JP2001181939A - 管路内面ライニング成形用材料 - Google Patents

管路内面ライニング成形用材料

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JP2001181939A
JP2001181939A JP2000123171A JP2000123171A JP2001181939A JP 2001181939 A JP2001181939 A JP 2001181939A JP 2000123171 A JP2000123171 A JP 2000123171A JP 2000123171 A JP2000123171 A JP 2000123171A JP 2001181939 A JP2001181939 A JP 2001181939A
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resin
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cylindrical
glass
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Seiji Suzuki
精二 鈴木
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Unitika Glass Fiber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 上下水道管、ガス管、石油や各種化学品
の輸送管などの管路の内面に機械的強度に優れるばかり
でなく、耐薬品性・耐腐食性が改善された、耐久性が高
いライニング材を形成できる管路内面ライニング形成用
成形材料を提供すること。 【解決手段】 既存の管路内面に樹脂処理した円筒状繊
維織物基材を挿入し、円筒内に圧力をかけて円筒を膨張
させ、円筒を管路内面に密接させ、樹脂を硬化させて管
路内面に新たな円筒状成形物を成形する円筒状樹脂処理
繊維織物基材において、円筒の軸方向の繊維密度と円筒
の円周方向の繊維密度との比が1:1.3〜5であるこ
とを特徴とする円筒状樹脂処理繊維織物基材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば管路内面成形
用材料、特に上下水道管、ガス管、石油や各種化学品の
輸送管などの管路の内面に耐薬品性・耐腐食性が改善さ
れた、耐久性が高いライニング材を形成する管路内面ラ
イニング形成用樹脂処理されているあるいは樹脂処理さ
れていない円筒状繊維織物基材に係る。
【0002】上下水道管、都市ガス管、石油や化学薬品
の輸送管などは、長期間の供用の過程で衝撃、腐食、摩
滅、摩耗などによって老朽化し、強度が低下するためヒ
ビ割れや破損を起こし、管路内の輸送・廃棄物が漏出し
て建造物内部や周辺環境環境を破壊汚染し、人畜など生
物にも危害を及ぼす危険性をはらんでいる。このような
劣化・破損が生起する恐れがある場合、老朽化した管を
廃棄して新らしい管を敷設・取り付けし直し、又は老朽
化した管の内面全体にライニング処理するかの何れかの
工法が施行されている。かかる工法のうち、新規敷設を
行う場合特に上下水道管や都市ガス配管の場合大規模な
開削工事が必要であり、膨大な時間を要しまた莫大な工
費の出費を伴うほか、当該管路の供用が中断するだけで
なく、その間漏出、汚染など事故の防止が適宜に行えな
い可能性があるなど問題が多い。そのため、老朽化した
管路を撤去することなくその内部にライニング材を敷設
して劣化・損傷部位を補修し、供用寿命を延長させる工
法が実施されている。この工法は、老朽化した管路の内
部に強化繊維に例えば熱硬化性樹脂を含浸処理してなる
円筒状樹脂処理繊維織物基材を送入して所定位置に配設
し、次いで加圧して管路内面に密着させてから加熱、紫
外線照射などの手段で樹脂を硬化させ、かくして管路内
