JPH10182695A - gp120に対して親和性を有するペプチド - Google Patents

gp120に対して親和性を有するペプチド

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JPH10182695A
JPH10182695A JP8351475A JP35147596A JPH10182695A JP H10182695 A JPH10182695 A JP H10182695A JP 8351475 A JP8351475 A JP 8351475A JP 35147596 A JP35147596 A JP 35147596A JP H10182695 A JPH10182695 A JP H10182695A
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JP
Japan
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peptide
acid
affinity
residue
lysine
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Withdrawn
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JP8351475A
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English (en)
Inventor
Takashi Fujii
尊 藤井
Hideki Yokoyama
英輝 横山
Hidetoshi Hamamoto
英利 濱本
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Teikoku Seiyaku Co Ltd
Original Assignee
Teikoku Seiyaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒト免疫不全ウイルスの最外殻を構成するg
p120分子に対して親和性を有するペプチドを提供す
る。 【解決手段】 式(1):H−A1−A2−A3−R (式中、Hは 水素原子を示し、A1は、アスパラギ
ン酸,リジン,バリン,グルタミン酸,アスパラギン,
グルタミン,セリン,メチオニン,システイン,トレオ
ニン,イソロイシン,またはグリシンの残基、A2は、
バリン,アスパラギン酸,トリプトファン,リジン,フ
ェニルアラニン,イソロイシン,またはロイシンの残
基,A3は、リジン,バリン,アスパラギン酸,アルギ
ニン,アスパラギン,グルタミン酸,グルタミン,トレ
オニン,フェニルアラニン,トリプトファン,ヒスチジ
ン,セリン,またはシステインの残基,Rは、 カルボ
キシル基由来のOHまたは酸アミド由来のNH2 であ
る)で表されるgp120に対して親和性を有するペプ
チドである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒト免疫不全ウイ
ルス(human immunodeficiency virus:HIV)の最外
殻を構成するgp120分子に対して親和性を有するペ
プチドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】HIV感染症に対する治療法としては、
主に化学療法が用いられており、ヌクレオシド誘導体で
ある3'-azido-2',3'-dideoxythymizine (AZT )が繁用
されている。AZT投与による化学療法によって、HI
V感染者の延命効果は顕著に見られたが、化学療法自体
に起因する様々な問題は依然として回避されていない。
即ち、第1に、長期投与により慢性毒性が現れること、
第2に、治療中に薬剤耐性HIV株が出現すること、第
3に、延命効果が見られた患者に悪性腫瘍が多発するこ
と、第4に、治療の最終目的である免疫応答の回復は得
られないこと、第5に、治療効果のモニター方法がない
こと、等である。この様に化学療法は、HIV感染を根
本的に治療し得る治療法とはなり得ないことから、最近
の研究動向としては、HIVワクチンの開発に傾きつつ
ある。
【0003】一般にワクチンと言えば、ウイルスなどの
微生物を化学処理することによりその構造を変化させる
ことなく不活性化したもの(不活性化ワクチン)や、病
原性を失った弱毒株や天然痘ウイルスに対する牛痘ウイ
ルス等の様に、ヒトに致死的作用を及ぼさない類似株
(生ワクチン)を使用していた。しかしながら、HIV
そのものは、本来弱毒株であるにもかかわらず、宿主細
胞に侵入すると長期間滞在し得、次第に該宿主細胞の機
能を破壊する様になることが知られており、且つHIV
がターゲットとする宿主細胞が、免疫機能を司るリンパ
球であること;更に、HIVが凍結乾燥血液製剤を介し
て血友病患者に蔓延したこと等を考慮すれば、不活性化
・弱毒化のいずれの途を選択するにせよ、HIVそのも
