JP2001184820A - 磁気ヘッドスライダ - Google Patents

磁気ヘッドスライダ

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JP2001184820A
JP2001184820A JP36687199A JP36687199A JP2001184820A JP 2001184820 A JP2001184820 A JP 2001184820A JP 36687199 A JP36687199 A JP 36687199A JP 36687199 A JP36687199 A JP 36687199A JP 2001184820 A JP2001184820 A JP 2001184820A
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silicon carbide
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silicon
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Masashi Sakagami
勝伺 坂上
Shoji Kosaka
祥二 高坂
Ichio Kiyofuji
市男 清藤
Masahito Nakanishi
政仁 中西
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Abstract

(57)【要約】 【課題】加工後の平滑性が高く、安定した特性を示す磁
気ヘッドスライダを提供する。 【解決手段】炭化珪素を主成分とし、硼素と炭素とを含
む炭化珪素質材料からなり、相対密度が99%以上で、
かつ摺動面に存在する0.2μm以上の粒径をもつ硅素
以外の金属含有粒子の数が250個/cm2以下である
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ヘッドスライ
ダ、特に、薄膜磁気ヘッド用として摺動面がイオンミリ
ング法または反応性イオンエッチングなどのイオン照射
によって表面加工された磁気ヘッドスライダに関するも
のである。
【0002】
【従来技術】近年、ハードデスク、8mmVTR、電子
スチルカメラ、ビデオフロッピーやデジタルオーディオ
等における磁気記録媒体の急速な高密度化が図られてい
る。したがって、これに対応できるように、記録再生用
磁気ヘッドは、従来のフェライト等を使用した磁気ヘッ
ドに代わり、磁気記録の高密度化に好適な磁性薄膜を利
用した薄膜ヘッドが注目されている。特に、磁器抵抗効
果を用いたMR(Magnetroresistive)やGMR(Giant
MR)などの技術が注目されている。
【0003】これらの磁気ヘッドは、磁気ディスク表面
から浮上しており、その浮上量はサブミクロン以下と極
めて小さい。特に、磁気ディスクの内周と外周との周速
の違いでスライダの浮上量が変化するため、浮上量の変
化を小さくするために、浮上面に従来の正圧部を設ける
だけでなく、摺動面の一部に微小な溝(凹部)を形成し
て、負圧部を形成し、ディスクの内外周でヘッドの浮上
量を一定化させることが行われている(例えば特開平7
−242463)。
【0004】従って、基板から切り出されたスライダの
摺動面に対して研磨処理を施した後、この摺動面に溝
(凹部)が形成されるが、負圧部用の溝は、数ミクロン
程度と非常に微細であり、且つ10nm以下の高い加工
精度が要求されるために、溝の加工方法としてイオンミ
リング法または反応性イオンミリング(イオンエッチン
グ)法等のように、摺動面に対してイオン照射を利用し
た加工が行われる。
【0005】従来は、この薄膜磁気ヘッド用スライダ材
料として、機械加工が容易で、摺動面が平滑であるとと
もに、優れた耐摩耗性および耐チッピング性が求めら
れ、アルミナ−炭化チタン(TiC)系のセラミックス
が採用されてきた。
【0006】しかし、近年のさらなる高密度化の要求と
ともに、形状の微細化に伴って放熱性が要求され、高熱
伝導率の薄膜磁気ヘッドスライダが必要となっている。
そこで、アルミナ−炭化チタン系のセラミックスと同等
な弾性率、強度、硬度を有しながら、高い熱伝導率を有
する材料として、炭化ケイ素質焼結体が注目されいる。
【0007】磁気記録用部品に応用する炭化珪素は、C
VD(Chemical Vapor Deposition)法、反応焼結法およ
び焼結法で作製することができる。しかし、CVD法で
作製された緻密でボイドのない炭化珪素膜(例えば、特
開平6−199513号公報)は、基板面から垂直な方
