JP2001183538A - 導波路型光デバイス - Google Patents

導波路型光デバイス

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JP2001183538A
JP2001183538A JP36368199A JP36368199A JP2001183538A JP 2001183538 A JP2001183538 A JP 2001183538A JP 36368199 A JP36368199 A JP 36368199A JP 36368199 A JP36368199 A JP 36368199A JP 2001183538 A JP2001183538 A JP 2001183538A
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JP
Japan
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substrate
clad
cladding
optical device
type optical
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JP36368199A
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English (en)
Inventor
Shigeru Hirai
茂 平井
Nobuhiro Akasaka
伸宏 赤坂
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 偏波回転器を設置することなく、光導波路に
かかる応力を低減することで光学特性のずれ、ばらつき
を減少させ、構造及び製造工程が簡単化された導波路型
光デバイスを提供する。 【解決手段】 基板11上にクラッド12が設けられ、クラ
ッド12上にオーバークラッド13が設けられ、コア14は基
板11とクラッド12の境界に接するか、クラッド12に周囲
を囲まれており、β1<β2<β3、または、β1>β2
β3(β1、β2、β 3は、それぞれ、基板11、クラッド1
2、オーバージャケット13の線膨張率)であることを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に光導波路
を有する導波路型光デバイスに関するもので、さらに詳
細には、光導波路にはたらく応力を調節する事により、
偏波依存性が小さくなるように構成した導波路型光デバ
イスに関する。
【0002】
【従来の技術】導波路型光デバイスは、基板上に所定の
パタ一ンをもつコアを形成し、さらにコアを覆うクラッ
ドを形成したものである。コアおよびクラッドを形成す
るプロセスとしては、例えば、FHD法(たとえば、M. Ka
wachi : "Silica Waveguides on Silicon and their Ap
plication on Integrated-optic Components", Optical
and Quantum Electronics Vol.22(1990)391-416)があ
る。コアおよびクラッドの形成は高温で行われるので、
完成した導波路型光デバイスには、基板、コア、およ
び、クラッドの熱膨張係数の差に起因する応力が残留す
る。この応力は、コア部分で基板に垂直な方向の屈折率
と基板に平行な方向の屈折率に差(複屈折)を生じさせ
る。そのため、導波路型光デバイスの光学特性は、TM偏
波とTE偏波とで異なり、偏波依存性を有してしまうとい
う問題が生じる。
【0003】このような間題に対して、特許第2614365
号公報において、光導波路の所定の位置に偏波回転器を
設置することによって光導波路の途中で偏波状態を回転
・変換して、どの偏波状態の入力光に対しても光路長が
等しくなるように構成する導波型光デバイスが開示され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように偏波回転器を新たに設置する構成とした場合に
は、導波路型光デバイスが複雑化し、製造コストも高く
なってしまう。本発明は、以上の問題点にかんがみてな
