JP2001192399A - gp120に親和性を有するペプチド - Google Patents

gp120に親和性を有するペプチド

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 HIVの最外殻を構成するgp120分子に
対して親和性を有しており、しかも安定性にも優れたペ
プチドを提供する。 【解決手段】式(1):H−A1−A2−A3−A4−
A5−R (式中、Hは、水素原子を示し、A1は、アスパラギン
酸、リジン、バリン、グルタミン酸、グリシン、アスパ
ラギン、またはチロシンの残基、A2は、バリン、アス
パラギン酸、トリプトファン、リジン、フェニルアラニ
ン、イソロイシン、ロイシン、またはチロシンの残基、
A3は、リジン、バリン、アスパラギン酸、アルギニ
ン、アラニン、またはトリプトファンの残基A4は、ア
ラニン、トリプトファン、グリシンの残基、A5は、グ
リシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、
セリン、スレオニン、メチオニン、アスパラギン、グル
タミン、ヒスチジン、リジン、アルギニン、フェニルア
ラニン、トリプトファン、プロリン、またはチロシンの
残基、Rは、カルボキシル基由来のOHまたは酸アミド
基由来のNH2である)で表されるgp120に対して
親和性を有するペプチドである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒト免疫不全ウイ
ルス(humanimmnodeficiency virus:HIV)の最外殻を
構成するgp120分子に対して親和性を有するペプチ
ドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】HIV感染症に対する治療法としては、
ヌクレオシド誘導体である3'-azido-2',3'-dideoxythym
idine(AZT)に代表される如く、主に化学療法が用
いられている。上記AZT或いはその後開発されたプロ
テアーゼ阻害剤による治療法によって、HIV感染者の
延命効果は見られたものの、化学療法自体に起因する様
々な問題は依然として回避されていない。
【0003】かかる問題としては、第1に、長期投与に
より慢性毒性が表れること;第2に、治療中に薬剤耐性
HIV株が出現すること;第3に、延命効果が見られた
患者に悪性腫瘍が多発すること;第4に、治療の最終目
標である免疫応答の回復が得られないこと;第5に、治
療効果のモニター方法がないこと等が挙げられる。この
様に化学療法は、HIV感染を根本的に治療し得る治療
法とはなり得ないことから、ワクチンの開発が期待され
ている。
【0004】一般にワクチンと言えば、ウイルス等の微
生物を化学処理することにより、その構造を変えること
なく不活性化したもの(不活性化ワクチン);病原性を
失った弱毒株や天然痘ウイルスに対する牛痘ウイルス等
の様に、ヒトに致死的作用を及ぼさない類似株(生ワク
チン)が使用されている。しかしながら、HIVそのも
のは、元来弱毒株であるにもかかわらず、宿主細胞に一
旦進入すると長期間滞在し得、次第に該宿主細胞の機能
を破壊することが知られており、しかもHIVの宿主細
胞が、主に免疫機能を司るリンパ球であること;更にH
IVが凍結乾燥血液製剤を介して血友病患者に蔓延した
こと等を考慮すれば、不活性化・弱毒化のいずれかの途
を選択するにせよ、HIVそのものをワクチンに用いる
ことは、安全性の面で問題が多い。
【0005】従って、HIVワクチンの開発に当たって
は、ウイルス最外殻の一部を使ってペプチドワクチンを
作製することにより感染を防止するのが理想的である。
【0006】この様な観点から、多くの研究者が、ウイ
ルス最外殻を構成するgp120分子のエピトープ解析
を行っており、上記gp120分子のエピトープとして
V3領域(3rd hypervariable region)に注目したが、こ
の領域は非常に変異の激しい領域であった[Palker T.
J., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85: 2709-27
13,1988; Rusche J.R., et al., ibid 85:3198-3202,19
88; Gouddsmit J., etal., ibid 85:4478-4482.1988; M
atsushita S., et al., J Virol. 62:2107-2114,198
8]。その後、この領域の一部を用いてペプチド抗原を
作製し、猿を用いたHIV感染阻止実験[Emini E.A.,
et al., Nature 355: 728-730, 1992]が行われたが、
有効な臨床結果はまだ報告されていない。
【0007】また、上記ペプチド抗原の免疫源性を高め
る工夫もされている(Tam et al.,特表平3-503539号)
が、V3領域等のエピトープとして好適なV領域の大部
分は、変異や欠失が頻繁に生じることから、所望とする
ワクチンを未だ得るに至っていない。
【0008】更に、V3領域の一部を抗原に作製した抗
体を使って、HIVのリンパ球感染阻止を狙った所謂中
和抗体の開発も行われている。例えば特願昭63−17138
5号公報には、上記領域の部分ペプチドを抗原として用
い、マウスでモノクローナル抗体を作製し、そのFab'を
タンパク質レベルで、或いは遺伝子工学的手法により結
合させて、最終的にヒト抗体分子とマウス抗体分子をハ
イブリッドした抗HIVキメラ抗体を作製する方法が報
告されている。しかしながら、この様な中和抗体にして
も、HIVのリンパ球への感染阻止能は実験室レベルの
ものに過ぎず、実用上、有用な中和抗体は未だ得られて
いないのが現状である。
【0009】一方、前述した通り、化学療法では薬剤耐
性や副作用発生等の問題があることから、かかる問題の
ない血漿交換療法により、HIVを生体から除去しよう
という考えもある。具体的には、血漿交換用に使われる
濾過膜のポアーサイズを小さくして該HIVを除去する
方法が考えられるが、HIVは約70nmとかなり小さいこ
とから、ポアーサイズを均一にすることが困難であるこ
と;また、血漿濾過時における目詰まりが生じること等
の可能性があり、その結果、濾過膜の耐圧性が劣化する
等、解決すべき技術的課題が多い。そこで、HIVに特
異的な親和性を持つリンパ球由来のCD4タンパク質を
血漿交換用吸着担体に利用する方法も考えられるが、C
D4は高圧滅菌により変性し、親和性を喪失する為、医
療用具として使用することはできない。また、上記CD
4に代わり、HIVに親和性のある高分子ポリマーや、
色素リガンドの如く高圧滅菌耐性のものを使用する方法
もあるが、これらは元々、HIVに対する特異性がない
為、HIVが吸着する前に血液成分が該ポリマー等に非
特異的に吸着してしまい、HIVの吸着が阻害されてし
まうので使用することはできない。
【0010】この様に、HIV治療剤の開発を目的とし
て、ワクチンや中和抗体を作製する研究が盛んに行われ
ているが、未だ有用な治療剤は得られていない。
【0011】この様な現状に着目し、本発明者らは、抗
体と同等か、或いはそれ以上にgp120に強い特異性
を有し、しかも耐高圧滅菌性にも優れたペプチドを開発
し、既に出願を済ませている(特願平8-351474および特
願平8-351475)。このペプチドは、基本的に3個のアミ
