JP2007510064A - 長い耐用年数のニチノール - Google Patents

長い耐用年数のニチノール Download PDF

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Abstract

長い耐用年数の超弾性ニッケル−チタン(ニチノール)ワイヤ、リボン、シート、チューブ又は同様のものが示されている。ニチノールは、残余重量%のチタンを有する54.5から57.0重量パーセントのニッケルを有し、十分なアニールの後、形状セッティング熱処理の前に、最終工程として、30%以下の冷間加工を受ける。回転ビーム疲労試験を通して、耐用年数で37%の改善が観察された。

Description

本発明は、改善された耐用年数を有する超弾性金属合金を提供する方法及び装置に関する。特に、本発明は、長い耐用年数のニッケル−チタン合金のワイヤ、リボン、チューブ又はシートに関する。
ニッケル−チタンのような形状記憶性を有し、超弾性の合金には大きな興味が寄せられている。ニチノール(すなわち、ニッケル−チタン国防省海軍武器研究所)としても知られているこの合金のファミリーは、典型的には、ほぼ等しい成分のニッケルとチタンとからなっている。ニチノール合金の性能を生かす鍵は、オーステナト相とマルテンサイト相との間を転移する結晶構造の相転移にある。オーステナイト相は、一般的に高温相として述べられ、マルテンサイト相は、一般的に低温相として述べられている。前後の相変化は、超弾性や形状記憶効果を達成するための機構となっている。
(本発明の要旨)
名前から分かるように、形状記憶とは、合金を、マルテンサイト相で特定の形状にねじ曲げることができ、加熱されオーステナイト相になると、金属は記憶された形状に戻ることを意味する。他方、超弾性とは、圧力下にある合金が極端に高い弾性のふるまいを示すことをいう。例えば、スチールワイヤの可逆的なひずみが0.5パーセントであることと比較して、超弾性のニチノールワイヤによれば、典型的には、8パーセントまで、可逆的な伸張のひずみが可能となる。この超弾性は、合金に応力が加えられ、合金がオーステナイト相からマルテンサイト相に変化する際、オーステナイト相で見ることができる。この特別なマルテンサイト相は、より正確には、Af(オーステナイト最終)温度より高い温度で不安定な応力誘発マルテンサイト(SIM)として記載される。このような状態で、加えられている応力が取り除かれると、応力誘発マルテンサイトはオーステナイト相に逆戻りする。この相変化によって、超弾性のニチノールで、戻ることができる特徴的なひずみを達成できることわかる。
ニチノールは、最初は軍隊によって開発されたが、多くな商業的な応用に用いる方法が見いだされた。合金の形状記憶効果を利用する応用としては、パイプ連結、矯正ワイヤ、骨の止め金などがある。ニチノールの超弾性を活用する製品としては、例えば、アンテナや眼鏡のフレームなどがある。
医療装置産業も、ニチノールの多くの利用方法を見いだした。ニチノールは、数個の例を挙げると、加工ガイドワイヤ、心臓ペーシングリード線、ステントのような人工移植装置、腔内フィルタ、カニューレを介して開発された道具などに用いられている。このような装置は、例えば、Jervisによる米国特許番号4,665,906; 5,067,957; 5,190,546; 5,597,378; 6,306,141; 6,533,805や、Middleman による米国特許番号5,486,183; 5,509,923; 5,632,746; 5,720,754; 5,749,879; 5,820,628; 5,904,690; 6,004,330及び 6,447,523などで示されている。塞栓症フィルタは、例えばBatesなどによる米国特許番号6,179,859に示されているように、ニチノールを用いて作ることができる。Brownによる米国特許番号6,059,810や、Duerigによる米国特許番号6,086,610に示されているように、移植可能なステントをニチノールから作ることもできる。Abramsによる米国特許番号5,341,818に示されているように、ガイドワイヤを、ニチノールから作ることができる。例えばLauによる米国特許番号6,595,912に示されているように、ニチノールは、うっ血性の心臓麻痺を処理する心臓装置を構成することにも適している。
