラー
を変形させて開口数を小さくすることにより、基板厚み
が厚いときに生じる光記録媒体(ディスク)の光軸に対
する傾きによるコマ収差の発生量を抑えることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態による変形可能ミラ
ーを、光ビームが入射するミラー面側から平面図であ
る。
【図2】上記第1の実施形態の変形可能ミラーの構成を
示す主要断面図である。
【図3】上記第1の実施形態の変形可能ミラーを、光ビ
ームが入射するミラー面側とは反対の側から見た平面図
である。
【図4】上記第1の実施の形態の変形可能ミラーの構成
を説明する分解斜視図である。
【図5】上記第1の実施形態の変形可能ミラーの、ミラ
ー面が変形していない状態を示す主要断面図である。
【図6】上記第1の実施形態の変形可能ミラーの、ミラ
ー面が変形している状態を示す主要断面図である。
【図7】第1の実施形態の変形可能ミラーを構成する、
内側凹凸部4および外側凹凸部5を有する円柱状基板の
構成を示す断面図である。
【図8】図8(a)〜図8(g)は、第1の実施形態の
変形可能ミラーを構成するシリコン基板に対する処理の
プロセスを順次説明するための断面図である。
【図9】電気メッキにより形成されるニッケル膜につい
ての内部応力と電流密度との関係を示す図である。
【図10】図10(a)〜図10(d)は、第1の実施
形態の変形可能ミラーを構成する円柱状基板に対する処
理プロセスを順次説明するための断面図である。
【図11】本発明の第2の実施形態による記録再生装置
の一構成例を示すブロック図である。
【図12】上記第2の実施形態の記録再生装置における
基板厚み検知装置の構成を説明するための図である。
【図13】本発明の第3の実施形態による変形可能ミラ
ーを説明するための図であり、該変形可能ミラーのミラ
ー面が変形していない状態を示す断面図である。
【図14】本発明の第3の実施形態による変形可能ミラ
ーを説明するための図であり、該変形可能ミラーのミラ
ー面が変形している状態を示す断面図である。
【図15】本発明の第4の実施形態による変形可能ミラ
ーを説明するための図であり、該変形可能ミラーのミラ
ー面が変形していない状態を示す断面図である。
【図16】本発明の第4の実施形態による変形可能ミラ
ーを説明するための図であり、該変形可能ミラーのミラ
ー面が変形している状態を示す断面図である。
【図17】上記第4の実施形態の変形可能ミラーを構成
する、内側凹凸部4および外側凹凸部5を有する円柱状
基板の構成を示す断面図である。
【図18】従来の光ピックアップの構成を示すブロック
図である。
【図19】従来の変形可能ミラーを使用した光ピックア
ップの構成を示す図である。
【図20】従来の変形可能ミラーの構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
1,300,400 変形可能ミラー 2 可撓性部材 2a ミラー面 3 シリコン基板 4,404 内側凹凸部 5,405 外側凹凸部 6 平坦部 7 円柱状基板 8 駆動回路 10 上部電極層 11 下部電極層 12 絶縁層 14 微小穴 107 対物レンズ 500 記録再生装置 515 基板厚み検知装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 7/135 G11B 7/135 Z 6605−2H G02B 7/18 701 (72)発明者 阿部 新吾 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 乾 哲也 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射光を反射する反射面を有し、該反射
    面の変形により、該入射光の反射方向が変化するよう構
    成した変形可能ミラーであって、 その表面が該反射面となっている弾性変形可能な可撓性
    部材と、 該可撓性部材の裏面側に配設され、その可撓性部材裏面
    と対向する部分に形成された参照面を有する基板と、 該可撓性部材を少なくともその一部が該基板の参照面に
    接するよう吸引して、該可撓性部材の反射面の形状が該
    基板の参照面の表面形状に対応したものとなるよう、該
    可撓性部材を変形させる駆動手段とを備え、 該参照面の表面形状は、該可撓性部材の反射面で反射さ
    れた光を受けるレンズの開口数が、該可撓性部材の吸引
    による変形により変化する形状となっている変形可能ミ
    ラー。
  2. 【請求項2】 入射光を反射する反射面を有し、該反射
    面の変形により、該入射光の反射方向が変化するよう構
    成した変形可能ミラーであって、 その表面が該反射面となっている弾性変形可能な可撓性
    部材と、 該可撓性部材の裏面側に配設され、その可撓性部材裏面
    と対向する部分に形成された第1及び第2の参照面を有
    する基板と、 該可撓性部材を少なくともその一部が該基板のそれぞれ
    の参照面に接するよう吸引して、該可撓性部材の反射面
    の形状が該基板の各参照面の表面形状に対応したものと
    なるよう、該可撓性部材を変形させる駆動手段とを備え
