JP2000149284A - ビ―ム照射装置と、フォ―カス制御装置と、情報記録媒体に対するビ―ム照射装置を有する光学装置と、情報記録媒体用原盤の製造方法と、情報記録媒体の製造方法 - Google Patents

ビ―ム照射装置と、フォ―カス制御装置と、情報記録媒体に対するビ―ム照射装置を有する光学装置と、情報記録媒体用原盤の製造方法と、情報記録媒体の製造方法

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JP2000149284A
JP2000149284A JP11042367A JP4236799A JP2000149284A JP 2000149284 A JP2000149284 A JP 2000149284A JP 11042367 A JP11042367 A JP 11042367A JP 4236799 A JP4236799 A JP 4236799A JP 2000149284 A JP2000149284 A JP 2000149284A
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JP
Japan
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focus control
control mechanism
lens
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recording medium
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JP11042367A
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Masanobu Yamamoto
眞伸 山本
Toshiyuki Kashiwagi
俊行 柏木
Shingo Imanishi
慎悟 今西
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微小ビームスポットを得ることができ、確実
安定にフォーカス制御を行うことができるようにする。 【解決手段】 光ビーム、電子ビーム、イオンビームの
少なくともいずれかのビームを発生するビーム発生源4
1と、このビーム発生源41からのビームを収束する収
束レンズ48とを具備するビーム照射装置であって、そ
の収束レンズ48によってビームを被照射体40に対し
てフォーカシングするように、この収束レンズを構成す
る同一レンズ系に対して、ビームのフォーカス装置をそ
れぞれ制御する少なくとも第1および第2のフォーカス
制御機構71および72を設けた構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビーム照射装置
と、フォーカス制御装置と、情報記録媒体に対するビー
ム照射装置を有する光学装置と、情報記録媒体用原盤の
製造方法と、情報記録媒体の製造方法に関わる。
【0002】
【従来の技術】情報記録媒体、例えばCD(Compact Di
sc)−ROM(Read Only Memory) や、いわゆるCD−
Rや、光磁気ディスク等の記録可能な光ディスクにおい
ては、図18にその斜視図を示すように、ディスク基板
1上の信号記録領域2に、図19AおよびBにそれぞれ
光ディスクの一部を断面とした要部の概略斜視図を示す
ように、微細凹凸18が形成される。この微細凹凸18
は、例えば図19Aに示すように、連続溝によるグルー
ブ3、あるいは図19Bに示すように、ピット4の列
が、トラック毎に所定のトラックピッチ例えば1μm〜
2μmのトラックピッチをもってスパイラル状に形成さ
れる。
【0003】この微細凹凸が形成された信号記録面に
は、例えばCD−ROMにおいては、光反射膜や保護膜
が形成され、また記録可能な相変化型あるいは光磁気記
録型等の光ディスクにおいては相変化膜あるいは、磁性
膜等による記録層が形成されてこの上に光反射膜や保護
膜の形成がなされる。
【0004】そして、例えば上述の記録可能な光ディス
クにおいては、一般的に、グルーブ3間のいわゆるラン
ドを記録部とし、グルーブ3をトラッキング用の光反射
部として用いる。
【0005】これら情報記録媒体例えば光ディスクに対
する再生や、記録可能な光ディスクに対する光記録は、
ディスクを回転させながら、一般に基板1の記録面側と
は反対側の裏面からレーザー光を照射して行う。例えば
再生専用のCD−ROMにおいては、ピット4からの反
射、回折光を検出することで情報の読み出しおよびトラ
ッキングを行うようにしている。また、記録可能な光デ
ィスクでは、その照射レーザー光によって例えばそのラ
ンド部上の記録層に光学的に情報の書き込み(記録)が
なされ、反射光によって記録情報の読み出し(再生)が
なされ、その記録または再生用のレーザー光は、常に所
定のトラック上に照射されるように、例えばグルーブ3
からの反射光を検出してトラッキングがなされるように
している。
【0006】上述の微細凹凸の形成は、例えば射出成形
によってディスク基板1の成形と同時に成形するとか、
ディスク基板1上に例えば紫外線硬化樹脂層を塗布形成
してこれに微細凹凸を形成するいわゆる2P(Photo Po
lymerization)法等によって作られる。
【0007】これら射出成形法や2P法のいずれにおい
ても、ディスク基板1に形成する微細凹凸が反転したパ
ターンによる微細凹凸が形成されたスタンパーが用いら
れる。例えば射出成形においては、その成形金型のキャ
ビィティ内に、上述の反転パターンによるスタンパーが
配置されて、樹脂の射出成形によってスタンパーの凹凸
が転写されたディスク基板を成形するものであり、また
2P法による場合にはディスク基板上に塗布された例え
ば紫外線硬化型樹脂層に対しスタンパーを押圧して、微
細凹凸の形成を行い、その後、紫外線照射による硬化処
理を行ってスタンパー上の微細凹凸が転写されたディス
クを形成するという方法が採られる。
【0008】このような微細凹凸を形成するスタンパー
の作製方法を、図20の各製造工程における斜視図を参
照して説明する。この場合、先ず原盤の作製がなされ
る。この原盤の作製は、図20Aに示すように、表面が
平滑鏡面に仕上げられた原盤の基板となる円板状の基板
11例えばガラス基板を用意する。
【0009】図20Bに示すように、この基板11の平
滑鏡面上に例えばポジティブフォトレジストによるフォ
トレジスト層12を回転塗布法等によって所要の厚さ、
例えば0.1μmの厚さに塗布する。
【0010】そして、このフォトレジスト層12に対し
て所要のパターン露光を行う。すなわち、図20Cに示
すように、基板11をその中心軸を中心に回転させなが
ら、レーザービーム20を収束レンズ21によってフォ
トレジスト層12上にフォーカシングして、基板11の
半径方向に関して相対的に移動させて照射し、スパイラ
ル線に沿って微細凹凸の潜像、すなわちグルーブまたは
ピットの潜像22を形成する。
【0011】このようにしてパターン露光されたフォト
レジスト層12を現像する。このようにすると、図21
AあるいはBにそれぞれその一部の斜視図を示すよう
に、基板11上に、フォトレジスト層12が所定の露光
パターンに応じて除去されたグルーブもしくはピットが
形成されてなる微細凹凸13が形成された情報記録媒
体、この例では光ディスクを製造するための原盤14が
得られる。
【0012】このようにして形成された原盤14を用い
てスタンパーを作製する。このスタンパーの作製は、図
22Aに示すように、原盤14の微細凹凸13が形成さ
れた面に、金属層15をNiメッキによって形成し、金
属層15を、原盤14より剥離する。このようにする
と、同図Bに示すように、原盤14の微細凹凸13が反
転したパターンの微細凹凸16が形成された金属層15
によるスタンパー17が形成される。
【0013】このようにして形成したスタンパー17を
用いて、図23に示すように、前述した射出成形、ある
いは2P法によってスタンパー17の微細凹凸16が反
転したパターンの微細凹凸18すなわち図19Aおよび
Bで示したグルーブ3やピット4が形成された光ディス
ク、すなわち情報記録媒体19を得ることができる。
【0014】この場合、原盤14からスタンパー17を
Niメッキによって形成した場合であるが、原盤14か
らNiメッキによっていわゆるマスターの作製を行い、
これを転写させることによっていわゆるマザーを作製
し、これからの転写によってスタンパーの作製を行うよ
うにすることもできる。
【0015】上述したフォトレジスト層12に対する露
光工程で用いられる露光装置、すなわちビーム照射装置
は、例えば図24にその概略構成図を示すように、フォ
トレジスト層12が露光されるビーム例えばレーザー光
を発生するビーム発生源31が設けられ、これよりの光
ビームすなわちレーザー光が、ミラー32、集光レンズ
33、変調素子34、コリメートレンズ35、ミラー3
6および37、対物レンズすなわち収束レンズ21を通
じて被照射体の基板11上のフォトレジスト層12にフ
ォーカシングされて照射する構成を有する。
【0016】この露光装置を構成するビーム照射装置
は、その被照射体に対して、最終的に得る微細凹凸の潜
像、すなわち露光パターンに応じて、変調素子34によ
ってビームを光強度変調、具体的にはオン・オフする。
この変調素子34は、例えば光学結晶によるAOM(Ac
ousto-Optic Modulator;音響光学変調素子) を用いるこ
とができる。
【0017】このAOMによる変調素子34は、その光
学結晶に超音波を入射することによって光学結晶内に屈
折率の粗密波を形成するものであり、この粗密波によっ
て形成される回折格子に対して、ブラッグ条件を満たす
角度で入射した入射レーザービームがブラッグ回折さ
れ、そのまま透過光として透過する0次光に対して所定
の回折角をもって回折される例えば1次回折光が得られ
る。この回折光の光強度は、結晶に入射する超音波の強
度に依存する。つまり、超音波のオン・オフにより回折
光の有無の選択を行うことができる。したがって、この
1次回折光を露光レーザービームとして用いることによ
り、超音波の制御例えばオン・オフによって露光レーザ
ービームの強度変調、すなわちオン・オフを行うことが
できるものである。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年の、情
報記録媒体例えば光ディスクの高記録密度化に伴い、上
述の微細凹凸、すなわちピットやグルーブをいかに小さ
く形成するかが大きな課題となっている。この課題を解
決する1つの方法としては、露光スポット径、すなわち
集光スポット径を小さくする。このスポット径φは、収
束レンズ(対物レンズ)の開口数をN.A.とし、光の
