JP2001188025A - 波面センサ、これを用いたレンズメータ及び能動光学式反射望遠鏡 - Google Patents
波面センサ、これを用いたレンズメータ及び能動光学式反射望遠鏡Info
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Abstract
避して、測定を常に高精度に行うことのできる波面セン
サを提供する。 【解決手段】 本発明に係る波面センサ4は、同一平面
内に設けられた複数のレンズ8と、各レンズ8を透過し
て集光された光束を光点として受光するエリアセンサ7
とを備え、各レンズ8は互いに焦点距離が異なる複数の
同心状の領域からなり、最小の焦点距離を有する領域を
通るときに平面波が結像する位置と最大の焦点距離を有
する領域を通るときに平面波が結像する位置との略中間
にエリアセンサ7が配置されている。
Description
測定する波面センサと、この波面センサを用いたレンズ
メータ及び能動光学式反射望遠鏡に関する。
面センサとして、ハルトマンタイプのものが知られてい
る。このハルトマンタイプの波面センサは、複数の微小
開口が一定の間隔で規則的に形成されたハルトマンプレ
ートと呼ばれる板状体と、ハルトマンプレートと平行に
配置されたエリアセンサとを備える。ハルトマンプレー
トにはエリアセンサと反対側から光束が入射され、この
入射光束は各開口を通過して細い光線となり、エリアセ
ンサ上に開口の数に応じた複数の光点を形成して受光さ
れる。
ルトマンプレートにおける開口の間隔とエリアセンサ上
の光点の間隔とは等しくなる。また、その開口の間隔と
光点の間隔とに異なるところがある場合にも、ハルトマ
ンプレートからエリアセンサまでの距離及びハルトマン
プレート上の開口の位置は既知であるため、エリアセン
サ上の光点の位置から透過光束の光線方向を算出するこ
とができる。この光線方向は入射光束の波面の法線方向
に相当するので、複数の光線方向から入射光束の波面形
状が測定される。
ルトマンプレートの各開口には通常同一仕様の単焦点レ
ンズが取り付けられており、エリアセンサはその各レン
ズの焦点位置に配置されている。
うな従来の波面センサでは、その各開口に取り付けられ
たレンズが単焦点でかつこの焦点位置にエリアセンサを
配置することより、入射光束が平面波である場合にはS
/N比を十分に向上させることができるものの、平面波
でない場合にはエリアセンサ上における光点がボケてS
/N比が著しく低下するという問題がある。
ルトマンプレート1に取り付けられたレンズ2に入射す
る光束Pが平面波である場合には、レンズ2の透過光束
はエリアセンサ3上の一点に集光されて光点Q1を形成
し、この光点Q1は図12に実線で示すような光量分布
を有する。ところが、図12(b)、(c)に示すよう
に、その入射光束Pが発散光又は収束光である場合に
は、レンズ2の透過光束はエリアセンサ3上には集光せ
ずにエリアセンサ3上に比較的大面積の光点Q2,Q3を
形成する。この光点Q2,Q3はともに図13に破線で示
すような光量分布を有し、光点Q1のように明確な光量
差を持たず甚だボケた状態にある。よって、例えばゴミ
や傷の存在によりエリアセンサ3の受光量が減少すると
光点Q2,Q3はその影響を受けやすく、場合によっては
光点として認識されなくなるおそれがある。
確であるとともに、光点の中心から外方に大きく広がっ
ているので、エリアセンサ3上において隣接する光点同
士がくっつき重なり合うおそれがある。これを回避する
にはハルトマンプレート1とエリアセンサ3との離間距
離を小さくするか、ハルトマンプレート1の開口間隔を
広げる必要があるが、前者では平面波以外のときの光点
のずれが小さくなって移動感度が鈍くなり、後者では光
点の密度が小さくなって測定点が減少するので、波面形
状の測定精度の低下をきたす。
平面から大きく変位しているものを測定する場合には、
以上のような問題は軽視することができず、光点の大き
なボケを回避して測定精度を改善する必要性が高い。
ので、波面形状にかかわらず光点の大きなボケを回避し
て、測定を常に高精度に行うことのできる波面センサ、
この波面センサを用いたレンズメータ及び反射式望遠鏡
を提供することを課題としている。
め、請求項1の発明は、同一平面内に設けられた複数の
レンズと、各レンズを透過して集光された光束を光点と
して受光するエリアセンサとを備え、該エリアセンサ上
の光点の位置に基づいて前記レンズの入射光束の波面形
