JP2001193670A - チューブポンプおよびこれを用いたインクジェット式記録装置 - Google Patents

チューブポンプおよびこれを用いたインクジェット式記録装置

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JP2001193670A JP2000001290A JP2000001290A JP2001193670A JP 2001193670 A JP2001193670 A JP 2001193670A JP 2000001290 A JP2000001290 A JP 2000001290A JP 2000001290 A JP2000001290 A JP 2000001290A JP 2001193670 A JP2001193670 A JP 2001193670A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、前記したような現状の問題点に着
目してなされたものであり、組付け作業が容易であると
共に、チューブの破損を防止したチューブポンプを提供
しようとするものであり、またこれを用いたインクジェ
ット式記録装置を提供することを目的とするものであ
る。 【解決手段】 可撓性チューブと、前記可撓性チューブ
の外形を規制するチューブ支持面を有するポンプフレー
ムと、可撓性チューブを加圧変形させる回転可能に取り
付けられたローラとを備え、前記ローラによって可撓性
チューブを加圧変形させて圧力を発生するチューブポン
プであって、チューブポンプに用いられる可撓性チュー
ブ51には、複数の流路51aが形成されると共に、前
記流路51aを構成する管壁51bが連結部51cによ
って連結され一体化されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可撓性チューブを
ローラによって加圧し、チューブの変形を利用して圧力
を発生するチューブポンプ、およびこのチューブポンプ
を搭載し、チューブポンプにより発生する負圧を利用し
て記録ヘッドよりインクを排出するインク吐出能力の回
復手段を備えたインクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット式記録装置は、印刷時の
騒音が比較的小さく、しかも小さなドットを高い密度で
形成できるため、昨今においてはカラー印刷を中心とし
た多くの印刷に使用されている。このようなインクジェ
ット式記録装置は、インクカートリッジからのインクの
供給を受けるインクジェット式記録ヘッドと、記録用紙
を記録ヘッドに対して相対的に移動させる紙送り手段を
備え、印字信号に応じて記録ヘッドを移動させながら記
録用紙にインク滴を吐出させてドットを形成することで
記録が行われる。インクジェット式記録装置は、このよ
うにインクという液体を扱う関係上、記録ヘッドへのイ
ンクの充填や、インク溶媒の揮散によるノズル開口の目
詰まりを防止するために、記録ヘッドからインクを強制
的に吸引排出させるインク吐出能力の回復処理が実行さ
れる。このような記録ヘッドの目詰まり解消のため、ま
たは記録ヘッド内に気泡が残留している場合になされる
インクの強制的な排出処理は、クリーニング操作と呼ば
れ、記録装置の長時間の休止後に印刷を再開する場合
や、ユーザが印字かすれ等の印字品質不良を認識し、ク
リーニングスイッチを操作した場合に実行される。
【0003】このクリーニング操作においては、記録ヘ
ッドをキャッピング手段により封止して負圧を作用させ
ることで、記録ヘッドのノズル開口よりインクを排出さ
せると共に、キャッピング手段内に排出されたインクを
負圧により吸引して廃インクタンクに送り出し、その後
にゴムなどの弾性板からなるクリーニング部材により、
記録ヘッドのノズルプレートをワイピングするシーケン
スが実行される。
【0004】前記キャッピング手段内に負圧を与える手
段としては、比較的構造が簡単で小形化が図りやすく、
しかもインクの吸引および排出する機構部分で汚染を生
じさせない、いわゆるチューブポンプが用いられてい
る。このチューブポンプは例えば図11に示すような構
成とされている。