ノ酸配列からものであるが、その後の研究により、当該
ペプチドのgp120に対する親和性は、それに連なる
アミノ酸の種類や数により低下することが分かった。そ
こで、より安定性に優れたペプチドの提供が切望されて
いる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に着
目してなされたものであり、その目的は、HIVの最外
殻を構成するgp120分子に対して親和性を有してお
り、しかも安定性にも優れた新規なペプチド、及び該ペ
プチドを用いた様々な利用態様を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明の第1のペプチドとは、 式(1):H−A1-A2−A3−A4−A5−R (式中、Hは、水素原子を示し、A1は、アスパラギン
酸、リジン、バリン、グルタミン酸、グリシン、アスパ
ラギン、またはチロシンの残基、A2は、バリン、アス
パラギン酸、トリプトファン、リジン、フェニルアラニ
ン、イソロイシン、ロイシン、またはチロシンの残基、
A3は、リジン、バリン、アスパラギン酸、アルギニ
ン、アラニン、またはトリプトファンの残基 A4は、アラニン、トリプトファン、グリシンの残基、
A5は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソ
ロイシン、セリン、スレオニン、メチオニン、アスパラ
ギン、グルタミン、ヒスチジン、リジン、アルギニン、
フェニルアラニン、トリプトファン、プロリン、または
チロシンの残基、Rは、カルボキシル基由来のOHまた
は酸アミド基由来のNH2である)で表されるgp12
0に対して親和性を有するペプチドであるところに要旨
を有するものである。
【0014】即ち、本発明の第1のペプチドは、上記A
1、A2、A3、A4およびA5からなる5個のアミノ
酸配列を基本構成とするペプチドであり、この様なアミ
ノ酸配列を含むペプチドは、全て本発明の範囲に包含さ
れる。従って、 式(2):A1’−A2−A3−A4−A5−R (式中、A1’は、アスパラギン酸、リジン、バリン、
グルタミン酸、グリシン、アスパラギン、またはチロシ
ンの残基、若しくは、該アミノ酸を始端として、そのN
末端側に任意のアミノ酸が配列したポリペプチド残基、
A2、A3、A4、A5およびRは前と同じ意味)で表
されるgp120に対して親和性を有するペプチドや、
或いは、 式(3):H−A1−A2−A3−A4−A5’−R (式中、A5’は、グリシン、アラニン、バリン、ロイ
シン、イソロイシン、セリン、スレオニン、メチオニ
ン、アスパラギン、グルタミン、ヒスチジン、リジン、
アルギニン、フェニルアラニン、トリプトファン、プロ
リン、またはチロシンの残基、若しくは、該アミノ酸を
始端として、そのC末端側に任意のアミノ酸が配列した
ポリペプチド残基、H、A1、A2、A3、A4および
Rは前と同じ意味)で表されるgp120に対して親和
性を有するペプチドも、全て本発明の一態様であると言
うことができる。
【0015】また、上記課題を解決することのできた本
発明の第2のペプチドとは、 式(4):H−a1−a2−a3−a4−a5−R (式中、Hは、 水素原子を示し、a1は、チロシン、
アルギニン、フェニルアラニン、グリシン、トリプトフ
ァン、ヒスチジン、またはアスパラギン酸の残基、a2
は、アルギニン、チロシン、トリプトファン、アラニ
ン、バリン、グルタミン、ヒスチジン、またはリジンの
残基、a3は、リジン、チロシン、アルギニン、グルタ
ミン酸、メチオニン、またはトリプトファンの残基、a
4は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロ
イシン、セリン、スレオニン、メチオニン、アスパラギ
ン、グルタミン、ヒスチジン、リジン、アルギニン、フ
ェニルアラニン、またはトリプトファンの残基、a5
は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイ
シン、セリン、スレオニン、メチオニン、アスパラギ
ン、グルタミン、ヒスチジン、リジン、アルギニン、フ
ェニルアラニン、チロシン、またはトリプトファンの残
基、Rは、カルボキシル基由来のOHまたは酸アミド基
由来のNH2である)で表されるgp120に対して親
和性を有するペプチドであるところに要旨を有するもの
である。
【0016】即ち、本発明の第2のペプチドは、上記a
1、a2、a3、a4およびa5からなる5個のアミノ
酸配列を基本構成とするペプチドであり、この様なアミ
ノ酸配列を含むペプチドは、全て本発明の範囲内に包含
される。従って、 式(5):a1’−a2−a3−a4−a5−R (式中、a1’は、チロシン、アルギニン、フェニルア
ラニン、グリシン、トリプトファン、ヒスチジン、また
はアスパラギン酸の残基、若しくは、該アミノ酸を始端
としてそのN末端側に任意のアミノ酸が配列したポリペ
プチド残基、a2、a3、a4、a5およびRは前と同
じ意味)で表されるgp120に対して親和性を有する
ペプチドや、或いは、 式(6):H−a1−a2−a3−a4−a5’ (式中、a5’は、グリシン、アラニン、バリン、ロイ
シン、イソロイシン、セリン、スレオニン、メチオニ
ン、アスパラギン、グルタミン、ヒスチジン、リジン、
アルギニン、フェニルアラニン、チロシン、またはトリ
プトファンの残基、若しくは、該アミノ酸及びアミノ酸
誘導体を始端として、そのC末端側に任意のアミノ酸が
配列したポリペプチド残基、H、a1、a2、a3およ
びa4は前と同じ意味)で表されるgp120に対して
親和性を有するペプチドも、全て本発明の一態様である
と言うことができる。
【0017】また、上記第1若しくは第2のペプチド
に、官能基を有する高分子化合物及び/又は医薬活性物
質が結合した化合物または医薬として許容されるその塩
類も本発明の範囲内に包含される。
【0018】尚、これらのペプチド性化合物や化合物を
含有するものは、換言すれば、gp120に対する親和
剤と呼ぶことができる。
【0019】更に、上記ペプチドまたは医薬として許容
されるその塩類、並びに薬学的に許容される担体及び/
又は医薬活性物質を含有する組成物も本発明の範囲内に
包含される。また、上記のペプチドを用いてHIV等の
ウイルスを検出、診断、除去等する様々な態様(例え
ば、HIV診断検査薬若しくは該検査薬を含む検査キッ
トに利用したり、HIV吸着除去剤に利用したり、血漿
交換療法に利用したりする等の態様)も本発明の範囲内
に包含される。
【0020】尚、本発明に用いられる「ペプチド」に
は、ペプチドのC末端がCOOHであるものの他、酸ア
ミドやエステル等になっているものも含み、また、結合
するアミノ酸の数にしても、特に明記しない限り、アミ
ノ酸が10個以下のオリゴペプチドから、それ以上のポ
リペプチドまで包含するものとする。
【0021】また、上記ペプチドを構成するアミノ酸に
は、官能基を保護基で保護したアミノ酸誘導体も含まれ
る。この様なアミノ酸誘導体として、ペプチド骨格その
ものを代えることなく側鎖の官能基が置換若しくは修飾
されたもの;炭素鎖の鎖長を代えたもの等、各種アミノ
酸に対応した保護アミノ酸誘導体が市販されているが、
本発明では、これらの各種アミノ酸を使用することがで
きる。例えばチロシンの誘導体として、クロル基を側鎖
に持つ2,6-dichloro-L-tyrosine、フェニルアラニンの
側鎖のフェニル基のp位の水酸基をニトロ基に置換した