面全面に亙って繊維強化プラスチックスからなる一体の
ライニング材を形成させるものである。
【0003】
【従来の技術】従来、上記管路内面ライニング形成のた
めに種々の材料、工法が提案されているがいずれも必ず
しも満足すべきものではない。管路内面ライニング成形
用円筒状繊維織物基材を送入して所定位置に配設し、加
圧して密着させてから硬化反応によりライニング材を均
一な肉厚で而も管路内面に密着した状態で所定の位置に
形成し、かくして補修管路の物理的強度と化学的安定性
を扶養して、管路供用寿命の延長を確保することが意図
される。しかしながら、特に下水道配管、原油や化学薬
品の輸送配管においては、その長期間の供用の過程で、
外部からの振動、圧縮など物理的ストレスと共に硫化水
素、次亜塩素酸、各種有機酸や硫化水素など酸性、アル
カリ性の高い物質を含め腐食性の強い物質と常時接触し
て化学的又は電気化学的ストレスに暴露され、管路自体
の上下又は左右への湾曲、管の目チガイ、管路自体のヒ
ビ割れなどが生起し、ヒビ割れを介した管路内面の腐食
による劣化損傷など種々の老朽化現象の発生が常時不可
避なのであるから、ライニング層が、均一でなくかつ耐
薬品性が充分でなかった場合は、補修管路自体の化学的
安定性、特に耐腐食性が損なわれ、補修効果が当初の意
図されたように得られないことが起こり得る。従って補
修管路を供用しても、酸性やアルカリ性物質との動的接
触が引き続いて一定期間経過した場合、補修したライニ
ング材は、当初設計意図したよりも遥かに早期に物理的
あるいは化学的な劣化を容易に受け、その結果物理的な
破断に至る事態が惹起されることが危惧される。またか
かる事態は、上水道管路など腐食性物質との接触頻度が
少ない管路についても補修後の供用寿命を延長させるう
えで配慮されるべきものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる情況に鑑みて本
発明者らは、先ず管路内面ライニング材に特に改善され
た耐薬品性を付与してその化学安定性を増大させるのみ
ならず、さらには長期間に亙って物理的安定性・強度を
持たせた。従って長期間にわたる供用寿命の持続的確保
が実現できる材料を提供することを目標にして、種々検
討を重ねた結果、特定の繊維を配合することによって管
路の内面成形用材料、特に管路内面ライニング成形用材
料全体に優れた化学的安定性、従って優れた耐腐食性を
付与できることを知見して特許出願したがこのたび円筒
の軸方向の繊維密度と円筒の円周方向の繊維密度の比
が、1:1.3〜5であることを特徴とする円筒状繊維
基材を使用すれば、耐薬品性、耐腐食性と共に思いがけ
ないことに物理的安定性強度にも優れ、耐久性が一段と
優れたライニング材を管路内面に容易に成形することを
見出しその結果ライニング層をより薄くすることがで
き、気体又は液体の管内流路を広く確保することができ
ることも知見し、さらに検討を重ねて本発明を完成した
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、円筒の
軸方向の繊維密度と円筒の円周方向の繊維密度との比が
約1:1.3〜5であることを特徴とする円筒状樹脂処
理繊維織物基材が、物理的安定性、化学的安定性及び耐
腐食性に優れ、供用寿命が延長された管路内面ライニン
グ成形材料として提供されるのである。
【0006】すなわち、本発明は(1)円筒の軸方向の
繊維密度と円筒の円周方向の繊維密度の比が1:1.3
〜5であることを特徴とする円筒状繊維織物基材、
(2)繊維織物が樹脂処理されている前記(1)に記載
の基材、(3)既存の管路内面に樹脂処理した円筒状繊
維織物基材を挿入し、円筒内に圧力をかけて円筒を膨張
させ、円筒を管路内面に密接させ、樹脂を硬化させて管
路内面に新たな円筒状成形物を成形する円筒状樹脂処理
繊維織物基材において、円筒の軸方向の繊維密度と円筒
の円周方向の繊維密度との比が1:1.3〜5であるこ
とを特徴とする円筒状樹脂処理繊維織物基材、(4)繊