全てのニチノール合金は、超弾性と形状記憶効果の両方を示すことが知られている。各々の利点を最高にするために、産業界は、これらの特性をコントロールする加工工程を発展させた。これらの加工技術としては、ニッケルとチタンの成分を変化したり、ニッケル−チタンを他の要素と合金にしたり、合金を熱処理したり、合金を機械加工したりすることが挙げられる。例えば、Fountainによる米国特許番号4,310,354には、好ましい転移温度を有する形状記憶ニチノール合金を製造する方法が開示されている。DiCarloによる米国特許番号6,106,642には、ニチノールの延性を改善する方法が開示されている。Peltonによる米国特許番号5,843,244には、Af温度を低くするため、ニチノール合金を冷間加工し、アニールすることが開示されている。2003年6月26日に公開された米国特許番号2003/0120181A1には、硬くなるよう加工された擬弾性のガイドワイヤが示されている。Thomaなどによる米国特許番号4,881,981には、冷間加工及び熱処理によって、合金の内部応力の大きさを大きくして、形状記憶合金部材の物理的及び機械的特性を調整する方法が示されている。
あまり示されていないニチノールの一特性は、回転耐用年数である。回転力を受ける多くの装置、特に医療装置では、耐用年数は重要な考慮すべき事項である。この課題について示された論文としては、W. Harrison, Z.Linによる"The Study of Nitinol Bending Fatigue,"pp. 391-396、M. Reinoehlなどによる"The Influence of Melt Practice on Final Fatigue Properties of Superelastic NiTi Wires, "pp. 397-403、C. Kuglerなどによる"Non-Zero Mean Fatigue Test Protocol for NiTi, "pp. 409-417、D. Tolomeoなどによる"Cyclic Properties of Superelastic Nitinol : Design Implications"などがあり、これらは全てSMST-2000 Conference Proceedings, The International Organization Of Shape Memory And Superelastic Technology (2001)によって開示されている。しかしながら、医療装置の応用に特に適した、改善された耐用年数を有するニチノール合金を開発する必要がまだある。
(発明の要旨)
本発明は、概ね、長い耐用年数を有する金属ワイヤ、リボン、シート又はチューブ、及びこのような形状を作る方法に関する。ある実施の形態において、長い耐用年数を有する金属ワイヤ、リボン、シート又はチューブは、インゴット状態で、約54.5から57.0の重量パーセントのニッケル成分と、残余重量%のチタンと、微量の要素とを有する二成分のニッケル−チタンからなる超弾性合金からなるコアを備えている。ニッケル−チタン合金は、約−15℃±25℃のインゴットAfを有していることが好ましく、金属ワイヤ、リボン、シート又はチューブは、十分なアニールの後、約30%以下の最終冷間加工を有する、少なくとも一回の冷間加工及びアニールサイクル加工を受ける。
好ましい実施の形態において、金属ワイヤ、リボン、シート又はチューブは、150ksi(1.03×10Pa)以上の最終的な張力(UTS)を有し、破損時に約15%以上延びる。特定される最終的な張力及び伸張は、約23±2℃の温度、約0.001/secのひずみ速度で測定される。
インゴット状態のニッケル−チタン合金インゴット内の微量要素は、約0.300重量%(3000ppm)以下の鉄、約0.050重量%(500ppm)以下の銅、約0.050重量%(500ppm)以下の酸素、約0.035重量%(350ppm)以下の炭素、約0.003重量%(30ppm)以下の水素を含むことが好ましい。さらに、他の単一の微量要素は、合金の0.1重量%より少ないことが好ましい。微量要素の合計は、0.4重量%より小さくなっている。
さらに、冷間で引き延ばされるニチノールワイヤ、リボン、シート又はチューブは450−500℃の間で熱処理されることが好ましく、最終Af温度が示差走査熱量測定法(DSC)によって測定される際に、26℃から36℃の間になっていることが好ましい。