波長λとすると、 φ=1.22λ/N.A. で与えられる。したがって、スポット径φを小さくする
には、短波長の光を用いるか、N.A.の大きい収束レ
ンズを用いることになる。
【0019】このうち、N.A.については、SIL
(Solid Immersion Lens)による収束レンズを用いるこ
とによって集光点周囲の屈折率を大きくできることか
ら、そのN.A.を1.0以上にすることができる。
【0020】このSILは、その一方の主面が例えば半
球面で他方の主面が平面によって構成され、その半球面
側からレーザービームを入射することによって、その平
面上に集光スポットを形成することができる。その集光
スポットは、集光点での屈折率がSILの屈折率となる
ため、スポット径を十分小さくすることができる。例え
ば、N.A.が0.9のレンズにより収束されるレーザ
ービーム、その収束角度を保ちながら、屈折率が2.0
のSILの半球面側から入射させると、その平面側に形
成されるスポットは、N.A.が1.8のレンズにより
集光されたものと等価となる。つまり、SILを用いる
ことにより、集光スポット径を小さくすることができ
る。
【0021】しかしながら、このSILを用いてレーザ
ービームを集光する場合に、SILの平面側の外部に集
光スポットを形成するときは、収束ビームのうち、収束
角度の大きい成分は、この平面で全反射して外部に射出
されないことから、この場合、SILの外部に形成され
る集光スポットは、N.A.が1.0以下のレンズと同
じになってしまう。そこで、このSILを用いる場合、
その光照射体、例えば上述の露光面は、物理的には、こ
のSILの平面側の面に接触することがなく、光学的に
は接触する位置、すなわち、いわゆる近接場領域(ニア
フィールド領域)、つまり、この平面からの光の滲み出
し領域において、光波の振幅が1/10となる 例えばN.A.が、1.8のときは、波長λの約1/4
の位置というきわめて微小間隔を保持する位置に配置す
ることが要求される。
【0022】この光の波長の1/4という距離は、例え
ばλが400nm程度のビームを用いるときは、100
nm程度であって、このような距離に、収束レンズと被
照射体との間隔を安定に保持することは、従来のビーム
照射装置、例えば露光装置の構成においては、至難なこ
とである。
【0023】例えば、上述のSILを、電磁コイルを用
いたサーボアクチュエータに取り付けてフォーカスサー
ボをかける構成において、そのサーボゲインが40dB
程度であるとすると、その被照射体例えばフォトレジス
ト層12を有する基板11のふらつきが数μmあるとす
ると、フォーカスの取れ残り量が数十nmに及び、露光
面とSILの平面側の面との距離を、上述したような1
00nm程度において安定にフォーカス制御することは
できない。
【0024】また、SILと被照射体との距離を、小間
隙をもって保持させる構成として、被照射体の回転によ
る風圧によって、SILを被照射体から浮上させる動圧
型エアースライダー構成とすることができるが、この場
合、被照射体の回転速度の変化によってSILと被照射
体との距離が変動し、両者が衝突する危険性を有する。
収束レンズとして例えばSIM(Solid Immersion Mirr
or)を用いる場合も同様である。
【0025】上述したビーム照射装置は、情報記録媒体
を得るための原盤作製の露光装置に関して主として説明
したが、上述した光ディスク等の高密度情報記録媒体に
対する情報の記録および/または再生を行う光学装置、
いわゆるピックアップ装置におけるビーム照射装置にお
いても同様の課題を有する。
【0026】本発明は、上述した例えばSIL,SIM
による収束レンズに対して、例えば近接場領域程度に近
接して被照射体を配置する場合においても、確実安定に
フォーカス制御を行うことができるようにする。すなわ
ち、本発明においては、微小ビームスポットを得ること
ができるビーム照射装置と、フォーカス制御装置と、情
報記録媒体に対するビーム照射装置を有する光学装置
と、更にこれによって高密度記録が可能な情報記録媒体
用原盤の製造方法と、情報記録媒体の製造方法を提供す
るものである。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明によるビーム照射
装置は、光ビーム、電子ビーム、イオンビームの少なく
ともいづれかのビームを発生するビーム発生源と、この
ビーム発生源からのビームを収束する収束レンズとを具
備するビーム照射装置であって、その収束レンズによっ
てビームを被照射体に対してフォーカシングするよう
に、この収束レンズもしくはこの収束レンズを構成する
同一レンズ系に対して、ビームのフォーカス位置をそれ
ぞれ制御する少なくとも第1および第2のフォーカス制
御機構を重複して設けた構成とする。本発明によるフォ
ーカス制御装置は、収束レンズのフォーカス制御装置で
あって、収束レンズを被照射体の面上に浮上させる正圧
エアー供給手段と、収束レンズを被照射体の面側に吸い
寄せる負圧エアー吸引手段とを備えた構成とする。
【0028】また、本発明による情報記録媒体に対する
記録、再生のいづれか、もしくはその双方を行うビーム
照射装置を有する光学装置は、上述した本発明によるビ
ーム照射装置を具備する構成とする。
【0029】また、本発明による情報記録媒体用原盤の
製造方法は、微細凹凸が形成された情報記録媒体を作製
する情報記録媒体用原盤の製造方法であって、この原盤
を構成する基板上に塗布されたフォトレジスト層に対し
て露光がなされる光ビーム、電子ビーム、イオンビーム
の少なくともいづれかのビームを発生するビーム発生源
と、このビーム発生源からのビームを収束する収束レン
ズとを具備するビーム照射装置を用いて露光処理する露
光工程と、フォトレジスト層に対する現像処理を行う現
像処理工程とを経て情報記録媒体用原盤を得る。
【0030】また、本発明による情報記録媒体の製造方
法は、微細凹凸が形成された情報記録媒体の製造方法で
あって、原盤の製造工程と、この原盤によってスタンパ
ーを製造する工程と、このスタンパーにより情報記録媒
体を形成する工程とを有する。そして、その原盤の製造
工程は、この原盤の基板上に塗布されたフォトレジスト
層に対して露光がなされる光ビーム、電子ビーム、イオ
ンビームの少なくともいづれかのビームを発生するビー
ム発生源と、このビーム発生源からのビームを収束する
収束レンズとを具備するビーム照射装置を用いて露光処
理する露光工程と、フォトレジスト層に対する現像処理
を行う現像処理工程とを有するものである。
【0031】上述したように、本発明装置においては、
そのビームのフォーカス位置を制御するフォーカス制御
を、収束レンズもしくはこれを構成する同一のレンズ系
について、第1および第2の2段以上の制御機構によっ
て例えば粗調整と微調整、すなわち低域と高域のフォー
カシング制御を行うことによって、そのフォーカス位置
調整は正確に、安定に行うようにするものである。フォ
ーカス制御装置として、正圧エアーと負圧エアーを利用
することにより、より精度よく、かつ安定したフォーカ
ス制御を行うことができる。
【0032】そして、本発明方法においては、このよう
な本発明装置によって原盤作製を行い、またこの原盤に
よって情報記録媒体を作製することから、すぐれた高密
度記録の情報記録媒体を得ることができる。
【0033】因みに、特開平4−184722号公報に
は、小径のレンズと対物レンズによるフォーカシングサ
ーボを行う構成が開示されているが、本発明において
は、共通のレンズに関して第1および第2の制御がなさ
れるものであることから、より正確に、かつ容易に、し
たがって、特に近接場領域での調整において、高精度
に、安定してその位置設定すなわちフォーカシングを制
御することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明によるビーム照射装置は、
光ビーム、電子ビーム、イオンビームの少なくともいづ
れかのビームを発生するビーム発生源と、このビーム発
生源からのビームを収束する収束レンズとを具備する。
そして、この収束レンズによってビームを被照射体にお
いて集光するものであるが、本発明においては、この収
束レンズを構成する同一レンズ系に関して、上記ビーム
のフォーカス位置をそれぞれ制御する少なくとも第1お
よび第2のフォーカス制御機構を設ける。
【0035】図1は、本発明によるビーム照射装置の一
例の概略構成図を示す。このビーム照射装置は、被照射
体40に対して、例えばレーザー光による光ビーム39
の照射を行う露光装置、例えば図20〜図23で説明し
た情報記録媒体を作製するスタンパーを得るための原盤
作製の露光装置に適用することができる。この場合、被
照射体40は、原盤を構成する例えば円板状の基体11
上に、フォトレジスト層12が塗布された構成を有す
る。そして、この被照射体40は、その中心軸Oを中心
に回転するように保持される。
【0036】この例においては、ビーム発生源41が、
レーザー光による光ビームを発生するレーザー光源によ
る。このレーザー光による光ビーム39は、ミラー4
2、集光レンズ43、変調素子44、コリメートレンズ
45、ミラー46および47、収束レンズ48を通じて
被照射体40上、この例では、原盤を構成する基板11
上のフォトレジスト層12にフォーカシングするように
なされる。
【0037】変調素子44は、図24で説明した変調素
子34におけると同様に、例えばAOMによって構成さ
れ、被照射体40、この例では、最終的に得る微細凹凸
の潜像、すなわち露光パターンに応じて、ビームを光強
度変調、具体的にはオン・オフする機能を有する。
【0038】すなわち、この場合においても、AOMに
よる変調素子44の光学結晶に超音波を入射することに
よって光学結晶内に屈折率の粗密波を形成するものであ
り、この粗密波によって形成される回折格子を形成し、
これに入射されるビーム発生源41からのレーザービー
ムの1次回折光によるレーザービームを、被照射体40
に対する照射ビーム、すなわち露光光ビームとして用い
る。更に、このAOMによる変調素子44を、光ビーム
を、被照射体40の面に沿い軸Oと直交する方向に偏向
させる偏向素子として作用させることができる。この場
合には、変調素子44の光学結晶に対する入射光に幾分
の広がりが生じるように、集光レンズ43による焦点位
置を幾分ずらし、この光学結晶に対する印加超音波の周
波数を変更することによって1次光の回折角を変更する
ことによって偏向することができる。
【0039】一方、収束レンズ48は、2群レンズ構成
とすることができる。この収束レンズ48は、例えば対
物レンズ51と、最終端に前述のSIL52が配置され
た構成とすることができる。すなわち、このように、S
ILが用いられることによって、前述したようにN.
