JPS6121617B2 - - Google Patents

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JPS6121617B2
JPS6121617B2 JP5159681A JP5159681A JPS6121617B2 JP S6121617 B2 JPS6121617 B2 JP S6121617B2 JP 5159681 A JP5159681 A JP 5159681A JP 5159681 A JP5159681 A JP 5159681A JP S6121617 B2 JPS6121617 B2 JP S6121617B2
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JP
Japan
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pivalic acid
reaction
chloride
acid chloride
benzotrichloride
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JP5159681A
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English (en)
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JPS57165341A (en
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Shigeo Yoshinaka
Misuzu Wakatsuki
Seiji Uchama
Tsukasa Toki
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Gas Chemical Co Inc filed Critical Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Publication of JPS57165341A publication Critical patent/JPS57165341A/ja
Publication of JPS6121617B2 publication Critical patent/JPS6121617B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ピバリン酸とベンゾトリクロライド
を反応させ、ピバリン酸クロライドとベンゾイル
クロライドを製造する方法の改良に関する。
ピバリン酸クロライドは、医薬、農業、染料、
その他の工業薬品の中間原料として有用である。
ピバリン酸クロライドの製造法としては、ピバ
リン酸に五塩化リン、三塩化リン、塩化チオニ
ル、ホスゲン等を反応させる方法が一般的であ
る。他に、ピバリン酸にベンゾイルクロライドを
反応させる方法が報告されており、更にt−ブチ
ルクロライドと一酸化炭素をBF3の存在下に反応
させて、ピバリン酸クロライドを合成する方法も
報告されている。しかしながら、これらの方法は
いずれも問題点を有しており、工業的製造法とし
ては必ずしも好ましい方法ではない。例えば、ピ
バリン酸と五塩化リンを反応させる方法において
は、反応によつてオキシ塩化リンが生じるが、オ
キシ塩化リンの沸点は、ピバリン酸クロライドの
沸点と極めて近接しており、蒸留により分離する
ことが出来ない。
ピバリン酸と三塩化リンを反応させる方法で
は、オキシ塩化リンの生成なしに反応を行なう。
ことが出来るが、この場合はリン化合物が不純物
として残り、このリンの除去は容易でない。ま
た、不純物としてリンが存在すると反応生成物の
利用を妨害するので、より良い製造法が望まれて
いる。
ピバリン酸と塩化チオニルを反応させる方法
は、比較的好収率でピバリン酸クロライドが得ら
れ、実験室的手法としては有用であるが、この場
合もイオウ分が混入し易く、また高価な塩化チオ
ニルを使用するので、経済的に有利な方法とはい
えない。
ピバリン酸とホスゲンを反応させる方法は、ホ
スゲンが極めて毒性の強い物質であり、取扱い上