されたものであり、偏波回転器を特別に設置することな
く、光導波路にかかる応力を低減することで光学特性の
ずれ、ばらつきを減少させ、構造及び製造工程が簡単化
された導波路型光デバイスを提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の導波路型光デバ
イスは、基板、コア、クラッド、オーバージャケットか
らなり、前記クラッドは前記基板上に設けられ、前記オ
ーバークラッドは前記クラッド上に設けられており、前
記コアは前記基板と前記クラッドの境界に接するか、前
記クラッドに周囲を囲まれており、 β1<β2<β3、または、β1>β2>β3 (β1、β2、β3は、それぞれ、基板、クラッド、オー
バージャケットの線膨張率)であることを特徴とする。
【0006】この構成により、本発明はオーバージャケ
ットが無い導波路型光デバイスと比較して、コアの部分
の複屈折を小さくできる。これにより、偏波回転器など
の特別な部品を付加することなく、特定の線膨張率のオ
ーバークラッドを設けるだけで、偏波依存性が小さい導
波路型光デバイスを実現できる。
【0007】本発明の光導波路デバイスは、基板が石英
ガラスであり、β1<β2<β3であるとより好ましい。
この構成では、後から形成するオーバージャケットの組
成を、ドーパントが少なく軟化点が高い石英ガラスとす
る必要が無いので、製造が容易になる。
【0008】本発明の光導波路デバイスは、オーバージ
ャケットが石英ガラスであってもよい。この構成によ
り、クラッドとオーバージャケットはともに石英ガラス
となるので、|β3−β2|は|β2−β1|と同程度若し
くは小さくできる。そのため、製造上の問題でオーバー
ジャケットの厚みが少々ばらついても、コアの部分の複
屈折の変化を小さくでき、偏波依存性が小さな導波路型
光デバイスが容易に実現できる。
【0009】本発明の光導波路デバイスは、前記クラッ
ドと前記オーバージャケットは同じドーパントのみを含
むよう構成してもよい。この構成により、クラッドとオ
ーバージャケットの製造条件の相違点は、ドーパント原
料の投入量のみとなる。そのため、クラッドとオーバー
ジャケットを多孔質状態で連続して堆積し、一括して透
明石英ガラス化する簡単なプロセスを採用することがで
きる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態を説明する。図面の説明においては、可能
な限り、同一要素には同一符号をつけ、重複する説明を
省略する。また、図面の寸法比率は、実際のものとは必
ずしも一致していない。さらに、以下に示した実施の形
態は、発明の技術的内容を明らかにする意図のものであ
って、記載された実施の形態のみに、発明を限定するも
のではない。
【0011】はじめに、オーバージャケットを有しない
導波路型光デバイスでコアに生じている応力について、
モデルを用いて説明する。図5は、この構造の導波路型
光デバイスの一部を、基板に垂直な面で直方体形状に切
り取った部分の斜視図である。基板51上にクラッド52が
形成され、クラッド52の中にはコア53がある。基板51と
クラッド52の線膨張係数をそれぞれβ1、β2とし、ヤン
グ率をそれぞれE1、E2とする。また、基板51とクラッド
52の紙面右側の断面の断面積をそれぞれS1、S2とし、こ
の面に働く応力をそれぞれσ1、σ2とする。
【0012】基板51上にクラッド52を合成するときの温
度をToとする。この時、クラッド52となるガラスは溶融
しているので、σ1(To)=0、σ2(To )=0である。また、
この時の基板51とクラッド52の紙面手前側の一辺の長さ
を、a1(To)=a2(To)=a0とする。
【0013】この基板51とクラッド52が室温T1まで冷却
されると、基板51とクラッド52が単独に存在し自由に変
形できれば、
【数1】 (i=1,2)となるが、基板51とクラッド52は相互に固着
しているので、以下の式を満たすa(T1)までしか変形で
きない。
【数2】 (i=1,2)
【数3】 ここで、(数2)より、σ1、σ2は正ならば引っ張り応
力、負ならば圧縮応力である。
【0014】(数1)〜(数3)を、未知数σ1、σ2
