JP7402101B2 - コンクリート補強部材 - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリート補強部材に関する。
コンクリート中に連続繊維補強材等のコンクリート補強部材が埋め込まれたコンクリート構造物が広く知られている。上記コンクリート補強部材は、一般的に、ガラス繊維等の繊維に、樹脂を含浸させて製造される。上記コンクリート補強部材は、鉄筋と比べて、軽量であり、かつ耐腐食性及び施工性に優れる。
下記の特許文献1には、コンクリート構造物の補強を行うために、コンクリートの内部に配設される樹脂含浸繊維複合体製補強筋が開示されている。上記樹脂含浸繊維複合体製補強筋では、樹脂含浸繊維が棒状に成形された繊維強化棒材の外周が、樹脂層により被覆されている。上記樹脂層の樹脂は、上記樹脂含浸繊維中の樹脂に対して相溶性を有する。上記樹脂層の外周に、長手方向へ亘って凹凸が形成されている。
下記の特許文献2には、コーティング成分として、エポキシ樹脂組成物と滑剤とを少なくとも含み、コーティング成分中、エポキシ樹脂組成物の含有量が10重量%以上80重量%以下であり、滑剤の含有量が1重量%以上40重量%以下であるコーティング組成物が開示されている。
特開平07-139093号公報 特開2003-160756号公報
コンクリート内部はアルカリ性の環境である。しかしながら、従来のコンクリート補強部材では、耐アルカリ性が低いことがあり、その結果、アルカリ成分がコンクリート補強部材の内部に浸透し、コンクリート補強部材の強度が低下しやすい。
一方、特許文献1に記載の補強筋(コンクリート補強部材)や、特許文献2に記載のコーティング組成物が表面に塗布されたコンクリート補強部材では、耐アルカリ性をある程度高めることができる。しかしながら、外表面に樹脂を含むコーティング層を単に有するコンクリート補強部材では、コンクリート補強部材の強度が低下しやすい。
従来のコンクリート補強部材では、耐アルカリ性を高め、かつ強度を高めることは困難である。
本発明の目的は、耐アルカリ性を高めることができ、かつ強度を高めることができるコンクリート補強部材を提供することである。
本発明の広い局面によれば、補強部材本体と、前記補強部材本体の表面を被覆する被覆層とを備え、前記被覆層が、熱硬化性樹脂の硬化物と、平均粒子径が0.1μm以上100μm以下でありかつモース硬度が3以上10以下である無機充填材とを含み、前記被覆層100重量%中、前記無機充填材の含有量が、25重量%以上80重量%以下である、コンクリート補強部材が提供される。
本発明に係るコンクリート補強部材のある特定の局面では、前記無機充填材が、炭化ケイ素、炭化窒素、アルミナ、水酸化アルミニウム、又はシリカである。
本発明に係るコンクリート補強部材のある特定の局面では、前記補強部材本体が、熱硬化性樹脂の硬化物と、補強繊維とを含み、前記補強部材本体に含まれる前記熱硬化性樹脂の硬化物が、エポキシ樹脂の硬化物、又はビニルエステル樹脂の硬化物であり、前記補強繊維が、ガラス繊維、又はバサルト繊維である。
本発明に係るコンクリート補強部材のある特定の局面では、前記補強部材本体の形状が、平板状、棒状、撚り線状、又は格子状である。
本発明に係るコンクリート補強部材のある特定の局面では、前記無機充填材が、シランカップリング剤による表面処理物である。
本発明に係るコンクリート補強部材のある特定の局面では、前記シランカップリング剤が、エポキシシラン、フェニルアミノシラン、又はメタクリルシランである。
本発明に係るコンクリート補強部材は、補強部材本体と、上記補強部材本体の表面を被覆する被覆層とを備える。本発明に係るコンクリート補強部材では、上記被覆層が、熱硬化性樹脂の硬化物と、平均粒子径が0.1μm以上100μm以下でありかつモース硬度が3以上10以下である無機充填材とを含み、上記被覆層100重量%中、前記無機充填材の含有量が、25重量%以上80重量%以下である。本発明に係るコンクリート補強部材では、上記の構成が備えられているので、耐アルカリ性を高めることができ、かつ強度を高めることができる。
