JP2001187943A - ダブルvリブドベルト - Google Patents

ダブルvリブドベルト

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JP2001187943A
JP2001187943A JP37362199A JP37362199A JP2001187943A JP 2001187943 A JP2001187943 A JP 2001187943A JP 37362199 A JP37362199 A JP 37362199A JP 37362199 A JP37362199 A JP 37362199A JP 2001187943 A JP2001187943 A JP 2001187943A
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double
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rib
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Toshimichi Takada
俊通 高田
Kazutoshi Ishida
和利 石田
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベルトの走行時に圧縮、引張り変形を繰り返
し受けている上下リブ部や接着ゴム層を改善して、耐熱
性、耐寒性を向上させ高温雰囲気下及び低温雰囲気下で
の走行時におけるベルトの耐久性を向上せしめ、またリ
ブ部の先端部から発生した亀裂の伝播を食止めるように
したダブルVリブドベルトを提供する。 【解決手段】 心線1を埋設した接着ゴム層3の上下両
面にベルト長手方向に延びる複数の上下リブ部7、8を
有するダブルVリブドベルトであり、上記心線1を埋設
した接着ゴム層3と上下リブ部7、8との境界の少なく
とも一方に亀裂伝播防止材9を介在させ、上下リブ部
7,8にエチレン−α−オレフィンエラストマーの架橋
物を用いている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はダブルVリブドベル
トに係り、詳しくは心線を埋設した接着ゴム層の上下両
面にベルト長手方向に延びる複数のリブ部を有するダブ
ルVリブドベルトであり、高温雰囲気下及び低温雰囲気
下でのベルト走行寿命が著しく向上し、また更にはリブ
部で発生した亀裂が心線へ伝播するのを食い止めて、早
期のベルト破損を阻止したダブルVリブドベルトに関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動車用として使用されるVベルトは、
クランク・オルタネータ・ファン間、クランク・パワー
ステアリング間、クランク・クーラー間などにそれぞれ
独立して取り付けられ、一台の自動車には複数本のVベ
ルトが使用されている。
【0003】近時、車体スペースの節約、車体の軽量化
及び燃費節約など、各方面からの要望もあり、心線を埋
設した接着ゴム層の下面にベルト長手方向にのびるV形
のリブ部を配し、又接着ゴム層の上面を1〜2プライの
ゴム付帆布にて被覆した一本のVリブドベルトを所定の
位置に配設された複数のプーリ間を曲がりくねった状態
で懸架した駆動装置が使用されている。上記Vリブドベ
ルトは、ベルト張力を調整する背面アイドラープーリお
よび所定の目的をもって配置された背面従動プーリと背
面駆動を行っているため、くさび効果を持たないベルト
背面は、リブ部に比べて伝達性能が低くベルト背面又は
/及びリブ面が摩耗し、ベルト張力低下が生じた時、ス
リップが発生して、高負荷下の動力伝達には適さないな
どの問題があった。
【0004】これら従来のVリブドベルトの問題点を解
消せしめるため、心線を埋設した接着ゴム層の上下両面
に、リブピッチ、リブ高さ、リブ形状等の等しいベルト
長手方向にのびる複数のリブ部を配設したダブルVリブ
ドベルトが使用されている。
【0005】上記ダブルVリブドベルトも、近年、省エ
ネルギー化、コンパクト化の社会的要請を背景に自動車
のエンジンルーム周辺の雰囲気温度が従来に比べて上昇
してきている。これにともないベルトの使用環境温度も
高くなってきた。従来、動力伝動用ベルトは主として天
然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム
が使用されてきたが、高温雰囲気下では、硬化した圧縮
ゴム層で早期にクラックを生じるという問題が発生し
た。
【0006】このようなベルトの早期破壊現象に対し、