向に炭化珪素粒子が成長して異方性があるため、側面の
機械加工時に結晶粒子が脱粒し、表面が荒れてしまうと
いう問題があった。
【0008】また、特開平10−251086号公報に
開示されたシリコンを含浸した反応焼結の炭化珪素焼結
体をスライダとして用いることが提案されている。しか
し、この炭化珪素焼結体は、シリコンと炭化珪素粒子が
混在しており、エッチング速度に差があるため、イオン
ミリング加工で表面の凹凸が大きくなり、磁気スライダ
ヘッドとしての動作が安定しないという問題があった。
【0009】そこで、機械加工性に優れ、またイオンミ
リング後の表面平滑性に優れる炭化珪素の焼結体が注目
され、例えば特開平7−237963号公報において、
焼結助剤を添加した焼結体の例が記載されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、焼結助
剤を添加含有する炭化珪素質焼結体としては、アルミナ
やイットリアを焼結助剤とする焼結体が知られている
が、この焼結体の粒界相には、助剤と炭化珪素粉末中に
含まれる酸化硅素の反応で生成する複合酸化物が形成さ
れているために、粒界相と炭化珪素粒子との硬度、イオ
ンミリング性の違いにより加工後に表面が荒れてしまう
ものであった。特に、特開平7−237963号公報で
開示された炭化珪素質焼結体では、アルミナが5〜60
体積%と多量に含有されており、炭化珪素とアルミナと
が混在するために、平滑性が得られにくいという問題が
あった。
【0011】従って、本発明は、加工後の平滑性が高
く、安定した特性を示す磁気ヘッドスライダを提供する
ことを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、焼結体中の含
有金属量を低減することにより、加工時の平滑性を向上
させることを特徴とするものである。すなわち、炭化珪
素を主成分とし、硼素と炭素とを含む炭化珪素質材料か
らなり、相対密度が99%以上で、かつ摺動面に存在す
る0.2μm以上の粒径をもつ硅素以外の金属含有粒子
の数が250個/cm2以下であることを特徴とするも
のである。
【0013】炭化珪素は硬質材料として知られており、
炭化珪素以外の含有金属が多いと、機械加工時に金属含
有粒子が先に研磨され、表面の凹凸ができやすい。ま
た、同様に、イオンミリング時にも、エッチング速度が
異なり、特に金属のエッチング速度は著しく大きいた
め、凹凸が顕著になる。特に、0.2μm以上の金属含
有粒子が存在すると、その金属含有粒子が研磨またはエ
ッチングされてボイドとなり、磁気ヘッドスライダとし
て支障となる。
【0014】また、炭化珪素を主成分とし、硼素の含有
量が0.1〜0.8重量%、遊離炭素量が0.5%以下
であるとともに、実質的に遊離珪素を含まないことが好
ましい。これにより、焼結助剤による表面加工性の低下
を抑制できる。
【0015】さらに、金属不純物量の総量が全量中10
0ppm以下であることが好ましい。これは、金属不純
物量が増えると金属含有粒子が増える傾向があり、全量
中100ppm以下であると0.2μm以上の粒径をも
つ金属含有粒子数を250個/cm2以下にしやすくな
るからである。
【0016】また、炭化ケイ素結晶粒子の平均粒径が5
μm以下であり、最大長径が平均粒子径の50倍以下で
あることが好ましい。これにより、異方性が小さくな
り、どの方向から加工しても脱粒が少なく、加工性の優
れた磁気ヘッドスライダを得ることができる。
【0017】さらに、スライダ摺動面の表面粗さ(Rm
ax)が10nm以下であることが好適で、これによ
り、磁気ヘッドの動作中にスライダの安定走行が可能と
なる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の磁気ヘッドスライダは、
炭化珪素を主成分とし、硼素と炭素とを含む炭化珪素質
材料からなり、相対密度が99%以上で、かつ摺動面に
存在する0.2μm以上の粒径をもつ硅素以外の金属含
有粒子の数が250個/cm2以下であることを特徴と
するものである。
【0019】硼素と炭素とが比較的少量で焼結助剤とし
て働くと共に、炭素は炭化珪素原料中の酸素と反応して
大部分が飛散し、硼素は炭化珪素結晶中に固溶するた
め、機械加工やイオンミリングなどの表面加工において
平滑性を向上できる。
【0020】また、炭化珪素の相対密度が99%以上、
好ましくは99.5%以上、さらに好適には99.8%
以上であることが重要であり、この相対密度が99%よ
りも低いと、ボイド数が多いため、機械加工で表面平滑
性が得られ難く、また、イオン照射による加工の際に、
焼結体表面に存在するボイド部分が選択的にエッチング