図1(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係るコンクリート補強部材を模式的に示す断面図である。 図2は、実施例で評価された耐アルカリ性試験のSEM画像及びNaマッピング分析の画像である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係るコンクリート補強部材は、補強部材本体と、上記補強部材本体の表面を被覆する被覆層とを備える。本発明に係るコンクリート補強部材では、上記被覆層が、熱硬化性樹脂の硬化物と、平均粒子径が0.1μm以上100μm以下でありかつモース硬度が3以上10以下である無機充填材とを含み、上記被覆層100重量%中、前記無機充填材の含有量が、25重量%以上80重量%以下である。
本発明に係るコンクリート補強部材では、上記の構成が備えられているので、耐アルカリ性を高めることができ、かつ強度を高めることができる。
従来のコンクリート補強部材では、耐アルカリ性と、強度との双方を高めることは困難である。外表面にコーティング層(被覆層)を単に有する従来のコンクリート補強部材では、耐アルカリ性をある程度高めることができるものの、強度を高めることは困難である。例えば、外表面にコーティング層(被覆層)を単に有する従来のコンクリート補強部材では、該被覆層の強度が低く、コンクリート補強部材が変形したり、破損したりすることがある。
なお、本発明者は、コンクリート補強部材の強度を高めるために、特許文献2に記載のようなエポキシ樹脂を含むコーティング剤に無機充填材を配合し、無機充填材を含む被覆層を形成した場合には、コンクリート補強部材の耐アルカリ性が低下することを見出した。この原因は、エポキシ樹脂と無機充填材との界面から、アルカリ成分がコンクリート補強部材の内部に浸透するためであると推察される。
これに対して、本発明に係るコンクリート補強部材は、特定の被覆層を備えるので、耐アルカリ性を高めることができ、かつ強度を高めることができる。そのため、高い強度を長期間維持することができる。
また、本発明に係るコンクリート補強部材では、熱膨張率を小さくすることができる。さらに、本発明に係るコンクリート補強部材では、無機充填材を含まない被覆層を備える従来のコンクリート補強部材と比べて、弾性率及び熱伝導率を良好にすることができ、被覆層の材料の粘性を良好にすることができ、また、コストを低くすることができる。
本発明に係るコンクリート補強部材は、コンクリートの補修において、好適に用いられる。
以下、コンクリート補強部材の詳細を更に説明する。
(無機充填材)
上記被覆層は、平均粒子径が0.1μm以上100μm以下でありかつモース硬度が3以上10以下である無機充填材(以下、「無機充填材X」と記載することがある)を含む。上記無機充填材Xは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されていてもよい。
コンクリート補強部材の耐アルカリ性及び強度を高める観点から、上記無機充填材Xの平均粒子径は0.1μm以上100μm以下である。上記無機充填材Xの平均粒子径は、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上、好ましくは80μm以下、より好ましくは50μm以下である。上記無機充填材Xの平均粒子径が上記下限以上及び上記上限以下であると、コンクリート補強部材の耐アルカリ性及び強度をより一層高めることができる。
上記無機充填材Xの平均粒子径は、数平均粒子径を示す。上記無機充填材Xの平均粒子径は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定を行うことにより求められる。
コンクリート補強部材の耐アルカリ性及び強度を高める観点から、上記無機充填材Xのモース硬度は3以上10以下である。上記無機充填材Xのモース硬度は、好ましくは4以上、より好ましくは7以上である。上記無機充填材Xのモース硬度が上記下限以上であると、コンクリート補強部材の耐アルカリ性及び強度をより一層高めることができる。上記無機充填材Xのモース硬度は大きいほど好ましい。
上記無機充填材Xとしては、炭化ケイ素、炭化窒素、アルミナ、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、シリカ、フライアッシュ、及びカーボンブラック等が挙げられる。
上記無機充填材Xは、炭化ケイ素、炭化窒素、アルミナ、水酸化アルミニウム、又はシリカであることが好ましく、アルミナ、水酸化アルミニウム、又はシリカであることがより好ましく、アルミナであることが更に好ましい。この場合には、コンクリート補強部材の耐アルカリ性及び強度をより一層高めることができ、また、上記被覆層中の無機充填材Xの分散度をより一層高めることができる。
