JP5224569B2 - 眼鏡用部材及びこれを含む眼鏡用フレーム並びにこれらの製造方法 - Google Patents

眼鏡用部材及びこれを含む眼鏡用フレーム並びにこれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、冷間加工性に優れ、しかも生体親和性にも優れた形状記憶・超弾性合金を用いた眼鏡用部材及びこれを含む眼鏡用フレーム並びにこれらの製造方法に関する。
より詳しくは、Niフリーで、生体親和性に優れているにも拘らず超弾性・形状記憶特性を有し、しかも優れた冷間加工性を有する形状記憶・超弾性合金からなる眼鏡用部材及びこれを含む眼鏡用フレーム並びにこれらの製造方法に関する。
従来、形状記憶特性・超弾性特性を有する代表的な合金としてTi−Ni合金が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、形状記憶とは、金属を加熱した場合に残留ひずみが消滅する現象をいう。
また、残留ひずみとは、はじめに与えられたある特定の形(例えばコイル形状)の金属に荷重を加え、弾性限を超えてこれを引き伸ばして塑性変形させ、然る後、加重を除荷する際に、金属に生じるひずみのことをいう。
なお、形状記憶は、マルテンサイト変態―逆マルテンサイト変態を利用した現象であり、例えばタービン型熱エンジン、パイプ継ぎ手やブラジャーのワイヤーなどに利用されている。
一方、超弾性とは前述同様荷重を加え、弾性限を超えてこれを引き伸ばして塑性変形させ、この状態から除荷するとヒステリシスを描いて元の状態(残留ひずみがほぼゼロの状態)に戻る現象をいう。
超弾性は、マルテンサイト変態―逆マルテンサイト変態が温度を加えることなく発現されるもので、基本的には形状記憶と同じ現象である。
換言すれば、形状記憶性を有する金属は加熱されることで残留ひずみが解消するのに対して、超弾性を有する金属は加熱されなくとも残留ひずみが解消される。
Ti−Ni合金は2種類以上の金属によって構成されるいわゆる金属間化合物であるにも拘らず形状記憶特性・超弾特性を有し、塑性加工により板状や線状にすることができる。
また、Ti−Ni合金のマルテンサイト変態‐逆マルテンサイト変態は、室温付近の特定温度範囲の両端で発生する。
そのため、Ti−Ni合金はこの温度の範囲で形状記憶特性・超弾特性を発揮する。
しかしながら、Ti−Ni合金はNiを成分として含むため、生体親和性に乏しい。
ここで、生体親和性とは、肌が金属に触れたときの金属アレルギー反応の度合いをいう。
なお、生体親和性に優れるとは、肌が殆ど金属アレルギー反応を示さない場合をいう。
そのため、Ti−Ni合金は顔面の皮膚に接する眼鏡用部材として利用することが困難である。
また、別の問題として、Ti−Ni合金はマルテンサイト変態‐逆マルテンサイト変態を、室温付近で発揮するため、−5℃以下になると急に柔らかくなる。
すなわち、Ti−Ni合金は低温特性が悪い。
そこで、人体に対して毒性の強いNiを含まず、そして低温特性に優れた形状記憶・超弾性合金の開発が試みられてきた(非特許文献1参照)。
特開2002−205164号公報 「Ti−Sc−Mo形状記憶合金の開発」、日本金属学会、2003年、春期大会公演概要p.144
しかしながら、従来のNiフリー合金は超弾性特性または形状記憶特性を僅かしか示さないので、Niフリー合金を眼鏡用部材として利用することは困難である。
また、従来のNiフリー合金は冷間加工性が乏しく、眼鏡用部材のような肉薄でカーブを有する板材に加工しにくいという欠点もある。
本発明は、かかる背景技術をもとになされたもので、上記の背景技術の問題点を克服するためになされたものである。
即ち、本発明は、Niフリーで、生体親和性に優れているにも拘らず超弾性特性及び形状記憶特性を有し、しかも優れた冷間加工性を有する眼鏡用部材及びこれを含む眼鏡用フレーム並びにこれらの製造方法を提供することを目的とする。
かくして、本発明者は、このような課題背景に対して鋭意研究を重ねた結果、ある組成を有するTi−Nb−Zr系合金を用いることにより、上記の問題点を解決することができることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させたものである。
即ち、本発明は、(1)、合金組成が、(A)Ti:40〜75重量%、(B)Nb:18〜30重量%、(C)Zr:10〜30重量%、(D)Al、Sn、In及びGaからなる群より選ばれる少なくとも1つの金属添加元素:0.2〜3.7重量%、であるTi−Nb−Zr系合金よりなり、550℃〜1100℃で溶体化処理を行い、溶体化処理後、100℃以上で時効処理を行うことにより得られる眼鏡用部材に存する。
また、本発明は、(2)、マルテンサイト変態―逆マルテンサイト変態が温度を加えることなく発現されるものである上記(1)記載の眼鏡用部材に存する。
また、本発明は、()、上記溶体化処理し、表面にめっき又は塗装を行った後、100℃以上で時効処理を行うことにより、同時にめっき又は塗装が焼付けられる上記()記載の眼鏡用部材に存する。
