JP2019067647A - 送電線 - Google Patents

送電線 Download PDF

Info

Publication number
JP2019067647A
JP2019067647A JP2017192649A JP2017192649A JP2019067647A JP 2019067647 A JP2019067647 A JP 2019067647A JP 2017192649 A JP2017192649 A JP 2017192649A JP 2017192649 A JP2017192649 A JP 2017192649A JP 2019067647 A JP2019067647 A JP 2019067647A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transmission line
damage detection
carbon composite
damage
central portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017192649A
Other languages
English (en)
Inventor
加々美 智博
Tomohiro Kagami
智博 加々美
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2017192649A priority Critical patent/JP2019067647A/ja
Publication of JP2019067647A publication Critical patent/JP2019067647A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】カーボンコンポジットを含む中心部の損傷に係る危険性を送電線の外観から検知することができる技術を提供する。【解決手段】カーボンコンポジットを含む中心部と、中心部の外周を覆うように複数の外部素線を撚り合わせて設けられる外部撚線層と、を有する送電線であって、外部撚線層は、該外部撚線層の最も外側に複数の外部素線とともに撚り合わせて設けられ、中心部の少なくとも一部に損傷が生じる臨界曲げ半径以上の曲げ半径に送電線が曲げられたときに損傷が生じる損傷検知線を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、送電線に関する。
架空送電線(以下、送電線という)としては、鋼心アルミニウム撚線(ACSR:Aluminum Conductor Steel Reinforced)が知られている。一般に、ACSRなどの送電線では、電流を増加させたときにジュール熱による送電線の温度上昇に伴って、送電線が熱膨張し、送電線の弛度が大きくなる傾向がある。
そこで、近年では、既設の送電線路の電流容量を増大させるため、電流が増加し送電線の温度が上昇したときの弛度の増加を抑制した、いわゆる低弛度増容量電線が開発されている。低弛度増容量電線としては、例えば、中心部(鋼心部)がインバーを含むインバー電線、高強度鋼線を用いたギャップ電線、中心部に予め張力を付与してから外部素線(アルミ素線)を撚り合わせることで外部素線に余長を生じさせたプレストレッチ電線、または中心部がカーボンコンポジットを含むカーボンコンポジットコア電線などが知られている。
なかでも、カーボンコンポジットは、線膨張係数が小さく、比重が小さく、また引張強度が高い。このことから、カーボンコンポジットコア電線では、その用途に応じて、送電線の弛度を小さくしたり、外部撚線層(アルミ層)の抵抗を低くしたりすることが可能となる(例えば、特許文献1および2)。
特開平4−308610号公報 特開平4−87212号公報
しかしながら、中心部が含むカーボンコンポジットは、曲げ応力に弱い。カーボンコンポジットが所定の曲げ半径以下に曲げられると、ひびや割れ等の損傷が生じる可能性がある。
本発明の目的は、カーボンコンポジットを含む中心部の損傷に係る危険性を送電線の外観から検知することができる技術を提供することである。
本発明の一態様によれば、
カーボンコンポジットを含む中心部と、
前記中心部の外周を覆うように複数の外部素線を撚り合わせて設けられる外部撚線層と、
を有する送電線であって、
前記外部撚線層は、該外部撚線層の最も外側に前記複数の外部素線とともに撚り合わせて設けられ、前記中心部の少なくとも一部に損傷が生じる臨界曲げ半径以上の曲げ半径に前記送電線が曲げられたときに損傷が生じる損傷検知線を有する
送電線が提供される。
本発明によれば、カーボンコンポジットを含む中心部の損傷に係る危険性を送電線の外観から検知することができる。
本発明の一実施形態に係る送電線の軸方向と直交する断面図である。 本発明の一実施形態に係る送電線が曲げられたときの軸方向に沿った断面図である。 本発明の一実施形態の変形例1に係る送電線の軸方向と直交する断面図である。 本発明の一実施形態の変形例2に係る送電線の軸方向と直交する断面図である。 本発明の一実施形態の変形例3に係る送電線の軸方向と直交する断面図である。 本発明の一実施形態の変形例4に係る送電線の軸方向と直交する断面図である。
<発明者の得た知見>
上述のように、中心部が含むカーボンコンポジットは、曲げ応力に弱く、カーボンコンポジットが所定の曲げ半径以下に曲げられると、ひびや割れ等の損傷が生じる可能性がある。カーボンコンポジットに損傷が生じると、カーボンファイバ同士の繋がりが断ち切られることとなる。仮にカーボンコンポジットを含む中心部にひび等の損傷が生じたまま、送電線が鉄塔間に架線されると、中心部に生じた損傷が経時的に拡大し、中心部の全体が破断したり屈折したりしてしまうおそれがある。その結果、送電線が架線時の張力に耐えられなくなるおそれがある。
このような事態を回避するため、送電線が架線される以前に中心部の損傷を検知することが望まれる。