のをワクチンに用いることは安全性の面で問題が多い。
【0004】従って、HIVワクチンの開発に当たって
は、ウイルス最外殻の一部を使用するペプチドワクチン
を作製することにより、感染を防止するのが理想的であ
る。この様な観点から、多くの研究者がウイルス最外殻
を構成するgp120分子のエピトープ解析を行ってお
り、その結果、上記gp120分子のエピトープとし
て、V3領域(3rd hypervariable region)と呼ばれる
非常に変異の激しい部位が、その主たる領域であること
が解明された(Palker T.J., et al., Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA 85: 2709-2713, 1988: Rusche J.R., et a
l., ibid 85: 3198-3202, 1988; Gouddsmit J.,et al.,
ibid 85:4478-4482, 1988; Matsushita S., et al., J
Virol. 62: 2107-2114, 1988 )。次いで、この領域の
一部を用いたペプチド抗原を作製し、猿を用いたHIV
感染阻止実験(Emini E.A., et al., Nature 355: 728-
730, 1992 )が行われたが、有効な臨床結果はまだ報告
されていない。
【0005】更に、上記ペプチド抗原の抗原性を高める
工夫もされている(Tam et al., 特表平3−50353
9号)が、V3領域などのエピトープとして好適なV領
域の大部分は、変異や欠失が頻繁に生じることから、所
望とするワクチンを得るには至っていない。
【0006】一方、V3領域の一部を抗原として使用す
るHIV中和抗体の開発も行われている。例えば特願昭
63−171385号公報には、上記領域の部分ペプチ
ドを抗原として用い、マウスでモノクローナル抗体を作
製し、そのFab’をタンパク質レベルで或いは遺伝子
工学的手法により結合させて、最終的にヒト抗体分子と
マウス抗体分子をハイブリッドした抗HIVキメラ抗体
を作製する方法が報告されている。しかしながら、この
様にして得られた中和抗体にしても、実験室株レベルの
ものに過ぎず、実用上、有用な中和抗体は未だ得られて
いないのが現状である。この様に、HIV治療剤の開発
を目的として、ワクチンや中和抗体を作製する研究が盛
んに行われているが、未だ有用な治療剤は得られていな
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に着
目してなされたものであり、その目的は、HIVの最外
殻を構成するgp120分子に対して親和性を有するペ
プチドを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明のペプチドとは、 式(1):H−A1−A2−A3−R (式中、Hは 水素原子を示し、A1は、アスパラギ
ン酸,リジン,バリン,グルタミン酸,アスパラギン,
グルタミン,セリン,メチオニン,システイン,トレオ
ニン,イソロイシン,またはグリシンの残基、A2は、
バリン,アスパラギン酸,トリプトファン,リジン,フ
ェニルアラニン,イソロイシン,またはロイシンの残
基,A3は、リジン,バリン,アスパラギン酸,アルギ
ニン,アスパラギン,グルタミン酸,グルタミン,トレ
オニン,フェニルアラニン,トリプトファン,ヒスチジ
ン,セリン,またはシステインの残基,Rは、 カルボ
キシル基由来のOHまたは酸アミド由来のNH2 であ
る)で表されるgp120に対して親和性を有するペプ
チドであるところに要旨を有するものである。
【0009】すなわち、本発明のペプチドは、上記A
1,A2およびA3からなる3個のアミノ酸配列を基本
構成とするペプチドであり、この様なアミノ酸配列を含
むペプチドは、全て本発明の範囲内に包含される。従っ
て、 式(2):A1’−A2−A3−R (式中、A1’は、アスパラギン酸,リジン,バリン,
グルタミン酸,アスパラギン,グルタミン,セリン,メ
チオニン,システイン,トレオニン,イソロイシン,ま
たはグリシンの残基、若しくは該アミノ酸を始端として
そのN末端側に任意のアミノ酸が配列したポリペプチド
残基、A2,A3,およびRは前と同じ意味)で表され
るgp120に対して親和性を有するペプチドや、或い
は、 式(3):H−A1−A2−A3’ (式中、A3’は、リジン,バリン,アスパラギン酸,
アルギニン,アスパラギン,グルタミン酸,グルタミ
ン,トレオニン,フェニルアラニン,トリプトファン,
ヒスチジン,セリン,またはシステインの残基、若しく
は該アミノ酸を始端としてそのC末端側に任意のアミノ
酸が配列したポリペプチド残基、H,A1,およびA2
は前と同じ意味)で表されるgp120に対して親和性
を有するペプチドも、全て本発明の一態様であると言う
ことができる。
【0010】また、上記ペプチドに、官能基を有する高
分子化合物及び/又は医薬活性物質が結合した化合物ま