【0005】即ち、このチューブポンプ100では、ポ
ンプホイール101に軸支されたローラ102によっ
て、チューブ103、104はポンプフレーム105に
押し付けられる。前記ローラは、前記チューブ103、
104を押し潰しながら回転し、これによりチューブ1
03、104内に圧力を発生させてキャッピング手段1
06に負圧を与える。そして、記録ヘッドから前記負圧
により強制的にインクを排出させると共に、さらにキャ
ッピング手段106内に排出されたインクを吸引して、
廃インクタンクに送り出すように作用する。
【0006】通常、前記チューブポンプ100における
チューブとして、流路が1つ形成された1本のチューブ
が用いられているが、チューブポンプの小型化ため、あ
るいはまたインクの吸引量(送出し量)を増大させるた
め、図11に示すように流路が1つ形成されたチューブ
103、104が2本用いられている(特開平9−13
1883号公報参照)。なお、図11は概念図であっ
て、図11の構成をある程度具体的に表した断面図を図
12に示す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図11
に示すようなチューブを2本用いたチューブポンプで
は、それぞれのチューブを組み付ける際、2本のチュー
ブをチューブポンプの筐体に組み付ける必要があり、作
業が煩雑になるという技術的課題があった。また、前記
したローラが夫々のチューブを押し潰しながら回転し、
これによりチューブ内に圧力を発生させているため、前
記チューブは徐々に伸ばされ、弛みが生ずる。弛んだチ
ューブは、チューブが押し付けられるポンプフレームか
ら浮き上がり、ポンプホイールと接触し、擦れによって
破損するという技術的課題があった。また、図12の上
下方向に弛んだチューブが移動してしまうため、ポンプ
ホイール101だけではなく、ポンプフレーム105
a、あるいは2本のチューブ同士103、104が接触
し、擦れ破損するという技術的課題があった。
【0008】本発明は、前記したような現状の問題点に
着目してなされたものであり、組付け作業が容易である
と共に、チューブの破損を防止したチューブポンプを提
供しようとするものであり、またこれを用いたインクジ
ェット式記録装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記した目的を達成する
ためになされた本発明にかかるチューブポンプは、可撓
性チューブと、前記可撓性チューブの外形を規制するチ
ューブ支持面を有するポンプフレームと、可撓性チュー
ブを加圧変形させる回転可能に取り付けられたローラと
を備え、前記ローラによって可撓性チューブを加圧変形
させて圧力を発生するチューブポンプであって、前記可
撓性チューブには複数の流路が形成されると共に、前記
流路を構成する管壁が連結部によって連結され一体化さ
れたものであることを特徴としている。
【0010】このように、本発明にかかるチューブポン
プに用いられる可撓性チューブには複数の流路が形成さ
れると共に、前記流路を構成する管壁が連結部によって
連結され、一体化されている。したがって、管壁の肉厚
が従来のチューブポンプに用いられる可撓性チューブの
肉厚と同等であれば、本発明にかかるチューブポンプに
用いられる可撓性チューブの流路を除く断面積は、従来
のものの断面積よりも連結部の断面積分多くなる。その
結果、ローラが可撓性チューブを押し潰しながら回転し
ても、可撓性チューブは伸ばされ難く、弛みも生じ難
い。このように可撓性チューブに弛みが生じ難いため、
可撓性チューブがポンプフレームから浮き上がり、ポン
プホイール、ポンプフレーム、あるいはチューブ同士が
接触し擦れることもなく、これに起因する破損を防止す
ることができる。また、可撓性チューブには複数の流路
が形成されているために、複数の可撓性チューブを組み
付ける場合に比べて、容易に組みつけることができる。
【0011】ここで、前記流路を構成する管壁が円筒形
状に形成され、かつ連結部が連結部によって連結される
管壁の中心を結ぶ中心線上に形成されていることが望ま
しい。このように、連結部によって連結される管壁の中
心を結ぶ中心線上に、連結部が形成されているため、ロ
