JP2000027082A - 繊維強化プラスチック製素線及びより線並びにそれらの製造方法 - Google Patents
繊維強化プラスチック製素線及びより線並びにそれらの製造方法Info
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Abstract
に優れた繊維強化プラスチック製素線及びより線並びに
それらの製造方法を提供する。 【解決手段】 マトリックス樹脂を含浸した強化繊維ス
トランドを1本又は複数本束ねて未硬化繊維強化プラス
チック製素線の芯材を形成し、その周囲に第1外層とし
て吸湿防止、電食防止の効果を持つ被覆繊維を配し、次
にその周囲に第2外層としての紫外線防止、摩耗防止の
効果を持つ被覆繊維を配する3層構造を特徴とする繊維
強化プラスチック製素線及び素線の複数本を撚合したよ
り線並びにそれらの製造方法である。 【効果】 本発明によって得られる繊維強化プラスチッ
ク製素線により耐環境性に優れ、実使用状況での長期耐
久性に優れた構造用ワイヤー等が提供できる。
Description
ック製素線及びより線並びにそれらの製造方法に係り、
例えば、吊り橋や構造物のロープ、ワイヤ、ケーブルと
して使用される。また、船舶、海中観測機、ブイ等の係
留、各種メッセンジャーワイヤー、送電線等のテンショ
ンメンバーとしても使用される。
等は、鋼材を主流に種々のものがある。しかし、最近で
は海水中や潮風での暴露、各種腐食性ガスでの暴露等の
耐蝕性に優れ、金属に比べ軽量で強度に優れる繊維強化
プラスチックのワイヤーが各種開発されている。
及びその製造方法(特願平6−205802号)で周辺
材料との接着性がよくコスト的にも安価なものを提案し
ている。
維強化プラスチック材料からなる複合線条体を提案して
いる。これらは、芯材の周りに周辺材料との接着性のた
めに被覆材をもうけたり、各線条材を互いに接着させな
いために被覆材を配している。
強化プラスチックでは、各種の複合された耐環境に対し
て十分な長期安定性を保持しうることは、不可能であ
る。近年、各種ワイヤーとしての実使用が現実身をおび
てきたのに対し、前記の提案では現在、コンクリート中
への埋め込み或は、短期使用にしか耐えることができず
用途拡大がおぼつかない。
食は、長期的に重要であり、紫外線の問題は、繊維強化
プラスチックでは考慮しなくてはいけない問題点であ
る。また、ワイヤー等の使用では、線同士あるいは外部
部材との接触、振動による摩耗も考慮しなくては長期使
用に耐える実製品にならない。
は、耐環境性に優れ、実使用状況での長期耐久性に優れ
た繊維強化プラスチック製素線及びより線並びにそれら
の製造方法を提供するものである。
は、(1) マトリックス樹脂を含浸した強化繊維スト
ランドを1本又は複数本束ねて形成された未硬化繊維強
化プラスチック製素線の芯材と、該芯材の周囲に配され
てなる、吸湿防止及び電食防止の効果を持つ被覆繊維を
用いて構成された第1外層と、該第1外層の周囲に配さ
れてなる、紫外線防止及び摩耗防止の効果を持つ被覆繊
維を用いて構成された第2外層と、からなる3層構造を
有する未硬化繊維強化プラスチック製素線を(加圧)加
熱硬化してなるものであることを特徴とする繊維強化プ
ラスチック製素線により達成されるものである。
用状況での長期耐久性に優れた繊維強化プラスチック製
素線及びより線を提供するものである。
芯材のストランドを構成する強化繊維が炭素繊維であ
り、第1外層を構成する被覆繊維がガラス繊維またはア
ラミド繊維であり、第2外層を構成する被覆繊維がアラ
ミド繊維またはガラス繊維であることを特徴とする上記
(1)に記載の繊維強化プラスチック製素線によっても
達成されるものである。
記強化繊維ストランドにおけるマトリックス樹脂付着量
が、20〜50重量%であることを特徴とする上記
(1)または(2)に記載の繊維強化プラスチック製素
線によっても達成されるものである。
前記マトリックス樹脂のガラス転移点が、180℃以
上であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれ
か1つに記載の繊維強化プラスチック製素線によっても
達成されるものである。
(1)〜(4)のいずれか1つに記載の未硬化繊維強化
プラスチック製素線が、複数本撚合されて(加圧)加熱
硬化されたものであることを特徴とする繊維強化プラス
チック製より線によっても達成されるものである。
リックス樹脂を含浸した強化繊維ストランドを1本又は
複数本束ねて未硬化繊維強化プラスチック製素線の芯材
を形成し、該芯材の周囲に第1外層として吸湿防止及び
電食防止の効果を持つ被覆繊維を配し、次に該第1外層
の周囲に第2外層としての紫外線防止及び摩耗防止の効
果を持つ被覆繊維を配して3層構造を特徴とする未硬化
繊維強化プラスチック製素線を形成し、該未硬化繊維強
化プラスチック製素線を(加圧)加熱硬化することを特
徴とする繊維強化プラスチック製素線の製造方法によっ
ても達成されるものである。
記(6)に記載の未硬化繊維強化プラスチック製素線を