様々な別の実施の形態において、金属ワイヤは、約0.0050インチから0.0160インチの直径を有している。ワイヤは、リボンと同様に、円形又は多角形の横断面形状を有していてもよい。本発明によると、高い耐用性の金属ワイヤは、熱処理状態において、37℃、−0.75%から+0.75%の回転ひずみレベルで、回転ビームテストを用いて測定した際に、破損平均回転数が約22,760以上となる耐用年数を有している。
本発明の長い耐用年数のニチノールは、上記で特定された成分のインゴットから製造されることが好ましい。インゴットは、ワイヤ、リボン、シート又はチューブを好ましく形成するために、繰り返し、冷やして減縮又は冷間加工され、アニールされる。そして、ニチノールは、応力を開放するための散在するアニール回転とともに、ワイヤ状に引き延ばしたり、チューブ状に引き延ばしたり、ローリングしたりするなどして、冷間加工される。先述したように、好ましく長い耐用年数を実現するために、十分アニールした後の最終的な冷間加工工程は、横断面積において約30%以下の減縮に限られることが好ましい。これに対して、従来のニチノール製法は、典型的には、35%以上で冷間加工する。
一実施の形態における本発明は、最終冷間加工の量を制限し、経験的な観測から確認されているように、金属ワイヤの耐用年数を延ばす。ワイヤの表面は、耐用年数をさらに改善するために選択的に電解研磨することできる。例えば、直径約0,013インチのワイヤサイズで、熱処理された状態のワイヤ耐用年数は、回転ビームテストのもと、テストされるワイヤが37℃で、0.75%の交互ひずみを受け、約22,760以上の破損平均回転数を有している。これに対して、同じ大きさで、同じ熱処理状態にある標準的なニチノールワイヤは、同じテストで、約16,560回転で破損した。このデータに基づき、本発明のワイヤは、耐用性で、約37%の改善を示している。このため、本発明のニチノールは、回転応力やひずみが示されている多くの出願で非常に要求されている劇的に改善された耐用年数を有している。
経験的な観察から、最終的な張力(UTS)及び破損するまでの伸張は、ワイヤの耐用性に影響を与えることが知られている。さらに、引き延ばし加工の間、ワイヤに加えられる冷間加工の量も、耐用性に影響を与える。これらのパラメータをコントロールすることによって、本発明は、特に医療装置の応用に適した、かなり改善された耐用年数を有するワイヤ、リボン、シート又はチューブを作る。
(好ましい実施の形態の詳細な記載)
様々な実施の形態における本発明は、改善された耐用年数を有する超弾性ニッケル−チタン合金から作られるワイヤ、リボン、シート、チューブのような構造、及びこのような構造を形成する工程を意図している。ニッケル−チタン合金は、ニチノールとしても知られ、加工条件や成分に基づいて、様々な特徴や性質を有している。それでもやはり、ニチノール合金から作られる製品は、典型的な一連の共通した加工工程をうける。
例えば、ワイヤ、リボン、チューブやシートのような共通した鋳造構造を作るために、ニッケル及びチタンチャージが、ともに融かされ、真空又は不活性雰囲気下で合金インゴットを形成する。特に、構成成分がるつぼ内に配置された後に、真空誘導溶解(VIM)工程や、真空アーク再溶解(VAR)工程の各々によって、加熱されたり、電気アーク加熱されたりする。VIMやVAR工程の後のニチノールインゴットは、ニッケルチタンの一般的な成分だけでなく、微量のカーボン、酸素、鉄成分などの他の不純物も有している。溶解工程の後、ニチノールインゴットは、ほとんど延性を有しておらず、よりよい加工性を示すマイクロ構造を達成するために、インゴットを熱間加工することが好ましい。
材料を好ましい機械的及び物理的特性にするために、ニチノールインゴットは、一連の冷間加工を受ける。典型的には、ニチノールは各工程で40から50%の範囲で、冷間加工を受け、冷間加工工程の後で、応力を開放するために、約600から800℃でアニールもされる。散在するアニールサイクルによって、繰り返される冷間加工によってニチノールが硬くなることを最小にすることができる。冷間加工は、典型的には、一連の金型を通してワイヤやリボンにするために冷間で引き延ばしたり、シート素材にするために冷間圧延したり、チューブにするために内部マンドレルでチューブ状に引き延ばしたりして行われる。好ましい超弾性や、形状記憶特性を得るために、ニチノール合金は、約450から500℃における冷間加工工程の後で、通常、熱処理される。従来のニチノール工程や製造に関するさらなる詳細は、例えば、その全ての内容が本願に盛り込まれる、Scott M. Russellの"NitinolMelting and Fabrication, "SMST-2000 Conference Proceedings, pp. 1-9 (2001)に開示されている。この段階で、ニチノールワイヤやリボン、シート素材又はチューブは、原料から、標準化され、産業界で消費されるほぼ最終状態に変換されている。