A.を、大きくすることができるが、このSIL52
と、被照射体40との間隔を、いわゆる近接場領域、つ
まり、この平面からの光の滲み出し領域において 例えばN.A.が、1.8のときは、波長λの約1/4
の位置に配置されることがことが要求される。
【0040】この収束レンズ48は、低周波数帯域にお
けるフォーカス制御を行う第1の制御機構71と、高周
波数帯域におけるフォーカス制御を行う第2の制御機構
72との少なくとも2段以上フォーカス制御機構を具備
する構成とする。
【0041】すなわち、収束レンズ48は、例えば図2
に、概略断面図を示すように、回転基台53上に配置さ
れた例えば円板状の被照射体40に対して、その位置調
整がなされるアクチュエータ54に配置される。このア
クチュエータ54には、第1および第2のフォーカス制
御機構71および72が設けられる。
【0042】収束レンズ48は、鏡胴内に、対物レンズ
51と、SIL52とが同一光軸上に、所定の位置関係
に設定されて保持される。SIL52は、その平面側の
面、すなわち最終端面が中心部を残して周囲が欠除され
た構成とすることによって、他物、例えば被照射体が傾
斜した場合に衝突を回避する構成とすることができる。
【0043】アクチュエータ54は、アーム60に、板
ばね等の弾性体61を介して、被照射体40に対して空
気層の介在によって浮上するエアースライダー62が取
着されて成る。エアースライダー62には、このエアー
スライダー62とアーム60との間に、収束レンズ48
を支持する例えば円筒状の支持体63が取着される。
【0044】この支持体63の、エアースライダー62
とは反対側の端部に、例えばピエゾスタックによる変位
手段64が配置され、この変位手段64を介して保持体
63内に、収束レンズ48が保持され、SIL52の最
終端面が、エアースライダー62の、被照射体40と対
向する面に臨むようにする。
【0045】エアースライダー62には、その被照射体
40との対向面に、エアーを噴出するノズル65が設け
られる。このノズル65に、高圧エアー供給源66から
高圧エアーがパイプ67を通じて供給されて、エアース
ライダー24を、常時、被照射体40から浮上させる静
圧エアースライダーを構成する。
【0046】高圧エアー供給源66は、例えばその供給
量、圧力を制御する制御手段68が設けられ、これによ
ってエアースライダー24の被照射体40との対向面に
臨んで配置された収束レンズの最終端のSIL52の最
終端面が、被照射体40に対し、ほぼ所要の間隔を保持
して対向させる例えば初期の粗調整を行う。このように
して収束レンズ48の位置の選定を行う第1のフォーカ
ス制御機構71が構成される。
【0047】また、変位手段64を構成する例えばピエ
ゾスタックには、電圧供給部70から、電圧供給がなさ
れて、その変位量、すなわち圧電効果によって収束レン
ズ48を、支持体63の軸心に沿って微小移動させるよ
うになされ、被照射体40に対する収束レンズ48の位
置の制御、すなわちフォーカシング制御を行う、第2の
制御機構72が構成される。電圧供給部70は、フォー
カスエラーの検出がなされる検出部69からのフォーカ
スサーボ信号によって、フォーカスエラーに応じた電圧
を、変位手段64を構成する例えばピエゾスタックに供
給するようになされる。
【0048】すなわち、上述の構成では、第1のフォー
カス制御機構71が、高圧エアーによる圧力制御機構に
よるいわば低周波数帯域における制御がなされ、第2の
フォーカス制御機構が、電気的駆動による制御機構によ
るいわば高周波数帯域における制御がなされる。そし
て、これら第1および第2のフォーカス制御機構による
帯域は、その一部の制御周波数においてのみ重なる制御
とする。
【0049】このアクチュエータによる被照射体40に
対するフォーカス位置調整は、まず、変位手段64のピ
エゾスタックに所要の電圧を印加して、収束レンズ48
を、被照射体40から引き離す方向の変位を与えた状態
で、制御手段68によって高圧エアー供給源66からの
高圧エアーの供給を制御して、ノズル65から噴射させ
ながら、エアースライダー62をほぼ水平に、すなわち
被照射体40に対してほぼ平行を保ちつつ、アーム60
を降下する。このようにすると、エアースライダー62
が、被照射体40に近づくにつれ、エアースライダー6
2と、被照射体40間の圧力が高まることから、これら
間のエアーによるいわゆるエアーベアリングによって、
両者が衝突することなく、被照射体40から常時ほぼ所
定量、例えば100nmよりは、十分大きい間隔の例え
ば10μmに、エアスライダー62と、被照射体40と
の間隔を選定する。
【0050】この時、収束レンズ48と、被照射体40
との間隔が例えば20μmに粗調整された状態とし、変
位手段64を制御して、収束レンズ48と、被照射体4
0との間隔を、例えば100nmになるまで近づけ、か
つ高周波数域でのフォーカシングサーボによる微調整を
行う。
【0051】第2のフォーカス制御機構72のフォーカ
スエラー検出部69は、例えば静電容量による検出手段
によって行うことができる。この手段としては、例えば
図3にその一例の概略構成を示すように、収束レンズ4
8の最終端のSIL52の平坦面の周辺面に、Al蒸着
膜等の導電膜81を被着し、一方、被照射体40の、例
えばフォトレジスト層12の表面に、光ビーム39に対
し、高い透過性を示す程度に薄く例えばAl蒸着膜が形
成されて成る半透明導電膜82を被着し、両導電膜81
および82間の間隔の接近に応じて増加する静電容量
を、静電容量検出器83によって検出する。
【0052】このようにして検出された収束レンズ48
の位置検出信号を、上述した第2のフォーカス制御機構
72の電圧供給部70に入力して、これに応じた電圧
を、変位手段64のピエゾスタックに印加して収束レン
ズ48と、被照射体40との間隔を、例えば100nm
に設定するフォーカス制御、すなわち近接場領域のフォ
ーカシング制御を行うことができる。
【0053】図4は、フォーカスエラー検出部69の他
の一例の概略構成を示す。この例においては、レーザー
ドップラー構成とした場合で、この場合、レーザードッ
プラー差動速度計86が設けられる。そして、収束レン
ズ48の最終端のSIL52の平坦面の周辺面に、Al
蒸着膜等の反射膜84を被着し、一方、被照射体40
の、例えばフォトレジスト層12の表面に、薄い例えば
Al蒸着膜による半透明反射膜85を被着し、レーザー
ドップラー差動速度計86からの2本の測長ビーム87
および88を照射して、両者間の間隔を検出するように
したものである。そして、この場合においても、このよ
うにして検出された検出信号を、電圧供給部70に入力
して、変位手段64を制御する。
【0054】また、図5は、フォーカスエラー検出部6
9の更に他の一例の概略構成を示すように、いわゆる離
軸法による構成とすることができる。すなわち、この場
合、目的の光照射を行う光ビームとは異なる別のビー
ム、例えば波長が異なり、光照射体40に対する本来の
光照射の目的、例えばフォトレジスト層12に対する露
光効果を生じることのない光ビーム、例えばレーザービ
ームによる検出用ビーム90を、収束レンズ48に光軸
から離軸した状態で、入射させる。収束レンズ48に対
する検出用ビーム90の入射角は、SILの端面で全反
射しない程度に離軸させるものとする。
【0055】そして、被照射体40の表面、例えばフォ
トレジスト層12の表面からの反射光の焦点位置に、そ
の位置を検出することができるようにした、例えば1次
元の位置センサーによる焦点位置を検出することができ
る例えばPSD(Position Sensor Diode)又は、分割フ
ォトダイオード等が配列されてなる検出素子91を設け
る。この場合、SIL52の端面と被照射体40の表
面、例えばフォトレジスト層12の表面とが物理的に接
触する近接場領域にあっても、両者の屈折率は、完全に
一致するものではないので、光学的に界面が存在するこ
とから、検出用ビーム90の反射光すなわち戻り光が得
られる。そして、いま、SIL52の端面と被照射体4
0の表面が、鎖線aで示すように離間した状態となる
と、鎖線bに示すように、戻り光の戻り角が振れること
から、検出素子91によってその振れ角に応じた出力変
化を得ることができる。すなわち、この検出素子91か
ら、フォーカシングエラー信号検出することができる。
【0056】このエラー信号を変位手段64の例えばピ
エゾスタックの印加電圧を行う電圧供給部を制御して、
収束レンズ48の位置の微調整、例えば100nm程度
の、位置制御によるすなわち近接場領域の制御によるフ
ォーカシング制御を行うことができる。
【0057】図6は、フォーカスエラー検出部69の更
に他の例の概略構成図を示す。この例においては、例え
ば図1におけるミラー46または47を、ビームスプリ
ッタ94によって構成して被照射体40からの戻り光の
例えば一部を分離し、この分離された戻り光の光路に集
光レンズ95と、非点収差を付与する例えばガラスより
なる平行平板92を配置し、例えば4分割フォトダイオ
ードによる検出素子93によって非点収差、すなわちビ
ームスポット形状を検出する構成とすることによってフ
ォーカシングエラーの検出すなわちフォーカシングエラ
ー信号を得る。
【0058】上述したビーム照射装置によれば、第1お
よび第2の制御機構71および72による粗調整および
微調整、すなわち低周波数帯域および高周波数帯域の位
置制御、すなわちフォーカシング調整を重畳して行うこ
とから、収束レンズ48による被照射体40に対するフ
ォーカシングを、上述した の微小間隔例えば100nmという近接場領域におい
て、正確に、安定して設定することができる。
【0059】前述の図2のフォーカス制御機構では、高
圧エアー(いわゆる正圧エアー)の圧力制御を用いて低
周波数帯域(被照射体40の低周波のうねり)における
フォーカス制御を行っている。この場合、エアー圧を高
くして被照射体40から収束レンズ48を引き離そうと
するときの応答速度は得られるも、エアー圧を低くした
ときの応答速が十分に得られにくいことがある。従っ