a1、a2、aについて解くと、
【数4】 を得る。この式が示すように、冷却されたクラッドに
は、β21の時σ2>0(引っ張り応力)、β21の時
σ2<0(圧縮応力)なる応力が発生してしまう。クラッ
ド52中にあるコア53にも同様の応力が付加され、コアの
屈折率は、基板に垂直な方向と基板に平行な方向とで異
なる値をとることになる。
【0015】次に、オーバージャケットを有する導波路
型光デバイスでコアに生じる応力について、同様なモデ
ルを用いて説明する。図1は、この構造の導波路型光デ
バイスの一部を、図5と同じように、基板に垂直な面で
直方体形状に切り取った部分の斜視図である。基板11上
にクラッド12が形成され、さらにその上にオーバージャ
ケット13が形成されている。クラッド12の中にはコア14
がある。基板11、クラッド12、オーバージャケット13そ
れぞれの線膨張係数をβ1、β2、β3とし、ヤング率をE
1、E2、E3とする。また、基板11、クラッド12、オーバ
ージャケット13のそれぞれの紙面右側の断面の断面積を
S1、S2、S3とし、この面に働く応力をそれぞれσ1
σ2、σ3とする。
【0016】以下、オーバージャケットクラッドを有し
ない時と同様に扱える。基板11上にクラッド12、オーバ
ージャケット13を合成する時、クラッド12、オーバージ
ャケット13となるガラスは溶融しているので、σ1(To)=
0、σ2(To )=0、σ3(To )=0である。また、この時の紙
面手前側の一辺の長さを、a1(To)=a2(To) =a3(To)=a0
する。
【0017】この基板11、クラッド12、オーバージャケ
ット13が室温T1まで冷却されると、基板11、クラッド1
2、オーバージャケット13が単独に存在し自由に変形で
きれば、
【数5】 (i=1,2,3)となる。しかし、基板11、クラッド12、オ
ーバージャケット13は相互に固着しているので、以下の
式を満たすa(T1)までしか変形できない。
【数6】 (i=1,2,3)
【数7】 ここで、σ1、σ2、σ3は正ならば引っ張り応力、負な
らば圧縮応力である。
【0018】(数5)〜(数7)を、未知数σ1、σ2
σ3、a1、a2、a3、aについて解くと、
【数8】 を得る。この式が示すように、オーバージャケット13が
ある光導波路デバイスのσ2は、オーバージャケットが
ない光導波路デバイスのσ2と比べて、β1−β2とβ3
β2が異符号であるとき、すなわちβ123またはβ
123であるとき、小さくすることができる。よっ
て、クラッド12中にあるコア14の複屈折は、β12
3またはβ123であるとき小さくなる。
【0019】以上、モデルを用いて説明したことは、
「クラッド12が基板11から圧縮応力を受けるときは、ク
ラッド12がオーバージャケット13からは引っ張り応力を
受けるように」、「クラッド12が基板11から引っ張り応
力を受けるときは、クラッド12がオーバージャケット13
からは圧縮応力を受けるように」設計すれば、クラッド
12中のコア14に生じる複屈折が小さくなると考えれば直
感的に理解しやすい。また、現実には、コア14に生じる
複屈折は、クラッド12のどこにコア14があるかで変わっ
てくるので、より厳密な取り扱いが必要であることはい
うまでもない。
【0020】以下、本発明を具体例により説明する。図
2は、本発明の第1の実施形態を説明する図であり、石英
ガラス基板上に形成した本発明の導波路型光デバイスの
一部を、基板に垂直な断面で直方体形状に切り取ったも
のの斜視図である。石英ガラス基板21の上表面には直接
コア14が形成され、石英ガラス基板21の上表面のコア14
の形成されていない部分およびコア14上にはクラッド12
が形成されている。クラッド12の上にはオーバージャケ
ット13が形成されている。この実施形態では、コア14下
部の石英ガラス基板21は、光学的にはクラッドの機能も
果たしている。
【0021】石英ガラス基板21はドーパントを含まず、
その線膨張率β1は0.4×10-6、厚みは0.5mm程度であ
る。コア14は石英ガラスからなり、石英ガラス基板21の
屈折率よりもコア14の屈折率を大きくするため、GeO2
TiO2等のドーパントを含む。クラッド12も石英ガラスか