たは医薬として許容されるその塩類も本発明の範囲内に
包含される。尚、これらのペプチドや化合物を含有する
ものは、換言すれば、gp120に対する親和剤と呼ぶ
ことができる。
【0011】更に、本発明では、上記ペプチドまたは医
薬として許容されるその塩類、並びに薬学的に許容され
る担体及び/又は医薬活性物質を含有する組成物も包含
される。
【0012】尚、本発明に用いられる「ペプチド」に
は、ペプチドのC末端がCOOHであるものの他、酸ア
ミドになっているものも含み、また、結合するアミノ酸
の数にしても、特に明記しない限り、アミノ酸数が10
個以下のオリゴペプチドから、それ以上のポリペプチド
まで包含するものとする。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明者らは、従来のHIV治療
剤は、ワクチンにしても中和抗体にしても、実用レベル
の成果が何ら得られなかった理由として、免疫系の中心
をなす抗体の認識できる、HIV最外殻を構成するgp
120のエピトープの殆どが、変異の激しいV領域であ
ることにその最大の問題があるという観点から、抗体に
代わって、gp120に親和性を有するペプチドを得る
ことに着目し、鋭意検討した結果、所定のアミノ酸配列
からなるペプチドを見出し、本発明を完成したのであ
る。
【0014】尚、本発明における「親和性」とは、静電
力や、水素結合、Van der Waals 力などの共有結合以外
の弱い相互作用が合わさった特異的な強い結合を表す。
本発明のペプチドは、上記の様に構成されており、基本
的には、式(1):H−A1−A2−A3−R(式中、
A1,A2,A3およびRは前と同じ意味)で表される
3個のアミノ酸残基からなるペプチドである。これらの
ペプチドは、この様に独立したペプチドであっても良い
し、或いはポリペプチド中に、式(2):A1’−A2
−A3や、式(3):H−A1−A2−A3’(式中、
A1’,A2,A3,A3’は前と同じ意味)のアミノ
酸配列が、この順序でN末端側から配されたものであっ
ても構わない。勿論、そのなかには、A1’−A2’−
A3’がこの順序で繰り返し配してなるペプチドも含ま
れる。要するに、上述した3個のアミノ酸残基からなる
ペプチドを含むgp120に対して親和性を有するペプ
チドは、全て本発明の範囲内に包含されるのである。
【0015】本発明のペプチドは、固相合成法などの公
地の方法により製造することができる。例えば、A1−
A2−A3からなるペプチドを作製する場合、A3がリ
ジン残基の場合は、N−保護リジンのカルボキシル基を
直接、或いはカルボキシル基と結合し得る官能基及び該
カルボキシル基を有するスペーサーを介して、アミノ基
を有する不溶性樹脂に結合させた後、A2からA1まで
の各保護アミノ酸を固相合成法により順次結合させ、次
いで、上記不溶性樹脂およびアミノ酸の保護基を脱離さ
せることにより、所望のペプチドを得ることができる。
尚、A3のアミノ酸残基のカルボキシル基末端は、フリ
ー(即ち、Rが−OHに相当)であっても良いし、或い
は酸アミド(即ち、Rが−NH2 に相当)に変換されて
いても良い。また、A3のカルボキシル基末端は、必要
に応じて該カルボキシル基に結合しているスペーサーの
カルボキシル基と共に、合成高分子や生体高分子等、官
能基を有する繁用の高分子化合物と結合しても良い(後
記する)。尚、上記固相合成法に使用されるアミノ酸
は、共通してL体であっても良いし、或いは共通してD
体であっても構わない。
【0016】上記の場合において、固相合成法に使用さ
れる不溶性樹脂としては、そのアミノ基を介してC末端
のN−保護リジンのカルボキシル基、または該カルボキ
シル基に結合しているスペーサーのカルボキシル基と結
合可能であり、しかも結合後に脱離可能なものであれば
制限されず、例えば、アミノメチル樹脂(アミノメチル
化スチレン−ジビニルベンゼン共重合体など)、ベンズ
ヒドリルアミン樹脂、メチルベンズヒドロキシリルアミ
ン樹脂、アミノメチルフェノキシメチル樹脂、ジメトキ
シベンズヒドリルアミン(DMBHA)樹脂、およびこ
れらの誘導体などが挙げられる。このうち、ベンズヒド
リルアミン樹脂、メチルベンズヒドロキシリルアミン樹
脂、アミノメチルフェノキシメチル樹脂、およびDMB
HA樹脂は、結合後、開裂することにより直接酸アミド
が得られる。収率の観点からすれば、アミノメチル樹脂
の使用が好ましい。
【0017】また、カルボキシル基と結合し得る官能基
および該カルボキシル基を有するスペーサーとしては、
例えばリジンのカルボキシル基をp−カルボキシメチル
ベンジルエステルに変換し得るものが挙げられる。
【0018】保護アミノ酸とは、官能基を公知の方法に
より保護基で保護したアミノ酸を意味し、各種の保護ア
ミノ酸が市販されている。本発明のペプチドを合成する
には、以下に示す保護基のいずれかを使用するのが好ま
しい。アミノ酸のα−アミノ基の保護基としては、Bo
c(t−ブチルオキシカルボニル)またはFmoc(9
−フルオレノメチルオキシカルボニル);リジンのξ−