難点がある上に、コスト的にも有利な方法とはい
えない。
ピバリン酸にベンゾイルクロライドを反応させ
る方法は、ベンゾイルクロライドが高価なものな
ので、これを原料とするのは工業的に有利な方法
とはいえない。
t−ブチルクロライドと一酸化炭素を反応させ
る方法は、BF3の存在下に700気圧で反応を行な
うものであり、収率も高くないので有利な方法と
はいえない。
本発明者は、ピバリン酸とベンゾトリクロライ
ドをフリーデルクラフト触媒の存在下で、特定条
件下に反応させるとピバリン酸クロライドとベン
ゾイルクロライドが好収率で得られることを見出
した。
有機カルボン酸とトリクロルメチルベンゼン類
とを反応させて、有機カルボン酸クロライドと芳
香族酸クロライド類を製造出来ることは公知であ
る。しかしながら、有機カルボン酸が3級炭素に
カルボキシル基を有する構造の場合には、この種
の反応を円滑に行なうのが困難であり適用されて
いなかつた。したがつて、特定条件下に反応させ
ることにより、ピバリン酸とベンゾトリクロライ
ドから、ピバリン酸クロライドとベンゾイルクロ
ライドが好収率で得られることは驚くべきことで
あつた。しかしながら、ピバリン酸とベンゾトリ
クロライドをフリーデルクラフト触媒の存在下で
反応を行なう場合には、触媒量、反応温度等の反
応条件を特定することによつて比較的好結果が得
られるものの、なおいくつかの問題点が存在し
た。
問題点の一つは、ピバリン酸収率の高い場合に
も、反応生成液中にベンゾトリクロライドの残存
がみられ、ベンゾトリクロライドを完全に反応さ
せることが困難なことである。ベンゾトリクロラ
イドが完全に反応しない場合には、当然それだけ
ベンゾイルクロライド収率が低くなるので好まし
くないし、また反応混合物の処理をやつかいに
し、製品品質の低下の原因にもなる。
ベンゾトリクロライドを完全に反応させるため
に、触媒を多量に使用することが考えられる。し
かしながら、触媒使用量を多くすることによつ
て、、ベンゾトリクロライドを完全に反応させる
ことは困難なばかりでなく、触媒使用量を多くす
ると脱カルボニル化反応によるt−ブチルクロラ
イドの生成によつてピバリン酸クロライド収率が
低下し、また縮合物とみられるタール状副生物も
多くなるので問題の解決にならない。
他の問題は、反応生成物を蒸留し、目的とする
ピバリン酸クロライドとベンゾイルクロライドを
留出させた後に、未反応のベンゾトリクロライド
以外に多量の高沸物残渣が生じることである。高
沸物残渣の生成はベンゾイルクロライド収率の低
下を意味し、また廃棄物処理の問題を生じる。
更に別の問題は、この反応では反応操作の影響
を受け易く、そのために反応成積が安定しないこ
とである。即ち、撹拌状態、反応温度の管理方法
等の影響によつて、ベンゾトリクロライドの反応
率、高沸物残渣の生成量等に大きな差がみられ、
ベンゾイルクロライド収率にかなりのばらつきが
生じる。
本発明者は、ピバリン酸とベンゾトリクロライ
ドを反応させて、ピバリン酸クロライドとベンゾ
イルクロライドを製造する際の上記問題を改善す
べく鋭意研究の結果、ピバリン酸とベンゾトリク
ロライドをフリーデルクラフト触媒の存在下に反
応させる際には、次の式で示される主反応と同
時に、、式の反応も進行していること、及び
反応生成液からピバリン酸クロライドとベンゾイ
ルクロライドを留去した際に、未反応ベンゾトリ
クロライドと共に残る残渣の大部分が安息香酸無
水物であることを見出した。
このことから、ピバリン酸はほとんど反応し
て、反応系から消失し、ピバリン酸クロライドは
好収率で得られるのに、ベンゾトリクロライドの
残存がみられるという現象が説明される。本発明
者は以上の知見に基づき反応生成液中のベンゾト
リクロライドを消失せしめる方法について研究の
結果、ピバリン酸とベンゾトリクロライドをフリ
ーデルクラフト触媒の存在下に反応させた反応生
成液を、一旦蒸留処理して、反応によつて生じた
ピバリン酸クロライドを留去した後、フリーデル
クラフト触媒をあらたに加えて反応させれば、触
媒の失活なしに、次の式で示される反応によつ
てベンゾトリクロライドと安息香酸無水物を容易
に反応せしめ得ることを見出し本発明を完成し
た。
即ち本発明はピバリン酸とベンゾトリクロライ
ドをピバリン酸に対して0.001〜0.01重量部のフ