しかしながら、中心部は外部撚線層によって覆われているため、送電線の製造後から架線するまでの間に中心部に損傷が生じたとしても、送電線の外観から当該中心部の損傷を確認することは困難であった。
このため、従来では、送電線の製造後から送電線を架線するまでの間に、中心部が所定の曲げ半径以下に曲げられることがないよう、各工程を管理していた。具体的には、例えば、送電線を巻き取るドラムの直径を大きくしたり、送電線を鉄塔間に架線する際に用いられる金車の直径を大きくしたりしていた。
しかしながら、中心部の曲げ半径の管理を、送電線を製造する製造メーカから、送電線を架線する施工業者に至るまで、一貫して徹底させることは困難であった。また、たとえ中心部の曲げ半径を管理していたとしても、送電線の製造後から架線するまでの間には、送電線を工具で掴むなどの様々なプロセスを経るため、意図せずに中心部が所定の曲げ半径以下に曲げられる可能性があった。その結果、中心部の損傷を抑制することが困難となっていた。
本発明は、発明者等が見出した上記新規課題に基づくものである。
<本発明の一実施形態>
(1)送電線
本発明の一実施形態に係る送電線(架空送電線)について、図1および図2を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る送電線の軸方向と直交する断面図である。図2は、本実施形態に係る送電線が曲げられたときの軸方向に沿った断面図である。なお、図2では、ハッチングの一部を省略している。
本実施形態の送電線10は、いわゆる低弛度増容量電線として構成され、例えば、中心部100と、外部撚線層300と、を有している。
なお、以下において、送電線10の「軸方向」とは、送電線10の中心軸の方向のことをいい、送電線10の長手方向と言い換えることができる。また、送電線10の「径方向」とは、送電線10の軸方向に垂直な方向のことをいい、場合によっては送電線10の短手方向と言い換えることができる。また、送電線10の「周方向」とは、送電線10の外周に沿った方向のことをいう。
(中心部)
中心部100は、例えば、架線時に送電線10の張力を負担するテンションメンバとして機能するよう構成されている。中心部100は、送電線10の径方向の中心に設けられ、送電線10の軸方向に延在している。
中心部100は、例えば、カーボンコンポジットを含んでいる。カーボンコンポジットの線膨張係数は、ACSRに用いられるアルミニウム(Al)の線膨張係数(23×10−6/K)や、亜鉛メッキ鋼の線膨張係数(11.5×10−6/K)よりも低く、0.8×10−6/Kである。また、カーボンコンポジットの比重は、ACSRに用いられるAlの比重(約2.7g/cm)や、亜鉛メッキ鋼の比重(約7.8g/cm)よりも小さく、約1.5〜1.8g/cm程度である。これにより、送電線10の弛度を小さくすることが可能となる。
本実施形態の中心部100は、例えば、1つのカーボンコンポジット素線120からなっている。カーボンコンポジット素線120は、例えば、カーボンファイバ(炭素繊維)と、カーボンファイバを束ねて固める樹脂と、を有している。カーボンコンポジット素線120の樹脂は、例えば、束ねられたカーボンファイバ間に介在して設けられ、または、束ねられたカーボンファイバの外周を囲むように設けられている。当該樹脂は、例えば、熱硬化型樹脂であり、具体的には、熱硬化型のエポキシ樹脂などである。なお、カーボンコンポジット素線120は、ガラス繊維を含んでいてもよい。また、カーボンコンポジット素線120は、最外周に金属被覆層(不図示)を有していてもよい。金属被覆層は、例えば、Al等により構成される。
(外部撚線層)
外部撚線層300は、送電時に主に電流を流す導体部分として構成されている。外部撚線層300は、中心部100の外周を覆うように複数の外部素線320を撚り合わせて設けられている。外部撚線層300を構成する複数の外部素線320は、例えば、AlまたはAl合金からなっている。本実施形態では、当該外部素線320は、例えば、耐熱アルミニウム合金線(日本ではTAL、IEC62004ではAT1)、超耐熱アルミニウム合金線(日本ではZTAL、IEC62004ではAT3)、または軟アルミニウム線などである。これにより、送電線10を高い温度範囲で使用することができ、送電線10の電流容量を大きくすることができる。
外部撚線層300は、例えば、中心部100の中心軸を中心として同心円状に複数積層されている。本実施形態では、例えば、外部撚線層300は、2層設けられている。具体的には、送電線10は、例えば、中心部100側から外側に向けて、第1外部撚線層300aと、第2外部撚線層300bと、を有している。
なお、本実施形態では、外部撚線層300を構成する全ての外部素線320のそれぞれの断面形状は、例えば、円形である。
(損傷検知線)
本実施形態の外部撚線層300は、例えば、損傷検知線340を有している。損傷検知線340は、外部撚線層300の最も外側(すなわち第2外部撚線層300b)に複数の外部素線320とともに撚り合わせて設けられている。
損傷検知線340は、中心部100の少なくとも一部に損傷が生じる臨界曲げ半径以上の曲げ半径に送電線10が曲げられたときに、少なくとも一部に損傷が生じるよう構成されている。これにより、カーボンコンポジットを含む中心部100に係る危険性を送電線10の外観から検知することができる。なお、ここでいう「損傷」とは、曲げにより生じる欠陥部のことを意味し、例えば、ひびや割れなどのことである。
ここで、図2を用い、それぞれの曲げ半径について説明する。なお、図2は、送電線10の曲げ中心側を損傷検知線340が通る場合を示している。「送電線10の曲げ中心側」とは、送電線10が曲げられることで形成される円弧の最も内側のことを意味している。図2において、送電線10の曲げ半径をRとし、中心部100の曲げ半径をrcとし、損傷検知線340の曲げ半径をrdとする。