また、本発明は、()、リム、ブリッジ、ブラケット、箱足又はテンプルである上記(1)に記載の眼鏡用部材に存する。
また、本発明は、()、上記眼鏡用部材を含む眼鏡用フレームに存する。
また、本発明は、(6)、合金組成が(A)Ti:40〜75重量%、(B)Nb:18〜30重量%、(C)Zr:10〜30重量%、(D)Al、Sn、In及びGaからなる群より選ばれる少なくとも1つの金属元素:0.2〜3.7重量%、であるTi−Nb−Zr系合金を減面率50%以上となるように冷間加工を行い、長尺化して最終形状とし、その後、550℃〜1100℃の温度で溶体化処理を施し、該溶体化処理後、100℃以上で時効処理を行って形状記憶特性及び超弾性特性を付与する眼鏡用部材の製造方法に存する。
また、本発明は、()、上記溶体化処理し、表面にめっき又は塗装を行った後、100℃以上で時効処理を行うことにより、同時にめっき又は塗装の焼付けを行う上記(6)記載の眼鏡用部材の製造方法に存する。
また、本発明は、()、時効処理を複数回行って超弾性の見かけ上の降伏応力を高くする上記(6)記載の眼鏡用部材の製造方法に存する。
また、本発明は、()、眼鏡用部材がリム、ブリッジ、ブラケット、箱足又はテンプルである上記(6)に記載の眼鏡用フレームの製造方法に存する。
また、本発明は、(10)上記製造方法により得られる眼鏡用部材を組み付けることにより得られる眼鏡用フレームの製造方法に存する。
なお、本発明の目的に添ったものであれば、上記(1)から(10)を適宜組み合わせた構成も採用可能である。
本発明の眼鏡用部材の合金は、強固且つ緻密な酸化被膜を形成し、生体親和性に優れたTi、Nb及びZrから構成される。
すなわち、本発明の眼鏡用部材には、Ti−Nb−Zr系合金が用いられる。
上記Ti−Nb−Zr系合金は、形状記憶合金として機能し、顔面の皮膚に直接接触する眼鏡用材料に適している。
本発明の眼鏡用部材に用いられるTi−Nb−Zr系合金は、冷間加工性に優れており、減面率50%以上の圧延加工にも耐えられる。
更に、本発明の眼鏡用部材に用いられるTi−Nb−Zr系合金は、数次に分けて加工されることにより、焼鈍処理なしで減面率95%以上に加工できる。
本発明の眼鏡用部材に用いられるTi−Nb−Zr系合金において、マルテンサイト変態‐逆マルテンサイト変態は、−50℃〜−30℃の範囲で発現する。
従って、本発明の眼鏡用部材に用いられるTi−Nb−Zr系合金の剛性は、0℃付近の温度では急激に低下しないので、実用的な温度範囲内で低温特性に優れる。
また、本発明の眼鏡用フレームは上記眼鏡用部材を含むため、上述した効果を奏することができる。
本発明の眼鏡用部材のTi−Nb−Zr系合金は、Ti、Nb、Zrを主成分とし、具体的な合金の組成は、(A)Ti:40〜75重量%、(B)Nb:18〜30重量%、(C)Zr:10〜30重量%、(D)Al、Sn、In及びGaからなる群より選ばれる少なくとも1つの金属添加元素:0.2〜3.7重量%、である。
なお、金属添加元素の添加量は、添加する元素が複数であっても、合計で0.2〜3.7重量%とする。
以下、(A)〜(D)成分について更に詳細に説明する。
〔(A)成分〕
(A)成分は本発明の眼鏡用部材のTi−Nb−Zr系合金に含まれるTiである。
かかるTiの結晶構造は、体心立方構造であることが好ましい。
この場合、Tiが大きな延性を有することになるため、Ti−Nb−Zr系合金がより超弾性に優れるものとなる。
また、Tiは常温では六方最密構造(α相)であるが、882℃以上とすることにより体心立方構造(β相)とすることができる。
なお、体心立方構造とした後は冷却した場合であっても体心立方構造が維持される。
一般に、Tiは空気中の酸素に触れると容易に酸化されTiO2となる。
一方、純Ti(グレード2、JIS H2151)は、ヤング率が106GPaであり、610℃以上に加熱されると、その表面にTiO2の緻密な酸化被膜が形成される。
このTiO2の酸化皮膜は、常温の空気中で化学変化せず、強度及び耐食性に優れている。
上記Ti及び純Tiは、比強度(引張強度を比重で割った値)に優れるため、合金のベースとして多用される。
TiをベースとしたTi−Nb−Zr系合金は、合金化されると固溶体となり、合金の延性が低下する場合がある。
この場合、Ti−Nb−Zr系合金の鋳造組織を改善する塑性加工の一つである鍛造ができなくなるため、用いるTi−Nb−Zr系合金は、高い塑性加工性を有することが好ましい。
Ti−Nb−Zr系合金に含有されるTiの含有率は、40〜75重量%である。
含有率が40重量%未満であると、Tiの利点である優れた強度、比強度、耐食性及び安定性が十分に得られない傾向にあり、75重量%を超えると、Ti本来の欠点である加工性の悪さがTi−Nb−Zr系合金に顕著に現れ、常温での加工ができなくなる傾向にある。
〔(B)成分〕
(B)成分は本発明の眼鏡用部材のTi−Nb−Zr系合金に含まれるZrである。
