JP2006089826A - 生体用超弾性チタン合金 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた超弾性特性を具備すると共に、冷間加工性にも優れ生産性の良いNiを含まない超弾性チタン合金を提供する。
【解決手段】チタンのβ相安定化元素であるNb及びZrを、Nbは5〜40mol%、Zrは1〜20mol%含有し、残部Tiと不可避不純物とからなることを特徴とする生体用超弾性チタン合金、及びチタンのβ相安定化元素であるTa及びNbを、Taが1〜60mol%の範囲でNbを15mol%≦1.5x+y≦60mol%(xはNb含有量、yはTa含有量を示す)で示される範囲で含有し、残部Tiと不可避不純物とからなることを特徴とする生体用超弾性チタン合金。
【選択図】なし
【解決手段】チタンのβ相安定化元素であるNb及びZrを、Nbは5〜40mol%、Zrは1〜20mol%含有し、残部Tiと不可避不純物とからなることを特徴とする生体用超弾性チタン合金、及びチタンのβ相安定化元素であるTa及びNbを、Taが1〜60mol%の範囲でNbを15mol%≦1.5x+y≦60mol%(xはNb含有量、yはTa含有量を示す)で示される範囲で含有し、残部Tiと不可避不純物とからなることを特徴とする生体用超弾性チタン合金。
【選択図】なし
Description
本発明は超弾性チタン合金に関する。特に、医療用機器などに最適な生体用超弾性チタン合金に関する。
近年、超弾性特性を備えた合金材料が医療分野で用いられてきている。
例えば、Ti−Ni系合金は強度、耐磨耗性、耐食性に優れ、生体とのなじみが良いなどの特徴を有し、生体用材料として多種多様の医療機器に利用されている。
しかし、Ti−Ni系合金を用いた生体用材料では含有されているNiがアレルギー症状を引き起こす恐れがあることから、生体に対して毒性やアレルギーを起す恐れのある元素を含まず、より安全な生体用材料として、Niを含まない生体用Ti−Nb−Sn形状記憶合金(特許文献1参照)や生体用超弾性Ti−Mo−X(X:Ga、Al、Ge)合金(特許文献2参照)などが提案されている。
例えば、Ti−Ni系合金は強度、耐磨耗性、耐食性に優れ、生体とのなじみが良いなどの特徴を有し、生体用材料として多種多様の医療機器に利用されている。
しかし、Ti−Ni系合金を用いた生体用材料では含有されているNiがアレルギー症状を引き起こす恐れがあることから、生体に対して毒性やアレルギーを起す恐れのある元素を含まず、より安全な生体用材料として、Niを含まない生体用Ti−Nb−Sn形状記憶合金(特許文献1参照)や生体用超弾性Ti−Mo−X(X:Ga、Al、Ge)合金(特許文献2参照)などが提案されている。
特許文献1及び特許文献2で提案されるNiを含まないチタン合金の登場により、生体内や素肌に直接触れるような利用分野において、超弾性特性や形状記憶特性を有効に活用できる製品の開発が促される。
しかしながら、医療用ガイドワイヤ、歯列矯正用ワイヤ、ステントなどの各種多様な医療機器部材や眼鏡フレーム、眼鏡ノーズパッドなどの素肌と直接に接する生活品部材としてNiを含まない前記チタン合金を利用するには、冷間加工性や超弾性特性の面で満足すべきものではなく、より高性能な材料の開発が望まれている。
そこで、本発明では優れた超弾性特性を具備すると共に、冷間加工性にも優れ生産性の良いNiを含まない超弾性チタン合金を提案するものである。
しかしながら、医療用ガイドワイヤ、歯列矯正用ワイヤ、ステントなどの各種多様な医療機器部材や眼鏡フレーム、眼鏡ノーズパッドなどの素肌と直接に接する生活品部材としてNiを含まない前記チタン合金を利用するには、冷間加工性や超弾性特性の面で満足すべきものではなく、より高性能な材料の開発が望まれている。