複数本撚合し(加圧)加熱硬化することを特徴とする繊
維強化プラスチック製より線の製造方法によっても達成
されるものである。
線の芯材を構成するストランドは、強度を保持する繊維
であり、高強度高弾性の無機繊維又は有機繊維のいずれ
でも良く、無機繊維としては炭素繊維、ガラス繊維、炭
化けい素繊維、ステンレス繊維等が使用でき、また、有
機繊維としては、アラミド繊維、ビニロン繊維等が使用
できる。これらは通常数10フィラメントから数10万
フィラメントの範囲で収束した繊維束から構成されてお
り、一般的にストランドと総称されている。
軽量高強度高弾性から好ましくは炭素繊維を使用するこ
とが有効である。
塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂のいずれでもよいが、好
ましくは熱硬化性樹脂であり、エポキシ樹脂、ウレタン
アクリレート樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリエステル
樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂を用いることが
できる。また、熱可塑性樹脂としては、ナイロン、ポリ
プロピレン、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)
等をもちいることができる。
れ一般産業用として安価に容易に製造することから鑑み
ガラス転移点180℃以上のエポキシ樹脂を用いること
が有効である。
シ樹脂を使用すると高温での長期耐久性が望めない。
せる際の樹脂の含有量は、20〜50重量%が好まし
い。この樹脂の含有量が20重量%より少ないと素線内
のフィラメント間の接着が不十分であり、加圧加熱硬化
した該棒材(繊維強化プラスチック製素線ないしより
線)内にボイドが発生して該棒材自体の強度が低下す
る。
なると、硬化時に樹脂が表面層ににじみ出し硬化物の表
面樹脂が多くなり単位断面積あたりの強度が低下する。
防止の効果を持つ被覆繊維としては強度はほとんど該棒
材に寄与しないため、高強度高弾性の繊維を用いる必要
はない。これは、上記の被覆材繊維の被覆角が、棒素材
の長手方向を0°とすると、10°より小さくすること
は製造上無理であることから判断され10°以上となっ
てしまう。通常、被覆角が10°以上となると繊維自体
の引張強度が著しく低下するからである。
繊維としては、ガラス繊維、炭化けい素繊維等の無機繊
維が使用できるが、価格や繊維の収縮性から好ましくは
ガラス繊維が使用できる。
耗防止の効果を持つ被覆繊維としては強度はほとんど該
棒材に寄与しないため、高強度高弾性の繊維を用いる必
要はない。これは、上記の被覆材繊維の被覆角が、棒素
材の長手方向を0°とすると、10°より小さくするこ
とは製造上無理であることから判断され10°以上とな
ってしまう。通常、被覆角が10°以上となると繊維自
体の引張強度が著しく低下するからである。
覆繊維としては、アラミド繊維、ステンレス素繊維等が
使用できるが、価格や繊維の収縮性から好ましくはアラ
ミド繊維が使用できる。
用し、樹脂の含有量は、20〜50重量%が好ましい。
性が低下する界面剥離を引起こし、素線の芯材と被覆材
とは同時硬化により界面力を強固にする必要がある。
の厚みは、0.05〜0.5mmが有効である。0.5
mmより大きい場合、該棒材の見かけ断面積が大きくな
り、単位断面積当たりの強度が低下する。加えて層間の
硬化割れの一因ともなる。0.05mm未満では本発明
に関する素線及びより線の耐久性が低下することにな
る。
素線は、マトリックス樹脂を含浸した強化繊維ストラン
ドを1本又は複数本束ねて未硬化繊維強化プラスチック
製素線の芯材を形成し、該芯材の周囲に第1外層として
吸湿防止及び電食防止の効果を持つ被覆繊維を配し、次
に該第1外層の周囲に第2外層としての紫外線防止及び
摩耗防止の効果を持つ被覆繊維を配して3層構造を特徴
とする未硬化繊維強化プラスチック製素線を形成し、該
未硬化繊維強化プラスチック製素線を加熱硬化すること
を特徴とする繊維強化プラスチック製素線の製造方法に
より得られる。ものである。同様に、上述した本発明の
繊維強化プラスチック製より線は、上記未硬化繊維強化
プラスチック製素線を複数本撚合し加熱硬化することを
特徴とする繊維強化プラスチック製より線の製造方法に
より得られるものである。
素材(素線ないしより線)及びその製造方法を実施例に
よって具体的に説明する。
3.5ton/mm2の12000フィラメント炭素繊
維に樹脂付着量として32重量%含浸させた。このスト
ランドを10本収束させてストランド束とした。このス
トランド束の外周に編角+60°になるように1150
デニールのガラス繊維を2本束にしてTg=200℃の
エポキシ樹脂マトリックスを32重量%含浸した物を巻
き付け第1外周0.2mmの層を構成する。次にその外
周に編角−60°になるように4900デニールのアラ
ミド繊維を1本にTg=200℃のエポキシ樹脂マトリ
ックスを32重量%含浸した物を巻き付け第2外周0.
