JP2001190250A - ソフトな中間水分食品の製造方法 - Google Patents
ソフトな中間水分食品の製造方法Info
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Abstract
除く方法でソフトな食感の中間水分食品を製造するにす
るにあたり、簡便に短時間で水分と水分活性を調整し、
同時に調味を均一化させる製造方法を提供する。 【解決手段】 乾燥藻類、乾燥野菜および乾燥茸類から
なる原料を、一旦水戻しして十分に膨潤させた後に、糖
類を加えて余分な水分を短時間で分離させる。分離した
水を取り除いた後、必要に応じてさらに糖類を加えて余
分な水分を短時間で分離させ分離した水を取り除く操作
を繰り返し、糖類を高濃度に含浸させて目的の水分値に
調整する。また、加える糖類の濃度や量、食塩等の調味
料の混合割合を調整することで、水分と水分活性を調整
し、同時に調味を均一化させることができる。
Description
茸類を原料としたソフトな食感の中間水分食品、特には
ふりかけの製造方法に関するものである。
加工する場合、水に浸漬するかまたはボイルして一旦目
的の水分以上に吸水させ、十分に膨潤した状態に水戻し
した後に、熱風乾燥などの長時間の乾燥を行って目的の
水分にまで低下させる方法(以降、水戻し乾燥方法)が
一般に行われている。これは、目的の水分にするために
必要な量だけの水を加えて乾燥原料を水戻し加工した場
合、膨潤が不十分で縮れた外観を示し、芯が残ったり、
食感が締まった硬いものとなってしまったりするためで
ある。また、水の代わりに糖液や調味液を加えた場合
は、さらにその傾向が強くなってしまう。従って、特に
ソフトな食感が重要となるウエットタイプのふりかけの
製造では、水戻し乾燥方法が必須となっている。
後に必要な調味料を添加混合している。この際、調味料
の水分が加わったり、逆に調味料が水分を吸収したりす
るため、前工程の乾燥工程において乾燥度合いが適宜調
整され、最終製品の水分や水分活性が設計されている。
また、中間水分状態の食品には、調味料が急速に浸透し
ないため、数日という長時間をかけて調味料の浸透と均
一化、いわゆる熟成を行っている。
は、糖果および甘納豆があげられる。糖果はリンゴ、モ
モ、パイナップルといった果実を、低濃度の糖液で加熱
した後1〜2日間漬け込み、その糖液のみを煮詰め、必
要に応じて加糖して糖度を5〜10%高め、果実をもど
してさらに漬け込み、糖度が70〜75%になるまでこ
の操作を繰り返す方法で、長時間をかけて果実の風味が
濃縮された糖を浸透させ、同時に水分を除く方法で製造
されている。このようなバッチ式の他に、糖液を循環さ
せ連続的に糖度をあげていく方法も行われている。甘納
豆は、小豆、隠元豆、空豆などを水に浸漬して水戻しし
た後に、低濃度の糖液で煮、その糖液のみを煮詰めて糖
度を少し高めたものに豆を戻してさらに煮る操作を繰り
返し、徐々に糖度を高め、長時間をかけて豆の風味が濃
縮された糖を浸透させ、同時に水分を除き、最後に砂糖
を付着させる方法で製造されている。
戻しされた原料を目的の水分にまで除水するために乾燥
が必要である。乾燥に先立って、遠心式脱水や圧搾式脱
水などによって水切りされるが、品質を妨げないために
は完全に除水することはできず、多量の水分が残ったま
まである。加えて、高温での急激な乾燥は製品の低質化
を招くため、長時間をかけた低温での乾燥が行われてい
る。一般には熱風乾燥が行われているが、処理時間が長
く乾燥コストが高いこと、大型の装置が必要なこと、腐
敗の進行や乾燥の不均一などといった問題点がある。
味料を加える方法が採用されている。これは乾燥前の水
分の多い状態で調味料を加えると水の分離が起こり、取
り扱いが困難なために、水の分離が起こりにくい乾燥後
の状態で調味する方法が必然的に採用されているためで
ある。しかし、この方法は調味料が製品全体に浸透して
均一化するまでに長時間の熟成期間が必要となる問題点
がある。
製造するにするにあたり、簡便に短時間で水分と水分活
性を調整し、同時に調味を均一化させる製造方法を提供
することを目的としている。