維織物の糸条がガラス繊維、炭素繊維及び金属繊維から
選ばれる一以上の無機繊維であることを特徴とする前記
(1)〜(3)のいずれかに記載の基材、(5)タテ糸
又はヨコ糸の密度とヨコ糸又はタテ糸の密度との比が
1:1.3〜5であることを特徴とする管路内ライニン
グ用円筒状樹脂処理ガラス繊維織物基材製造のためのガ
ラス織物、及び(6)前記(1)〜(5)のいずれかに
記載の材料を使用して内面をライニングした管路、に関
する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に従った管路の内面用材
料、特に管路内面ライニング成形材料として有用な円筒
状樹脂処理織物基材は、耐熱性、耐薬品性、寸法安定
性、物理性が著しく改善された繊維糸条で織成された織
物基材を好ましくは熱硬化性の樹脂で処理して得られ
る、好ましくはシ−ト状基材又は要すれば管路の好まし
くは異なる直径にも適合させるよう円筒形状に形成され
うるシ−ト状成形材料であり、製造又は工事現場で長手
方向の端部同士を接合して円筒状に成形して、樹脂処理
するか、あるいはその順序を逆にして樹脂処理後のシー
トを円筒状に成形するかしたのち、老朽化管路の内面に
送入、配設して、加圧して管路内面に密着させてから樹
脂硬化反応に供するものである。あるいは管路内にシー
ト状材料を入れて管路内で樹脂処理したのち円筒内部を
加圧し、樹脂を硬化させてライニングを形成してもよ
い。いずれにしろ自体公知の工法に従ってよい。
【0008】本発明の繊維織物基材の糸条を形成する繊
維は熱安定性、化学安定性、寸法安定性、耐薬品安定性
に優れているものならばどのようなものでよい。具体的
には、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、化学合成繊維
あるいは天然繊維又はこれらの混合繊維であってよい。
ガラス繊維は、アルカリ含有率によって無アルカリタイ
プと含アルカリタイプに大別されるが、前者はホウ素と
フッ素系の融剤が配合されているため電気的および機械
的特性が優れおり、電気関係の分野で使用される関係で
Eガラスと称され、また後者は耐薬品性が高く化学的用
途に用いられるためCガラスと称されている。なお、C
ガラスはアルカリ含有率が余りにも高いため耐風化性が
劣悪でり実用性に欠けるため、アルカリ含量を下げると
同時にチタンと亜鉛系の融剤を用いたECRガラスが開
発され、Cガラスを代替して汎用されている。従って、
ECRガラスも本発明に使用されてもよい。
【0009】本発明で使用される好ましいガラス繊維
は、BおよびFを含まず、式SiO−TiO
−Al−RO(RはCa、Mg等の2価金属)
又は式SiO−Al−RO(Rは前記と同意
義)で示される組成を有するガラスである。特にSiO
−Al−CaO及びMgOからなるガラス繊
維、その中でも、フッ素、サルフェート又はチタニウム
を含まず、デルタT値が少なくとも52℃、特に66℃
以上のガラス繊維が好ましい。
【0010】本発明で使用される重要なガラス繊維は、
ホウ素を含まず、約59.0〜62.0重量%のSiO
、約20.0〜24.0重量%のCaO、約12.0
〜15.0重量%のAl、約1.0〜4.0重量
%のMgO、約0.0〜0.5重量%のF、約0.1
〜2.0重量%のNaO、約0.0〜0.9重量%の
TiO、約0.0〜0.5重量%のFe、約
0.0〜2.0重量%のKO及び約0.0〜0.5重
量%のSOからなるガラス繊維であリ、その中でもさ
らに、(1)約1149℃〜1371℃の形成温度(fo
rming temperature)での粘度が約1000ポイズで、
(2)約38℃を越え上記形成温度以下の液化温度(li
quidus temperature)を有するガラス繊維組成物が高
性能で最も好ましい。その他のPCT出願WO96/3
9362に記載のガラス繊維がいずれも好都合に用いら
れる。
【0011】このような上記した高機能ガラス繊維とし
