JP2001187984A - 形状記憶合金チューブ - Google Patents
形状記憶合金チューブInfo
- Publication number
- JP2001187984A JP2001187984A JP37414099A JP37414099A JP2001187984A JP 2001187984 A JP2001187984 A JP 2001187984A JP 37414099 A JP37414099 A JP 37414099A JP 37414099 A JP37414099 A JP 37414099A JP 2001187984 A JP2001187984 A JP 2001187984A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- shape memory
- memory alloy
- alloy tube
- peripheral surface
- tube
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 形状記憶合金チューブの加工工程における内
周面の酸化によるスケール生成を防止すること。 【解決手段】 材料となるパイプ形状の素材の内周面
に、耐酸化性に優れた金属からなる酸化防止被膜を設
け、伸線工程に供する。
周面の酸化によるスケール生成を防止すること。 【解決手段】 材料となるパイプ形状の素材の内周面
に、耐酸化性に優れた金属からなる酸化防止被膜を設
け、伸線工程に供する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、形状記憶合金チュ
ーブに係り、更に詳しくは内周面の耐酸化性を向上した
形状記憶合金チューブに関わるものである。
ーブに係り、更に詳しくは内周面の耐酸化性を向上した
形状記憶合金チューブに関わるものである。
【０００２】
【従来の技術】Ｔｉ−Ｎｉ合金やＣｕ−Ｚｎ−Ａｌ合金
を代表とする形状記憶合金は、マルテンサイト変態の逆
変態に付随して、顕著な形状記憶効果及び超弾性を示す
ことはよく知られている。なかでも、Ｔｉ−Ｎｉ合金
は、生活環境温度近傍で優れた特性を持つことから、電
子レンジダンパー、エアコン風向制御、炊飯器蒸気調圧
弁などの家庭電化製品用のアクチュエータ、建築物用換
気口、携帯電話用アンテナ、眼鏡フレームなど幅広い分
野で使用されている。
を代表とする形状記憶合金は、マルテンサイト変態の逆
変態に付随して、顕著な形状記憶効果及び超弾性を示す
ことはよく知られている。なかでも、Ｔｉ−Ｎｉ合金
は、生活環境温度近傍で優れた特性を持つことから、電
子レンジダンパー、エアコン風向制御、炊飯器蒸気調圧
弁などの家庭電化製品用のアクチュエータ、建築物用換
気口、携帯電話用アンテナ、眼鏡フレームなど幅広い分
野で使用されている。
【０００３】また、医療分野への応用に試みは、合金の
開発当初からなされ、これまでに歯列矯正用ワイヤー、
人口歯根、血管拡張ステント、カテーテルガイドワイヤ
ー、カテーテルチューブなどが実用化されている。
開発当初からなされ、これまでに歯列矯正用ワイヤー、
人口歯根、血管拡張ステント、カテーテルガイドワイヤ
ー、カテーテルチューブなどが実用化されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Ｔｉ−
Ｎｉ合金を使用した血管拡張ステント、カテーテルチュ
ーブにおいては、酸化によるチューブ内周面のスケール
生成の問題がある。これは、Ｔｉ−Ｎｉ合金のチューブ
の製造工程では、加工と焼鈍を繰り返して行う必要があ
るが、Ｔｉが非常に酸化され易く、焼鈍の際の加熱によ
る酸化が避け難いためである。そして、これらの細長い
チューブにおいては、外周面は伸線加工でダイスで擦ら
れるためスケールが生成せず、スケールが生成しても除
去が比較的容易であるが、内周面のスケール除去は甚だ
困難である。
Ｎｉ合金を使用した血管拡張ステント、カテーテルチュ