かかるZrの結晶構造は、体心立方構造であることが好ましい。
また、Zrは常温では六方最密構造(α相)であるが、862℃以上とすることにより体心立方構造(β相)とすることができる。
なお、体心立方構造とした後は冷却した場合であっても体心立方構造が維持される。
Zrが空気に晒された場合、Zrの表面に緻密な酸化皮膜が形成される。
この場合、Zrは耐食性に優れる。
また、高温の水中でのZrの耐食性は、他金属に比べて著しく高い。
また、酸化皮膜が形成されることで、融解アルカリ中でもZrは反応しにくい。
すなわち、Zrは耐酸性にも優れている。
優れた耐食性及び耐酸性を有するZrは、生体親和性を必要とする部材の合金成分として、或いは各種機械に用いられる。
本発明の眼鏡用部材のTi−Nb−Zr系合金において、Zrの含有率は、構成元素の10〜30重量%の範囲である。
Zrの含有率が10重量%未満であると、Ti−Nb−Zr系合金の加工性が低下する。
また、Zrの含有率が30重量%を超えると、Ti−Nb−Zr系合金の耐食性が改善されず、比重が増加するのみとなる。
本発明の眼鏡用部材のTi−Nb−Zr系合金は、Zrの含有率を特定の範囲内に調整することによって、TiまたはZrの特徴である優れた強度や優れた耐食性等を併せて有することになる。
その結果、本発明の眼鏡用部材は、良好な耐食性及び耐酸性を示す。
〔(C)成分〕
(C)成分は本発明の眼鏡用部材のTi−Nb−Zr系合金に含まれるNbである。
Nbは展延性を示し、そのヤング率は105GPaであり、その硬さは錬鉄と同程度である。
また、一般的に合金にNbが添加されると、合金にしなやかさ(低弾性)が付与される。
Nbが空気に接触すると、その表面には酸化皮膜が形成される。
そのため、Nbは耐食性を示す。
このため、Nbを本発明の眼鏡用部材のTi−Nb−Zr系合金の構成成分とすることで、Zrと協働してTi−Nb−Zr系合金の耐食性・耐酸性を向上させることができる。
本発明の眼鏡用部材のTi−Nb−Zr系合金において、Nbの含有率は、18〜30重量%である。
Nbの含有率が18重量%未満であると、得られる合金にしなやかさが充分に付与されない。
その一方で、上記Ti−Nb−Zr系合金のヤング率が増大するので、塑性加工性が低下する問題が生じる。
また、Nbの含有率が30重量%を超えると、得られる合金のしなやかさは向上せず、耐食性も改善されない。
更に、上記Ti−Nb−Zr系合金の生体組織との親和性も改善されず、その比重だけが増加する。
〔(D)成分〕
(D)成分は本発明の眼鏡用部材のTi−Nb−Zr系合金に含まれるAl、Sn、In及びGaからなる群より選ばれる少なくとも1つの金属添加元素である。
この金属添加元素の含有率が0.2〜3.7重量%である場合、得られる合金は形状記憶特性・超弾性特性を示す。
添加金属元素の含有率が0.2重量%未満であると、得られるTi−Nb−Zr系合金が柔らかくなり過ぎ、そのため生体材料や機械・機器部品として用を成さなくなる。
また、添加金属元素の合計の含有率が3.7重量%を超えると、得られるTi−Nb−Zr系合金が形状記憶特性・超弾性特性を示さなくなる(表3参照)と共に、得られる合金の加工性が悪くなる。
次に本発明に係る眼鏡用部材の製造方法について説明する。
本発明の眼鏡用部材の製造方法は、上述したTi−Nb−Zr系合金に物理的な圧力を加えて冷間加工を行い、且つ加熱による溶体化処理を行う。
すなわち具体的には、まず、組成が(A)Ti:40〜75重量%、(B)Nb:18〜30重量%、(C)Zr:10〜30重量%、(D)Al、Sn、In及びGaからなる群より選ばれる少なくとも1つの金属添加元素:0.2〜3.7%であるTi−Nb−Zr系合金を、減面率50%以上の冷間加工し、長尺化且つ肉薄化する。
そして、肉薄化されたTi−Nb−Zr系合金を、用途に応じた眼鏡用部材の形状にする。
ここで、眼鏡陽部材としては、リム、ブリッジ、ブラケット、箱足、テンプル等が挙げられる。
ここで、「冷間加工」とは、ひずみ硬化が生じるような温度範囲で行う金属又は合金の塑性加工をいう。
また、「減面率」とはプレス加工前後において断面積が変化した割合をいう。
なお、断面が矩形状のTi−Nb−Zr系合金の場合、上記「減面率」は「圧延率」や「圧下率」で表現することもできる。
なお、減面率50%以上の眼鏡用部材を成形するためには、最終的に成形されたときの眼鏡用部材の体積と出発材料となるTi−Nb−Zr系合金の体積との比を考慮することが重要である。
そして、眼鏡用部材に成形されたTi−Nb−Zr系合金を、550〜1100℃に加熱することで、形状記憶特性及び超弾性特性が付与された眼鏡用部材が得られる。
Ti−Nb−Zr系合金を上記の温度範囲で加熱することにより、減面率50%以上の形状を有したまま、該Ti−Nb−Zr系合金に適当な形状記憶特性及び超弾性特性を付与することができる。
また、付与する形状記憶特性及び超弾性特性の大きさのバランスは(加熱温度と加熱時間によって)適宜調節することができる。