アミノ基の保護基としては、Z(ベンジルオキシカルボ
ニル),Cl・Z(2−クロロベンジルオキシカルボニ
ル),Boc,Npys(3−ニトロ−2−ピリジンス
ルフェニル);チロシンの水酸基の保護基としては、B
zl(ベンジル),Cl2 ・Bzl(2,6−ジクロロ
ベンジル)或いはt−Bu(t−ブチル)であるか、ま
たは保護しなくても良い;アルギニンのグアニジノ基の
保護基としては、Tos(トシル),NO2 (ニト
ロ),Mtr(4−メトキシ−2,3,6−トリメチル
ベンゼンスルホニル)またはPmc(2,2,5,7,
8−ペンタメチルクロマンー6ースルホニル);グルタ
ミン酸のカルボキシル基の保護基としては、Bzlエス
テル,t−Buエステル,cHx(エステルサイクロヘ
キシルエステル);グルタミンのアミド基の保護基とし
ては、Trt(トリチル)であるか、または保護しなく
ても良い;トリプトファンのインドール基の保護基とし
ては、ホルミル基またはBocであるか、または保護し
なくても良い。これらの保護基は、ペプチドの合成条件
に応じて最も適切なものを、適宜選択して使用すること
ができる。
【0019】保護アミノ酸の結合は、通常の縮合法、例
えばDCC(ジクロロヘキシカルボジイミド)法(Shee
han J., et al.; J. Am. Chem. Soc, 77: 1067, 195
5),DICDI(ジイソプロピルカルボジイミド)法
(Tartar, A., et al.; J. Org.Chem., 44: 5000, 1979
),活性エステル法(Fields G., et al.; Int. J. Pe
pt. Protein Res., 35: 161, 1990),混合或いは対称
酸無水物法(Chem, F., etal.; Synthesis, 1978: 928,
1978),カルボニルジイミダゾール法,DCC−HO
Bt(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール)法(Keoni
g, W., et al.; Chem. Ber., 103: 788, 1970),ジフ
ェニルホスホリルアジド法等に従って行うことができる
が、なかでもDCC法、DCC−HOBt法、DICD
I−HOBt法、対称酸無水物法を使用することが好ま
しい。これらの縮合反応は、通常、ジクロロメタンやジ
メチルホルムアミドなどの有機溶媒、またはそれらの混
合液中で行われる。尚、α−アミノ基の保護基の脱離試
薬としては、トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン,HC
l/ジオキサン,ピペリジン/ジメチルホルムアミドな
どが用いられ、使用する保護基の種類により適宜選択す
ることができる。また、合成の各段階における縮合反応
の進行の程度は、ニンヒドリン反応法(E. Kaiser,et a
l, Anal. Biocehm., 34: 595, 1970 )により確認する
ことができる。
【0020】この様にして、上式で表されるアミノ酸配
列を有する保護ペプチド樹脂を得た後、不溶性樹脂およ
びアミノ酸の保護基を脱離させることにより、所望のペ
プチドを得ることができる。具体的には、例えば、不溶
性樹脂としてアミノメチル樹脂誘導体を用いた場合に
は、適当な溶媒中にてアンモニアで処理することにより
該樹脂を脱離させた後、フッ化水素で処理すれば良い。
また、不溶性樹脂としてベンズヒドリルアミン樹脂やD
MBHA樹脂(Funakoshi, S., J. Chem. Soc.,Chem. C
ommun., 198: 382, 1988 )を用いた場合には、フッ化
水素,TFMSA(トリフルオロメタンスルホン酸),
TMSOTF(トリメチルシリルトリフルラート),ま
たはTMSBr(トリメチルシリルブロミド)等で処理
することにより、該樹脂および保護基を同時に脱離させ
ることができる。
【0021】この様にして得られたペプチドは、各種ク
ロマトグラフィー(ゲル濾過、イオン交換、分配、吸
着、逆相),電気泳動,限外濾過等の公知手段により単
離精製することができる。
【0022】また本発明では、上記ペプチドを遺伝子組
換え法によって得られる類似蛋白質(抗体、CD4、酵
素などの活性中心や結合ドメイン)で置換させたもの
も、本発明のペプチドとして用いることができる。例え
ばヒト型抗gp120抗体を遺伝子組換え法により製造
する場合には、米国特許第114632号に記載の方法
に準じて、ヒトイムノグロブリンのV遺伝子領域中、エ
ピトープの認識に関係していると言われているVH31
から35番までのCDR(complementarity determinat
ion region)−1の全領域、CDR−2のVH50から
52番まで、及び/又はCDR−2のVH58から60
番までの3つの超可変群(Hypervariablecluster )の
アミノ酸(Ohno, S., Mori, N. & Matunaga, T.; Proc.