て、エアーによる制御方向の変化によらず、一定の応答
速が得られるフォーカス制御が望まれる。
【0060】また、近年、光記録媒体(例えば光ディス
ク)に使用する光の短波長化に伴い、収束レンズの開口
数N.A.が同じであってもスポットの焦点深度は浅く
なり、フォーカス制御の更なる安定性が必須となってき
ている。
【0061】そこで、本発明においては、正圧エアーと
負圧エアーの同時使用によるエアサスペンションを利用
して、低周波数帯域のフォーカス制御を行うとともに、
電気的駆動素子による変位手段により、高周波数帯域の
フォーカス制御も加えて、より安定したフォーカスサー
ボを行うようにする。
【0062】図7は、これらに対応できるようにした本
発明のビーム照射装置における収束レンズのフォーカス
制御機構の他の例の概略構成を示す。この例のフォーカ
ス制御機構は、正圧エアー(高圧エアー)と負圧エアー
によって低周波数帯域におけるフォーカス制御を行う第
1の制御機構711と、変位手段64を構成する例えば
ピエゾスタックを用いて高周波数帯域(いわゆる被照射
体40の高周波のうねり)におけるフォーカス制御を行
う第2の制御機構712とを組み合せて収束レンズ48
のフォーカス制御を行えるようにしたものである。
【0063】収束レンズ48は、回転基台上に配置され
た例えば円板状の被照射体40に対して、その位置調整
がなされるアクチュエータ541に配置されて構成され
る。このアクチュエータ541には第1及び第2のフォ
ーカス制御機構711及び712が設けられる。収束レ
ンズ48は前述と同様に鏡胴111内に、対物レンズ
(非球面レンズ)51とSIL52とが同一光軸上に保
持される。なお、本例のSIL52は、球形レンズの一
部を切りとり、半球状よりも多く残る形状とし、その底
部に円柱状突起52aを形成して構成される。
【0064】アクチュエータ541は、アーム(いわゆ
るレンズ取り付け治具)60に、板ばね等の弾性体61
を介して、被照射体40に対して空気層の介在によって
浮上する円筒状のエアーパッド631が取着されて成
る。このエアーパッド631内の上端部に例えば円筒型
のピエゾスタックによる変位手段64が配置され、この
変位手段64を介して、円筒状のエアーパッド631内
に収束レンズ48を保持した鏡胴111が支持され、S
IL52の最終端面(即ち円柱状突起52aの端面)
が、エアーパッド631の被照射体40と対向する面に
臨むようになされる。
【0065】エアーパッド631には、その被照射体4
0との対向面に、エアーを噴出するエアー噴出口(供給
口)、いわゆる正圧エアーの噴出口651と、エアーを
吸引するエアー吸引口、いわゆる負圧エアーの吸引口6
52が設けられる。エアー噴出口651及びエアー吸引
口652は、例えば図8に示すように、環状に形成され
ると共に、エアーパッド631の中心軸に対して同心円
状に形成される。エアー噴出口651は、多孔質部材例
えば多孔質カーボンによって形成することができる。こ
の多孔質カーボンは、エアーパッド631の面に形成し
た環状溝に嵌着される。
【0066】エアー噴出口651には、パイプ113を
通じて高圧エアー供給源661から高圧エアーが供給さ
れる。エアー吸引口652からはパイプ114を通して
エアー吸引手段662にエアーが吸引される。高圧エア
ー供給源661は、例えばその供給量、圧力を制御する
制御手段681が設けられ、又、エアー吸引手段662
は例えば吸引量、圧力を制御する制御手段682が設け
られる。この正圧エアー及び負圧エアーによって、収束
レンズ48の最終端面が被照射体40に対し、所要の間
隔を保持して対向させる初期の粗調整を行う。このよう
にして収束レンズ48の位置の選定を行う第1のフォー
カス制御機構711が構成される。
【0067】また、変位手段64を構成する例えばピエ
ゾスタックには、前述と同様に電圧供給部70から、電
圧供給がなされて、その変位量、すなわち圧電効果によ
って収束レンズ48をエアーパッド631の軸心に沿っ
て微小移動させるようになされ、被照射体40に対する
収束レンズ48の位置の制御、すなわちフォーカス制御
を行う第2のフォーカス制御機構712が構成される。
電圧供給部70は、フォーカスエエラー検出がなされる
検出部69からのフォーカスサーボ信号によって、フォ
ーカスエラーに応じた電圧を、変位手段64を構成する
例えばピエゾスタックに供給するようになされる。
【0068】尚、エアー噴出口651は、例えば図9に
示すように複数、本例では3つに分割して、夫々のエア
ー噴出口651a,651b,651cに夫々パイプ1
13a,113b,113cを通じて高圧エアーを供給
するように構成することもできる。この場合は、各パイ
プ113a,113b,113cに夫々高圧エア供給源
及び制御手段を設けて夫々エアー圧、供給量を制御でき
るようにすることもできる。エアー吸引口652も複数
に分割して夫々からエアーを吸引するように構成するこ
ともできる。また、エアー噴出口651及びエアー吸引
口652は、環状形に限らず、図示せざるも、例えば環
状に沿って多数の開口によって形成することもできる。
【0069】この第1及び第2のフォーカス制御機構7
11及び712から成るフォーカス制御機構では、被照
射体40(例えば表面にフォトレジスト層12を塗布し
た基板)上に正圧エアーの圧力によりエアーパッド63
1を浮上させる。即ち、エアーパッド631下面からエ
アー噴出口651を通して正圧エアーを噴き出させるこ
とによってエアーパッド631は被照射体40上に浮上
し、エアー吸引口652を通して吸引される負圧エアー
によってエアーパッド631は被照射体40側に引き寄
せられる。正圧エアーの圧力を例えば5kgf、負圧エ
アーの圧力を例えば大気圧−100mmHgにすると、
エアーパッドを例えば5μm浮上させることができる。
【0070】ここでは、エアー圧力を固定しているが正
負エアー圧のバランスにより、被照射体40とエアーパ
ッド631間に形成されるエアー膜に剛性が生じる。被
照射体40の表面のうねりが低周波数帯域であれば、エ
アーパッド631はそのうねりに追従することができ
る。従って、被照射体40の上下の変位に応じて変位す
るエアーパッド631の応答速度は、上下いずれの変位
に対しても一定となる。
【0071】一方、変位手段64を構成する例えばピエ
ゾスタックに電圧を印加して伸縮させることにより、前
述したように、エアーパッド631だけでは追従しきれ
ない高周波数帯域のうねりに対応したサーボをかけるこ
とができ、高周波数帯域の位置制御すなわちフォーカス
制御を行うことができる。
【0072】エアーパッド631は、くの字状若しくは
この字状の板ばねによる弾性体61を介してアーム60
に取付けられるので、上下だけでなく傾斜に対する自由
度も持たせることができる。
【0073】このようなフォーカス制御機構を備えたビ
ーム照射装置によれば、正圧エアー121と負圧エアー
122の同時使用により、低周波数帯域でのフォーカス
制御を安定にすることができる。同時に、一定の応答速
度が得られる。高周波数帯域と低周波数帯域でフォーカ
ス制御機構が分離されているので、各帯域におけるサー
ボ特性の向上も見込める。従って、収束レンズ48と被
照射体40間の間隔を精度よく安定に保持できる。
【0074】本発明では、収束レンズ48をSIL52
と対物レンズ51を含む2群レンズで構成したが、これ
に限らず、光ビーム(例えばレーザビーム)を収束する
レンズであればよく、図10に示すSIM(Solid Imme
rsion Mirror)124や、SIMを含むレンズ群、その
他の例えば、従来から用いられている3群以上で形成さ
れる対物レンズで収束レンズ48を構成することが可能
である。この場合にも、同様の精度で安定したサーボが
行える。
【0075】SIM124は、図10に示すように光ビ
ーム39の入射側の面が凸状の曲面をなすも光ビーム入
射部が凹面となり、光ビーム39の出射側が平坦面、こ
の場合、前述したと同様に中央に円柱状突起125が設
けられた面とした透光体126の凸状曲面及び円柱状突
起125を除く端面に反射膜127が形成されて成る。
光ビーム39は凹面に入射され、屈折させて端面の反射
膜127で反射され、更に上面の凸状曲面の反射膜12
7で反射されて円柱状突起125の端面に収束される。
【0076】本発明では、高周波数帯域のフォーカス制
御用の変位手段64として電気的駆動素子であるピエゾ
スタックを用いたが、その他の例えば電磁コイル、いわ
ゆるボイスコイル等の電気的駆動素子であってもよい。
【0077】上例では、正圧エアー及び負圧エアーの圧
力を固定したが、このエアー圧を制御するようにしても
よい。即ち、エアー圧力を固定して、被照射体40の上
下変位に応じてエアーパッド631が上下に追従する
が、その追従をより早めるために、例えば被照射体40
が下方に変位したときには、負圧エアーの圧力を強め、
被照射体40が上方に変位したときには正圧エアーの圧
力を強めてエアーパッド631の応答速度を早くするよ
うにすることも可能である。
【0078】上例では、エアーによる低周波数帯域のフ
ォーカスサーボと、変位手段64のピエゾスタックによ
る高周波数帯域のフォーカスサーボを同時に使用したが
収束レンズ48による集光対象となる面の高域うねりが
小さい場合には、エアーによるサーボのみを用いてもよ
い。
【0079】近年の光ディスク原盤露光工程で主に用い
られている350nmレーザビームをSHG(Secondar
g Harmonic Generator)発振させた場合の波長は、およ
そ170nmとなる。またフォトレジストの感度が有効
となるのは、およそ450nm以下となる。これらのこ
とにより、本発明のビーム照射装置では、波長が170
nm以上でかつ450nm以下のレーザビーム発生器を
具備することができる。
【0080】前述の図7に示す正圧、負圧エアーによる
いわゆる吸着浮上型エアーパッド631は、図2の静圧
浮上型のエアーパッドよりも、被照射体40の表面のう
ねりに対して良好に追従する。しかし、吸着浮上型のエ
アーパッド631のエアー噴出口651とエアー吸引口