ーラが可撓性チューブを押し潰す際、その障害とはなら
ず、良好なローラの押し潰し作用を得ることができる。
【0012】また、前記連結部によって並列に配置され
た管壁が連結されると共に、上下に配置された管壁が連
結されることが望ましい。このように、上下に配置され
た管壁が連結部によって連結されているため、ローラが
可撓性チューブを押し潰す際、該連結部が下に配置され
た管壁を押すため、良好なローラの押し潰し作用を得る
ことができる。
【0013】更に、前記流路が並列に配置されると共
に、ローラによって加圧される側面及び該側面に対向す
る面が平坦面であって、他の側面が曲面として形成さ
れ、管壁と連結部が一体化されていることが望ましい。
このように、本発明にかかるチューブポンプに用いられ
る可撓性チューブのローラによって加圧される側面及び
該側面に対向する面が平坦面であって、他の側面が曲面
として形成され、管壁と連結部が一体化されているた
め、より断面積が大きくなる。そのため、ローラが可撓
性チューブを押し潰しながら回転しても、可撓性チュー
ブは伸ばされ難く、弛みも生じ難い。
【0014】また、前記流路が並列に、かつ該流路間上
方に他の流路を配置し、流路を重ねると共に、ローラに
よって加圧される側面及び該側面に対向する面が平坦面
であって、他の側面が曲面として形成されていることが
望ましい。このように、流路が並列に、かつ該流路間上
方に他の流路を配置されているため、ローラが可撓性チ
ューブを押し潰す際、流路の上に配置された管壁(連結
部)によって、流路が押し潰されるため、良好なローラ
の押し潰し作用を得ることができる。
【0015】また、前記した目的を達成するためになさ
れた本発明にかかるチューブポンプを用いたインクジェ
ット式記録装置は、印刷データに対応してインク滴を吐
出するインクジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッド
のノズル形成面を封止すると共に、ポンプユニットから
の負圧を受けて記録ヘッドよりインクを吸引するキャッ
ピング手段とを備えたインクジェット式記録装置であっ
て、前記ポンプユニットとして、上記したチューブポン
プを具備したことを特徴としている。このようなインク
ジェット式記録装置にあっては、容易に組み立て作業を
行うことができると共に、可撓性チューブに起因するチ
ューブポンプの故障を極力防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるチューブポ
ンプを用いたインクジェット式記録装置について、図に
示す実施の形態に基づいて説明する。図1は本発明が適
用されたインクジェット式記録装置の全体構成を示すも
のである。図1において符号1はキャリッジであり、こ
のキャリッジ1はキャリッジモータ2により駆動される
タイミングベルト3を介し、ガイド部材4に案内されて
プラテン5の軸方向に往復移動されるように構成されて
いる。キャリッジ1の記録用紙6に対向する側には、図
には現れていないがインクジェット式記録ヘッドが搭載
され、またその上部には前記記録ヘッドにインクを供給
するブラックインクカートリッジ7、およびカラーイン
クカートリッジ8が着脱可能に装填されている。
【0017】図中符号9は、非印字領域(ホームポジシ
ョン)に配置されたキャッピング手段であって、キャリ
ッジ1に搭載された記録ヘッドが直上に移動した時に上
昇し、記録ヘッドのノズル形成面を封止できるように構
成されている。そしてキャッピング手段9の下方には、
キャッピング手段9の内部空間に負圧を与えるためのポ
ンプユニットとしての後述するチューブポンプ10が配
置されている。前記キャッピング手段9は記録装置の休
止期間中における記録ヘッドのノズル開口の乾燥を防止
する蓋体として機能する他、記録ヘッドに印刷とは関係
のない駆動信号を印加してインク滴を空吐出させるフラ
ッシング動作時のインク受けとして機能し、さらに前記
チューブポンプ10からの負圧を記録ヘッドに作用させ
て、インクを吸引するクリーニング手段としての機能も
兼ね備えている。
【0018】そして、キャッピング手段9における印字