らなり、コア14の軟化温度よりもクラッド12の軟化温度
を低くするため、P2O5、B2O3、フッ素等を含む。この
際、屈折率を大きくするドーパントと屈折率を小さくす
るドーパントを組み合わせて用い、クラッド12の屈折率
と石英ガラス基板21の屈折率とが等しくなるように調節
している。通常P2O5とB2O3が用いられる。クラッド12は
P2O5、B2O3等のドーパントを含むので、クラッド12の線
膨張率β2はβ1より大きく、通常0.6×10-6程度であ
る。クラッド12の厚みは30μm程度である。
【0022】オーバージャケット13は、クラッド12より
も線膨張率が大きな材料で形成される。このような材料
として、Si(線膨張率2.4×10-6)、Al(線膨張率23×1
0-6)が使用できる。また、オーバージャケット13はク
ラッド12よりもドーパントの量を増やした石英ガラスで
もよい。
【0023】(数8)に示されているように、σ2は、S
1(β1−β2)とS3(β3−β2)の関係で決まる。|β1
−β2|が小さいときは、|β3−β2|が大きいと、オ
ーバージャケット13の厚さS3を極端に薄くしなければな
らない。従って、基板21とクラッド12がともに石英ガラ
スで|β1−β2|が小さいときは、オーバージャケット
13も石英ガラスとし|β3−β2|が大きすぎないように
することが好ましい。そうすることで、製造上の問題で
オーバージャケット13の厚みが少々ばらついても、コア
の部分の複屈折の変化を小さくでき、偏波依存性が小さ
な導波路型光デバイスが容易に実現できる。
【0024】オーバージャケット13の厚みはクラッド12
の厚みの2倍以下とするのが好ましい。厚みが2倍を超え
ると導波路型光デバイスが割れやすくなる。オーバージ
ャケット13の線膨張率は0.2×10-6/K≦|β3−β2|≦
1.0×10-6/Kとするのが好ましい。|β3−β2|<0.2×
10-6/Kでは、偏波依存性を小さくする効果が少ない。|
β3−β2|>1.0×10-6/Kでは、製造上の問題でオーバ
ージャケットの厚みが少々ばらついた場合の偏波依存性
の変化が大きすぎ、一定の特性の導波路型光デバイスを
得るのが難しい。
【0025】クラッド12とオーバージャケット13とは同
じドーパントのみを含むのが好ましい。 このようにす
ると、クラッド12とオーバージャケット13の製造条件の
相違点は、ドーパント原料の投入量のみとなる。そのた
め、クラッドとオーバージャケットを多孔質状態で連続
して堆積し、一括して透明石英ガラス化する簡単なプロ
セスを採用することができる。
【0026】クラッド12は、0.5wt%以上5wt%以下のB2O3
と0.5wt%以上5wt%以下のP2O5を含み、オーバージャケッ
トは3wt%以上10wt%以下のB2O3と3wt%以上10wt%以下のP2
O5を含むのが好ましい。より好ましくは、クラッド12
は、1wt%以上4wt%以下のB2O3と1wt%以上3wt%以下のP2O5
を含み、オーバージャケットは4wt%以上6wt%以下のB2O3
と3wt%以上5wt%以下のP2O5を含む。このようにすると、
製造が容易で、特性のばらつきが少なく、偏波依存性が
少ない導波路型光デバイスを、製品が割れることなく製
造することができる。この場合、オーバージャケットの
膜厚は約15μmとなる。
【0027】図3は、本発明の第2の実施形態を説明す
る図であり、Si基板上に形成した本発明の導波路型光デ
バイスの一部を、基板に垂直な面で直方体形状に切り取
った部分の斜視図である。Si基板31の上には石英ガラス
からなるアンダークラッド32が形成され、アンダークラ
ッド32の上にはコア14が形成され、アンダークラッド32
表面でコア14の形成されていない部分およびコア14上に
はオーバークラッド33が形成されている。オーバークラ
ッド33の上にはオーバージャケット13が形成されてい
る。
【0028】Si基板31は、線膨張率β1は2.4×10-6、厚
みは1mm程度である。アンダークラッド32とオーバーク
ラッド33は、3wt%以上10wt%以下のB2O3と3wt%以上10wt%
以下のP2O5を含み、オーバージャケット13は、石英ガラ