されて表面平滑性が低下してしまうためである。
【0021】さらに、孔径が0.2μm以上のボイドは
表面粗さを低下させ、磁気ヘッドスライダとしての浮上
性能を劣化させてしまうため、その数を制限する必要が
ある。特に、金属含有粒子は、炭化珪素よりも先に加工
されるために表面平滑性に甚大な影響を与えるため、
0.2μm以上の粒径をもつ金属含有粒子の数を250
個/cm2以下とすることが必要である。
【0022】ここで、金属含有粒子とは、珪素以外の元
素の単体または化合物を言い、特に、Ti、Fe、C
o、Ni、Caなどの金属、合金、炭化物および硼化物
などは、ボイドとなって表面平滑性影響を及ぼしやすい
ので特に好ましくない。
【0023】また、250個/cm2以下というのは、
硅素以外の金属含有粒子の存在密度であって、鏡面状態
に研磨した焼結体表面を酸および/またはアルカリによ
る化学エッチングで処理し、走査型電子顕微鏡(SE
M)などによる表面観察において、0.2μm以上のボ
イド数が4.3mm2の領域に10個以下であることに
相当する。この領域は400倍の倍率に設定すれば、2
375μm×1825μmの領域(すなわち4.3mm
2)が得られる。そして、少なくとも表面10カ所を観
察した平均値で判断することが望ましい。
【0024】以上のように構成された本発明の磁気ヘッ
ドスライダでは、機械加工およびイオンミリング加工に
よっても十分な表面平滑性が得られ、磁気ヘッドスライ
ダとして安定した動作を実現できる。
【0025】また、本発明の磁気ヘッドスライダにおい
て、硼素は炭化珪素原料中の酸化硅素を除去するのに用
いられ、その含有量が0.1〜0.8重量%、遊離炭素
量が0.5%以下であるとともに、実質的に遊離珪素を
含まないことが、焼結体の表面平滑性を向上するために
好ましい。
【0026】ここで、焼結体中の遊離炭素量は、焼結体
中の全炭素量から、焼結体中に含まれる全シリコン(S
i)に対してSiCとして化学量論比率で結合している
炭素分を差し引いた残りの炭素量として算出されるもの
である。
【0027】また、硼素は焼結体の焼結性を高めるため
に含有されており、炭化珪素粒子に固溶し、炭化珪素粒
子の表面拡散を進ませ、緻密化を顕著に促進するため、
硼素が0.1〜0.8重量%、好ましくは0.15〜
0.6重量%、さらに好適には0.2〜0.5重量%で
あるとその効果が高く、かつ十分であるからである。
【0028】さらに、炭化珪素粉末の表面には不可避的
に存在する酸化硅素は、緻密化を阻害するために、原料
中に炭素を含有させ、焼成時に酸化硅素を除去するのが
一般的であり、その結果、緻密化を促進させることがで
きる。この遊離炭素は、加工されやすく表面に凹凸を作
りやすいため、少ないのが好ましいが、焼結性を優先す
ると実質的に微量の遊離炭素が残留する。しかし、過剰
の遊離炭素は、それが0.5重量%以下であれば、特に
表面平滑性に有効である。
【0029】また、本発明の磁気ヘッドスライダに使用
する炭化珪素原料は、金属不純物量が総量で全量中10
0ppm以下、好ましくは80ppm以下、望ましくは
50ppm以下であることが望ましい。金属不純物が1
00ppmを越えると、0.2μm以上の大きさの金属
成分からなる粒子が250個/cm2を越えてスライダ
摺動面に存在し、摺動面の機械加工時および/またはイ
オン照射後に金属含有粒子が脱粒したり、エッチング率
が異なるため表面の凹凸が発生して表面が荒れてしま
う。
【0030】そこで、本発明では、硼素及び炭素源を焼
結助剤とする高緻密性の炭化珪素を用い、炭化珪素原料
中の金属不純物量の総量を全量中100ppm以下のレ
ベルに制御させることによって、炭化珪素材料中の金属
含有粒子の発生数を抑制し、スライダー材料として使用
可能でかつ安定した表面平滑性に優れる磁気ヘッドスラ
イダを提供することができる。特に、Fe、Ti、C
r、Ni、Caは、焼成中に液相として凝集や偏在しや
すく、表面平滑性に影響しやすいため、これらの総量が
50ppm以下であることが望ましい。
【0031】焼結体中の炭化珪素からなる主結晶粒子
は、等軸晶または板状結晶の形状からなるものであり、
その結晶粒子の平均粒径は、5μm以下、好ましくは4
μm以下、さらには3μm以下であることが望ましい。
この平均粒径が5μm以下でSiCの最大長径が平均粒
子径の50倍以下、好ましくは30倍以下、望ましくは
10倍以下であることが望ましい。これらの数値に粒径
を制御すると、機械加工、イオン照射後、表面平滑性が
特に良好となる。
【0032】また、このスライダにおいては、その摺動
面における表面粗さは浮動高さを決定する大きな要因の