652が不適切な配置をとると、例えばエアーパッド6
31の底部に設けた環状のエアー噴出口651の外側に
同心円状にエアー吸引口652が設けられていると、微
小な振動で傾斜したエアーパッド631は、外周部にエ
アー吸引口652があるため更に傾斜が付き、エアーパ
ッド631の縁が被照射体40に接触する可能性があ
る。そのため、これらのエアー噴出口651及びエアー
吸引口652の配置には配慮が必要である。
【0081】また、エアーパッド631を浮上させる場
合には、エアー噴出口651のみを行った状態で被照射
体40上に降下するが、収束レンズ48の最先端部がエ
アーパッド631底面よりも突出していると、収束レン
ズ48が被照射体40に衝突する危険性があるため、衝
突回避の対応が必要となる。
【0082】更に、エアーパッド631内に取り付けた
SIL52の先端を、例えば直径40μmで高さが2μ
mの円柱状突起52aを残して、エッチングによりその
外周部を削り取っている。これにより、レンズが傾斜し
た場合に、レンズ、従ってSIL52と被照射体40が
接触する危険性を低減しているが、それでも例えば40
nm程度にまで収束レンズ48と被照射体40間の間隔
(いわゆるギャップ)を小さくしようとすると1mra
d以下の精度で収束レンズ48の傾きを調整しておく必
要がある。この調整を高精度でかつ容易に行える方法及
び装置が望まれる。
【0083】そこで、本発明に係るビーム照射装置にお
いては、その空気圧利用による吸着浮上型エアーパッド
の最下部、即ち底面に設けるエアー噴出口をエアー吸引
口より外周側に配置するように構成する。また、初期状
態では、被照射体表面からエアーパッド底面までの高さ
よりも高い位置まで収束レンズの最下面(例えばSIL
またはSIMの底面)を後退させ、ビーム照射時(例え
ば原盤露光時、又は情報記録媒体の記録、再生時)には
収束レンズの最下面を被照射体表面からエアーパッド底
面までの高さより低い位置まで降下させるように構成す
る。
【0084】本発明のレンズ傾斜調整装置では、収束レ
ンズの変位手段への取り付け接触面、又は/及び収束レ
ンズを取り付けた変位手段のエアーパッドへの取り付け
接触面に弾性部材を挟み込み、ネジ締め圧により取り付
け時の傾斜を調整する機構を有するように構成する。
【0085】本発明のレンズ傾斜調整方法では、高反射
表面を有する基板に収束レンズ(例えばSIL又はSI
Mを含む収束レンズ)の底面で反射した戻り光の軸と、
この収束レンズ透過後の基板の高反射表面で反射し、再
度同じ収束レンズを透過した戻り光の軸とを一致させる
ことで、収束レンズの傾き、いわゆる光軸を調整するよ
うになす。
【0086】収束レンズ48と被照射体40間の距離を
近接場領域まで近づけて制御を行う場合の信号検出方法
の一つにSIL52の底部平面(円柱状突起52aの底
面)から全反射した戻り光を用いる方法がある。この場
合、全反射戻り光強度が小さくなった位置で制御を行う
ため、より大きな強度で全反射戻り光を検出し、またノ
イズをより少なくする必要がある。
【0087】本発明の全反射光検出方法では、偏光ビー
ムスプリッタを経て射出された直線偏光のレーザビーム
を1/4波長板で円偏光に変換した後、収束レンズに入
射し、この収束レンズからの戻り光を1/4波長板によ
り偏光方向を変換し、偏光ビームスプリッタに再入射す
ることで、戻り光のパワーの大部分を入射ビーム源とは
別の方向に分離するようになす。さらに収束レンズ(例
えばそのSIL又はSIMレンズ)からの戻り光を、そ
の光軸と一致させて円環状に透過領域を持たす輪帯、又
は外周部に透過領域を持つ円形状のマスクを配置し、収
束レンズ底面を含む複数の面で干渉した光を遮光し、収
束レンズ底面で全反射した光を主に透過させるようにな
す。
【0088】図11は、このように改良した本発明のビ
ーム照射装置における収束レンズのフォーカス制御機構
の他の例の概略構成を示す。また、図12〜図16は、
レンズ傾斜調整方法、全反射光検出方法を用い、収束レ
ンズの光軸調整及びフォーカス制御を行う例を示す。
【0089】本例においては、図11に示すように、前
述の図7と同様、アーム60に板ばね等の弾性体61を
介して、正圧エアー121の噴出口651及び負圧エア
ー122の吸引口652を被照射体40の対向面に有す
る筒状のエアーパッド631が取付けられ、このエアー
パッド631の内側に、軸心方向に変位するように変位
手段64となる例えば環状のピエゾスタックを介して収
束レンズ48を保持した鏡胴111が支持されて構成さ
れる。
【0090】エアー噴出口651及びエアー吸引口65
2は、夫々例えば環状に形成されると共に、エアーパッ
ド631の軸心に対して同心円状に形成され、かつ特
に、エアー噴出口651はエアー吸引口652の外周側
に位置するように設けられる。
【0091】収束レンズ48は、例えば前述と同様に対
物レンズ51とSIL52とが同一光軸上に保持されて
構成される。収束レンズ48は、初期状態、即ち変位手
段64のピエゾスタックに電圧を印加しない状態では、
SIL52の底面がエアーパッド631の被照射体40
に対向する底面より奥に引っ込んだ配置とし、変位手段
64のピエゾスタックに電圧を印加することによりSI
L52の底面がエアーパッド63の底面より飛び出し、
浮上量以上に伸びることが可能な配置とする。
【0092】変位手段64であるピエゾスタックのエア
ーパッド631への取り付け面には、厚み方向に弾性を
有する弾性部材、好ましくは弾性シート例えばゲル状シ
ート131を挟み込み、図8に示すように、複数点好ま
しくは3点以上例えば4点でネジ132により変位手段
64のピエゾスタックとエアーパッド631とを一体化
する。133は、ピエゾスタックに接合された基板を示
し、この基板133にネジ止めされる。
【0093】その他の構成は、前述の図7で説明したと
同様なので、対応する部分には、同一符号を付して重複
説明を省略する。
【0094】この図11に示す収束レンズ48を含むフ
ォーカス制御機を備えたビーム照射装置を、例えば情報
記録媒体を作製するスタンバーを得るための原盤作製の
露光装置に適用した場合を例に説明する。
【0095】図12及び図13に、このビーム照射装置
の光学系を示す。この光学系は、レーザビーム発生器
(図示せず)から出射され、コリメータレンズ(図示せ
ず)で平行光とされたレーザビーム39の光路上に、ビ
ームスプリッタ(例えばハーフミラー)135、偏光ビ
ームスプリッタ136、1/4波長板137及びミラー
138が設けられ、ミラー138で反射したレーザビー
ム39を収束レンズ48に入射するように構成される。
また、収束レンズのSIL52での反射光及び被照射体
40での反射光による戻り光が偏向ビームスプリッタ1
36で光路変換された光路上にスクリーン139、遮光
マスク140、集光レンズ141及び第1の検出素子、
例えばフォトディテクタ142が配される。スクリーン
139及び遮光マスク140は、光路上の位置及び光路
から離れた位置間を移動可能に配される。さらに、ビー
ムスプリッタ135で反射したレーザビームの光路上に
集束レンズ143を介して第2の検出素子、例えばフォ
トディテクタ144が配される。
【0096】先ず、収束レンズ48の傾斜調整、即ち光
軸調整が行われる。このレンズ傾斜調整方法は、図12
に示すように、表面を例えば金属メッキ等により高反射
面151とした基板152を用意し、この基板152の
高反射面151上に収束レンズ48を取り付けたエアー
パッド631を置く。この状態ではエアーパッド631
の軸心は基板152に対して垂直となっている。
【0097】レーザビーム発生器から直線偏光で出射さ
れ、ビームスプリッタ135、偏光ビームスプリッタ1
36及び1/4波長板157を透過して円偏光となった
レーザビーム39を、ミラー138を介して基板152
の面に対して垂直にアライメントし、エアーパッド63
1内の収束レンズ48に入射する。収束レンズ48、従
ってそのSIL52の円柱状突起52aの底部平面及び
基板152で反射した戻り光は、ミラー138で反射
し、1/4波長板137を透過した後、偏光ビームスプ
リッタ136で分離され光路変更されて、スクリーン1
39に投影される。
【0098】収束レンズ48のSIL52の底部平面で
の反射光は、後述するように、主に全反射した輪帯(い
わゆるリング)形状ビームとなって戻り、また基板15
2の表面151で反射したビームは、SIL52の円柱
状突起52aで散乱され、その投影像が再度基板152
で反射されて収束ビームとして戻る。この収束ビーム
は、SIL52と基板152間で生ずる干渉光として戻
る。
【0099】そして、図16に示すように、SIL52
で全反射した輪帯形状ビーム155と、SIL52の中
央の円柱状突起52aと基板152間で生じる干渉光
(従って干渉縞)156がスクリーン139に投影され
ることで、それらの光軸L1 及びL2 のずれを確認でき
る。SIL52の円柱状突起52aの中心が光軸に一致
しているとして、輪帯形状ビーム155と干渉光156
の光軸が一致するように、エアーパッド631に対して
ゲル状シート131を挟んで変位手段64のピエゾスタ
ックを取り付けるための4本のネジ132の締め具合を
調整する。これにより、収束レンズ48の光軸は、基板
152及びエアーパッド631の底面に対して垂直とな
り、SIL52の底部平面も基板152に対して平行と
なる。
【0100】尚、本例では、エアーパッド631と変位
手段64のピエゾスタックとの取付け接触面にゲル状シ
ート131を挟み込んだが、又は/及び収束レンズ48
を保持する鏡胴111の変位手段64であるピエゾスタ
ックとの取り付け接触面にゲル状シート131を挟み込
むようにしてもよい。
【0101】ここで、対物レンズ51とSIL52とで
実現される開口数N.A.とSIL52の屈折率nと、
対物レンズ51で集光されたレーザビームのSIL52
への最大入射角θmax (図16参照)との関係は、 N.A.=n×sinθmax となる。
【0102】そして、図16に示すように、開口数N.