リーデルクラフト触媒の存在下に40〜150℃で反
応させ、生じたピバリン酸クロライドを蒸留によ
つて反応系から留去する第一工程と、第一工程の
反応生成液からピバリン酸クロライドを留去した
残りの混合物に、フリーデルクラフト触媒を更に
添加して40〜160℃の温度で反応を行なう第二工
程からなるピバリン酸クロライドとベンゾイルク
ロライドの製造法である。
本発明の第一工程は、ピバリン酸とベンゾトリ
クロライドを混合し、これに所定量のフリーデル
クラフト触媒を加え、撹拌下に40〜150℃の温度
で反応を行なう。ピバリン酸またはベンゾトリク
ロライドの一方と触媒を反応器に仕込み、これに
他方を少しづつ加えていく方法も可能である。反
応の進行にともなつてHClガスが発生するが、
HClガスの発生が殆んどなくなつてからなお暫く
撹拌、加熱を続けた後、反応を終了する。反応終
了後の反応生成液からは常法で蒸留することによ
つてピバリン酸クロライドを留出せしめ除去す
る。反応とピバリン酸クロライドの留去操作を同
時に行ない、反応によつて生成するピバリン酸ク
ロライドを留出させながら反応を行なうことも可
能である。
本発明の反応は可及的的無水の状態で実施され
る。
第一工程におけるピバリン酸とベンゾトリクロ
ライドの仕込比率は実質的に等モルで反応が行な
われる。どちらかの比率が多くなると反応の進行
が円滑でなくなり、目的物の収率が低下すると共
に、製品の品質を低下させる原因となる。
触媒としては、FeCl3、ZnCl2、SnCl4
AlCl3、SnCl5等のフリーデルクラフト触媒が用
いられ、なかでもFeCl3が好ましい触媒である。
触媒の使用量はピバリン酸の仕込量1重量部に対
して0.0001〜0.03重量部である。触媒の種類、反
応温度によつて触媒使用量はこの範囲で選ばれる
が、上記範囲より少ないと反応が円滑に進行し難
く、触媒が多くなると縮合反応や脱カルボニル等
の副反応が多くなつて、目的物収率低下や製品品
質の低下の原因となる。
本発明の第一工程の反応を行なう場合、溶媒を
用いることは勿論可能であるが、溶媒を用いなく
とも反応は進行するので、特に溶媒を用いる必要
はない。
反応温度は40〜150℃である。触媒の種類、使
用量に応じて、この範囲で反応温度が選ばれる。
反応温度が低くすぎると反応の進行が遅く、また
高くなると脱カルボニル化反応や縮合反応が起こ
る。副反応を押さえ、HClの発生状態をコントロ
ールする上では、上記の範囲で反応初期の段階の
反応温度を低くし、末期に反応温度を高くする方
法は好ましい態様である。反応によつて生じるピ
バリン酸クロライドを留出させながら反応を行う
場合は、ピバリン酸クロライドの留出を促進する
ために、反応温度を高くする必要がある。ピバリ
ン酸クロライドを留出させながら反応を行なう場
合には、留出したピバリン酸クロライドにHClが
溶解しているので、これを避けるためには、反応
温度を110℃附近以下に抑え、HClの発生がなく
なつてからピバリン酸クロライドの蒸留を行なう
のが好ましい。
反応時間は、反応条件によつて異るが、上記の
方法によつて第一工程の反応は通常15分〜7時間
で終了する。
この段階では、通常、反応生成液中にかなりの
量の未反応ベンゾトリクロライドと安息香酸無水
物が存在している。触媒添加量を多くしたり、反
応温度を高めること等により、未反応のベンゾト
リクロライドをある程度減少させることは出来る
が、これらの方法をとると一方で副反応が促進さ
れ、目的物収率や品質の低下をもたらし、よい結
果を得ることは出来ない。また、ピバリン酸クロ
ライドの留去操作なしに、触媒の追加添加を行な
つてもベンゾトリクロライドを完全に反応させる
ことは困難である。
第一工程の反応が終つた反応生成液からは、蒸
留によるピバリン酸クロライドの留去が行なわれ
る。蒸留は通常の減圧分留法がとられる。ピバリ
ン酸クロライドを留出させながら反応させる場合
においても、常圧でピバリン酸クロライドを完全
に留去することは出来ないので、ピバリン酸クロ
ライドを完全に留去するために、同様に減圧蒸留
操作がとられる。
ピバリン酸クロライドの完全留去操作をしない
場合には、触媒の追加添加を行なつても、残存す
るベンゾトリクロライドが反応しないのに、ピバ
リン酸クロライドを完全に留去した後、触媒を添
