JP2001189548A - 電子部品用基板の製造方法 - Google Patents

電子部品用基板の製造方法

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JP2001189548A
JP2001189548A JP37496299A JP37496299A JP2001189548A JP 2001189548 A JP2001189548 A JP 2001189548A JP 37496299 A JP37496299 A JP 37496299A JP 37496299 A JP37496299 A JP 37496299A JP 2001189548 A JP2001189548 A JP 2001189548A
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metal
copper
etching
metal sheet
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Takashi Kajino
隆 楫野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の銅張り基板よりも薄い金属層をもち、
しかも従来の銅張り基板と同等の信頼性を実現できる電
子部品用基板を、安価に提供する。 【解決手段】 樹脂基材2の表面に金属シート3が圧着
されて構成され、この金属シート3の前記樹脂基材2と
接する面がマット面であり、このマット面と接している
前記樹脂基材2の表面が前記マット面の凹凸に対応して
粗面化されている金属張り基板を準備する工程と、この
金属張り基板から、前記金属シート3全体をエッチング
により除去するエッチング工程と、前記金属シート3が
圧着されていた前記樹脂基材2の表面に、前記金属シー
ト3よりも薄い金属層4を無電解めっき法により形成す
る無電解めっき工程とを有する電子部品用基板の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配線基板やインダ
クタ素子等の各種電子部品の製造に利用される電子部品
用基板を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】配線基板の製造には、一般に、銅張り基
板を用いたサブトラクティブ法が利用されている。
【0003】サブトラクティブ法は、回路パターンとな
る領域以外をエッチングにより除去し、所定の回路パタ
ーンを形成する方法である。一般的なサブトラクティブ
法における工程の流れは、以下のとおりである。
【0004】まず、銅張り基板にスルーホールを形成す
る。このスルーホールは、基板の上下面間を導通させる
ためのものであり、スルーホール内壁面には導体層を形
成する必要がある。そのため、まず、スルーホール内壁
面を含め、基板の全表面に厚さ0.3〜0.5μm程度
の無電解銅めっき層を形成する。次いで、この無電解銅
めっき層の上に、回路パターンとなる電気銅めっき層を
形成する。この電気銅めっき層の形成方法によって、パ
ターンめっき法とパネルめっき法とに大別される。
【0005】パターンめっき法では、所定パターンのめ
っきレジスト層を形成した後、電気銅めっき層を形成す
る。次いで、エッチング液に浸食されない金属からなる
オーバーコート層を、電気銅めっき層上に形成する。次
いで、めっきレジスト層を剥離した後、めっきレジスト
層の下にあった無電解めっき層および銅箔をエッチング
液によりエッチングし、回路パターンを有する基板を得
る。
【0006】一方、パネルめっき法では、無電解銅めっ
き層の全面に電気銅めっき層を形成した後、所定パター
ンのエッチングレジスト層を形成する。次いで、エッチ
ングを行って、エッチングレジスト層で被覆されたとこ
ろ以外の電気銅めっき層、無電解銅めっき層および銅箔
を除去し、回路パターンを有する基板を得る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、電子
機器の小型化、高性能化に伴って、回路パターンの線幅
および線間距離は著しく狭くなっている。
【0008】しかし、銅張り基板を用いるサブトラクテ
ィブ法を利用する場合において、エッチング対象物(銅