1つであり、イオン照射によって負圧部が形成された摺
動面の表面粗さが、平均表面粗さ(Ra)が10nm以
下、好ましくは8nm以下であることが望ましく、これ
により磁気ディスクとの吸着力や摩擦力が一定となり、
記録密度の変動やヘッドクラシュ等の故障を避けること
が容易となりやすい。
【0033】本発明の磁気ヘッドスライダを作製は、以
下のように行う。まず、炭化珪素(以下SiCと記す)
原料粉末としてTi、Fe、Co、Ni、Ca等の金属
不純物が総量で100ppm以下である原料を使用する
ことが好ましい。また、SiC原料として、平均粒子径
が2μm以下、好ましくは1μm以下の粉末を用いるこ
とが、焼結性を確保するために好ましい。
【0034】上記のSiC粉末に、炭化硼素および硼素
の少なくとも1種を硼素源として硼素換算で0.1〜
0.8重量%、特に0.15〜0.6重量%、さらに好
適には0.2〜0.5重量%の割合で添加する。また、
同時に、SiC原料中の酸化硅素を除去する、すなわ
ち、SiO2+3C→SiC+2COの反応を進行させ
て酸化硅素をすべて除去できるのに必要最小限の炭素粉
末やフェノール樹脂、シリコン樹脂などの炭素源を添加
する。
【0035】ただし、硼素源として炭化硼素などの炭化
物を用いた場合には、その硼素源中に含まれる炭素量お
よびSiC粉末中に含まれる過剰の炭素分も炭素源とし
て含め、最終的に焼結体中の遊離炭素量を0.5重量%
以下となるように調製する。
【0036】その後、上記のように調合された粉末をプ
ラスチックまたは炭化珪素を内壁として設けられた容器
内でポリイミドまたは炭化珪素などのボールを用いて混
合し、成形用のバインダーを加えて造粒する。
【0037】得られた粉末を所望の成形手段、例えば、
金型プレス、冷間静水圧プレスなどにより任意の形状に
成形し、場合によっては、生加工して所望の形状を得
る。この成形体から熱分解によりバインダーを除去した
後、焼成する。
【0038】焼成は、緻密化を促進させるため、機械的
な加圧下で焼成することが望ましい。一般的には、ホッ
トプレス型に成形体をセットし、20MPa以上、好ま
しくは30MPaの圧力を掛けながら、2000℃〜2
100℃、好ましくは2030〜2070℃の温度範囲
でアルゴン等の不活性雰囲気中で0.5〜5時間程度焼
成する。さらに、緻密化を促進させるために、1950
℃〜2050℃の間で、アルゴンガスによる100MP
a以上の圧力下で熱間静水圧プレス(HIP)を施して
も良い。
【0039】このようにして作製された直径が3〜6イ
ンチの磁気ヘッドスライダ素体板を用いて薄膜磁気ヘッ
ドを作製するには、このスライダ素体板に対して、ダイ
ヤモンド砥石により上下面を鏡面加工し、この加工面に
アルミナのスパッタ膜を絶縁膜として形成した後、さら
にアルミナ膜の上面にリソグラフィー技術を用い、周知
の構成からなる数千個のトランスデューサ(薄膜磁気ヘ
ッド)を形成する。
【0040】そして、トランスデューサ(薄膜磁気ヘッ
ド)を形成したスライダ素体板上に再び、絶縁性アルミ
ナ膜を形成した後、研磨代を考慮して薄膜磁気ヘッドバ
ー材を切り出す。
【0041】切り出された薄膜磁気ヘッドバー材の切り
出し面の一面を浮上面として研磨加工した後、さらに、
その浮上面に従来の正圧部を機械加工で形成する。さら
に、浮上面の一部に微小な溝(凹部)をイオンミリング
法または反応性イオンエッチングなどのイオン照射によ
って加工して負圧部を形成した後、この薄膜磁気ヘッド
バー材から個々の薄膜磁気ヘッドを切り出す。
【0042】このようにして得られる炭化珪素質焼結体
としては、摩擦などで発生した熱を効果的に発散させる
ために熱伝導率が100W/m・K以上が望ましく、高
速回転などにより応力が加わっても変形しにくいために
弾性率が450GPa以上、硬度が23GPa以上が望
ましく、チャージアップによりデータに影響をお及ぼさ
ないために、体積固有抵抗が109Ω・cm以下である
ことが望ましい。
【0043】
【実施例】平均粒子径0.6μm、酸化硅素0.1重量
%、遊離炭素0.4重量%、Ti、Fe、Ni等の磁性
金属の不純物量が総量で65ppmの炭化珪素粉末と、
平均粒子径0.5μm、酸化硅素3.0重量%、遊離炭
素1.2重量%、Ti、Fe、Ni等の磁性金属の不純
物量が総量で500ppmの炭化珪素粉末との2種類を
使用し、これらを混合して用いた。
【0044】この原料に、平均粒子径0.8μmの炭化
硼素粉末を各種の比率で秤量して加え、ポリエチレン製
容器にポリイミドボールを用いてボールミル混合し、乾
燥させた。そして、成形用バインダーおよび炭素源とし
て炭化率40%のフェノール樹脂を溶解させた有機溶媒