Ti−Nb−Zr系合金を550℃以上の温度で加熱した場合、該Ti−Nb−Zr系合金は550℃未満の温度で加熱した場合と比較して、形状記憶特性及び超弾性特性がより強く発揮される。
また、Ti−Nb−Zr系合金を1100℃以下の温度で加熱した場合、該Ti−Nb−Zr系合金は、1100℃を超える温度で加熱した場合と比較して、形状安定性が良くなり、本発明の眼鏡用部材として好適である。
顔面に接する眼鏡用部材としての機能を向上させるために、形状記憶特性及び超弾性特性が付与されたTi−Nb−Zr系合金に溶体化処理を行うことが好ましく、溶体化処理を行った後に、時効処理を行うことがより好ましい。
ここで、溶体化処理とは、炭化物などを高温で固溶させた状態から急冷して、高温の組織をそのまま常温にもたらす熱処理である。
また、時効処理とは、合金の性質を時間とともに変化させる処理のことであり、具体的には、上記Ti−Nb−Zr系合金を100℃以上で加熱することである。
上記Ti−Nb−Zr系合金は時効処理が行われることで、時効処理を行わない場合と比較して超弾性特性の見かけ上の降伏応力が高くなる。
ここで、見かけ上の降伏応力とは、例えば、Ti−Nb−Zr系合金に所定の応力をかけた場合に、Ti−Nb−Zr系合金が弾性変形する場合と塑性変形する場合との境界となる場合の応力をいう。
上記Ti−Nb−Zr系合金は時効処理の回数を増やすことで、眼鏡用部材の種類に応じて超弾性の見かけ上の降伏応力をより高くすることができる。
また、時効処理を行うことにより、同時に塗装やめっきの焼付けを行うことができる。
このため、上記Ti−Nb−Zr系合金に時効処理を行うことで、塗装やめっきの後の焼き付け処理が全く不要となり、製造工数を減らすことができる。
なお、上記塗装やめっきにより、眼鏡用部材に色付けや模様等の装飾を設けることが可能となる。
溶体化処理、塗装(めっき)、時効処理の順序で加工されたTi−Nb−Zr系合金は、溶体化処理、時効処理、塗装(めっき)、焼付けの順序で加工されたTi−Nb−Zr系合金よりも見かけ上の降伏応力が高いため、本発明の眼鏡用部材を曲げた際に、時効処理を行う前にめっきを行う場合の方が、時効処理を行った後にめっきを行う場合に比べて硬くなる。
こうして、本発明の眼鏡用部材が得られる。図16は、眼鏡用部材の概略図を示す図である。
図16に示すように、本発明の眼鏡用部材は例えばリム、ブリッジ、ブラケット(智ともいう)、箱足、テンプルやその他の眼鏡用の部品に用いられる。
以上、本発明の実施の形態について述べてきたが、次に、実施例を挙げて本発明を説明する。
(実施例1〜15及び比較例1〜34)
Al:1.3重量%、Nb及びZrを下記表1に示す含有率とし、Tiを100からNb、Zr及びAlの含有率を引いた値としてTi−Nb−Zr系合金を作成した。
このTi−Nb−Zr系合金に対して、減面率70%となるように室温で冷間加工を行い、テンプル形状(幅=2.5mm、厚み=1.2mm、長さ=70mm)とした。
次いで、このテンプル形状のTi−Nb−Zr系合金を、800℃に加熱して(すなわち昇温して)溶体化処理を行った。
そして、冷却することによりテンプル形状体(眼鏡用部材)を得た。
得られたテンプル形状体を用いて形状記憶特性・超弾性特性試験と時効性試験とを行った。
なお、時効性は、時効処理したときに発現する形状記憶特性及び超弾性特性が、眼鏡用部材として適しているかどうかを表したもので、材料の組成に強く影響される。
<形状記憶特性・超弾性試験>
実施例1〜15及び比較例1〜34で得られたテンプル形状体に力を加えて4.0%の塑性伸びを生じさせた。
次いで、除荷した際の残留ひずみを測定し、塑性伸びと残留ひずみとの差から超弾性伸びを算出した。
算出した超弾性伸びが3.0%以上の範囲ならA、2.5%以上3.0%未満の範囲ならB、2.0%以上2.5%未満の範囲ならC、2.0%未満の範囲ならDと評価した。
得られた結果を表2に示す。
なお、試験結果がAである場合、形状記憶特性・超弾性特性に優れ、試験結果がBである場合、形状記憶特性・超弾性特性が比較的良好であるため、本発明の眼鏡用部材として採用可能である。
<時効性試験>
実施例1〜15及び比較例1〜34で得られたテンプル形状体に800℃で溶体化処理を行い、次に、溶体化処理が行われたテンプル形状体に塗装を行った。
次に、塗装が行われたテンプル形状体に200℃で時効処理を行い、得られたテンプル形状体に力を加えて4.0%の塑性伸びを生じさせた。
次いで、除荷した際の残留ひずみを測定し、塑性伸びと残留ひずみとの差から超弾性伸びを算出した。
算出した超弾性伸びが3.0%以上の範囲ならA、2.5%以上3.0%未満の範囲ならB、2.0%以上2.5%未満の範囲ならC、2.0%未満の範囲ならDと評価した。
得られた結果を表2に示す。
なお、試験結果がAである場合、時効性に優れ、試験結果がBである場合、時効性が比較的良好であるため、本発明の眼鏡用部材として採用可能である。
〔表1〕