状を測定する波面センサにおいて、前記各レンズは互い
に焦点距離が異なる複数の同心状の領域からなり、最小
の焦点距離を有する領域を通るときに平面波が結像する
位置と最大の焦点距離を有する領域を通るときに平面波
が結像する位置との略中間に前記エリアセンサが配置さ
れていることを特徴とする。
センサにおいて、前記複数の同心状の領域の各焦点距離
が前記レンズの中心部から周縁部に向けて連続的に又は
段階的に変化していることを特徴とする。
センサにおいて、前記レンズの中心部が最大の焦点距離
を有し、前記レンズの周縁部が最小の焦点距離を有する
ことを特徴とする。
のいずれか1項に記載の波面センサにおいて、前記レン
ズが回折光学素子からなることを特徴とする。
のいずれか1項に記載の波面センサを用いたレンズメー
タを特徴とする。
のいずれか1項に記載の波面センサを用いた能動光学式
反射望遠鏡を特徴とする。
いて説明する。
面センサの概略構成を示す。この波面センサ4は、複数
の開口5が一定の間隔で規則的に形成されたハルトマン
プレート6と、ハルトマンプレート6と平行に配置され
たエリアセンサ7とを備える。ハルトマンプレート6に
はエリアセンサ7と反対側から光束Pが入射され、この
入射光束Pは各開口5を透過して細い光線となり、エリ
アセンサ7上に開口5の数に応じた複数の光点を形成す
る。
位によって異なる焦点距離を有するレンズ8が取り付け
られている。ここでは、図2に示すように、レンズ8は
互いに焦点距離が異なる三つの同心円状の領域8a,8
b,8cからなり、レンズ8の中心部(領域8a)から
周縁部(領域8c)に向けて段階的に焦点距離が短くな
っている。また、このレンズ8は製作上の便宜から図3
に示すような回折光学素子からなるものが望ましい。
有する領域8cを通るときに平面波が結像する位置と、
最大の焦点距離f1を有する領域8aを通るときに平面
波が結像する位置との略中間に配置されている。すなわ
ち、ハルトマンプレート6からエリアセンサ7までの距
離をLとすると、 f3<L<f1 の関係が満たされている。
4は波面センサ4をレンズメータに適用する場合の具体
的形態を示し、この波面センサ9の波面センサ4に対応
する要素には同一符号を付して説明を省略する。図5は
その波面センサ9を用いたレンズメータ10の概略構成
を示す。
エリアセンサ7の中心はレンズメータ10において光軸
と合致する。ハルトマンプレート6にはその中心を中心
とする円周上に四つの開口5が等間隔に(90°ピッチ
で)形成されている。この開口5は、測定するレンズ特
性が球面度数、円柱度数、円柱軸角度、又は偏心量であ
れば三つあれば足りるが、測定精度等の観点からは本実
施の形態のように四つ以上あることが望ましい。
ール12と、コリメータレンズ13と、レンズ受け14
と、波面センサ9とを備える。ピンホール12はコリメ
ータレンズ13の前側焦点位置に配置され、レンズ受け
14には被検レンズTLが載置される。また、図中WF
は光束Pの波面を表している。
点光源となり、この点光源からの光束はコリメータレン
ズ13を透過して平面波(平行光束)となる。レンズ受
け14に被検レンズTLが設置されていない場合には、
その平面波がそのままレンズ8に入射してエリアセンサ
7に受光される。このとき、エリアセンサ7上の光点の
間隔はハルトマンプレート6における開口5の間隔と等
しくなる。
れると、被検レンズTLに入射した平面波は被検レンズ
TLの性質に応じて球面波に変換され、ハルトマンプレ
ート6の各開口5を透過する。被検レンズTLがプラス
レンズの場合には、エリアセンサ7上の光点間隔はハル
トマンプレート6における開口間隔よりも小さくなり、
被検レンズTLがマイナスレンズの場合には、エリアセ
ンサ7上の光点間隔はハルトマンプレート6における開
口間隔よりも大きくなる。したがって、エリアセンサ7
上の光点間隔を求めることにより、光路中に挿入した被
検レンズTLの光学特性を算出することができる。例え
ば、被検レンズTLの裏面頂点からハルトマンプレート
6までの距離をΔL、ハルトマンプレート6における開
口5の間隔をd、被検レンズTLが非設置の場合に対す
るエリアセンサ7上の光点の変位量をΔdとすると、設
置された被検レンズTLのバックフォーカスBfは次式
により算出される。
明する。
センサを波面センサ9の代わりにレンズメータ10に用
いる。この従来の波面センサを構成するハルトマンプレ
ート1及びエリアセンサ3は波面センサ9のハルトマン
プレート6及びエリアセンサ7と同様であるが、レンズ