ーブにおいては、酸化によるチューブ内周面のスケール
生成の問題がある。これは、Ｔｉ−Ｎｉ合金のチューブ
の製造工程では、加工と焼鈍を繰り返して行う必要があ
るが、Ｔｉが非常に酸化され易く、焼鈍の際の加熱によ
る酸化が避け難いためである。そして、これらの細長い
チューブにおいては、外周面は伸線加工でダイスで擦ら
れるためスケールが生成せず、スケールが生成しても除
去が比較的容易であるが、内周面のスケール除去は甚だ
困難である。
【０００５】これらのチューブは、体内に入れて使用す
るため、スケールの脱落が大きな問題を引き起こす可能
性があり、後工程でのスケールの除去もしくは脱落防止
のための表面被覆が不可欠となる。また、酸化スケール
生成に伴う傷は、チューブの機械的強度の低下を招く。
るため、スケールの脱落が大きな問題を引き起こす可能
性があり、後工程でのスケールの除去もしくは脱落防止
のための表面被覆が不可欠となる。また、酸化スケール
生成に伴う傷は、チューブの機械的強度の低下を招く。
【０００６】前記の理由から、これらのチューブには、
内周面の清浄度向上が求められている。従って、本発明
の課題は、内周面が清浄な形状記憶合金チューブを提供
することにある。
内周面の清浄度向上が求められている。従って、本発明
の課題は、内周面が清浄な形状記憶合金チューブを提供
することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するために、加工工程におけるチューブ内周面の酸
化を防止する方法を検討した結果なされたものである。
即ち、本発明は、内周面に酸化防止被膜を有することを
特徴とする形状記憶合金チューブであり、また、前記酸
化防止被膜がＮｉ、Ａｕ、Ｐｔ、Ａｇから選択される金
属のめっきによる被膜であることを特徴とする形状記憶
合金チューブである。
解決するために、加工工程におけるチューブ内周面の酸
化を防止する方法を検討した結果なされたものである。
即ち、本発明は、内周面に酸化防止被膜を有することを
特徴とする形状記憶合金チューブであり、また、前記酸
化防止被膜がＮｉ、Ａｕ、Ｐｔ、Ａｇから選択される金
属のめっきによる被膜であることを特徴とする形状記憶
合金チューブである。
【０００８】
【作用】形状記憶合金チューブは、パイプ状の素材に伸
線加工を施して得られるが、この素材の内周面に予め耐
酸化性に優れた金属をめっきしておくことにより、伸線
工程における酸化を防止することができる。
線加工を施して得られるが、この素材の内周面に予め耐
酸化性に優れた金属をめっきしておくことにより、伸線
工程における酸化を防止することができる。
【０００９】
【発明の実施の形態】次に、図及び表を参照して、本発
明の実施の形態について説明する。
明の実施の形態について説明する。
【００１０】図１は、パイプ素材にめっきを施した状態
を示す断面図である。ここでは、Ｎｉが５１原子％、残
部がＴｉという組成の合金からなり、外径が１５ｍｍ、
内径が１０ｍｍの素材１を用いた。Ｔｉ−Ｎｉ系の場
合、Ｎｉが４８〜５２原子％、残部がＴｉの組成の合金
が使用可能で、また、このＴｉ−Ｎｉ合金のＮｉまたは
Ｔｉの一部を第３の元素、例えば、Ｆｅ、Ｃｒ、Ｖ、Ｍ
ｎ、Ｚｒ、Ｃｏ、Ｃｕなどで置換したものも使用可能で
ある。
を示す断面図である。ここでは、Ｎｉが５１原子％、残
部がＴｉという組成の合金からなり、外径が１５ｍｍ、
内径が１０ｍｍの素材１を用いた。Ｔｉ−Ｎｉ系の場
合、Ｎｉが４８〜５２原子％、残部がＴｉの組成の合金
が使用可能で、また、このＴｉ−Ｎｉ合金のＮｉまたは
Ｔｉの一部を第３の元素、例えば、Ｆｅ、Ｃｒ、Ｖ、Ｍ
ｎ、Ｚｒ、Ｃｏ、Ｃｕなどで置換したものも使用可能で
ある。
【００１１】そして、前記パイプ状の素材１の内周面に
Ｎｉめっき２を施した。Ｎｉめっきの厚さは、１０μ
ｍ、２０μｍ、５０μｍ、１００μｍ、２００μｍとし
た。次に、Ｃｕの丸棒を芯金にして、焼鈍、伸線加工を
繰り返し、少なくとも２０％の加工率を備えた外径１.
