JP2019073839A - 損傷検知機能付繊維強化プラスチック線条体 - Google Patents

損傷検知機能付繊維強化プラスチック線条体 Download PDF

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Abstract

【課題】特別な装置を必要とすることなく,施工現場や保管現場において繊維強化プラスチック線条体の損傷を見つけることができるようにする。【解決手段】損傷検知機能付の繊維強化プラスチック線条体は,熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂5が含侵された一または複数の繊維トウ(繊維ストランド)3を備えている。上記繊維トウ3の外周面には上記樹脂5が含侵された被覆材6が密着して被覆されている。上記繊維強化プラスチック線条体に所定の大きさを超える応力が加えられると,上記応力が加えられた箇所の上記繊維トウ3と上記被覆材6との間に隙間7が形成される。隙間7が形成された箇所すなわち応力が加えられた箇所に,被覆材6と繊維トウ3とが密着している箇所の色と異なる色が発現する。【選択図】図6

Description

この発明は,繊維強化プラスチック線条体,特に損傷検知機能付の繊維強化プラスチック線状体に関する。
長手方向に連続する繊維および上記繊維に含侵された樹脂(プラスチック)の複合材によって構成されるFRP(Fiber Reinforced Plastics )(繊維強化プラスチック)を用いて作製されたケーブル(ロープ,ロッド)は,鋼材を用いて作成されたものに比べて軽量で,高耐食性,非磁性などの優れた特性を持つ。炭素繊維,ガラス繊維,ボロン繊維,アラミド繊維,ポリエチレン繊維,PBO(polyp-phenylenebenzobisoxazole)繊維,その他の繊維(合成繊維)がFRPに使用する繊維の素材として,エポキシ樹脂,ポリアミド樹脂,フェノール樹脂その他の樹脂がFRPに使用する樹脂の素材として,それぞれ用いられる。FRPケーブルは,たとえばプレストレストコンクリートの緊張材といった土木用途,電線(送電線),光ファイバーケーブル,海底ケーブル等の補強材用途に適している。
一般にFRPケーブルは長手方向の高い引張強度に対してこれを直交する強度はさほど高くはない。たとえば外力(側圧,面せん断応力)が加わると,局所的な損傷(たとえば繊維の断線)が生じ,FRPケーブルの引張強度が低下することがある。
特許文献1は音波(超音波)を利用したFRPの損傷評価装置を記載する。FRP試験片に損傷があると試験片を通る音波(超音波)の特に低周波帯域の振幅が変化することを利用して試験片の損傷の有無が評価される。しかしながら,特許文献1に記載の損傷評価装置は試験片に引張負荷を加えたり除いたりすることを繰り返しながら検査を行うので,施工現場や保管現場におけるFRPケーブルの損傷評価には向いていない。また,試験片の長さ(超音波発信源から超音波受信センサまでの距離)がかなり短いので,長尺のFRPケーブルの全長の損傷評価を一度に行うこともできない。
特許第6165908号公報
この発明は,特別な装置を必要とすることなく,施工現場や保管現場において繊維強化プラスチック線条体の損傷を見つけることができるようにすることを目的とする。
この発明はまた,繊維強化プラスチック線条体の引張強度が低下しているまたはその可能性のあることを,外観上分かりやすく示すことを目的とする。
第1の発明による損傷検知機能付繊維強化プラスチック線条体は,樹脂が含侵された一または複数の繊維トウ(繊維ストランド)から構成されるものであって,上記繊維トウの外周面に上記樹脂が含侵された被覆材が密着して被覆されており,上記繊維強化プラスチック線条体に所定の大きさを超える応力が加えられたときに,上記応力が加えられた箇所の上記繊維トウと上記被覆材との間に隙間が形成されることを特徴とする。