Figure 0005224569








〔表2〕
Figure 0005224569
表2からわかるように、実施例1〜15のテンプル形状体に含有されるNbが18〜30重量%、且つZrが10〜30重量%のとき、形状記憶特性・超弾性特性及び時効性の両方の試験で、B以上の試験結果が得られた。
すなわち、Ti−Nb−Zr系合金のうち、それぞれの成分(A〜D)の含有率が上記の範囲であるとき、Ti−Nb−Zr系合金は眼鏡用部材として十分な形状記憶特性・超弾性特性を備えると共に、眼鏡用部材として十分な装飾性を備えることがわかった。
(実施例16〜30及び比較例35,36)
実施例1で用いたTi−Nb−Zr系合金の代わりに、Zr:22重量%、Nb:23重量%、Alを下記表3に示す含有率とし、Tiを100からNb、Zr及びAlの含有率を引いた値としたTi−Nb−Zr系合金を用いたこと以外は実施例1と同様にしてテンプル形状体(眼鏡用部材)を得た。
<弾性変形伸び>
得られたテンプル形状体に力を加えて4.0%の塑性伸びを生じさせた。
次いで、除荷した際の残留ひずみを測定し、塑性伸びと残留ひずみを算出した。
そして、塑性伸び及び残留ひずみの値から下記式に示す弾性変形伸び(%)を算出した。
得られた結果を表3に示す。
超弾性変形伸び(%)=塑性伸び(%)−残留ひずみ(%)
〔表3〕
Figure 0005224569
表3からわかるように、実施例16〜30のテンプル形状体は、超弾性変形伸びが2.0以上となった。
なお、かかる超弾性変形伸びは2.5%以上であることが好ましい。
また、Alの含有率が1.3重量%のとき、超弾性変形伸びが4%と最大を示し、超弾性変形伸びが2.5%以上の超弾性変形伸びを示すAlの含有率の範囲は、0.3〜3.7重量%であった。
(実施例31〜34)
実施例1で用いたTi−Nb−Zr系合金の代わりに、Zr:22重量%、Nb:23重量%、金属添加元素を下記表4に示す種類及び含有率とし、Tiを100からNb、Zr及び金属添加元素の含有率を引いた値としたTi−Nb−Zr系合金を用いたこと以外は実施例1と同様にしてテンプル形状体(眼鏡用部材)を得た。
得られたテンプル形状体を用いて上述した形状記憶特性・超弾性特性試験を行った。得られた結果を表4に示す。



〔表4〕
Figure 0005224569
表4からわかるように、実施例31〜34のテンプル形状体は、いずれも形状記憶特性・超弾性特性に優れるものであった。
このことから、Al、Sn、In及びGaが金属添加元素として用いることができることが確認された。
(実施例35)
実施例1で用いたTi−Nb−Zr系合金の代わりに、Ti:53.4重量%、Nb:23重量%、Zr:22重量%、Al:1.6重量%、のTi−Nb−Zr系合金を用いたこと以外は実施例1と同様にしてテンプル形状体(眼鏡用部材)を得た。
得られたテンプル形状体を用いて引張試験を行った。
(実施例36)
実施例1で用いたTi−Nb−Zr系合金の代わりに、Ti:53.1重量%、Nb:23重量%、Zr:22重量%、Al:1.9重量%、のTi−Nb−Zr系合金を用いたこと以外は実施例1と同様にしてテンプル形状体(眼鏡用部材)を得た。
得られたテンプル形状体を用いて引張試験を行った。
(実施例37)
実施例1で用いたTi−Nb−Zr系合金の代わりに、Ti:52.7重量%、Nb:23重量%、Zr:22重量%、Al:2.3重量%、のTi−Nb−Zr系合金を用いたこと以外は実施例1と同様にしてテンプル形状体(眼鏡用部材)を得た。
得られたテンプル形状体を用いて引張試験を行った。
<引張試験>
実施例35〜37で得られたテンプル形状体を引張試験機に取付け、超弾性変形伸びが4%になるまで徐々に加重し伸ばした。
この状態から、徐々に除荷してテンプル形状体を元の形状に戻した。
そして、テンプル形状体の最初の長さと、元の形状に戻したときのテンプル形状体の長さの割合の差(超弾性変形伸び)を測定した。
このときの実施例35〜37におけるテンプル形状体の応力−伸び曲線を図1〜図3にそれぞれ示す。
図1〜図3に示すように、実施例35( Al;1.6重量%) におけるテンプル形状体の場合、約0.2%の残留歪みが生じ、結果として3.8%の超弾性変形伸びを示した。
実施例36( Al;1.9重量%) におけるテンプル形状体の場合、約0.3%の残留歪みが生じ、結果として3.7%の超弾性伸びを示した。
実施例37( Al;2.3重量%) におけるテンプル形状体の場合、約0.4%の残留歪みが生じ、結果として図3に示すように3.6%の超弾性伸びを示した。
以上より、Alの添加量を変化させることで、超弾性伸びが変化することがわかった。
なお、本実施例のすべては常温下による引張試験であり、−50℃〜−30℃の範囲内で起こるマルテンサイト変態−逆マルテンサイト変態領域での試験ではないので、超弾性特性のみを示している。
勿論、マルテンサイト変態−逆マルテンサイト変態領域で試験を行えば、形状記憶特性を示す。
(実施例38)