クロロプレンゴムの耐熱性の改善が検討され、ある程度
の改良が行なわれてきたもののクロロプレンゴムを使用
している限り限界があり、現在のところ十分な効果を得
るには至っていない。
【0007】これに代わり、耐熱性に優れるクロロスル
フォン化ポリエチレンゴム、水素化ニトリルゴム、フッ
素ゴム等のように主鎖が高度に飽和され、又は完全に飽
和されているゴムの使用が検討されている。このうち、
一般にクロロスルフォン化ポリエチレンは動的疲労性、
耐磨耗性、耐油性においてはクロロプレンゴムと同等で
あるが、耐水性においては加硫系、特に受酸剤の影響が
大きいことが知られている。通常、クロロスルフォン化
ポリエチレンの受酸剤としてはMgO、PbO等の酸化
物が使用されていた。
【0008】しかし、PbO、Pb34等の鉛化合物の
受酸剤を使用すれば、耐水性の良好なベルトが得られる
が、公害、衛生上の問題から鉛化合物の使用は好ましく
ない。又、MgOを受酸剤として使用した場合には、架
橋反応中に生成するMgCl 2により耐水性は著しく損
なわれ、ベルトへの適応は不適当であった。一方、金属
酸化物以外の受酸剤としてエポキシ系の受酸剤を使用す
れば、耐水性の良好な組成物を得ることは可能である
が、臭気の問題などが生じて人体に不快感を与える問題
があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この動力伝動
用ベルトは、クロロプレンゴムを用いたベルトに比べる
と高温雰囲気下でのベルト走行寿命が大きく向上し優れ
た耐熱性を有しているが、−30℃以下の低温雰囲気下
でのベルト走行寿命が著しく劣ることが明らかになっ
た。この理由として、従来のクロロスルフォン化ポリエ
チレンゴムは、ポリエチレンをクロロスルフォン化した
もので、塩素を含有しているため低温下では塩素の凝集
エネルギーが大きくなって低温領域でゴムの硬化が起こ
ってゴム弾性を欠き、割れ易くなるためと推定される。
【0010】これに対して、エチレン−プロピレン系ゴ
ム(EPR)あるいはエチレン−プロピレン−ジエン系
ゴム(EPDM)等のエチレン−α−オレフィンエラス
トマーは、優れた耐熱性、耐寒性を有し、比較的に安価
なポリマーであるが、耐油性を有していないため、油が
かかる用途には積極的に使用されていない。Vリブドベ
ルトのような乾式の摩擦伝動では多量の油がかかるとス
リップし、伝達機能が損なわれることより従来からあま
り使用されていないが、最近では検討されつつあり、例
えば特開平6−345948号公報に開示されている。
【0011】しかしながら、エチレン−プロピレン系ゴ
ムは引き裂き力が低く、パーオキサイド架橋系を用いる
と、更に引き裂き力が低下して、走行時に心線がポップ
アウトしやすいという問題があった。一方、硫黄架橋系
を用いたものは、加硫度を十分に上げるのが困難である
ため、走行時に摩耗が多くなり、特にVリブドベルトで
は、摩耗紛がリブ部間の底部で蓄積され粘着摩耗を起こ
しやすく、これが発音を引き起こす大きな問題になって
いた。また、加硫度を上げるために、分子内の二重結合
量の極めて多いEPDMを用いると、粘着摩耗はある程
度改善できるが、耐熱性が低下するという不具合が発生
した。
【0012】また、EPDMを用いたVリブドベルトの
場合、リブの先端部から亀裂が入りやすく、この位置で
発生した亀裂は心線まで一気に伝播し、そして最後には
個々のリブ部が分離してベルト切断に至る不具合があっ
た。従って、亀裂が入った状態でユーザーの始業点検や
車検時にベルト寿命として取り替えることができず、車
の走行中にベルトが切れてしまうと言った不具合があっ
た。
【0013】本発明はこのような問題に対処するもので
あり、ベルトの走行時に圧縮、引張り変形を繰り返し受
けている上下リブ部や接着ゴム層を改善して、耐熱性、
耐寒性を向上させ高温雰囲気下及び低温雰囲気下での走
行時におけるベルトの耐久性を向上せしめ、またリブの
先端部から発生した亀裂の伝播を食止めるようにしたダ
ブルVリブドベルトを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】即ち、本願は請求項1の
発明では、心線を埋設した接着ゴム層の上下両面にベル
ト長手方向に延びる複数のリブ部を有するダブルVリブ
ドベルトにおいて、上記心線を埋設した接着ゴム層とリ
ブ部との境界の少なくとも一方に亀裂伝播防止材を介在
させ、リブ部にエチレン−α−オレフィンエラストマー
の架橋物を用いたダブルVリブドベルトにあり、耐熱
性、耐寒性を向上させ高温雰囲気下及び低温雰囲気下で
の走行時におけるベルトの耐久性が向上し、更に亀裂伝