繊維強化プラスチック製線状体は,樹脂が含侵された一または複数の繊維トウから構成される。複数の繊維トウから構成される繊維強化プラスチック線条体については,樹脂が含侵された複数の繊維トウを撚り合わせて束ねた撚り線タイプであってもよいし,樹脂が含侵された繊維トウを編んだ組紐タイプであってもよい。樹脂が含侵された複数の繊維トウを撚り合わせることなく束ねた平行線タイプであってもよい。
繊維トウの外周面には上記樹脂が含侵された被覆材が密着して被覆されている。被覆材は,たとえば含侵された樹脂が完全に硬化していない状態の繊維トウに繊維糸を緊密に巻き付けることによって形成される。繊維トウに含まれる未硬化の樹脂が被覆材に含侵する(染み込む)ことで,被覆材は繊維トウに密着する。繊維トウおよび被覆材に含侵した樹脂はその後に硬化される。
上記所定の大きさを超える応力は,上記繊維強化プラスチック線状体に曲げ,伸びまたは圧縮を生じさせる外力によって加えられる。この発明における応力の大きさ(所定の大きさ)は,以下に説明するように,線条体表面に外観(色)変化を発現させることができる外力の大きさを意味する。一実施態様では,上記所定の大きさを超える応力は,50°以上の上記繊維強化プラスチック線状体の曲げまたはこれに相当する大きさの外力を生じさせる伸びもしくは圧縮によって加えられる。
第1の発明によると,所定の大きさを超える応力が加えられた箇所において上記繊維トウから上記被覆材が剥がれ,繊維トウと被覆材との間に隙間が形成される。形成される隙間自体は外観上視認することはできないものの,隙間が形成された箇所(隙間を形成させる程度の応力が加えられた箇所)には,被覆材と繊維トウとが密着している箇所の色(分かりやすくするために,これを「正常色」と呼ぶ)と異なる色が発現する(変色する)。すなわち,正常色と異なる色(以下,分かりやすくするために「損傷色」と呼ぶ)の発現が確認されれば,その線条体は損傷しているまたはその可能性があることが分かる。引張強度の低下した線条体を誤って使用してしまうことを未然に防ぐことができる。
たとえばリールやドラムに巻き回すために線条体が緩やかに曲げられても,それによって損傷色が発現することはない。すなわち,繊維強化プラスチック線状体(被覆材)に発現する損傷色を,引張強度を低下させる程度の大きさの応力が線条体に加わった事実の目印とすることができる。
好ましくは,上記被覆材は赤(R),緑(G)もしくは青(B)またはこれらの中間色を有している(すなわち黒(R=0,G=0,B=0)以外の色を持つ),または透明もしくは半透明である。被覆材として黒色のもの(たとえば黒原着糸)を用いると,正常色と損傷色の違いを見分けにくいからである。他方,透明もしくは半透明の被覆材を用いると繊維トウ(下地)の色が透けて見えることになるが,正常色と損傷色の違いは比較的はっきりと見分けることができる。
この発明による繊維強化プラスチック線条体は次のように規定することもできる。第2の発明による損傷検知機能付繊維強化プラスチック線条体は,樹脂が含侵された一または複数の繊維トウから構成されるものであって,上記繊維トウの外周面に上記樹脂が含侵された被覆材が密着して被覆されており,上記繊維強化プラスチック線条体に所定の大きさを超える応力が加えられたときに,上記応力が加えられた箇所の上記被覆材に含侵されている樹脂にひび割れが形成されることを特徴とする。
所定の大きさを超える応力が線条体に加わると,その応力が加えられた箇所において上記被覆材に含侵されている樹脂にひび割れが形成されるので,そこに正常色と異なる損傷色が発現する。損傷色の発現が確認されれば,その線条体は損傷しており,引張強度が低下しているまたはその可能性があるので,そのような線条体を誤って使用してしまうことを未然に防ぐことができる。
この発明による繊維強化プラスチック線条体はさらに次のように規定することもできる。第3の発明による損傷検知機能付繊維強化プラスチック線状体は,樹脂が含侵された一または複数の繊維トウから構成されるものであって,上記繊維トウの外周面に上記樹脂が含侵された被覆材が密着して被覆されており,上記繊維強化プラスチック線状体に所定の大きさを超える応力が加えられたときに,上記応力が加えられた箇所の上記被覆材の色味または明るさが変化することを特徴とする。正常色と異なる損傷色の発現を,引張強度の低下が発生し得る程度の大きさの応力が線条体に加わった事実またはその可能性があることの目印とすることができる。