図2に示すように、送電線10の曲げ半径Rは、例えば、送電線10が曲げられたときの、送電線10の曲げ中心から、送電線10の外周面のうち曲げ中心側の位置までの距離として定義される。
送電線10の曲げ半径Rに関して、上述の「中心部100の少なくとも一部に損傷が生じる臨界曲げ半径」とは、送電線10を徐々に曲げていった場合に、中心部100の少なくとも一部に損傷が生じ始めたときの送電線10の曲げ半径Rの最大値のことを意味している。
中心部100の曲げ半径rcは、例えば、送電線10が曲げられたときの、送電線10の曲げ中心から、中心部100の外周面のうち曲げ中心側の位置までの距離として定義される。中心部100の曲げ半径rcは、およそ送電線10の半径分だけ送電線10の曲げ半径Rよりも大きい。
例えば、送電線10が上記臨界曲げ半径以下の曲げ半径Rに曲げられたときには、中心部100を構成するカーボンコンポジット素線120の曲げ半径rcは、少なくとも当該カーボンコンポジット素線120の許容曲げ半径未満となる。その結果、カーボンコンポジット素線120に損傷が生じることとなる。一方で、例えば、送電線10が上記臨界曲げ半径よりも大きい曲げ半径Rに曲げられたときには、中心部100を構成するカーボンコンポジット素線120の曲げ半径rcは、当該カーボンコンポジット素線120の許容曲げ半径以上となっている可能性がある。つまり、中心部100に損傷が生じないと考えられる。
損傷検知線340の曲げ半径rdは、例えば、送電線10が曲げられたときの、送電線10の曲げ中心から、損傷検知線340の外周面のうち曲げ中心側の位置までの距離として定義される。図2に示すように、送電線10の曲げ中心側を損傷検知線340が通る場合では、損傷検知線340の曲げ半径rdは、中心部100の曲げ半径rcよりも小さく、送電線10の曲げ半径Rと等しい。
ここで、本実施形態の損傷検知線340は、上述のように、送電線10の曲げ半径Rが中心部100の少なくとも一部に損傷が生じる臨界曲げ半径以上の曲げ半径であるときに損傷するように構成されている。言い換えれば、損傷検知線340の少なくとも一部に損傷が生じるときの送電線10の曲げ半径Rは、中心部100の少なくとも一部に損傷が生じる臨界曲げ半径以上である。
損傷検知線340の少なくとも一部に損傷が生じるときの送電線10の曲げ半径Rが上記臨界曲げ半径未満であると、送電線10が上記臨界曲げ半径に曲げられたとしても、損傷検知線340に損傷が生じない。このため、中心部100の損傷を検知することができない可能性がある。
これに対し、本実施形態では、例えば、損傷検知線340の少なくとも一部に損傷が生じるときの送電線10の曲げ半径Rを上記臨界曲げ半径と等しくすることにより、送電線10が上記臨界曲げ半径に曲げられたときに、カーボンコンポジット素線120の少なくとも一部に損傷が生じるのと同等のタイミングで、損傷検知線340の少なくとも一部においても、損傷を生じさせることができる。このとき、損傷検知線340の損傷を送電線10の外観から検知することにより、カーボンコンポジットを含む中心部100に損傷が生じたおそれがあることを把握することができる。
また、本実施形態では、例えば、損傷検知線340の少なくとも一部に損傷が生じるときの送電線10の曲げ半径Rを上記臨界曲げ半径よりも大きくすることにより、送電線10が上記臨界曲げ半径より大きい所定の曲げ半径Rに曲げられたときに、中心部100に損傷が生じていなくても、損傷検知線340の少なくとも一部に損傷を生じさせることができる。ここで、送電線10が上記臨界曲げ半径より大きい所定の曲げ半径Rに曲げられたときであっても、当該送電線10の曲げ半径Rが上記臨界曲げ半径に近い場合などには、中心部100に対して損傷を生じさせるに相当する曲げ応力が印加されたおそれがある。そこで、本実施形態では、このような段階であっても、損傷検知線340の少なくとも一部に損傷を生じさせ、損傷検知線340の損傷を送電線10の外観から検知することにより、中心部100に損傷が生じうる危険性を未然に把握することができる。
なお、損傷検知線340に損傷が生じるときの送電線10の曲げ半径Rの上限値については、特に限定されるものではないが、損傷検知線340に過度に(頻繁に)損傷が生じない程度に設計されることが好ましい。
本実施形態では、中心部100が上述のように1つのカーボンコンポジット素線120からなり、損傷検知線340の曲げ強さは、例えば、当該カーボンコンポジット素線120の曲げ強さ以下である。ここでいう「曲げ強さ」とは、所定の素線を曲げることで、当該素線の少なくとも一部に損傷が生じたときに、素線に印加されていた最大曲げ応力のことをいう。当該「曲げ強さ」は、例えば、いわゆる3点曲げ試験等により測定可能である。損傷検知線340の曲げ強さがカーボンコンポジット素線120の曲げ強さ以下であることで、送電線10の曲げ半径Rが、カーボンコンポジット素線120の少なくとも一部に損傷が生じる臨界曲げ半径以上の曲げ半径であるときに、損傷検知線340に損傷を生じさせることができる。
さらに、損傷検知線340の曲げ強さは、例えば、カーボンコンポジット素線120の曲げ強さと等しいことが好ましい。この場合、損傷検知線340は送電線10の最も外側に設けられているため、送電線10が曲げられたときに、損傷検知線340の曲げ半径rdは、中心部100の曲げ半径rcよりも小さくなる。すなわち、損傷検知線340は、中心部100よりも曲げに対して不利な状態(厳しい状態)となる。これにより、損傷検知線340の曲げ強さがカーボンコンポジット素線120の曲げ強さと等しい場合であっても、送電線10の曲げ半径Rが上記臨界曲げ半径以上の曲げ半径であるときに、損傷検知線340に損傷を生じさせることができる。
本実施形態では、損傷検知線340は、例えば、カーボンコンポジット素線120を構成する樹脂を少なくとも含んでいる。これにより、損傷検知線340の曲げ強さを、カーボンコンポジット素線120の曲げ強さ以下とすることができる。