先に説明したように、ニチノールの変態点は、マルテンサイト相からオーステナイト相を分離する。典型的には、転移温度は、オーステナイト終了(Af)温度によって測定され、これは、加熱している間に、マルテンサイトからオーステナイトへ相への変換が完了したことを示している。合金の変換点は、とりわけ、合金内のニッケルとチタンの比率によって決定される。確かに、変態点は、Ni−Ti成分内のとても小さな変化に対して、極端に敏感である。結果的には、ニッケルとチタンに加えて、不純物や微量の要素があることによって、合金の変態点は予想できないくらい変化する。
ニチノールが完全にオーステナイト相にあるときを明確にするので、Af温度は、ニチノール装置の特性を明確にする測定基準として一般的に用いられる。Af温度は、示差走査熱量測定法(DSC)と呼ばれる技術や、“屈曲及び自由回復”技術によって、一般的に測定される。DSC技術は、マルテンサイト(発熱)及びオーステナイト(吸熱)における変化の各々の間の開放される熱及び吸収される熱を検出し、Af温度を示すデータを生成する。屈曲及び自由回復技術は、ニチノールサンプルを低い温度に冷却する必要があり、これは、マルテンサイト相で、サンプルを規定されたひずみ(典型的には2%から3%)にまで曲げ、加熱された際にオーストナイト相で、サンプルが最初の形状に戻る温度を観察し、Af温度を検出するためである。
ニチノールを測定する他の測定基準は、“インゴット転移温度”である。これは、合金を“十分にアニール”した後に、一般的にAf温度を定義づける。十分なアニールとは、典型的には5から10分間、約750℃で、合金が完全に応力が開放されることをいう。インゴット転移温度は、通常DSCを用いて測定される。インゴット転移温度は、インゴット状態にある合金の化学的な成分を示す。
本技術分野で知られているように、熱処理と冷間加工によって、合金の転移温度を変化させることができる。合金が受ける加工を反映する測定基準に対して、“Af温度”が用いられる。最終Af温度は、記憶形状へと向かう形状にある合金について、DSCテストを用いることによって決定される。
様々な実施の形態における本発明は、長い耐用年数を有する金属ワイヤ、リボン、チューブ又はシート素材を意図している。好ましい実施の形態において、インゴット状態のニチノール合金の成分は、約55.8重量パーセントのニッケルと、約44.2重量パーセントのチタンを含んでいる。様々な別の実施の形態において、ニッケル成分は、約54.5から57.0重量%までの全範囲を、対応する(すなわち、45.5から43.0重量%までの全範囲の)チタンとともに有してもよい。微量の要素や不純物は存在しても良いが、以下の近似値に限られていることが好ましく、すなわち、鉄≦0.300(3000ppm);銅≦0.050(500ppm);酸素≦0.050(500ppm);炭素≦0.035(350ppm);水素≦0.003(30ppm)になっていることが好ましい。他の単一の微量要素は、0.1重量パーセントより小さくなっていることが好ましい。存在する微量要素の総計は、0.4重量パーセントより小さくなっているべきである。さらに、十分にアニールされた状態で、DSC技術によって測定されるインゴット変態点(Af)は、約−15℃±25℃であることが好ましい。
一度、インゴットの成分及び変態点が上述のようにセットされれば、インゴットは一連の冷間加工とアニールのサイクルを受け、インゴットを減らし、上記で説明された加工工程を通して好ましい横断面を有する好ましいワイヤ、リボン、チューブ又はシートを得ることができる。
本発明の好ましい実施の形態において、“最終”冷間加工、すなわちワイヤ、リボン、チューブ又はシート素材を冷間で引き延ばす工程は、約30%以下に限られることが好ましく、約27%±3%に限られることがさらに好ましい。“最終”冷間加工、すなわち冷間で引き延ばす工程は、ニチノール部を十分にアニールした直後の工程を参照にし、この工程で、ニチノール部は、ニチノール部を好ましい最終的な大きさに変化させる冷却減少又は変形を受ける。