炭素繊維ケーブルの外観を示している。 図1のII−II線に沿う炭素繊維ケーブルの拡大断面図である。 程度の異なる曲げを加えた炭素繊維ケーブルの引張破断荷重の試験結果を示す。 損傷のない炭素繊維ケーブルを拡大して示す。 損傷している炭素繊維ケーブルを拡大して示す。 損傷している炭素繊維ケーブルの損傷箇所の拡大断面図である。
図1は炭素繊維ケーブルの外観を示している。図2は図1のII−II線に沿う炭素繊維ケーブルの拡大断面図である。図2において,後述する被覆材6の厚さがかなり強調されて示されている。
炭素繊維ケーブル1は中心に配置された1本の炭素繊維トウ2(心線,心ストランド)と,その周囲に撚り合わされた6本の炭素繊維トウ3(側線,側ストランド)の,合計7本の炭素繊維トウ2,3から構成されている(1×7構造)。断面からみて,炭素繊維ケーブル1および炭素繊維トウ2,3はいずれもほぼ円形の形状を有している。炭素繊維ケーブル1はたとえば5mm〜20mm程度の直径を持つ。
炭素繊維ケーブル1を構成する炭素繊維トウ2,3は,いずれも熱硬化性樹脂(たとえばエポキシ樹脂)または熱可塑性樹脂(たとえばポリアミド)4を含浸させた多数本たとえば数万本の長尺の炭素繊維(炭素繊維製の素線)4を断面円形に束ねたもので,炭素繊維ケーブル1の全体で数十万本程度の炭素繊維4が含まれる。炭素繊維4のそれぞれは非常に細く,たとえば5μm〜7μmの直径を持つ。炭素繊維ケーブル1および炭素繊維トウ2,3は,炭素繊維強化プラスチック(CFRP)(Carbon Fiber Reinforced Plastics)製のものと言うこともできる。以下,炭素繊維4に含侵される熱硬化性または熱可塑性樹脂5を,単に樹脂5と呼ぶ。
炭素繊維トウ2,3のそれぞれの外周に被覆材6が巻き付けられており,炭素繊維トウ2,3を構成する多数本の炭素繊維4の束は被覆材6によってその周囲が拘束されている。被覆材6は樹脂5が完全に硬化していない状態の炭素繊維トウ2,3に繊維糸を緊密に0.1mm〜0.2mm程度の厚さに巻き付けることによって形成され,被覆材6にも樹脂5が含侵している(染み込んでいる)(図2参照)。繊維糸は無機繊維糸であっても有機繊維糸であってもよい。
炭素繊維トウ2,3および被覆材6に含侵されている樹脂5は,熱処理(樹脂5が熱硬化性樹脂の場合)または冷却処理(樹脂5が熱可塑性樹脂の場合)を経ることで硬化される。
炭素繊維ケーブル1は,長手方向の高い引張強度と比較して,これと直交する方向から加わる外力に対する強度はさほど高くはない。たとえば,施工現場や保管現場において炭素繊維ケーブル1が不用意に蹴られたり,踏まれたりする,または大きな曲げ角度で炭素繊維ケーブル1が曲げられると,その箇所の炭素繊維ケーブル1(炭素繊維トウ2,3)が損傷する(典型的には断線する)ことがあり,炭素繊維ケーブル1が損傷することでその引張強度は低下する。
炭素繊維ケーブル1は樹脂5が含侵された多数本の炭素繊維4を束ねた炭素繊維トウ2,3を複数本撚り合わせることによって構成されているので,損傷した炭素繊維ケーブル1が完全に分断される(ぽっきりと折れる)ことはほとんどなく,炭素繊維ケーブル1の損傷の有無を外観から判別するのは簡単ではない。
炭素繊維ケーブル1の損傷の有無を外観から判別するために被覆材6が用いられる。
図3は,程度の異なる曲げを加えた図1および図2に示す構造を備える直径15.2mmの炭素繊維ケーブル1の引張破断荷重の試験結果(複数の試験結果の平均)を示している。2,200mm の全長を持つ炭素繊維ケーブルを用意し,その中心を治具を用いて固定する。治具の端部から300mm離れた箇所を手で掴んで一方向に力を加えることで,半長の1,100mmの長さの炭素繊維ケーブルに曲げを加えた。曲げを加えることで移動する炭素繊維ケーブルの端部から曲げを加える前の炭素繊維ケーブルのライン位置に至る垂線の長さxを計測する。曲げ角度は,曲げが加えられる炭素繊維ケーブルの長さ( 1,100mm)と上記垂線の長さxとを用いて,逆正弦によって,すなわち θ=arcsin(x/1,100)によって算出した。