さらに、損傷検知線340は、例えば、カーボンコンポジット素線120と同じ材料により構成されていることが好ましい。これにより、例えば、損傷検知線340の曲げ強さを、カーボンコンポジット素線120の曲げ強さと等しくすることができる。
なお、本実施形態での損傷検知線340の断面形状は、例えば、外部素線320の断面形状と等しく円形である。
このような損傷検知線340の構成は、例えば、以下のようにして実験的に最適化される。例えば、損傷検知線340を構成する材料等が異なる複数の送電線10を製造した後、中心部100の少なくとも一部に損傷が生じる臨界曲げ半径以上の所定の半径を有する金車に、それぞれの送電線10を通す。当該金車通過試験後、中心部100に損傷が生じてしまった送電線10や、中心部100および損傷検知線340の両方とも損傷が生じなかった送電線10などを不良品として判定する。これに対し、中心部100に損傷が生じておらず、損傷検知線340のみに損傷が生じたことが確認された送電線10を良品として判定する。その結果、良品として判定された送電線10のなかから、損傷検知線340の構成を最適化することができる。
また、図1に示すように、本実施形態では、損傷検知線340は、例えば、複数設けられている。複数の損傷検知線340は、例えば、送電線10の周方向に均等に配置されている。複数の損傷検知線340は、例えば、送電線10の中心軸を中心として回転対称に配置されていると考えてもよい。具体的には、例えば、損傷検知線340は2つ設けられ、2つの損傷検知線340は送電線10の周方向に均等に配置されている。2つの損傷検知線340は送電線10の中心軸を中心として2回の回転対称に配置されていると考えることができる。さらに、2つの損傷検知線340は、送電線10の中心軸に対して対称に配置されていると考えることもできる。このような損傷検知線340の配置により、損傷検知線340による損傷検知精度を向上させることができる。
以上により、本実施形態の送電線10が構成される。
送電線10の具体的な寸法の一例としては、中心部100を構成するカーボンコンポジット素線120の直径は、例えば、6mm以上15mm以下である。外部素線320の直径は、例えば、2mm以上6mm以下である。損傷検知線340の直径は、例えば、外部素線320の直径と等しく、2mm以上6mm以下である。また、送電線10全体の直径は、14mm以上50mm以下である。
また、送電線10に適用される電圧(公称電圧)は、例えば、30kV以上1000kV以下であり、送電線10の許容電流は、例えば、400A以上3000A以下である。
なお、送電線10の具体的な寸法等はあくまで一例であって、本実施形態の送電線10は、上記構成に限定されるものではない。上記寸法以外の寸法等において本実施形態の送電線10を適用しても、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
(2)送電線の製造方法
次に、本実施形態に係る送電線10の製造方法について説明する。
(準備工程)
まず、カーボンコンポジットを含む中心部100を準備する。具体的には、例えば、カーボンファイバを束ね、樹脂により線状に固めることにより、カーボンコンポジット素線120を形成する。
また、外部撚線層300を構成する外部素線320を準備する。具体的には、円形の開口を有するダイスを設けた伸線機を用い、所定のアルミ合金材を伸線することにより、外部素線320を形成する。
また、このとき、中心部100の少なくとも一部に損傷が生じる臨界曲げ半径以上の曲げ半径に製造後の送電線10が曲げられたときに損傷が生じるよう構成される損傷検知線340を準備する。具体的には、例えば、上述のカーボンコンポジット素線120を形成する工程と同様の工程により、損傷検知線340を形成する。
(外部撚線層形成工程)
次に、所定の撚線機により外部撚線層300を形成する。
具体的には、まず、第1撚線機を用い、中心部100の外周を覆うように複数の外部素線320を撚り合わせることにより、第1外部撚線層300aを形成する。
次に、第2撚線機を用い、第1外部撚線層300bの外周を覆うように複数の外部素線320を撚り合わせることにより、第2外部撚線層300bを形成する。このとき、第2外部撚線層300bにおいて、複数の外部素線320とともに上述の損傷検知線340を撚り合わせる。
以上により、本実施形態に係る送電線10が製造される。
(3)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
(a)外部撚線層300の最も外側には、複数の外部素線320と撚り合わせることにより、損傷検知線340が設けられている。損傷検知線340は、中心部100の少なくとも一部に損傷が生じる臨界曲げ半径以上の曲げ半径に送電線10が曲げられたときに損傷が生じるよう構成されている。送電線10の製造後から架線するまでの間に送電線10が曲げられる毎に、損傷検知線340の損傷を送電線10の外観から検知することで、中心部100が損傷したおそれがあることを把握することができる。或いは、中心部100に対して損傷を生じさせるに相当する曲げ応力が印加されたおそれがあることを、実際に中心部100の少なくとも一部に損傷が発生する以前に把握することができる。このように、本実施形態では、送電線10が架線される以前に、カーボンコンポジットを含む中心部100の損傷に係る危険性を送電線10の外観から検知することが可能となる。
送電線10が架線される以前に、中心部100の損傷に係る危険性を送電線10の外観から検知することで、中心部100が損傷したおそれがある送電線10や、中心部100に対して損傷を生じさせるに相当する曲げ応力が印加されたおそれがある送電線10を排除することができる。これにより、中心部100に損傷が生じたまま送電線10が架線されることを防ぐことができる。その結果、中心部100の損傷を起因として送電線10が架線時の張力に耐えられなくなる事態を回避することが可能となる。