本発明のさらに好ましい実施の形態は、最終的なワイヤ、リボン、チューブ又はシート素材が、一秒あたり約0.001のひずみ速度で、約23℃±2℃の温度で測定された際に、破損する際に約15%以上伸張し、最終的な張力が約150ksi(1.03×10Pa)以上となることを意図している。UTSは、150ksi(1.03×10Pa)以上190ksi(1.31×10Pa)以下の全範囲にあり、破損する際の伸張が、15%以上40%以下の全範囲にあることが、さらに好ましい。これらのパラメータは、上述された一連の冷間加工及びアニールサイクルによって、再び達成される。
先の条件が合うと、直径0.013インチを有する本発明のニチノールワイヤの一実施の形態は、回転ビーム疲労試験で、従来のニチノールワイヤよりも耐用抵抗が37%増加した。このテストで、32±3℃のAf温度を有する熱処理されたワイヤ見本は、一端がモータ駆動され、両方の把持される端部が並行であって、同一面にある他方の端部で把持される。見本全体は、見本内に別の圧縮力のある張力ひずみを作るために回転するモータ駆動端部と共に、垂直平面内で保持されている。別のひずみは、約−0.75%から+0.75%の範囲を有していた。見本は、概ね人体の温度である37℃の水浴内にも浸された。周囲の温度がワイヤのAf温度より高いときに、周囲の温度によって超弾性のニチノール見本はオーストナイト相に配置されている。モータ駆動端部は、一分あたり3600回転の速度で、見本を回転させた。このテストにおいて、40%±5%で冷間加工された標準的なニチノールワイヤは、平均約16,560回転で切れたのに対して、本発明のニチノールワイヤの一実施の形態は、約22,760回転で切れたので、耐用年数は37%改善している。
上述のテストにおいて、標準的なニチノールワイヤは、本発明の一実施の形態と比較するために用いられた。両見本は、同じ形にセッティングする熱処理を施した直径0.013インチのワイヤであり、55.8重量%のニッケルと、44.2重量%のチタンからなる標準成分を有している。両者は、合計が0.4重量%より少ない微量要素を有している。以下に、標準的なニチノールワイヤと、本発明によるニチノールワイヤとの相違を記載する。標準的なニチノールワイヤは;40%±5%の最終冷間加工で、かつインゴットAf温度が−15から+15℃で、かつ室温で、破損の際6%以上伸張し、UTSが190ksi(1.31×10Pa)以上となっている。テストされた本発明による実施の形態は、27%±3%の最終冷間加工で、かつインゴットAf温度が−40から+10℃で、かつ室温で、破損の際15%以上伸張し、UTSが150ksi(1.03×10Pa)以上となっている。
標準ワイヤと本発明によるワイヤとの最も大きな違いは、冷間加工を受ける量であり、本発明による最終冷間加工工程の量が非常に低くなっている。先に明確にされたように“最終冷間加工”とは、十分なアニールの後であって、形状記憶が合金に与えられる形状セッティング工程の前に、一部を最終的な形状にする最後の冷間加工工程のことを意味する。テストデータから、ワイヤの引き延ばしのような、冷間加工によって減らされる領域の最終的な量は、好ましく長い耐用年数を達成するために、30%以下に限られることが好ましく、27%±3%に限られることがさらに好ましい。
クーポン疲労試験も用いられる。クーポンテストは、形状セッティング処理によって二次元の外形を有する見本の両端部を把持することによって行われる。次に、モータを設けたテスト固定物が、見本に一軸上でテンションを掛け、そのテンションを開放する。これは、37℃で保たれた塩分を含んだ溶液で行われる。テスト固定物の回転速度は、一秒あたり15回転となっている。80%から120%までの積極的な荷重条件において、伸び速度は、テスト見本の最初の規格長さに基づき、約0.9%から1.4%までのひずみレベルに相当した。このテストで、標準ニチノールは、平均7.3時間(約3200回転)で破損した。本発明の見本は、12ヶ月(約3800万回転)以上、15.3ヶ月(約4800万回転)まで、破損しなかった。これらの経験的な観測によって、本発明の合金や加工工程による耐用年数の改善をさらに確認することができた。
図1及び2は、本発明によって作られた直径0.013インチのニチノールワイヤによって得られるテストデータのプロットである。回転ビーム疲労試験を、0%の平均ひずみと、0.75%の交互のひずみを用いて、これらの見本に行った。図1は、最終的な張力(UTS)が破損平均回転数にもたらす影響を示している。図2は、伸張パーセントがワイヤ見本の破損平均回転数にもたらす影響を示したプロットである。疲労試験が、見本への形状セッティング熱処理工程の後に行われ、破損するまでのUTSや伸張が上述された条件の見本について測定されたことに注目すべきである。