50°程度までの曲げ角度の曲げを加えるにとどまれば,炭素繊維ケーブル1の引張破断荷重の低下はない。曲げ角度が50°を超える(60°近く)と,炭素繊維ケーブル1の引張破断荷重の低下が生じ始めている。また,50°を超えて曲げ角度が大きくなればなるほど炭素繊維ケーブル1の引張破断荷重は大きく低下している。すなわち,曲げ角度が50°を超えると炭素繊維ケーブル1に損傷が生じ始め,損傷のない炭素繊維ケーブル1の引張強度を保つことができなくなる。
図4は損傷のない炭素繊維ケーブル1の外観を拡大して示している。図5は損傷している炭素繊維ケーブル1の外観を拡大して示している。図6は損傷している炭素繊維ケーブル1を構成する炭素繊維トウ3の損傷箇所の拡大断面図をやや模式的に示している。
炭素繊維ケーブル1を構成する炭素繊維トウ2,3のそれぞれには上述したように樹脂5が含侵した被覆材(繊維糸)6が緊密に巻き付けられ,被覆材6は炭素繊維トウ2,3に密着しているので,損傷のない炭素繊維ケーブル1において炭素繊維トウ2,3と被覆材6との間に隙間はないまたはほとんどない。
たとえば施工現場や保管現場において炭素繊維ケーブル1が不用意に蹴られたり,踏まれたりする,または大きな曲げ角度で炭素繊維ケーブル1が曲げられると,上述したように炭素繊維ケーブル1は損傷する。図6を参照して,損傷した箇所では炭素繊維トウ3(心線である炭素繊維トウ2も同様)から被覆材6が部分的に剥離し,炭素繊維トウ3と被覆材6との間に隙間7が生じる。また,被覆材6は樹脂5が含侵された繊維糸によって構成され,そこに含侵されている樹脂5は硬化状態にあるので,被覆材6が剥がれるときに,被覆材6に含侵されている樹脂5に細かいひび割れ8が発生する。
図4および図5を参照して,炭素繊維トウ2,3と被覆材6との間に隙間7が生じたり,被覆材6に含侵されている樹脂5にひび割れ8が発生したりすると,その箇所における炭素繊維ケーブル1の色に変色(色変化)(変色領域6Aを細かいハッチングで模式的に示す)が発現する。隙間7およびひび割れ8の発生によって光の反射波長に変化が生じるためであると考えられる。一般的には,損傷箇所に発生する変色領域6Aは,もともとの色(損傷のない箇所の色)に比べて明るい色または色味が薄められた色に変色しやすい。
炭素繊維ケーブル1は搬送のためにリールやドラムに巻き回され,このときに緩やかに曲げられるが,リールやドラムに巻き回されたときの曲げ角度は数度から十数度程度の曲げ角度に相当し,この程度の曲げから生じる応力では変色領域6Aは発現しない(すなわち炭素繊維トウ2,3と被覆材6との間に隙間7が生じたり,被覆材6に含侵されている樹脂5にひび割れ8が発生したりはしない)。これは,所定の大きさを超える応力(側圧,面せん断力)が加えられた炭素繊維ケーブル1であることを,炭素繊維ケーブル1の表面に発現する変色領域6Aによって視覚的に確認することができることを意味する。換言すると,炭素繊維ケーブル1の表面に発現する変色領域6Aを,引張強度の低下が発生し得る程度の大きさの応力が炭素繊維ケーブル1に加わった事実またはその可能性を示す目印とすることができる。
変色領域6Aが発現している炭素繊維ケーブル1は引張強度が低下しているまたはその可能性のある炭素繊維ケーブル1であり,引張強度が低下しているまたはその可能性のあることが色変化によって外観上分かりやすく示されるので,引張強度の低下したまたはその可能性のある炭素繊維ケーブル1を誤って使用してしまうことを未然に防ぐことができる。さらに変色領域6Aの有無に着目した外観検査であるから,長尺の炭素繊維ケーブル1を,必要な長さにわたって,さらには全長にわたって検査することができる。また引張強度の低下検知(損傷検知)のための特別な装置は一切必要とされないので,施工現場や保管現場において炭素繊維ケーブル1の損傷チェックを効率的に行うことができる。