上記無機充填材Xは、シランカップリング剤による表面処理物であることが好ましい。上記無機充填材Xは、シランカップリング剤により表面処理された無機充填材であることが好ましい。この場合には、被覆層に含まれる熱硬化性樹脂の硬化物と、シランカップ剤による表面処理物である無機充填材Xとを共有結合させることができ、その結果、耐アルカリ性をより一層高めることができる。特に、上記無機充填材Xがアルミナ、水酸化アルミニウム、又はシリカである場合には、シランカップリング剤による処理効果を高めることができるので、耐アルカリ性を更により一層高めることができる。さらに、上記無機充填材Xがシランカップリング剤による表面処理物である場合には、弾性率及び熱伝導率を良好にすることができ、また、コストを低くすることができる。
シランカップリング剤による処理効果がより一層効果的に発揮されるので、上記シランカップリング剤は、エポキシシラン、フェニルアミノシラン、又はメタクリルシランであることが好ましい。上記シランカップリング剤は、エポキシ基、フェニルアミノ基、又はメタクリル基を有するシランカップリング剤であることが好ましい。
上記被覆層100重量%中、上記無機充填材Xの含有量は25重量%以上80重量%以下である。上記無機充填材Xの含有量が25重量%未満であると、コンクリート補強部材の強度が低下することがある。上記無機充填材Xの含有量が80重量%を超えると、コンクリート補強部材の耐アルカリ性が低下することがある。
上記被覆層100重量%中、上記無機充填材Xの含有量は、好ましくは30重量%以上、より好ましくは35重量%以上、好ましくは75重量%以下、より好ましくは70重量%以下である。上記無機充填材Xの含有量が上記下限以上であると、コンクリート補強部材の強度をより一層高めることができる。上記無機充填材Xの含有量が上記上限以下であると、コンクリート補強部材の耐アルカリ性をより一層高めることができる。
(熱硬化性樹脂の硬化物)
上記被覆層は、熱硬化性樹脂の硬化物を含む。上記補強部材本体は、熱硬化性樹脂の硬化物を含むことが好ましい。上記被覆層及び上記補強部材本体に含まれる熱硬化性樹脂の硬化物はそれぞれ、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記被覆層に含まれる熱硬化性樹脂の硬化物と、上記補強部材本体に含まれる熱硬化性樹脂の硬化物とは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、及び不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、アダマンタン骨格を有するエポキシ樹脂、トリシクロデカン骨格を有するエポキシ樹脂、及びトリアジン核を骨格に有するエポキシ樹脂等が挙げられる。
上記ビニルエステル樹脂としては、ビス系ビニルエステル樹脂、及びノボラック系ビニルエステル樹脂等が挙げられる。
上記不飽和ポリエステル樹脂としては、α,β-不飽和ジカルボン酸又はその酸無水物とグリコール類との重縮合によって得られる樹脂等が挙げられる。
コンクリート補強部材の耐アルカリ性及び強度をより一層高める観点からは、上記被覆層の材料に含まれる熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、又は不飽和ポリエステル樹脂であることが好ましく、エポキシ樹脂であることがより好ましい。コンクリート補強部材の耐アルカリ性及び強度をより一層高める観点からは、上記被覆層に含まれる熱硬化性樹脂の硬化物は、エポキシ樹脂の硬化物、ビニルエステル樹脂の硬化物、又は不飽和ポリエステル樹脂の硬化物であることが好ましく、エポキシ樹脂の硬化物であることがより好ましい。
コンクリート補強部材の強度をより一層高める観点からは、上記補強部材本体の材料に含まれる熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、又は不飽和ポリエステル樹脂であることが好ましく、エポキシ樹脂、又はビニルエステル樹脂であることがより好ましい。コンクリート補強部材の強度をより一層高める観点からは、上記補強部材本体に含まれる熱硬化性樹脂の硬化物は、エポキシ樹脂の硬化物、ビニルエステル樹脂の硬化物、又は不飽和ポリエステル樹脂の硬化物であることが好ましく、エポキシ樹脂の硬化物、又はビニルエステル樹脂の硬化物であることがより好ましい。