図3−5は、同様の回転ビーム疲労試験における上述された見本のプロットであり、全ての特性が、見本に形状セッティング熱処理を施した後に測定されたものである。図3において、(超弾性ニチノール応力ひずみ“フラグ”曲線からの)超弾性ニチノール合金の上方プラトー応力が、破損平均回転数に対してプロットされている。図4には、破損平均回転数に対して、伸張パーセントがプロットされ、図5には、破損平均回転数に対して、最終的な張力がプロットされている。
先のプロットや他の経験的な観測に基づいて、耐用年数を改善するために、冷間で引き延ばしたり、アニールしたりする先駆サイクルの後の最終冷間加工工程を、約30%以下に限定することが好ましく、27%±3%の範囲に限定すること、さらには24%にまで落とすことが、さらに好ましいことが分かった。理想的には、最終的な張力は、破損の際に15%以上伸張し、150ksi(1.03×10Pa)以上にセットされることが好ましい。
上述された回転ビーム疲労試験でテストされた見本は、形状セッティング熱処理の後で磨かれない。このため、それらは青色の酸化表面を有している。
本発明のニチノールワイヤ、リボン、チューブ又はシート部材は、本技術分野で知られている加工によって好ましい形状にすることができる。これは、ニチノールワイヤ、リボン、チューブ又はシートを記憶形状を写した固定物内に入れ込むことによって通常達成される。ニチノールワイヤ、リボン、チューブ又はシートは、合金マルテンサイト変形温度(Md)よりもかなり高温で加熱される。ワイヤ、リボン、チューブ又はシートに対して、形状セッティング温度は、典型的には250−600℃の範囲になっており、加熱は数分から1時間の間の平均で行われ、このとき、温度が低くなると時間が長くなり、逆の場合も同様の関係になっている。
冷間で引き延ばされたニチノールワイヤの実施の形態は、450−500℃の間で熱処理されることが好ましく、DSC技術によって測定される最終Af温度が26℃から36℃の間になっていることが好ましい。
形状セッティング熱処理によって形成される青色の酸化表面は、電解研磨によって適切に取り除くことができる。このことによって、耐用抵抗をさらに向上させることができる。さらに、形成されたワイヤの最終Af温度は、本発明の範囲から逸脱しない形状セッティング熱処理によって適切に調整することができる。
ある好ましい応用例として、本発明の長い耐用年数を有するワイヤやリボンは、図6に示すように、うっ血性の心臓麻痺を取り扱うための心臓装置として用いるために、マトリックス又はワイヤメッシュとなるよう構成することができる。ワイヤやリボンは、スリーブを形成するよう、連結されたり、折り合わされたり、又は別の方法でともに結合されてもよい。本発明の長い耐用年数を有するニチノールのシートやチューブが土台として選ばれると、心臓の装置として用いられるのにも適したスリーブを形成するよう仕上げられるマトリックスを形成するための開口パターンを形成するために、それをレーザカットしたり、放電加工したり、化学的にエッチングしたり、又は切断したりすることができる。
うっ血性の心臓麻痺の患者の中で、病気になった心筋は作り直され、典型的には、心臓はより球形状に拡張する?。処理の一態様は、外部の弾力性の支持部材、すなわち心筋のための抑圧するスリーブを移植することである。このような、心臓装置10と呼ばれる抑圧するスリーブは、図6に示されている。この実施の形態において、心臓12の頂点から底部まで、両心室を取り囲んでいる。うっ血性の心臓麻痺において、心室が拡張することによって、半径方向外方の圧力が心臓装置10に加えられ、逆に、心臓装置は心臓に抑圧力を加える。
心臓装置10に繰り返される回転応力を加える、心臓の収縮期及び拡張期の収縮と弛緩は、さらに重要である。回転応力によって、心臓装置10は、患者に移植した後に、かなり長い耐用年数を有することができる。それゆえ、心臓装置10を形成するワイヤは、本発明の実施の形態による超弾性のニチノールから作られるとともに、負荷が加えられず、合金に応力がかかっていないときには、オーステナイト相になっている。図6に示される心臓上に配置されると、装置10と心臓12との間の接触圧力によって、材料内に応力によって誘発されるマルテンサイト(SIM)を形成する。超弾性のニチノール合金の応力ひずみ“フラグ”曲線に従って、ニチノールワイヤによって加わる実際の応力は、応力プラトーになったり、直線の応力ひずみ範囲に落ち込むよう十分に低くなったりする。いずれにしても、本発明の長い耐用年数を有するワイヤは、このような状態の下、装置内で破損や疲れ破壊が起こる可能性を最小にする。心臓装置10に関するさらなる詳細は、例えば、本願にその全ての内容が盛り込まれるLau et al.による米国特許No6,595,912に記載されている。