ては、例えばオーエンスコーニング社(Owens Cornin
g、U.S.A.)から“ADVANTEX”なる商標で市販
されているガラス繊維が特に好ましく、本発明の管路内
ライニング成型用シート状成形材料の製造に適してい
る。Advantexは、従来Eガラス及びECRガラス繊維製
造上から必要不可欠とみなされてきた酸化ホウ素とフッ
素並びに酸化チタンと酸化亜鉛を融剤として添加するこ
となく製造されうるため、環境に対する負荷が低減され
ており、その独特な高機能性とあいまって極めて有用性
の高い本発明材料の素材である。
【0012】又さらに、モル%で、SiO 56〜6
3%、Al 4.5〜9.5%、MgO 0〜6
%、CaO 18〜26%、ZnO 0.5〜10%、
Na O 0〜1.5%、KO 0〜1.5%、Li
O 0〜1.5%、NaO+KO+Li 0≦
3%を含有し、B、Fを含まないガラス繊維、
並びにモル%で、SiO 56〜63%、Al
4.5〜9%、MgO 0〜6%、CaO 18〜2
6%、ZnO 0〜7%、NaO 0〜1.5%、K
O 0〜1.5%、LiO 0〜1.5%、Na
O+KO+Li 0≦3%を含有し、B
0.5〜3.2%を含有し、Fを含まないガラス繊維
も本発明の材料の原料として極めて有用である。その他
特開平11−157875号公報、特開平11−157
876号公報に記載されたガラス繊維も本発明の材料の
原料として極めて有用である。ガラス繊維以外にロック
ウール、炭素繊維、例えばアラミド繊維などの合成繊
維、例えばステンレスなどの金属繊維が単独又はガラス
繊維などと適宜に組合せて使用されてもよい。組口は通
常は、異なる織物を2枚、3枚、4枚、5枚又は6枚積
層することによって行われる。その場合、同じ種類の織
物を複数使用してもよい。
【0013】さらに詳しくはガラス繊維とその優れた耐
腐食性が損なわれない範囲で組合せ使用され得る繊維と
しては、例えば下記の繊維が挙げられる。アクリロニト
リルや石油ピッチをベ−スとする炭素繊維;ロックウ−
ル、鉱淬繊維等の無機繊維;ナイロン類、ケブラ−など
のポリアミド繊維;ステンレス糸などの金属繊維;ポリ
エステル、ポリビニルアルコ−ル、ポリ塩化ビニル、ポ
リアクリロニトリル、ポリオレフィン系などの合成繊維
また亜麻、マニラ麻、ヤシなどの天然繊維。組合せの方
法は、通常は積層であるが、混合織、又は混紡でもよ
い。いずれも自体公知の手段で行なってよい。
【0014】織物の形態としては、通常は、織物特に一
方向強化織物(経糸と緯糸の糸条量比率差がある織物)
であるが、織物は他の形態、例えばチョップドストラン
ド(通常ストランドの長さ約25mm〜150mm)、
チョップドストランドマット(通常約200g/m
約900g/m)、フェルト、ペーパー状(ストラン
ドを開繊させて製造、通常約100g/m〜約200
g/m)、ロービング、バイヤス状物(糸条を+45
度、−45度前後に配置したもの)、編物(通常はタテ
編、ヨコ編、筒編がある)、パウダー(繊維を長さ方向
に粉砕したもの)等と例えば積層することによって、ガ
ラス繊維織物と組合せてもよい。これらの形態のガラス
繊維基材は自体公知の手段に従って容易に製造できる。
【0015】バイヤス状物はガラス繊維織物などの無機
繊維織物と組合わせるんのが好ましい実施の態様である
が、自体公知の手段で実施されてよい。以下に説明す
る。ガラスロービングを1本組み(1本とばし)、2本
組み(2本とばし)又は3本組み(3本とばし)で、大
型製紐機で円筒状の基材に組み上げる。糸条の角度につ
いては、一方の糸条は軸方向に対して、通常は約15〜
85度(好ましくは45度)、他方の糸条は通常は約−
15〜−85度(好ましくは−45度)である。バイヤ
ス状物は通常円筒状基材として製造され、シート状基材
の場合に要求される円筒状への成形が不要な上、圧縮空
気により容易に管径方向に拡大する。さらに所望によ
り、軸方向に、すなわち軸に対して0度となるように、