    た変形可能ミラー。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の変形可能ミラーにおい
    て、 前記第1の参照面の表面形状は、前記可撓性部材の反射
    面で反射された光を受けるレンズの収差が、該可撓性部
    材の第1の参照面側への吸引による変形により変化する
    形状となっており、 前記第2の参照面の表面形状は、前記可撓性部材の反射
    面で反射された光を受けるレンズの開口数が、該可撓性
    部材の第2の参照面側への吸引による変形により変化す
    る形状となっている変形可能ミラー。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の変形可能ミラーにおい
    て、 前記第2の参照面の表面形状は、前記可撓性部材が該第
    2の参照面側に吸引されている状態では、該可撓性部材
    の反射面に入射した平行光が発散光として反射する形状
    となっている変形可能ミラー。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の変形可能ミラーにおい
    て、 前記第2の参照面の表面形状は、前記可撓性部材が該第
    2の参照面側に吸引されている状態では、該可撓性部材
    の反射面に入射した平行光が収束光として反射する形状
    となっている変形可能ミラー。
  6. 【請求項6】 その反射面を変形可能に構成した変形可
    能ミラーと、該変形可能ミラーへの光の入射経路及び出
    射経路を構成する光学系とからなり、該変形可能ミラー
    の変形及び変形解除により、入射光束を光学的な性質が
    異なる複数の出射光束に変換する光学装置であって、 該変形可能ミラーは、 その表面が反射面となっている弾性変形可能な可撓性部
    材と、 該可撓性部材の裏面側に配設され、その可撓性部材裏面
    と対向する部分に形成された第1及び第2の参照面を有
    する基板と、 該可撓性部材を少なくともその一部が該基板のそれぞれ
    の参照面に接するよう吸引して、その反射面の形状が該
    基板の各参照面の表面形状に対応したものとなるよう、
    該可撓性部材を変形させる駆動手段とを備えた光学装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の光学装置において、 前記光学系が、前記変形可能ミラーで反射した反射光を
    受光するレンズを含むものとなっており、 前記変形可能ミラーの変形及び変形解除により、該レン
    ズにおける該反射光の受光領域が、範囲の異なる第1及
    び第2の領域の間で切り換わる光学装置。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の光学装置において、 前記光学系が、前記変形可能ミラーで反射した反射光を
    受光するレンズを含むものとなっており、 前記変形可能ミラーの変形により、該反射光が球面収差
    の付加されたものとなると同時に、該レンズにおける該
    反射光の受光領域の範囲が変化する光学装置。
  9. 【請求項9】 レーザ光源と、該レーザ光源から出射さ
    れた光源光を反射する反射面を有し、該反射面の変形に
    より該光源光の反射方向を変化させる変形可能ミラー
    と、該変形可能ミラーで反射した反射光を集光して光記
    録媒体上に照射する、あらかじめ決められた厚みを有す
    る第1の光記録媒体に対して焦点が合うように設定され
    た対物レンズとを備えた記録再生装置であって、 該変形可能ミラーは、 その表面が反射面となっている弾性変形可能な可撓性部
    材と、 該可撓性部材の裏面側に配設され、その可撓性部材裏面
    と対向する部分に形成された第1及び第2の参照面を有
    する基板と、 該可撓性部材を少なくともその一部が該基板のそれぞれ
    の参照面に接するよう吸引して、その反射面の形状が該
    基板の各参照面の表面形状に対応したものとなるよう、
    該可撓性部材を変形させる駆動手段とを備え、 該可撓性部材の変形により、該対物レンズを透過した光
    の焦点が該第1の光記録媒体とは厚みの異なる第2の光
    記録媒体に対して合うとともに、該対物レンズに入射す
    る光が制限されてその開口数が小さくなる記録再生装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の記録再生装置におい
    て、 前記第2の光記録媒体はその厚さが第1の光記録媒体の
    厚さより厚いものである記録再生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100346179C (zh) * 2003-11-10 2007-10-31 船井电机株式会社 具有可变形反射镜的光学头装置

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CN100346179C (zh) * 2003-11-10 2007-10-31 船井电机株式会社 具有可变形反射镜的光学头装置

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