JP2001187942A - Vリブドベルト - Google Patents

Vリブドベルト

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JP2001187942A
JP2001187942A JP37298599A JP37298599A JP2001187942A JP 2001187942 A JP2001187942 A JP 2001187942A JP 37298599 A JP37298599 A JP 37298599A JP 37298599 A JP37298599 A JP 37298599A JP 2001187942 A JP2001187942 A JP 2001187942A
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belt
rubber
ethylene
ribbed belt
rib
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Toshimichi Takada
俊通 高田
Kazutoshi Ishida
和利 石田
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、耐寒性を向上させ高温雰囲気下及び
低温雰囲気下での走行時におけるベルトの耐久性を向上
せしめ、またリブの先端部から発生した亀裂の伝播を食
止めるようにしたVリブドベルトを提供することを目的
とする。 【解決手段】 表面にカバー帆布4を積層し、ゴム中に
ベルト長手方向に沿って心線2を埋設し、ベルトの周方
向に延びる複数のリブ部7を配したVリブドベルト1で
あり、リブ部7がエチレン−α−オレフィンエラストマ
ーの架橋物であり、上記心線2とリブ部7の間にあって
心線2に近い位置に亀裂伝播防止材9を介在させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はVリブドベルトに係
り、詳しくは高温雰囲気下及び低温雰囲気下でのベルト
走行寿命が向上し、また耐候性にも優れ、更にはリブ部
で発生した亀裂が心線へ伝播するのを食い止めて、早期
のベルト破損を阻止したVリブドベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、省エネルギー化、コンパクト化の
社会的要請を背景に、自動車のエンジンルーム周辺の雰
囲気温度は従来に比べて上昇してきている。これにとも
ない動力伝動用ベルトの使用環境温度も高くなってき
た。従来、動力伝動用ベルトは主として天然ゴム、スチ
レン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴムが使用されて
きたが、高温雰囲気下では、硬化した圧縮ゴム層で早期
にクラックを生じるという問題が発生した。
【0003】このようなベルトの早期破壊現象に対し、
クロロプレンゴムの耐熱性の改善が検討され、ある程度
の改良が行なわれてきたもののクロロプレンゴムを使用
している限り限界があり、現在のところ十分な効果を得
るには至っていない。
【0004】このため、耐熱性に優れるクロロスルフォ
ン化ポリエチレンゴム、水素化ニトリルゴム、フッ素ゴ
ム等のように主鎖が高度に飽和され、又は完全に飽和さ
れているゴムの使用が検討されている。このうち、一般
にクロロスルフォン化ポリエチレンは動的疲労性、耐摩
耗性、耐油性においてはクロロプレンゴムと同等である
が、耐水性においては加硫系、特に受酸剤の影響が大き
いことが知られている。通常、クロロスルフォン化ポリ
エチレンの受酸剤としてはMgO、PbO等の酸化物が
使用されていた。
【0005】しかし、PbO、Pb34等の鉛化合物の
受酸剤を使用すれば、耐水性の良好なベルトが得られる
が、公害、衛生上の問題から鉛化合物の使用は好ましく
ない。又、MgOを受酸剤として使用した場合には、架
橋反応中に生成するMgCl 2により耐水性は著しく損
なわれ、ベルトへの適応は不適当であった。一方、金属
酸化物以外の受酸剤としてエポキシ系の受酸剤を使用す
れば、耐水性の良好な組成物を得ることは可能である