分食品の製造方法は、乾燥藻類、乾燥野菜または乾燥茸
類からなる乾燥原料を一旦水戻しした後に、糖類または
調味した糖類を加えて水を短時間で常温分離させ、分離
した水を取り除くことにより簡便に短時間で水分と水分
活性を調整し、同時に調味を均一化させ、好ましい食感
の中間水分食品を製造することを特徴としている。
は、水分含量が20〜60%で、水分活性が0.7〜
0.9の範囲にあり、十分な可塑性があって水を加えな
くても食べることができる食品を指す。
されるものではないが、ひじき、こんぶ、わかめ、とさ
かのりなどの可食部が厚みのあるものの乾燥品が適して
いる。また、同様に乾燥野菜は、キャベツ、白菜、きゅ
うり、ごぼう、だいこん、たかな、たまねぎ、なす、ニ
ンジン、ピーマン、ふき、ほうれんそう、もやしなどの
可食部が厚みのあるものの乾燥品が適している。また、
同様に乾燥きのこ類は、きくらげ、しいたけ、しめじ、
なめこ、ひらたけ、まいたけ、マッシュルーム、まつた
けなどの可食部が厚みがあり組織のしっかりしたものの
乾燥品が適している。また、何れも、乾燥方法が特に限
定されるものではないが、水戻しが容易で、水戻し後の
外観や色がしっかりしているものが最終製品の品質を高
めるために好ましい。また本発明の対象となる糖類は、
しょ糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、オリゴ糖、水飴、ハ
チミツ、メープルシュガー、糖アルコール、還元糖、転
化糖、異性化糖、またはこれらが混合された形態などの
食用の糖類があげられる。
ず、乾燥藻類、乾燥野菜および乾燥茸類からなる乾燥原
料は、流水で洗浄した後、水か低温のお湯に浸漬し、十
分に吸水させる。吸水は、最大吸水量まで吸水させても
よいし、原料の全体が膨潤し軟らかくなる範囲で、吸水
させる時間や浸漬に使用する水の量を調整して吸水量を
制限してもよい。高温のお湯に浸漬するかボイルするこ
とで給水時間を短縮させることも可能であるが、原料に
よっては食感が脆弱化したり中心部まで水戻しできなか
ったりするため好ましくない。
切りは、ザルなどを用いた静置による簡便な水切りを選
択することが望ましい。遠心式脱水器や圧搾式脱水器な
どを使って機械的な水切りを行うことも可能であるが、
操作が煩雑で簡便性を損なうことになるし、過度の機械
的な水切り処理は原料の形状や食感を劣化させるため、
好ましくない。
る。粒径が細かくなりすぎると、ソフトな食感が得られ
ないし、保水性が高くなって次工程の離水させる操作が
困難となるため、好ましくない。原料の細断は、水戻し
する前に行ってもよい。
整する。加えた糖類は、等張液となるまで水切りした原
料に含まれていた水分と置換され、水分と糖類が混合し
た糖液(以降、分離糖液)が、分離する。本発明におい
て使用する原料は、一旦乾燥されたものであるため、そ
の後に吸水させた水分は本方法によって容易に短時間で
分離する。加えた糖類の濃度が高いほど、加えた糖類の
量が多いほど分離糖液の濃度が高く、同時に処理された
原料の糖濃度も高くなる。加える糖類の濃度と量を調整
することで、目的の水分に調整することが可能である。
述の水切りと同様の方法で行うことが可能であり、ザル
などを用いた静置による簡便な水切りを選択することが
望ましい。
えて水分を調整し、処理された原料の糖濃度を高める操
作を繰り返すことが可能である。理論的には、同じ総量
の糖類を使った場合でも、一度に加える糖類の量を少な
くし、多回数で処理した方が処理された原料の最終的な
糖濃度は高くすることができる。しかし、操作の煩雑性
などから、2〜3回の処理で終了させることが望まし
い。
はなく、粉糖でも液糖でもかまわない。また、粉糖を水
に溶解したものでもかまわない。本発明においては分離
糖液は取り除くため、安価で濃度の高いもの、また加え
た糖類は最終製品の調味の役割も担うため、異味や異
臭、着色などの無いものが好ましく、水飴が最も好まし
い。加える糖類は調味して使用することが可能である。
加える糖類を調味するとは、糖類と調味料を予め混合し
て使用する形態でも、糖類と調味料を同時又は交互に使
用する形態でも良い。本発明においては分離糖液は取り