長い耐用年数を有するワイヤの他の医療的な応用は、移植可能なステントの領域にある。ひざの後ろにある血管に移植されるステントは、確実に回転応力やひずみを受け、長い耐用年数が重要な考慮すべき事項となる。他の応用としては、例えば、接眼レンズのフレームや、携帯電話又はラジオのアンテナなどを挙げることができる。このような応用は、ワイヤに回転応力及びひずみを加え、長い耐用年数が、技術的に、紛れもなく価値ある財産となる。
本発明の範囲から離れることなく、様々な修正が本発明に施される。本発明の実施の形態の個々の特徴は図面のいくつかに示され、本技術分野の当業者は、本発明の一実施の形態の個々の特徴は、他の実施の形態の特徴の一部又は全てと組み合わせることができることを認識する。
冷間で引き延ばされるワイヤの最終的な張力と相関関係にある破損平均回転数の影響を示すグラフ。 冷間で引き延ばされるワイヤの伸張パーセントと相関関係にある破損平均回転数のグラフ。 熱処理されたワイヤの上方でプラトーになった応力に基づく破損平均回転数の影響を示すグラフ。 熱処理されたワイヤの伸張パーセントに基づく破損平均回転数の影響を示すグラフ。 熱処理されたワイヤの最終的な張力に基づく破損平均回転数の影響を示すグラフ。 本発明による長い耐用年数を有するワイヤのマトリックスから作られる心臓装置の斜視図。

Claims (23)

  1. 長い耐用年数を有するワイヤ、リボン、シート又はチューブにおいて、
    インゴット状態で、約54.5から57.0重量%のニッケル成分と、残余重量%のチタンと、微量の要素とを有する二成分のニッケル−チタンからなる超弾性合金を含むコアを備え、
    ニッケル−チタン合金は、約−15℃±25℃のインゴットAfを有し、
    コアは、少なくとも一回の冷間加工と、約30%以下の最終冷間加工を含む十分なアニールサイクル加工を受けることを特徴とする長い耐用年数を有するワイヤ、リボン、シート又はチューブ。
  2. コアは、冷間加工状態で、約150ksi(1.03×10Pa)以上の最終的な張力を有することを特徴とする請求項1記載の長い耐用年数を有するワイヤ、リボン、シート又はチューブ。
  3. コアは、冷間加工状態で、破損する際に約15%以上伸張することを特徴とする請求項1記載の長い耐用年数を有するワイヤ、リボン、シート又はチューブ。
  4. コアは、円形の横断面を含むことを特徴とする請求項1記載の長い耐用年数を有するワイヤ、リボン、シート又はチューブ。
  5. コアは、多角形の横断面を含むことを特徴とする請求項1記載の長い耐用年数を有するワイヤ、リボン、シート又はチューブ。
  6. コアは、少なくとも部分的に磨かれた表面を含むことを特徴とする請求項1記載の長い耐用年数を有するワイヤ、リボン、シート又はチューブ。
  7. ニッケル−チタン合金内の微量要素は、
    約0.300重量%(3000ppm)以下のFe、
    約0.050重量%(500ppm)以下のCu、
    約0.050重量%(500ppm)以下のO、
    約0.035重量%(350ppm)以下のC、
    約0.003重量%(30ppm)以下のH
    を含むことを特徴とする請求項1記載の長い耐用年数を有するワイヤ、リボン、シート又はチューブ。
  8. 他の単一の微量要素は、0.1重量%より少ないことを特徴とする請求項1記載の長い耐用年数を有するワイヤ、リボン、シート又はチューブ。
  9. コアは、最終的な張力が、約150ksi(1.03×10Pa)以上であり、破損する際に、約23±2℃の温度、約0.001/secのひずみ速度で、約15%以上伸張することを特徴とする請求項1記載の長い耐用年数を有するワイヤ、リボン、シート又はチューブ。
  10. 長い耐用年数を有する形状記憶材料からなるワイヤ、リボン、シート又はチューブにおいて、
    インゴット状態で、約54.5から57.0重量%のニッケル成分と、残余重量%のチタンと、約0.4重量%より少ない微量の要素とを有する二成分のニッケル−チタンからなる超弾性合金を含むコアを備え、