なお、送電線10が架線された後では中心部100に過大な曲げ応力が加わることは少ないが、送電線10が架線された後であっても、損傷検知線340の損傷を検知することで、中心部100の損傷に係る危険性を送電線10の外観から検知することも可能である。
(b)中心部100が1つのカーボンコンポジット素線120からなり、損傷検知線340の曲げ強さは、当該カーボンコンポジット素線120の曲げ強さ以下である。これにより、送電線10の曲げ半径Rが、カーボンコンポジット素線120の少なくとも一部に損傷が生じる臨界曲げ半径以上の曲げ半径であるときに、損傷検知線340に損傷を生じさせることができる。その結果、カーボンコンポジット素線120の損傷に係る危険性を、送電線10の外観から検知することが可能となる。
(c)カーボンコンポジット素線120では、特にカーボンファイバを固める樹脂において、ひびや割れ等の損傷が生じ易い。そこで、本実施形態では、損傷検知線340が、カーボンコンポジット素線120のうちで損傷が生じ易い樹脂を少なくとも含むことにより、カーボンコンポジット素線120に損傷が生じるメカニズムに近いメカニズムによって、損傷検知線340に損傷を生じさせることができる。これにより、損傷検知線340の曲げ強さを、カーボンコンポジット素線120の曲げ強さ以下とすることができる。つまり、カーボンコンポジット素線120の少なくとも一部に損傷が生じる臨界曲げ半径以上の曲げ半径に送電線10が曲げられたときに、損傷検知線340に損傷が生じるように、損傷検知線340を容易に設計することができる。
(d)さらに、損傷検知線340は、カーボンコンポジット素線120と同じ材料により構成されていることで、カーボンコンポジット素線120に損傷が生じるメカニズムと同等のメカニズムによって、損傷検知線340に損傷を生じさせることができる。例えば、損傷検知線340の曲げ強さを、カーボンコンポジット素線120の曲げ強さと等しくすることができる。これにより、損傷検知線340に損傷が生じるときの送電線10の曲げ半径Rを、中心部100の少なくとも一部に損傷が生じる臨界曲げ半径に近づける、または等しくすることができる。その結果、中心部100の少なくとも一部に損傷が生じうる状況に近づいたときに、損傷検知線340において損傷を確実に生じさせることができる。つまり、損傷検知線340において損傷が過度に(頻繁に)検知されることを抑制することができる。
(e)複数の損傷検知線340が送電線10の周方向に均等に配置されることで、送電線10が曲げられたときに複数の損傷検知線340がどのように配置されていたとしても、複数の損傷検知線340のうちの1つの曲げ半径rdは、中心部100の曲げ半径rcよりも小さくなる。つまり、複数の損傷検知線340のうちの1つは、中心部100よりも曲げに対して不利な状態となる。これにより、送電線10が曲げられたときに、中心部100の少なくとも一部に損傷が生じる以前に、損傷検知線340に損傷を確実に生じさせることができる。その結果、損傷検知線340による損傷検知精度を向上させることができる。
(4)本実施形態の変形例
上述の実施形態は、必要に応じて、以下に示す変形例のように変更することができる。以下、上述の実施形態と異なる要素についてのみ説明し、上述の実施形態で説明した要素と実質的に同一の要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
(変形例1)
図3を用い、変形例1に係る送電線について説明する。図3は、本実施形態の変形例1に係る送電線の軸方向と直交する断面図である。
変形例1では、中心部100の構成が、上述の実施形態と異なっている。
図3に示すように、本変形例の中心部100は、例えば、カーボンコンポジット素線120を複数束ねることにより構成されている。複数のカーボンコンポジット素線120は、直線状に束ねられていてもよいし、螺旋状に撚り合わせられていてもよい。
図3の具体例では、中心部100は、7つのカーボンコンポジット素線120を有し、1つのカーボンコンポジット素線120を中心として、その外周を覆うように6つのカーボンコンポジット素線120が撚り合わせられている。
本変形例では、損傷検知線340の曲げ強さは、例えば、複数のカーボンコンポジット素線120のうちの少なくとも1つのカーボンコンポジット素線120の曲げ強さ以下である。なお、「1つのカーボンコンポジット素線120の曲げ強さ」とは、解かれた状態での1つのカーボンコンポジット素線120の曲げ強さを意味している。
または、本変形例では、損傷検知線340の曲げ強さは、例えば、複数のカーボンコンポジット素線120の全体(すなわち、中心部100)としての曲げ強さ以下としてもよい。なお、「複数のカーボンコンポジット素線120の全体としての曲げ強さ」とは、複数のカーボンコンポジット素線120が束ねられた状態での曲げ強さであってもよいし、複数のカーボンコンポジット素線120のそれぞれの曲げ強さを合計した値であってもよい。
(効果)
(a)損傷検知線340の曲げ強さが複数のカーボンコンポジット素線120のうちの少なくとも1つのカーボンコンポジット素線120の曲げ強さ以下であることで、送電線10の曲げ半径Rが、1つのカーボンコンポジット素線120の少なくとも一部に損傷が生じる臨界曲げ半径以上の曲げ半径であるときに、損傷検知線340に損傷を生じさせることができる。これにより、中心部100に生じた損傷が、1つのカーボンコンポジット素線120の少なくとも一部に生じるような微小な損傷であったとしても、当該損傷に係る危険性を送電線10の外観から検知することができる。その結果、中心部100の損傷を起因として送電線10が架線時の張力に耐えられなくなる事態を確実に回避することが可能となる。