2方向の糸条に加えて1又は複数のロービングをさらに
組み込んでもよい。そうすることによって、軸方向に対
する強度がアップする。
【0016】本発明の円筒状繊維織物基材もしくは円筒
状樹脂処理繊維織物基材を、管路内部に挿入する場合、
本発明の材料を管路の軸方向に対して引っ張る場合は大
きい引張強度が要求されるので、軸方向に対する補給の
ロービングをさらに組み込むことはメリットがある。か
かる場合のガラスロービングの材質はEガラス、Cガラ
ス、ECRガラス又はADVANTEXのいずれでもよ
い。本発明の円筒状繊維織物基材を構成する繊維の糸条
は通常約1000〜5000テックス、好ましくは20
00〜3000テックスである。
【0017】織物の織り方は、平織、アヤ織、朱子織、
模シャ織、あや織、横シャ織、からみ織等のいずれでも
よい。繊維を例えば織成又は編成して本発明の基材を製
造するに際して、糸条を例えば収束剤シランカップリン
グ剤などであらかじめ処理してもよい。このようにして
繊維糸条を織成又は編成して得られる機材は通常シート
状である。
【0018】本発明の繊維織物の特長は、タテ糸又はヨ
コ糸の密度とヨコ糸又はタテ糸の繊維密度の比が約1:
1.3〜5程度より好ましくは約1:1.4〜4程度と
することである。以下において繊維密度の比をロービン
グクロス比率ともいう。かかる繊維織物を円管状に形成
すれば本発明の円筒状繊維織物基材を製造することがで
きる。その場合に、円筒の軸方向の繊維密度と円筒の円
周方向の繊維密度との比が約1:1.3〜5より好まし
くは約1:1.4〜4程度となるよう繊維織物の方向を
定めて、繊維織物を円筒状に加工する。円筒の軸方向の
繊維密度とは、織物の軸方向に使われている糸条の単位
長さ当りの重量であって、円筒の円周方向の繊維密度と
は織物の円周方向に使われている糸条の単位長さ当りの
重量である。円筒状繊維織物基材を樹脂処理することに
よって円筒状樹脂処理繊維織物基材が製造される。円筒
状繊維織物基材の樹脂処理は、管路内に挿入前に行って
もよいし、挿入後に行ってもよいことはもちろんであ
る。又、もちろん、繊維織物基材は他の材料、例えばフ
ェルト、不織布、上記の強化繊維基材等と積層して使用
してもよい。積層は織物を同じ種類の織物を2枚以上使
用してもよい。2枚積層、3枚積層、4枚積層、5枚積
層等である。
【0019】本発明に従ったシート状又は円筒状繊維織
物基材を構成するガラス繊維基材は、Eガラスに匹敵す
る機械的および電気的特性を維持しながら耐薬品性、特
に耐酸性と耐水性が著しく改善された、耐腐食性のよい
例えばアドバンテックス(商標名)等のガラス繊維を単
独で又はかかる優れた耐腐食性が損なわれない範囲で上
記と異なる従来公知の組成のガラス繊維、ロックウ−ル
などの無機繊維、炭素繊維、アラミド繊維、天然繊維お
よび合成繊維と組合せて形成されるものであり、例えば
積層によりその組合わされる繊維の形状としては、例え
ばチョップドストランド、チョップドストランドマッ
ト、フェルト、薄葉シ−ト、ロ−ビング、織布、強化織
布、バイアス織布、編み物又は粉体などが挙げられる。
【0020】本発明の基材としてガラス繊維を用いるの
が好ましく、そのような場合、ガラス繊維の使用量は管
路内面においてその電気的及び機械的特性並びに耐薬品
性及び耐腐食性が十分に発揮できるよう選定すればよ
く、通常は本発明の材料全体つまり円筒状樹脂処理繊維
織物基材に対して約5〜90重量%、好ましくは約7〜
70重量%程度である。樹脂処理は好ましくはシート状
もしくは円筒状繊維織物基材を樹脂液に含浸させるか又
はシート状もしくは円筒状繊維に樹脂液を吹き付けるこ
とによって行われる。この操作は自体公知の手段に従っ
て行われてよい。
【0021】耐腐食性ガラス繊維単独から又は他の種類
の繊維と組合せて得られる上記したガラス繊維基材を含
浸など樹脂処理するために使用される熱硬化性樹脂とし
ては、例えば下記するものが挙げられるが、特に耐熱型
