JP2001194659A - 薄膜トランジスタ一体型カラーフィルターの製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタ一体型カラーフィルターの製造方法

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JP2001194659A JP2000067364A JP2000067364A JP2001194659A JP 2001194659 A JP2001194659 A JP 2001194659A JP 2000067364 A JP2000067364 A JP 2000067364A JP 2000067364 A JP2000067364 A JP 2000067364A JP 2001194659 A JP2001194659 A JP 2001194659A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カラーフィルターと薄膜トランジスタを形
成した基板との位置合わせを不要とし、工程数も少な
く、高解像度で制御性も高く、低コストで高性能な液晶
表示素子用の薄膜トランジスタ一体型カラーフィルター
の製造方法を提供する。 【解決手段】 透明基板上に薄膜トランジスタと透明
導電膜を配列形成して液晶表示用基板を製造する工程
と、該液晶表示用基板を、着色剤を含む水系の電着液に
接触させて通電し、電気化学的に水素イオン濃度を変化
させて該液晶表示用基板の透明導電膜上に着色剤を析出
させて、導電性の着色電着膜を形成する工程と、を含
む。この電着膜形成工程を、着色剤の色相を変えて繰り
返すことで薄膜トランジスタ一体型カラーフィルターが
形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CCDカメラや液晶
表示素子なの各種表示素子やカラーセンサーに使用され
るカラーフィルターの形成技術に関するものであり、着
色層やブラックマトリクスの製造方法に関する。具体的
には、着色層やブラックマトリクスを簡便にしかも高解
像度で形成する新カラーフィルターの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、 カラーフィルターの製造方法とし
ては、(1)染色法、(2)顔料分散法、(3)印刷
法、(4)インクジェット法、(5)電着法、(6)ミ
セル電解法などが知られている。これらのうち、(1)
染色法及び(2)顔料分散法はいずれも技術の完成度は
高く、カラー固体撮像素子(CCD) に多用されているが、
フォトリソグラフィの工程を経てパターニングする必要
があり、工程数が多くコストが高いという問題がある。
これに対して、(3)印刷法、(4)インクジェット法
はいずれもフォトリソグラフィ工程を必要としないが、
(3)印刷法は顔料を分散させた熱硬化型の樹脂を印刷
し、硬化させる方法であり、解像度や膜厚の均一性の点
で劣る。(4)インクジェット法は特定のインク受容層
を形成し、親水化・ 疎水化処理を施した後、親水化され
た部分にインクを吹きつけてカラーフィルター層を得る
方法であり、解像度の点、さらに、隣接するフィルター
層に混色する確率が高く、位置精度の点でも問題があ
る。
【0003】前記の各方法によるカラーフィルターは一
般的にはTFT基板と対向するITO基板側に形成され
る。しかし、この位置にフィルターが形成されると、液
晶を封入した後、TFT基板とカラーフィルター基板を
位置合わせする必要があり、高い精度を得るためには困
難が伴い、コスト上昇の原因となっている。
【0004】(5)電着法は、水溶性高分子に顔料を分
散させた電解溶液中で、予めパターニングした透明電極
上に70V 程度の高電圧を印加し、電着膜を形成すること
で電着塗装を行い、これを3 回繰り返しR.G.B.のカラー
フィルター層を得る。この方法は、予め、透明電極をフ
ォトリソグラフィーによりパターニングする必要があ
り、これを電着用の電極として使用するため、パターン
の形状が限定されTFT液晶用には使えないという欠点
がある。また、TFT液晶基板の画素電極に電着でカラ
ーフィルターを一体形成できれば新たにパターニングす
る必要がないが、従来の電着法では電着電圧が高く、透
明画素電極にアクティブマトリクス回路で電着を起こさ
せるのは非常に困難であり、TFTの画素電極を利用し
た電着は不可能であった。また、カラーフィルター層が
絶縁性になるため駆動電圧が上昇する等の理由で利用で
きない。
【0005】例えば、特開平5−5874号公報には、
TFT基板側にカラーフィルターを一体形成する技術が
提案されている。しかし、通常の電着技術で作製した電
着膜は絶縁性であり液晶駆動用の画素電極上にカラーフ
ィルターを作製した場合には、液晶の駆動電圧が上昇し
てしまい利用できない。また、通常の電着膜には界面活
性剤と等の不純物が含まれることから色純度や透過率が
低下したり、膜中に含まれるアルカリ金属からTFT回
路を保護する必要があった。さらに、通常のTFT駆動
回路を利用して直接画素電極に電着することができない
ため、高耐圧のTFTが必要であった。このようなこと
から、これまでカラーフィルター基板とTFT基板を一
体形成して利用する方法が実用化できなかったのであ
る。
【0006】(6)ミセル電解法は電着法の一種である
が、析出材料として用いるフェロセンの酸化還元を利用
するため電着に必要な電圧が低く、TFT液晶基板側に
電着によるカラーフィルターを一体形成できる。しか
し、ミセル電解法で形成される薄膜は、その形成工程に
不可欠のフェロセンや界面活性剤等が析出時に取り込ま
れることにより不純物として混入してしまうため、形成
されたカラーフィルターの透明性が悪くなり、色純度も
悪く、抵抗の高い膜となる。また、電着に必要な時間が
数十分を要するなど長時間となり製造効率が悪く、必須
の電解成分であるフェロセン化合物が非常に高価であ
り、コストの点で問題があった。
【0007】また、一般にカラーフィルターはカラーフ
ィルター層だけでは使えず、各カラーフィルター画素間
をブラックマトリクスで覆う必要がある。通常、ブラッ
クマトリクスの形成にはフォトリソグラフィーが使われ
ており、コストアップの大きな要因の一つである。従っ
て、R.G.B.層とブラックマトリクスを含めて考えると、
高解像度で、制御性も高く、さらにフォトリソグラフィ
ーを使用しなくてすみ工程数も少ない、カラーフィルタ
ーの製造方法は知られていないのが現状であり、カラー
フィルターの製造において、歩留りが上がらずコストが
高い原因となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、薄膜
トランジスタ(以下、適宜、TFTと称する)を形成し
た基板側にカラーフィルターを電着法により一体形成す
ることで、カラーフィルターとTFT基板との位置合わ
せを無くし、工程数が少なく、低コストで、開口率が大
きく高解像度で制御性の高い、高性能な液晶表示素子用
の薄膜トランジスタ一体型カラーフィルターを製造しう
る製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明者らは電着技術そのものを原理的な処から
改めて見直した。そして、我々が先に光電着技術として
提案したフィルターの製造方法に用いた、水溶性であっ
て、酸化状態、中性状態及び還元状態で水への溶解度が
大きく変化する化合物に着目し、これらの電着材料が本
発明の如きTFT基板上にカラーフィルターを形成する
際にも、前述の如き問題を生じることなく、好適に使用
し得ることを見出し、本発明を完成した。ここで利用し
ている水溶液のpHの変化は、一般に水の電気分解を介
して発生する。このため電着に必要な電圧の開始点は水
の酸化還元電位であり、従来電着に必要であった電圧よ
り非常に低い電圧で電着膜が製膜されるのである。本発
明者らがここで提案する導電性の電着膜及びその関連技