領域側の近傍には、ゴムなどの弾性板を備えたワイピン
グ手段11が、水平方向に進退可能となるように配置さ
れていて、キャリッジ1がキャッピング手段9側に往復
移動する際に、記録ヘッドの移動経路上にワイピング部
材が進出できるように構成されている。
【0019】図2は前記した記録装置に装備された記録
用紙の給排紙機構およびチューブポンプに対する駆動力
伝達機構の一例を示したものである。符号21は紙送り
ローラを示しており、この紙送りローラ21の一端には
歯車22が配置され、紙送りモータ23の軸上に配置さ
れたピニオン24からアイドラ25を介して駆動される
ように構成されている。また給紙ローラ駆動軸26の一
端には歯車27が配置され、クラッチ機構を構成する移
動歯車28を介して前記歯車22と係合して図示せぬカ
ットシートフィーダに動力を伝達し、記録用紙の給紙
(ローディング)が行われるように構成されている。ク
ラッチ機構を構成する前記移動歯車28は、常時は図示
しないバネにより図2に示すように両歯車22,27か
ら離れた位置を保持し、またホームポジションと対向す
る端部に移動するキャリッジ1に押圧されて軸方向に移
動し、前記歯車22,27に介在して両者の噛み合いが
接続されるように構成されている。
【0020】一方、チューブポンプ10は、紙送りモー
タ23に配置された前記ピニオン24からアイドラ2
9、および排紙ローラ歯車30を介して、排紙ローラ3
1の他端に装着された歯車32によって駆動される。チ
ューブポンプ10の駆動軸33には、排紙ローラ31の
他端に装着された歯車32からアイドラ34を介して噛
み合う歯車35が装着されている。この歯車35が装着
された軸33には、その背面に配置されたバネ36に押
されて摩擦回転するアーム37を備えたクリーナカム3
8が遊転自在に取り付けられていて、アーム37の回転
によりゴム等の弾性部材により形成されたワイピング部
材39が水平方向に移動できるように構成されている。
これにより、モータ23の一方向への回転により、ワイ
ピング部材39は記録ヘッドの移動軌跡に進出して、そ
のノズル形成面が払拭できるようになされ、またモータ
23の他方向への回転により、ワイピング部材39は記
録ヘッドの移動軌跡から退避されるように作用する。
【0021】また、チューブポンプ10の駆動軸33に
は、ラチェットホイール40、中間伝達ホイール41、
およびポンプホイール42が積層して装着されている。
ラチェットホイール40の中間伝達ホイール41と対向
する面には突起40aが形成されており、また中間伝達
ホイール41には、両面にそれぞれ突起41a,41b
が形成され、さらにポンプホイール42には、中間伝達
ホイール41と対向する面に突起42aが形成されてい
る。これにより、ラチェットホイール40が回転して、
その突起40aが中間伝達ホイール41の突起41aに
当接することで、中間伝達ホイール41に回転力が伝達
され、さらに中間伝達ホイール41の突起41bが、ポ
ンプホイール42の突起42aに当接することで、ポン
プホイール42に回転力が伝達されるように構成されて
いる。したがって、紙送りモータ23の回転方向が切り
替わると、ラチェットホイール41とポンプホイール4
2との間には、最大で2回転近くの回転伝達に遅れを発
生させる回転遅延機構が構成されている。
【0022】ポンプホイール42には、ポンプホイール
の軸芯方向と外周方向との間に径方向に勾配を持って形
成された一対のローラ支持溝が設けられていて、ポンプ
ホイール42の一方向への回転によって、これらの軸孔
に軸支したローラ43a,43bが外周方向に偏ってチ
ューブをポンプフレーム44に形成されたチューブ支持
面との間で加圧して吸引作用を生じさせるポンプ作用
と、ポンプホイール42の他方向への回転によって、ロ
ーラ43a,43bがホイール42の軸芯方向に偏って
チューブを加圧しないレリース作用とが切り換えられる
ように構成されている。なお、前記したラチェットホイ
ール40、中間伝達ホイール41、およびポンプホイー
ル42との間で形成された回転遅延機構は、記録用紙を
前記カットシートフィーダからローディングするに際し
て、用紙先端の位置決めとバックラッシュ取りを実行す