A.が所定値、例えばこの最大入射角θmax よりも小さ
い一定の入射角θ0 と屈折率nとの積n×sinθ0
1.0になるように屈折率n及び最大入射角θmax を設
定したとすると、開口数が所定値、即ち1よりも大きく
なる入射角で対物レンズ51からSIL52に入射した
光(以下入射光の高周波成分という)は、SIL52が
基板に接触しているときにはSIL52の基板との対向
面をほとんど透過して基板に照射されるのに対し、SI
L52が基板から離れるにつれて、この対向面での高周
波成分の反射率が急激に増加していき、SIL52が基
板から近接場領域を超えて離れると、対向面でほぼ10
0%反射される。従って、SIL52の底部平面で反射
した戻り光155は輪帯形状(図16の斜線部分を参
照)となって図14に示すようにスクリーン139上に
投影される。また、開口数が所定値、即ち1.0よりも
小さくなる入射角で対物レンズ51からSIL52に入
射光(以下入射光の低周波成分という)はSIL52を
通過し基板152表面で反射して干渉光156となって
スクリーン139上に投影される。
【0103】次に、原盤露光に入る。エアーパッド63
1下面からエアー噴出口651、従ってその円環状に配
置した多孔質カーボンを通して正圧エアー121を噴出
(供気)してエアーパッド631を浮上させる。次に、
図13に示すように、被照射体、即ち基板11の表面に
フォトレジスト層12を塗布した原盤40を用意し、原
盤40を静止させた状態で、エアーパッド631の水平
を保ちながら原盤40上に降下させる。
【0104】浮上によりエアーパッド631の支持荷重
が0になるまで降下させたところで、エアー吸引口65
2を通して負圧エアー122の吸引(吸気)を行う。例
えば供気圧力5kgf、吸気圧力を大気圧−100mm
Hgとする。吸気圧力が大きくしすぎると、ダウンフォ
ースの働きによってエアーパッド631が原盤40に衝
突する可能性が生じる。逆に吸気圧力を小さくしすぎる
と原盤にうねりがある場合に追従しきれず、正圧の浮上
力によってはじかれてしまう。この正負エアー圧のバラ
ンスによって、前述の図7で説明したようにエアー膜に
剛性が生じ、原盤40のうねりに追従する。
【0105】次に露光工程に入る。このとき、図13に
示すように、スクリーン139は光路から外れた位置に
後退し、代わって遮光マスク140が光路上に配置され
る。この遮光マスク140は、図15に示すように、い
わゆる低周波成分の戻り光を遮光する大きさに形成され
ている。
【0106】露光時には変位手段64のピエゾスタック
に所要の電圧が印加されて、収束レンズ48のSIL5
2と原盤40間の間隔が近接場領域内に入るように収束
レンズ48がエアーパッド631の底面より飛び出す。
【0107】レーザビーム発生器(図示せず)から出射
された直線偏光のレーザビームは、コリメータレンズ
(図示せず)で平行光とされ、ビームスプリッタ135
を透過して偏光ビームスプリッタ(PBS)136に入
射する。偏光ビームスプリッタ136を通過し、1/4
波長板(QWP)137で円偏光とされたレーザビーム
39はミラー138で反射されて収束レンズ48を通し
て原盤40上のフォトレジスト層12を選択的に露光す
る。
【0108】この露光工程時にフォーカス制御が行われ
る。露光ビーム、即ちレーザビーム39が収束レンズ4
8に入射され、前述のθ0よりも大きな入射角で対物レ
ンズ51からSIL52に入射したレーザビーム(高周
波成分)がSIL52の底部平面で反射され、この反射
されたレーザビームが対物レンズ51、ミラー138を
経て1/4波長板137で最初とは直交する直線偏光と
されて偏光ビームスプリッタ136で反射され、集光レ
ンズ141を介してビーム強度モニタ用のフォトディテ
クタ142で光強度を電圧値として検出される。
【0109】一方、レーザビーム発生器から出射された
レーザビームの一部がビームスプリッタ135で反射さ
れた集光レンズ143を介してビーム強度モニタ用のフ
ォトディテクタ144で光強度を電圧値として検出され
る。
【0110】ここでは、SIL52を原盤から十分に離
した場合のレーザビーム(高周波成分)の全反射光量を
基準光量とする。このため、フォトディテクタ144で
得られた値に所定の係数を掛けた値を基準光量に相当す
る信号として、演算回路146に送られる。フォトディ
テクタ142で検出された光量を示す信号も演算回路1
46に送られる。
【0111】演算回路146ではSIL52と原盤40
間の間隔が、一定の間隔、即ち近接場領域に入る間隔で
あるときの一定値レベル、例えば基準光量の60%にま
で下がったところのレベルを制御目標値として記憶して
いる。
【0112】そして、演算回路146は、制御目標値
と、フォトディテクタ142からの光量との差に基づい
て、フォーカス制御信号を生成する。この制御信号をフ
ォーカスエラー検出部69に送り、基準光量に対してフ
ォトディテクタ142からの光量が上記一定値レベルに
なったところで、この光量を保持するように、変位手段
64のピエゾスタックの伸縮を制御する。これにより、
SIL52と原盤40間の間隔(ギャップ)を一定に保
持することができる。
【0113】この状態、つまり全反射光量が減少した状
態は、SIL52が原盤40に対して近接場領域にまで
接近しているときに生じる。このことから、間隔(ギャ
ップ長)を安定に保持できれば、接近場領域で間隔の制
御ができたことになる。
【0114】変位手段64のピエゾスタックの長さを制
御してSIL52と原盤40間の間隔がレーザビームの
波長程度以下となるとSIL52に入射された高周波成
分のレーザビームは原盤40側へ透過するので、反射光
量が減少する。このとき、全反射による輪帯形状の全反
射戻り光以外に、SIL52の底部平面と原盤40間で
生じる干渉縞が重畳し、その干渉縞による強度振動が全
反射光による間隔(ギャップ長)制御においてはノイズ
となる。
【0115】しかし、図15に示すようにフォトディテ
クタ142への戻り光39Rの光路上に、輪帯形状の全
反射戻り光(斜線図示)が透過するような円形の遮光マ
スク160が配されていることによって、干渉光は除去
され、主に全反射戻り光のみが透過する。この遮光マス
ク160により、強度振動はSIL52と原盤40間の
間隔(ギャップ長)制御に影響を与えない程度に抑える
ことができる。
【0116】全反射光強度の変化を変位手段64のピエ
ゾスタックに印加する電圧にフォードバックし、原盤4
0が静止している状態で、上記間隔(ギャップ長)を約
250nmの位置にサーボ制御したところ、間隔(ギャ
ップ長)の揺らぎは最大幅で約1nmの範囲に抑えるこ
とができた。また、原盤40を約600rpmで回転さ
せ、半径約40mmの位置で間隔(ギャップ長)制御を
行った結果、その揺らぎの大きさは最大幅で約10nm
に抑えられた。
【0117】上述したように、本例においては、正圧エ
アーの噴出口651を負圧エアーの吸引口652の外周
側に配置したことにより、エアーの噴出、吸引の位置的
バランスが取れ、エアーパッド631を安定した姿勢で
浮上させることができる。
【0118】SIL52をエアーパッド631底面より
引っ込ませておくことで、近接場領域のギャップ長を制
御する時以外にSIL52が原盤に衝突することを回避
できる。弾性部材、例えばゲル状シート131を介して
エアーパッド631と変位手段64とをネジ締で固定す
るように構成するので、このゲル状シート131の柔軟
性を利用して、収束レンズ48の傾き調整、いわゆる光
軸調整を容易且つ高精度にすることができる。
【0119】又、被照射体40との高精度な平行度が要
求されるSIL52の傾斜調整において視覚的で容易な
方法により高精度な調整が実現できる。
【0120】偏光ビームスプリッタ136と1/4波長
板137の使用により、上記間隔(ギャップ長)制御に
利用する全反射戻り光の強度を大きくし、さらに、遮光
マスク140を用いることにより、ノイズとなる干渉光
の強度を抑えることができ、間隔(ギャップ長)制御に
おける検出信号強度対ノイズ強度の比(S/N比)が大
きく取れ、制御が高精度化される。
【0121】尚、上述したビーム照射装置及びフォーカ
ス制御装置は、フォトレジスト層12に対する露光に用
いられるビーム照射装置に限られるものではなく、例え
ば図1において、その被照射体40が、記録可能な情報
記録媒体、例えばいわゆるCD−R、あるいは光磁気記
録層を有する光磁気記録媒体、または相変化による記録
がなされる記録層等を有する情報記録媒体に対する情報
記録を行う光記録装置としての光学装置、あるいはこの
記録情報の再生を行ういわゆるピックアップ装置として
の光学装置を構成することができる。
【0122】図17は、上述したビーム照射装置の構成
によるが、被照射体40が、情報記録媒体19であっ
て、これよりの、情報の記録を光学的に読み出す再生装
置としての光学装置の一例の概略構成図を示す。この光
学装置においても、例えばレーザービームを発生するビ
ーム発生源41が設けられ、これよりの直線偏光による
レーザービームが、例えば偏光ビームスプリッタ10
1、1/4波長板102、ミラー103、更に上述した
収束レンズ48を通じて、情報記録媒体19に照射さ
れ、この情報記録媒体19の情報によって変調された戻
り光が、収束レンズ48、ミラー103を通じて再び1
/4波長板102を通過することによって此処で入射光
とは90°偏光方向が異なる偏光とされて、偏光ビーム
スプリッタ101によって例えば反射されてその光路が
分離されることによって、検出手段104によって例え
ば光強度の検出、あるいはカー回転角に応じた光強度の
検出を行って、記録情報の再生出力を得る構成とするこ
とができる。すなわち、この場合においても、図1〜図
15で説明したのと同様の構成によって、収束レンズ4
8の位置制御すなわちフォーカシング制御を、第1およ
び第2の制御機構71および72によって行う。
【0123】尚、本発明によるビーム照射装置と、これ
を構成する各部、例えば収束レンズ、第1および第2の
制御機構、これを制御する制御信号の検出手段等は、上
述した図1〜図17の例に限られるものではなく、種々
の構成とすることができる。例えば、図3および図4に
示した構成においては、導電膜81、反射膜84をSI
L52に被着した場合であるが、これらを、エアースラ
イダー62等の収束レンズ48の支持部に配置する構成
とすることもできるなど種々の構成とすることができ
る。本発明においては、上述したビーム照射装置の構成
による光学装置を備えて情報の記録及び/又は再生を行
う記録及び/又は再生装置を構成することができる。
【0124】また、本発明においては、上述したビーム
照射装置を用いて、基板11上のフォトレジスト層12
に対する露光処理を行って、情報記録媒体用原盤と更に
これによる情報記録媒体を製造する。
【0125】すなわち、情報記録媒体用原盤の製造にお
いては、図20で説明したと同様に、表面が平滑鏡面に
仕上げられた原盤の基板となる円板状の基板11例えば
ガラス基板を用意し(図20A)、この基板11の平滑
鏡面上に例えばポジティブフォトレジストによるフォト
レジスト層12を回転塗布法等によって所要の厚さ、例
えば0.1μmの厚さに塗布する(図20B)。そし
て、このフォトレジスト層12に対して、図1で説明し