加して反応を行なうと、ベンゾトリクロライドが
安息香酸無水物と速かに反応してベンゾイルクロ
ライド収率の向上がみられることは驚くべきこと
である。
ピバリン酸クロライドの留去操作が不完全な場
合には、第二工程の反応が円滑に進行しないこと
がある。ピバリン酸クロライドの完全留去を図
り、第二工程での反応を確実に行なうためには、
ピバリン酸クロライド留分の留去後、引き続いて
反応によつて生じたベンゾイルクロライドの一部
を留出させるのが好ましい態様である。この操作
を行なうことによつて、第二工程の反応が円滑に
行なわれる。
第二工程は、第一工程の反応混合物から、ピバ
リン酸クロライドを留去した残りの混合物に、更
にフリーデルクラフト触媒を加えて、撹拌下に加
熱反応させることにより行なわれる。
第二工程の反応触媒としては、第一工程同様
FeCl3、ZnCl2、SnCl4、AlCl3、SbCl5等のフリー
デルクラフト触媒が用いられる。なかでもFeCl3
が好ましい触媒である。触媒の添加量は、第一工
程が用いたピバリン酸1重量部に対して0.0001〜
0.03重量部である。触媒の種類、反応温度によつ
て、触媒の使用量は、この範囲で選ばれるが、触
媒の使用量が少ないと反応が円滑に進行し難く、
触媒使用量が多くなると縮合物を生じ易い。
第二工程の反応温度は30〜150℃である。この
反応は発熱反応なので、触媒の種類、添加量、発
熱量を勘案して反応温度が決定される。反応時間
は、これらの条件によつて異つてくるが、通常5
分〜2時間である。
第二工程の反応終了後の処理は、常法の減圧蒸
留によつて行なわれ、高純度のベンゾイルクロラ
イドが好収率で得られる。
本発明によれば、ピバリン酸とベンゾトリクロ
ライドを反応させてピバリン酸クロライドとベン
ゾイルクロライドを製造するに際し、従来完全に
反応させることが困難であつたベンゾトリクロラ
イドを、ピバリン酸クロライドの留去操作を行な
うことによつて、極めて容易に反応せしめると共
に、従来廃棄物視されていた物質をも目的とする
ベンゾイルクロライド化することによつて、ベン
ゾイルクロライド収率を格段に向上させることが
出来る。また、反応操作の影響を受け易く、従
来、成績にばらつきがあつた点についても改善さ
れ、高純度のピバリン酸クロライドとベンゾイル
クロライドを好収率で製造することが可能とな
り、その効果は大きい。
実施例 1 第一工程 ピバリン酸255g(2.50モル)、ベンゾトリクロ
ライド489g(2.5モル)および無水塩化第二鉄
0.75gを1の三口フラスコにとり、撹拌しなが
ら加熱した。
内温50℃附近から少量の塩化水素ガスの発生が
みられた。60℃で約1時間反応させ、その後約30
分で100℃まで昇温し、100℃で更に30分間撹拌し
たのち反応を終了した。
次に、3mmφ×5mmの磁製ラシヒリングを充填
した20mmφ×250mmHのカラムを有する蒸留器を
用いて、この反応生成液を155〜160mmHgの減圧
下に蒸留し、289gピバリン酸クロライド留分を
得た。この留分をガスクロマトグラフ分析したと
ころ、ピバリン酸クロライド純度は99.2wt%であ
つた。ピバリン酸クロライド留分の蒸留後、反応
によつて生成したベンゾイルクロライドの部分留
去操作を行ない、97〜106℃/44〜46mmHgの留分
12gを得た。この留分をガスクロマトグラフで分
析したところ、組成はピバリン酸クロライド
5.6wt%、ベンゾイルクロライド93.5wt%、その
他0.9wt%であつた。
第二工程 第一工程で、反応生成液からピバリン酸クロラ
イド留分とベンゾイルクロライド留分の一部を留
去した残りの液に、無水塩化第二鉄0.75gをあら
たに加え、撹拌下に100℃で30分反応を行なつ
た。
次にこの反応生成液を40mmHgの減圧下で常法
により蒸留し、319gの留出物を得た。釜残は19
gであつた。この留出物をガスクロマトグラフ分
析したところ、ベンゾイルクロライドであること
が確認され、その純度は99.6wt%であつた。
この結果、第一工程で得られたピバリン酸クロ
ライド留分の仕込ピバリン酸に対する収率は95.9
%に相当する。また第二工程で得られたベンゾイ
ルクロライド留分の仕込ベンゾトリクロライドに
対する収率は90.8%であり、部分留去したベンゾ