(b)または、損傷検知線340の曲げ強さが複数のカーボンコンポジット素線120の全体としての曲げ強さ以下であることで、送電線10の曲げ半径Rが、複数のカーボンコンポジット素線120の少なくとも一部に損傷が生じる臨界曲げ半径以上の曲げ半径であるときに、損傷検知線340に損傷を生じさせることができる。これにより、複数のカーボンコンポジット素線120が束ねられた状態で生じた損傷に係る危険性を送電線10の外観から検知することができる。
また、この場合、損傷検知線340の曲げ強さが、実際の複数のカーボンコンポジット素線120が束ねられた中心部100の曲げ強さに基づいて設計されていることで、中心部100に損傷が生じる危険性がないのにもかかわらず、損傷検知線340に過度に損傷が検知されることを抑制することができる。
(変形例2)
図4を用い、変形例2に係る送電線について説明する。図4は、本実施形態の変形例2に係る送電線の軸方向と直交する断面図である。
変形例2では、損傷検知線340の配置が、上述の実施形態と異なっている。
図4に示すように、本変形例では、損傷検知線340は、奇数設けられている。具体的には、例えば、損傷検知線340は3つ設けられ、3つの損傷検知線340は送電線10の周方向に均等に配置されている。3つの損傷検知線340は送電線10の中心軸を中心として3回の回転対称に配置されていると考えることができる。ただし、損傷検知線340の数が3つであるため、損傷検知線340は送電線10の中心軸に対して対称に配置されていない。
(効果)
損傷検知線340の数を、外部撚線層300における外部素線320の撚り周期に応じて設計することができる。例えば、変形例2のように、損傷検知線340の数を奇数とすることができる。これにより、複数の損傷検知線340のうちの1つを、中心部100よりも曲げに対して確実に不利な状態とすることができる。
(変形例3)
図5を用い、変形例3に係る送電線について説明する。図5は、本実施形態の変形例3に係る送電線の軸方向と直交する断面図である。
変形例3では、損傷検知線340の配置が、上述の実施形態および変形例2のそれぞれと異なっている。
図5に示すように、本変形例では、損傷検知線340は、例えば、4つ設けられている。4つの損傷検知線340は、送電線10の中心軸に対して対称に配置されている。ただし、第2外部撚線層300bに配置可能な外部素線320の総数の関係から、4つの損傷検知線340は、送電線10の周方向に均等に配置されていない。
(効果)
複数の損傷検知線340を送電線10の周方向に均等に配置できない場合であっても、複数の損傷検知線340を送電線10の中心軸に対して対称に配置することで、複数の損傷検知線340のうちの1つを、中心部100よりも曲げに対して不利な状態とすることができる。例えば、一方の損傷検知線340の曲げ半径rdが中心部100の曲げ半径rcよりも大きくなっていたとしても、送電線10の中心軸を挟んで一方の損傷検知線340と反対側に配置された他方の損傷検知線340の曲げ半径rdを、中心部100の曲げ半径rcよりも小さくすることができる。
(変形例4)
図6を用い、変形例4に係る送電線について説明する。図6は、本実施形態の変形例4に係る送電線の軸方向と直交する断面図である。
変形例4では、損傷検知線340の構成が、上述の実施形態と異なっている。本変形例の損傷検知線340は、例えば、損傷が生じたときに色が変わるよう構成されている。
具体的には、図6に示すように、損傷検知線340は、例えば、コア部342と、コア部342の外周を覆う被覆層344と、を有している。コア部342の少なくとも外周面の色は、被覆層344の色と異なっている。これにより、送電線10が所定の曲げ半径Rで曲げられたときに被覆層344が割れることで、コア部342の外周面の少なくとも一部を露出させることができる。
コア部342の外周面のみの色が被覆層344の色と異なっていてもよいし、コア部342の全体としての色が被覆層344の色と異なっていてもよい。また、コア部342の少なくとも外周面の色度および明度は、被覆層344のそれらと離れていることが好ましい。
一例としては、コア部342は、カーボンコンポジット素線120と同じ材料により構成され、カーボンファイバ由来の黒色を有している。一方、被覆層344は、カーボンコンポジット120を構成する樹脂からなり、所定の顔料による白色を有している。これにより、損傷検知線340に所望の曲げ強さを付与するとともに、損傷検知線340を色が変化するように構成することができる。なお、上記損傷検知線340の構成は一例であって、他の構成や配色であってもよい。
(効果)
(a)損傷が生じたときに色が変わるように損傷検知線340が構成されていることで、損傷検知線340の損傷を確認し易くすることができる。これにより、損傷検知線340の損傷検知精度を向上させることができる。
(b)損傷検知線340の損傷箇所の色が変わることで、損傷検知線340の損傷箇所を明確に把握することができる。これにより、損傷検知線340の損傷箇所と重なる位置で、中心部100に対して損傷を生じさせるに相当する曲げ応力が印加されたと予測することができる。その結果、送電線10の排除すべき部分を特定することが可能となる。
(c)損傷検知線340はコア部342と被覆層344とを有し、コア部342の少なくとも外周面の色は、被覆層344の色と異なっている。これにより、送電線10が所定の曲げ半径Rで曲げられたときに、被覆層344が割れることで、コア部342の外周面の少なくとも一部を露出させることができる。その結果、損傷検知線340の色を変えることができる。
<本発明の他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
上述の実施形態では、外部撚線層300が2層設けられている場合について説明したが、外部撚線層300は、1層のみ、または3層以上設けられていてもよい。