５ｍｍ、内径１ｍｍのチューブ素材を製造した。この外
径１.５ｍｍ、内径１ｍｍのチューブにおけるめっき厚
は、それぞれ１μｍ、２μｍ、５μｍ、１０μｍ、２０
μｍであった。
Ｎｉめっき２を施した。Ｎｉめっきの厚さは、１０μ
ｍ、２０μｍ、５０μｍ、１００μｍ、２００μｍとし
た。次に、Ｃｕの丸棒を芯金にして、焼鈍、伸線加工を
繰り返し、少なくとも２０％の加工率を備えた外径１.
５ｍｍ、内径１ｍｍのチューブ素材を製造した。この外
径１.５ｍｍ、内径１ｍｍのチューブにおけるめっき厚
は、それぞれ１μｍ、２μｍ、５μｍ、１０μｍ、２０
μｍであった。
【００１２】その後、超弾性処理として、５００℃で５
分間の熱処理を行って芯抜きした。この外径１.５ｍ
ｍ、内径１ｍｍのチューブについて、曲げ変形（５％
歪）を加えた後の形状回復率を求めた。めっき厚毎の形
状回復率を表１に示す。
分間の熱処理を行って芯抜きした。この外径１.５ｍ
ｍ、内径１ｍｍのチューブについて、曲げ変形（５％
歪）を加えた後の形状回復率を求めた。めっき厚毎の形
状回復率を表１に示す。
【００１３】
【表１】
【００１４】これらの結果によれば、１０μｍ以上のめ
っき厚では、めっき厚５μｍ以下のものに比較して、形
状回復率が著しく低下することが分かる。このため素材
へのめっき厚は５０μｍ以下とすることが望ましい。
っき厚では、めっき厚５μｍ以下のものに比較して、形
状回復率が著しく低下することが分かる。このため素材
へのめっき厚は５０μｍ以下とすることが望ましい。
【００１５】また、これらのチューブを長手方向に分割
して内周面を観察した結果によると、めっきなしのもで
は、酸化によるスケール生成が著しいが、めっきを施し
たものでは、酸化されていなかった。これは、ＮｉがＴ
ｉ−Ｎｉ合金に比較して酸化され難く、チューブ内周面
が保護された状態で焼鈍及び伸線加工されたことによる
と解される。
して内周面を観察した結果によると、めっきなしのもで
は、酸化によるスケール生成が著しいが、めっきを施し
たものでは、酸化されていなかった。これは、ＮｉがＴ
ｉ−Ｎｉ合金に比較して酸化され難く、チューブ内周面
が保護された状態で焼鈍及び伸線加工されたことによる
と解される。
【００１６】なお、ここでは、酸化防止被膜として、Ｎ
ｉめっきについて例を示したが、Ａｕ、Ｐｔ、Ａｇなど
の生体適合性及び耐酸化性に優れた金属も使用可能であ
ることは勿論である。また、Ｔｉ−Ｎｉ系合金について
例を示したが、本発明は、Ｃｕ−Ａｌ系合金にも適用で
きる。
ｉめっきについて例を示したが、Ａｕ、Ｐｔ、Ａｇなど
の生体適合性及び耐酸化性に優れた金属も使用可能であ
ることは勿論である。また、Ｔｉ−Ｎｉ系合金について
例を示したが、本発明は、Ｃｕ−Ａｌ系合金にも適用で
きる。
【００１７】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、形状記憶合金チューブの製造工程における内周面の
酸化、それに伴うスケールの生成を防止することが可能
となる。よって、後加工でのスケール除去、もしくは表
面被覆が不要となり、本発明が形状記憶合金チューブの
製造コスト低減と信頼性向上に寄与するところは、非常
に大きいものがある。
ば、形状記憶合金チューブの製造工程における内周面の
酸化、それに伴うスケールの生成を防止することが可能
となる。よって、後加工でのスケール除去、もしくは表
面被覆が不要となり、本発明が形状記憶合金チューブの
製造コスト低減と信頼性向上に寄与するところは、非常
に大きいものがある。
【図１】本発明の形状記憶合金の素材パイプ断面を示す
図。
図。
１ パイプ状の素材 ２ Ｎｉめっき
Claims (2)
- 【請求項１】 内周面に酸化防止被膜を有することを特
徴とする形状記憶合金チューブ。 - 【請求項２】 請求項１に記載の形状記憶合金チューブ
において、前記酸化防止被膜がＮｉ、Ａｕ、Ｐｔ、Ａｇ
から選択される金属のめっきによる被膜であることを特
徴とする形状記憶合金チューブ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP37414099A JP2001187984A (ja) | 1999-12-28 | 1999-12-28 | 形状記憶合金チューブ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP37414099A JP2001187984A (ja) | 1999-12-28 | 1999-12-28 | 形状記憶合金チューブ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001187984A true JP2001187984A (ja) | 2001-07-10 |