p-Nitro-L-phenylalanine、該水酸基をクロル基に置換
した4-chloro-L-phenylalanine等が挙げられ、また、バ
リンの誘導体としては、Norvaline:N-α-L-norvaline、
或いはMeVal:N-α-methyl-L-valine等が挙げられる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明者らは、従来のHIV治療
剤を用いたのでは、ワクチンにしても中和抗体にして
も、実用レベルの成果が何ら得られなかった理由とし
て、生体が抗原として認識できるHIVの領域が、その
最外殻を構成するgp120の変異の激しいV領域であ
ることに最大の問題があるという観点に基づき、生体が
作製する抗体に代わって、gp120に親和性を有する
ペプチドを得ることに着目し、鋭意検討してきた。その
結果、抗体と同等か、或いはそれ以上にgp120に強
い特異性を有し、しかも耐高圧滅菌性にも優れたペプチ
ドを開発し、既に出願を済ませている(特願平8-351474
および特願平8-351475)。
【0023】ところがその後の研究により、上記ペプチ
ドのgp120に対する親和性は、それに連なるアミノ
酸の種類や数により低下するという知見が得られた。そ
こで、より安定性に優れたペプチドを提供すべく更に検
討を重ねた結果、本発明を完成したのである。
【0024】尚、本発明における「親和性」とは、静電
力や、水素結合、Van der Waals力、疎水性結合等の共
有結合以外の弱い相互作用が合わさった特異的な強い結
合を表す。
【0025】本発明のペプチドは、上記の様に構成され
ており、基本的には、 式(1):H−A1-A2−A3−A4−A5−R (式中、A1,A2,A3,A4,A5およびRは前と
同じ意味)或いは、 式(4):H−a1−a2−a3−a4−a5−R (式中、a1,a2,a3,a4,a5およびRは前と
同じ意味)で表される5個のアミノ酸残基から成るペプ
チドである。これらのペプチドは、この様に独立した分
子であっても良いし、或いはポリペプチド中に、上記
のペプチドにおいては、 式(2):A1' −A2−A3−A4−A5;若しくは 式(3):A1−A2−A3−A4−A5'; のアミノ酸配列が、また、上記のペプチドにおいて
は、 式(5):a1' −a2−a3−a4−a5;若しくは 式(6):a1−a2−a3−a4−a5' (式中、A1' ,A2,A3,A4,A5' ,a 1' ,
a2,a3,a4,a5' は夫々前と同じ意味)のアミ
ノ酸配列が、夫々この順序でN末端側から配されたもの
であっても構わない。勿論、そのなかには、A1' −A
2' −A3' −A4' −A5' やa1' −a2' −a
3' −a4' −a5' がこの順序で繰り返し配してなる
ペプチドも含まれる。要するに、上述した5個のアミノ
酸残基からなるペプチドを含み、gp120に対して親
和性を有するペプチドは、全て本発明の範囲内に包含さ
れるのである。
【0026】本発明のペプチドは、固相合成法等の公地
の方法により製造することができる。例えば、A1−A
2−A3−A4−A5からなる本発明第1のペプチドを
合成する場合、A5がグリシン残基の場合は、N−保護
グリシンのカルボキシル基をカルボキシル基と結合し得
る官能基をカップリングさせた不溶性樹脂の様な担体に
結合させた後、A2からA5までの各保護アミノ酸を固
相合成法により順次結合させ、次いで、上記不溶性樹脂
およびアミノ酸の保護基を脱離させることにより、所望
のペプチドを得ることができる。尚、A5のアミノ酸残
基のカルボキシル基末端は、フリー(即ち、Rが−OH
に相当)であっても良いし、或いは酸アミド(即ち、R
が−NH2に相当)に変換されていても良い。また、A
5のカルボキシル基末端は、必要に応じて該カルボキシ
ル基に結合しているスペーサーのカルボキシル基と共
に、合成高分子や生体高分子等、官能基を有する繁用の
高分子化合物と結合しても良い(後記する)。尚、上記
固相合成法に使用されるアミノ酸は、共通してL体であ
っても良いし、或いは共通してD体であっても構わな
い。より好ましくはL体である。
【0027】上記の場合において、固相合成法に使用さ
れる担体としては、そのアミノ基を介してC末端のN−
保護グリシンのカルボキシル基、または該カルボキシル
基と結合可能であり、しかも結合後に脱離可能なもので
あれば制限されず、例えば、クロロメチル樹脂(クロロ
メチル化スチレン−ジニビニルベンゼン共重合体等)や
オキシメチル樹脂(オキシメチルスチレン−ジビニルベ
ンゼン共重合体等)等が挙げられる。また、カルボキシ
ル基と結合し得る官能基及び該カルボキシル基を有する
スペーサーを介して、アミノ基を有する不溶性樹脂に結
合させた4−(オキシメチル)フェニルアセタミドメチ
ル樹脂等の樹脂、ベンジルオキシベンジルアルコール樹
脂、アミノ基を有する不溶性樹脂であるベンズヒドリル
アミン樹脂、メチルベンズヒドロキシリルアミン樹脂、
アミノメチルフェノキシメチル樹脂、ジメトキシベンズ
ヒドリルアミン(DMBHA)樹脂、およびこれらの誘
導体等が挙げられる。このうち、ベンズヒドリルアミン
樹脂、メチルベンズヒドロキシリルアミン樹脂、アミノ
メチルフェノキシメチル樹脂、およびDMBHA樹脂
は、結合後、開裂することにより直接酸アミドが得られ
る。収率の観点からすれば、アミノメチル樹脂の使用が
好ましい。
【0028】また、カルボキシル基と結合し得る官能基
および該カルボキシル基を有するスペーサーとしては、
例えばグリシンのカルボキシル基をp−カルボキシメチ
ルベンジルエステルに変換し得るものが挙げられる。
【0029】また、上記「保護アミノ酸」とは、官能基
を公知の方法により保護基で保護したアミノ酸を意味
し、各種の保護アミノ酸が市販されている。本発明のペ
プチドを合成するには、以下に示す保護基のいずれかを
使用するのが好ましい。
【0030】例えばアミノ酸のα−アミノ基の保護基と
しては、Boc(t−ブチルオキシカルボニル)または
Fmoc(9−フルオレノメチルオキシカルボニル);
リジンのξ−アミノ基の保護基としては、Z(ベンジル
オキシカルボニル),Cl・Z(2−クロロベンジルオ
キシカルボニル),Boc,Npys(3−ニトロ−2
−ピリジンスルフェニル);チロシンの水酸基の保護基
としては、Bzl(ベンジル),Cl2・Bzl(2,
6−ジクロロベンジル)或いはt−Bu(t−ブチル)
が挙げられるが、該チロシンの水酸基は上記保護基で保
護されていなくても良い;アルギニンのグアニジノ基の
保護基としては、Tos(トシル),NO2(ニト
ロ),Mtr(4−メトキシ−2,3,6−トリメチル
ベンゼンスルホニル)またはpmc(2,2,5,7,
8−ペンタメチルクロマンー6ースルホニル);グルタ
ミン酸のカルボキシル基の保護基としては、Bzlエス
テル,t−Buエステル,cHx(エステルサイクロヘ
キシルエステル);グルタミンのアミド基の保護基とし
ては、Trt(トリチル)が挙げられるが、該保護基で
保護されていなくても良い;トリプトファンのインドー
ル基の保護基としては、ホルミル基またはBocが挙げ
られるが、該保護基で保護されていなくても良い。これ
らの保護基は、ペプチドの合成条件に応じて最も適切な
ものを、適宜選択して使用することができる。
【0031】保護アミノ酸の結合は、通常の縮合法、例
えばDCC(ジクロロヘキシカルボジイミド)法(R.B.