た本発明によるビーム照射装置を用いて露光処理を行
う。この露光は、基板11をその中心軸を中心に回転さ
せながら、レーザー光を、上述した収束レンズ48によ
ってフォトレジスト層12上にフォーカシングして、基
板11の半径方向に関して相対的に移動させて照射し、
スパイラル線に沿って微細凹凸の潜像、すなわちグルー
ブまたはピットの潜像23を形成する。(図20C)。
【0126】このようにしてパターン露光されたフォト
レジスト層12を現像する。このようにすると、図21
AあるいはBにそれぞれその一部の斜視図を示すよう
に、基板11上に、フォトレジスト層12が所定の露光
パターンに応じて除去されたグルーブもしくはピットが
形成されてなる微細凹凸13が形成された情報記録媒
体、この例では光ディスクを製造するための原盤14が
得られる。
【0127】このようにして形成された原盤14を用い
てスタンパーを作製する。このスタンパーの作製は、図
22で説明したように、原盤14の微細凹凸13が形成
された面に、金属層15をNiメッキによって形成し
(図22A)、金属層15を、原盤14より剥離する
(図22B)。このようにして、原盤14の微細凹凸1
3が反転したパターンの微細凹凸16が形成された金属
層15によるスタンパー17が形成される。
【0128】このようにして形成したスタンパー17を
用いて、図23に示すように、前述した射出成形、ある
いは2P法によってスタンパー17の微細凹凸16が反
転したパターンの微細凹凸18すなわち図19Aおよび
Bで示したグルーブ3やピット4が形成された光ディス
ク、すなわち情報記録媒体19を得ることができる。
【0129】この場合においても、原盤14からスタン
パー17をNiメッキによって形成した場合であるが、
原盤14からNiメッキによっていわゆるマスターの作
製を行い、これを転写させることによっていわゆるマザ
ーを作製し、これからの転写によってスタンパーの作製
を行うようにすることもできる。
【0130】尚、上述した例では、ビーム発生源41か
ら発生させるビームが、レーザー光等の光ビームである
場合について説明したが、このビームとしては、例えば
電子ビームであるとか、イオンビームである場合にも適
用できる。この場合においては、収束レンズ等の光学系
は、電界による電子レンズ等によって構成することがで
きる。
【0131】上述したように、本発明においては、第1
および第2の制御機構71および72による粗調整およ
び微調整、すなわち低周波数帯域および高周波数帯域の
位置制御、すなわちフォーカシング調整を重畳して行う
ことから、収束レンズ48による被照射体40に対する
フォーカシングを、上述した の微小間隔例えば100nmという近接場領域において
も、正確に、安定して設定することができる。
【0132】
【発明の効果】上述したように、本発明によるビーム照
射装置によれば、2群レンズ構成とし、その終端側に、
SIL及びSIMを用いた場合においても、これと、被
照射体とが上述した の微小間隔例えば100nmという近接場領域において
も、正確に、安定して設定することができるので、収束
レンズにおけるN.A.を充分大に、したがって、照射
スポット径を充分小に選定することができる。
【0133】本発明によるフォーカス制御装置によれ
ば、正圧エアーと負圧エアーによる釣り合いを利用して
フォーカス制御を行うので、より高精度かつ安定したフ
ォーカス制御ができる。したがって、本発明装置を用い
て、情報記録媒体用の原盤作製の露光装置として用いる
場合、その微細凹凸を、正確に、かつ充分微細に形成で
きる。したがって、この原盤から得たスタンパーを用い
て製造した本発明方法によって得た情報記録媒体は、特
性にすぐれた高密度記録媒体として得ることができる。
【0134】また、本発明においては、複数段の制御機
構によって共通の収束レンズに関して、その位置調整、
したがって、フォーカシング制御を行うようにしたこと
から、複数のレンズに関して個々に行う場合における、
フォーカス制御の困難さ、装置の煩雑さ等を回避でき、
高精度で、確実に、安定したビーム照射装置を構成する
ことができる。
【0135】したがって、本発明構成によるビーム照射
装置を、情報記録媒体に対する記録および再生、あるい
はこれらのいづれかを行う光学装置、すなわちピックア
ップ装置として構成することによって、すぐれた記録お
よび再生特性を有するピックアップ装置を構成すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるビーム照射装置の一例の概略断面
図である。
【図2】本発明によるビーム照射装置の収束レンズの一
例の概略断面図である。
【図3】本発明装置におけるフォーカスエラー検出部の
一例の概略構成図である。
【図4】本発明装置におけるフォーカスエラー検出部の
他の一例の概略構成図である。
【図5】本発明装置におけるフォーカスエラー検出部の
他の一例の概略構成図である。
【図6】本発明装置におけるフォーカスエラー検出部の
他の一例の概略構成図である。
【図7】本発明によるビーム照射装置の収束レンズの他
の例の概略断面図である。
【図8】本発明装置におけるフォーカス制御機構の要部
の一例の平面図である。
【図9】本発明装置におけるフォーカス制御機構の要部
の他例の平面図である。
【図10】本発明装置の収束レンズに適用されるSIM
の断面図である。
【図11】本発明によるビーム照射装置の収束レンズの
さらに他の概略断面図である。
【図12】本発明装置の収束レンズの傾斜調整方法及び
その装置を示す構成図である。
【図13】本発明装置のフォーカス制御に用いられる全
反射光検出方法を示す構成図である。
【図14】収束レンズの傾斜調整の説明図である
【図15】全反射光検出の説明図である。
【図16】収束レンズの傾斜調整の説明図である。
【図17】本発明によるビーム照射装置を用いた情報記
録媒体の再生装置の一例の概略構成図である。
【図18】情報記録媒体の一例の斜視図である。
【図19】AおよびBは、それぞれ情報記録媒体の要部
の斜視図である。
【図20】A〜Cは、情報記録媒体を製造するスタンパ
ー作製の原盤の製造工程図である。
【図21】AおよびBは、それぞれスタンパー作製の原
盤の例を示す要部の斜視図である。
【図22】AおよびBは、スタンパー作製の工程図であ
る。
【図23】AおよびBは、情報記録媒体の製造工程図で
ある。
【図24】従来の露光装置を構成するビーム照射装置の
構成図である。
【符号の説明】
1・・・ディスク基板、2・・・信号記録領域、3・・
・グルーブ、4・・・ピット、11・・・基板、12・
・・フォトレジスト層、13・・・微細凹凸、14・・
・ディスク原盤、15・・・金属層、16・・・微細凹
凸、17・・・スタンパー、18・・・微細凹凸、19
・・・情報記録媒体、20・・・レーザービーム、21
・・・収束レンズ、22・・・潜像、31,41・・・
ビーム発生源、32,42・・・ミラー、33,43・
・・集光レンズ、34,44・・・変調素子、35,4
5・・・コリメートレンズ、36,37,46,47・
・・ミラー、39・・・光ビーム、40・・・被照射
体、48・・・収束レンズ、51・・・対物レンズ、5
2・・・SIL(Solid Immersion Lens) 、53・・・
回転基台、54・・・アクチュエータ、60・・・アー
ム、61・・・弾性体、62・・・エアースライダー、
63・・・支持体、64・・・変位手段、65・・・ノ
ズル、66・・・高圧エアー供給源、67・・・パイ
プ、68・・・制御手段、69・・・フォーカスエラー
検出部、70・・・電圧供給部、71・・・第1のフォ
ーカス制御機構、72・・・第2のフォーカス制御機
構、81・・・導電膜、82・・・半透明導電膜、83
・・・静電容量検出器、84・・・反射膜、85・・・
半透明反射膜、86・・・レーザードプラー差動速度
計、90・・・検出用ビーム、91・・・位置検出素
子、92・・・平行平板、93・・・検出素子、94・
・・ビームスプリッタ、95・・・集光レンズ、101
・・・偏光ビームスプリッタ、102・・・1/4波長
板、103・・・ミラー、104・・・検出手段、63
1・・・エアーパッド、651・・・正圧エアー噴出
口、652・・・負圧エアー吸引口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今西 慎悟 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5D118 AA13 BB09 BF02 BF03 CA11 CC12 CD02 FA49 5D119 AA43 DA01 DA05 EA03 EB02 JB02 5D121 BA03 BB02 BB21 BB28 BB32 EE26

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ビーム、電子ビーム、イオンビームの
    少なくともいづれかのビームを発生するビーム発生源
    と、該ビーム発生源からのビームを収束する収束レンズ
    とを具備するビーム照射装置であって、 上記収束レンズによって上記ビームを被照射体に対して
    フォーカシングするように、該収束レンズもしくは該収
    束レンズを構成する同一レンズ系に対して、上記ビーム
    のフォーカス位置をそれぞれ制御する少なくとも第1お
    よび第2のフォーカス制御機構を重複して設けたことを
    特徴とするビーム照射装置。
  2. 【請求項2】 上記第1のフォーカス制御機構が、低周
    波数帯域におけるフォーカス制御を行う制御機構により
    構成され、上記第2のフォーカス制御機構が、高周波数
    帯域におけるフォーカス制御を行う制御機構により構成
    されたことを特徴とする請求項1に記載のビーム照射装
    置。
  3. 【請求項3】 上記第1および第2のフォーカス制御機
    構が一部の帯域においてのみ重なる異なる周波数帯域に
    おけるフォーカス制御を行う制御機構により構成された
    ことを特徴とする請求項1に記載のビーム照射装置。
  4. 【請求項4】 上記第1のフォーカス制御機構が、高圧
    エアーによる圧力制御機構によって構成され、上記第2
    のフォーカス制御機構が、電気的駆動による制御機構に
    よって構成されたことを特徴とする請求項1に記載のビ
    ーム照射装置。
  5. 【請求項5】 上記第1のフォーカス制御機構が、上記
    収束レンズを保持し、その位置制御を行うアクチュエー
    タを、常時高圧エアーによって浮上させるフォーカス制
    御機構によって構成され、上記第2のフォーカス制御機
    構が、電気的駆動による上記アクチュエータを微調整す
    るフォーカス制御機構によって構成されたことを特徴と
    する請求項1に記載のビーム照射装置。
  6. 【請求項6】 上記ビームとは別のフォーカス検出用ビ
    ームを、上記収束レンズに、該収束レンズの軸から離軸
    させて入射させて上記被照射体に照射し、該被照射体か
    らの戻り光の振れ角を検出して該検出信号を上記第2の
    フォーカス制御機構に対するフォーカス制御信号とした
    ことを特徴とする請求項1に記載のビーム照射装置。