除くため、安価な食塩や化学調味料を用いて調味するこ
とが望ましい。調味した糖類は、水分を調整する過程で
原料の内部にまで急速に浸透するため、均一な調味を短
時間で終えることが可能である。また、糖類の調味が例
えば食塩のみであっても、甘味と塩味の基礎調味を施す
ことができる。
ることで、水分を調整すると同時に水分活性を調整する
ことが可能である。水分活性を低下させる効果は、同じ
濃度であれば糖類よりも食塩の方が高いため、糖類に食
塩を加えることで効率的に水分活性を低下させることが
可能である。
整を行うことで、本発明の中間水分食品が得られる。得
られた中間水分食品は、必要に応じて更に調味すること
が可能である。使用する調味料は、風味原料や香辛料と
いった最終製品を特徴づけるシーズニング類で、粉末の
ものが好ましい。また、製品の品質設計によってドライ
感が求められる場合は、乾燥を行うことも可能である。
本発明の中間水分食品は水分含量が少ないため、短時間
の乾燥で水分の除去量がわずかでも十分な効果が得られ
る。
ソフトな食感で、糖分や調味料が均一に浸透しているた
めに味も良く、そのままでふりかけとしても優れたもの
である。また、製造が簡便で短時間に大量の製品を得る
ことが可能である。
の水で水戻しし、ザルで水切りして、水戻しヒジキ9.
0kgを得た。水戻しヒジキに糖度75の水飴5.0k
gを加えて混合した後しばらく静置し、ザルを用いて分
離糖液約6.0kgを取り除いた。更に糖度75の水飴
2.0kgと食塩0.5kgを混合した調味した糖を加
えて混合した後しばらく放置し、ザルを用いて分離糖液
約3.4kgを取り除いて、ヒジキの中間水分食品約
7.0kgを得た。得られたヒジキの中間水分食品の水
分は47%、水分活性は0.88であった。
エキスの粉末調味料0.1kgと粉末の化学調味料0.
1kgを加えて混合し、熱風乾燥機を用いて70℃で1
5分間乾燥して、水分34%、水分活性0.72のヒジ
キふりかけを製造した。得られたヒジキふりかけは、ふ
っくらとした外観を呈し、柔らかでしっとりとした食感
およびバラつきなく調味された優れたふりかけであっ
た。
0kgを十分量の水で水戻しし、ザルで水切りして、水
戻しピーマン8.0kgを得た。水戻しピーマンに糖度
75の水飴2.5kgを加えて混合した後しばらく静置
し、ザルを用いて分離糖液約2.5kgを取り除いた。
更に糖度75の水飴2.5kgと食塩0.5kgを混合
した調味した糖を加えて混合した後しばらく放置し、ザ
ルを用いて分離糖液約3.0kgを取り除いて、ピーマ
ンの中間水分食品約8.0kgを得た。得られたピーマ
ンの中間水分食品の水分は51%、水分活性は0.89
であった。
の粉末調味料と粉末の化学調味料を加えて混合し、熱風
乾燥機を用いて60℃で20分間乾燥して、水分45
%、水分活性0.79のピーマンふりかけを製造した。
得られたピーマンふりかけは、ふっくらとした外観を呈
し、柔らかでしっとりとした食感およびバラつきなく調
味された優れたふりかけであった。
で水戻しし、ザルで水切りして、水戻し椎茸6.0kg
を得た。水戻し椎茸をフードカッターで粒径5mm程度
に細断し、糖度75の水飴2.0kgを加えて混合した
後しばらく静置し、ザルを用いて分離糖液約2.0kg
を取り除いた。更に糖度75の水飴2.0kgと食塩
0.5kgを混合した調味した糖を加えて混合した後し
ばらく放置し、ザルを用いて分離糖液約2.5kgを取
り除いた。更に糖度75の水飴2.0kgと食塩0.5
kgおよびグルタミン酸ナトリウム0.1kgを混合し
た調味した糖を加えて混合した後しばらく放置し、ザル
を用いて分離糖液約2.0kgを取り除いて、椎茸の中
間水分食品約6.0kgを得た。得られた中間水分食品
の水分は28%、水分活性は0.79であった。
エン酸0.01kgと粉末の化学調味料0.1kgを加
えて混合し、水分27%、水分活性0.77の椎茸ふり
かけを製造した。得られた椎茸ふりかけは、ふっくらと
した外観を呈し、柔らかでしっとりとした食感およびバ
ラつきなく調味された優れたふりかけであった。
を製造するにあたり、一旦水戻しすることで糖類を容易
に浸透させることができる乾燥藻類、乾燥野菜または乾