スであり、0.5wt%以上5wt%以下のB2O3と0.5wt%以上5wt%
以下のP2O5を含むのが好ましい。より好ましくは、アン
ダークラッド32とオーバークラッド33は、4wt%以上6wt%
以下のB2O3と3wt%以上5wt%以下のP2O5を含み、オーバー
ジャケット13は1wt%以上4wt%以下のB2O3と1wt%以上3wt%
以下のP2O5を含む。アンダークラッド32の厚みは15μm
程度、オーバークラッド33の厚みは20μm程度、オーバ
ージャケットの厚みは20μm程度である。
【0029】このように、第2の実施形態では、オーバ
ージャケット13の軟化点はアンダークラッド32、オーバ
ークラッド33の軟化点よりも高く、またSi基板の融点よ
りも高い。そこで、第2の実施形態では、オーバージャ
ケット13をFHD法を利用して形成することができず、よ
り低温でガラスを合成できるプラズマCVD法等で形成す
る。そのため、|T1−T0|を大きくできず、第1の実施
形態と比較してより厚いオーバージャケットを形成する
必要がある。
【0030】(実施例1) 外径100mm、厚さ0.5mmの石
英ガラス基板上に、GeO2を含む石英ガラスからなるコア
膜を、プラズマCVD法により形成した。コア膜の比屈折
率差は石英ガラス基板に対して0.75%、膜厚は6μmであ
った。次に、フォトリソグラフィーと反応性イオンエッ
チングにより、コア膜をアレイ導波路グレーティング
(AWG)の光回路形状に加工した。
【0031】この石英ガラス基板を500℃に加熱したタ
ーンテーブルにのせ、FHD法を用いてガラス微粒子を堆
積し、1300℃で1時間加熱して、SiO2が97.2wt%、B2O3
1.3wt%、P2O5が1.5wt%からなる厚さ30μmのクラッド層
を作製した。さらに、この石英ガラス基板を、500℃に
加熱したターンテーブルに再度のせ、FHD法を用いてガ
ラス微粒子を堆積し、1050℃で2時間加熱して、SiO2が9
0.1wt%、B2O3が4.6wt%、P2O5が5.3wt%からなる厚さ15.0
μmのオーバージャケット層を作製した。図2にその一部
を示した。
【0032】このようにして得られたクラッド層の熱膨
張係数は、図4に示したSiO2−B2O3、P2O5組成ガラスに
おけるB2O3、P2O5添加濃度と熱膨張係数の関係より、0.
6ラ10 -6/Kであり、オーバージャケット層の熱膨張係数は
1.1ラ10-6/Kである。得られた石英ガラス基板から1個のA
WGの光導波路チップを切り出し、光学特性を評価した。
透過スペクトルの中心波長は1550.2nmの周囲に0.8nm間
隔で存在した。また、挿入損失は3〜4dB、クロストーク
は−25〜−32dBで、TE偏光の透過中心波長とTM偏光の透
過中心波長の差は0.02nmであり、実用上良好な特性であ
った。
【0033】(実施例2) 外径100mm、厚さ0.5mmの石
英ガラス基板上に、GeO2を含む石英ガラスからなるコア
膜をプラズマCVD製法により形成した。コア膜の比屈
折率差は石英ガラス基板に対して0.75%、膜厚6μmであ
った。次に、フォトリソグラフィーと反応性イオンエッ
チングによって、コア膜をAWGの光回路形状に加工し
た。
【0034】この石英ガラス基板を500℃に加熱したタ
ーンテーブルにのせ、FHD法を用いてクラッド層および
オーバージャケット層となるガラス微粒子を連続して堆
積し、その後1300℃で1時間加熱した。この時、原料投
入量は、クラッド層ではSiO2が97.2wt%、B2O3が1.3wt
%、P2O5が1.5wt%の石英ガラスになるように、オーバー
ジャケット層ではSiO2が90.1wt%、B2O3が4.6wt%、P2O5
が5.3wt%となるように設定した。また、原料投入時間
は、クラッド層がオーバージャケット層の厚みの約2倍
となるように設定した。クラッド層とオーバージャケッ
ト層の合計の厚さは45.0μmであった。
【0035】得られた石英ガラス基板から1個のAWGの光
導波路チップを切り出し、光学特性を評価した。挿入損
失は3〜4dB、クロストークは−25〜−32dBで、TE偏光の
透過中心波長とTM偏光の透過中心波長の差は0.02nmであ
り、実施例1と同様に良好値を得た。