箔、電気銅めっき層および無電解銅めっき層)が厚い
と、回路パターンの線幅および線間距離を狭くすること
が難しい。図2に、樹脂基材2上に導体層101を設け
た基板において、導体層101をエッチングすることに
より回路パターンを形成する工程を示す。工程(A)で
は、所定のパターニングがなされたエッチングレジスト
層102を、導体層101上に設ける。工程(B)で
は、エッチングレジスト層102をマスクとして導体層
101を湿式エッチングする。湿式エッチングではエッ
チングが等方的に進むため、エッチングレジスト層10
2の下側も一部エッチングされてしまう。そのため、工
程(C)においてエッチングレジスト層102を除去し
た状態で、図示するように回路パターンは裾部が広がっ
た形状となる。この裾部の広がりは、エッチング対象物
が厚いほど大きくなるので、図3に示すように導体層1
01が薄いと、裾部の広がりはほとんど認められなくな
る。なお、図3の(A)、(B)、(C)は、それぞれ
図2の(A)、(B)、(C)に対応する工程である。
図2に示すように回路パターンの裾部が広がる結果、線
幅(裾部より上側の幅)を狭くしても、それに対応する
程度に線間距離を狭くできない、あるいは、線間距離を
狭くした場合に十分な線幅を確保できない、という問題
が生じる。
【0009】したがって、線幅および線間距離の狭いフ
ァインパターンを形成する必要がある場合には、エッチ
ング対象物を薄くする必要がある。エッチング対象物を
薄くするためには、電気銅めっき層を薄くしてもよい
が、電気銅めっき層はスルーホール内における導体層と
なるため、薄くすることは好ましくない。したがって、
銅張り基板の銅箔を薄くすることが好ましい。
【0010】しかし、薄い銅箔は製造および取り扱いが
難しく、欠陥のない薄い銅箔を工業的に利用可能な歩留
まりで得ることは困難である。現在のところ、銅張り基
板に用いる銅箔の厚さは、一般的に入手可能なものとし
ては18μmが下限である。これより薄い銅箔を有する
銅張り基板は、銅箔を厚さ方向に一部エッチングする方
法を用いて製造できる。しかし、厚さ方向の一部だけを
エッチングする場合、エッチング停止のタイミング管理
を厳しくする必要があり、しかも、タイミング管理を厳
密に行っても、銅箔の全面においてエッチングを同時に
停止させることは難しい。また、銅箔全面において均一
にエッチングを進めることも困難である。そのため、こ
の方法では銅箔の厚さが面内においてばらついてしま
う。そして、エッチングの不均一さに起因するエッチン
グ量のばらつきの絶対値は、エッチング深さが大きくな
るほど増大するので、銅箔厚さのばらつきは銅箔を薄く
するほど大きくなる。したがって、この方法を用いた場
合、厚さ10μm以下の銅箔を有する銅張り基板を、銅
箔厚さのばらつきを抑えて工業的に生産することは困難
である。
【0011】一方、銅張り基板を用いずに配線基板を製
造することもできる。その場合、スルーホールを形成し
た絶縁基板上に、導電下地として無電解めっき層を直接
形成し、この上に、上述したパターンめっき法またはパ
ネルめっき法に準じて回路パターンを形成する。しか
し、この方法では、絶縁基板と無電解めっき層との付着
力が弱くなるため、回路パターンの剥離が生じやすく、
信頼性に劣る。
【0012】本発明の目的は、従来の銅張り基板よりも
薄い金属層をもち、しかも従来の銅張り基板と同等の信
頼性を実現できる電子部品用基板を、安価に提供するこ
とである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記(1)
〜(6)の本発明によって達成される。 (1) 樹脂基材の表面に金属シートが圧着されて構成
され、この金属シートの前記樹脂基材と接する面がマッ
ト面であり、このマット面と接している前記樹脂基材の
表面が前記マット面の凹凸に対応して粗面化されている
金属張り基板を準備する工程と、前記金属張り基板か
ら、前記金属シート全体をエッチングにより除去するエ
ッチング工程と、前記金属シートが接していた前記樹脂
基材の表面に、前記金属シートよりも薄い金属層を無電
解めっき法により形成する無電解めっき工程とを有する
電子部品用基板の製造方法。 (2) 熱硬化性樹脂を含有するプリプレグに、前記金
属シートを圧着した状態で前記熱硬化性樹脂を硬化する