術は、上記知見に基づくものであり、その画像形成方法
の概要はTFT回路を持つ透明半導体画素電極上に、導
電性のカラーフィルター層をTFT回路をそのまま利用
して選択的に3色のカラーフィルター層を一体形成する
ことが特徴である。
【0010】即ち、本発明の薄膜トランジスタ一体型カ
ラーフィルターの製造方法は、透明基板上に薄膜トラン
ジスタと透明導電膜を配列形成して液晶表示用基板を製
造する工程(以下、「透明基板製造工程」ということが
ある。)と、該液晶表示用基板を、着色剤を含む水系の
電着液に接触させて通電し、電気化学的に水素イオン濃
度を変化させて該液晶表示用基板の透明導電膜上に着色
剤を析出させて、導電性の着色電着膜を形成する工程
(以下、「電着膜形成工程」ということがある。)とを
含むことを特徴とする。電着膜形成工程において、液晶
表示用基板を水系の電着液に接触させる場合、該液晶表
示用基板の少なくとも透明導電膜を水系の電着液に接触
させて行う。
【0011】本発明は、薄膜トランジスタと透明導電膜
を配列形成してなる透明基板を用いて、そのアクティブ
マトリクス回路を利用してレッド(R)、グリーン
(G)、ブルー(B)の3色のうち、所定の領域のみ1
色目のカラーフィルター層を電着で形成し、これを各色
について繰り返すことで3色のフルカラーのカラーフィ
ルターをTFT基板の画素電極(透明導電膜)上に形成
するため、簡易な方法で各画素毎にカラーフィルターが
形成され、しかも、TFT基板上に直接形成されるた
め、液晶表示に使用する際に位置合せが不要になる。
【0012】ここで、電着膜形成時にTFT回路を保護
するという観点からは、液晶表示用基板上にフォトレジ
ストを塗布し、透明電極が形成されてない側から光を入
射してエッチングすることで所定の領域のみ透明導電膜
を露出させる工程を含むことが好ましい。この態様によ
れば、露出した透明導電膜部分のみが電着液と接触し、
その所定の電極を駆動させて、その部分のみ電着膜を形
成することができ、それ以外の部分は、レジストにより
保護されることになる。このとき、ポジ型の黒色レジス
ト材料を用いれば、その部分がブラックマトリクスとな
る。また、同様の保護手段として、形成した薄膜トラン
ジスタ上に保護層を設けて絶縁膜となし、保護層を設け
ずに露出した状態の透明導電膜の所定の電極を駆動させ
て、所定の部分のみに着色電着膜を形成させることもで
きる。
【0013】また、ブラックマトリクスは、前記いずれ
かの製造方法により、カラーフィルターを形成した後、
絶縁性のブラックマトリクスを形成する工程を別に設け
て形成することもできる。前記の如く、あらかじめ透明
のフォトレジストを設けてカラーフィルターを形成する
場合、その後、レジストを除去し、絶縁保護層を設けて
カラーフィルターと薄膜トランジスタの両方から絶縁し
て、この保護層上にブラックマトリクスを形成する、ブ
ラックマトリクス形成工程を施すことも可能である。
【0014】本発明の製造方法において、薄膜トランジ
スタと透明導電膜を配列形成する際に、電極を低反射の
材料を用いて作製することにより、該電極部分にブラッ
クマトリクスと同様の機能を持たせることもでき、この
場合には、ブラックマトリクスの形成工程は不要にな
る。同様に、薄膜トランジスタと透明導電膜を配列形成
する際に、電極を低反射の材料を用いて作製し、該電極
にさらに絶縁層を設けた後、画素電極を形成すること
で、該電極及び電極ラインにブラックマトリクスと同様
の機能を持たせることもできる。
【0015】本発明のカラーフィルターの製造方法にお
いて、電着膜形成用の電着液に用いる電着材料は、カル
ボキシル基を有し、水素イオン濃度の変化によって溶解
度が変化して析出する性質を持つ電着性色素あるいは電
着性高分子を含有することが好ましい。ここで、色素自
体が電着性を有する場合には、色相調整の目的以外では
特に着色剤の併用を必要としないが、無色或いは単色の
電着性高分子を用いる場合には、所望の色相を有する着
色剤と併用する必要がある。この電着性高分子として
は、疎水基と親水基を有するモノマーの共重合体であ
り、疎水基数と親水基数の総数に対する疎水基数の割合
が40%以上80%以下である電着性高分子、或いは、
親水基を有するモノマーの共重合体であり、該親水基数
の50%以上が水素イオン濃度の変化によって溶解度が
変化しうる電着性高分子であることが好ましい。
【0016】本発明の製造方法において、導電性のカラ
ーフィルター層を形成する目的からは、電着液中に導電
性の高い着色剤や透明な導電材料の微粒子などを添加、
分散する方法や、TFT回路に影響を及ぼさない塩を導
電材として添加し、混合分散させる方法などをとればよ
い。詳細には、導電性の高い着色剤を用いる際に、導電
性着色剤と電着性高分子または透明導電性微粒子を混合
した着色剤と電着性高分子との比率を重量%濃度で導電
性着色剤または透明導電性微粒子を混合した着色剤1に
対して電着性高分子を1.5以下の割合で用いて、導電
性材料の比率を多くする方法が好ましい。このような導
電性のカラーフィルター層の別の態様としては、前記し
た如き手段により導電性の電着膜を形成した後、電着膜
中に水分を含んだ状態で該電着膜上に保護層を形成し、
電着膜中を電荷が移動できるようになした態様が挙げら
れる。
【0017】本発明の製造方法において、TFTの駆動
回路、具体的にはゲート電圧を印加した状態でソース電
極に電圧を印加すると画素電極に電圧が印加されるが、
TFTの内部抵抗によって電圧降下が生じてしまい電着
液と画素電極との間には十分な電圧が印加されなくなる
ため、ソース電極に印加する電圧は必然的に高くなって
しまう。しかしながら、本発明の製造方法で用いている
電着方法は、従来技術に必要な電着電圧の数十分の1程
度の2V程度でも電着されるため、ソース電極に印加す
る電圧は20V程度以下で画素電極(透明導電膜)に電
着膜の形成が可能である。
【0018】また、前記透明基板形成工程において、薄
膜トランジスタの形成にあたり、電極に2層及び3層の
Cr等の反射率の低い金属材料を用いることにより、開
口率が大きくて明るい液晶表示素子を実現することがで
き、ブラックマトリクスを不要にして開口率を極限まで
高めることが可能となる。
【0019】水系電着液では、従来、電着液中における
十分な導電度を確保する目的で、アルカリ土類金属やア
ルカリ金属を含む無機アルカリ材が使用されてきたが、
該無機アルカリ材を用いた電着液には多量の無機金属イ
オンが含まれるため、TFTの動作特性自体に悪影響を
与える傾向がある。従って、本発明のようにTFTを備
えた液晶表示用基板を電着用基板として用いる場合に
は、TFTの動作特性を損なうことなく、高解像度のカ
ラーフィルタを安定に形成する観点から、有機アルカリ
材を用いることが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明の薄膜トランジスタ一体型カラーフィルタ
ーの製造方法には、低い電圧で電着可能な電着材料を用
いることが重要である。このような材料としては、水素
イオン濃度の変化により、溶解、析出が可逆的に生じる
材料が好ましく挙げられる。即ち、アルカリ性あるいは
酸性で溶解度が低下し析出する分子が好ましい。析出す
る分子は色素の如き着色剤自身であってもよく、あるい
は透明な高分子材料でアルカリ性あるいは酸性で析出す
る性質を持つものであってもよいが、析出する材料が透
明或いは単色の場合は、着色剤をこの高分子に分散させ
て使用する。着色剤を高分子とともに分散させて使用す
る場合には、染料だけではなく、顔料も使用できる。カ
ラーフィルターとして利用する場合には、耐光性が高い
ことから、水性高分子に顔料を分散させたものを利用す
るほうが望ましい。
【0021】このような電着材料としての高分子の一例
として、カルボキシル基を有する水溶性アクリル樹脂を
例にとって説明する。この材料は、弱アルカリ性水(p
H=8〜9)に容易に溶解し、アニオンとして水溶液中