播防止材がリブ部間の底部から発生した微小な亀裂の伝
播と成長を抑制して、ベルトの耐久性に寄与する。
【0015】本願請求項2記載の発明は、亀裂伝播防止
材が織物、不織布から選ばれた少なくとも1種の層から
なるダブルVリブドベルトにある。
【0016】本願請求項3記載の発明は、リブ部が有機
過酸化物で架橋させたエチレン−α−オレフィンエラス
トマーの架橋物であるダブルVリブドベルトにある。
【0017】本願請求項4記載の発明は、ベルト外周面
に補強布を被覆していないダブルVリブドベルトにあ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】図1に示すダブルVリブドベルト
1は、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維を
素材とする高強度で低伸度のコードよりなる心線2を接
着ゴム層3中に埋設し、その上側と下側にそれぞれ弾性
体層である伸張ゴム層4と圧縮ゴム層5を有している。
この伸張ゴム層4と圧縮ゴム層5にはベルト長手方向に
伸びる断面略三角形の複数の上下リブ部7、8が設けら
れている。
【0019】伸張ゴム層4と圧縮ゴム層5に設けたリブ
部7、8のピッチは等間隔で、上下リブ部7、8の位置
も合致している。しかし、上下リブ部7、8のピッチは
等間隔でなくてもよく、また上下リブ部7、8の位置も
不一致であってもよい。また図示はしないが、必要に応
じてリブ部7、8に、所定間隔でベルト幅方向の溝(コ
グ部)を設け、ベルトの屈曲性をよくすることも可能で
ある。
【0020】上記心線2とリブ部7、8の間にあって心
線2に近接した位置に亀裂伝播防止材9が介在し、リブ
部7、8間の底部から発生した微小な亀裂の伝播と成長
を抑制し、ベルトの耐久性を向上させている。
【0021】亀裂伝播防止材9は織物、不織布などの層
であり、厚さ0.1〜1.0mmが好ましい。0.1m
m未満の場合には、亀裂の伝播が阻止できでも、長期に
これを維持することが困難になり、他方1.0mmを超
えるとベルトの可撓性が阻害される。
【0022】亀裂伝播防止材9が織物の場合には、綿、
ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、アラミド繊
維からなる糸を用いて、平織、綾織、朱子織等に製織し
た布を下記に示すようにレゾルシン−ホルマリン−ラテ
ックス(RFL液)処理した後、ゴム糊を擦り込ませた
ものである。また、不織布は綿、ポリアミド、ポリエチ
レンテレフタレート、アラミド繊維からなり、RFL処
理した後、ゴム糊を擦り込ませたものである。
【0023】前記上下リブ部7、8に使用されるエチレ
ン−α−オレフィンエラストマーとしては、その代表的
なものとしてエチレン−プロピレン−ジエンターポリマ
ー(EPDM)があり、これはエチレン−プロピレン−
ジエンモノマーよりなるゴムをいう。ジエンモノマーの
例としては、ジシクロペンタジエン、メチレンノルボル
ネン、エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエ
ン、シクロオクタジエンなどがあげられる。また、エチ
レン−プロピレン系ゴム(EPR)も使用可能である。
【0024】上記ゴムの架橋には、有機過酸化物が使用
され、例えばジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチル
パーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ベ
ンゾイルパーオキサイド、1,3−ビス(t−ブチルパ
ーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、
2,5−ジメチル−2,5−(ベンゾイルパーオキシ)
ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−モノ(t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキサン等を挙げることができる。この
有機過酸化物は、単独もしくは混合物として、通常エチ
レン−α−オレフィンエラストマー100gに対して
0.005〜0.02モルgの範囲で使用される。
【0025】また、架橋助剤(co−agent)を配
合することによって、架橋度を上げて粘着摩耗等の問題
を防止することができる。架橋助剤として挙げられるも
のとしては、TIAC、TAC、1,2ポリブタジエ
ン、不飽和カルボン酸の金属塩、オキシム類、グアニジ