イルクロライド留分中のベンゾイルクロライドを
合わせると、ベンゾイルクロライド収率は94.0%
に相当する。
実施例 2 第一工程 ピバリン酸255g(2.50モル)、ベンゾトリクロ
ライド489g(2.50モル)および無水塩化第二鉄
0.80gを1のフラスコにとり、撹拌しながら加
熱し反応を行なつた。最初の2時間は50℃で反応
を行ない、その後30分で105℃に昇温し、さらに
105℃で20分撹拌を続けた後反応を終了した。
次に、この反応生成液を実施例1と同様に減圧
蒸留して、291gのピバリン酸クロライド留分を
得た。ガスクロマト分析の結果、ピバリン酸クロ
ライド純度は99.3wt%であつた。ピバリン酸クロ
ライド留分の留去後、実施例1と同様に、ベンゾ
イルクロライドの部分留去操作を行ない、留出物
13gを得た。この留分をガスクロマトグラフで分
析したところ、組成は、ピバリン酸クロライド
6.5wt%、ベンゾイルクロライド92.4wt%、その
他1.1wt%であつた。
第二工程 第一工程で、反応生成液からピバリン酸クロラ
イド留分と、ベンゾイルクロライド留分の一部を
留去して得た残りの液に、無水塩化第二鉄0.6g
があらたに加え、撹拌下に90℃で30分反応を行な
つた。
次に、この反応生成液を実施例1と同様に常法
により蒸留し、315gのベンゾイルクロライドを
得た。釜残は22gであつた。この留出物をガスク
ロマト分析したところ、ベンゾイルクロライド純
度は99.4wt%であつた。
第一工程で得られたピバリン酸クロライド留分
の仕込ピバリン酸に対する収率は96.5%に相当す
る。
また、第二工程で得られたベンゾイルクロライ
ド留分の仕込ベンゾトリクロライドに対する収率
は89.6%であり、部分留去したベンゾイルクロラ
イド中のベンゾイルクロライドを合わせるとベン
ゾイルクロライド収率は93.1%に相当する。
実施例 3 第一工程の反応触媒として、無水塩化第二鉄の
代りに1.3gのFeCl3−6H2Oを用いた以外は実施
例2と同じ仕込量で、同様の反応を行なつた。
その結果、287gのピバリン酸クロライド留分
(純度99.2wt%)と、14gの部分留去ベンゾイル
クロライド留分(組成はピバリン酸クロライド
6・7wt%、ベンゾイルクロライド92.0wt%、そ
の他1.3wt%)12g、ベンゾイルクロライド留分
(純度99.3wt%)316gを得た。
この結果は、仕込ピバリン酸に対するピバリン
酸クロライド収率95.2%、第二工程で得られたベ
ンゾイルクロライド留分と部分留去したベンゾイ
ルクロライド留分中に含まれるベンゾイルクロラ
イドとを合わせたベンゾイルクロライドの仕込ベ
ンゾトリクロライドに対する収率93.0%に相当す
る。
実施例 4 第一工程 ピバリン酸255g(2.50モル)、ベンゾトリクロ
ライド489g(2.50モル)および無水塩化第二鉄
0.25gを蒸留ヘツドを有する1の三口フラスコ
にとり、撹拌しながら加熱した。最初の1時間を
70℃で反応させた後、徐々に加熱昇温して、1時
間で内温150℃とし、さらに150℃で20分保ち、反
応を終了した。
反応の進行とともにHClガスが発生するが、昇
温により途中からHClとともに、ピバリン酸クロ
ライドの留出がみられた。反応終了時までのピバ
リン酸クロライド留出量は172gであつた。ま
た、発生したHClガスは理論量の99%であつた。
次に、この反応生成液を実施例1と同様に減圧
蒸留して、114gのピバリン酸クロライド留分を
得た。この留分と、反応の途中で留出したピバリ
ン酸クロライドを合わせてガスクロマト分析した
ところ、ピバリン酸クロライドの純度は99.1wt%
であつた。
ピバリン酸クロライド留分の留去後、実施例1
と同様にベンゾイルクロライドの部分留去操作を
行ない、留出物10gを得た。この留分をガスクロ
マト分析したところ、組成はピバリン酸クロライ
ド4.8wt%、ベンゾイルクロライド93.6wt%、そ
の他1.6wt%であつた。
第二工程 第一工程で、反応生成液からピバリン酸クロラ
イド留分とベンゾイルクロライド留分の一部を留
去して得た残りの液に、無水塩化第二鉄0.7gを
更に加え、80℃で30分反応を行なつた。
次に、この反応生成液を実施例1と同様に常法
により蒸留し、313gのベンゾイルクロライドを