に存在するがpHが7以下になると不溶化して析出する
性質を持つ。この水溶液中に白金電極を浸し通電する
と、陽極付近では水溶液中のOH-イオンが消費されて
2になり、水素イオンが増えてpHが低下する。これ
は、陽極付近でホール(p)とOH-イオンとが結び付
く次のような反応が起こるためである。2OH-+2p+
→ 1/2(O2)+H2Oこの反応が起こるには、
一定の電圧が必要であり、反応の進行に伴って水溶液中
の水素イオン濃度が増えてpHが低下するのである。従
って、ある一定以上の電圧を印加すると、電極の陽極側
では水溶性アクリル樹脂の溶解度が低下して不溶化し、
電極上に薄膜が形成されるのである。
【0022】本発明における電着膜形成工程は、このよ
うな水の酸化還元電位を利用するものである。したがっ
て、非常に低い電圧で電着膜の形成が可能になる。公知
の電着を用いた基板形成技術、例えば、特開平5−119209
号公報(「カラーフィルター製造方法及びカラーフィル
ター製造用の電着基板」、大日本印刷)や、特開平 5−15
7905号公報(「カラーフィルター製造方法」)に記載され
ている電着材料では、本質的に高分子の酸化還元反応を
利用しているために、電着電圧を低くできず、電着電圧
は20Vから100Vと高くなっているため、このよう
な材料では本発明の如きTFT回路への適用は不可能で
ある。
【0023】フィルター用電着材料の構造としては、イ
オン解離する親水基と水に対する不溶化を促進させる疎
水基とを有する分子を最小モノマー単位にした共重合体
により構成され、ランダム重合の高分子材料が好まし
い。その重合された電着材料のモノマー単位の疎水基数
が親水基と疎水基の総数の割合が40%から80%の範
囲に構成されたものであり、より好ましくは55%から
70%の範囲に構成されたものが特に電着析出効率が高
く、低い電着電位で膜形成できる電着特性を示し、電着
液の液性も安定している。さらに、この電着材料におけ
るモノマー単位の親水基数の50%以上、より好ましく
は75%以上がpHの変化により親水性から疎水性に溶
解度が変化する電着性高分子で構成されたものが好まし
い。このような官能基を有するポリマーは水素イオン濃
度の変化によって水に対する溶解度が変化する。この電
着材料のモノマー単位の疎水基数が親水基と疎水基の総
数の割合が40%未満のものは、電着時に形成された電
着膜が再溶解し易くなった。そして電着材料の疎水基数
が親水基と疎水基の総数における割合が80%以上の場
合は、水系液体への溶解性が不十分となり、電着液が濁
ったり、電着材料の沈殿物が生じたり、電着液の粘度が
上昇したりする問題があった。
【0024】フィルター用電着材料の構造内の疎水基
は、色材として用いる有機顔料に対し親和性が強く吸着
能力があり良好な顔料分散機能を付与させることから、
高透過率のカラーフィルターの作製を容易にする。ま
た、この電着材料の酸価は、60から300の範囲で良
好な電着特性が得られる。特に90から195の範囲で
より良好な電着特性となる。電着材料の酸価が60以下
では、水系液体への溶解性が不十分となり、電着液の固
形分濃度を適正値まで上げることが出来なくなったり、
液体が濁ったり沈殿物が生じたり、液粘度が上昇したり
し問題が生じる。また、電着材料の酸価が300以上で
は、形成された膜が再溶解しやすい。さらに、この電着
材料が溶解した状態の電着液は、pH値の変化に対して
沈殿を生じる状態変化が急峻に生じることと、再溶解し
にくいというヒステリシス特性が必要である。この特性
により、通電による急峻なpH変化に対しても瞬時に薄
膜が形成され、電着液への再溶解が困難となり薄膜が形
成されるのである。
【0025】本発明の製造方法において、電着材料に使
われる親水基を含むモノマー材料としては、メタクリル
酸、アクリル酸、メタクリル酸ヒドロキシエチル、アク
リルアミド、無水マレイン酸、無水トリメリト酸、無水
フタル酸、ヘミメリット酸、コハク酸、アジピン酸、プ
ロピオル酸、プロピオン酸、フマル酸、イタコン酸、な
どおよびこれらの誘導体用いられる。特に、メタクリル
酸、アクリル酸はpH変化による電着効率が高く、有用
な親水性モノマー材料である。また、電着材料に使われ
る疎水基を含むモノマー材料としては、アルキル基、ス
チレン基、α−メチルスチレン基、α−エチルスチレン
基、メタクリル酸メチル基、メタクリル酸ブチル基、ア
クリロニトリル基、酢酸ビニル基、アクリル酸エチル
基、アクリル酸ブチル基、メタクリル酸ラウリル基、な
どおよびこれらの誘導体が用いられる。特に、スチレン
基、α−メチルスチレン基は疎水性が強いために、再溶
解に対するヒステリシス得やすく有用な疎水性モノマー
材料となっている。ここで利用される電着性高分子は、
このような親水基と疎水基を含む分子を前記の比率で共
重合した高分子材料であり、各親水基及び疎水基の種類
は1種に限定されるものではない。重合度は、6,00
0から25,000のものが良好な電着膜を得る高分子
材料となる。より好ましくは、重合度が9,000から
20,000の材料である。重合度が6,000より低
いと再溶解し易くなる。重合度が25,000より高い
と、水系液体への溶解性が不十分となり、液体が濁った
り沈殿物が生じたりて問題を生じる。
【0026】本発明において利用される着色剤として
は、顔料や染料が挙げられる。このとき、着色剤自体は
電着性の有無に関わらず利用できる。即ち、着色剤自体
に電着性がある例としては、例えば、フルオレセイン系
の色素であるローズベンガルやエオシンはpH=4以上
では還元状態をとり水に溶けるが、それ以下では酸化さ
れて中性状態となり沈殿する。同様にジアゾ系のPro Je
t Fast Yellow2や、ある種の水溶性アクリル樹脂はpH6
以上では水に溶けるが、それ以下では沈殿する。これら
の分子を純水中に溶解し、溶液中に電極を浸し電圧を印
加すると、陽極側の電極上にこれらの分子からなる電着
膜が生成される。これらの電着膜は、逆電圧を印加する
かpH=10〜12の水溶液に浸すことで、水溶液中に
再溶出させることができる。このように、ローズベンガ
ルやエオシンやPro Jet Fast Yellow2は単体で電着膜形
成能力がある材料である。このような色素は単体として
着色電着膜の形成に用いることができる。また、本発明
者らが、光電着方法に適する材料として先に、特願平9
−268642号、特願平9−329798号として提
案した明細書に記載の着色剤なども用いることができ
る。
【0027】一方、公知の顔料や染料を着色剤として用
いる場合には、先に述べたような無色或いは淡色の高分
子電着材料と併用することにより、電着膜形成時に、製
膜能力がある材料に取り込まれて、着色電着膜が形成さ
れるのである。ここで、顔料を用いる場合には、フィル
ターの透明性及び分散性の観点から、粒径が、0.1μ
m以下であるものが好ましい。
【0028】電着材料と着色剤のくみ合わせは、電着膜
の形成効果を損なわない限りにおいて任意であり、2種
類以上のアニオン性分子の混合物や2種類以上のカチオ
ン性分子の混合物のような同極性分子の混合物や、アニ
オン性分子とカチオン性分子の混合物のような異極性分
子の混合物や、染料と顔料の混合物や高分子と顔料の混
合物などなまざまな混合物も使用できる。二種以上の着
色剤を用いれば、任意の混合色が得られることになる。
【0029】電着材料として混合物を用いる場合には、
少なくとも1種類以上の分子は単体でpHの変化によっ
て溶解度が変化し薄膜が形成される電着性を持っている
必要がある。このように1種が電着性の物質であれば、
単体では薄膜形成能力が無い種々の材料を電着液中に分
散すれば、電着膜形成時には電着性がある材料に取り込
まれて、フィルター中に固定されることになる。
【0030】電着液に混合する材料はイオン性があって
も無くてもよい。また、イオンの極性も問わない。例え
ば、2種類のイオンを混合した場合について考えてみ