ことにより、前記金属張り基板を製造する上記(1)の
電子部品用基板の製造方法。 (3) 前記エッチング工程の前に、前記金属張り基板
にスルーホールを形成するスルーホール形成工程を有す
る上記(1)または(2)の電子部品用基板の製造方
法。 (4) 前記スルーホール形成工程と前記エッチング工
程との間に、スルーホール形成時に生じたスミアを除去
するデスミア工程を有する上記(3)の電子部品用基板
の製造方法。 (5) 前記金属層の厚さが0.1〜10μmである上
記(1)〜(4)のいずれかの電子部品用基板の製造方
法。 (6) 前記金属張り基板が銅張り基板である上記
(1)〜(5)のいずれかの電子部品用基板の製造方
法。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明では、市販の銅張り基板に
おいて銅箔が厚いことにより生じる上記問題点を、コス
ト増大を最小限に抑えた上で解決できる。
【0015】まず、銅張り基板について説明する。
【0016】銅張り基板は、繊維強化樹脂などからなる
樹脂基材に、銅箔を圧着したものである。銅張り基板を
製造する際には、まず、プリプレグを製造する。例え
ば、繊維強化樹脂のプリプレグとは、繊維布に樹脂溶液
を含浸した後、熱処理を施して樹脂を乾燥させると共に
樹脂の重合度を調整したものである。次いで、基板の厚
さに応じてプリプレグを1枚または複数のプリプレグの
積層体を用意し、プリプレグまたはその積層体の一方ま
たは両方の面に銅箔を重ね、加圧および加熱を行って樹
脂を硬化させる。これにより、銅張り基板が得られる。
樹脂基材の内部に銅箔を挟んだ多層基板を得るには、プ
リプレグを積層する際に、プリプレグ間に銅箔を挟む。
【0017】これらの銅箔は、少なくとも樹脂基材に接
する側がマット面(つや消し面)であり、銅張り基板の
表面となる側がシャイニー面(光沢面)である。また、
樹脂基材内部に挟む銅箔は、両面がマット面とされる。
樹脂基材と接する面をマット面とするのは、樹脂基材に
対する付着力を向上させるためである。
【0018】銅張り基板に用いる銅箔は、電鋳により製
造される電解銅箔と、銅の圧延により製造される圧延銅
箔に大別される。電鋳の際に電極に接していた面は平滑
な面となり、電解液側の面は比較的荒れた面となる。電
解液側の面をマット面として利用することもできるが、
通常、銅箔製造後に、マット面とするための粗面化加工
を施す。この粗面化加工は、機械的に凹凸を設ける方
法、電気めっき法により亜鉛やニッケルなどを銅箔表面
に析出させる方法、またはその他の方法などの1種また
は2種以上によって行われる。
【0019】なお、銅張り基板の詳細は、例えば日刊工
業新聞社から刊行された「多層プリント配線板製造技
術」(高橋清 著、1993年5月3日発行)に記載さ
れている。
【0020】本発明では、このような銅張り基板を用
い、エッチングにより銅箔を完全に除去して樹脂基材表
面を露出させた後、その上に無電解めっき層を形成し、
その後は従来と同様にしてサブトラクティブ法により回
路パターンを形成する。従来のサブトラクティブ法で
は、回路パターン形成の際に厚い銅箔をエッチングする
必要があるが、本発明では厚い銅箔をエッチングする必
要がなくなるためにエッチング対象物が著しく薄くなる
ので、前述した回路パターンの裾部における広がりを小
さくできる。したがって、本発明では、回路パターンの
線幅および線間距離を小さくした場合に生じる前記問題
点を解決できる。
【0021】銅張り基板において、銅箔に接していた樹
脂基材表面は、銅箔のマット面の凹凸に対応して粗面化
されている。本発明では、銅箔を除去した後、この粗面
化された樹脂基材表面に無電解めっき層を形成するの
で、樹脂基材に対する無電解めっき層の付着力を十分に
大きくできる。したがって、本発明では、銅張り基板を
そのまま利用する従来のサブトラクティブ法と同等の信
頼性を確保できる。
【0022】銅張り基板を利用する従来のサブトラクテ
ィブ法に対し本発明において増える工程は、銅箔全体を
エッチングにより除去する工程だけなので、コストアッ
プは少ない。また、厚さ方向に一部だけエッチングして
銅箔を薄型化する従来の方法では、前述したようにエッ
チングの停止制御が難しく、また、エッチング速度が不
均一であるため、厚さのばらつきの少ない銅箔を安定し