Nat. Acad. Sci. USA, 82, 2945(1985))に、上記本発
明のペプチドを導入する等すればよい。
【0023】この様に上記本発明のペプチドを、その目
的に応じて遺伝子組換え法により置換させることによ
り、gp120結合型の蛋白質を作製することができ
る。本発明の具体例としては、例えば下記のものが挙げ
られる。
【0024】
【表1】
【0025】式中の各アミノ酸記号は、国際的に認めら
れた三文字表示によるアミノ酸残基を示すものであり、
その詳細は下記の通りである。 Tyr:チロシン Lys:リジン Trp:トリプトファン Arg:アルギニン Glu:グルタミン酸 Gln:グルタミン Val:バリン His:ヒスチジン Ala:アラニン Phe:フェニルアラニン Gly:グリシン Met:メチオニン Asp:アスパラギン酸 Asn:アスパラギン Val:バリン Ser:セリン Cys:システイン Thr:トレオニン Ile:イソロイシン Leu:ロイシン
【0026】この様なアミノ酸配列を有するペプチド
は、gp120に対して優れた親和性を有しており、以
下に示す化合物または組成物の形態をとることによっ
て、抗HIV剤として有効に用いることができる。
【0027】本発明の化合物は、上記ペプチドに、官能
基を有する高分子化合物及び/又は医薬活性物質が結合
したものであり、医薬として許容されるその塩類も本発
明のなかに包含される。ここで、「医薬として許容され
る塩類」としては、例えば以下の様な常用の無毒性の塩
類が挙げられる。
【0028】無機塩基等の塩基との塩として、アルカ
リ金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩等)、アル
カリ土類金属塩(例えばカルシウム塩、マグネシウム塩
等)、アンモニウム塩;有機塩基塩等の塩基との塩と
して、有機アミン塩(例えばトリエチルアミン塩、ピリ
ジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン塩、トリエタノ
ールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’−
ジベンジルエチレンジアミン塩等);無機酸等の酸と
の塩として、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸
等;有機酸等の酸との塩として、有機カルボン酸(酢
酸、プロピオン酸、マレイン酸、コハク酸、リンゴ酸、
クエン酸、酒石酸、サリチル酸等)、有機スルホン酸
(メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等)、酸
性糖(グルクロン酸、ガラクトン酸、グルコン酸、アス
コルビン酸等)。
【0029】また、本発明に用いられる「官能基を有す
る高分子化合物」は、本発明のペプチドと結合すること
のできる官能基を有するものであれば特に限定されない
が、例えば以下のものが挙げられる。
【0030】(1)合成高分子化合物 上記高分子化合物としては、直鎖状ポリマー、分岐状ポ
リマー、環状ポリマーなど任意のものが用いられ、例え
ばポリリジン,ポリグルタミン酸等のアミノ酸ホモポリ
マー,或いは環状ポリアミン,サイクロデキストリン,
環状ペプチドの他,ポリスチレン,ポリプロピレン,ナ
イロン,シリカゲル,ポリエチレングリコール,セルロ
ース,ポリアクリルアミドなどの不溶性の固相担体を使
用することができる。
【0031】このうち分岐状ポリマー(ブランチドポリ
マー)は、ポリマー中の分子の一部が分岐することによ
り、単位当たりの官能基濃度が、通常の直鎖状ポリマー
よりも高いものである。例えばDenkewalter により開示
されたリジンコアーなどの様に、少なくとも2個以上の
官能基を有するコアー分子に由来する2本以上の同一分
子鎖に基づくポリマー(米国特許No.4,289,87
2号)、或いはトマリア(D. A. Tomalia )らによって
提唱されている同一分子が連続的に反応することにより
ポリマーサイズが厳密な規則性を有するスターバースト
デンドリマー(Starburst dendrimer )の様なものであ
っても良いし、或いは、同一/異なった分子が不連続に
反応することによりサイズが不規則に形成された分子で
あっても構わない。また、上記直鎖状/分岐状ポリマー
は、充分な大きさを有する担体分子である必要はなく、
通常はコアーとは認識されない様な3個程度のモノマー
を含むものも包含され、その大きさや導入数によって何
ら制限されるものではない。但し、上式のペプチドを多
数導入させる場合には、いずれのポリマーであっても、
分岐数が多いポリマーの使用が推奨される。本発明のペ
プチドを上述したポリマーに結合させるに当たっては、
分岐した官能基からそのまま直接的/間接的に、上記ペ
プチドを合成して伸長させても良いし、或いは、別途新
規に合成したペプチドを、該ポリマーの官能基に直接的
/間接的にコンジュゲートしても良い。
【0032】また、環状ポリアミン,サイクロデキスト
リン,環状ペプチド等の環状ポリマーを結合させるに当
たっては、その同一官能基から上式のペプチドを直接合
成して伸長させても良いし、或いは、別途新規に合成し
たペプチドを、該環状ポリマーの官能基に直接的/間接
的に結合させても良い。また、シリカゲルなどの不溶性
担体を結合させるに当たっては、予め同一官能基を上記
担体に導入した後、その官能基から直接上式のペプチド
を合成して伸長させても良いし、或いは、別途新規に合
成したペプチドを、該不溶性担体の官能基に直接的/間
接的にコンジュゲートしても良い。また、この同一官能
基を有する担体の大きさや形状は特に限定されず、球
状、中空糸状、繊維状等の形状のものを使用目的により