に前記乾燥粉末を添加混合後、有機溶媒を除去し造粒し
た。この造粒粉末を金型に入れて、150MPaの圧力
でプレス成形し、真空中で脱脂した。
【0045】この成形体をカーボン型にセットし、Ar
雰囲気中、30MPaの圧力で、表1に示した温度で1
時間ホットプレス焼成し、直径40mmの炭化ケイ素質
焼結体を得た。
【0046】得られた焼結体を研磨し、アルキメデス法
により密度を測定し、理論密度を3.21として相対密
度を求めた。また、一部を切り出しICP分析によって
ホウ素量を測定し、また、遊離炭素についてはJISR
1616に基づいて測定した。
【0047】さらに、焼結体表面の一部を鏡面加工し、
NaOH+KNO3混合融体中でエッチングし、走査電
子顕微鏡写真からコード法による100個以上の粒子の
平均から、平均粒径を求めた。
【0048】さらに、この焼結体を0.069Paの真
空中に保持し、焼結体の加工面に1000V、200m
Aのアルゴンビームにより1.5μmの深さの溝をエッ
チング加工した。そして、加工後の表面の表面粗さ(R
a)を測定した。
【0049】また、加工面を400倍にて観察し、23
75μm×1825μmの領域で金属含有粒子の分布を
EPMAにより確認し、画像解析により200μm以上
のボイドを測定した。そして、最も多い場所を選定し、
その視野から5000倍にて観察し、20μm×16μ
m(320μm2)の領域10箇所において0.2μm
以上の硅素以外の金属含有粒子サイズと数を数えて平均
数を算出し、この値を1cm2当たりの値に換算した。
【0050】さらにまた、この材料を用いて、磁気ヘッ
ドとして以下のように作製した。まず、4インチの炭化
珪素からなる材料表面に絶縁膜をスパッタ形成した後、
この絶縁膜をリソグラフ法により2千個の素子を形成し
た。さらに、絶縁膜を形成して、磁器ヘッドとしてバー
に切断し、切断面の一面を摺動面として精密鏡面加工を
施した後、イオンミリングによって高精度の溝加工を行
い、負圧部を形成して磁気ヘッドとして切断した。この
磁気ヘッドはハードディスク用ドライブとして、記録装
置に組み込み、磁気ヘッドスライダとして20nm浮上
させて使用し、104回の動作を行い、誤動作の発生回
数を測定した。結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】本発明の試料No.4〜7,9,10,1
2〜14,18〜26は、誤動作が2回以下であった。
【0053】一方、相対密度が98%未満で、本発明の
範囲外の試料No.1〜3、11は、誤動作が8回以上
であった。また、0.2μm以上の硅素以外の金属含有
粒子が250個より多い本発明の範囲外の試料No.
8、15〜17は、誤動作が9回以上であった。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、イオンミリング法また
は反応性イオンエッチング法などのイオン照射によって
も表面平滑性が優れ、磁気ヘッド、特に薄膜磁気ヘッド
用として適した磁気ヘッドスライダを提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中西 政仁 鹿児島県国分市山下町1番1号 京セラ株 式会社鹿児島国分工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭化珪素を主成分とし、硼素と炭素とを含
    む炭化珪素質材料からなり、相対密度が99%以上で、
    かつ摺動面に存在する0.2μm以上の粒径をもつ硅素
    以外の金属含有粒子の数が250個/cm2以下である
    ことを特徴とする磁気ヘッドスライダ。
  2. 【請求項2】炭化珪素を主成分とし、硼素の含有量が
    0.1〜0.8重量%、遊離炭素量が0.5%以下であ
    るとともに、実質的に遊離珪素を含まないことを特徴と
    した請求項1記載の磁気ヘッドスライダ。
  3. 【請求項3】金属不純物量の総量が全量中100ppm
    以下であることを特徴とした請求項1または2記載の磁
    気ヘッドスライダ。
  4. 【請求項4】炭化珪素結晶粒子の平均粒径が5μm以下
    であり、最大長径が平均粒子径の50倍以下であること
    を特徴とする請求項1乃至3のうちいずれかに記載の磁
    気ヘッドスライダ。
  5. 【請求項5】スライダ摺動面の表面粗さ(Rmax)が
    10nm以下であることを特徴とする請求項1乃至4の
    うちいずれかに記載の磁気ヘッドスライダ。
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