上記被覆層100重量%中、上記熱硬化性樹脂の硬化物の含有量(上記被覆層に含まれる熱硬化性樹脂の硬化物の含有量)は、好ましくは20重量%以上、より好ましくは30重量%以上、好ましくは80重量%以下、より好ましくは70重量%以下である。上記熱硬化性樹脂の硬化物の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、コンクリート補強部材の耐アルカリ性及び強度をより一層高めることができる。
上記補強部材本体100体積%中、上記熱硬化性樹脂の硬化物の含有量(上記補強部材本体に含まれる熱硬化性樹脂の硬化物の含有量)は、好ましくは20体積%以上、より好ましくは25体積%以上、好ましくは70体積%以下、より好ましくは45体積%以下である。上記熱硬化性樹脂の硬化物の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、コンクリート補強部材の強度をより一層高めることができる。
(補強繊維)
上記補強部材本体は、補強繊維を含むことが好ましい。上記補強繊維は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記補強繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、及びバサルト繊維等が挙げられる。
コンクリート補強部材の強度をより一層高める観点からは、上記補強繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、又はバサルト繊維であることが好ましく、ガラス繊維、又はバサルト繊維であることがより好ましい。補強繊維としてガラス繊維又はバサルト繊維を用いた従来のコンクリート補強部材では、耐アルカリ性が低いため、該補強繊維が劣化しやすく、その結果、コンクリート補強部材の強度が経時的に低下しやすい。これに対して、本発明では、補強繊維としてガラス繊維又はバサルト繊維を用いた場合でも、コンクリート補強部材の強度を高く維持することができる。
上記補強繊維は、ロービングされた繊維(補強繊維束)であることが好ましい。
上記補強繊維は、コンクリート補強部材中において、一方向に沿って配向していることが好ましい。上記補強繊維は、コンクリート補強部材中において、一方向に引き揃えられていることが好ましい。例えば、上記コンクリート補強部材が棒状である場合に、上記補強繊維は、コンクリート補強部材の軸方向に沿って配向していることが好ましく、コンクリート補強部材の軸方向に引き揃えられていることが好ましい。
上記補強部材本体100体積%中、上記補強繊維の含有量は、好ましくは30体積%以上、より好ましくは50体積%以上、好ましくは80体積%以下、より好ましくは75体積%以下である。上記補強繊維の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、コンクリート補強部材の強度をより一層高めることができる。
(その他の成分)
上記被覆層及び上記補強部材本体はそれぞれ、必要に応じて、各種の添加剤を含んでいてもよい。上記添加剤としては、相溶化剤、安定剤、安定化助剤、滑剤、加工助剤、耐熱向上剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料及び可塑剤等が挙げられる。上記添加剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
(コンクリート補強部材のその他の詳細)
上記被覆層は、上記補強部材本体の表面全体を被覆していてもよく、表面の一部を被覆していてもよい。上記補強部材本体の全表面積100%中、上記被覆層により被覆されている部分の表面積は、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、更に好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上、最も好ましくは100%である。上記被覆層は、上記補強部材本体の表面全体を被覆していることが最も好ましい。
上記補強部材本体の形状は、特に限定されない。上記補強部材本体の形状は、平板状、棒状、撚り線状、又は格子状であることが好ましい。上記棒状としては、多角柱状及び円柱状等が挙げられる。また、上記補強部材本体は、凹部と凸部とを有していてもよい。