得た。釜残は24gであつた。この留出物をガスク
ロマト分析したところ、ベンゾイルクロライド純
度は99.2wt%であつた。
第一工程で得られたピバリン酸クロライド留分
の仕込ピバリン酸に対する収率は94.9%に相当す
る。
また、第二工程で得られたベンゾイルクロライ
ド留分の仕込ベンゾトリクロライドに対する収率
は89.1%であり、部分留去したベンゾイルクロラ
イド留分中のベンゾイルクロライドを合わせる
と、ベンゾイルクロライド収率は91.7%に相当す
る。
実施例 5 第一工程 ピバリン酸255g(2.50モル)、ベンゾトリクロ
ライド489g(2.50モル)および塩化亜鉛1.2gを
1の三口フラスコにとり撹拌しながら105℃で
4時間反応させた。HClの発生量は理論値の99.2
%であつた。
次に、この反応生成液を実施例1と同様に蒸留
し、283gのピバリン酸クロライド留分と12gの
部分留去ベンゾイルクロライド留分を得た。ガス
クロマト分析の結果は、ピバリン酸クロライド留
分の純度は99.3wt%で、部分留去ベンゾイルクロ
ライド留分の組成は、ピバリン酸クロライド
6.2wt%、ベンゾイルクロライド91.8wt%、その
他2.0wt%であつた。
第二工程 第一工程のピバリン酸クロライドとベンゾイル
クロライドの一部を留去した残りの液に、塩化亜
鉛1.5gを更に加え、撹拌下に110℃で40分反応を
行なつた。
次に、この反応生成液を実施例1と同様に常法
により蒸留し、311gのベンゾイルクロライドを
得た。釜残は26gであつた。
第一工程で得られたピバリン酸クロライド留分
の仕込ピバリン酸に対する収率は93.9%である。
また、第二工程で得られたベンゾイルクロライ
ド留分の仕込ベンゾトリクロライドに対する収率
は88.5%であり、部分留去したベンゾイルクロラ
イド留分中のベンゾイルクロライドを合わせる
と、ベンゾイルクロライド収率は91.6%である。
実施例 6 第一工程 蒸留器を備えた1の三口フラスコにベンゾト
リクロライド489g(2.50モル)と無水塩化第二
鉄0.8gをとり、加熱して、内容物温度を90℃に
する。次いで、この温度を維持し、撹拌下にピバ
リン酸を少量ずつ滴下しながら反応を行なう。こ
のようにして255g(2.50モル)のピバリン酸を
1時間で滴下しながら反応を行なつた。
そして、ピバリン酸の滴下終了後、さらに加熱
して、反応生成液の温度を上げ、ピバリン酸クロ
ライドを留出させながら反応を行なつた。このよ
うにして1時間で150℃まで昇温し、さらに150℃
で20分撹拌下に保ち反応を終つた。この間に留出
したピバリン酸クロライドは165gであつた。
次に、この反応生成液を実施例1と同様に減圧
蒸留して114gのピバリン酸クロライド留分を得
た。この留分と反応の途中で留出したピバリン酸
クロライドを合わせてガスクロマト分析したとこ
ろ、ピバリン酸クロライドの純度は99.4%であつ
た。
ピバリン酸クロライド留分の留去後、実施例1
と同様にベンゾイルクロライドの部分留去操作を
行ない、留出物12gを得た。この留分をガスクロ
マト分析したところ、組成はピバリン酸クロライ
ド5.2wt%、ベンゾイルクロライド93.1wt%、そ
の他、1・7wt%であつた。
第二工程 第一工程で反応生成液から、ピバリン酸クロラ
イド留分とベンゾイルクロライド留分の一部を留
去した残りの液に、無水塩化第二鉄0.75gをあら
たに加え、105℃で30分反応を行なつた。
次に、この反応生成液を実施例1と同様に常法
により蒸留し、306gのベンゾイルクロライド留
分を得た。純度は99.3wt%であつた。
第一工程で得られたピバリン酸クロライド留分
の仕込ピバリン酸に対する収率は92.5%である。
また、第二工程で得られたベンゾイルクロライ
ド留分の仕込ベンゾトリクロライドに対する収率
は87.1%であり、部分留去したベンゾイルクロラ
イド留分中のベンゾイルクロライドを合わせる
と、ベンゾイルクロライド収率は90.2%である。
比較例 1 (実施例1と同様条件での一段反応) ピバリン酸255g(2.50モル)、ベンゾトリクロ
ライド489g(2.50モル)および無水塩化第二鉄
0.75gを1の三口フラスコにとり、撹拌しなが
ら加熱した。60℃で約1時間反応させ、その後約
30分で100℃まで昇温し、100℃で更に1時間撹拌