適宜選択して使用すれば良く、大きさや形状、導入され
た官能基の数によって何ら制限されるものではない。
【0033】(2)生体高分子 上記生体高分子としては、例えばヘパリン、ヒアルロン
酸、キトサン、キチン等の直鎖状多糖類;プロテオグリ
カン類,ペプチドホルモン;ゼラチン,アルブミン,抗
体,抗体断片などのタンパク質等が挙げられる。
【0034】このうち直鎖状ポリマーの大きさは、使用
目的に応じて適宜選択すれば良く、通常はポリマーとは
認識されない様な3個程度のモノマーを含むものも包含
され、その大きさや官能基の数によって何ら制限される
ものではない。上式のペプチドをこの直鎖状ポリマーに
結合させるに当たっては、その同一官能基から上記ペプ
チドを直接合成して伸長させても良いし、或いは、別途
新規に合成したペプチドを、該直鎖状ポリマーの官能基
に直接的/間接的にコンジュゲートしても良い。
【0035】また、ペプチドホルモンやタンパク質を結
合させる場合には、上式のペプチドのいずれか末端にシ
ステインを結合させて、上記ペプチドホルモン/タンパ
ク質中のシステイン残基とS−S結合させるか、或い
は、上式のペプチドの官能基とペプチドホルモン/タン
パク質中の官能基を直接的/間接的にコンジュゲートし
ても良い。この様に、これらの結合方法は、使用目的に
応じて適宜選択することができるし、また、その種類や
上式のペプチドの導入数にしても同様である。
【0036】また、本発明に用いられる医薬活性物質と
しては、例えば抗HIV阻害剤として知られているヌク
レオシド誘導体のAZT,HIVプロテアーゼ阻害剤と
して知られている3,4-Dihydroxy-2,5-di[N-methyl-(2-p
yridylmethyl)carbamoyl]valylamino]-1,6-diphenylhex
ane 等があげられる。これらの医薬活性物質は、本発明
のペプチドの活性部位を避けて直接的/間接的にコンジ
ュゲートすることにより、副作用がなく、HIVに特異
的な製剤を得ることができる。従って、この様な製剤
は、HIVを特異的に治癒することのできる治療剤とし
て有用である。
【0037】更に、上述した本発明のペプチドまたは医
薬として許容されるその塩類、並びに薬学的に許容され
る担体及び/又は医薬活性物質を含有する組成物も本発
明の範囲内に包含される。
【0038】上記の「薬学的に許容される担体」として
は、賦形剤(崩壊剤、滑沢剤、増量剤等)、着色料、着
香料、保存料、安定剤、その他常用の担体を適宜使用す
ることができる。具体的には、結晶セルロース、カルメ
ロースカルシウム、カルメロースナトリウム、ヒドロキ
シプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロース、エチルセルロース、ステアリン酸マグネシウ
ム、タルク、軽質無水ケイ酸、食用色素、芳香性精油類
等が挙げられる。
【0039】以下実施例に基づいて本発明を詳述する。
ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、
前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは
全て本発明の技術範囲に包含される。
【0040】
【実施例】
合成例1:本発明ペプチドにサイクロデキストリンを結
合させた化合物 サイクロデキストリンの水酸基に無水コハク酸を反応さ
せることによりカルボキシル基を導入した後、MBS
(m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシン
イミド)と反応させることにより、マレイミド化したサ
イクロデキストリンを合成した。
【0041】一方、前記表1におけるNo.1のペプチド
のC末端にシステインをペプチド結合させたペプチドを
固相合成法で合成した後、得られたペプチドと、上記の
マレイミド化したサイクロデキストリンを反応させるこ
とにより環状生成物を得た。
【0042】合成例2:本発明ペプチドにポリリジンを
結合させた化合物 ポリリジンをGMBS(γ−マレイミドブチリロキシス
クシンイミドエステル)と反応させることにより、マレ
イミド化したポリリジンを合成した。一方、前記表1に
おけるNo.1のペプチドのC末端にシステインをペプチ
ド結合させたペプチドを固相合成法で合成した後、得ら
れたペプチドと、上記のマレイミド化したポリリジンを
反応させることにより環状生成物を得た。
【0043】合成例3:本発明ペプチドにAZTを結合
させた化合物 ブロモ酢酸にクロロギ酸イソブチルを反応させて混合無
水物とした後、これをAZTの水酸基と反応させてエス
テル化することによりブロモアセチルエステル−AZT
を合成した。
【0044】一方、前記表1におけるNo.1のペプチド
のC末端にシステインをペプチド結合させたペプチドを
固相合成法で合成した後、得られたペプチドと、上記の
ブロモアセチルエステル−AZTを反応させることによ
り、該ペプチドとAZTの架橋生成物を得た。
【0045】合成例4:ペプチドとサイクロデキストリ
ンの架橋物にAZTを結合させた包接化合物 リン酸緩衝液(pH7.5)中にAZTを懸濁させた
後、合成例1の化合物(ペプチドとサイクロデキストリ
ンの架橋物)を加えて充分攪拌してAZTを溶解させる
ことにより、該化合物をAZTに包接させた包接化合物
を得た。
【0046】実施例1:解離定数(Kd)の算出 本実施例では、前記表1におけるNo.1のペプチドを使
用し、gp120に対する親和性を、Scatchard が考案
したプロット法に準じて解離定数Kdを算出することに
より評価した。
【0047】先ず、このペプチドを臭化シアン活性化セ
ファロース(ファルマシア社製)に標識し、1μmol
/mLに調整した。次いで、リン酸緩衝液(pH7.