上記被覆層の形状及び厚みは、特に限定されない。上記被覆層は、凹部と凸部とを有する形状であってもよく、厚みが略均一な形状であってもよい。上記被覆層の最小厚みは、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.3mm以上、好ましくは1.0mm以下、より好ましくは0.7mm以下である。上記被覆層の最大厚みは、好ましくは0.2mm以上、より好ましくは0.6mm以上、好ましくは3.0mm以下、より好ましくは1.9mm以下である。上記被覆層の厚みが小さくても、本発明では、上記の効果が効果的に発揮される。
図1(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係るコンクリート補強部材を模式的に示す断面図である。図1(b)は、図1(a)のI-I線に沿う図である。
コンクリート補強部材1は、補強部材本体2と被覆層3とを備える。補強部材本体2は、円柱状の形状を有する。被覆層3は、補強部材本体2の外表面を被覆している。被覆層3は、補強部材本体2の外表面上に配置されている。被覆層3は、補強部材本体2の外周面を被覆している。
補強部材本体2は、熱硬化性樹脂の硬化物と、補強繊維とを含む。コンクリート補強部材1は、連続繊維補強材である。
被覆層3は、凹部3aと、凸部3bとを有する。凹部3a及び凸部3bはそれぞれ、円環状に設けられている。凹部3a及び凸部3bはそれぞれ、コンクリート補強部材1の軸方向において、周期的に設けられている。凸部3bは、補強部材本体2から離れるにつれて、先細りする形状を有する。
凹部3aの平均厚みXは、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.3mm以上、好ましくは1.0mm以下、より好ましくは0.7mm以下である。凹部3aの平均厚みXが上記下限以上であると、コンクリートとの付着力をより一層高めることができ、また、耐アルカリ性をより一層高めることができる。凹部3aの平均厚みXが上記上限以下であると、コンクリート補強部材の製造コストを抑えることができる。
凸部3bの平均厚みYは、好ましくは0.2mm以上、より好ましくは0.6mm以上、好ましくは3.0mm以下、より好ましくは1.9mm以下である。凸部3bの平均厚みYが上記下限以上であると、コンクリートとの付着力をより一層高めることができ、また、耐アルカリ性をより一層高めることができる。凸部3bの平均厚みYが上記上限以下であると、コンクリート補強部材の製造コストを抑えることができる。
凸部3bの平均厚みYと、凹部3aの平均厚みXとの差Z(差の絶対値)は、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.3mm以上、好ましくは2.0mm以下、より好ましくは1.2mm以下である。差Zが上記下限以上及び上記上限以下であると、コンクリートとの付着力をより一層高めることができる。
コンクリート補強部材1の軸方向における凹凸の周期Pは、好ましくは2mm以上、より好ましくは3mm以上、好ましくは20mm以下、より好ましくは15mm以下である。周期Pが上記下限以上及び上記上限以下であると、コンクリートとの付着力をより一層高めることができる。
上記コンクリート補強部材は、例えば、以下のようにして製造することができる。ロービングされた補強繊維(補強繊維束)に、熱硬化性樹脂を含浸させた後、第1の金型で硬化させ、金型の形状に対応する補強部材本体を得る。得られた補強部材本体は、熱硬化性樹脂の硬化物と補強繊維とを含む。次いで、熱硬化性樹脂と無機充填材Xとを含む被覆層の材料を、得られた補強部材本体の外表面上に配置し、第2の金型で挟み込み加熱して、補強部材本体の外表面上に被覆層を形成する。上記被覆層は、熱硬化性樹脂の硬化物と無機充填材Xとを含む。このようにして、上記補強部材本体と上記被覆層とを備えるコンクリート補強部材を得る。なお、第2の金型として凹凸形状を有する金型を用いることで、凹部と凸部とを有する被覆層を形成させることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されない。
以下の材料を用意した。
(熱硬化性樹脂)
エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「JER819」)
(硬化剤)
エポキシ樹脂硬化剤(三菱ケミカル社製「ST12」)
(無機充填材)