て量産することが困難である。これに対し銅箔全体をエ
ッチングにより除去する作業では、エッチングの停止制
御を厳密に行う必要がなく、また、エッチング速度の不
均一さも問題とはならない。したがって、本発明法は実
施が容易である。
【0023】なお、本発明では、上述したように市販の
銅張り基板を利用できるが、銅箔の替わりに他の金属か
らなるシートを圧着した金属張り基板を用いることもで
きる。
【0024】ところで、特開昭56−10993号公報
には、アルカリ性亜鉛めっきにより凹凸面を形成したA
lまたはAl合金からなる箔に、ジエン系合成ゴムを主
成分とする接着剤を塗布、乾燥して半硬化状態の接着剤
層を形成する工程、上記接着剤層を絶縁基板またはプリ
プレグに積層して加熱、加圧して一体成形する工程、上
記箔および亜鉛めっき層をエッチング除去して、凹凸面
のある接着剤層を露出させる工程、上記凹凸面をコロナ
放電処理する工程、コロナ放電処理した凹凸面に化学め
っきを施して導電パターンを形成する工程、を具備する
プリント回路形成方法が記載されている。
【0025】同公報に記載された方法は、凹凸面を形成
した金属箔をエッチング除去する点において本発明と類
似する。しかし同公報では、金属箔の凹凸を接着剤層に
転写し、この接着剤層が基板表面を構成することにな
る。これに対し本発明では、絶縁基板自体に凹凸を形成
することができる。絶縁基板には、強度および化学的安
定性の高いエポキシ樹脂、BTレジン、ポリイミド等の
通熱硬化性樹脂が用いられる。これに対しジエン系ゴム
を主成分とする接着剤は化学的安定性が低く、また、ス
ポンジ状であるため吸水率が大きい。そのため、高温・
高湿条件下での使用において剥離や劣化が生じやすい。
したがって、本発明では、特開昭56−10993号公
報記載の方法では得られない高信頼性が実現する。
【0026】以下、本発明を詳細に説明する。図1に、
本発明における工程の流れを示す。
【0027】工程(A) 工程(A)では、金属張り基板を準備する。この金属張
り基板は、樹脂基材2の表面に金属シート3が圧着され
たものである。金属シート3は、少なくとも樹脂基材2
側の表面がマット面となっている。すなわち粗面化され
ている。この金属張り基板には、金属シート3が銅箔で
ある市販の銅張り基板を用いることができるが、他の金
属からなる金属シートを圧着したものであってもよく、
少なくとも樹脂基材2に接する面を粗面化することが可
能であれば、金属シート3の構成材料は限定されない。
例えば、銅のほか、AlやAl合金、Ni、真鍮などが
利用できる。
【0028】金属張り基板の製造方法は、金属シート3
のマット面の凹凸が樹脂基材2の表面に転写され得る方
法であればよく、そのほかは特に限定されない。ただ
し、通常、前述した銅張り基板の製造方法に準じた方
法、すなわち、粗面化された金属シートを、熱硬化性樹
脂を含有するプリプレグに積層した後、プリプレグを硬
化する方法が、簡便であり低コストであるため好まし
い。
【0029】金属シート3の粗面化は、前述した銅箔の
粗面化方法に準じて行うことが好ましい。例えばAlや
Al合金からなるシートでは、アルカリ性亜鉛めっきに
よりシートの表面に凹凸を形成することができる。金属
シート3の粗面化の程度は、金属シートの圧着によって
形成される樹脂基材2表面の凹凸が、無電解めっき層
(図1(D)における金属層4)の付着力を十分に向上
させ得るように決定すればよい。市販の銅張り基板を用
いる場合、いわゆるロープロファイル銅箔を用いたもの
が好ましい。また、銅箔以外の金属シートを用いる場合
でも、ロープロファイル銅箔と同程度の表面粗さを有す
るものが好ましい。本発明において用いる金属シートの
好ましい表面粗さは、10点平均粗さRz(ISO)で
0.1〜10μm程度である。金属シート3の表面粗さ
が小さすぎると、すなわち樹脂基材2の表面粗さが小さ
すぎると、金属層4の付着力が低くなってしまう。一
方、金属シート3の表面粗さが大きすぎると、すなわち
樹脂基材2の表面粗さが大きすぎると、以下に説明する
ような問題が生じる。樹脂基材2上に形成される金属層
4は薄いので、金属層4の形状は、図1(D)に示すよ
うに樹脂基材2表面の凹凸に沿ったものとなる。そのた
め、樹脂基材2の表面粗さが大きすぎると、金属層4を
フォトリソグラフィーによりパターニングする際の露光