4)で平衡化した後、該ペプチド標識セファロースを1
00μLずつマイクロチューブに分注した。
【0048】次に、種々の濃度に調製した西洋ワサビペ
ルオキシダーゼ(HRP)標識gp120[ImmunoDiag
nostics, Inc. 社製;リン酸緩衝液(pH7.4)]を
500μL添加して充分に混和した後、遠心することに
より遊離のHRP標識gp120を除去した。更に、
0.3%のTween20を含むリン酸緩衝液により繰
り返し洗浄した後、定法に従って基質を添加し、吸光度
を測定することにより、ペプチドに結合したgp120
の量を算出した。本実施例により得られたScatchard プ
ロットを図1に示す。同図より、No.1のペプチドの解
離定数は1.00×10-10 Mであった。
【0049】実施例2:中和活性の測定 本実施例では、前記表1におけるNo.8,11,31,
32,34及び38のペプチドを使用し、HIV−1株
に対する中和活性を調べた。具体的には、96ウエルの
マイクロプレート中に、上記ペプチドを50μL;ウイ
ルス液として、No.8,11,31,34及び38のペ
プチドの場合には200TCID50のHTLV−III B
(実験室株)、No.32のペプチドの場合には200T
CID50のKK−1株(新鮮分離株,大竹徹ら、感染症
雑誌、64, 1284-1294, 1990 )を夫々50μL;および
正確に段階的に2倍希釈した上記ペプチドを50μL加
えて混合した。尚、陽性対照としてはAZTを使用し
た。
【0050】37℃で30分間反応させた後、更に3×
104 個のMT−4細胞浮遊液を100μL加え、湿度
98%,5%CO2 の存在下にて37℃で6日間培養し
た。培養後、HIV−1の増殖による細胞変性効果(C
PE)、即ち、薬剤を段階的に希釈して加え、感染した
細胞が集合してアイランドを形成する状態(フォーカス
形成)になったとき、この希釈倍率の前段階を中和活性
量(感染阻止濃度)として判定した。この結果を表2に
示す。
【0051】
【表2】
【0052】表2の結果から明らかな様に、本発明のペ
プチドはいずれも、HIV−1株に対して優れた中和活
性を示すことが分かった。このうちNo.32は、実験室
株ではなく新鮮分離株を使用した例であるが、この場合
にも優れた中和活性が認められることから、本発明のペ
プチドは、実験室レベルを超えた実用レベルでも極めて
有用であることが示唆される。
【0053】実施例3:凝集試験 本実施例では、表1のNo.1〜7,9,10,12〜3
0,33,35〜37,39,40のペプチドを使用
し、gp120に対する親和性を凝集試験により評価し
た。
【0054】1%活性化ラテックスビーズ(Polyscienc
e 社製,粒子径0.2mm)懸濁液およびアビジン(1
0mg/mL)を等量混和した後、37℃で1時間反応
させた。反応終了後、ウシ血清アルブミン(BSA,1
mg/mL)を加え、未反応活性部位のブロッキング化
を37℃で30分間行った。次いで、遠心操作を繰り返
すことにより未反応物を除去した後、ビオチニル化させ
た各ペプチド(10mg/mLのリン酸緩衝液,pH
7.5)を添加し、37℃で1時間反応させることによ
り、抗gp120凝集検査試薬を得た。
【0055】陽性対照としては、バキュロウイルスで発
現させたリコンビナントgp120を標識した金コロイ
ド(Immuno Diagnostics, Inc.社製,粒子径30nm)
を使用し、一方、陰性対照には、該当するリコンビナン
トgp120をリン酸緩衝液に溶解したものを使用し
た。
【0056】凝集板に、上記凝集検査試薬と陽性対照を
夫々20μずつ加えて混和し、10分間静置した後、肉
眼で凝集の有無を判定した。尚、本実施例では、陽性対
照の代わりに陰性対照を使用した場合には、凝集は見ら
れなかったことを確認している。その結果、本発明のペ
プチドはいずれもgp120に対して親和性を有するこ
とが確認された。
【0057】実施例4:HIV吸着カラム(血清中のg
p120の除去) 本実施例では、表1のNo.1のペプチドを結合させたカ
ラムを用いて、gp120に対する吸着性を検討した。
固相合成されたNo.1のペプチドのC末端側を、ペプチ
ドからなるスペーサーを介してCNBr−活性化Sephar
ose 4Bに共有結合させた担体(50nmol/mL)を
作製し、これをポリプロピレン製カラム(10mL容
量)にベッド容量で1mL充填した。尚、カラムは、予
め37℃に調整された恒温器の中で加温しておいた後、
同温度に保たれた0.1%BSAおよび0.3%Twe
en 20含有ダルベッコのリン酸緩衝液(pH7.
