JP2001187762A - 高純度芳香族酸クロライドの製造方法 - Google Patents

高純度芳香族酸クロライドの製造方法

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aromatic acid
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幸基 小林
Takeshi Kato
毅 加藤
Hiroshi Aito
広 合戸
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高純度の芳香族酸クロライドを高収率で工業
的に有利に製造することができる高純度芳香族酸クロラ
イドの製造方法を提供する。 【解決手段】 芳香族側鎖トリクロロメチル基をルイス
酸触媒の存在下に加水分解して芳香族酸クロライドを製
造するに際し、加水分解反応終了後に、反応混合物を単
蒸留して脱触媒を行い、次いで得られた留出物を精密蒸
留して分離精製する高純度芳香族酸クロライドの製造方
法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、医農薬の中間体
としてあるいは機能性高分子の製造原料として有用な高
純度の芳香族酸クロライドを製造する方法に係り、特に
芳香族ポリイミドや芳香族ポリエステル等の機能性高分
子を製造する上で不可欠な高純度の2-クロロテレフタル
酸クロライドを工業的に有利に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高純度の芳香族酸クロライドを製造する
方法として、従来より幾つかの方法が提案されている。
【0003】例えば、特開昭61-155,350号公報には、パ
ラクロロベンゾトリクロライドとラウリン酸とを塩化鉄
触媒の存在下に反応させて加水分解し、得られた反応混
合物中に蒸留安定剤としてトリフェニルホスフィンを添
加して蒸留精製し、純度99.5%のパラクロロ安息香
酸クロライドと純度99.6%のラウリン酸クロライド
とを製造し、この際にラウリン酸クロライドの分解が蒸
留安定剤未添加の場合に比べて収率で約18%程度抑制
されることが記載されている。
【0004】しかしながら、この蒸留安定剤を用いる方
法では、蒸留安定剤それ自体あるいはその分解物が目的
物である芳香族酸クロライドの微量不純物となり、純度
99.9%以上の高純度の芳香族酸クロライドを製造す
ることは困難である。また、トリフェニルホスフィンの
ような蒸留安定剤の使用は、通常、蒸留安定剤の使用量
が触媒に対して等モル以上であり、しかも、蒸留安定剤
が高価であって回収もできないことから、製造コストが
高くなるという問題もある。
【0005】また、特開昭51-127,032号公報には、ビス
トリクロロメチルベンゼンと対応する芳香族ジカルボン
酸とを塩化鉄触媒の存在下に反応させて加水分解し、得
られた反応混合物を単蒸留した後、得られた留出分をn-
ヘキサンによる再結晶法で精製して芳香族ジカルボン酸
ジクロライドを製造することが記載されている。
【0006】しかしながら、この再結晶法による方法で
は、一般に晶析溶媒として有機溶剤を用いるため、この
有機溶剤あるいはその分解物が目的物である芳香族酸ク
ロライドの微量不純物となり、この場合も高純度の芳香
族酸クロライドを製造する方法としては好ましくなく、
また、有機溶剤への溶解分が収率ロスとなって製造コス
トが嵩み経済的でないという問題もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、医農薬中間
体としてあるいは機能性高分子の製造原料として用いら
れる芳香族酸クロライドについては、近年、その高純度
化の要請が高まり、特に電子電気材料として応用される
機能性高分子の製造原料の場合には、芳香族酸クロライ
ド中に残存する微量不純物が製品性能に顕著に影響する
ことから、少なくとも純度99.9%以上の高純度化が
要求されている。
【0008】そこで、本発明者らは、高純度の芳香族酸