Merrifield: Biochemistry,3,1385,1964),DICD
I(ジイソプロピルカルボジイミド)法(D. Sarantaki
s,et al: Biochem. Biophys.Res. Commun., 73, 336, 1
976),活性エステル法(F. Weygand, et al : Z. Natur
forsch., B, 21, 1141, 1966),混合或いは対称酸無水
物法(D. Yamashiro,et. al: Proc. Natl.Acad.Sci. US
A, 71, 4945, 1945),カルボニルジイミダゾール法,D
CC−HOBt(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール)
法(Keonig,W., et al.; Chem. Ber., 103: 788, 197
0),ジフェニルホスホリルアジド法等に従って行うこ
とができるが、なかでもDCC法、DCC−HOBt
法、DICDI−HOBt法、対称酸無水物法を使用す
ることが好ましい。これらの縮合反応は、通常、ジクロ
ロメタンやジメチルホルムアミド等の有機溶媒、または
それらの混合液中で行われる。
【0032】尚、α−アミノ基の保護基の脱離試薬とし
ては、トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン,HCl/ジ
オキサン,ピペリジン/ジメチルホルムアミド等が用い
られ、使用する保護基の種類により適宜選択することが
できる。また、合成の各段階における縮合反応の進行の
程度は、ニンヒドリン反応法(E. Kaiser, et al, Ana
l. Biocehm., 34: 595, 1970)により確認することがで
きる。
【0033】この様にして、上式で表されるアミノ酸配
列を有する保護ペプチド樹脂を得た後、不溶性樹脂およ
びアミノ酸の保護基を脱離させることにより、所望のペ
プチドを得ることができる。具体的には、例えば、不溶
性樹脂としてクロロメチル樹脂誘導体を用いた場合には
アニソールを添加してフッ化水素で処理すれば良い。ま
た、不溶性樹脂としてベンジルオキシベンジルアルコー
ル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹脂、DMBHA樹脂
(Funakoshi, S., J.Chem.Soc.,Chem. Commun.,198:38
2,1988)を用いた場合には、フッ化水素、TFMSA(トリ
フルオロメタンスルホン酸)、TMSOTF(トリメチ
ルシリルトリフルラート)、またはTMSBr(トリメチルシ
リルブロミド)等で処理することにより、該樹脂および
保護基を同時に脱離させることができる。
【0034】この様にして得られたペプチドは、各種ク
ロマトグラフィー(ゲル濾過、イオン交換、分配、吸
着、逆相),電気泳動,限外濾過等の公知手段により単
離精製することができる。
【0035】また本発明では、上記ペプチドを遺伝子組
換え法によって得られる類似蛋白質(抗体、レセプタ
ー、酵素等の活性中心や結合ドメイン)で置換させたも
のも、本発明のペプチドとして用いることができる。例
えば、ヒト型抗gp120抗体を遺伝子組換え法により
製造する場合には、米国特許第114632号に記載の
方法に準じて、ヒトイムノグロブリンのV遺伝子領域
中、エピトープの認識に関係していると言われているV
H31から35番までのCDR(complementaritydeter
mination region)−1の全領域、CDR−2のVH5
0から52番まで、及び/又はCDR−2のVH58か
ら60番までの3つの超可変群(Hypervariable cluste
r )のアミノ酸(Ohno, S., Mori, N. & Matunaga, T.;
Proc. Nat.Acad. Sci. USA, 82, 2945, 1985)に、上
記本発明のペプチドを導入する等すればよい。
【0036】この様に上記本発明のペプチドを、その目
的に応じて遺伝子組換え法により置換させることによ
り、gp120結合型の蛋白質を作製することができ
る。
【0037】本発明第1のペプチドの具体例としては例
えば表1〜2に示すものが、また、本発明第2のペプチ
ドの具体例としては例えば表3〜4に示すものが夫々挙
げられる。尚、表中の*は、後記する実施例に記載の方
法に基づいて凝集試験及び中和試験を実施した場合、凝
集若しくは中和が見られたことを意味する。尚、表1の
No.24は本発明第1のペプチドにも該当するし、本
発明第2のペプチドにも該当するものである。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】式中の各アミノ酸記号は、国際的に認めら
れた三文字表示によるアミノ酸残基を示すものであり、
その詳細は下記の通りである。 Tyr:チロシン Lys:リジン Trp:トリプトファン Arg:アルギニン Glu:グルタミン酸 Gln:グルタミン His:ヒスチジン Ala:アラニン Phe:フェニルアラニン Gly:グリシン Met:メチオニン Asp:アスパラギン酸 Asn:アスパラギン Val:バリン Ser:セリン Cys:システイン Thr:トレオニン Ile:イソロイシン Leu:ロイシン Pro:プロリン。
【0043】この様なアミノ酸配列を有するペプチド
は、gp120に対して優れた親和性を有しており、以
下に示す化合物または組成物の形態をとることによっ
て、抗HIV剤として有効に用いることができる。
【0044】本発明の化合物は、上記ペプチドに、官能
基を有する高分子化合物及び/又は医薬活性物質が結合
したものであり、医薬として許容されるその塩類も本発
明のなかに包含される。
【0045】ここで、「医薬として許容される塩類」と
しては、例えば以下の様な常用の無毒性の塩類が挙げら
れる。
【0046】無機塩基等の塩基との塩として、アルカ
リ金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩等)、アル
カリ土類金属塩(例えばカルシウム塩、マグネシウム塩
等)、アンモニウム塩;有機塩基塩等の塩基との塩と
して、有機アミン塩(例えばトリエチルアミン塩、ピリ
ジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン塩、トリエタノ
ールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N' −
ジベンジルエチレンジアミン塩等);無機酸等の酸と
の塩として、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸
等;有機酸等の酸との塩として、有機カルボン酸(酢
酸、プロピオン酸、マレイン酸、コハク酸、リンゴ酸、
クエン酸、酒石酸、サリチル酸等)、有機スルホン酸
(メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等)、酸
性糖(グルクロン酸、ガラクトン酸、グルコン酸、アス
コルビン酸等)。
【0047】また、本発明に用いられる「官能基を有す
る高分子化合物」は、本発明のペプチドと結合すること
のできる官能基を有するものであれば特に限定されない
が、例えば以下のものが挙げられる。
【0048】(1)合成高分子化合物 上記高分子化合物としては、直鎖状ポリマー、分岐状ポ
リマー、環状ポリマー等任意のものが用いられ、例えば
ポリリジン,ポリグルタミン酸等のアミノ酸ホモポリマ
ー,或いは環状ポリアミン,サイクロデキストリン,環
状ペプチドの他,ポリスチレン,ポリプロピレン,ナイ
ロン,シリカゲル,ポリエチレングリコール,セルロー
ス,ポリアクリルアミド等の不溶性の固相担体を使用す
ることができる。
【0049】このうち分岐状ポリマーは、ポリマー中の
分子の一部が分岐することにより、単位当たりの官能基
濃度が、通常の直鎖状ポリマーよりも高いものである。
例えばDenkewalter により開示されたリジンコアー等の
様に、少なくとも2個以上の官能基を有するコアー分子
に由来する2本以上の同一分子鎖に基づくポリマー(米
国特許No.4,289,872号)、或いはTomaliaら
によって提唱されている同一分子が連続的に反応するこ
とによりポリマーサイズが厳密な規則性を有するスター
バーストデンドリマー(Starburst dendrimer )の様な
ものであっても良いし、或いは、同一/異なった分子が
不連続に反応することによりサイズが不規則に形成され
た分子であっても構わない。また、上記直鎖状/分岐状
ポリマーは、充分な大きさを有する担体分子である必要
はなく、通常はコアーとは認識されない様な3個程度の
モノマーを含むものも包含され、その大きさや導入数に
よって何ら制限されるものではない。但し、上式のペプ
チドを多数導入させる場合には、いずれのポリマーであ
っても、分岐数が多いポリマーの使用が推奨される。本
発明のペプチドを上述したポリマーに結合させるに当た
っては、分岐した官能基からそのまま直接的/間接的
に、上記ペプチドを合成して伸長させても良いし、或い
は、別途新規に合成したペプチドを、該ポリマーの官能