ン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、N−N‘−m−フェ
ニレンビスマレイミド、硫黄など通常パーオキサイド架
橋に用いるものである。
【0026】そして、それ以外に必要に応じてカーボン
ブラック、シリカのような増強剤、炭酸カルシウム、タ
ルクのような充填剤、可塑剤、安定剤、加工助剤、着色
剤のような通常のゴム配合物に使用されるものが使用さ
れる。
【0027】また、上下リブ部7、8にナイロン6、ナ
イロン66、ポリエステル、綿、アラミドからなる短繊
維を混入して耐側圧性を向上させるとともに、プーリと
接する表面に該短繊維を突出させて摩擦係数を低下さ
せ、ベルト走行時の騒音を軽減することができる。これ
らの短繊維のうち、剛直で強度を有し、しかも耐摩耗性
を有するアラミド短繊維が最も効果がある。
【0028】一方、接着ゴム層3には耐熱性を有し、そ
して心線であるポリエステル繊維、芳香族ポリアミド繊
維、ガラス繊維等との接着を良好にするためにも、上記
エチレン−α−オレフィンエラストマーのゴム組成物を
使用する。そして、それ以外に必要に応じてカーボンブ
ラック、シリカのような増強剤、炭酸カルシウム、タル
クのような充填剤、可塑剤、安定剤、加工助剤、着色剤
のような通常のゴム配合に用いるものが使用される。ま
た、微小短繊維強化ゴムを添加することができる。
【0029】心線2にはゴムとの接着性を改善する目的
で接着処理が施される。このような接着処理としては繊
維をRFL液に浸漬後、加熱乾燥して表面に均一に接着
層を形成するのが一般的である。しかし、これに限るこ
となくエポキシ又はイソシアネート化合物で前処理を行
なった後に、RFL液で処理する方法等もある。
【0030】前記各成分を混合する方法としては特に制
限はなく、例えばバンバリーミキサー、ニーダー等を用
い、適宜公知の手段、方法によって混練することができ
る。
【0031】ダブルVリブドベルト1の製造方法の一例
は特許第2762238号に開示されているとおり、以
下の工程からなる。 (1)まず円筒状の成形ドラムの周面に圧縮ゴム層(ま
たは伸張ゴム層)、亀裂伝播防止材、接着ゴム層を順に
お巻き付けた後、この上にロープからなる心線を螺旋状
にスピニングし、更に上記の接着ゴム層、亀裂伝播防止
材、圧縮ゴム層(または伸張ゴム層)を順次巻きつけて
積層体を得た後、これを架橋したスリーブ10を得る。
【0032】(2)上記スリーブ10を駆動ロール11
と従動ロール12に所定の張力下で掛架して走行させ、
回転させた研磨ホイール13によって予めスリーブの一
方の面にリブ谷部14を研磨する。(図2参照)
【0033】(3)上記スリーブ10を反転し、複数の
溝部31と突起部32を幅方向に配置したカートリッジ
30を駆動ロール11に装着した後、上記駆動ロール1
1と従動ロール12に掛架し、スリーブの少なくとも一
つのリブ谷部14とリブ山部15をカートリッジ30に
設けた少なくとも一つの突起部32と溝部31にそれぞ
れ嵌合させる。(図3参照)
【0034】(4)上記スリーブ10を所定の張力下で
走行させ、更に回転させた研磨ホイール13をスリーブ
10に当接させて他の面にリブ谷部14を研磨し、架橋
スリーブ10の表面に3〜100個の複数の溝状部を一
度に研磨する。
【0035】(5)このようにして得られた架橋スリー
ブを駆動ロール11と従動ロール12から取り外し、該
架橋スリーブを他の駆動ロールと従動ロールに掛架して
走行させ、カッターによって所定の幅に切断して個々の
ダブルVリブドベルトに仕上げる。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。
【0037】本発明において用いたスリーブは、表1に
示すゴム組成物から調製し、バンバリーミキサーで混練
後、カレンダーロールで厚さ3mmに圧延した伸張ゴム
層、厚さ0.5mmに圧延した接着ゴム層、そして伸張
ゴム層と同じ厚さ3mmに圧延した圧縮ゴム層、また心
線としてポリエステル繊維からなるロープ、亀裂伝播防
止材として綿帆布をRFL処理し、これに表1に示す接
着ゴム配合をトルエンにて固形分濃度を10%に希釈し
たものに浸漬させ、80°Cのオーブンで十分に乾燥さ
せた後のゴム付着量が30重量%になるように調整した
綿帆布を素材に用いて作製した。この場合、上記亀裂伝
播防止材を接着ゴム層の上下の両位置に配置した。
【0038】尚、比較例では、接着ゴム層の上下側に綿
帆布の亀裂伝播防止材を使用しない構成にした。
【0039】上記スリーブを駆動ロールと従動ロールに
掛架され所定の張力下で走行させ、同時にダイヤモンド