【0036】(比較例1) 石英ガラス基板上に、実施
例1と同様にしてクラッド層の作成まで行い、この石英
ガラス基板からAWGの光導波路チップを切り出した。こ
のAWGの光導波路チップはオーバージャケット層を持た
ない。このチップの光学特性を評価した所、挿入損失は
3〜4dB、クロストークは−25〜−32dBと良好な値を得た
が、TE偏光の透過中心波長とTM偏光の透過中心波長の差
は0.06nmと大きかった。
【0037】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。光導波
路にかかる応力による光学特性のずれ、ばらつき等を低
減することができる。また、構造及び製造工程が簡単化
された導波路型光デバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導波路型光デバイスの一部を、基板に
垂直な断面で直方体形状に切り取ったものの斜視図であ
る。
【図2】石英ガラス基板上に形成した本発明の導波路型
光デバイスの一部を、基板に垂直な断面で直方体形状に
切り取ったものの斜視図である。
【図3】Si基板上に形成した本発明の導波路型光デバイ
スの一部を、基板に垂直な断面で直方体形状に切り取っ
たものの斜視図である。
【図4】石英ガラス中のP2O5とB2O3の量と石英ガラスの
熱膨張率の関係を示す図である。
【図5】従来の導波路型光デバイスの一部を、基板に垂
直な断面で直方体形状に切り取ったものの斜視図であ
る。
【符号の説明】
11:基板 12:クラッド 13:オーバージャケット 14:コア

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板、コア、クラッド、オーバージャケ
    ットからなり、前記クラッドは前記基板上に設けられ、
    前記オーバークラッドは前記クラッド上に設けられてお
    り、前記コアは前記基板と前記クラッドの境界に接する
    か、前記クラッドに周囲を囲まれており、 β1<β2<β3、または、β1>β2>β3 (β1、β2、β3は、それぞれ、基板、クラッド、オー
    バージャケットの線膨張率)であることを特徴とする導
    波路型光デバイス。
  2. 【請求項2】 前記基板が石英ガラスであり、β1<β2
    <β3であることを特徴とする、請求項1記載の導波路
    型光デバイス。
  3. 【請求項3】 前記オーバージャケットが石英ガラスで
    あることを特徴とする請求項1または2記載の導波路型
    光デバイス。
  4. 【請求項4】 前記オーバージャケットの厚みが、前記
    クラッドの厚みの2倍以下であることを特徴とする請求
    項3記載の導波路型光デバイス
  5. 【請求項5】 0.2×10-6/K≦|β3−β2|≦1.0×10-6
    /Kであることを特徴とする請求項3記載の導波路型光デ
    バイス
  6. 【請求項6】 前記クラッドと前記オーバージャケット
    は同じドーパントのみを含むことを特徴とする請求項3
    記載の導波路型光デバイス
  7. 【請求項7】 前記基板と前記オーバージャケットがと
    もに石英ガラスであり、前記クラッドは0.5wt%以上5wt%
    以下のB2O3と0.5wt%以上5wt%以下のP2O5を含み、前記オ
    ーバージャケットは3wt%以上10wt%以下のB2O3と3wt%以
    上10wt%以下のP2O5を含むことを特徴とする請求項1に
    記載の導波路型光デバイス。
  8. 【請求項8】 前記基板がSiであり、前記オーバージャ
    ケットが石英ガラスであり、前記クラッドは3wt%以上10
    wt%以下のB2O3と3wt%以上10wt%以下のP2O5を含み、前記
    オーバージャケットは0.5wt%以上5wt%以下のB2O3と0.5w
    t%以上5wt%以下のP2O5を含むことを特徴とする請求項1
    に記載の導波路型光デバイス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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