実施例1で用いたTi−Nb−Zr系合金の代わりに、Ti:53.7重量%、Nb:23重量%、Zr:22重量%、Al:1.3重量%、のTi−Nb−Zr系合金を用い、テンプル形状体の厚みを1.2mmではなく、1.0mmとしたこと以外は実施例1と同様にしてテンプル形状体(眼鏡用部材)を得た。
得られたテンプル形状体を用いて上述した引張試験を行った。
このときの実施例38におけるテンプル形状体の応力−伸び曲線を図4に示す。
図4に示すように、上記テンプル形状体においては、580MPaの応力を加えたとき、4%の塑性伸びを示し、除荷したとき、約0.6%の残留歪みが生じ、3.4%( =4%−0.6%) の超弾性伸びを示した。
(実施例39)
実施例38で用いたTi−Nb−Zr系合金を用いて上述した引張試験を、試験機に試験片をセットしたまま2回連続で行った。
このときの実施例39におけるテンプル形状体の応力−伸び曲線を図5に示す。
図5に示すように、上記テンプル形状体においては、第1回目に620MPaの応力を加えたとき〔図5中の(a)〕、4%の塑性伸びを示し、除荷すると1.5%の残留歪みが生じた。
その状態で再度テンプル形状体に約650MPaの応力を加えると加えたとき〔図5中の(b)〕、このテンプル形状体は、5.2%の塑性伸びを示し、除荷すると第1回目の負荷0の地点から数えて1.6%の残留歪みが生じた。
このことから、このテンプル形状体に超弾性特性及び形状記憶特性が発現していることが確認された。
(実施例40)
実施例1で用いたTi−Nb−Zr系合金の代わりに、Ti:52.0重量%、Nb:23重量%、Zr:22重量%、Sn:3.0重量%、のTi−Nb−Zr系合金を用い、テンプル形状体の厚みを1.2mmではなく、1.0mmとしたこと以外は実施例1と同様にしてテンプル形状体(眼鏡用部材)を得た。
得られたテンプル形状体を用いて上述した引張試験を行った。
このときの実施例40におけるテンプル形状体の応力−伸び曲線を図6に示す。
図6に示すように、上記テンプル形状体においては、第1回目に770MPaの応力を加えたとき〔図6中の(a)〕、4%の塑性伸びを示し、除荷すると1.0%の残留歪みが生じた。
1.0%の残留歪みがある状態で、このテンプル形状体に再度約800MPaの応力を加えると〔図6中の(b)〕、5.0%の塑性伸びを示し、除荷すると伸び0%の地点から1.8%の残留歪みが生じた。
このことから、このテンプル形状体に超弾性特性及び形状記憶特性が発現していることが確認された。
(実施例41)
実施例1で用いたTi−Nb−Zr系合金の代わりに、Ti:51.5重量%、Nb:23重量%、Zr:22重量%、In:3.5重量%、のTi−Nb−Zr系合金を用い、テンプル形状体の厚みを1.2mmではなく、1.0mmとしたこと以外は実施例1と同様にしてテンプル形状体(眼鏡用部材)を得た。
得られたテンプル形状体を用いて上述した引張試験を行った。
このときの実施例41におけるテンプル形状体の応力−伸び曲線を図7に示す。
図7に示すように、上記テンプル形状体においては、620MPaの応力を加えたとき、4%の塑性伸びを示し、除荷すると0.4%の残留歪みが生じ、3.6%( =4%−0.4%) の超弾性伸びを示した。
また、図には示さないが、テンプル形状体に750MPaの応力を加えたとき、このテンプル形状体は、4%の塑性伸びを示し、除荷すると0.9%の残留歪みが生じ、3.1%(=4%−0.9%) の超弾性伸びを示した。
このことから、このテンプル形状体に超弾性特性及び形状記憶特性が発現していることが確認された。
(実施例42)
実施例1で用いたTi−Nb−Zr系合金の代わりに、Ti:53.7重量%、Nb:23重量%、Zr:22重量%、Ga:1.3重量%、のTi−Nb−Zr系合金を用い、テンプル形状体の厚みを1.2mmではなく、1.0mmとしたこと以外は実施例1と同様にしてテンプル形状体(眼鏡用部材)を得た。
得られたテンプル形状体を用いて上述した引張試験を行った。
このときの実施例42におけるテンプル形状体の応力−伸び曲線を図8に示す。
図8に示すように、上記テンプル形状体においては、820MPaの応力を加えたとき、4%の塑性伸びを示し、除荷すると0.8%の残留歪みが生じ、3.2%(=4%−0.8%) の超弾性伸びを示した。
また、図には示さないが、テンプル形状体に750MPaの応力を加えたとき、このテンプル形状体は、4%の塑性伸びを示した。
このことから、このテンプル形状体に超弾性特性及び形状記憶特性が発現していることが確認された。
なお、上記実施例35〜42のテンプル形状体は、いずれも減面率(即ち、断面減少率)が50%を超える冷間加工(圧延加工)を行っているが、このときテンプル形状体に割れが生じることはなかった。
また、数次の圧延加工がテンプル形状体に対して行われれば、減面率が95%以上の冷間加工が焼鈍なしで可能であることがわかった。
(実施例43)
(時効処理の優位性)