を付着した研磨ホイールをスリーブと逆方向に1,80
0rpm回転させてスリーブに当接させながら、リブ谷
部とリブ山部を研磨した。
【0040】反転したスリーブを、筒状のカートリッジ
を装着した駆動ロールと従動ロールに掛架して該スリー
ブのリブ谷部とリブ山部をカートリッジの突起部と溝部
にそれぞれ嵌合させた後に、前述と同様の方法で他の表
面を研磨しリブ谷部を得た。このスリーブを駆動ロール
と従動ロールから取り除いて、他の切断用のロールに掛
架して、3個のリブをもつダブルVリブベルトに切断し
た。
【0041】得られたダブルVリブドベルトはRMA規
格による長さ975mmのK型3リブドベルトであり、
上下のリブピッチ3.56mm、リブ高さ2.0mm、
ベルト厚さ6.3mm、上下のリブ角度40°であっ
た。
【0042】
【表1】
【0043】このようにして得られたダブルVリブドベ
ルトの耐熱走行試験と耐寒走行試験を行った。この結果
は表2に示される。
【0044】耐熱走行試験の評価に用いた走行試験機
は、駆動プーリ(直径120mm)、従動プーリ(直径
120mm)、これにアイドラープーリ(直径70m
m)とテンションプーリ(直径45mm)とを組み合わ
せて配置したものである。試験機の各プーリにベルトを
掛架し、雰囲気温度120℃、駆動プーリの回転数49
00rpm、従動プーリの負荷12馬力とし、テンショ
ンプーリに57kgfの初張力をかけて走行させた。
【0045】また、アイドラープーリはダブルVリブド
ベルト1の背面で係合し、その巻き付き角度は約90度
である。この走行試験方法によって、ベルトのリブ部に
亀裂が発生するまでの時間を測定し、耐熱性能を比較し
た。
【0046】
【表2】
【0047】表2の結果から明らかなように、リブ部と
してエチレン−プロピレンゴムのゴム組成物を用い、接
着ゴム層とリブ部との境界に亀裂伝播防止材を介在させ
た本実施例のベルトは、比較例のベルトに比べ高温雰囲
気下でのベルト寿命が向上し、優れた耐熱性を備えてい
ることが判る。
【0048】
【発明の効果】以上のように本願の各請求項記載の発明
によれば、接着ゴム層とリブ部との境界に亀裂伝播防止
材を介在させ、リブ部にエチレン−α−オレフィンエラ
ストマーの架橋物を用いたダブルVリブドベルトにあ
り、耐熱性、耐寒性に優れてベルトの耐久性が向上し、
更に亀裂伝播防止材がリブ部先端で発生した微小な亀裂
の伝播と成長を抑制し、亀裂が入った状態でユーザーの
始業点検や車検時にベルト寿命として取り替えることが
できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るダブルVリブドベルトの縦断面図
である。
【図2】スリーブの一方の面を研磨している状態を示す
正面図である。
【図3】スリーブの他の面を研磨している状態における
駆動ロールの断面図を示す。
【符号の説明】
1 ダブルVリブドベルト 2 心線 3 接着ゴム層 4 伸張ゴム層 5 圧縮ゴム層 7 上リブ部 8 下リブ部 9 亀裂伝播防止材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 心線を埋設した接着ゴム層の上下両面に
    ベルト長手方向に延びる複数のリブ部を有するダブルV
    リブドベルトにおいて、上記心線を埋設した接着ゴム層
    とリブ部との境界の少なくとも一方に亀裂伝播防止材を
    介在させ、リブ部にエチレン−α−オレフィンエラスト
    マーの架橋物を用いたことを特徴とするダブルVリブド
    ベルト。
  2. 【請求項2】 亀裂伝播防止材が織物もしくは不織布か
    らなる請求項1記載のダブルVリブドベルト。
  3. 【請求項3】 リブ部が有機過酸化物で架橋させたエチ
    レン−α−オレフィンエラストマーの架橋物である請求
    項1記載のダブルVリブドベルト。
  4. 【請求項4】 ベルト外周面に補強布を被覆していない
    請求項1記載のダブルVリブドベルト。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103890449A (zh) * 2011-11-07 2014-06-25 阪东化学株式会社 双面动力传递用切边v形带

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103890449A (zh) * 2011-11-07 2014-06-25 阪东化学株式会社 双面动力传递用切边v形带

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