るために、紙送りモータ23を多少正転および逆転駆動
させる必要があり、この場合において前記吸引ポンプ1
0には動力を伝達させないように作用する。
【0023】更に、図3、図4に基づいてチューブポン
プについて詳述すると、このチューブポンプには、可撓
性チューブ51の外形を円弧状に規制するチューブ支持
面52を有するポンプフレーム44と、駆動手段として
の例えば紙送りモータからの動力により回動するポンプ
ホイール42と、このポンプホイール42の軸芯方向と
外周方向との間に径方向に勾配を持って形成された一対
のローラ支持溝42a,42bに、当該支持溝42a,
42bの長手方向に移動可能に、かつ回転可能にそれぞ
れ取り付けられたローラ43a,43bとが具備されて
いる。
【0024】このようなチューブポンプにおいては、図
3に示すようにポンプホイール42を正方向(矢印A方
向)に回転させることにより、各ローラ43a,43b
はローラ支持溝42a,42bの外周方向に移動して、
チューブ51を順次押し潰しながら回転し、これにより
チューブ内に圧力を発生させてキャッピング手段に負圧
を与えるようになされる。そして、記録ヘッドから負圧
により強制的にインクを排出させると共に、さらにキャ
ッピング手段内に排出されたインクを吸引して、廃イン
クタンクに送り出すように作用する。
【0025】また、ポンプフレーム44に形成されたチ
ューブ支持面52と対向する位置に、ポンプホイール4
2の軸芯方向に突出させた弾性素材による一対のガイド
部材53a,53bを配置している。即ち、ポンプフレ
ーム44にL字状の係止溝44a,44bが形成され、
この各係止溝44a,44bにそれぞれガイド部材53
a,53bを植設させた構成とされている。この構成に
よると、前記一対のガイド部材53a,53bは、ポン
プホイールの回動に伴い前記各ローラを支持溝の回転後
退方向へ案内するように作用する。図3に示すようにホ
イール42が正転駆動されると、ローラ43a,43b
は可撓性素材によるガイド部材53a,53bによって
押し戻される作用を受け、これによってローラ43a,
43bはローラ支持溝42a,42bの外周方向に移動
して、チューブ51を順次押しつぶすようになされる。
これによりポンプの駆動作用の信頼性を向上させること
ができる。
【0026】また、図4に示すようにポンプホイール4
2を逆方向(矢印B方向)に回転させることにより、各
ローラ43a,43bはローラ支持溝42a,42bの
内周方向に移動し、これによりローラはチューブに少し
だけ接するレリース状態を保ち、チューブの貼り付きな
どの故障が発生するのが防止できるように構成されてい
る。
【0027】また、チューブポンプに用いられる可撓性
チューブの断面形状を図5に示すと共に、その構成につ
いて詳述する。この図5に示すように、この可撓性チュ
ーブ51には複数の流路51aが形成されると共に、前
記流路51aを構成する管壁51bが連結部51cによ
って連結され一体化されている。また、管壁51b同士
を連結する連結部51cは、連結する管壁51bの中心
を結ぶ中心線上に形成されている。すなわち、前記した
可撓性チューブ51は、あたかも従来2本であった可撓
性チューブの管壁の中心を結ぶ中心線上に連結部を設
け、該連結部によって一体化したものといえる。しか
も、図6に示すように、ローラ43a,43bによって
押し潰す際、前記連結部51cが邪魔になることはな
く、ローラ43a,43bによって押し潰すことができ
る。
【0028】このように、このチューブポンプに用いら
れる可撓性チューブ51には複数の流路51aが形成さ
れると共に、前記流路51aを構成する管壁51bが連
結部51cによって連結され一体化されている。したが
って、管壁51bの肉厚が従来のチューブポンプに用い
られる可撓性チューブの肉厚と同等であれば、前記可撓
性チューブ51の流路を除く断面積は、従来のものの断
面積よりも、連結部51cの断面積分多くなる。
【0029】その結果、ローラ43a,43bが可撓性
チューブ51を押し潰しながら回転しても、可撓性チュ
ーブ51は伸ばされ難く、弛みも生じ難い。また、図6
に示す左右方向への移動が生じ難くなるため、可撓性チ