や耐薬品型のものが好ましい:即ちイソフタル酸やオル
ソフタル酸を酸成分として得られる不飽和ポリエステル
樹脂;ビスフェノ−ル型エポキシ樹脂にメタクリル酸や
アクリル酸などを反応させて得られる熱硬化性樹脂;お
よびビスフェノ−ルA、ノボラックなどとエピクロ−ル
ヒドリンとを反応させて得られるエポキシ樹脂。なおこ
れらの樹脂には、施行過程で常温硬化、加熱硬化又は光
(紫外線)硬化を可能ならしめるよう、それぞれに適合
した架橋剤、架橋触媒、架橋助剤やをその他の添加剤を
適宜に配合させておくとよい。
【0022】前記樹脂による含浸処理は、ガラス繊維織
物基材を所望の形状に形成させると同時に自体公知の手
段で樹脂液を塗布適用させることによって行うか、又は
ガラス繊維基材を所望の円筒形状に形成させて、引き続
いて液状樹脂液槽内に導入し、引き上げて余分の樹脂を
しぼり取ることによって行うことができる。この操作は
自体公知の方法に従ってよい。
【0023】このようにして製造された管路内面ライニ
ング成形用円筒状樹脂処理繊維織物基材はその全面を、
耐薬品性性で耐ガス透過性有する、自体公知の単一層フ
ィルムか複層ラミネ−トフィルムで着脱可能に被覆し、
かくして架橋触媒、架橋助剤や架橋剤など配合成分の漏
出や散逸を防止して品質を保持し、また基材の形状保持
や相互接着の防止を確保して取扱い又は保管を容易にす
ることができる。
【0024】かくして被覆包装された、本発明に従った
円筒状樹脂処理繊維織物基材は、所望により外部被覆材
(アウタ−フォイル)を取り除いて、補修するべき老朽
管路の内径に適合する円筒形状の場合はそのまま管路内
に送入し、またシ−ト状である樹脂処理繊維織物基材の
場合は当該管路の内径に適合するよう現場で裁断して円
筒形状とした後管路内に送入し、次いで圧縮空気を圧入
して管路内面に拡張圧着させ、予め設計した上記の硬化
システムに従って常温、加熱又は紫外線照射による硬化
反応を進行させてライニング層を形成させ、所望によ
り、最後に内面被覆材(インナ−フォイル)を剥離す
る。なお、必要に応じて円筒状繊維織物基材を工事現場
で樹脂含浸など樹脂処理し、そのまま補修管路内部に送
入し、管路内面に圧着させて硬化させても、所望のライ
ニング層、つまり管路内層を新たに形成できる。
【0025】
【実施例】以下に実施例を記載して、本発明を更に詳細
に説明する。
【0026】比較例1 ガラスロービング2400texのアドバンテックスを
使用して経方向密度を4本/25mmに緯方向密度を4
本/25mmにして平織に織ったガラスロービングクロ
スの質量は792g/mであった。このガラスロービ
ングクロスの経糸:緯糸のガラスロービング比率は、ほ
ぼ1:1であり、ガラスロービングクロスの引張強さは
経糸方向3,700N/25mm、緯糸方向3,600
N/25mmであり、経糸方向と緯糸方向のガラスロー
ビングクロスの引張強さ比率は、ほぼ1:1であった。
このようにして製造したガラスロービングクロスを3枚
積層し平板を成形し、これを使って緯糸が円筒の周辺方
向となるように円筒状に成形して樹脂リゴラック150
HRBQTN(昭和高分子株式会社製)100重量部と
硬化剤パーメックN(日本油脂株式会社製)0.8重量
部との混液に含浸し室温で樹脂硬化させたのち80℃で
3時間キュアーして管路内ライニング用円筒状樹脂処理
ガラス繊維織物基材を得た。 平板での緯糸方向に荷重をかけた曲げ強度(N/mm) 470 FRP板のガラス含有率(重量%) 62
【0027】実施例1 ガラスロービング1200texと2400texのア
ドバンテックスを使用して経方向に1200texを密
度4本/25mmに緯糸方向に2400texを密度4
本/25mmになるようにし、平織に織ったガラスロー
ビングクロスの質量は818g/mであった。このガ
ラスロービングクロスの経糸:緯糸のガラスロービング
比率は、ほぼ1:3であり、ガラスロービングクロスの
引張強さは経糸方向2,600N/25mm、緯糸方向