る。一般に、塩基性溶液と酸性溶液を混合すると中和し
て錯体など別の析出物を生じて沈殿する。このため、2
種類の色素を混合して混合色を出す場合には無極性の顔
料を使うか、同極性の材料を分散させるのが一般的であ
る。ところが、ある種の染料同士では、錯体が形成され
ずイオンが共存した状態を取る。この場合には、塩基性
溶液と酸性溶液を混合しても析出物を抑えることがで
き、イオンの極性によらず使用することができる。
【0031】本発明で用いる水系の電着液としては、水
系溶媒にアルカリ材を含む溶液を用い、これに少なくと
も着色剤を含む電着材料を溶解又は分散させて用いる。
前記水系溶媒とは、水を主成分とし、所望により本発明
の効果を損なわない範囲でアルコール等の水と親和性の
ある他の溶剤や、種々の塩及び添加剤等を添加した溶媒
をいう。ここで、前記アルカリ材としては、無機金属イ
オンを含む無機アルカリ化合物(例えば、炭酸ナトリウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、無機金属
イオンを含まない有機アルカリ化合物やその塩(有機
塩)が挙げられるが、TFTを備えた液晶表示用基板を
用いる場合には、該TFTの動作特性への悪影響を回避
する観点から、有機アルカリ化合物やその塩が好まし
い。上記無機金属イオンとは、アルカリ金属イオン、ア
ルカリ土類金属イオンをいう。
【0032】前記有機アルカリ材及びその塩(有機塩)
としては、例えば、アンモニウム化合物やその塩等が挙
げられ、二種以上を併用してもよい。前記アンモニウム
化合物及びその塩としては、原子団NH4 +(アンモニウ
ム)のほか、そのHが炭化水素基などで置換された有機
アンモニウム化合物、及びこれらの塩が挙げられる。
【0033】前記アンモニウム化合物及びその塩のう
ち、具体的には、アンモニウム(NH 4 +)、有機アンモ
ニウム化合物としてR4+型の第4アンモニウム化合物
(テトラアルキルアンモニウム化合物)、及びテトラア
ルキルアンモニウム化合物の塩が好ましく、中でも、テ
トラメチルアンモニウム((CH3)4+)、テトラエチ
ルアンモニウム((C25)4+)、テトラアルキルア
ンモニウムヒドロキシド(R4N−OH)がより好まし
い。前記テトラアルキルアンモニウムヒドロキシドとし
ては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド((CH
3)4NOH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド
((C25)4NOH)が最も好ましい。
【0034】前記アンモニウム化合物及びその塩は、市
販品であっても、適宜製造して得られたものであっても
よく、水系電解液を構成する水系溶媒と溶解混合し適当
な濃度のアンモニウム化合物水溶液として使用すること
ができ、これを電着材料を溶解する溶媒として用いるこ
ともできる。また、水系溶媒に、電着材料を溶解した後
若しくは溶解しながら、前記アンモニウム化合物又はそ
の塩を添加してもよい。
【0035】電着法により形成されるカラーフィルター
層に導電性を持たせる場合には、導電性の顔料を用いる
方法や、透明な導電性材料の微粒子を分散する方法が挙
げられる。分散状態を維持するためには導電性材料微粒
子の粒径が0.1μm以下であることが必要があり、粒
径が大きいと安定に分散されない。導電性の顔料として
は、具体的には、カーボン、フタロシアニン、ペリレン
等が挙げられ、透明な導電性材料としては、具体的には
TiO2、SnO2、ZnO、In23、ITO等が挙げ
られる。また、電着膜中に薄膜トランジスタの特性に影
響を与えない塩、例えば、テトラアルキルアンモニウム
塩や塩化アンモニウム等を添加する方法や、形成した電
着膜が水分を含んだ状態で、表面に保護層を形成する方
法などが挙げられる。
【0036】次に電着液の導電率ついて述べる。導電率
は我々の実験によると電着スピードいいかえれば、電着
量に関連しており、導電率が高くなればなるほど一定時
間に付着する電着膜の膜厚が厚くなり約20mS/cm
2で飽和する。従って、電着性高分子や電着性の色素イ
オンだけでは導電率が足りない場合には電着に影響を与
えないイオン、例えばNH4 +イオンやCl-イオンを加
えてやることで電着スピードをコントロールすることが
できる。通常、電着液は、支持塩を加えて導電率を高め
る。電気化学で、一般的に使われる支持塩はNaCl、
やKCl等のアルカリ金属塩や、塩化アンモニウム等の
ハロゲン系アンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム
パークロレート(Et4NClO4)、テトラメチルアン
モニウムクロライド(Me4Cl)等のテトラアルキル
アンモニウム塩が用いられる。しかし、薄膜トランジス
タとの積層を考える場合には、アルカリ金属は薄膜トラ
ンジスタの特性に悪影響を及ぼすために利用できない。
そこで、本発明の方法においては、NH4Cl等のハロ
ゲン系のアンモニウムイオンやEt4NClO4、n−B
4NClO4、Et4NBF4、Et4NBr、n−Bu4
NBr等のテトラアルキルアンモニウム塩を用いること
が好ましい。このような化合物は電着膜中に存在して
も、トランジスタ特性に悪影響を及ぼさないためであ
る。
【0037】また、水溶液のpHも当然ながら電着膜の
形成に影響する。例えば、電着膜形成前には色素分子の
溶解度が飽和するような条件で電着膜形成を行えば膜形
成後には再溶解しにくい。ところが、未飽和状態の溶液
のpHで電着膜の形成を行うと、電着膜が形成されて
も、通電をやめた途端に膜が再溶解し始める。従って、
溶解度が飽和するような溶液のpHで電着膜の形成を行
うほうが望ましい。従って、所望のpHに酸やアルカリ
を用いて調整する必要がある。この場合も、前記と同様
の理由で、無機のアルカリは使用できない。従って、ア
ミン系や、アンモニア系の有機アルカリ剤が使用され
る。特に、テトラメチルハイドロオキサイドはフォトレ
ジストのエッチング液として多用されており、薄膜トラ
ンジスタとの相性がよいため好適に利用できる。
【0038】次に、薄膜トランジスタ(TFT)とカラ
ーフィルターを同一基板上に形成する方法について述べ
る。カラーフィルターの形成には、TFT駆動回路を利
用して所定の画素のみに所定の色のカラーフィルター層
を電着法で形成する方法が従来から知られている。この
方法は、例えば、特開平5−5874号公報に詳細に記
載されている。しかし、この方法ではTFT駆動回路の
内部抵抗が考慮されおらず、実際には、TFTの内部抵
抗による電圧降下によって電着に必要な電圧が画素電極
と電着液との間に印加されなくなる。従って、電着に必
要な電圧を得るには、より大きな外部電圧を印加しなけ
ればならなくなるが、本発明に使用される如きTFT回
路には大きな電圧を印加したり電流を流したりできない
ことから、電着に必要な電極を画素電極とは別に設ける
必要があった。
【0039】ところが、我々の発明に利用している電着
材料はpHの違いによる溶解度特性の変化を利用してい
るため、従来技術に必要な電着電圧の数十分の1程度の
電着電圧で電着膜を形成できる。従って、TFTの内部
抵抗による電圧降下が起きても、TFTに印加する電圧
は20V程度以下、材料の選択によっては10V以下で
あっても電着膜が形成できるため、電着膜形成用の別電
極は必要としない。TFTに印加する電圧はTFTの内
部抵抗が低いほど小さくできるため、TFTの内部抵抗
としては300KΩ以下が好ましい。上記観点から、ポ
リシリコン薄膜トランジスタは好ましい。従って、通常
のアモルファスシリコン薄膜トランジスタは用いず、よ
り内部抵抗の低いポリシリコン薄膜トランジスタを用い
ることにより、10V以下の低電圧下で電着膜を形成で
きる。
【0040】また、通常の電着技術で作製した電着膜は
絶縁性であり液晶駆動用の画素電極上にカラーフィルタ
ーを作製した場合には、液晶の駆動電圧が上昇してしま