工程において、金属層4表面で乱反射が生じ、その結
果、パターニング精度が低くなってしまう。また、金属
層4を下地層として電気めっきを行う際に、電流路が長
くなって抵抗が大きくなるという問題も生じる。
【0030】金属シート3の厚さは特に限定されない。
ただし、金属シートが厚すぎると、金属シートをエッチ
ングして除去する際に長時間を要し、生産効率が低くな
ってコスト高を招く。一方、極端に薄い金属シートは製
造が困難であり、製造できたとしてもコスト高となる。
この点から、金属シートの厚さは、通常、15〜100
μmであることが好ましい。
【0031】樹脂基材2の樹脂成分には、上述したよう
に熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。市販の銅張り
基板では、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂、BTレジ
ン、ポリイミド等が用いられており、本発明でもこれら
の熱硬化性樹脂を用いればよい。一般に熱硬化性樹脂は
脆いため、樹脂だけでは薄板とすることが難しい。その
ため、樹脂基材2は、市販の銅張り基板と同様に、補強
材を含有する強化樹脂から構成されることが好ましい。
補強材としては、ガラス不織布、紙、ポリエステル布な
ど、従来の強化樹脂と同様なものを用いることができ
る。樹脂基材2の厚さは特に限定されず、通常、50〜
500μmの範囲から選択すればよい。
【0032】工程(B) 工程(B)では、金属張り基板にスルーホール21を形
成する。なお、図1では、金属張り基板の断面だけを表
示してあり、奥行き方向の表示は省略してある。このス
ルーホール21の内壁面に導体層を形成することによ
り、基板の一方の面側と他方の面側との導通が確保され
る。また、基板がその内部に銅箔等の内部導体層を有す
る多層基板である場合には、基板表面側と内部導体層と
の導通も確保される。スルーホールの形成方法は、例え
ばドリル加工を用いる方法など、従来どおりであってよ
い。
【0033】スルーホール穿孔後、必要に応じてデスミ
ア処理を施す。スルーホールをドリル加工により形成し
た場合、ドリル加工時の切削熱により樹脂が融解し、そ
の後、固化する。この固化した樹脂はスミアと呼ばれ
る。このスミアが、スルーホール内壁面に露出した内部
導体層端面に付着した場合、スルーホール内に形成され
るめっき層と内部導体層との電気的接続の障害となる。
そのため、必要に応じ、スミアを除去する必要がある。
スミアを除去する処理がデスミア処理である。デスミア
処理は、従来のスルーホールめっき法において一般的に
行われているものであり、本発明において実施する場合
も従来と同様にして行えばよい。すなわち、スミアだけ
を選択的に除去でき、樹脂基材2への影響が少ない処理
液を用いればよい。なお、デスミア処理は、工程(C)
において金属シート3を除去した後に施すこともできる
が、デスミア処理により樹脂基材2の表面粗さが減じら
れる、あるいは、表面にある凹凸の角が取れてしまう傾
向があるので、デスミア処理はこの段階で施すことが好
ましい。
【0034】ところで本発明では、前記特開昭56−1
0993号公報に記載されたジエン系合成ゴムを主成分
とする接着剤層とは異なり、化学的安定性の高い樹脂か
らなる基板に凹凸を形成する。デスミア処理によって基
板の表面粗さが減じられる度合いは、基板の化学的安定
性が高いほど大きくなる。一般に、化学的安定性が低い
場合には、デスミア処理により基板表面がかえって荒
れ、表面粗さは大きくなる。このような理由から、本発
明では金属シート3を除去する前にデスミア処理を施す
ことが好ましいのである。
【0035】工程(C) 工程(C)では、金属シート3全体をエッチングにより
除去し、樹脂基材2の粗面化された表面を露出させる。
【0036】金属シート3のエッチングには、金属シー
トを構成する金属だけを選択的にエッチングし、樹脂基
材2には実質的に影響を与えないエッチング液を用いる
湿式エッチングを利用することが好ましい。このような
エッチング液としては、例えば金属シートとして銅箔を
用いる場合には、塩化第二鉄の塩酸溶液、塩化第二銅溶
液、アルカリエッチング液などを用いることができる。
また、金属シート構成材料としてAlを用いる場合には