そこで、本発明では優れた超弾性特性を具備すると共に、冷間加工性にも優れ生産性の良いNiを含まない超弾性チタン合金を提案するものである。
請求項1記載の発明は、チタンのβ相安定化元素であるNb及びZrを、Nbは5〜40mol%、Zrは1〜20mol%含有し、残部Tiと不可避不純物とからなることを特徴とする生体用超弾性チタン合金である。
請求項2記載の発明は、チタンのβ相安定化元素であるNb及びZrを、Nbは10〜30mol%、Zrは1〜10mol%含有し、残部Tiと不可避不純物とからなることを特徴とする生体用超弾性チタン合金である。
請求項3記載の発明は、チタンのβ相安定化元素であるTaを15〜60mol%含有し、残部Tiと不可避不純物とからなることを特徴とする生体用超弾性チタン合金である。
請求項4記載の発明は、チタンのβ相安定化元素であるZrを1〜20mol%含有することを特徴とする請求項3記載の生体用超弾性チタン合金である。
請求項5記載の発明は、チタンのβ相安定化元素であるTa及びNbを、Taが1〜60mol%の範囲でNbを15mol%≦1.5x+y≦60mol%(xはNb含有量、yはTa含有量を示す)で示される範囲で含有し、残部Tiと不可避不純物とからなることを特徴とする生体用超弾性チタン合金である。
請求項6記載の発明は、チタンのβ相安定化元素であるTa、Nb及びZrを、Taが1〜60mol%の範囲でNbを15mol%≦1.5x+y≦60mol%(xはNb含有量、yはTa含有量を示す)で示す範囲で含有し、更にZrを1〜20mol%含有し、残部Tiと不可避不純物とからなることを特徴とする生体用超弾性チタン合金である。
請求項7記載の発明は、チタンのβ相安定化元素であるTa及びNbを、Taが1〜45mol%の範囲でNbを25mol%≦1.5x+y≦45mol%(xはNb含有量、yはTa含有量を示す)で示す範囲で含有し、残部Tiと不可避不純物とからなることを特徴とする生体用超弾性チタン合金である。
請求項8記載の発明は、チタンのβ相安定化元素であるTa、Nb及びZrを、Taが1〜45mol%の範囲でNbを25mol%≦1.5x+y≦45mol%(xはNb含有量、yはTa含有量を示す)で示す範囲で含有し、更にZrを1〜10mol%含有し、残部Tiと不可避不純物とからなることを特徴とする生体用超弾性チタン合金である。
請求項9記載の発明は、請求項1乃至請求項8記載のいずれかの生体用超弾性チタン合金を用いた医療用ガイドワイヤである。
請求項10記載の発明は、請求項1乃至請求項8記載のいずれかの生体用超弾性チタン合金を用いた歯列矯正ワイヤである。
請求項11記載の発明は、請求項1乃至請求項8記載のいずれかの生体用超弾性チタン合金を用いたステントである。
請求項12記載の発明は、請求項1乃至請求項8記載のいずれかの生体用超弾性チタン合金を用いた眼鏡部材である。
請求項13記載の発明は、請求項1乃至請求項8記載のいずれかの生体用超弾性チタン合金を用いた内視鏡アクチュエーターである。
本発明は、TiにNbを加え、Zrを適量添加したチタン合金、並びにTiにTaを加え、必要に応じてNb、Zrから選択される1種又は2種を適量添加したチタン合金であって、良好な超弾性特性の発現と優れた冷間加工性を示し、更に本発明の成分は良好な生体適合性を示す元素であること、及びNiを含まないことからアレルギーの懸念が少なく、医療機器などの生体用及び眼鏡フレームなどの肌と接触する生活用品への使用に好適なもので、工業上顕著な効果を奏するものである。
先ず、本発明に係る合金の成分であるNb、Ta、Zrは、Tiに含有されることで、チタン合金を熱弾性型マルテンサイト変態を起すチタン合金とし、且つβ相安定化元素として、β相からα相への変態温度を低温側に下げる働きもする。このことは、室温においてマルテンサイト変態における母相であるβ相が安定であるチタン合金が得られることを示している。