ューブ51がポンプホイール42、あるいはポンプフレ
ーム44aと接触し、擦れによって生ずる破損を防止す
ることができる。また、可撓性チューブ51を構成する
チューブ管壁同士が接触し、擦れによって生ずる破損を
防止することができる。また、可撓性チューブ51には
複数の流路51aが形成されているために、前記可撓性
チューブ51を組み付けるのみで、複数の流路51aを
形成することができ、作業が容易である。
【0030】次に可撓性チューブの変形列について、図
7乃至図9に基づいて説明する。この図7に示した可撓
性チューブ51にあっては、流路51aは横方向に3
列、上下方向に2列配置されている。前記流路51aを
構成する管壁51bは円筒形状に形成されている。ま
た、横方向の管壁同士また上下方向のの管壁同士を連結
する連結部51cは、連結する管壁51bの中心を結ぶ
中心線上に形成されている。
【0031】前記した横方向の連結部51cは、連結部
51cによって連結される管壁51bの中心を結ぶ中心
線上に形成されているため、ローラが可撓性チューブ5
1を押し潰す際、その障害とはならず、良好なローラの
押し潰し作用を得ることができる。また、前記した縦方
向(上下方向)の連結部51cは、ローラが可撓性チュ
ーブを押し潰す際、連結部の下に配置された管壁を押す
ため、良好なローラの押し潰し作用を得ることができ
る。
【0032】図8に示した可撓性チューブ51は、前記
流路51aが並列に配置されると共に、ローラによって
加圧される側面51d及びその側面に対向する面51f
が平坦面であって、他の側面51eが曲面として形成さ
れ、管壁と連結部が一体し、その断面が略楕円形状に形
成されている。このように構成されているため、図5に
示したような管壁51bを連結部51cで連結、一体化
したものに比べて、より断面積が大きくなるため、ロー
ラが可撓性チューブ51を押し潰しながら回転しても、
可撓性チューブ51は伸ばされ難く、また弛みも生じ難
い。
【0033】図9に示した可撓性チューブ51は、図8
に示した可撓性チューブ51を上方向に重ね合わせたも
のであり、流路51aが並列に、かつ該流路51a間上
方に他の流路51gを配置し、更にその流路51gの上
方に他の流路51hを配置、重ねたものである。ローラ
43a、43bが可撓性チューブ51を押し潰す際、上
に配置された管壁(連結部)51iによって、下に配置
された流路51aを押すため、良好なローラの押し潰し
作用を得ることができる。
【0034】以上の述べたチューブポンプ10を用いた
インクジェット式記録装置にあっては、容易に組み立て
作業を行うことができると共に、可撓性チューブ51に
起因するチューブポンプ10の故障を極力防止すること
ができる。
【0035】なお、上記実施形態では、可撓性チューブ
51の外形を円弧状に規制するチューブ支持面52を有
するポンプフレーム44を備えるチューブポンプ10に
ついて述べたが、図10に示すように直線状のチューブ
支持面52を有するポンプフレーム44を備えるチュー
ブポンプにも適用することができる。すなわち、図10
に示すように、このチューブポンプには、可撓性チュー
ブ51の外形を直線状に規制するチューブ支持面52を
有するポンプフレーム44と、駆動手段(図示せず)か
らの駆動力で移動可能に、かつ回転可能にそれぞれ取り
付けられたローラ43とが具備されている。このような
チューブポンプにおいては、ローラ43を矢印方向に移
動、回転させることにより、チューブ51を順次押しつ
ぶしながら回転し、これによりチューブ内に圧力を発生
させてキャッピング手段に負圧を与えようになされる。
そして、記録ヘッドから負圧により強制的にインクを排
出させると共に、さらにキャッピング手段内に排出され
たインクを吸引して、廃インクタンクに送り出すように
作用する。
【0036】
【発明の効果】以上の説明で明らかなとおり、本発明に
よれば、組付け作業が容易であると共に、チューブの破
損を極力抑制したチューブポンプを得ることができる。
また、これを用いたインクジェット式記録装置は、可撓
性チューブに起因するチューブポンプの故障を極力防止
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたインクジェット式記録装置