基に直接的/間接的にコンジュゲートしても良い。
【0050】また、環状ポリアミン,サイクロデキスト
リン,環状ペプチド等の環状ポリマーを結合させるに当
たっては、その同一官能基から上式のペプチドを直接合
成して伸長させても良いし、或いは、別途新規に合成し
たペプチドを、該環状ポリマーの官能基に直接的/間接
的に結合させても良い。また、シリカゲル等の不溶性担
体を結合させるに当たっては、予め同一官能基を上記担
体に導入した後、その官能基から直接上式のペプチドを
合成して伸長させても良いし、或いは、別途新規に合成
したペプチドを、該不溶性担体の官能基に直接的/間接
的にコンジュゲートしても良い。また、この同一官能基
を有する担体の大きさや形状は特に限定されず、球状、
中空糸状、繊維状等の形状のものを使用目的により適宜
選択して使用すれば良く、大きさや形状、導入された官
能基の数によって何ら制限されるものではない。
【0051】(2)生体高分子 上記生体高分子としては、例えばヘパリン、ヒアルロン
酸、キトサン、キチン等の直鎖状多糖類;プロテオグリ
カン類,ペプチドホルモン;ゼラチン,アルブミン,抗
体,抗体断片等のタンパク質等が挙げられる。
【0052】このうち直鎖状ポリマーの大きさは、使用
目的に応じて適宜選択すれば良く、通常はポリマーとは
認識されない様な3個程度のモノマーを含むものも包含
され、その大きさや官能基の数によって何ら制限される
ものではない。上式のペプチドをこの直鎖状ポリマーに
結合させるに当たっては、その同一官能基から上記ペプ
チドを直接合成して伸長させても良いし、或いは、別途
新規に合成したペプチドを、該直鎖状ポリマーの官能基
に直接的/間接的にコンジュゲートしても良い。
【0053】また、ペプチドホルモンやタンパク質を結
合させる場合には、上式のペプチドのいずれか末端にシ
ステインを結合させて、上記ペプチドホルモン/タンパ
ク質中のシステイン残基とS−S結合させるか、或い
は、上式のペプチドの官能基とペプチドホルモン/タン
パク質中の官能基を直接的/間接的にコンジュゲートし
ても良い。この様に、これらの結合方法は、使用目的に
応じて適宜選択することができるし、また、その種類や
上式のペプチドの導入数にしても同様である。
【0054】また、本発明に用いられる医薬活性物質と
しては、例えば抗HIV阻害剤として知られているヌク
レオシド誘導体のAZT,HIVプロテアーゼ阻害剤と
して知られている3,4-Dihydroxy-2,5-di[N-methyl-(2-p
yridylmethyl)carbamoyl]valylamino]−1,6-diphenylh
exane 等があげられる。これらの医薬活性物質は、本発
明のペプチドの活性部位を避けて直接的/間接的にコン
ジュゲートすることにより、副作用がなく、HIVに特
異的な製剤を得ることができる。従って、この様な製剤
は、HIVを特異的に治癒することのできる治療剤とし
て有用である。
【0055】更に、上述した本発明のペプチドまたは医
薬として許容されるその塩類、並びに薬学的に許容され
る担体及び/又は医薬活性物質を含有する組成物も本発
明の範囲内に包含される。
【0056】上記の「薬学的に許容される担体」として
は、賦形剤(崩壊剤、滑沢剤、増量剤等)、着色料、着
香料、保存料、安定剤、その他常用の担体を適宜使用す
ることができる。具体的には、結晶セルロース、カルメ
ロースカルシウム、カルメロースナトリウム、ヒドロキ
シプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロース、エチルセルロース、ステアリン酸マグネシウ
ム、タルク、軽質無水ケイ酸、食用色素、芳香性精油類
等が挙げられる。
【0057】以下実施例に基づいて本発明を詳述する。
ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、
前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは
全て本発明の技術範囲に包含される。
【0058】
【実施例】合成例1:本発明ペプチドにポリエチレング
リコールを結合させた化合物 ポリエチレングリコール(MW.20,000)の水酸
基に無水コハク酸を反応させることによりカルボキシル
基を導入した後、MBS(m−マレイミドベンゾイル−
N−ヒドロキシスクシンイミド)と反応させることによ
り、マレイミド化したポリエチレングリコールを合成し
た。
【0059】それに、前記表1におけるNo.1のペプ
チドのC末端にシステインを導入したペプチドをペプチ
ド結合させることにより、ペプチド−ポリエチレングリ
コール結合化合物を得た。得られた化合物をリン酸緩衝
液で懸濁した後、gp120結合担体によるアフィニテ
ィー、及びゲルクロマトグラフィー等を行って精製し
た。
【0060】合成例2:本発明ペプチドにサイクロデキ
ストリンを結合させた化合物 α−サイクロデキストリンの水酸基に無水コハク酸を反
応させることによりカルボキシル基を導入した後、MB
S(m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシ
ンイミド)と反応させることにより、マレイミド化した
サイクロデキストリンを合成した。
【0061】一方、前記表3におけるNo.12のペプ
チドのC末端にシステインをペプチド結合させたペプチ
ドを固相合成法で合成した後、得られたペプチドと、上
記マレイミド化したサイクロデキストリンを反応させる
ことにより環状生成物を得た。
【0062】合成例3:本発明ペプチドに分岐状ポリマ
ーを結合させた化合物(1) MAPs(Multiple antigenic peptide)のN末端アミ
ノ酸側を前記表1におけるNo.1のペプチドで伸長
し、分岐状ポリマーに結合させた化合物を得た。得られ
た化合物をリン酸緩衝液で懸濁した後、gp120結合
担体によるアフィニティクロマトグラフィー、及びゲル
クロマトグラフィー等を行って精製した。
【0063】合成例4:本発明ペプチドに分岐状ポリマ
ーを結合させた化合物(2) MAPsのN末端アミノ酸側を前記表3におけるNo.
12のペプチドで伸長し、分岐状ポリマーに結合させた
化合物を得た。得られた化合物をリン酸緩衝液で懸濁し
た後、gp120結合担体によるアフィニティクロマト
グラフィー、及びゲルクロマトグラフィー等を行って精
製した。
【0064】合成例5:本発明ペプチドにAZTを結合
させた化合物 ブロモ酢酸にクロロギ酸イソブチルを反応させて混合無
水とした後、これをAZTの水酸基と反応させてエステ
ル化することによりブロモアセチルエステル−AZTを
合成した。
【0065】一方、前記表3におけるNo.12のペプ
チドのC末端にシステインをペプチド結合させたペプチ
ドを固相合成法で合成した後、得られたペプチドと、上
記のブロモアセチルエステル−AZTを反応させること
により、該ペプチドとAZTの架橋生成物を得た。
【0066】合成例6:本発明ペプチドに、不活性化し
たアルカリホスファターゼを結合した化合物 不活性化したアルカリホスファターゼ(Alp)にMB
S(m−マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシン
イミド)を反応させることにより、マレイミド化したア
ルカリホスファターゼを合成した。そして、そのマレイ
ミド基にC末端側にシステインを導入した前記表3にお
けるNo.8のペプチドを結合させ、アルカリホスファ
ターゼ結合化合物を得た。尚、アルカリホスファターゼ
の不活性化は、基質としてp−ニトリルフェニルリン酸
を用い、p−ニトリルフェノールの生成がないことを確
かめることにより確認した。
【0067】合成例7:本発明ペプチドをセファデック
ス6MBに結合させた吸着除去用担体(1) 前記表1におけるNo.1のペプチドを、スペーサーを
介して予め活性化されたSephadex 4Bに共有結合さ
せ、ペプチド/Sepharose 6MB(1μmol of gp12
0/ml in bed volum)を作製した。未反応のペプチド
は、リン酸緩衝液を用いて室温で10分間(12,000rpm)
遠心し、上清を吸引除去する操作を繰り返すことによ
り、未反応ペプチドを除去した。
【0068】合成例8:本発明ペプチドをセファデック
ス6MBに結合させた吸着除去用担体(2) 前記表3におけるNo.12のペプチドを、スペーサー
を介して予め活性化されたSephadex 4Bに共有結合さ
せ、ペプチド/Sepharose 6MB(1μmolのgp120
/ml in bed volume)を作製した。未反応のペプチド
は、リン酸緩衝液を用いて室温で10分間(12,000rpm)
遠心し、上清を吸引除去するという操作を繰返すことに
より除去した。
【0069】合成例9:本発明ペプチドをセファデック
ス4Bに結合させた吸着除去用担体 前記表3におけるNo.12のペプチドを、予め活性化
されたSephadex 4Bに共有結合させ、ペプチド/Sepha
rose 4B(1μmolのgp120/ml in bed volume)を作
製した。未反応のペプチドは、リン酸緩衝液を用いて室
温で10分間(12,000rpm)遠心し、上清を吸引除去する
という操作を繰返すことにより除去した。