    ニッケル−チタン合金は、約−15℃±25℃のインゴットAfを有し、
    コアは、最終的な張力が、約150ksi(1.03×10Pa)以上であり、破損する際に、約23±2℃の温度、約0.001/secのひずみ速度で、約15%以上伸張し、
    コアは、−0.75%から+0.75%の圧縮力のある張力ひずみのもと、破損までの平均回転数が約20,000より大きくなる耐用年数を有することを特徴とするワイヤ、リボン、シート又はチューブ。
  11. コアは、約30%以下の最終冷間加工とともに、冷間加工されアニールされることを特徴とする請求項10記載のワイヤ、リボン、シート又はチューブ。
  12. 長い耐用年数が、加熱処理状態のAfより高い温度の液体内に浸されて測定されることを特徴とする請求項10記載のワイヤ、リボン、シート又はチューブ。
  13. コアは、約0.0050から0.0160インチの直径を有することを特徴とする請求項10記載のワイヤ、リボン、シート又はチューブ。
  14. コアは、横断面積を30%以下まで減らすために、冷間で引き延ばされて冷間加工されることを特徴とする請求項10記載のワイヤ、リボン、シート又はチューブ。
  15. 超弾性金属のワイヤ、リボン、シート又はチューブの耐用年数を改善する方法において、
    約54.5から57.0重量%のニッケル成分と、残余重量%のチタンと、微量の要素とを有し、約−15℃±25℃のインゴットAfを有するインゴットを形成する工程と、
    インゴットを冷間加工及び加熱処理して、ワイヤ、リボン、シート又はチューブを形成する工程と、
    最終冷間加工工程において、約30%以下のワイヤを冷間加工することを特徴とする方法。
  16. ニッケル−チタン合金インゴット内の微量要素は、
    約0.300重量%(3000ppm)以下のFe、
    約0.050重量%(500ppm)以下のCu、
    約0.050重量%(500ppm)以下のO、
    約0.035重量%(350ppm)以下のC、
    約0.003重量%(30ppm)以下のHを含み、
    微量要素の合計が0.4重量%より小さいことを特徴とする請求項15記載の方法。
  17. 前記最終冷間加工工程の後、
    ワイヤ、リボン、シート又はチューブを固定部に取り付る工程と、
    約250−600℃で、約1から60分間、ワイヤ、リボン、シート又はチューブの形状をセッティングする工程を
    を含むことを特徴とする請求項15記載の方法。
  18. ワイヤ、リボン、シート又はチューブは、回転ビームテストにおいて、−0.75%から+0.75%まで交互に加えられる圧縮力のある張力ひずみのもと、破損までの平均回転数が約20,000より大きくなる耐用年数を有することを特徴とする請求項15記載の方法。
  19. ワイヤ、リボン、シート又はチューブを電解研磨する工程を含むことを特徴とする請求項15記載の方法。
  20. ワイヤ、リボン、シート又はチューブは、最終的な張力が、約150ksi(1.03×10Pa)以上であり、破損する際に、約23±2℃の温度、約0.001/secのひずみ速度で、約15%以上伸張することを特徴とする請求項15記載の方法。
  21. ワイヤ、リボン、シート又はチューブは、約0.9%から1.4%のひずみレベルに相当する80%から120%のストレッチ比を作り出す交互に負荷をかけ、除荷しているもとで、約3800万回転以上の耐用年数を有することを特徴とする請求項15記載の方法。
  22. 移植に用いられる医療装置において、
    膨張力のもと、弾性コンプライアンスを有するスリーブを備え、
    スリーブは、インゴット状態で、約54.5から57.0重量%のニッケル成分と、残余重量%のチタンと、微量の要素とを有する二成分のニッケル−チタンからなる超弾性合金を含み、
    ニッケル−チタン合金は、約−15℃±25℃のインゴットAfを有し、
    ニッケル−チタン合金は、最終的な張力が、約150ksi(1.03×10Pa)以上であり、破損する際に、約23±2℃の温度、約0.001/secのひずみ速度で、約15%以上伸張することを特徴とする医療装置。
  23. スリーブは、約30%以下の最終冷間加工を受けた複数のワイヤを含むことを特徴とする請求項22記載の医療装置。
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