い利用できない。このため、導電性のカラーフィルター
膜の作製が不可欠である。
【0041】ところが、我々の発明に利用している方法
で製膜したカラーフィルター膜は電着液中の水溶性高分
子と顔料等の材料の組成がほぼ同じになることがわかっ
ており、透明導電性材料を分散させたり導電性の顔料を
分散させることで、任意に導電性をコントロールでき
る。しかし、電着材料を分散或いは溶解させた電着液の
導電性が不十分な場合には、液晶駆動用の画素電極と電
着用電極とが導通するような構造、例えば、スルーホー
ル構造にしてカラーフィルター上に液晶駆動用の画素電
極を別に設けて、電着に使用した画素電極と導通させて
使用し、十分な導電性を得るようにしてもよい。このよ
うな導通構造を設ける場合、その形状や構造を配置する
間隔は目的に応じて適宜選択される。
【0042】ミセル電解法を用いた電着膜には界面活性
剤等の不純物が含まれることから色純度や透過率が低下
して膜の特性に悪影響を及ぼす。ところが、本発明で利
用するpHの溶解度変化を利用した電着膜中にはアニオ
ンは殆ど含まれない。さらに、カチオンは高分子に置換
される形で膜中に存在するがアンモニウムイオン等を利
用すれば、アルカリ金属を皆無にできることが分かっ
た。このようなことから、初めてカラーフィルター基板
とTFT基板を一体形成して利用することが可能になっ
たのである。
【0043】次に、TFT薄膜上へのカラーフィルタ
ー、保護層及びブラックマトリクスの形成方法について
具体的に説明する。TFTの一般的な構造を図1に示
す。TFT薄膜の保護層は、従来からよく知られており
エッチングストッパーのSiNxなどの材料が利用でき
る。しかし、フォトレジストを利用すれば更に効果的に
適用できる。
【0044】一例として、本発明の製造方法でフォトレ
ジストを用いた場合を説明する。まず、通常の方法で、
透明なガラス基板1上にゲート電極2とソース電極3と
ITO画素電極4とを備えたTFT素子を形成した後
(図1参照)、ポジ型のフォトレジスト5を塗布する。
図2(A)に示すように、基板1の背面から光を照射す
る(図中、矢印で示す)とTFTのゲート電極2とソー
ス電極3がフォトマスクの役割を果たし、レジスト5が
絶縁層となって機能する。一方、画素電極4の表面は光
が透過するので、図中破線で表す部分のフォトレジスト
はエッチングされてITO電極4が露出される。この領
域に、前記電着液を接触させて、TFT回路を駆動する
ことにより、図2(B)で示すように、ITO電極4表
面に電着材料が析出して選択的に電着膜6を形成する
が、この電着膜6が単色のカラーフィルター層となる。
このとき、前記ゲート電極2とソース電極3は表面にレ
ジスト5による保護層が形成され、電着液と接触しな
い。図2は、ポジ型レジストを用いて保護層を設ける工
程を含む、薄膜トランジスタ一体型カラーフィルターの
製造工程の一例を示す概略断面図である。
【0045】この電着膜に、R、G、Bのいずれか1色
の着色剤を用い、同様にして、他の色相についても、電
着液を代えて、電着膜形成のための駆動回路の位置を制
御して所定の位置にカラーフィルター層を順次形成すれ
ば、フルカラーのカラーフィルターを形成することがで
きる。
【0046】先に説明したように、カラーフィルターに
はブラックマトリクスが必須であるが、ブラックマトリ
クスの光学濃度は、通常、2.5以上必要であり、光が
漏れないことが必要である。本発明の方法においては、
カラーフィルター未形成部にはTFT回路のゲート電極
とソース電極が存在するために光の遮断性は元々高い。
従って、ゲート電極やソース電極を低反射の金属膜、例
えば2層のCr膜等で形成すれば、ブラックマトリクス
を特段設けなくてもよい。即ち、この場合には、TFT
回路の電源ラインや電極がブラックマトリクスの役割を
果たすので、カラーフィルターの開口率を極限まで高め
ることができ、非常に明るく高精細な液晶表示素子を形
成できる。従って、本発明で示すように、カラーフィル
ターとTFT回路を一体形成すると位置合わせの簡便性
やコストだけではなく明るく高解像度であるという機能
もこれまでの限界を大きく超えることができるため、最
も望ましい構成である。
【0047】ただし、ブラックマトリクスを通常の方法
でTFT回路の上部に設けることを制限するものではな
い。ブラックマトリクスの製造方法としては、前記保護
層形成に用いたポジ型のフォトレジストとして黒色レジ
スト材料を用いる方法が挙げられる。この方法が最も簡
便であるが、カラーフィルター層との絶縁性が保たれれ
ば、金属系のブラックマトリクスを常法により形成する
方法も利用できる。なお、紫外線硬化樹脂を用いてカラ
ーフィルター層未形成部分にのみブラックマトリクスを
形成する方法も利用できる。
【0048】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明
するが、本発明はこれらに制限されるものではない。 (実施例1)図1に示すように、厚さ0.7mm の無アル
カリガラス基板(コーニング社製1737ガラス)に薄
膜トランジスタ(アモルファスシリコンTFT、内部抵
抗:1MΩ)と透明導電膜(ITO)の画素電極を形成
する。このとき、TFTのゲート電極とドレイン電極は
2層クロムで形成し、カラーフィルター層の形成後に、
電極及び電源ライン部分がブラックマトリクスを兼用で
きるように、窒化シリコンで絶縁層を設けた後、ITO
で画素電極作成する際にITOを電源ライン上に重ねる
ように延長して形成することで、画素電極領域以外の透
明な領域を無くしたものをTFT基板として利用した。
(液晶表示用基板の製造工程)
【0049】次に、TFT基板のゲート電極に電圧を印
加して、液晶表示時に全面赤が表示されるようにTFT
基板に電圧を印加した状態で、スチレン−アクリル酸共
重合体(分子量13,000、疎水基/(親水基+疎水基)のモル比
65%、酸化150)とアゾ系赤色超微粒子顔料を固形分比率で
1対2に分散させた顔料を含む電着液(pH=7.8、
導電率=10mS/cm)に接触させて、TFT基板の
ソース電極にポテンショスタットの作用電極を接続し、
飽和カロメル電極に対し20Vの電圧を印加すること
で、画素電極に電圧を2分間印加した。なお、カウンタ
ー電極には白金黒を利用した。その結果、画素電極上に
レッドのカラーフィルターが形成された。(電着膜形成
工程−レッド)
【0050】次に、純水で洗浄した後、電着液をスチレ
ン−アクリル酸共重合体(分子量13,000、疎水基/(親水基
+疎水基)のモル比65%、酸化150)とフタロシアニングリー
ン系超微粒子顔料を固形分比率で1対2に分散させた電
着液に入れ替え、同様に、TFT基板のゲート電極に電
圧を印加して液晶表示時に全面緑が表示されるようにT
FT基板に電圧を印加した状態で、TFT基板のソース
電極に20Vの電圧をポテンショスタットで2分間印加
したところ、画素電極上にグリーンのカラーフィルター
が形成された。(電着膜形成工程−グリーン)
【0051】次に純水で洗浄した後、電着液をスチレン
−アクリル酸共重合体(分子量13,000、疎水基/(親水基+
疎水基)のモル比65%、酸化150)とフタロシアニンブルー
系超微粒子顔料を固形分比率で1対2に分散させた電着
液に入れ替え、同様に、TFT基板のゲート電極に電圧
を印加して液晶表示時に全面青が表示されるようにTF
T基板に電圧を印加した状態で、TFT基板のソース電
極に20Vの電圧をポテンショスタットで2分間印加し
たところ、画素電極上にブルーのカラーフィルターが形
成された。(電着膜形成工程−ブルー)
【0052】このように電着膜形成工程を繰り返して、
露出した所定の画素電極上に順次単色のカラーフィルタ
ーが形成され、結果としてフルカラーのTFT一体型カ
ラーフィルターが形成された。このプロセスより明らか
なように、このカラーフィルターはTFT表面に一体的
に形成されている
【0053】(実施例2)図1に示すように、厚さ0.