【0070】合成例10:本発明ペプチドをセルロース
系担体に結合した吸着除去用担体 前記表3におけるNo.12のペプチドをペルオキシ化
したセルロース担体と反応させてセルロースに共有結合
させ,グリシンによってブロッキングした後、炭酸水素
ナトリウム緩衝液(pH8)およびリン酸緩衝液(pH
4)で充分洗浄し、作成した。
【0071】実施例1:中和活性の測定 本実施例では、表5及び表6に示す種々のペプチドを使
用し、HIV−1に対する中和活性を調べた。
【0072】具体的には、96ウエルのマイクロプレー
ト中に、上記ペプチドを50μL;ウイルス液として、
200TCID50のHTLV−III B(実験室株)、2
00TCID50のKK−1株(新鮮分離株,大竹徹ら、
感染症雑誌、64, 1284〜1294, 1990 )を夫々50μ
L;および正確に段階的に2倍希釈した上記ペプチドを
50μL加えて混合した。尚、陽性対照としてはAZT
を使用した。
【0073】37℃で30分間反応させた後、更に3×
104個のMT−4細胞浮遊液を100μL加え、湿度
98%,5%CO2 の存在下にて37℃で6日間培養し
た。培養後、HIV−1の増殖による細胞変性効果(C
PE)、即ち、薬剤を段階的に希釈して加え、感染した
細胞が集合してアイランドを形成する状態(フォーカス
形成)になったとき、この希釈倍率の前段階を中和活性
量(感染阻止濃度)として判定した。これらの結果を表
5及び表6に併記する。
【0074】
【表5】
【0075】
【表6】
【0076】表5および表6の結果から明らかな様に、
本発明の要件を満足しないペプチドはいずれもHIV−
1株に対して中和活性を示さないのに対し、本発明の要
件を満足するペプチドはいずれも、HIV−1株に対し
て優れた中和活性を示すことが分かった。尚、表5に示
す本発明ペプチドは本発明第1のペプチドを、表6に示
す本発明ペプチドは本発明第2のペプチドを夫々示す。
また、これらの本発明ペプチドを用いれば、実験室株の
みならず新鮮分離株を使用した場合にも優れた中和活性
が認められることから、本発明のペプチドは、実験室レ
ベルを超えた実用レベルでも極めて有用であることが示
唆される。
【0077】実施例2:凝集試験 本実施例では、表7〜10に示すペプチドを使用し、g
p120に対する親和性を凝集試験により評価した。
【0078】1%活性化ラテックスビーズ(Polyscienc
e 社製,粒子径0.2mm)懸濁液およびアビジン(1
0mg/mL)を等量混和した後、37℃で1時間反応
させた。反応終了後、ウシ血清アルブミン(BSA,1
mg/mL)を加え、未反応活性部位のブロッキング化
を37℃で30分間行った。次いで、遠心操作を繰り返
すことにより未反応物を除去した後、ビオチニル化させ
た各ペプチド(10mg/mLのリン酸緩衝液,pH
7.5)を添加し、37℃で1時間反応させることによ
り、抗gp120凝集検査試薬を得た。
【0079】陽性対照としては、バキュロウイルスで発
現させたリコンビナントgp120を標識した金コロイ
ド(Immuno Diagnostics, Inc.社製,粒子径30nm)
を使用し、一方、陰性対照には、該当するリコンビナン
トgp120をリン酸緩衝液に溶解したものを使用し
た。
【0080】凝集板に、上記凝集検査試薬と陽性対照を
夫々20μずつ加えて混和し、10分間静置した後、肉
眼で凝集の有無を判定した。これらの結果を表7〜10
に併記する。尚、本実施例では、陽性対照の代わりに陰
性対照を使用した場合には、凝集は見られなかったこと
を確認している。
【0081】
【表7】
【0082】
【表8】
【0083】
【表9】
【0084】
【表10】
【0085】表7〜10の結果より、本発明のペプチド
はいずれもgp120に対して優れた親和性を有するこ
とが確認された。尚、表7及び表8に示す本発明ペプチ
ドは本発明第1のペプチドを、表9及び表10に示す本
発明ペプチドは本発明第2のペプチドを夫々示す。
【0086】実施例3:本発明ペプチド中、A4及びA
5の凝集能に及ぼす影響 表7におけるNo.1のペプチドの鎖長を変えて、その
凝集能に及ぼす影響を調べた。尚、凝集能は、実施例2
と同様にして測定した。これらの結果を表11に併記す
る。表中、±は「痕跡程度に凝集」を意味する。
【0087】
【表11】
【0088】表11より、アミノ酸数が3個しかないN
o.3(a4及びa5のアミノ酸がない)、及びアミノ
酸数が4個しかないNo.2(a5のアミノ酸がない)
は、いずれもアミノ酸数が5個のNo.1に比べ、中和
活性が著しく低下することが分かる。即ち、アミノ酸数
の減少により中和活性は低下する傾向があり、なかで
も、アミノ酸数が3個のNo.3では中和活性を完全に
消失した。
【0089】実施例4:本発明ペプチド中、a4及びa
5の中和活性に及ぼす影響 表9におけるNo.8のペプチドの鎖長を変えて、その
中和活性に及ぼす影響を調べた。尚、中和活性は、実施
例1と同様にして測定した。これらの結果を表12に記
載する。表中、NEは「陰性」を意味する。
【0090】
【表12】
【0091】表12より、アミノ酸数が3個しかないN
o.3(a4及びa5のアミノ酸がない)、及びアミノ
酸数が4個しかないNo.2(a5のアミノ酸がない)
は、いずれもアミノ酸数が5個のNo.1に比べ、中和
活性が著しく低下することが分かる。即ち、アミノ酸数
の減少により中和活性は低下する傾向があり、なかで
も、アミノ酸数が3個のNo.3では中和活性を完全に
消失した。
【0092】実施例5:本発明ペプチド中、a4及びa
5の中和活性に及ぼす影響 表13中、No.1のペプチドを陽性対照として用い、
当該ペプチド中、a4のアミノ酸種類を同じ疎水性アミ
ノ酸であるロイシンに代えたペプチド(No.2)、ま
たはプロリンに代えたペプチド(No.3)を用い、こ
れらの中和活性に及ぼす影響を実施例1と同様にして測
定した。これらの結果を表13に併記する。
【0093】
【表13】
【0094】表13より、No.1において、a4及び
a5のアミノ酸種類を本発明で特定するアミノ酸とは異
なる種類に置換すると、中和活性が低下または消失する
ことが分かる。これらの結果より、a4及びa5のアミ
ノ酸種類は中和活性の発現に重要な影響を及ぼすことが
示唆される。
【0095】実施例6:本発明ペプチド中、A4及びA
5の凝集能に及ぼす影響 表14中、No.1のペプチドを陽性対照として用い、
当該ペプチド中、A4のアミノ酸の種類を同じ疎水性ア
ミノ酸であるプロリンに代えたペプチド(No.2)、
または酸性アミノ酸であるアスパラギン酸に代えたペプ
チド(No.3);同様に、A5のアミノ酸の種類をプ
ロリンに代えたペプチド(No.4)、またはグルタミ
ン酸に代えたペプチド(No.5)を用い、これらの凝
集能に及ぼす影響を実施例2と同様にして測定した。こ
れらの結果を表14に併記する。表中、±は「痕跡程
度」を意味する。
【0096】
【表14】
【0097】表14より、No.1においてA4及びA
5のアミノ酸の種類を異なるアミノ酸数に置換すると、
凝集能は陰性か、若しくは殆ど痕跡程度に低下すること
が分かる。これらの結果より、A4及びA5のアミノ酸
の種類は凝集能の重要な影響を及ぼすことが示唆され
る。
【0098】実施例7:高分子化による中和活性に及ぼ
す影響 合成例6で作製した不活性アルカリホスファターゼ(A
lp)結合ペプチドのHIV中和活性を、実施例1と同
様にして測定した。尚、表3におけるNo.8のペプチ
ドを陽性対照とし、未反応な不活性アルカリホスファタ
ーゼを陰性対照として用いた。これらの結果を表15に
併記する。表中、NEは「陰性」を意味する。
【0099】
【表15】
【0100】表15より、本発明のペプチドを既知のタ
ンパク質と結合させ、高分子化を図ることにより可溶性
が高まり、中和活性も上昇することが分かる。
【0101】実施例8:複数のペプチド導入による抗体
分子様作用 ヒト血清中に、合成例2で作製したペプチド結合α−サ
イクロデキストリンを懸濁し、市販のHIV診断薬(ダ
イナボット社製「HIV−1/HIV−2EIA」)で
検出できるか調べた。当該HIV診断薬の判定原理は、
患者血清に形成された抗HIV抗体を検出するものであ
り、特に感染初期に出現するIgM抗体を検出できるこ
とを特徴とするものである。その結果を図1に示す。
【0102】図1に示す様に、HIV患者血清中に存在
する抗HIV抗体のみを検出する上記診断薬により、ヒ
ト血清中に懸濁したHIV−gp120に親和性を有す
るペプチドを複数個導入した結合α−デキストリンを濃
度依存的に検出できることが分かる。この結果より、本
発明のペプチドがHIVに親和性を有すること、及び本
発明ペプチドを複数個導入することにより、抗体様作用
を示すことが明らかになった。
【0103】実施例9:gp120に対する親和性
(1) 合成例7で作製したペプチド結合Sephadex6MBを、予
め種々の濃度に調整した西洋わさび由来ペルオキシダー
ゼ(HRP)標識HIV−1-gp120(Immuno Diag
nostic 社)及び酵素未標識HIV−1-gp120を夫
々加え、Schacherd Plotを作成することにより本発明ペ
プチドの解離定数(kd)を求めたところ、kd=2.