クロライドを容易にしかも高収率で製造し得る方法につ
いて鋭意検討した結果、芳香族側鎖トリクロロメチル基
をルイス酸触媒の存在下に加水分解し、得られた反応混
合物を単蒸留して脱触媒を行い、次いで得られた留出分
を精密蒸留により精製することにより、高純度の芳香族
酸クロライドを高収率で工業的に有利に製造し得ること
を見出し、本発明を完成した。
【0009】従って、本発明の目的は、高純度の芳香族
酸クロライドを高収率で工業的に有利に製造することが
できる高純度芳香族酸クロライドの製造方法を提供する
ことにある。
【0010】また、本発明は、芳香族ポリイミドや芳香
族ポリエステル等の機能性高分子を製造する上で不可欠
な高純度の2-クロロテレフタル酸クロライドを工業的に
有利に製造することができる高純度2-クロロテレフタル
酸クロライドの製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、芳
香族側鎖トリクロロメチル基をルイス酸触媒の存在下に
加水分解して芳香族酸クロライドを製造するに際し、加
水分解反応終了後に、反応混合物を単蒸留して脱触媒を
行い、次いで得られた留出物を精密蒸留して分離精製す
る、高純度芳香族酸クロライドの製造方法である。
【0012】また、本発明は、下記一般式(1)
【化3】 (但し、式中、R1 は水素原子、炭素数4以下のアルキ
ル基、又は−CCl3 であり、X1 及びX2 は水素原子
又は塩素原子であって互いに同じであっても異なってい
てもよい)で表される芳香族化合物をルイス酸触媒の存
在下に加水分解し、下記一般式(2)
【0013】
【化4】 〔但し、式中、R2 は水素原子、炭素数4以下のアルキ
ル基、又は−COCl であり、X1 及びX2 は一般式
(1)の場合と同じである〕で表される芳香族酸クロラ
イドを製造するに際し、加水分解反応終了後に、反応混
合物を単蒸留して脱触媒を行い、次いで得られた留出物
を精密蒸留して分離精製する、高純度芳香族酸クロライ
ドの製造方法である。
【0014】また、本発明は、2-クロロ−1,4-ビストリ
クロロメチルベンゼンを塩化第二鉄の存在下に加水分解
して2-クロロテレフタル酸クロライドを製造するに際
し、加水分解反応終了後に、反応混合物を単蒸留して脱
触媒を行い、次いで得られた留出物を精密蒸留して分離
精製する、高純度2-クロロテレフタル酸クロライドの製
造方法である。
【0015】本発明の加水分解反応に用いられる芳香族
化合物は、少なくとも1個又は2個以上の側鎖トリクロ
ロメチル基を有する化合物であり、好ましくは上記一般
式(1)で表される芳香族化合物である。このような芳
香族化合物の具体例としては、例えば、3-クロロ−2-メ
チルベンゾトリクロライド、3-クロロ−3-メチルベンゾ
トリクロライド、3-クロロ−4-メチルベンゾトリクロラ
イド、3-クロロ−5-メチルベンゾトリクロライド、3,5-
ジクロロ−4-メチルベンゾトリクロライド、2,5-ジクロ
ロ−4-メチルベンゾトリクロライド、2,5-ジクロロ−3-
メチルベンゾトリクロライド、3,5-ジクロロ−2-メチル
ベンゾトリクロライド、3,6-ジクロロ−2-メチルベンゾ
トリクロライド、1,4-ビストリクロロメチルベンゼン、
1,3-ビストリクロロメチルベンゼン、1,2-ビストリクロ
ロメチルベンゼン、2-クロロ−1,4-ビストリクロロメチ
ルベンゼン、5-クロロ−1,3-ビストリクロロメチルベン
ゼン、4-クロロ−1,2-ビストリクロロメチルベンゼン、
2,5-ジクロロ−1,4-ビストリクロロメチルベンゼン、2,
5-ジクロロ−1,3-ビストリクロロメチルベンゼン、4,5-
ジクロロ−1,2-ビストリクロロメチルベンゼン等が挙げ
られる。
【0016】また、本発明方法で用いるルイス酸触媒と
しては、具体的には、塩化アルミニウム、塩化第二鉄(F
eCl3) 、塩化亜鉛、塩化アンチモン、四塩化チタン、四
塩化錫等を例示することができる。これらのルイス酸触
媒のうち工業的に特に好ましいのは、触媒能力及び経済
性の観点から、塩化第二鉄である。