上述の実施形態では、外部撚線層300を構成する外部素線320の断面形状が円形である場合について説明したが、外部素線320の断面形状は扇形であってもよい。第2外部撚線層300bにおける外部素線320の断面形状が扇形である場合には、損傷検知線340の断面形状も扇形であってもよい。
上述の実施形態では、損傷検知線340の断面形状が外部素線320の断面形状と等しく円形である場合について説明したが、損傷検知線340の断面形状は外部素線320の断面形状と異なっていてもよい。
上述の実施形態では、損傷検知線340がカーボンコンポジット素線120と同じ材料により構成されている場合について説明したが、損傷検知線340は、所定の曲げ強さを有していれば、カーボンコンポジット素線120と異なる材料により構成されていてもよい。具体的には、損傷検知線340は、例えば、金属により構成されていてもよい。損傷検知線340を構成する金属としては、例えば、外部素線320よりも硬いAlまたはAl合金などが挙げられる。
上述の実施形態では、損傷検知線340が複数設けられている場合について説明したが、損傷検知線340は1つのみ設けられていてもよい。ただし、損傷検知線340による損傷検知精度を向上させる観点では、損傷検知線340は複数設けられているほうが好ましい。
上述の実施形態および変形例では、損傷検知線340が最大で4つ設けられている場合について説明したが、損傷検知線340は、5つ以上設けられていてもよい。ただし、損傷検知線340の数が増えるにつれて、外部素線320の数が減ってしまう。このため、外部撚線層300の抵抗が上昇してしまう可能性がある。したがって、外部撚線層300の抵抗を低く維持するためには、損傷検知線340の数が4つ以下であることが好ましい。
<本発明の好ましい態様>
以下、本発明の好ましい態様を付記する。
(付記1)
カーボンコンポジットを含む中心部と、
前記中心部の外周を覆うように複数の外部素線を撚り合わせて設けられる外部撚線層と、
を有する送電線であって、
前記外部撚線層は、該外部撚線層の最も外側に前記複数の外部素線とともに撚り合わせて設けられ、前記中心部の少なくとも一部に損傷が生じる臨界曲げ半径以上の曲げ半径に前記送電線が曲げられたときに損傷が生じる損傷検知線を有する
送電線。
(付記2)
前記中心部は、カーボンコンポジットを含む1つのカーボンコンポジット素線からなり、
前記損傷検知線の曲げ強さは、前記カーボンコンポジット素線の曲げ強さ以下である
付記1に記載の送電線。
(付記3)
前記中心部は、カーボンコンポジットを含むカーボンコンポジット素線を複数束ねることにより構成され、
前記損傷検知線の曲げ強さは、前記複数のカーボンコンポジット素線のうちの少なくとも1つのカーボンコンポジット素線の曲げ強さ以下である
付記1に記載の送電線。
(付記4)
前記中心部は、カーボンコンポジットを含むカーボンコンポジット素線を複数束ねることにより構成され、
前記損傷検知線の曲げ強さは、前記複数のカーボンコンポジット素線の全体としての曲げ強さ以下である
付記1に記載の送電線。
(付記5)
前記カーボンコンポジット素線は、カーボンファイバと、前記カーボンファイバを束ねて固める樹脂と、を有し、
前記損傷検知線は、少なくとも前記樹脂を含む
付記2〜4のいずれか1つに記載の送電線。
(付記6)
前記損傷検知線は、前記カーボンコンポジット素線と同じ材料により構成される
付記2〜5のいずれか1つに記載の送電線。
(付記7)
前記損傷検知線は、複数設けられ、
前記複数の損傷検知線は、前記送電線の周方向に均等に配置される
付記1〜6のいずれか1つに記載の送電線。
(付記8)
前記損傷検知線は、複数設けられ、
前記複数の損傷検知線は、前記送電線の中心軸を中心として回転対称に配置される
付記1〜6のいずれか1つに記載の送電線。
(付記9)
前記損傷検知線は、複数設けられ、
前記複数の損傷検知線は、前記送電線の中心軸に対して対称に配置される
付記1〜6のいずれか1つに記載の送電線。
(付記10)
前記損傷検知線は、損傷が生じたときに色が変わるよう構成される
付記1〜9のいずれか1つに記載の送電線。
(付記11)
前記損傷検知線は、コア部と、前記コア部の外周を覆う被覆層と、を有し、
前記コア部の少なくとも外周面の色は、前記被覆層の色と異なる
付記10に記載の送電線。
(付記12)
前記損傷検知線は、前記送電線が前記曲げ半径で曲げられたときに前記被覆層が割れることで、前記コア部の少なくとも一部が露出するよう構成される
付記11に記載の送電線。
(付記13)
カーボンコンポジットを含む中心部を準備する工程と、
前記中心部の外周を覆うように複数の外部素線を撚り合わせて外部撚線層を形成する工程と、
を有する送電線の製造方法であって、
前記外部撚線層を形成する工程では、
前記中心部の少なくとも一部に損傷が生じる臨界曲げ半径以上の曲げ半径に前記送電線が曲げられたときに損傷が生じる損傷検知線を、該外部撚線層の最も外側に前記複数の外部素線とともに撚り合わせる
送電線の製造方法。
10 送電線(架空送電線)
100 中心部
120 カーボンコンポジット素線
300 外部撚線層
300a 第1外部撚線層
300b 第2外部撚線層
320 外部素線
340 損傷検知線
342 コア部
344 被覆層

Claims (10)

  1. カーボンコンポジットを含む中心部と、
    前記中心部の外周を覆うように複数の外部素線を撚り合わせて設けられる外部撚線層と、
    を有する送電線であって、
    前記外部撚線層は、該外部撚線層の最も外側に前記複数の外部素線とともに撚り合わせて設けられ、前記中心部の少なくとも一部に損傷が生じる臨界曲げ半径以上の曲げ半径に前記送電線が曲げられたときに損傷が生じる損傷検知線を有する
    送電線。
  2. 前記中心部は、カーボンコンポジットを含む1つのカーボンコンポジット素線からなり、
    前記損傷検知線の曲げ強さは、前記カーボンコンポジット素線の曲げ強さ以下である
    請求項1に記載の送電線。
  3. 前記中心部は、カーボンコンポジットを含むカーボンコンポジット素線を複数束ねることにより構成され、