が、臭気が生じて人体に不快感を与える問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この動力伝動
用ベルトは、クロロプレンゴムを用いたベルトに比べる
と高温雰囲気下でのベルト走行寿命が大きく向上し優れ
た耐熱性を有しているが、−30℃以下の低温雰囲気下
でのベルト走行寿命が著しく劣ることが明らかになっ
た。この理由として、従来のクロロスルフォン化ポリエ
チレンゴムは、ポリエチレンをクロロスルフォン化した
もので、塩素を含有しているため低温下では塩素の凝集
エネルギーが大きくなって低温領域でゴムの硬化が起こ
ってゴム弾性を欠き、割れ易くなるためと推定される。
【0007】これに対して、エチレン−プロピレン系ゴ
ム(EPR)あるいはエチレン−プロピレン−ジエン系
ゴム(EPDM)等のエチレン−α−オレフィンエラス
トマーは、優れた耐熱性、耐寒性を有し、比較的に安価
なポリマーであるが、耐油性を有していないため、油が
かかる用途には積極的に使用されていない。Vリブドベ
ルトのような乾式の摩擦伝動では多量の油がかかるとス
リップし、伝達機能が損なわれることより従来からあま
り使用されていなかったが、最近では例えば特開平6−
345948号公報に開示されているように、検討され
つつある。
【0008】しかしながら、エチレン−プロピレン系ゴ
ムは引き裂き力が低く、パーオキサイド架橋系を用いる
と、更に引き裂き力が低下して、走行時に心線がポップ
アウトしやすいという問題があった。一方、硫黄架橋系
を用いたものは、加硫度を十分に上げるのが困難である
ため、走行時に摩耗が多くなり、特にVリブドベルトで
は、摩耗紛がリブ部間の底部で蓄積され粘着摩耗を起こ
しやすく、これが発音を引き起こす大きな問題になって
いた。また、加硫度を上げるために、分子内の二重結合
量の極めて多いEPDMを用いると、粘着摩耗はある程
度改善できるが、耐熱性が低下するという不具合が発生
した。
【0009】また、EPDMを用いたVリブドベルトの
場合、リブの先端部から亀裂が入りやすく、この位置で
発生した亀裂は心線まで一気に伝播し、そして最後には
個々のリブ部が分離してベルト切断に至る不具合があっ
た。従って、亀裂が入った状態でユーザーの始業点検や
車検時にベルト寿命として取り替えることができず、車
の走行中にベルトが切れてしまうと言った不具合があっ
た。
【0010】本発明はこのような問題に対処するもので
あり、耐熱性、耐寒性を向上させ高温雰囲気下及び低温
雰囲気下での走行時におけるベルトの耐久性を向上せし
め、またリブの先端部から発生した亀裂の伝播を食止め
るようにしたVリブドベルトを提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち、本願の請求項1の
発明では、表面にカバー帆布を積層し、ゴム中にベルト
長手方向に沿って心線を埋設し、ベルトの周方向に延び
る複数のリブ部を配したVリブドベルトにおいて、リブ
部がエチレン−α−オレフィンエラストマーの架橋物で
あり、上記心線とリブ部の間にあって心線に近い位置に
亀裂伝播防止材を介在させたVリブドベルトにあり、リ
ブ部がエチレン−αオレフィンエラストマーの架橋物で
あるため、耐熱性、耐寒性を向上させ高温雰囲気下及び
低温雰囲気下での走行時におけるベルトの耐久性が向上
し、更に亀裂伝播防止材がリブ部間の底部から発生した
微小な亀裂の伝播と成長を抑制し、より一層ベルトの耐
久性が向上する。
【0012】本願の請求項2の発明では、亀裂伝播防止
材が織物、不織布から選ばれた少なくとも1種の層から
なるVリブドベルトにある。
【0013】本願の請求項3の発明では、リブ部が有機
過酸化物で架橋させたエチレン−α−オレフィンエラス
トマーの架橋物であるVリブドベルトにある。
【0014】本願の請求項4の発明では、請求項3記載
のVリブドベルトにおいて、リブ部にはエチレン−α−
オレフィンエラストマー100重量部に対して硫黄を
0.01〜1.0重量部添加している。
【0015】本願の請求項5の発明では、リブ部が硫黄
架橋させたエチレン−α−オレフィンエラストマーの加
硫物であるVリブドベルトにある。
【0016】
【発明の実施の形態】図1に示すVリブドベルト1は、
ポリエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維を素材と
する高強度で低伸度のコードよりなる心線2を接着ゴム
3中に埋設し、その下側に弾性体層である圧縮ゴム層4
を有している。この圧縮ゴム層4にはベルト長手方向に
のびる断面略三角形の複数のリブ部7が設けられ、また
ベルト表面には付着したカバー帆布5が設けられてい
る。
【0017】上記心線2とリブ部7の間にあって心線2
に近接した位置に亀裂伝播防止材9が介在し、リブ部7
間の底部から発生した微小な亀裂の伝播と成長を抑制
し、ベルトの耐久性を向上させている。
【0018】亀裂伝播防止材9は織物、不織布などの層
であり、厚さ0.1〜1.0mmが好ましい。0.1m
m未満の場合には、亀裂の伝播が阻止できでも、長期に
これを維持することが困難になり、他方1.0mmを超
えるとベルトの可撓性が阻害され、発熱によるベルト破
損が起こりやすくなる。
【0019】亀裂伝播防止材9が織物の場合には、綿、
ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、アラミド繊
維からなる糸を用いて、平織、綾織、朱子織等に製織し
た布を下記に示すようにRFL処理した後、ゴム糊を擦
り込ませたものである。不織布の場合には、綿、ポリア
ミド、ポリエチレンテレフタレート、アラミド繊維から
なり、RFL処理した後、ゴム糊を擦り込ませたもので
ある。
【0020】前記リブ部7に使用されるエチレン−α−
オレフィンエラストマーは、エチレン−プロピレンゴム
(EPR)やエチレン−プロピレン−ジエンモノマー
(EPDM)からなるゴムをいう。ジエンモノマーの例
としては、ジシクロペンタジエン、メチレンノルボルネ
ン、エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、
シクロオクタジエンなどがあげられる。
【0021】上記リブ部7には、エチレン−α−オレフ
ィンエラストマーの加硫剤としてパーオキサイドを添加
する。また、共架橋剤(co−agent)としTIA
C、TAC、1,2ポリブタジエン、不飽和カルボン酸
の金属塩、オキシム類、グアニジン、トリメチロールプ
ロパントリメタクリレート、エチレングリコールジメタ
クリレート、N−N’−m−フェニレンビスマレイミ
ド、硫黄など通常パーオキサイド架橋に用いるものであ
る。
【0022】この中でもN,N’−m−フェニレンジマ
レイミドが好ましく、これを添加することによって架橋
度を上げて粘着摩耗等を防止することができる。N,
N’−m−フェニレンジマレイミドの添加量はエチレン
−α−オレフィンエラストマー100重量部に対して
0.2〜10重量部であり、0.2重量部未満の場合に
は、架橋密度が小さくなり耐摩耗性、耐粘着摩耗性の改
善効果が小さく、一方10重量部を越えると加硫ゴムの
伸びの低下が著しく、耐屈曲性に問題が生じる。更に、
上記圧縮ゴム層4、26には、硫黄をエチレン−α−オ
レフィンエラストマー100重量部に対して0.01〜
1重量部添加することにより、加硫ゴムの伸びの低下を
制御することができる。1重量部を越えると、架橋度が
期待できる程に向上しないため、加硫ゴムの未耐摩耗
性、耐粘着摩耗性も向上しなくなる。
【0023】上記有機過酸化物としては、通常、ゴム、
樹脂の架橋に使用されているジアシルパーオキサイド、
パーオキシエステル、ジアリルパーオキサイド、ジ−t
−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサ
イド、ジクミルパーオキサイド、2・5−ジメチル−2
・5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン−3,1
・3−ビス(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベ
ンゼン、1・1−ジ−ブチルパーオキシ−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン等があり、熱分解による1分
間の半減期が150〜250°Cのものが好ましい。
【0024】その添加量はエチレン−α−オレフィンエ