本発明合金において、Nb量を5〜40mol%と限定したのは、5mol%未満、或いは40mol%を超える含有では、超弾性特性が発現しなくなるか、発現しても実用に耐えうる超弾性特性が得られないためで、より良好な超弾性特性を発現させるには10〜30mol%の含有が望ましい。
又、Zr量を1〜20mol%と限定したのは、この範囲内では超弾性特性がより良好になるが、超えての含有は加工性を極度に低下せしめてしまうためである。特に、冷間加工性を重視する場合には、1〜10mol%が望ましい。
又、Zr量を1〜20mol%と限定したのは、この範囲内では超弾性特性がより良好になるが、超えての含有は加工性を極度に低下せしめてしまうためである。特に、冷間加工性を重視する場合には、1〜10mol%が望ましい。
次に、請求項3乃至請求項8に係る本発明合金において、TaはTiに固溶することで固溶硬化を起し、すべり変形に対する臨界応力を高める働きをし、良好な超弾性の獲得に寄与するもので、単独でTaを含む場合にTa量を15〜60mol%と限定したのは、15mol%未満、或いは60mol%を超える含有では、超弾性特性が発現しなくなるか、発現しても超弾性特性の低下、或いは満足すべき超弾性特性が得られないためである。
又、Ta及びNbの両者を含有する場合には、Ta量が1mol%以上60mol%以下の範囲で、且つNb量をx、Ta量をyとした場合に15mol%≦1.5x+y≦60mol%で表される範囲(図1に範囲を記載)におけるTa量及びNb量を含有するもので、前記範囲外では超弾性特性が発現しなくなるか、低下してしまうことから限定したものである。より良好な超弾性特性の発現には25mol%≦1.5x+y≦45mol%の範囲が望ましい。
又、Ta及びNbの両者を含有する場合には、Ta量が1mol%以上60mol%以下の範囲で、且つNb量をx、Ta量をyとした場合に15mol%≦1.5x+y≦60mol%で表される範囲(図1に範囲を記載)におけるTa量及びNb量を含有するもので、前記範囲外では超弾性特性が発現しなくなるか、低下してしまうことから限定したものである。より良好な超弾性特性の発現には25mol%≦1.5x+y≦45mol%の範囲が望ましい。
次いで、Zr量を1〜20mol%と限定したのは、この範囲内では超弾性特性がより良好になるが、超えての含有は加工性を極度に低下せしめてしまうためである。特に、冷間加工性を重視する場合には、1〜10mol%が望ましい。
本発明に係るチタン合金は、生体用超弾性チタン合金として、良好な超弾性特性を有しつつ、アレルギーの発生が起き難く生体適合性が良いので、医療用ガイドワイヤ、歯列矯正用ワイヤ、ステント、内視鏡のアクチュエーターなどの生体用医療器具に使用でき、更に、眼鏡フレームや眼鏡のノーズパットアームなどのような素肌と接する用途にも利用できる。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
(実施例1)
表1に示す合金組成のTi−Nb−Zr合金鋳塊を非消耗タングステン電極型アルゴンアーク溶解炉を用いて作製した。この鋳塊に熱間加工を施し、次いで700℃、10分間保持の中間焼鈍及び冷間伸線加工を繰り返し行い、40%の仕上冷間加工率で仕上冷間伸線加工を行い、線径1.0mmの冷間加工材を得て供試材(冷間加工材)とした。供試材(冷間加工材)の一部は600℃、30分間の直線形状記憶熱処理を施して供試材(記憶材)として用いた。なお、40%の仕上冷間加工率で伸線できない線材については、20%の冷間加工率で仕上冷間伸線加工を行った。
この超弾性特性の評価は、供試材(記憶材)を用い、冷間加工性の評価には供試材(冷間加工材)を用い、その結果を表1に記した。