7mm の無アルカリガラス基板(コーニング社製173
7ガラス)に薄膜トランジスタ(ポリシリコンTFT、
内部抵抗:100KΩ)と透明導電膜(ITO)の画素
電極を形成する。(液晶表示用基板の製造工程)その
後、このTFT基板にポジ型の黒色レジストを塗布し、
基板の裏面から光を照射して光照射領域のみエッチング
し、画素電極を露出させた。(ブラックマトリクス形成
工程)
【0054】次に、TFT基板のゲート電極に電圧を印
加して液晶表示時に全面赤が表示されるようにTFT基
板に電圧を印加した状態で、スチレン−アクリル酸共重
合体(分子量13,000、疎水基/(親水基+疎水基)のモル比65
%、酸化150)とアゾ系赤色超微粒子顔料を固形分比率で1
対2に分散させた顔料を含む電着液(pH=7.8、導
電率=10mS/cm)に接触させて、TFT基板のソ
ース電極にポテンショスタットの作用電極を接続し、飽
和カロメル電極に対し10Vの電圧を印加することで、
画素電極に電圧を2分間印加した。なお、カウンター電
極には白金黒を利用した。その結果、画素電極上にレッ
ドのカラーフィルターが形成された。(電着膜形成工程
−レッド)
【0055】次に、純水で洗浄した後、電着液をスチレ
ン−アクリル酸共重合体(分子量13,000、疎水基/(親水基
+疎水基)のモル比65%、酸化150)とフタロシアニングリー
ン系超微粒子顔料を固形分比率で1対2に分散させた電
着液に入れ替え、同様に、TFT基板のゲート電極に電
圧を印加して液晶表示時に全面緑が表示されるようにT
FT基板に電圧を印加した状態で、TFT基板のソース
電極に10Vの電圧をポテンショスタットで2分間印加
したところ、画素電極上にグリーンのカラーフィルター
が形成された。(電着膜形成工程−グリーン)
【0056】次に、純水で洗浄した後、電着液をスチレ
ン−アクリル酸共重合体(分子量13,000、疎水基/(親水基
+疎水基)のモル比65%、酸化150)とフタロシアニンブルー
系超微粒子顔料を固形分比率で1対2に分散させた電着
液に入れ替え、同様に、TFT基板のゲート電極に電圧
を印加して液晶表示時に全面青が表示されるようにTF
T基板に電圧を印加した状態で、TFT基板のソース電
極に10Vの電圧をポテンショスタットで2分間印加し
たところ、画素電極上にブルーのカラーフィルターが形
成された。(電着膜形成工程−ブルー)
【0057】このように電着膜形成工程を繰り返して、
露出した所定の画素電極上に順次単色のカラーフィルタ
ーが形成され、結果として前記黒色レジストがブラック
マトリクスとして機能するフルカラーのTFT一体型カ
ラーフィルターが形成された。
【0058】(実施例3)図1に示すように、厚さ0.
7mmの無アルカリガラス基板(コーニング社製1737
ガラス)に薄膜トランジスタ(ポリシリコンTFT、内
部抵抗:100KΩ)と透明導電膜(ITO)の画素電
極を形成する。このとき、TFTのゲート電極とドレイ
ン電極は2層クロムで形成して電極に低反射かつ光の遮
断性を持たせた。(液晶表示用基板の製造工程)
【0059】このTFT基板にポジ型のレジストを塗布
し、基板の裏面から光を照射して光照射領域のみエッチ
ングし画素電極を露出させた。次に、TFT基板のゲー
ト電極に電圧を印加して液晶表示時に全面赤が表示され
るようにTFT基板に電圧を印加した状態で、スチレン
−アクリル酸共重合体(分子量13,000、疎水基/(親水基+
疎水基)のモル比65%、酸化150)とアゾ系赤色超微粒子顔
料を固形分比率で1対2に分散させた顔料を含む電着液
(pH=7.8、導電率=10mS/cm)に接触させ
て、TFT基板のソース電極にポテンショスタットの作
用電極を接続し、飽和カロメル電極に対し10Vの電圧
を印加することで、画素電極に電圧を2分間印加した。
なお、カウンター電極には白金黒を利用した。その結
果、画素電極上にレッドのカラーフィルターが形成され
た。(電着膜形成工程−レッド)
【0060】次に純水で洗浄した後、電着液をスチレン
−アクリル酸共重合体(分子量13,000、疎水基/(親水基+
疎水基)のモル比65%、酸化150)とフタロシアニングリー
ン系超微粒子顔料を固形分比率で1対2に分散させた電
着液に入れ替え、同様に、TFT基板のゲート電極に電
圧を印加して液晶表示時に全面緑が表示されるようにT
FT基板に電圧を印加した状態で、TFT基板のソース
電極に10Vの電圧をポテンショスタットで2分間印加
したところ、画素電極上にグリーンのカラーフィルター
が形成された。(電着膜形成工程−グリーン)
【0061】次に純水で洗浄した後、電着液をスチレン
−アクリル酸共重合体(分子量13,000、疎水基/(親水基+
疎水基)のモル比65%、酸化150)とフタロシアニンブルー
系超微粒子顔料を固形分比率で1対2に分散させた電着
液に入れ替え、同様に、TFT基板のゲート電極に電圧
を印加して液晶表示時に全面青が表示されるようにTF
T基板に電圧を印加した状態で、TFT基板のソース電
極に10Vの電圧をポテンショスタットで2分間印加し
たところ、画素電極上にブルーのカラーフィルターが形
成された。(電着膜形成工程−ブルー)
【0062】このように電着膜形成工程を繰り返して、
露出した所定の画素電極上に順次単色のカラーフィルタ
ーが形成され、結果としてフルカラーのTFT一体型カ
ラーフィルターが形成された。さらに、カーボンブラッ
クを含む紫外線硬化樹脂を塗布し、基板の裏面から光を
照射して光が漏れる領域のみにブラックマトリクスを形
成した。(ブラックマトリクス形成工程)このプロセス
により、ブラックマトリクスを備えたTFT一体型カラ
ーフィルターが形成された。
【0063】(実施例4)図1に示すように、厚さ0.