Family
ID=18503332
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP37414099A Pending JP2001187984A (ja) | 1999-12-28 | 1999-12-28 | 形状記憶合金チューブ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2001187984A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8444775B2 (en) | 2007-10-01 | 2013-05-21 | Johnson Matthey Public Limited Company | Manufacturing shape memory alloy tubes by drawing |
-
1999
- 1999-12-28 JP JP37414099A patent/JP2001187984A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8444775B2 (en) | 2007-10-01 | 2013-05-21 | Johnson Matthey Public Limited Company | Manufacturing shape memory alloy tubes by drawing |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US6402859B1 (en) | β-titanium alloy wire, method for its production and medical instruments made by said β-titanium alloy wire | |
| JP2007510064A (ja) | 長い耐用年数のニチノール | |
| JP2001020026A (ja) | 形状記憶特性及び超弾性を有する銅系合金、それからなる部材ならびにそれらの製造方法 | |
| JP6842125B2 (ja) | 超弾性シームレスチューブの製造方法 | |
| JP2006089825A (ja) | 生体用超弾性チタン合金 | |
| JP2001187984A (ja) | 形状記憶合金チューブ | |
| JP2002069555A (ja) | ＮｉＴｉ系合金ワイヤおよびその製造方法 | |
| JP2009097064A (ja) | Ｔｉ基合金 | |
| JP3641512B2 (ja) | 歯列矯正用ワイヤーおよびその製造方法 | |
| JP4128975B2 (ja) | 生体用超弾性チタン合金 | |
| JP2002058748A (ja) | カテーテル用ガイドワイヤ、及びカテーテル用ガイドワイヤの製造方法 | |
| JP2004197112A (ja) | 生体用超弾性チタン合金の製造方法 | |
| JP2541802B2 (ja) | 形状記憶ＴｉＮｉＶ合金及びその製造方法 | |
| JP2006314525A (ja) | 管状器官への挿入具 | |
| JP2004344950A (ja) | 形状記憶合金チューブの製造方法 | |
| JP2007016313A (ja) | 眼鏡用部材及びこれを含む眼鏡用フレーム並びにこれらの製造方法 | |
| JP3141328B2 (ja) | 超弾性バネ合金の製造方法 | |
| JP2799992B2 (ja) | 衣料品用形状記憶合金線 | |
| JP2022183405A (ja) | 超弾性ステントおよび超弾性ステントの製造方法、ならびに合金チューブおよび合金チューブの製造方法 | |
| JP2640461B2 (ja) | 医療用ガイドワイヤ及び医療用カテーテル | |
| JP2005000357A (ja) | カテーテル | |
| JP2899894B2 (ja) | ハイブリッド超弾性材の製造方法 | |
| JP2001096307A (ja) | 形状記憶合金チューブの製造方法 | |
| JP2016073589A (ja) | 複機能ステント | |
| JP2004204245A (ja) | Ｔｉ−Ｓｃ系形状記憶合金 |