14×10-10Mであった。
【0104】この結果より、本発明ペプチドは、抗体と
同等か、若しくはそれ以上の親和性を有することが明ら
かである。
【0105】実施例10:gp120に対する親和性
(2) 合成例8で作製したペプチド結合Sephadex4Bを、予め
種々の濃度に調整したHRP標識HIV−1-gp12
0(Immuno Diagnostic 社)及び酵素未標識HIV−1
-gp120を夫々加え、Schacherd Plotを作成するこ
とにより本発明ペプチドの解離定数(kd)を求めたと
ころ、kd=4.97×10-10Mであった。
【0106】この結果より、本発明ペプチドは、抗体と
同等か、若しくはそれ以上の親和性を有することが明ら
かである。
【0107】実施例11:gp120の認識部位 本発明ペプチドの特異性を確かめる為に、表1のNo.
1及び表3のNo.6のペプチドを、赤色ラテックスビ
ーズ(ポリサイエンス社、直径200nm)に標識した「ペ
プチド標識ラテックスビーズ」を作製した。このラテッ
クスビーズ液20μlに同量の偽HIV−1(gp12
0標識金コロイド)液を加えると、肉眼で、直ちに且つ
容易に観察可能な赤色の凝集像を生じた。これに対し、
金コロイドに標識していない未標識gp120液(1μ
g protein/ml)を加えても全く凝集しないことから、
本発明ペプチドは、gp120の唯一1カ所の部位に結
合することが推察された。尚、これらの結果を表16に
示す。
【0108】
【表16】
【0109】実施例12:特異性試験 実施例7で作製した2種類のペプチド(表1のNo.1
及び表3のNo.6)のラテックス凝集試験試薬「ペプ
チド標識ラテックスビーズ」を用い、他の病原ウイルス
に対する非特異的吸着の有無を調べた。本実施例に用い
たウイルスは、増悪期のC型あるいはB型肝炎患者から
採取した血清、実験室株、新鮮分離株等である。また、
ウイルスlysateは、予め金コロイドに標識して使用し
た。使用したウイルスの感染力価若しくは数、及び凝集
の有無を表17に示す。
【0110】
【表17】
【0111】表17より、本発明のペプチドによるgp
120に対する親和性はHIV−1に特異的であること
が分かる。
【0112】実施例13:HIV吸着カラムによる血清
中のHIVの除去 合成例9で作製した本発明ペプチド/Sepharose4B担体
を用い、HIV−1の吸着除去能について検討した。
尚、上記担体に標識された本発明ペプチドの導入量は、
ベッド容量1ml当たり約5mgであった。
【0113】まず、予めPBS緩衝液(pH7.2)に
懸濁した上記吸着体100μl(1容)をテストチュー
ブに入れた後、121℃で30分間高圧滅菌し、自然減
圧したものを供試担体した。また、偽HIV−1ウイル
スモデルとして、gp120のタンパク質量を1.5m
g/mLに調整したgp120標識金コロイド液を使用
した。この偽HIV液を、100%ヒト血清に懸濁した
もの(血清最終のうど96%)を供試ウイルス液とし、
一方、同濃度の偽HIV液をPBS緩衝液に懸濁したも
の(pH7.2,血清濃度0%)を対照液とした。抗体
1容(100μl)に対し、供試ウイルス液24容
(2.4mL)をテストチューブに添加し、37℃に設
定した恒温水槽で2時間浸透懇話した。反応終了後、こ
のテストチューブを取出して室温に静置し、30分後、
上澄み液を偽ウイルス未吸着サンプルとして採取した。
この様にして得られたサンプルの540nmにおける吸
光度を比色し、血清濃度0%での吸着率100%とした
ときの、血清濃度94%の吸着率を算出した。これらの
結果を表18に示す。
【0114】
【表18】
【0115】実施例14:HIV吸着カラムによる血清
中のHIVの除去 合成例7で作製した本発明ペプチドで標識されたセルロ
ース系担体を使って、HIV−1の吸着除去について検
討した。ここでこの担体に標識された本発明のペプチド
の導入量は、ベッド容量1mL当たり約5mgであっ
た。
【0116】まず、予めPBS緩衝液(pH7.2)に
懸濁した上記吸着体100μl(1容)をテストチュー
ブに入れた後、121℃で30分間高圧滅菌し、自然減
圧したものを供試カラムとした。一方、HIV−1ウイ
ルス液は、国内エイズ患者から大竹ら(感染症雑誌,6
4:1284-1294, 1990)が新鮮分離し、凍結保存したkk
−1株を用いた。このkk−株(1×105 TCID50)を
急速融解した後、超遠心機にかけ、予め非動化した培養
用100%ヒト血清に懸濁したものを供試ウイルス液と
した。次に、カラム中の担体1容に対して、供試ウイル
ス液24容をカラムに流した。添加終了後、カラムに残
った未反応ウイルスを洗浄する為に、担体の5倍容の正
常ヒト血清を流した。尚、ウイルス量の測定は、p24 An
tigen ELISA Kit(Cellular products Inc.)を用いて測
定し、キットに添付された計算式によりCut off値を求
め、S/COを算出した。測定した試料は、供試試料
(ウイルス液)、素通り試料、洗浄液、及び担体を可溶
化して抽出した液(カラム吸着画分)であり、カラム素
通り各部画分は、このうち素通り試料及び洗浄液を含む
画分とした。これらの結果を表19に示す。
【0117】
【表19】
【0118】表19より、供試ウイルス量の約10%弱
が、カラムに吸着したことが分かる。
【0119】尚、本実施例において、ウイルス量を評価
するのに上記のp24量を測定する方法を採用した理由
について述べる。
【0120】本実施例では、ウイルス液として患者の状
態に最も近いと思われる100%ヒト血清に懸濁した新
鮮分離株KK−1株を用いたが、その量を正確に評価す
ることは極めて困難である。gp120 ELISA Kit は
実験室株に使えても、HIV−1の様な新鮮分離株には
使用できない。むしろ、これがこのウイルス株を使った
理由でもある。従って、一次構造上コンセンサスな配列
を持つコアータンパク質であるp24量をEIA法で測
定するか、或いは、RT−PCR法で想定することが考
えられるが、これらの方法はいずれも、分解物も含んで
測定してしまうという欠点がある。前述の様に、HIV
そのものが極めて不安定であり、操作中にも分単位で壊
れていく為、実験に使ったウイルス液中には、ウイルス
分解物が存在するのみならず、該分解物が操作中に益々
増加していることも考えられるので、これらの方法を採
用し、吸着量に比べ分解物の増加量が多ければ、その結
果が判らないものとなる。従って、ウイルス量を正確に
判定するには、感染実験による判定が望ましい。しか
し、本実施例で使用した新鮮分離株KK−1は、HIV
−1III B等の実験室株の様に感染が容易でないこと、
とりわけ感染実験には、カラム吸着量を遙かに超える位
の、非常に高濃度のウイルス液が必要であることを考慮
すると、実験することは極めて困難である。そこで、ウ
イルス液を或る程度希釈しなければ吸着量も判りにくい
ことから、本実施例ではp24量を測定することにし、
他のデータと比較できる様にS/COを算出することに
したのである。
【0121】実施例15:ラテックス標識ペプチドによ
るHIVの結合 表17のNo.2のウイルス/No.1のペプチド−ラ
テックスビーズによるHIVの凝集の様子を電子顕微鏡
で撮影した。詳細には、実験室株HIV−1LAV1に
上記凝集試験薬を加えて凝集させた後、4℃で6時間放
置した。次いで、この凝集液を電子顕微鏡支持膜に載せ