  7. 【請求項7】 上記ビームの上記被照射体からの戻り光
    の一部または全部に非点収差を付与してそのスポット形
    状を検出して該検出信号を上記第2のフォーカス制御機
    構に対するフォーカス制御信号としたことを特徴とする
    請求項1に記載のビーム照射装置。
  8. 【請求項8】 上記第1のフォーカス制御機構が、上記
    収束レンズを保持し、正圧エアー及びフ圧エアーによっ
    て位置制御されるエアーパッドにて構成されたことを特
    徴とする請求項1に記載のビーム照射装置。
  9. 【請求項9】 上記第1のフォーカス制御機構が、上記
    収束レンズを保持し、正圧エアー及び負圧エアーによっ
    て位置制御されるエアーパッドにて構成され、 上記第2のフォーカス制御機構が、電気的駆動による制
    御機構によって構成されたことを特徴とする請求項1に
    記載のビーム照射装置。
  10. 【請求項10】 上記エアーパッドの底部に設けられた
    エアー供給口がエアー吸引口より外側に配置されたこと
    を特徴とする請求項8又は請求項9に記載のビーム照射
    装置。
  11. 【請求項11】 収束レンズのフォーカス制御装置であ
    って、 上記収束レンズを被照射体の面上に浮上させる正圧エア
    ー供給手段と、 上記収束レンズを上記被照射体の面側に吸い寄せる負圧
    エアー吸引手段とを備えたことを特徴とするフォーカス
    制御装置。
  12. 【請求項12】 収束レンズを保持し、正圧エアー及び
    負圧エアーによって位置制御される第1の制御機構と、 上記収束レンズを電気的駆動素子により上記収束レンズ
    を駆動し、焦点位置を補正する第2の制御機構とを有す
    ることを特徴とするフォーカス制御装置。
  13. 【請求項13】 上記正圧エアーの供給口が上記負圧エ
    アーの吸引口より外側に配置されて構成されたことを特
    徴とする請求項11又は請求項12に記載のフォーカス
    制御装置。
  14. 【請求項14】 上記収束レンズもしくはその支持部分
    と、上記被照射体との間隔を、静電容量として検出し
    て、該検出信号を上記第2のフォーカス制御機構に対す
    るフォーカス制御信号としたことを特徴とする請求項1
    に記載のビーム照射装置。
  15. 【請求項15】 上記収束レンズもしくはその支持部分
    と、上記被照射体との間隔を、レーザービームドップラ
    ー法によって検出して、該検出信号を上記第2のフォー
    カス制御機構に対するフォーカス制御信号としたことを
    特徴とする請求項1に記載のビーム照射装置。
  16. 【請求項16】 上記収束レンズもしくはその支持部分
    と、上記被照射体との間隔を、レーザー変位計によって
    検出して、該検出信号を上記第2のフォーカス制御機構
    に対するフォーカス制御信号としたことを特徴とする請
    求項1に記載のビーム照射装置。
  17. 【請求項17】 上記被照射体が、回転円板であること
    を特徴とする請求項1に記載のビーム照射装置。
  18. 【請求項18】 上記被照射体が、フォトレジスト層が
    塗布された情報記録媒体用原盤の基板であって、上記フ
    ォトレジスト層に、上記ビームがフォーカシングするよ
    うになされたことを特徴とする請求項1に記載のビーム
    照射装置。
  19. 【請求項19】 上記ビームの収束レンズが、2群レン
    ズであることを特徴とする請求項1に記載のビーム照射
    装置。
  20. 【請求項20】 上記被照射体が、上記収束レンズを構
    成するレンズの最終端面近傍において近接場領域まで接
    近して配置されたことを特徴とする請求項1に記載のビ
    ーム照射装置。
  21. 【請求項21】 上記被照射体が、上記収束レンズを構
    成するレンズの最終端面との間隔が、上記ビームの波長
    をλ、円周率をπ、収束レンズの開口数をN.A.(>
    1.0)とするとき、 とすることを特徴とする請求項1に記載のビーム照射装
    置。
  22. 【請求項22】 上記収束レンズの最終段のレンズが、
    SIL(Solid Immersion Lens) 又はSIM(Solid Im
    mersion Mirror)によって構成されたことを特徴とする
    請求項1に記載のビーム照射装置。
  23. 【請求項23】 ビーム発生源と、該ビーム発生源から
    のビームを収束する収束レンズとを具備するビーム照射
    装置を有し、 上記収束レンズによって上記ビームを情報記録媒体に対
    してフォーカシングするように、該収束レンズもしくは
    該収束レンズを構成する同一レンズ系に対して、上記ビ
    ームのフォーカス位置をそれぞれ制御する少なくとも第
    1および第2のフォーカス制御機構を重複して設けたこ
    とを特徴とする情報記録媒体に対するビーム照射装置を
    有する光学装置。
  24. 【請求項24】 上記第1のフォーカス制御機構が、低
    周波数帯域におけるフォーカス制御を行う制御機構によ
    り構成され、上記第2のフォーカス制御機構が、高周波
    数帯域におけるフォーカス制御を行う制御機構により構
    成されたことを特徴とする請求項17に記載のビーム照
    射装置を有する光学装置。
  25. 【請求項25】 上記第1および第2のフォーカス制御
    機構が一部の帯域においてのみ重なる異なる周波数帯域
    におけるフォーカス制御を行う制御機構により構成され
    たことを特徴とする請求項23に記載の情報記録媒体に
    対するビーム照射装置を有する光学装置。
  26. 【請求項26】 上記第1のフォーカス制御機構が、高
    圧エアーによる圧力制御機構によって構成され、上記第
    2のフォーカス制御機構が、電気的駆動による制御機構
    によって構成されたことを特徴とする請求項23に記載
    の情報記録媒体に対するビーム照射装置を有する光学装
    置。
  27. 【請求項27】 上記第1のフォーカス制御機構が、上
    記収束レンズを保持し、その位置制御を行うアクチュエ
    ータを、常時高圧エアーによって浮上させるフォーカス
    制御機構によって構成され、上記第2のフォーカス制御
    機構が、電気的駆動による上記アクチュエータを微調整
    するフォーカス制御機構によって構成されたことを特徴
    とする請求項23に記載の情報記録媒体に対するビーム
    照射装置を有する光学装置。
  28. 【請求項28】 上記ビームとは別のフォーカス検出用
    ビームを、上記収束レンズに、該収束レンズの軸から離
    軸させて入射させて上記情報記録媒体に照射し、該情報
    記録媒体からの戻り光の振れ角を検出して該検出信号を
    上記第2のフォーカス制御機構に対するフォーカス制御
    信号としたことを特徴とする請求項23に記載の情報記
    録媒体に対するビーム照射装置を有する光学装置。
  29. 【請求項29】 上記ビームの上記情報記録媒体からの
    戻り光の一部または全部に非点収差を付与してそのスポ
    ット形状を検出して該検出信号を上記第2のフォーカス
    制御機構に対するフォーカス制御信号としたことを特徴
    とする請求項23に記載の情報記録媒体に対するビーム
    照射装置を有する光学装置。
  30. 【請求項30】 上記収束レンズもしくはその支持部分
    と、上記情報記録媒体との間隔を、静電容量として検出
    して、該検出信号を上記第2のフォーカス制御機構に対
    するフォーカス制御信号としたことを特徴とする請求項
    23に記載の情報記録媒体に対するビーム照射装置を有
    する光学装置。
  31. 【請求項31】 上記収束レンズもしくはその支持部分
    と、上記情報記録媒体との間隔を、レーザービームドッ
    プラー法によって検出して、該検出信号を上記第2のフ
    ォーカス制御機構に対するフォーカス制御信号としたこ
    とを特徴とする請求項23に記載の情報記録媒体に対す
    るビーム照射装置を有する光学装置。
  32. 【請求項32】 上記収束レンズもしくはその支持部分
    と、上記情報記録媒体との間隔を、レーザー変位計によ
    って検出して、該検出信号を上記第2のフォーカス制御
    機構に対するフォーカス制御信号としたことを特徴とす
    る請求項23に記載の情報記録媒体に対するビーム照射
    装置を有する光学装置。
  33. 【請求項33】 上記ビームの収束レンズが、2群レン
    ズであることを特徴とする請求項23に記載の情報記録
    媒体に対するビーム照射装置を有する光学装置。
  34. 【請求項34】 上記情報記録媒体が、上記収束レンズ
    を構成するレンズの最終端面近傍において近接場領域ま
    で接近して配置されたことを特徴とする請求項23に記
    載の情報記録媒体に対するビーム照射装置を有する光学
    装置。
  35. 【請求項35】 上記情報記録媒体が、上記収束レンズ
    を構成するレンズの最終端面との間隔が、上記ビームの
    波長をλ、円周率をπ、収束レンズの開口数をN.A.
    (>1.0)とするとき、 とすることを特徴とする請求項23に記載の情報記録媒
    体に対するビーム照射装置を有する光学装置。
  36. 【請求項36】 上記収束レンズの最終段のレンズが、
    SIL(Solid Immersion Lens) によって構成されたこ
    とを特徴とする請求項23に記載の情報記録媒体に対す
    るビーム照射装置を有する光学装置。
  37. 【請求項37】 微細凹凸が形成された情報記録媒体を
    作製する情報記録媒体用原盤の製造方法であって、 上記原盤の基板上に塗布されたフォトレジスト層に対し
    て光ビーム、電子ビーム、イオンビームの少なくともい
    づれかのビームを発生するビーム発生源と、該ビーム発
    生源からのビームを収束する収束レンズとを具備するビ
    ーム照射装置を用いて露光処理する露光工程と、 上記フォトレジスト層に対する現像処理を行う現像処理
    工程とを経て情報記録媒体用原盤を得ることを特徴とす
    る情報記録媒体用原盤の製造方法。
  38. 【請求項38】 微細凹凸が形成された情報記録媒体の
    製造方法であって、 原盤の製造工程と、該原盤によってスタンパーを製造す
    る工程と、該スタンパーにより情報記録媒体を形成する
    工程とを有し、 上記原盤の製造工程は、該原盤の基板上に塗布されたフ
    ォトレジスト層に対して光ビーム、電子ビーム、イオン
    ビームの少なくともいづれかのビームを発生するビーム
    発生源と、該ビーム発生源からのビームを収束する収束
    レンズとを具備するビーム照射装置を用いて露光処理す
    る露光工程と、上記フォトレジスト層に対する現像処理
    を行う現像処理工程とを有することを特徴とする情報記
    録媒体の製造方法。
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