【0017】更に、本発明の加水分解反応において、そ
の酸素源として用いられる反応剤としては、水が一般的
であるが、例えば安息香酸、芳香族ジカルボン酸、及び
これらの誘導体から選ばれた1種又は2種以上の芳香族
有機酸類を用いてもよい。そして、本発明でこのような
芳香族有機酸類を用いる場合には、この芳香族有機酸類
由来の副生物が精密蒸留により製造目的の芳香族酸クロ
ライドと容易に分離可能であるような芳香族有機酸類を
選択するのが望ましい。
【0018】本発明方法において、加水分解反応の反応
混合物中から使用した触媒を除去するために行われる単
蒸留は、蒸留時に還流をとらずに全留出で短時間に留出
分を回収する蒸留であり、蒸留方式としては、回分式で
あっても、連続式であってもよく、また、常圧条件であ
っても、減圧条件であってもよい。この単蒸留において
は、主として加水分解反応で用いたルイス酸触媒が釜残
として残留し、主として加水分解反応で生成した反応生
成物が留出物として回収される。
【0019】この単蒸留の際の蒸留条件については、加
水分解反応で生成した反応生成物の沸点等の物性を考慮
して適宜設定できるものであり、例えば2-クロロ−1,4-
ビストリクロロメチルベンゼンを塩化第二鉄の存在下に
加水分解して2-クロロテレフタル酸クロライドを製造す
る場合には、蒸留圧力1〜10mmHgの減圧下に蒸留温度
120〜135℃の条件で実施するのが好ましい。ま
た、この単蒸留の際に蒸留系に水分が混入すると、芳香
族酸クロライドが加水分解されて対応する芳香族酸を生
成し、この芳香族酸と芳香族酸クロライドとが反応して
対応する芳香族酸無水物を生成し、結果として収率の低
下を招くことになるので、蒸留系に水分が混入するのを
防止するために、蒸留塔内を窒素パージすることも有効
である。
【0020】また、この単蒸留で得られた留出物につい
ては、引き続いて精密蒸留を行い、目的物である芳香族
酸クロライドを分離し精製する。この精密蒸留において
は、蒸留時に留出物の一部を所定の還流比で蒸留塔内に
還流せしめ、これによって各成分をより厳密に分離し精
製するものであり、蒸留方式としては、回分式であって
も、連続式であってもよく、また、常圧条件であって
も、減圧条件であってもよい。
【0021】この精密蒸留の際の蒸留条件についても、
加水分解反応で生成した反応生成物の沸点等の物性を考
慮して適宜設定できるものであり、例えば2-クロロ−1,
4-ビストリクロロメチルベンゼンを塩化第二鉄の存在下
に加水分解して2-クロロテレフタル酸クロライドを製造
する場合には、理論段数10〜20の蒸留塔を用い、還
流比1〜10、蒸留圧力1〜10mmHg、 及び蒸留温度1
20〜135の条件で実施するのが好ましい。この単蒸
留の際においても、蒸留系に水分が混入すると、結果と
して対応する芳香族酸無水物が副生して収率の低下を招
くので、蒸留系に水分が混入するのを防止するために、
蒸留塔内を窒素パージすることも有効である。
【0022】本発明方法によれば、精製蒸留の前に実施
される単蒸留により、精製蒸留の際に芳香族酸クロライ
ドとルイス酸触媒とが接触することがなく、芳香族酸ク
ロライドがルイス酸触媒の存在下に高温下で長時間加熱
されることによって生じる副反応、例えばルイス酸触
媒それ自体が塩素化剤となって芳香族酸クロライドの芳
香核を塩素化し、不純物として核塩素化芳香族酸クロラ
イドを副生せしめる核塩素化反応、ルイス酸触媒によ
り芳香族酸クロライドのカルボニル基が引き抜かれ、不
純物として核塩素化芳香族酸クロライドや芳香族塩素化
物が副生する脱カルボニル反応、ルイス酸触媒により
芳香族酸クロライドの多量化が進行し、不純物として高
沸点の芳香族酸クロライドの多量化体や重合体が副生す
る分子間アシル化反応(多量化重合反応)等が効果的に
抑制される。また、これらの副反応〜は、いずれも
反応温度の上昇で反応速度が加速されるため、単蒸留の
際には、蒸留温度をできるだけ低温に保ち、かつ、短時
間で留出するように、所定の減圧かに実施するのがよ