塩酸、リン酸溶液などを用いることができ、Niを用い
る場合には塩酸、塩化第二鉄溶液などを用いることがで
きる。
【0037】前述したように、この工程では金属シート
のすべてをエッチングにより除去するため、エッチング
停止のタイミング制御を厳密に行う必要がなく、また、
エッチング速度の不均一さも問題とはならない。ただ
し、樹脂基材2の表面の凹部に食い込んでいる金属シー
トの凸部を完全に除去するため、金属シートの厚さ(例
えば銅張り基板における銅箔の公称厚さ)とエッチング
速度とから算出される理論的エッチング時間に対し、や
やオーバーエッチングとなるようにエッチング時間を制
御することが好ましい。具体的には、実際のエッチング
時間は、上記理論的エッチング時間の1.2倍以上とす
ることが好ましい。また、より完全にエッチングするた
めには、1.5倍以上とすることが好ましい。ただし、
エッチング時間が長すぎると生産性が低下するので、2
倍を超える必要はない。
【0038】工程(D) 工程(D)では、樹脂基材2の粗面化された表面および
スルーホール21の内壁面に、上記金属シート3よりも
薄い金属層4を無電解めっき法により形成する。この金
属層4は、電気めっき法により形成する回路パターンの
下地層として機能する。金属層4の構成材料は、銅、ニ
ッケル、スズ、亜鉛など、電気めっき法を利用する際の
下地層として一般に用いられているものの中から、任意
に選択すればよい。
【0039】金属層4の厚さは、電気めっきの下地とし
て十分に機能する程度に厚く、かつ、ファインパターン
を形成する際に前述した問題が生じない程度に薄くすれ
ばよい。具体的には、好ましくは0.1〜10μm、よ
り好ましくは0.3〜1μmである。
【0040】この工程における無電解めっきの条件は特
に限定されず、従来の電子部品製造方法における無電解
めっき工程と同じであってよい。
【0041】工程(E)、(F) 工程(E)では、金属層4を導電性下地として、電気め
っき法により導体層5を形成し、工程(F)では、この
導体層5をパターニングする。これらの工程は、従来の
サブトラクティブ法におけるパネルめっき法と全く同様
にして行えばよい。また、図示例のほか、従来のサブト
ラクティブ法におけるパターンめっき法を利用すること
もできる。
【0042】本発明は、各種電子部品の製造に適用でき
る。例えば、配線基板、インダクタ等のいずれにおいて
も、ファインパターンとする必要がある場合に特に有効
である。具体的には、例えば特開平11−204361
号公報、特開平11−204337号公報に記載されて
いる平面コイルおよび平面トランスの製造に好適であ
る。
【0043】
【実施例】実施例1 厚さ100μmのガラスエポキシ基板からなる樹脂基材
の両面に、厚さ18μmの銅箔が張られた銅張り基板
(FR4グレード)を、準備した。この銅張り基板の銅
箔の表面粗さRz(ISO)は、8μmであった。この
銅張り基板の所定位置に、直径0.2mmのスルーホール
をドリルで穿孔した。次いで、過マンガン酸カリウムを
含有する処理液によりデスミア処理を施した。
【0044】次いで、塩化第二鉄の塩酸溶液(塩化第二
鉄濃度38%、塩酸25mL/L)をエッチング液として用
い、銅箔を完全に除去した。エッチング液の温度は40
℃、エッチング時間は15分間とした。このエッチング
時間は、理論的エッチング時間の1.2倍である。
【0045】水洗後、キャタライジングを行った。次い
で、無電解めっき法により厚さ0.5μmの銅層を形成
した。次いで、この銅層の表面に、硫酸銅浴を用いた電
気めっき法により、厚さ10μmの銅層を積層し、ピー
リング強度評価用サンプルとした。
【0046】この評価用サンプルについて、銅層(合計
厚さ10.5μm)のピーリング強度を測定した。ピー
リング強度の測定は、以下のように行った。まず、銅層
に1cmの間隔で切り目を入れ、一端を剥離した。次い
で、その端部をバネばかりで垂直に引っ張ることにより
銅層を等速で剥離し、そのときの力をピーリング強度と
した。その結果、ピーリング強度は9.8N/cmであっ
た。
【0047】また、電気めっき法により形成する銅層の
厚さを1.5μmとしたほかは上記と同様にして、膜厚
評価用サンプルを得た。この膜厚評価用サンプルの銅層
について、面内における厚さのばらつきを調べたとこ