被覆材6を構成する繊維糸に黒原着糸を用いると,被覆材6に変色領域6Aが発現しているかどうかを見分けるのが難しいことが分かっている。したがって,被覆材6を構成する繊維糸には黒以外の色を有するものを用いるのが好ましい。赤,緑もしくは青,またはこれらの中間色(白を含む)を有する被覆材6は,少なくとも黒に比べて変色領域6Aを見分けやすい。被覆材6として透明または半透明のものを用いることもできる。透明または半透明の被覆材6を用いると炭素繊維トウ(下地)2,3の色が透けて見えることになるが,損傷箇所(被覆材6と炭素繊維トウ2,3の間に隙間7が形成されたり,被覆材6に含侵されている樹脂5にひび割れ8が発生したりしている箇所)の変色領域6Aをはっきりと見分けることができる。
上述した実施例では,炭素繊維ケーブル1を構成する合計7本の炭素繊維トウ2,3のすべてに変色領域6Aによって損傷の有無を外観から判別するための被覆材6が設けられている。ここで,心線を構成する炭素繊維トウ2についてはその外周が6本の炭素繊維トウ3によって囲まれており(図2参照),構造的にその表面の色を確認しづらいので,変色が分かりにくい黒原着糸を用いても特段不都合はない。これに対して側線を構成する6本の炭素繊維トウ3については,その少なくとも1本には,上述した黒以外の色または透明または半透明の被覆材6を巻き付けておく。もっとも,損傷の有無を外観から分かりやすく判別できるようにするには,側線を構成する6本の炭素繊維トウ3のすべてに,黒以外の色または透明もしくは半透明の被覆材6を巻き付けておくのがよい。
1 炭素繊維ケーブル(損傷検知機能付繊維強化プラスチック線条体)
2 炭素繊維トウ(心線,心ストランド)
3 炭素繊維トウ(側線,側ストランド)
4 炭素繊維(素線)
5 樹脂(熱硬化性樹脂,熱可塑性樹脂)
6 被覆材(繊維糸)
6A 変色領域

Claims (6)

  1. 樹脂が含侵された一または複数の繊維トウから構成される繊維強化プラスチック線条体であって,
    上記繊維トウの外周面に上記樹脂が含侵された被覆材が密着して被覆されており,
    上記繊維強化プラスチック線条体に所定の大きさを超える応力が加えられたときに,上記応力が加えられた箇所の上記繊維トウと上記被覆材との間に隙間が形成される,
    損傷検知機能付繊維強化プラスチック線条体。
  2. 樹脂が含侵された一または複数の繊維トウから構成される繊維強化プラスチック線条体であって,
    上記繊維トウの外周面に上記樹脂が含侵された被覆材が密着して被覆されており,
    上記繊維強化プラスチック線条体に所定の大きさを超える応力が加えられたときに,上記応力が加えられた箇所の上記被覆材に含侵されている樹脂にひび割れが形成される,
    損傷検知機能付繊維強化プラスチック線条体。
  3. 樹脂が含侵された一または複数の繊維トウから構成される繊維強化プラスチック線条体であって,
    上記繊維トウの外周面に上記樹脂が含侵された被覆材が密着して被覆されており,上記繊維強化プラスチック製線状体に所定の大きさを超える応力が加えられたときに,上記応力が加えられた箇所の色味または明るさが変化する,
    損傷検知機能付繊維強化プラスチック線条体。
  4. 上記被覆材が,赤,緑もしくは青,またはこれらの中間色を有している,
    請求項1から3のいずれか一項に記載の損傷検知機能付繊維強化プラスチック線条体。
  5. 上記被覆材が透明または半透明である,
    請求項1から3のいずれか一項に記載の損傷検知機能付繊維強化プラスチック線条体。
  6. 上記所定の大きさを超える応力が,50°以上の曲げ角度による上記繊維強化プラスチック線状体の曲げまたはこれに相当する大きさの外力を生じさせる伸びもしくは圧縮によって加えられる,
    請求項1から5のいずれか一項に記載の損傷検知機能付繊維強化プラスチック線条体。
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