実施例1で用いたTi−Nb−Zr系合金の代わりに、Ti:54.9重量%、Nb:22重量%、Zr:22重量%、Al:1.1重量%、のTi−Nb−Zr系合金を用いたこと以外は実施例1と同様にしてテンプル形状体(眼鏡用部材)を得た。
得られたテンプル形状体を用いて上述した引張試験を行った。
このときのテンプル形状体の応力−伸び曲線を図9に示す。
引張試験の後、上記テンプル形状体を200℃で加熱して時効処理を行った。
そして、再び引張試験を行った。
このときのテンプル形状体の応力−伸び曲線を図10に示す。
図9及び図10に示すように、上記テンプル形状体は、時効処理によって超弾性特性の見かけ上の降伏応力が高くなることがわかった。
(実施例44)
(焼付けのための加熱)
実施例1で用いたTi−Nb−Zr系合金の代わりに、Ti:54.9重量%、Nb:22重量%、Zr:22重量%、Al:1.1重量%、のTi−Nb−Zr系合金を用いたこと以外は実施例1と同様にしてテンプル形状体(眼鏡用部材)を得た。
次に、得られたテンプル形状体を、200℃に加熱して時効処理を行い、その後、塗装を行った。
こうして得られたテンプル形状体を用いて上述した引張試験を行った。
このときの実施例44におけるテンプル形状体の応力−伸び曲線を図11に示す。
図11に示すように、上記テンプル形状体は、超弾性の見かけ上の降伏応力が高くなることがわかった。
(実施例45)
(焼付けの同時達成効果)
実施例1で用いたTi−Nb−Zr系合金の代わりに、Ti:54.9重量%、Nb:22重量%、Zr:22重量%、Al:1.1重量%、のTi−Nb−Zr系合金を用いたこと以外は実施例1と同様にしてテンプル形状体(眼鏡用部材)を得た。
次に、得られたテンプル形状体に塗装を行い、その後、200℃に加熱して時効処理を行った。
こうして得られたテンプル形状体を用いて上述した引張試験を行った。
このときの実施例45におけるテンプル形状体の応力−伸び曲線を図12に示す。
図12に示すように、上記テンプル形状体は、超弾性の見かけ上の降伏応力が高くなることがわかった。
また、テンプル形状体の表面の塗装は、確実に焼付けがされていた。
したがって、実施例45の結果より、塗装の焼付けのための加熱処理を行わなくても、時効処理により同時にめっきまたは塗装の焼付けが達成されることがわかった。
このことから、実施例44の場合に比べて、製造上効率的であるといえる。
比較例37
(溶体化処理の加熱温度500℃)
実施例1で用いたTi−Nb−Zr系合金の代わりに、Ti:53.7重量%、Nb:22重量%、Zr:23重量%、Al:1.3重量%、のTi−Nb−Zr系合金を用い、テンプル形状体の厚みを1.2mmではなく、1.0mmとし、溶体化処理の温度を800℃ではなく500℃としたこと以外は実施例1と同様にしてテンプル形状体(眼鏡用部材)を得た。
得られたテンプル形状体を用いて上述した引張試験を行った。
このときの比較例37におけるテンプル形状体の応力−伸び曲線を図13に示す。
図13に示すように、上記テンプル形状体においては、970MPaの応力を加えたとき、3%の塑性伸びを示し、除荷したとき、約1.5%の残留歪みが発生した。
このことから、溶体化処理の温度が500℃であると、800℃である場合と比較して、超弾性特性及び形状記憶特性が不十分となることが確認された。
(実施例46
(複数回の時効処理)
実施例1で用いたTi−Nb−Zr系合金の代わりに、Ti:54.9重量%、Nb:22重量%、Zr:22重量%、Al:1.1重量%、のTi−Nb−Zr系合金を用いたこと以外は実施例1と同様にしてテンプル形状体(眼鏡用部材)を得た。
次に、得られたテンプル形状体を、200℃に加熱して時効処理を行い、得られたテンプル形状体を用いて上述した引張試験を行った。
次に、再度200℃に加熱して時効処理を行い、得られたテンプル形状体を用いて再度、上述した引張試験を行った。
このときの実施例46におけるテンプル形状体の応力−伸び曲線を図14に示す。
なお、図14中の破線(a)は、1回目の時効処理後の引張試験によって得られたテンプル形状体の応力−伸び曲線であり、実線(b)は2回目の時効処理後の引張試験によって得られたテンプル形状体の応力―伸び曲線である。
図14に示すように、上記テンプル形状体は、見かけ上の降伏応力が時効処理を1回行った場合に比べて、時効処理を2回行った場合の方が高くなることがわかった。
このことから、時効処理の回数によって超弾性の見かけ上の降伏応力、すなわち変形の感触が硬くなる方向に変化したことがわかった。
(比較例38
実施例1で用いたTi−Nb−Zr系合金の代わりに、Ti:67.5重量%、Nb:25重量%、Zr:5重量%、Al:2.5重量%、のTi−Nb−Zr系合金を用いたこと以外は実施例1と同様にしてテンプル形状体(眼鏡用部材)を得た。
得られたテンプル形状体を用いて上述した引張試験を行った。
引張試験の後、上記テンプル形状体を200℃で加熱して時効処理を行った。そして、再び引張試験を行った。
これらのときの比較例38におけるテンプル形状体の応力−伸び曲線を図15に示す。