7mm の無アルカリガラス基板(コーニング製1737
ガラス)に薄膜トランジスタ(ポリシリコンTFT、内
部抵抗:100KΩ)と透明導電膜(ITO)の画素電
極を形成する。このとき、カラーフィルター形成後に電
極及び電源ラインがブラックマトリクスを兼用できるよ
うに、TFTのゲート電極とドレイン電極を2層クロム
で形成し、窒化シリコンで絶縁層を設けた後、ITOで
画素電極を形成する際に、ITOを延長して電源ライン
に重ねて形成することで、画素電極以外の透明な領域を
無くしたものをTFT基板として利用した。(液晶表示
用基板の製造工程)
【0064】次に、TFT基板のゲート電極に電圧を印
加して液晶表示時に全面赤が表示されるようにTFT基
板に電圧を印加した状態で、スチレン−アクリル酸共重
合体(分子量13,000、疎水基/(親水基+疎水基)のモル比65
%、酸化150)とアゾ系赤色超微粒子顔料とITO微粒子
(粒径約50nm)を固形分比率で1対1対1に分散させ
た電着液(pH=7.8、導電率=10mS/cm)に
接触させて、TFT基板のソース電極にポテンショスタ
ットの作用電極を接続し、飽和カロメル電極に対し10
Vの電圧を印加することで、画素電極に電圧を2分間印
加した。なお、カウンター電極には白金黒を利用した。
その結果、画素電極上にレッドのカラーフィルターが形
成された。(電着膜形成工程−レッド)
【0065】次に純水で洗浄した後、電着液をスチレン
−アクリル酸共重合体(分子量13,000、疎水基/(親水基+
疎水基)のモル比65%、酸化150)とフタロシアニングリー
ン系超微粒子顔料とITO微粒子(粒径約50nm)を固
形分比率で1対1対1に分散させた電着液に入れ替え、
同様に、TFT基板のゲート電極に電圧を印加して液晶
表示時に全面緑が表示されるようにTFT基板に電圧を
印加した状態で、TFT基板のソース電極に10Vの電
圧をポテンショスタットで2分間印加したところ、画素
電極上にグリーンのカラーフィルターが形成された。
(電着膜形成工程−グリーン)
【0066】次に、純水で洗浄した後、電着液をスチレ
ン−アクリル酸共重合体(分子量13,000、疎水基/(親水基
+疎水基)のモル比65%、酸化150)とフタロシアニンブルー
系超微粒子顔料とITO微粒子(粒径約50nm)を固形分
比率で1対1対1に分散させた電着液に入れ替え、同様
に、TFT基板のゲート電極に電圧を印加して液晶表示
時に全面青が表示されるようにTFT基板に電圧を印加
した状態で、TFT基板のソース電極に10Vの電圧を
ポテンショスタットで2分間印加したところ、画素電極
上にブルーのカラーフィルターが形成された。(電着膜
形成工程−ブルー)
【0067】このように電着膜形成工程を繰り返して、
露出した所定の画素電極上に順次単色のカラーフィルタ
ーが形成され、結果として電極及び電源ラインがブラッ
クマトリクスを兼ねたフルカラーのTFT一体型カラー
フィルターが形成された。本実施例4においては、カラ
ーフィルター層中にITO製の透明微粒子が分散されて
おり、カラーフィルター層の導電率が向上して、液晶表
示駆動時の電圧降下が抑えられた。
【0068】
【発明の効果】本発明の薄膜トランジスタ一体型カラー
フィルターの製造方法によれば、カラーフィルターとT
FT基板との位置合わせが必要なくなり、開口率の大き
い、高精度の液晶表示素子が低コストで製造可能にな
る。また、TFT基板の欠陥がカラーフィルター層の不
付着や誤付着を調べることで、TFT回路の断線欠陥や
短絡欠陥の有無を知ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一般的な薄膜トランジスタの素子構造を示す
概略断面図である。
【図2】 ポジ型レジストを用いて保護層を設ける工程
を含む、薄膜トランジスタ一体型カラーフィルターの製
造工程の一例を示す概略断面図である。
【図3】 薄膜トランジスタ一体型カラーフィルターの
構造の一例を示す正面図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 ゲート電極 3 ソース電極 4 画素電極(ITO電極) 5 フォトレジスト 6 カラーフィルター(電着膜)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年8月14日(2000.8.1
4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】即ち、本発明の薄膜トランジスタ一体型カ
ラーフィルターの製造方法は、透明基板上に薄膜トラン
ジスタと透明導電膜を配列形成して液晶表示用基板を製
造する工程(以下、「透明基板製造工程」ということが
ある。)と、前記液晶表示用基板上にポジ型フォトレジ
スト材料を塗布し、薄膜トランジスタが形成されていな
い側から光を照射しエッチングして、光非透過部分にレ
ジスト層を形成する工程、レジスト層を形成した液晶表
示用基板を、着色剤とpHの変化により溶解或いは析出
する電着性高分子材料を含有する電着液に接触させて通
電し、電気化学的に水素イオン濃度を変化させて該液晶
表示用基板のレジスト層が形成されず露出した透明導電
膜上に電着性高分子材料中に着色剤が含有された着色膜
析出させて、導電性の着色電着膜を形成する工程(以
下、「電着膜形成工程」ということがある。)とを含む
ことを特徴とする。電着膜形成工程において、液晶表示
用基板を水系の電着液に接触させる場合、該液晶表示用
基板の少なくとも透明導電膜を水系の電着液に接触させ
て行う、薄膜トランジスタ一体型カラーフィルターの製
造方法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 圷 英一 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい 富士ゼロックス株式会社内 (72)発明者 友野 孝夫 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい 富士ゼロックス株式会社内 Fターム(参考) 2H048 BA11 BA45 BA62 BB02 BB47 2H091 FA02Y FC12 FC26 GA13 LA12 LA15 2H092 JA24 JB51 MA13 MA17 NA07 NA27 NA29 PA08 5F110 AA16 BB01 CC07 DD02 EE04 FF01 FF03 GG02 GG15 HK03 HK04 HK09 HK16 HK22 NN12 NN16 NN24 NN80

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に薄膜トランジスタと透明導
    電膜を配列形成して液晶表示用基板を製造する工程と、
    該液晶表示用基板を、着色剤を含む水系の電着液に接触
    させて通電し、電気化学的に水素イオン濃度を変化させ
    て該液晶表示用基板の透明導電膜上に着色剤を析出させ
    て、導電性の着色電着膜を形成する工程と、を含むこと
    を特徴とする薄膜トランジスタ一体型カラーフィルター
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記液晶表示用基板上にフォトレジスト
    を塗布し、透明導電膜が形成されてない側から光を入射
    してエッチングすることで所定の領域のみ透明導電膜を
    露出させる工程を含み、該露出した透明導電膜のうち所
    定の透明導電膜に対応する薄膜トランジスタを駆動させ
    て、前記着色電着膜を形成する工程を行って所定の部分
    に着色電着膜を形成させて単色のカラーフィルターとな
    し、その後、電着液に含まれる着色剤の色相を変えて前
    記各工程を繰り返して多色カラーフィルターを形成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタ一
    体型カラーフィルターの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記液晶表示用基板を製造する工程によ
    り薄膜トランジスタと透明導電膜を配列形成した後、薄
    膜トランジスタ上に保護層を設けて絶縁膜となし、保護
    層を設けずに露出した透明導電膜のうち所定の透明導電
    膜に対応する薄膜トランジスタを駆動させて、前記着色
    電着膜を形成する工程を行って所定の部分に着色電着膜
    を形成させて単色のカラーフィルターとなし、その後、
    電着液に含まれる着色剤の色相を変えて前記各工程を繰
    り返して多色カラーフィルターを形成することを特徴と
    する請求項1に記載の薄膜トランジスタ一体型カラーフ
    ィルターの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記液晶表示用基板を製造する工程によ
    り薄膜トランジスタと透明導電膜を配列形成した後、薄
    膜トランジスタの上にポジ型の黒色レジストを塗布し、
    透明導電膜が形成されてない側から光を照射してエッチ
    ングすることでブラックマトリクスを形成するブラック
    マトリクス形成工程を施し、ブラックマトリクス未形成
    の露出した透明導電膜のうち所定の透明導電膜に対応す
    る薄膜トランジスタを駆動させて、前記着色電着膜を形