2は単焦点であるためレンズ8と異なる。
には、平面波に近い波面がハルトマンプレート1に入射
するため、エリアセンサ3上に点光源であるピンホール
12の像が結像して光点Q1が明確に現れる(図12
(a))。この場合、光点Q1のピーク光量が高く(図
13の実線参照)、S/N比に優れるので、光点Q1の
位置検出を高精度で行うことができる。また、被検レン
ズTLの表面に多少の傷や汚れがあっても、測定結果は
これらの影響を受けにくい。
合には、ハルトマンプレート1に入射する光束Pの波面
が曲率の小さい球面波となり、被検レンズTLがプラス
の強度数のときにはエリアセンサ3の遥か手前で結像し
(図12(b))、被検レンズTLがマイナスの強度数
のときにはエリアセンサ3の遥か奥で結像するので(図
12(c))、エリアセンサ3上の光点Q2,Q3は大き
くボケてしまう。このため、光点Q2,Q3のピーク光量
は低く(図13の破線参照)、S/N比が低下するの
で、光点Q2,Q3の位置検出精度が極端に悪化する。ま
た、被検レンズTLの表面に傷や汚れ等があると、測定
結果に誤差を生じやすくなる。
くし焦点深度を深くして光点をボケにくくすることも可
能ではあるが、この場合はエリアセンサ3上での光量が
低下するので好ましくない。また、被検レンズTLの度
数に応じてエリアセンサ3等を移動させ、常にエリアセ
ンサ3上に合焦した状態とする方法も考えられるが、移
動機構の追加、光学系の複雑化によるレンズメータの大
型化、コストアップの原因を招き、測定に時間がかかる
等の不都合をも生じる。
けるレンズ8の領域8a,8b,8cの焦点距離f1,
f2,f3をそれぞれ、レンズメータ10において+10
D、0D、−10Dの被検レンズTLが設置された際に
エリアセンサ7上に結像するように設定する。例えばΔ
L=5[mm]、L=15[mm]とすると、焦点距離
f1,f2,f3はそれぞれ+17.8、+15、+1
3.1[mm]とすればよい。
による球面波が入射すると、図6(a)、図7(a)に
示すように、領域8aを透過した光束P1がエリアセン
サ7上に結像する。このとき、領域8bを透過した光束
P2はエリアセンサ7の手前で結像し、領域8cを透過
した光束P3はさらにその手前で結像する。
よる平面波が入射すると、図6(b)、図7(b)に示
すように、領域8bを透過した光束P2がエリアセンサ
7上に結像する。このとき、領域8aを透過した光束P
1はエリアセンサ7の奥で結像し(実際にはエリアセン
サ7に遮光されて結像には至らない。)、領域8cを透
過した光束P3はエリアセンサ7の手前で結像する。
る球面波が入射すると、図6(c)、図7(c)に示す
ように、領域8cを透過した光束P3がエリアセンサ7
上に結像する。このとき、領域8bを透過した光束P2
はエリアセンサ7の奥に結像し、領域8aを透過した光
束P1はさらにその奥に結像する。
R1,R2,R3はそれぞれ光束P1,P2,P3の結像点を
示している。
かかわらず、その光束Pの一部はレンズ8の領域8a,
8b,8cのいずれかによってエリアセンサ7上又はそ
の近傍に結像するので、たとえ平面波に対する領域8
a,8cのように対応しない領域に入射した光束Pの残
部がエリアセンサ7上に結像しなくても、図8に示すよ
うな光量分布を確保することができる。この光量分布
は、従来合焦していた0D近傍についての光量分布(図
13の実線)と比較するとピーク光量が低くボケた光点
を表すが、エリアセンサ7による光点の検出精度に影響
が及ぶ程のものではなく、逆に従来合焦していなかった
屈折力の大きな被検レンズTLについての光量分布(図
13の破線)と比較すると、ピーク光量が高く径の小さ
な光点を表し測定精度を向上させることができる。
は、入射光束Pの波面形状により光点の光量や径に大幅
な違いを生じて測定精度を一定に保つことが難しかった
が、この実施例に示した波面センサ9では、入射光束P
の波面形状にかかわらず光点の光量や径を一定に維持す
ることができ、常に高精度に測定を行うことができる。
f1,f2,f3と段階的に変化させたが、図9に示す球
面収差曲線のようにレンズの焦点距離を中心部から周縁
部に向けて連続的に変化させてもよい。例えば+25D
の被検レンズTLの透過光束が光軸を含むレンズ8の中
心部を透過した場合にエリアセンサ7上に結像し、−2
5Dの被検レンズTLの透過光束がレンズ8の最外縁部
を透過した場合にエリアセンサ7上に結像するとする
と、その中心部の焦点距離を26.3[mm]、最外縁