ラストマー100重量部に対して約1〜8重量部であ
り、好ましくは1.5〜4重量部である。
【0025】リブ部7には、ナイロン6、ナイロン6
6、ポリエステル、綿、アラミドからなる短繊維を混入
して耐側圧性を向上させるとともに、プーリと接する面
になるリブ部7の表面をグラインダーによって研磨加工
して該短繊維を突出させることができる。このようなリ
ブ部7は表面の摩擦係数が低下して、ベルト走行時の騒
音を軽減する。上記の短繊維のうち、剛直で強度を有
し、しかも耐磨耗性を有するアラミド短繊維が最も効果
がある。
【0026】上記アラミド短繊維が前述の効果を充分に
発揮するためには、アラミド繊維の繊維長さは1〜20
mmで、その添加量はエチレン−α−オレフィンエラス
トマー100重量部に対して1〜30重量部である。こ
のアラミド繊維は分子構造中に芳香環をもつアラミド、
例えば商品名コーネックス、ノーネックス、ケブラー、
テクノーラ、トワロン等である。
【0027】リブ部7には、必要に応じてカーボンブラ
ック、シリカなどの補強剤、クレー、炭酸カルシウムな
どの充填剤、軟化剤、加工助剤、老化防止剤、TAIC
などの共架橋剤などの各種薬剤を添加してもよい。
【0028】また、リブ部7には、エチレン−α−オレ
フィンエラストマーとともにニトリルゴム、水素化ニト
リルゴム、水素化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属
塩を添加したもの、クロロスルフォン化ポリエチレン、
クロロプレン、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴ
ム、天然ゴム、CSM、ACSM、SBRが使用され
る。
【0029】水素化ニトリルゴムは水素添加率80%以
上で、耐熱性及び耐オゾン性の特性を発揮するために、
好ましくは90%以上が良い。水素添加率80%未満の
水素化ニトリルゴムは、耐熱性及び耐オゾン性は極度に
低下する。耐油性及び耐寒性を考慮すると、結合アクリ
ロニトリル量は20〜45%の範囲が好ましい。
【0030】クロロスルフォン化ポリエチレンは塩素含
有量15〜35重量%、好ましくは25〜32重量%
で、かつ硫黄含有量が0.5〜2.5重量%の範囲にな
るようにクロロスルフォン化した直鎖状低密度ポリエチ
レンである。
【0031】接着ゴム層3にもリブ部7と同様のエチレ
ン−α−オレフィンエラストマー組成物が使用される。
しかし、心線であるポリエステル繊維、アラミド繊維、
ガラス繊維等と良好に接着するために、パーオキサイド
を含まない硫黄加硫によるエチレン−α−オレフィンエ
ラストマー組成物や、クロロスルフォン化ポリエチレン
組成物もしくは水素化ニトリルゴム組成物、またはエチ
レン−α−オレフィンエラストマーと他のポリマーとの
ブレンド物を使用することもできる。しかし、特に接着
ゴム層3を設ける必要はなく、心線2を亀裂伝播防止材
9のゴム層に直接に接触させることもできる。
【0032】この心線2にはポリエチレンテレフタレー
ト繊維、エチレン−2,6−ナフタレートを主たる構成
単位とするポリエステル繊維、ポリアミド繊維からなる
ロープが使用され、ゴムとの接着性を改善する目的で接
着処理が施される。このような接着処理としては繊維を
レゾルシン−ホルマリン−ラテックス液(RFL液)に
浸漬後、加熱乾燥して表面に均一に接着層を形成するの
が一般的である。しかし、これに限ることなくエポキシ
又はイソシアネート化合物で前処理を行なった後に、R
FL液で処理する方法等もある。
【0033】本発明で使用するエチレン−2,6−ナフ
タレートは、通常ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ま
たはそのエステル形成性誘導体を触媒の存在下に適当な
条件のもとにエチレングリコールと縮重合させることに
よって合成させる。このとき、エチレン−2,6−ナフ
タレートの重合完結前に適当な1種または2種以上の第
3成分を添加すれば、共重合体ポリエステルが合成され
る。
【0034】上記心線の接着処理は、まず(1)未処理
コードをエポキシ化合物やイソシアネート化合物から選
ばれた処理液を入れたタンクに含浸してプレディップし