    成する工程を行って所定の部分に着色電着膜を形成させ
    て単色のカラーフィルターとなし、その後、電着液に含
    まれる着色剤の色相を変えて前記各工程を繰り返して多
    色カラーフィルターを形成することを特徴とする請求項
    1乃至請求項3のいずれか1項に記載の薄膜トランジス
    タ一体型カラーフィルターの製造方法。
  5. 【請求項5】 着色電着膜を形成させてカラーフィルタ
    ーを形成した後、絶縁性のブラックマトリクスを形成す
    るブラックマトリクス形成工程を施すことを特徴とする
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の薄膜トラ
    ンジスタ一体型カラーフィルターの製造方法。
  6. 【請求項6】 多色カラーフィルターを形成した後、レ
    ジストを除去し、絶縁保護層を設けてカラーフィルター
    と薄膜トランジスタの両方から絶縁して、この保護層上
    にブラックマトリクスを形成するブラックマトリクス形
    成工程を施すことを特徴とする請求項2に記載の薄膜ト
    ランジスタ一体型カラーフィルターの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記液晶表示用基板を製造する工程によ
    り、薄膜トランジスタと透明導電膜を配列形成する際
    に、電極を低反射の材料を用いて作製し、該電極にブラ
    ックマトリクスと同様の機能を持たせたことを特徴とす
    る請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の薄膜ト
    ランジスタ一体型カラーフィルターの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記液晶表示用基板を製造する工程によ
    り、薄膜トランジスタと透明導電膜を配列形成する際
    に、電極を低反射の材料を用いて作製し、該電極にさら
    に絶縁層を設けた後、透明導電膜を形成することで、該
    電極及び電極ラインにブラックマトリクスと同様の機能
    を持たせたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のい
    ずれか1項に記載の薄膜トランジスタ一体型カラーフィ
    ルターの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記電着液に用いる電着材料が、水素イ
    オン濃度の変化によって溶解度が変化して析出する性質
    を持つ電着性色素あるいは電着性高分子を含有すること
    を特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記
    載の薄膜トランジスタ一体型カラーフィルターの製造方
    法。
  10. 【請求項10】 前記電着液に用いる電着材料が、疎水
    基と親水基を有するモノマーの共重合体であり、疎水基
    数と親水基数の総数に対する疎水基数の割合が40%以
    上80%以下である電着性高分子と、着色剤とを含有す
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1
    項に記載の薄膜トランジスタ一体型カラーフィルターの
    製造方法。
  11. 【請求項11】 前記電着液に用いる電着材料が、親水
    基を有するモノマーの共重合体であり、該親水基数の5
    0%以上が水素イオン濃度の変化によって親水性から疎
    水性に溶解度が変化する電着性高分子と、着色剤とを含
    有することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれ
    か1項に記載の薄膜トランジスタ一体型カラーフィルタ
    ーの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記電着液にさらに透明な導電材料を
    添加し、導電性の電着膜を形成し、導電性カラーフィル
    ターを備えることを特徴とする請求項10又は請求項1
    1に記載の薄膜トランジスタ一体型カラーフィルターの
    製造方法。
  13. 【請求項13】 前記電着液に薄膜トランジスタの特性
    に影響を与えない塩を添加し、導電性の電着膜を形成す
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1
    項に記載の導電性カラーフィルターを備えた薄膜トラン
    ジスタ一体型カラーフィルターの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記電着液に導電性の高い着色剤を添
    加し、導電性の電着膜を形成したことを特徴とする請求
    項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の薄膜トランジ
    スタ一体型カラーフィルターの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記電着材料として、導電性着色剤と
    電着性高分子、または透明導電性微粒子を混合した着色
    剤と電着性高分子との比率を、重量%濃度で導電性着色
    剤または透明導電性微粒子を混合した着色剤1に対して
    電着性高分子を1.5以下の割合で混合した電着材料を
    用いて、導電性の電着膜を形成し、導電性カラーフィル
    ターを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項8の
    いずれか1項に記載の薄膜トランジスタ一体型カラーフ
    ィルターの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記請求項10乃至請求項15のいず
    れか1項に記載の製造方法により導電性の電着膜を形成
    した後、電着膜中に水分を含んだ状態で該電着膜上に保
    護層を形成し、電着膜中を電荷が移動できるようになし
    たことを特徴とする請求項10乃至請求項15のいずれ
    か1項に記載の薄膜トランジスタ一体型カラーフィルタ
    ーの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記請求項1乃至請求項15のいずれ
    か1項に記載の製造方法により製造した薄膜トランジス
    タ一体型カラーフィルターにおいて、透明導電膜に導通
    する構造を設け、カラーフィルター上に更に透明導電膜
    を形成することで、液晶駆動用の透明画素電極をカラー
    フィルター上に設けることを特徴とした薄膜トランジス
    タ一体型カラーフィルターの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記着色電着膜を形成する工程におい
    て、5V以下の電着電圧で電着膜を形成することを特徴
    とする請求項1乃至請求項17のいずれか1項に記載の
    薄膜トランジスタ一体型カラーフィルターの製造方法。
  19. 【請求項19】 前記液晶表示用基板を製造する工程に
    おいて、薄膜トランジスタの形成にあたり、電極に2層
    及び3層のCrを用いたことを特徴とする請求項1乃至
    請求項17のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ一
    体型カラーフィルターの製造方法。
  20. 【請求項20】 前記着色電着膜を形成する工程におい
    て、薄膜トランジスタに20V以下の電圧を印加して画
    素電極上にカラーフィルターを形成することを特徴とす
    る請求項1乃至請求項17のいずれか1項に記載の薄膜
    トランジスタ一体型カラーフィルターの製造方法。
  21. 【請求項21】 薄膜トランジスタの内部抵抗が1MΩ
    以下であって、該薄膜トランジスタを駆動して透明導電
    膜上に着色電着膜を形成することを特徴とする請求項1
    乃至請求項20のいずれか1項に記載の薄膜トランジス
    タ一体型カラーフィルターの製造方法。
  22. 【請求項22】 薄膜トランジスタの内部抵抗が300
    KΩ以下であることを特徴とする請求項21に記載の薄
    膜トランジスタ一体型カラーフィルターの製造方法。
  23. 【請求項23】 薄膜トランジスタがポリシリコン薄膜
    トランジスタであることを特徴とする請求項22に記載
    の薄膜トランジスタ一体型カラーフィルターの製造方
    法。
  24. 【請求項24】 前記電着液が有機アルカリ材を含有す
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項23のいずれか
    1項に記載の薄膜トランジスタ一体型カラーフィルター
    の製造方法。
  25. 【請求項25】 前記電着液が有機塩を含有することを
    特徴とする請求項1乃至請求項23のいずれか1項に記
    載の薄膜トランジスタ一体型カラーフィルターの製造方
    法。
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