の構成を示した斜視図である。
【図2】図1に示す記録装置に具備された駆動力伝達機
構の例を示した平面図である。
【図3】本発明にかかる実施形態のチューブポンプを正
転駆動させてポンプ作用を実行させた状態を示す透視図
である。
【図4】図3に示すチューブポンプを逆転駆動させてレ
リース状態とした場合を示す透視図である。
【図5】図3に示したチューブポンプに装着された可撓
性チューブの断面図である。
【図6】図5に示した可撓性チューブの押し潰し状態を
示す断面図である。
【図7】可撓性チューブの変形例を示す断面図である。
【図8】可撓性チューブの他の変形例を示す断面図であ
る。
【図9】可撓性チューブの他の変形例を示す断面図であ
る。
【図10】本発明にかかる他の実施形態のチューブポン
プを示す概略断面図である。
【図11】従来のチューブポンプを示す概略図である。
【図12】図11の詳細断面図である。
【符号の説明】
1 キャリッジ 2 キャリッジモータ 6 記録用紙 7,8 インクカートリッジ 9 キャッピング手段 10 ポンプユニット(チューブポンプ) 11 ワイピング手段 21 紙送りローラ 23 紙送りモータ 26 給紙ローラ駆動軸 31 排紙ローラ 42 ポンプホイール 42a,42b ローラ支持溝 43a,43b ローラ 44 ポンプフレーム 44a,44b 係止溝 51 可撓性チューブ 51a 流路 51b 管壁 51c 連結部 51d 側面 51e 側面 51f 対向面 51g 流路 51h 流路 51i 管壁(連結部) 52 チューブ支持面 53a,53b ガイド部材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性チューブと、前記可撓性チューブ
    の外形を規制するチューブ支持面を有するポンプフレー
    ムと、可撓性チューブを加圧変形させる回転可能に取り
    付けられたローラとを備え、前記ローラによって可撓性
    チューブを加圧変形させて圧力を発生するチューブポン
    プであって、 前記可撓性チューブには複数の流路が形成されると共
    に、前記流路を構成する管壁が連結部によって連結され
    一体化されたものであることを特徴とするチューブポン
    プ。
  2. 【請求項2】 前記流路を構成する管壁が円筒形状に形
    成され、かつ連結部が連結部によって連結される管壁の
    中心を結ぶ中心線上に形成されていることを特徴とする
    請求項請求項1に記載されたチューブポンプ。
  3. 【請求項3】 前記連結部によって、並列に配置された
    管壁が連結されると共に、上下に配置された管壁が連結
    されることを特徴とする請求項2に記載されたチューブ
    ポンプ。
  4. 【請求項4】 前記流路が並列に配置されると共に、ロ
    ーラによって加圧される側面及び該側面に対向する面が
    平坦面であって、他の側面が曲面として形成され、管壁
    と連結部が一体化されていることを特徴とする請求項1
    に記載されたチューブポンプ。
  5. 【請求項5】 前記流路が並列に、かつ該流路間上方に
    他の流路を配置され、流路が重ねられると共に、ローラ
    によって加圧される側面及び該側面に対向する面が平坦
    面であって、他の側面が曲面として形成されていること
    を特徴とする請求項4に記載されたチューブポンプ。
  6. 【請求項6】 印刷データに対応してインク滴を吐出す
    るインクジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドのノ
    ズル形成面を封止すると共に、ポンプユニットからの負
    圧を受けて記録ヘッドよりインクを吸引するキャッピン
    グ手段とを備えたインクジェット式記録装置であって、 前記ポンプユニットとして、請求項1乃至請求項5のい
    ずれかに記載のチューブポンプを具備したことを特徴と
    するインクジェット式記録装置。
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