ろ、±5%以内であった。
【0048】この膜厚評価用サンプルを用い、厚さ2μ
mの銅層(無電解めっき層+電気めっき層)を特開平1
1−204361号公報の実施例2における無電解めっ
き層(厚さ1μm)の替わりに使ったほかは同公報の実
施例2と同様にしてハイアスペクト平面コイルを作製し
たところ、同公報に記載された特性と同等の特性が得ら
れた。
【0049】実施例2 樹脂基材がBTレジンからなる銅張り基板を用いたほか
は実施例1と同様にして評価用サンプルを得た。このサ
ンプルについて実施例1と同様な評価を行ったところ、
実施例1と同等の結果が得られた。
【0050】実施例3 銅箔を除去した後にデスミア処理を行ったほかは実施例
1と同様にして、ピーリング強度評価用サンプルを作製
した。このサンプルにおけるピーリング強度は3.9N/
cmであった。
【0051】比較例1 実施例1の銅張り基板を用い、厚さ方向に一部だけエッ
チングすることにより銅箔を薄型化して、評価用サンプ
ルを得た。エッチングの終了タイミングは、銅箔の厚さ
が2.0μmとなるように決定した。この評価用サンプ
ルでは、銅箔の厚さの面内方向におけるばらつきが±3
5%に達した。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、ファインピッチの回路
パターンを実現するために必要な薄い金属層を有する基
板が、低コストで得られる。しかも、本発明により製造
される基板を用いた場合、銅張り基板をそのまま利用す
る従来のサブトラクティブ法と同等の信頼性を確保でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法における工程の流れを示す断
面図である。
【図2】エッチング対象物が厚い場合における問題点を
説明するための断面図である。
【図3】エッチング対象物を薄くすると図2に示す問題
点が解決されることを説明するための断面図である。
【符号の説明】 2 樹脂基材 21 スルーホール 3 金属シート 4 金属層 5 導体層 101 導体層 102 エッチングレジスト層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂基材の表面に金属シートが圧着され
    て構成され、この金属シートの前記樹脂基材と接する面
    がマット面であり、このマット面と接している前記樹脂
    基材の表面が前記マット面の凹凸に対応して粗面化され
    ている金属張り基板を準備する工程と、 前記金属張り基板から、前記金属シート全体をエッチン
    グにより除去するエッチング工程と、 前記金属シートが接していた前記樹脂基材の表面に、前
    記金属シートよりも薄い金属層を無電解めっき法により
    形成する無電解めっき工程とを有する電子部品用基板の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 熱硬化性樹脂を含有するプリプレグに、
    前記金属シートを圧着した状態で前記熱硬化性樹脂を硬
    化することにより、前記金属張り基板を製造する請求項
    1の電子部品用基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記エッチング工程の前に、前記金属張
    り基板にスルーホールを形成するスルーホール形成工程
    を有する請求項1または2の電子部品用基板の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記スルーホール形成工程と前記エッチ
    ング工程との間に、スルーホール形成時に生じたスミア
    を除去するデスミア工程を有する請求項3の電子部品用
    基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記金属層の厚さが0.1〜10μmで
    ある請求項1〜4のいずれかの電子部品用基板の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記金属張り基板が銅張り基板である請
    求項1〜5のいずれかの電子部品用基板の製造方法。
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