表1に示す合金組成のTi−Nb−Zr合金鋳塊を非消耗タングステン電極型アルゴンアーク溶解炉を用いて作製した。この鋳塊に熱間加工を施し、次いで700℃、10分間保持の中間焼鈍及び冷間伸線加工を繰り返し行い、40%の仕上冷間加工率で仕上冷間伸線加工を行い、線径1.0mmの冷間加工材を得て供試材(冷間加工材)とした。供試材(冷間加工材)の一部は600℃、30分間の直線形状記憶熱処理を施して供試材(記憶材)として用いた。なお、40%の仕上冷間加工率で伸線できない線材については、20%の冷間加工率で仕上冷間伸線加工を行った。
この超弾性特性の評価は、供試材(記憶材)を用い、冷間加工性の評価には供試材(冷間加工材)を用い、その結果を表1に記した。
超弾性特性の評価は、供試材(記憶材)をJIS H7103に基き、室温で4%の伸びを加えた後に除荷する引張試験を行い、残留伸びを測定した。
冷間加工性の評価は、供試材(冷間加工材)に700℃、10分保持の焼鈍を加えて、焼鈍材を作製し、この焼鈍材を破断して冷間伸線加工ができなくなるまで冷間伸線加工を施し、その最大加工率で評価した。最大加工率が40%以上の場合は冷間加工性が良好であるとして「○」で示し、最大加工率が20%を超えて40%未満の場合は冷間加工性がやや劣るとして「△」とし、それ以下の場合を「×」とした。
表1からも明らかなように、本発明例No.1からNo.14では1.5%以下の小さい残留伸びを示す超弾性特性が得られ、特にZr量が10mol%と少ない本発明例No.1、2、4、5、7〜10、12、13では冷間加工性にも優れていた。
対して、Zr量が25mol%と多い比較例No.50では冷間加工性が劣り、供試材が作製できなかった。Nbを含まない比較例No.51、Nb量が50mol%と多い比較例No.52では、いずれも良好な超弾性特性が得られず形状が回復しなかった。
図2に本発明例No.7、図3に比較例No.51の応力−伸び曲線を示す。
縦軸は引張応力(MPa)、横軸は伸び(%)を示し、本発明例No.7では0.4%の残留伸び、比較例No.51では3.1%の残留伸びがそれぞれの図2、図3中に矢印で示されている。
対して、Zr量が25mol%と多い比較例No.50では冷間加工性が劣り、供試材が作製できなかった。Nbを含まない比較例No.51、Nb量が50mol%と多い比較例No.52では、いずれも良好な超弾性特性が得られず形状が回復しなかった。
図2に本発明例No.7、図3に比較例No.51の応力−伸び曲線を示す。
縦軸は引張応力(MPa)、横軸は伸び(%)を示し、本発明例No.7では0.4%の残留伸び、比較例No.51では3.1%の残留伸びがそれぞれの図2、図3中に矢印で示されている。
(実施例2)
表2に示す合金組成のTi−Ta合金の供試材を実施例1と同じ方法により作製し、超弾性特性及び冷間加工性を同じく実施例1で示した評価方法で行い、その結果を表2に記した。
表2に示す合金組成のTi−Ta合金の供試材を実施例1と同じ方法により作製し、超弾性特性及び冷間加工性を同じく実施例1で示した評価方法で行い、その結果を表2に記した。
表2からも明らかなように、本発明例No.15からNo.18では超弾性特性が良好で、冷間加工性も優れている。
対して、Ta量の少ない比較例No.53では、大きな残留伸びを示し満足な超弾性特性が得られず形状回復しなかった。
対して、Ta量の少ない比較例No.53では、大きな残留伸びを示し満足な超弾性特性が得られず形状回復しなかった。
(実施例3)
表3に示す合金組成のTi−Nb−Ta合金の供試材を実施例1と同じ方法により作製し、超弾性特性及び冷間加工性を同じく実施例1で示した評価方法で行い、その結果を表3に記した。