炭化ケイ素(平均粒子径5.5μm、モース硬度10、信濃電気製錬社製「シナノランダムGP2500」)
アルミナA(平均粒子径3.1μm、モース硬度8、日本軽金属社製「LS-210B」)
アルミナB(平均粒子径0.5μm、モース硬度8、アドマテックス社製「AO-502」)
アルミナC(平均粒子径0.5μm、モース硬度8、アドマテックス社製「AC2000-SXM」)
水酸化アルミニウム(平均粒子径10μm、モース硬度3、住友化学社製「CW308B」)
シリカA(平均粒子径0.5μm、モース硬度7、アドマテックス社製「SC2500-SQ」)
シリカB(平均粒子径0.5μm、モース硬度7、アドマテックス社製「SC2500-SEJ」)
シリカC(平均粒子径0.5μm、モース硬度7、アドマテックス社製「SC2500-SXJ」)
(実施例1~12及び比較例1)
被覆層の材料の作製:
表1に示す成分を配合し、被覆層の材料を得た。また、得られた被覆層100重量%中の無機充填材の含有量も表1に示す。
(評価)
(1)耐アルカリ性試験
JIS-A1193「コンクリート用連続繊維補強材の耐アルカリ試験方法」を参考にして以下の試験を行った。得られた被覆層の材料を、金型に挟み込み、加熱して、直径が13mmであり、かつ軸方向長さが50mmである円柱状のサンプルAを作製した。得られたサンプルAを、60℃の0.25mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に10日間浸漬させた。浸漬後のサンプルAを、軸方向長さ25mmの位置で切断した。SEM-EDS分析により切断面を観察し、Naが被覆層を浸透している距離を測定した。
図2にSEM画像及びNaマッピング分析の結果を示す。図2では、サンプルAの円形断面の一部が示されている。Naマッピング分析とは、EDSにて検出された元素ピーク情報からNa元素分布を色分けすることにより、2次元画像で表したものである。Naマッピング分析の画像から、Naが被覆層を浸透している距離を測定した。なお、浸透距離が2.5mm以下である場合には、耐アルカリ性に優れる。
(2)バーコル硬度
得られた被覆層の材料を、金型に挟み込み、加熱して、縦180mm×横180mm×厚み5mmの平板状のサンプルBを作製した。サンプルBにバーコル硬度計(米国バーバーコールマン社製 GYZJ 934-1型SER.#201-240)を押し当てて、サンプルBのバーコル硬度を測定した。バーコル硬度が大きいほど、強度に優れる。
被覆層の構成及び結果を表1に示す。
Figure 0007402101000001
被覆層の材料のみを用いて上記の評価を行ったが、補強部材本体と被覆層とを備えるコンクリート補強部材においても、同様の傾向が得られる。
1…コンクリート補強部材
2…補強部材本体
3…被覆層
3a…凹部
3b…凸部
P…凹凸の周期
X…凹部の平均厚み
Y…凸部の平均厚み
Z…凸部の平均厚みと凹部の平均厚みとの差

Claims (6)

  1. 補強部材本体と、前記補強部材本体の表面を被覆する被覆層とを備え、
    前記被覆層が、熱硬化性樹脂の硬化物と、平均粒子径が0.1μm以上80μm以下でありかつモース硬度が3以上10以下である無機充填材とを含み、
    前記被覆層100重量%中、前記無機充填材の含有量が、35重量%以上80重量%以下である、コンクリート補強部材。
  2. 前記無機充填材が、炭化ケイ素、炭化窒素、アルミナ、水酸化アルミニウム、又はシリカである、請求項1に記載のコンクリート補強部材。
  3. 前記補強部材本体が、熱硬化性樹脂の硬化物と、補強繊維とを含み、
    前記補強部材本体に含まれる前記熱硬化性樹脂の硬化物が、エポキシ樹脂の硬化物、又はビニルエステル樹脂の硬化物であり、
    前記補強繊維が、ガラス繊維、又はバサルト繊維である、請求項1又は2に記載のコンクリート補強部材。
  4. 前記補強部材本体の形状が、平板状、棒状、撚り線状、又は格子状である、請求項1~3のいずれか1項に記載のコンクリート補強部材。
  5. 前記無機充填材が、シランカップリング剤による表面処理物である、請求項1~4のいずれか1項に記載のコンクリート補強部材。
  6. 前記シランカップリング剤が、エポキシシラン、フェニルアミノシラン、又はメタクリルシランである、請求項5に記載のコンクリート補強部材。
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