なお、図15中、(a)は、溶体化処理後のテンプル形状体の応力−伸び曲線であり、(b)は時効処理後のテンプル形状体の応力―伸び曲線である。
図15に示すように、上記テンプル形状体は、時効処理の有無にかかわらず、優れた超弾性特性が得られないことがわかった。
本発明は、冷間加工性に優れ、しかも生体親和性にも優れた形状記憶・超弾性合金を用いた眼鏡用部材及びこれを含む眼鏡用フレーム並びにこれらの製造方法に関するものであるが、部材として使われる限り、種々の部品に適用可能である。
なお、本発明は、必ずしも、これらの実施例に限定されるものではない。
図1は、実施例35におけるテンプル形状体(眼鏡用部材)の応力−伸び曲線を示すグラフである。 図2は、実施例36におけるテンプル形状体(眼鏡用部材)の応力−伸び曲線を示すグラフである。 図3は、実施例37におけるテンプル形状体(眼鏡用部材)の応力−伸び曲線を示すグラフである。 図4は、実施例38におけるテンプル形状体(眼鏡用部材)の応力−伸び曲線を示すグラフである。 図5は、実施例39におけるテンプル形状体(眼鏡用部材)の応力−伸び曲線を示すグラフである。 図6は、実施例40におけるテンプル形状体(眼鏡用部材)の応力−伸び曲線を示すグラフである。 図7は、実施例41におけるテンプル形状体(眼鏡用部材)の応力−伸び曲線を示すグラフである。 図8は、実施例42におけるテンプル形状体(眼鏡用部材)の応力−伸び曲線を示すグラフである。 図9は、実施例43において、時効処理を行っていない場合のテンプル形状体(眼鏡用部材)の応力−伸び曲線を示すグラフである。 図10は、実施例43において、時効処理を行った場合のテンプル形状体(眼鏡用部材)の応力−伸び曲線を示すグラフである。 図11は、実施例44におけるテンプル形状体(眼鏡用部材)の応力−伸び曲線を示すグラフである。 図12は、実施例45におけるテンプル形状体(眼鏡用部材)の応力−伸び曲線を示すグラフである。 図13は、比較例37におけるテンプル形状体(眼鏡用部材)の応力−伸び曲線を示すグラフである。 図14は、実施例46におけるテンプル形状体(眼鏡用部材)の応力−伸び曲線を示すグラフである。 図15は、比較例38におけるテンプル形状体(眼鏡用部材)の応力−伸び曲線を示すグラフである。 図16は、眼鏡用部材の概略図である。
符号の説明
1 眼鏡部材
2 リム
3 ブリッジ
4 テンプル
5 ブラケット
6 箱足

Claims (10)

  1. 合金組成が、
    (A)Ti:40〜75重量%、
    (B)Nb:18〜30重量%、
    (C)Zr:10〜30重量%、
    (D)Al、Sn、In及びGaからなる群より選ばれる少なくとも1つの金属添加元素:0.2〜3.7重量%、
    であるTi−Nb−Zr系合金よりなり、
    550℃〜1100℃で溶体化処理を行い、前記溶体化処理後、100℃以上で時効処理を行うことにより得られる眼鏡用部材。
  2. マルテンサイト変態―逆マルテンサイト変態が温度を加えることなく発現されるものであることを特徴とする請求項1記載の眼鏡用部材。
  3. 前記溶体化処理し、表面にめっき又は塗装を行った後、100℃以上で時効処理を行うことにより、同時に前記めっき又は塗装が焼付けられることを特徴とする請求項1記載の眼鏡用部材。
  4. リム、ブリッジ、ブラケット、箱足又はテンプルであることを特徴とする請求項1記載の眼鏡用部材。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の眼鏡用部材を含む眼鏡用フレーム。
  6. 合金組成が、
    (A)Ti:40〜75重量%、
    (B)Nb:18〜30重量%、
    (C)Zr:10〜30重量%、
    (D)Al、Sn、In及びGaからなる群より選ばれる少なくとも1つの金属添加元素:0.2〜3.7重量%、
    であるTi−Nb−Zr系合金を減面率50%以上となるように冷間加工を行い、長尺化して最終形状とし、その後、550℃〜1100℃の温度で溶体化処理を施し、該溶体化処理後、100℃以上で時効処理を行って形状記憶特性及び超弾性特性を付与することを特徴とする眼鏡用部材の製造方法。
  7. 前記溶体化処理し、表面にめっき又は塗装を行った後、100℃以上で時効処理を行うことにより、同時に前記めっき又は塗装の焼付けを行うことを特徴とする請求項6記載の眼鏡用部材の製造方法。
  8. 前記時効処理を複数回行って超弾性の見かけ上の降伏応力を高くすることを特徴とする請求項6記載の眼鏡用部材の製造方法。
  9. 眼鏡用部材がリム、ブリッジ、ブラケット、箱足又はテンプルであることを特徴とする請求項6記載の眼鏡用部材の製造方法。
  10. 請求項6〜のいずれか一項に記載の製造方法により得られる眼鏡用部材を組み付けることにより得られることを特徴とする眼鏡用フレームの製造方法。
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