4)300mLにより十分に平衡化させたものを使用し
た。
【0058】一方、カラム添加試料として、西洋ワサビ
由来のパーオキシダーゼ(HRP)を標識したgp12
0(イムノダイアグノスティック社製、USA)を、予
め37℃に加温しておいた牛胎児血清(FCS)で希釈
して0.3nMに調整したものを用意した。また、対照
試料として、FCSで1nMに調整されたHRPを用意
した。
【0059】これらの試料を上記カラムに通した後、こ
のカラムを上記緩衝液で十分に洗浄した。洗浄液に未反
応の試料が残存しないことを確かめた後、このカラムに
酵素基質液を加えて発色させ、比色定量後、HRP標識
gp120量を算出した。その結果を表3に示す。
【0060】
【表3】
【0061】カラム添加試料として、1nM HRP/
FCSを用いたときはカラムへの吸着は全く見られなか
ったのに対し、0.3nM HRP−gp120/FC
Sを用いると、カラムへの吸着は概ね100%見られた
ことから、本発明のペプチドは、gp−120に対して
特異的に吸着することが分かった。
【0062】実施例5:高圧滅菌による親和性への影響 実施例4で調製したNo.1のペプチドを共有結合させた
Sepharose 4B充填カラムにダルベッコのリン酸緩衝液を
十分に満たした後、121℃で30分間、高圧滅菌をか
けた後、HRP標識gp120を用いて解離定数を求め
た。同様にNo.16および17のペプチドについても高
圧滅菌処理して解離定数を求めた。尚、対照として、高
圧滅菌をかけていないカラムを同様に用意し、比較検討
した。その結果を表4に示す。
【0063】
【表4】
【0064】表4より、本発明のペプチドはいずれも、
高圧滅菌処理によっても結合能の低下が全く見られなか
った。
【0065】
【発明の効果】本発明のペプチドは、gp120に対し
て親和性を有するものであり、従来の抗体分子に匹敵す
るだけの中和活性を持った抗HIV剤として、その凝集
能を用いたHIV診断薬として、更には、抗体分子にな
い物理的な安定性を活用した、高圧滅菌を必要とするH
IV除去用デバイス等の医療用具として、極めて有用で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたScatchard プロットの結果
を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07K 17/08 C12P 21/02 C 17/10 A61K 39/395 D C12P 21/02 39/42 // A61K 39/395 37/02 ABD 39/42 ADY

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1):H−A1−A2−A3−R (式中、 Hは 水素原子を示し、 A1は、アスパラギン酸,リジン,バリン,グルタミン
    酸,アスパラギン,グルタミン,セリン,メチオニン,
    システイン,トレオニン,イソロイシン,またはグリシ
    ンの残基、 A2は、バリン,アスパラギン酸,トリプトファン,リ
    ジン,フェニルアラニン,イソロイシン,またはロイシ
    ンの残基,A3は、リジン,バリン,アスパラギン酸,
    アルギニン,アスパラギン,グルタミン酸,グルタミ
    ン,トレオニン,フェニルアラニン,トリプトファン,
    ヒスチジン,セリン,またはシステインの残基,Rは、
    カルボキシル基由来のOHまたは酸アミド由来のNH
    2 である)で表されるgp120に対して親和性を有す
    るペプチド。
  2. 【請求項2】 式(2):A1’−A2−A3−R (式中、 A1’は、アスパラギン酸,リジン,バリン,グルタミ
    ン酸,アスパラギン,グルタミン,セリン,メチオニ
    ン,システイン,トレオニン,イソロイシン,またはグ
    リシンの残基、若しくは該アミノ酸を始端としてそのN
    末端側に任意のアミノ酸が配列したポリペプチド残基、 A2,A3,およびRは前と同じ意味)で表されるgp
    120に対して親和性を有するペプチド。
  3. 【請求項3】 式(3):H−A1−A2−A3’ (式中、 A3’は、リジン,バリン,アスパラギン酸,アルギニ
    ン,アスパラギン,グルタミン酸,グルタミン,トレオ
    ニン,フェニルアラニン,トリプトファン,ヒスチジ
    ン,セリン,またはシステインの残基、若しくは該アミ
    ノ酸を始端としてそのC末端側に任意のアミノ酸が配列
    したポリペプチド残基、 H,A1,およびA2は前と同じ意味)で表されるgp
    120に対して親和性を有するペプチド。
  4. 【請求項4】 A1−A2−A3のアミノ酸配列を有す
    ることを特徴とするgp120に対して親和性を有する
    ペプチド。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のペプチ
    ドに、官能基を有する高分子化合物および/または医薬
    活性物質が結合した化合物または医薬として許容される
    その塩類。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載のペプチ
    ドまたは医薬として許容されるその塩類、並びに薬学的
    に許容される担体及び/又は医薬活性物質を含有する組
    成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれかに記載のペプチ
    ドを含有するgp120に対する親和剤。
  8. 【請求項8】 請求項5に記載の化合物または医薬とし
    て許容されるその塩類を含有するgp120に対する親
    和剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000068263A3 (en) * 1999-05-05 2001-05-03 Neurochem Inc Stereoselective antifibrillogenic peptides and peptidomimetics thereof
US7291337B2 (en) 2000-01-11 2007-11-06 Aspion Co., Ltd. Peptide having an affinity for gp120
EP2317317A1 (en) * 2002-12-03 2011-05-04 North Carolina State University Prion protein ligands and methods of use

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