表3に示す合金組成のTi−Nb−Ta合金の供試材を実施例1と同じ方法により作製し、超弾性特性及び冷間加工性を同じく実施例1で示した評価方法で行い、その結果を表3に記した。
表3からも明らかなように、本発明例No.19からNo.28では超弾性特性が良好で、冷間加工性も優れている。
対して、Nb量とTa量の総量が多い比較例No.54、No.55では、残留ひずみが大きくなっているのがわかる。
対して、Nb量とTa量の総量が多い比較例No.54、No.55では、残留ひずみが大きくなっているのがわかる。
(実施例4)
表4に示す合金組成のTi−Nb−Ta−Zr合金の供試材を実施例1と同じ方法により作製し、超弾性特性及び冷間加工性を同じく実施例1で示した評価方法で行い、その結果を表4に記した。
表4に示す合金組成のTi−Nb−Ta−Zr合金の供試材を実施例1と同じ方法により作製し、超弾性特性及び冷間加工性を同じく実施例1で示した評価方法で行い、その結果を表4に記した。
表4からも明らかなように、本発明例のNo.29からNo.31では超弾性特性が良好で形状が回復した。又、Zr量が10mol%以下の本発明例No.29、30では冷間加工性にも優れていた。
対して、Zr量が25mol%と多い比較例のNo.56では、冷間加工性が劣っていた。
対して、Zr量が25mol%と多い比較例のNo.56では、冷間加工性が劣っていた。
(実施例5)
非消耗タングステン電極型アルゴンアーク溶解炉を用いて作製したTi−22mol%Nb−6mol%Zr合金鋳塊に熱間加工を施し、次いで700℃、10分間保持の中間焼鈍及び冷間伸線加工を繰り返し行い、40%の仕上冷間加工率で仕上冷間伸線加工して線径0.5mmの冷間加工材を得た。この冷間加工材に600℃、30分間の直線形状記憶熱処理を施し、医療用ガイドワイヤ線材、歯列矯正ワイヤ線材、直線アクチュエーター線材を作製し、実施例1で用いた方法で測定した超弾性特性を表5に記した。なお、医療用ガイドワイヤ用線材に関しては、図4の方法によりトルク伝達性を測定し、併せて表5に記した。
非消耗タングステン電極型アルゴンアーク溶解炉を用いて作製したTi−22mol%Nb−6mol%Zr合金鋳塊に熱間加工を施し、次いで700℃、10分間保持の中間焼鈍及び冷間伸線加工を繰り返し行い、40%の仕上冷間加工率で仕上冷間伸線加工して線径0.5mmの冷間加工材を得た。この冷間加工材に600℃、30分間の直線形状記憶熱処理を施し、医療用ガイドワイヤ線材、歯列矯正ワイヤ線材、直線アクチュエーター線材を作製し、実施例1で用いた方法で測定した超弾性特性を表5に記した。なお、医療用ガイドワイヤ用線材に関しては、図4の方法によりトルク伝達性を測定し、併せて表5に記した。
トルク伝達性は、パイプ中の線材の一端に所定条件の捻りを付与した時の他端の追従角度で、具体的には図4に示す直径127mmのループ状にしたポリエチレンチューブ5(内径3mm、外径4mm)に通した供試材1の一端を90°ねじった時の他端の追従角度を測定して求めた。追従角度が85°以上の場合を「◎」、85°〜80°の場合を「○」、80°〜75°の場合を「△」とし、75°未満を「×」で評価した。図4において、6aは駆動側ロータリーエンコーダー、6bは追従側ロータリーエンコーダー、7は駆動部を表す。
(実施例6)
Ti−20mol%Nb−5.0mol%Ta−10.0mol%Zr合金を実施例5と同様の方法により直線形状記憶処理を施した線径2.0mmの眼鏡フレーム用線材を作製し、その超弾性特性を実施例1と同様の方法で測定し、その結果を表5に併せて記した。
Ti−20mol%Nb−5.0mol%Ta−10.0mol%Zr合金を実施例5と同様の方法により直線形状記憶処理を施した線径2.0mmの眼鏡フレーム用線材を作製し、その超弾性特性を実施例1と同様の方法で測定し、その結果を表5に併せて記した。