    前記損傷検知線の曲げ強さは、前記複数のカーボンコンポジット素線のうちの少なくとも1つのカーボンコンポジット素線の曲げ強さ以下である
    請求項1に記載の送電線。
  4. 前記中心部は、カーボンコンポジットを含むカーボンコンポジット素線を複数束ねることにより構成され、
    前記損傷検知線の曲げ強さは、前記複数のカーボンコンポジット素線の全体としての曲げ強さ以下である
    請求項1に記載の送電線。
  5. 前記カーボンコンポジット素線は、カーボンファイバと、前記カーボンファイバを束ねて固める樹脂と、を有し、
    前記損傷検知線は、少なくとも前記樹脂を含む
    請求項2〜4のいずれか1項に記載の送電線。
  6. 前記損傷検知線は、前記カーボンコンポジット素線と同じ材料により構成される
    請求項2〜5のいずれか1項に記載の送電線。
  7. 前記損傷検知線は、複数設けられ、
    前記複数の損傷検知線は、前記送電線の周方向に均等に配置される
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の送電線。
  8. 前記損傷検知線は、複数設けられ、
    前記複数の損傷検知線は、前記送電線の中心軸に対して対称に配置される
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の送電線。
  9. 前記損傷検知線は、損傷が生じたときに色が変わるよう構成される
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の送電線。
  10. 前記損傷検知線は、コア部と、前記コア部の外周を覆う被覆層と、を有し、
    前記コア部の少なくとも外周面の色は、前記被覆層の色と異なる
    請求項9に記載の送電線。
JP2017192649A 2017-10-02 2017-10-02 送電線 Pending JP2019067647A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017192649A JP2019067647A (ja) 2017-10-02 2017-10-02 送電線

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017192649A JP2019067647A (ja) 2017-10-02 2017-10-02 送電線

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019067647A true JP2019067647A (ja) 2019-04-25

Family

ID=66339972

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017192649A Pending JP2019067647A (ja) 2017-10-02 2017-10-02 送電線

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019067647A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019073839A (ja) * 2017-10-19 2019-05-16 東京製綱株式会社 損傷検知機能付繊維強化プラスチック線条体

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019073839A (ja) * 2017-10-19 2019-05-16 東京製綱株式会社 損傷検知機能付繊維強化プラスチック線条体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2573257B1 (en) Hybrid rope and process for producing same
JP4092237B2 (ja) 動索用繊維ロープ
JP7394179B2 (ja) アルミ電線、及びアルミ電線の製造方法
JPH06109956A (ja) 光ファイバケーブル
JP2012079563A (ja) 電線
JP2011192533A (ja) 耐屈曲ケーブル
TWI529439B (zh) 光纜
US20130222002A1 (en) Cable with wire disconnection detection function
JP2016110836A (ja) キャブタイヤケーブル、及び、コネクタ付ケーブル
KR20180011773A (ko) 루프 와이어 톱 및 그러한 루프를 형성하기 위한 방법
WO2019193989A1 (ja) 絶縁電線
JP2019067647A (ja) 送電線
JP2009140661A (ja) 撚線導体
US4809492A (en) Torsionally balanced wire rope or cable
JP6183264B2 (ja) 光ファイバ複合架空地線
JP2015225835A (ja) 架空送電線、及び、架空送電線の製造方法
RU2361304C1 (ru) Грозозащитный трос
JP2019153408A (ja) 送電線
JP2004115985A (ja) ハイブリッドロープ
JP7486300B2 (ja) 耐屈曲絶縁電線
JP2021057152A (ja) ケーブル及びケーブルの製造方法
JP2014002863A (ja) 鋼心アルミニウム撚線およびその製造方法
JP2862543B2 (ja) 複合撚合型抗張力体
KR102072402B1 (ko) 온도측정장치 및 온도측정장치의 제조방법
JP2006050708A (ja) 架空線の耐雷補強線およびその設計方法並びに架空線の耐雷補強方法