2mmの層を構成した。この中間体は、図1、図3aの
構造をしている。
るのが一般的であるが評価のためこの中間体1ストラン
ド(素線)を図3aのように直線のまま200℃3時間
で硬化させた。
3.5ton/mm2の12000フィラメント炭素繊
維に樹脂付着量として32重量%含浸させた。このスト
ランドを10本収束させてストランド束とした。このス
トランド束の外周に450デニールのビニロンと、60
0デニールのポリプロピレンとを、1対1の割合で編角
45°となるように組ひも状に巻き付けて、中間体を得
た。実施例1と同様に評価のために図3aのストランド
(素線)1本で直線のまま150℃で4時間で硬化させ
た。
に第2外周を被覆せずに200℃3時間で硬化させた。
を被覆せずに芯材外周に直接第2外周を被覆させ、中間
体を得て200℃3時間で硬化させた。
したもの、あるいは60℃湿度80%に400時間処理
したものにつきストランド(1素線)の引張試験を実施
した。定着部300mm、スパン250mmとし全長8
50mmで処理中は定着部保護のため定着部のみに保護テ
ープを巻いて処理した。
に同時に表面の耐摩耗性を比較した結果も示す。
チック製素線の芯材は、マトリックス樹脂を含浸した強
化繊維ストランドを1本又は複数本束ねて未硬化繊維強
化プラスチック製素線の芯材を形成し、その周囲に第1
外層として吸湿防止、電食防止の効果を持つ被覆繊維を
配し、次にその周囲に第2外層としての紫外線防止、摩
耗防止の効果を持つ被覆繊維を配する3層構造を特徴と
する繊維強化プラスチック製素線で、実用においての耐
環境において長期使用が可能な繊維強化プラスチック製
素線が得られる。
の断面を模式的に示す図である。
化プラスチック製素線の断面を模式的に示す図である。
及びより線を模式的に示す外観図であり、図3aは、1
本の繊維化プラスチック製素線を示し、図3bは、撚合
された7本の繊維化プラスチック製素線(ストランド
束)からなるより線状である。
Claims (7)
- 【請求項1】 マトリックス樹脂を含浸した強化繊維ス
トランドを1本又は複数本束ねて形成された未硬化繊維
強化プラスチック製素線の芯材と、 該芯材の周囲に配されてなる、吸湿防止及び電食防止の
効果を持つ被覆繊維を用いて構成された第1外層と、 該第1外層の周囲に配されてなる、紫外線防止及び摩耗
防止の効果を持つ被覆繊維を用いて構成された第2外層
と、からなる3層構造を有する未硬化繊維強化プラスチ
ック製素線を加熱硬化してなるものであることを特徴と
する繊維強化プラスチック製素線。 - 【請求項2】 前記芯材のストランドを構成する強化繊
維が炭素繊維であり、第1外層を構成する被覆繊維がガ
ラス繊維またはアラミド繊維であり、第2外層を構成す
る被覆繊維がアラミド繊維またはガラス繊維であること
を特徴とする請求項1に記載の繊維強化プラスチック製
素線。 - 【請求項3】 前記強化繊維ストランドにおけるマトリ
ックス樹脂付着量が、20〜50重量%であることを特
徴とする請求項1または2に記載の繊維強化プラスチッ
ク製素線。 - 【請求項4】 前記マトリックス樹脂のガラス転移点
が、180℃以上であることを特徴とする請求項1〜3
のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック製素線。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の未
硬化繊維強化プラスチック製素線が、複数本撚合されて
加熱硬化されたものであることを特徴とする繊維強化プ
ラスチック製より線。 - 【請求項6】 マトリックス樹脂を含浸した強化繊維ス
トランドを1本又は複数本束ねて未硬化繊維強化プラス
チック製素線の芯材を形成し、該芯材の周囲に第1外層
として吸湿防止及び電食防止の効果を持つ被覆繊維を配
し、次に該第1外層の周囲に第2外層としての紫外線防
止及び摩耗防止の効果を持つ被覆繊維を配して3層構造
を特徴とする未硬化繊維強化プラスチック製素線を形成
し、該未硬化繊維強化プラスチック製素線を加熱硬化す
ることを特徴とする繊維強化プラスチック製素線の製造
方法。 - 【請求項7】 請求項6に記載の未硬化繊維強化プラス
チック製素線を複数本撚合し加熱硬化することを特徴と
する繊維強化プラスチック製より線の製造方法。
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