6,700N/25mmであり、経糸方向と緯糸方向の
ガラスロービングクロスの引張強さ比率は、ほぼ1:
2.6であった。このようにして製造したガラスロービ
ングクロスを3枚積層し平板を成形し、これを使って緯
糸が円筒の周辺方向となるように円筒状に成形して樹脂
リゴラック150HRBQTN(昭和高分子株式会社
製)100重量部と硬化剤パーメックN(日本油脂株式
会社製)0.8重量部との混液に含浸し室温で樹脂硬化
させたのち80℃で3時間キュアーして管路内ライニン
グ用円筒状樹脂処理ガラス繊維織物基材を得た。 平板での緯糸方向に荷重をかけた曲げ強度(N/mm) 780 FRP板のガラス含有率(重量%) 61
【0028】
【発明の効果】本発明の材料を使用することにより、機
械的強度に優れるばかりでなく、耐薬品性並びに耐腐食
性に優れた、耐久性が著しく延長された内面層が管路内
に形成される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 105:08 B29K 105:08 B29L 23:00 B29L 23:00 Fターム(参考) 3H111 AA04 BA15 BA26 BA28 BA29 DA08 DB03 DB05 DB08 DB10 DB11 4F211 AD02 AD04 AD12 AD16 AD19 AG03 AG08 AH43 SA13 SC03 SD11 SD23 SN03 SP12 SP15 SP21 4L033 AA09 AB05 AC11 AC15 CA45 CA49 4L048 AA03 AA04 AA05 BA01 BA02 BB04 CA15 DA24 EB00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒の軸方向の繊維密度と円筒の円周方
    向の繊維密度の比が1:1.3〜5であることを特徴と
    する円筒状繊維織物基材。
  2. 【請求項2】 繊維織物が樹脂処理されている請求項1
    に記載の基材。
  3. 【請求項3】 既存の管路内面に樹脂処理した円筒状繊
    維織物基材を挿入し、円筒内に圧力をかけて円筒を膨張
    させ、円筒を管路内面に密接させ、樹脂を硬化させて管
    路内面に新たな円筒状成形物を成形する円筒状樹脂処理
    繊維織物基材において、円筒の軸方向の繊維密度と円筒
    の円周方向の繊維密度との比が1:1.3〜5であるこ
    とを特徴とする円筒状樹脂処理繊維織物基材。
  4. 【請求項4】 繊維織物の糸条がガラス繊維、炭素繊維
    及び金属繊維から選ばれる一以上の無機繊維であること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の基材。
  5. 【請求項5】 タテ糸又はヨコ糸の密度とヨコ糸又はタ
    テ糸の密度との比が1:1.3〜5であることを特徴と
    する管路内ライニング用円筒状樹脂処理ガラス繊維織物
    基材製造のためのガラス織物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の材料を
    使用して内面をライニングした管路。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6043450B1 (ja) * 2016-03-01 2016-12-14 積水化学工業株式会社 トンネル内消火配管の更生方法
JP6043449B1 (ja) * 2016-03-01 2016-12-14 積水化学工業株式会社 トンネル内消火配管更生用ライニング材およびトンネル内消火配管の更生方法
JP2019072961A (ja) * 2017-10-18 2019-05-16 日本グラスファイバー工業株式会社 既設管更生用管状ライナーの形成方法及び管状基材

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