た後、(2)160〜200°Cに温度設定した乾燥炉
に30〜600秒間通して乾燥し、(3)続いてRFL
液からなる接着液を入れたタンクに浸漬し、(4)21
0〜260°Cに温度設定した延伸熱固定処理機に30
〜600秒間通して−1〜3%延伸して延伸処理コード
とする。
【0035】RFL液はレゾルシンとホルマリンとの初
期縮合体をラテックスに混合したものであり、ここで使
用するラテックスとしてはクロロプレン、スチレン・ブ
タジエン・ビニルピリジン三元共重合体、水素化ニトリ
ル、NBR等である。
【0036】カバー帆布5は綿、ポリアミド、ポリエチ
レンテレフタレート、アラミド繊維からなる糸を用い
て、平織、綾織、朱子織等に製織した布を用意する。そ
の後、該布をRFL処理にて接着処理する。RFL処理
はRFL液に0.1〜20秒間浸漬した後、100〜2
00℃で30〜600秒にて乾燥させる。無論、これに
ゴム糊を付着してもよい。
【0037】ここで使用するRFL液はレゾルシンとホ
ルマリンの初期縮合物とゴムラテックスとを混合したも
のであり、この場合レゾルシンとホルマリンのモル比は
1:0.5〜3にすることが接着力を高める上で好適で
ある。また、レゾルシンとホルマリンの初期縮合物は、
これをラテックスのゴム分100重量部に対してその樹
脂分が10〜100重量部になるようにラテックスと混
合した上、全固形分濃度が5〜40%濃度になるように
調節される。
【0038】尚、RFL液には適宜カーボンブラック液
を混合して処理反を黒染めする場合もある。綿織物の場
合には、RFL液に公知の界面活性剤を0.1〜1.0
重量%加えるとよい。
【0039】上記ラテックスはスチレン−ブタジエン−
ビニルピリジン三元共重合体、クロロスルフォン化ポリ
エチレン、水素化ニトリルゴム、エピクロルヒドリン、
天然ゴム、SBR、クロロプレンゴム、オレフィン−ビ
ニルエステル共重合体等のラテックスである。
【0040】カバー帆布5は幅端を突き合わせ、長手方
向に沿って、例えば綿糸、ナイロン、ビニロン、ポリエ
ステル等のモノフィラメント、マルチフィラメントを用
いたオーバーロックなどのミシンがけ縫製により1つの
ジョイント部を有する筒状帆布にしたものを使用する。
【0041】Vリブドベルト1の製造方法の一例は以下
の通りである。まず、円筒状の成形ドラムの周面に1〜
複数枚のカバー帆布とクッションゴム層とを巻き付けた
後、この上にロープからなる心線を螺旋状にスピニング
して亀裂伝播防止材を巻き付け、更に圧縮ゴム層を順次
巻き付けて積層体を得た後、これを加硫して加硫スリー
ブを得る。
【0042】次に、加硫スリーブを駆動ロールと従動ロ
ールに掛架され所定の張力下で走行させ、更に回転させ
た研削ホイールを走行中の加硫スリーブに当接するよう
に移動して加硫スリーブの圧縮ゴム層表面に3〜100
個の複数の溝状部を一度に研削する。
【0043】このようにして得られた加硫スリーブを駆
動ロールと従動ロールから取り外し、該加硫スリーブを
他の駆動ロールと従動ロールに掛架して走行させ、カッ
ターによって所定に幅に切断して個々のVリブドベルト
に仕上げる。
【0044】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。
【0045】実施例1、比較例1 ポリエステル繊維のロープからなる心線を接着ゴム層内
に埋設し、その上側にRFL液(スチレン−ブタジエン
−ビニルピリジン三元共重合体100重量部、レゾルシ
ン14.6重量部、ホルマリン9.2重量部、苛性ソー
ダ1.5重量部、水262.5重量部)のみで処理した
綿帆布を1プライ積層し、他方接着ゴム層の下側には上
記と同様の綿帆布をRFL処理し、これに表2に示す接
着ゴム配合をトルエンにて固形分濃度を10%に希釈し
たものに浸漬させ、80°Cのオーブンで十分に乾燥さ
せた後のゴム付着量が30重量%になるように調整した
綿帆布を1プライとした亀裂伝播防止材と圧縮ゴム層が
あって3個のリブをベルト長手方向に有するVリブドベ
ルトを作製した。得られたVリブドベルトはRMA規格
による長さ975mmのK型3リブドベルトであり、リ
ブピッチ3.56mm、リブ高さ2.0mm、ベルト厚
さ4.3mm、リブ角度40°であった。