て、酢酸ウラニルでネガティブ染色した後、観察した。
参考までに、この電子顕微鏡写真を図2に示す。
【0122】図2より、HIVウイルスは、HIV−g
p120親和性ペプチドを標識したラテックスビーズに
強固に結合し、それらのビーズ同士を強固に結合して凝
集していることが分かる。
【0123】
【発明の効果】上述した通り、本発明のペプチドはgp
120に対し、安定して優れた親和性を有するものであ
り、従来の抗体分子に匹敵するだけの中和活性を持った
抗HIV剤として、その凝集能を用いたHIV診断薬と
して、更には、抗体分子にない物理的な安定性を活用し
た、高圧滅菌を必要とするHIV除去用デバイス等の医
療用具として、極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例8の結果を示すグラフである。
【図2】実施例15の結果を示す電子顕微鏡写真であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C085 AA21 BA69 BB11 CC32 4H045 AA10 AA30 BA13 BA53 BA57 BA61 CA05 EA34 EA53 FA33 GA22 GA26

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1):H−A1-A2−A3−A4
    −A5−R (式中、 Hは、水素原子を示し、 A1は、アスパラギン酸、リジン、バリン、グルタミン
    酸、グリシン、アスパラギン、またはチロシンの残基、 A2は、バリン、アスパラギン酸、トリプトファン、リ
    ジン、フェニルアラニン、イソロイシン、ロイシン、ま
    たはチロシンの残基、 A3は、リジン、バリン、アスパラギン酸、アルギニ
    ン、アラニン、またはトリプトファンの残基 A4は、アラニン、トリプトファン、グリシンの残基、 A5は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソ
    ロイシン、セリン、スレオニン、メチオニン、アスパラ
    ギン、グルタミン、ヒスチジン、リジン、アルギニン、
    フェニルアラニン、トリプトファン、プロリン、または
    チロシンの残基、 Rは、カルボキシル基由来のOHまたは酸アミド基由来
    のNH2である)で表されるgp120に対して親和性
    を有するペプチド。
  2. 【請求項2】 式(2):A1’−A2−A3−A4−
    A5−R (式中、 A1’は、アスパラギン酸、リジン、バリン、グルタミ
    ン酸、グリシン、アスパラギン、またはチロシンの残
    基、若しくは、該アミノ酸を始端として、そのN末端側
    に任意のアミノ酸が配列したポリペプチド残基、 A2、A3、A4、A5およびRは前と同じ意味)で表
    されるgp120に対して親和性を有するペプチド。
  3. 【請求項3】 式(3):H−A1−A2−A3−A4
    −A5’−R (式中、 A5’は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イ
    ソロイシン、セリン、スレオニン、メチオニン、アスパ
    ラギン、グルタミン、ヒスチジン、リジン、アルギニ
    ン、フェニルアラニン、トリプトファン、プロリン、ま
    たはチロシンの残基、若しくは、該アミノ酸を始端とし
    て、そのC末端側に任意のアミノ酸が配列したポリペプ
    チド残基、 H、A1、A2、A3、A4およびRは前と同じ意味)
    で表されるgp120に対して親和性を有するペプチ
    ド。
  4. 【請求項4】 A1−A2−A3−A4−A5のアミノ
    酸配列を有することを特徴とするgp120に対して親
    和性を有するペプチド。
  5. 【請求項5】 式(4):H−a1−a2−a3−a4
    −a5−R (式中、 Hは、水素原子を示し、 a1は、チロシン、アルギニン、フェニルアラニン、グ
    リシン、トリプトファン、ヒスチジン、またはアスパラ
    ギン酸の残基、 a2は、アルギニン、チロシン、トリプトファン、アラ
    ニン、バリン、グルタミン、ヒスチジン、またはリジン
    の残基、 a3は、リジン、チロシン、アルギニン、グルタミン
    酸、メチオニン、またはトリプトファンの残基、 a4は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソ
    ロイシン、セリン、スレオニン、メチオニン、アスパラ
    ギン、グルタミン、ヒスチジン、リジン、アルギニン、
    フェニルアラニン、またはトリプトファンの残基、 a5は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソ
    ロイシン、セリン、スレオニン、メチオニン、アスパラ
    ギン、グルタミン、ヒスチジン、リジン、アルギニン、
    フェニルアラニン、チロシン、またはトリプトファンの
    残基、 Rは、カルボキシル基由来のOHまたは酸アミド基由来
    のNH2である)で表されるgp120に対して親和性
    を有するペプチド。
  6. 【請求項6】 式(5):a1’−a2−a3−a4−
    a5−R (式中、 a1’は、チロシン、アルギニン、フェニルアラニン、
    グリシン、トリプトファン、ヒスチジン、またはアスパ
    ラギン酸の残基、若しくは、該アミノ酸を始端としてそ
    のN末端側に任意のアミノ酸が配列したポリペプチド残
    基、 a2、a3、a4、a5およびRは前と同じ意味)で表
    されるgp120に対して親和性を有するペプチド。
  7. 【請求項7】 式(6):H−a1−a2−a3−a4
    −a5’ (式中、 a5’は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イ
    ソロイシン、セリン、スレオニン、メチオニン、アスパ
    ラギン、グルタミン、ヒスチジン、リジン、アルギニ
    ン、フェニルアラニン、チロシン、またはトリプトファ
    ンの残基、若しくは、該アミノ酸及びアミノ酸誘導体を
    始端として、そのC末端側に任意のアミノ酸が配列した
    ポリペプチド残基、 H、a1、a2、a3およびa4は前と同じ意味)で表
    されるgp120に対して親和性を有するペプチド。
  8. 【請求項8】 a1−a2−a3−a4−a5のアミノ
    酸配列を有することを特徴とするgp120に対して親
    和性を有するペプチド。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載のペプチ
    ドに、官能基を有する高分子化合物および/または医薬
    活性物質が結合した化合物または医薬として認容される
    その塩類。
  10. 【請求項10】 吸着除去用担体に用いられるものであ
    る請求項9に記載の化合物のまたは医薬として認容され
    るその塩類。
  11. 【請求項11】 請求項1〜8のいずれかに記載のペプ
    チドを用いたウイルス凝集診断検査薬若しくは該診断検
    査薬を含むキット。
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