した後反応を終了した。
次に、この反応生成液を実施例1と同様に155
〜160mmHgの減圧下に蒸留し、283gのピバリン
酸クロライド留分を得た。
ピバリン酸クロライド留分の蒸留後、44〜46mm
Hgの減圧下に蒸留し、留出可能なものを出来る
だけ留出させた。留出物は318.2gで、釜残は41
gであつた。留出物をガスクロマト分析したとこ
ろ、ベンゾイルクロライド89.3wt%、ベンゾトリ
クロライド9.1wt%、その他1.6wt%であつた。
この結果は、ピバリン酸クロライド収率93.9
%、ベンゾイルクロライド収率80.9%、ベンゾト
リクロライド回収率5.9%に相当する。
比較例 2 (実施例3との比較) ピバリン酸255g(2.50モル)、ベンゾトリクロ
ライド489g(2.50モル)およびFeCl3−6H2O1.3
gを1のフラスコにとり、撹拌しながら加熱し
た。最初の2時間は50℃で反応を行ない、その後
30分で105℃に昇温し、さらにこの温度で約1時
間撹拌を続けた後反応を終つた。
反応生成液を比較例1と同様に処理し、ピバリ
ン酸クロライド留分285gと高沸点留分270.7gを
得た。釜残は95.6gであつた。高沸点留分をガス
クロマト分析したところ、組成はベンゾイルクロ
ライド74.3wt%、ベンゾトリクロライド24.2wt
%、その他1.5wt%であつた。
この結果は、ピバリン酸クロライド収率94.5
%、ベンゾイルクロライド収率57.2%、ベンゾト
リクロライド回収率13.3%に相当する。
比較例 3 (実施例1第一工程と同様で、触媒を多量に用
いた一段法) ピバリン酸255g(2.50モル)、ベンゾトリクロ
ライド489g(2.50モル)および無水塩化第二鉄
7.5gを1のフラスコにとり、撹拌下に加熱
し、実施例1の第一工程と同様に反応を行なつ
た。
反応終了後、反応生成液を蒸留して、284gの
低沸留分と295gの高沸点留分を得た。釜残は68
gであつた。
留出物のガスクロマト分析の結果、低沸留分の
組成はt−ブチルクロライド、12.4wt%、ピバリ
ン酸クロライド86.8wt%、その他0.8wt%であ
り、高沸点留出物の組成はベンゾイルクロライド
95.7wt%、ベンゾトリクロライド3.0wt%、その
他1.3wt%であつた。
この結果は、ピバリン酸クロライド収率81.8
%、t−ブチルクロライド副生率(ピバリン酸基
準)15.2%、ベンゾイルクロライド収率80.3%、
ベンゾトリクロライド回収率1.8%に相当する。
比較例 4 (ピバリン酸クロライドを留去せずに触媒を追
加反応した場合) ピバリン酸255g(2.50モル)、ベンゾトリクロ
ライド489g(2.5モル)および無水塩化第二鉄
0.75gを1のフラスコにとり、撹拌下に加熱
し、実施例1の第一工程と同様に反応を行なつ
た。
実施例1の第一工程と同様の反応終了後、反応
生成液に更に1.0gの無水塩化第二鉄を加え、100
℃で更に30分の撹拌を続け、反応を終つた。
この反応生成液を比較例1と同様に蒸留し、ピ
バリン酸クロライド留分284gと高沸点留分292g
を得た。釜残は68gであつた。
高沸物をガスクロマト分析した結果、ベンゾイ
ルクロライド87.0wt%、ベンゾトリクロライド
11.4wt%、その他1.6wt%であつた。
この結果は、ピバリン酸クロライド収率94.2
%、ベンゾイルクロライド収率72.3%、ベンゾト
リクロライド回収率6.8%に相当する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 ピバリン酸とベンゾトリクロライドを、ピバ
    リン酸1重量部に対して0.001〜0.01重量部のフ
    リーデルクラフト触媒の存在下に40〜150℃で反
    応させ、生じたピバリン酸クロライドを蒸留によ
    つて反応系から留去する第一工程と、第一工程の
    反応生成液からピバリン酸クロライドを留去した
    残りの混合物に、フリーデルクラフト触媒を更に
    添加して、40〜160℃の温度で反応を行なう第二
    工程からなることを特徴とするピバリン酸クロラ
    イドとベンゾイルクロライドの製造法。
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