部の焦点距離を11.3[mm](最外縁部の球面収差
を−15[mm])とし、その間の領域の焦点距離を2
6.3[mm]から11.3[mm]の間で連続的に変
化させればよい。
縁部に向けて焦点距離を小さくしたのはレンズ製作上の
便宜等のためであり、必ずしもこれに限られる必要はな
く、周縁部から中心部に向けて焦点距離を小さくして
も、若しくは、半径方向に沿って焦点距離に連続性、段
階性を持たせなくてもかまわない。
により製造するのは難しいことから、上記同様に回折光
学素子として製造するのが望ましく、図10に示すよう
に一枚のバイナリーレンズアレイとして一体的に成形し
てもよい。
1は本発明に係る波面センサを用いる能動光学式反射望
遠鏡の概略構成を模式的に示す。この反射望遠鏡15で
は、遠方からの入射光束Pが凹面ミラー16により凸面
ミラー17に向けて反射され、凸面ミラー17の反射光
束が凹面ミラー16の中央部に形成された開口18を通
過し、ビームスプリッタ19を透過した後に観察面20
に導かれる。一方、ビームスプリッタ19により反射さ
れた一部の光束は、コリメータレンズ21を通過して平
行光束となり、レンズ8が取り付けられたハルトマンプ
レート6とエリアセンサ7とを有する波面センサ22に
導かれる。
形させるための複数のアクチュエータ23が設けられて
いる。このアクチュエータ23を駆動して凹面ミラー1
6の鏡面を変形させることにより、歪んだ波面WFを整
った球面波WF’に変換することができる。この際、入
射波面WFの歪み量を検出し、これを補正するための鏡
面の変形量を求め、この変形量に応じたアクチュエータ
23の駆動量を決定する必要があるが、波面センサ22
はその歪み量の検出に使用され、波面センサ22に接続
された演算回路24によりアクチュエータ23の駆動量
が決定されてアクチュエータ23が駆動される。
ので、各レンズのいずれかの領域を透過する光束がエリ
アセンサ上又はその近傍に結像し、波面形状にかかわら
ず光点の大きなボケを回避して測定を常に高精度に行う
ことができるという効果を奏する。
図である。
図である。
ある。
する場合の態様を示す説明図である。
の概略構成を示す説明図である。
収束光束が入射した場合、(b)は平行光束が入射した
場合、(c)は発散光束が入射した場合を示す説明図で
ある。
大して示し、(a)は図6(a)に対応する拡大図、
(b)は図6(b)に対応する拡大図、(c)は図6
(c)に対応する拡大図である。
量分布を示す説明図である。
説明図である。
れた例を示す説明図である。
反射望遠鏡の概略構成を示す説明図である。
(a)は平行光束が入射した場合、(b)は収束光束が
入射した場合、(c)は発散光束が入射した場合を示す
説明図である。
る光量分布を示す説明図である。
Claims (6)
- 【請求項1】同一平面内に設けられた複数のレンズと、
各レンズを透過して集光された光束を光点として受光す
るエリアセンサとを備え、該エリアセンサ上の光点の位
置に基づいて前記レンズの入射光束の波面形状を測定す
る波面センサにおいて、 前記各レンズは互いに焦点距離が異なる複数の同心状の
領域からなり、最小の焦点距離を有する領域を通るとき
に平面波が結像する位置と最大の焦点距離を有する領域
を通るときに平面波が結像する位置との略中間に前記エ
リアセンサが配置されていることを特徴とする波面セン
サ。 - 【請求項2】前記複数の同心状の領域の各焦点距離が前
記レンズの中心部から周縁部に向けて連続的に又は段階
的に変化していることを特徴とする請求項1に記載の波
面センサ。 - 【請求項3】前記レンズの中心部が最大の焦点距離を有
し、前記レンズの周縁部が最小の焦点距離を有すること
を特徴とする請求項2に記載の波面センサ。 - 【請求項4】前記レンズが回折光学素子からなることを
特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載
の波面センサ。 - 【請求項5】請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記
載の波面センサを用いたことを特徴とするレンズメー
タ。 - 【請求項6】請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記
載の波面センサを用いたことを特徴とする能動光学式反
射望遠鏡。
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