表5から判るように、本発明に係るTi合金は、医療用ガイドワイヤ、歯列矯正ワイヤ、直線アクチュエーター、眼鏡フレーム、眼鏡ノーズパッドアームなどの優れた超弾性特性を要求する用途に使用するのに充分な超弾性特性並びに冷間加工性を備えている。
(実施例7)
実施例5及び実施例6で作製した医療用ガイドワイヤ線材、歯列矯正ワイヤ線材、眼鏡フレーム用線材を用い、それぞれ医療用ガイドワイヤ及び歯列矯正ワイヤ、眼鏡フレームを作製して試験したところ、従来製品のものと遜色なく使用することができた。
実施例5及び実施例6で作製した医療用ガイドワイヤ線材、歯列矯正ワイヤ線材、眼鏡フレーム用線材を用い、それぞれ医療用ガイドワイヤ及び歯列矯正ワイヤ、眼鏡フレームを作製して試験したところ、従来製品のものと遜色なく使用することができた。
1 供試材
2 ステンレス鋼製丸棒
5 ポリエチレンチューブ
6a 駆動側ロータリーエンゴーダー
6b 追従側ロータリーエンコーダー
7 駆動部
2 ステンレス鋼製丸棒
5 ポリエチレンチューブ
6a 駆動側ロータリーエンゴーダー
6b 追従側ロータリーエンコーダー
7 駆動部
Claims (13)
- チタンのβ相安定化元素であるNb及びZrを、Nbは5〜40mol%、Zrは1〜20mol%含有し、残部Tiと不可避不純物とからなることを特徴とする生体用超弾性チタン合金。
- チタンのβ相安定化元素であるNb及びZrを、Nbは10〜30mol%、Zrは1〜10mol%含有し、残部Tiと不可避不純物とからなることを特徴とする生体用超弾性チタン合金。
- チタンのβ相安定化元素であるTaを15〜60mol%含有し、残部Tiと不可避不純物とからなることを特徴とする生体用超弾性チタン合金。
- チタンのβ相安定化元素であるZrを1〜20mol%含有することを特徴とする請求項3記載の生体用超弾性チタン合金。
- チタンのβ相安定化元素であるTa及びNbを、Taが1〜60mol%の範囲でNbを15mol%≦1.5x+y≦60mol%(xはNb含有量、yはTa含有量を示す)で示される範囲で含有し、残部Tiと不可避不純物とからなることを特徴とする生体用超弾性チタン合金。
- チタンのβ相安定化元素であるTa、Nb及びZrを、Taが1〜60mol%の範囲でNbを15mol%≦1.5x+y≦60mol%(xはNb含有量、yはTa含有量を示す)で示す範囲で含有し、更にZrを1〜20mol%含有し、残部Tiと不可避不純物とからなることを特徴とする生体用超弾性チタン合金。
- チタンのβ相安定化元素であるTa及びNbを、Taが1〜45mol%の範囲でNbを25mol%≦1.5x+y≦45mol%(xはNb含有量、yはTa含有量を示す)で示す範囲で含有し、残部Tiと不可避不純物とからなることを特徴とする生体用超弾性チタン合金。
- チタンのβ相安定化元素であるTa、Nb及びZrを、Taが1〜45mol%の範囲でNbを25mol%≦1.5x+y≦45mol%(xはNb含有量、yはTa含有量を示す)で示す範囲で含有し、更にZrを1〜10mol%含有し、残部Tiと不可避不純物とからなることを特徴とする生体用超弾性チタン合金。
- 請求項1乃至請求項8記載のいずれかの生体用超弾性チタン合金を用いた医療用ガイドワイヤ。
- 請求項1乃至請求項8記載のいずれかの生体用超弾性チタン合金を用いた歯列矯正ワイヤ。
- 請求項1乃至請求項8記載のいずれかの生体用超弾性チタン合金を用いたステント。
- 請求項1乃至請求項8記載のいずれかの生体用超弾性チタン合金を用いた眼鏡部材。
- 請求項1乃至請求項8記載のいずれかの生体用超弾性チタン合金を用いた内視鏡アクチュエーター。
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