い。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、実施例及び比較例に基づい
て、本発明の好適な実施の形態を具体的に説明する。
【0024】実施例1 〔2-クロロ−1,4-ビストリクロロメチルベンゼンの合
成〕ガスクロ百分率99.99%の2-クロロパラキシレ
ン563g(4.00 mol)に、高圧水銀灯照射下に反応温度
100〜155℃で塩素ガス2064g(29.11 mol) を
32時間かけてバブル状態で導入し、側鎖メチル基の塩
素化反応を行った。この際の塩素ガス導入速度は初めの
5時間が2.7g/分、次の10時間が1.3g/分、
その次の15時間が0.5g/分、及び、最後の2時間
が0.2g/分であり、塩素反応率は約91%であっ
た。
【0025】得られた反応混合物は、その組成がガスク
ロ百分率で2-クロロ−1,4-ビストリクロロメチルベンゼ
ン(目的物)90.1%、及び3,4-ジクロロベンゾトリ
クロライド9.9%であり、また、その収量が1304
gであった。
【0026】〔2-クロロテレフタル酸クロライドの合
成〕上記反応混合物1300gをそのまま反応容器に仕
込み、これに塩化第二鉄0.33g(0.025 wt%) を添加
し、次いで攪拌下に水を0.30g/分の速度で滴下し
ながら反応温度135〜150℃で7.5時間加水分解
反応を行い、更に水の滴下終了後135〜150℃で
0.5時間熟成して加水分解反応を終了した。この際の
水の使用量は134g(7.44 mol)であった。
【0027】この加水分解反応で得られた反応混合物
は、その組成がガスクロ百分率で2-クロロテレフタル酸
クロライド90.3%、及び3,4-ジクロロ安息香酸クロ
ライド9.7%であり、また、その収量が843gであ
った。
【0028】〔2-クロロテレフタル酸クロライドの単蒸
留〕上記反応混合物400gを理論段数15段の蒸留塔
に装入し、蒸留圧力4.0mmHg、蒸留温度125〜13
0℃、及び全留出の条件で減圧下に単蒸留し、粗2-クロ
ロテレフタル酸クロライド350gを回収した。この単
蒸留により、加水分解反応に用いた塩化第二鉄触媒は釜
残中に残留し、粗2-クロロテレフタル酸クロライドから
完全に分離された。
【0029】得られた粗2-クロロテレフタル酸クロライ
ドの純度は、ガスクロ百分率で99.5%であり、この
粗2-クロロテレフタル酸クロライド中には、不純物とし
て、3,4-ジクロロ安息香酸クロライド0.4%、及びジ
クロロテレフタル酸クロライド0.1%が含まれてい
た。
【0030】〔2-クロロテレフタル酸クロライドの精密
蒸留〕上記単蒸留に用いた蒸留塔から釜残を除去し、特
に洗浄することなくこの蒸留塔に粗2-クロロテレフタル
酸クロライド350gを装入し、蒸留圧力4.0mmHg、
還流比10、及び蒸留温度125〜130℃の条件で減
圧下に精密蒸留を行い、初留分65g及び中留分105
gを留出させた後、蒸留圧力4.0mmHg、還流比1、及
び蒸留温度130℃の条件で減圧下に更に精密蒸留を行
い、精製2-クロロテレフタル酸クロライド150g(0.6
3 mol)を得た。
【0031】得られた精製2-クロロテレフタル酸クロラ
イドの純度は、ガスクロ百分率で99.99%であり、
この精製2-クロロテレフタル酸クロライド中には、不純
物としてジクロロテレフタル酸クロライドが0.01%
含まれていた。この精製2-クロロテレフタル酸クロライ
ド(150g)の2-クロロパラキシレンからの単離収率
は33.3%であり、また、連続生産で中留分や釜残分
をリサイクルして精製蒸留した際のリサイクル収率は6
3.4%であった。
【0032】比較例1 上記実施例1と同様にして2-クロロ−1,4-ビストリクロ
ロメチルベンゼンを合成し、次いで上記実施例1と同様
にして2-クロロテレフタル酸クロライドを合成した。
【0033】得られた反応混合物400gを理論段数1
5段の蒸留塔に装入し、蒸留圧力4.0mmHg、還流比1
0、及び蒸留温度125〜130℃の条件で減圧下に精
密蒸留を行い、初留分80g及び中留分155gを留出