燥茸類からなる乾燥原料を選定し、かつ、水戻しした原
料に高濃度の糖類を加えて急速に糖置換せしめて水を分
離させ、分離した水を取り除くことで、短時間に糖類を
均一に含浸さて水分と水分活性を調整する方法を用いた
優れた製造方法である。
品は、糖類が全体に均一に高濃度に浸透しているため、
しっとりとしており、ソフトな食感である。また、一旦
水戻しした原料を使用するため、外観もふっくらとして
いてボリューム感があり、ふりかけとして製造した場合
も品質の優れた製品が得られる。組織構造においても、
水戻し乾燥法で作られたものに比べて本発明の方法によ
るものは、組織の粗密が少なく均一性の高いものであ
る。
成期間が不用なため、短時間に製造を終えるることがで
きるし、その方法も簡便であることから製造設備の要求
が少なく、製造コストを低くする効果がある。
Claims (3)
- 【請求項1】 乾燥藻類、乾燥野菜および乾燥茸類から
なる原料を、水戻しした後に高濃度の糖類を加えて水を
短時間で常温分離させ、分離した水を取り除くことを特
徴とする中間水分食品の製造方法。 - 【請求項2】 糖類が、食塩を含む調味料で調味した糖
類である請求項1記載の中間水分食品の製造方法。 - 【請求項3】 乾燥藻類、乾燥野菜および乾燥茸類から
なる原料を、水戻しした後に高濃度の糖類を加えて水を
短時間で常温分離させ、分離した水を取り除くことを特
徴とするふりかけの製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000006697A JP4078500B2 (ja) | 2000-01-14 | 2000-01-14 | ソフトな中間水分食品の製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001190250A true JP2001190250A (ja) | 2001-07-17 |
JP4078500B2 JP4078500B2 (ja) | 2008-04-23 |
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ID=18535185
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2000006697A Expired - Lifetime JP4078500B2 (ja) | 2000-01-14 | 2000-01-14 | ソフトな中間水分食品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP4078500B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004313109A (ja) * | 2003-04-18 | 2004-11-11 | Kanebo Ltd | 密封容器入り中間水分食品及び乾燥食品の水分調整方法 |
JP2004313110A (ja) * | 2003-04-18 | 2004-11-11 | Kanebo Ltd | 密封容器入り中間水分食品及びその製法 |
JPWO2008054025A1 (ja) * | 2006-11-01 | 2010-02-25 | クラシエフーズ株式会社 | 中間水分食品の加熱劣化臭防止方法及び密封容器入り中間水分食品の製法 |
-
2000
- 2000-01-14 JP JP2000006697A patent/JP4078500B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JP2004313110A (ja) * | 2003-04-18 | 2004-11-11 | Kanebo Ltd | 密封容器入り中間水分食品及びその製法 |
JPWO2008054025A1 (ja) * | 2006-11-01 | 2010-02-25 | クラシエフーズ株式会社 | 中間水分食品の加熱劣化臭防止方法及び密封容器入り中間水分食品の製法 |
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