【0046】ここで圧縮ゴム層を表1に示すゴム組成物
から調製し、バンバリーミキサーで混練後、カレンダー
ロールで圧延したものを用いた。圧縮ゴム層には短繊維
が含まれベルト幅方向に配向している。
【0047】また、接着ゴム層として表2に示すゴム組
成物を使用した。
【0048】尚、比較例では、接着ゴム層の下側に綿帆
布の亀裂伝播防止材を使用していない構成にした。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】このようにして得られたVリブドベルトの
耐熱走行試験を行った。その結果を表1に併記する。
【0052】耐熱走行試験の評価に用いた走行試験機
は、駆動プーリ(直径120mm)、従動プーリ(直径
120mm)、これにアイドラープーリ(直径45m
m)とテンションプーリ(直径70mm)とを組み合わ
せて配置したものである。試験機の各プーリにベルトを
掛架し、雰囲気温度120℃、駆動プーリの回転数49
00rpm、従動プーリの負荷12馬力とし、テンショ
ンプーリに57kgfの初張力をかけて走行させた。ま
た、アイドラープーリはVリブドベルトの背面で係合
し、その巻き付き角度は約120度である。この走行試
験方法によって、ベルトのリブ部に亀裂が発生するまで
の時間を測定し、耐熱性能を比較した。
【0053】表1の走行試験の結果から明らかなよう
に、リブ部としてエチレン−プロピレンゴムのゴム組成
物を用い、ベルト背面にRFL処理のみで処理したカバ
ー帆布を用いた本実施例のベルトは、従来のベルトに比
べ高温雰囲気下でベルト寿命が向上し、優れた耐熱性を
備えていることが判る。また、ベルト故障原因も実施例
の場合には、リブ部の亀裂であったが、比較例の場合に
はベルト切断であった。
【0054】
【発明の効果】以上のように本願の請求項の発明では、
表面にカバー帆布を積層し、ゴム中にベルト長手方向に
沿って心線を埋設し、ベルトの周方向に延びる複数のリ
ブ部を配したVリブドベルトにおいて、リブ部がエチレ
ン−α−オレフィンエラストマーの架橋物であり、上記
心線とリブ部の間にあって心線に近い位置に亀裂伝播防
止材を介在させたものであり、リブ部がエチレン−αオ
レフィンエラストマーの架橋物であるため、高温雰囲気
下での走行時におけるベルトの耐久性が向上し、更に亀
裂伝播防止材がリブ部先端で発生した微小な亀裂の伝播
と成長を抑制し、亀裂が入った状態でユーザーの始業点
検や車検時にベルト寿命として取り替えることができる
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るVリブドベルトの縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 Vリブドベルト 2 心線 3 接着ゴム層 4 圧縮ゴム層 5 カバー帆布 7 リブ部 9 亀裂伝播防止材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面にカバー帆布を積層し、ゴム中にベ
    ルト長手方向に沿って心線を埋設し、ベルトの周方向に
    延びる複数のリブ部を配したVリブドベルトにおいて、
    リブ部がエチレン−α−オレフィンエラストマーの架橋
    物であり、上記心線とリブ部の間にあって心線に近い位
    置に亀裂伝播防止材を介在させたことを特徴とするVリ
    ブドベルト。
  2. 【請求項2】 亀裂伝播防止材が織物、不織布から選ば
    れた少なくとも1種の層からなる請求項1記載のVリブ
    ドベルト。
  3. 【請求項3】 リブ部が有機過酸化物で架橋させたエチ
    レン−α−オレフィンエラストマーの架橋物である請求
    項1記載のVリブドベルト。
  4. 【請求項4】 リブ部には、エチレン−α−オレフィン
    エラストマー100重量部に対して硫黄を0.01〜
    1.0重量部添加した請求項3記載のVリブドベルト。
  5. 【請求項5】 リブ部が硫黄架橋させたエチレン−α−
    オレフィンエラストマーの加硫物である請求項1記載の
    Vリブドベルト。
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