させた後、蒸留圧力4.0mmHg、還流比1、及び蒸留温
度130℃の条件で減圧下に更に精密蒸留を行い、精製
2-クロロテレフタル酸クロライド85g(0.36 mol)を得
た。
【0034】得られた精製2-クロロテレフタル酸クロラ
イドの純度は、ガスクロ百分率で99.8%であり、こ
の精製2-クロロテレフタル酸クロライド中には、不純物
として3,4-ジクロロ安息香酸クロライドが0.04%、
及びジクロロテレフタル酸クロライドが0.06%含ま
れていた。この精製2-クロロテレフタル酸クロライド
(85g)の2-クロロパラキシレンからの単離収率は1
9.0%であり、また、連続生産で中留分のみをリサイ
クルして精製蒸留した際(釜残分はルイス酸触媒が存在
するためにリサイクル不可である)のリサイクル収率は
53.4%であった。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、蒸留安定剤等の添加物
を用いたり、あるいは、再結晶法によることなく、高純
度の芳香族酸クロライドを高収率で製造することがで
き、工業的に有利に高純度芳香族酸クロライドの製造を
行うことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 合戸 広 静岡県庵原郡蒲原町蒲原161番地、日本軽 金属株式会社蒲原製造所内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC47 AD11 BA19 BA37 BA67 BJ50 BS90 4H039 CA65 CD20 CE20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族側鎖トリクロロメチル基をルイス
    酸触媒の存在下に加水分解して芳香族酸クロライドを製
    造するに際し、加水分解反応終了後に、反応混合物を単
    蒸留して脱触媒を行い、次いで得られた留出物を精密蒸
    留して分離精製することを特徴とする高純度芳香族酸ク
    ロライドの製造方法。
  2. 【請求項2】 下記一般式(1) 【化1】 (但し、式中、R1 は水素原子、炭素数4以下のアルキ
    ル基、又は−CCl3 であり、X1 及びX2 は水素原子
    又は塩素原子であって互いに同じであっても異なってい
    てもよい)で表される芳香族化合物をルイス酸触媒の存
    在下に加水分解し、下記一般式(2) 【化2】 〔但し、式中、R2 は水素原子、炭素数4以下のアルキ
    ル基、又は−COCl であり、X1 及びX2 は一般式
    (1)の場合と同じである〕で表される芳香族酸クロラ
    イドを製造するに際し、加水分解反応終了後に、反応混
    合物を単蒸留して脱触媒を行い、次いで得られた留出物
    を精密蒸留して分離精製することを特徴とする高純度芳
    香族酸クロライドの製造方法。
  3. 【請求項3】 ルイス酸触媒が塩化第二鉄である請求項
    2に記載の高純度芳香族酸クロライドの製造方法。
  4. 【請求項4】 芳香族酸クロライドの単蒸留の蒸留条件
    が、蒸留圧力1〜10mmHg及び蒸留温度120〜135
    ℃である請求項2又は3に記載の高純度芳香族酸クロラ
    イドの製造方法。
  5. 【請求項5】 芳香族酸クロライドが、芳香族ジカルボ
    ン酸ジクロライドである請求項2又は3に記載の高純度
    芳香族酸クロライドの製造方法。
  6. 【請求項6】 2-クロロ−1,4-ビストリクロロメチルベ
    ンゼンを塩化第二鉄の存在下に加水分解して2-クロロテ
    レフタル酸クロライドを製造するに際し、加水分解反応
    終了後に、反応混合物を単蒸留して脱触媒を行い、次い
    で得られた留出物を精密蒸留して分離精製することを特
    徴とする高純度2-クロロテレフタル酸クロライドの製造
    方法。
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