JP2006050708A - 架空線の耐雷補強線およびその設計方法並びに架空線の耐雷補強方法 - Google Patents

架空線の耐雷補強線およびその設計方法並びに架空線の耐雷補強方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 雷等により万一架空線が断線した場合にも、地上への落下を確実に防ぐことができるようにすること。
【解決手段】 第1および第2支持物21、22間に架線された架空地線等の架空線30が万一断線しても、地上へ落下することを防ぐために、架空線30に対してスパイラル状に巻き付けた補強線10において、補強線10の心線は繊維系強化線材であり、かつ、前記繊維系強化線材の外周に耐熱性樹脂となるフッ素樹脂を被膜してなること。さらに、前記繊維系強化線材は、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、PBO繊維、PAN系炭素繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、ポリアセタール繊維および高強度PVA繊維のいずれかから選ばれる少なくとも1種であること。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電力系統における架空地線等の架空線の耐雷補強線およびその設計方法並びに架空線の耐雷補強方法に関し、特に、電荷量の大きい落雷を受ける送電線路の架空地線等を補強する技術に関するものである。
電力系統における送電線路においては、特に落雷による影響を考慮しなくてはならない。送電鉄塔間に架線される架空地線が落雷を受けた場合、電荷量の非常に大きい落雷であると、架空地線が断線に至ることも考えられるため、万一断線した場合にも、地上への落下を防止する対策が必要とされている。
従来、上記の対策としては、架空地線を太線化して数本の素線が切れた場合にも架空線全体としての断線を防止する方法が一般的であった。
また、架空配電線路においては、配電線の断線落下防止のために、配電線の周囲をスパイラル状に補強線(オレフィン系樹脂を被覆したアラミド繊維)を巻き付ける方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2002−281649号公報
しかし、上述の架空地線の太線化については、架空地線の張り替えおよび架空地線を支える鉄塔の荷重の増加のために鉄塔の補強改造等が必要になるという問題があった。
また、上記特許文献1の方法では、架空配電線路の配電線の断線落下を防ぐために、電線の周囲をスパイラル状に補強線を巻き付ける方法が提案されているが、この補強線の具体的な設計方法についての開示はされていない。また、架線高さが送電線より著しく低い配電線に比べて、はるかに落雷の影響を受け易い送電鉄塔間に架線された架空地線へ上記特許文献1の方法を適用する場合には、被雷時に補強線が雷によって受ける損傷や断線落下の防止の対象となっている架空地線の断線時の影響について考慮しなければならないが、このための補強線の最適な設計方法が確立されていないため、特に、落雷の影響を受ける架空地線の断線落下を防ぐために、上記特許文献1の方法を適用することが困難であるという問題があった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、架空地線等の架空線を補強し、万一落雷等により断線した場合にも、地上への落下を確実に防ぐことができる架空線の耐雷補強技術を提供することである。
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、支持物間に架線された架空地線等の架空線が万一断線した場合にも、地上へ落下することを防ぐために、該架空線に対してスパイラル状に巻き付けた補強線であって、前記補強線の心線は繊維系強化線材であり、かつ、前記繊維系強化線材の外周に耐熱性樹脂を被覆してなることを特徴とする耐雷補強線である。
これにより、架空地線等の架空線に対してスパイラル状に巻き付けた架空線の耐雷補強線の心線が繊維系強化線材であるので、この補強線が架空線の断線時に架空線を支えるために充分な強度を有することができ、さらに、前記繊維系強化線材の外周に耐熱性樹脂が被覆されているので、該架空線に落雷による電流が流れることによる該架空線の発熱によって該架空線の温度が上昇しても前記耐熱性樹脂が前記補強線の心線である繊維系強化線材を保護することができる。
さらに、請求項2記載の発明は、請求項1に記載した架空線の耐雷補強線であって、前記繊維系強化線材は、アラミド繊維(芳香族ポリアミド繊維)、ポリアリレート繊維、PBO(ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール)繊維、PAN(ポリアクリロニトリル)系炭素繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、ポリアセタール繊維および高強度PVA(ポリビニールアルコール)繊維のいずれかから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする架空線の耐雷補強線である。
これにより、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、PBO繊維、PAN系炭素繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、ポリアセタール繊維および高強度PVA繊維のいずれかから選ばれる少なくとも1種の繊維を前記繊維系強化線材として使用すると、前記繊維系強化線材の強度を架空線の耐雷補強線として充分なものにすることができる。
さらに、請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載した架空線の耐雷補強線であって、前記耐熱性樹脂はフッ素樹脂であることを特徴とする架空線の耐雷補強線である。
これにより、フッ素樹脂を補強線の心線の外周に被膜すると、フッ素樹脂はオレフィン系樹脂に比べて非常に耐熱性に優れているため、前記耐熱性樹脂として適している。さらに、フッ素樹脂は電気的絶縁性にも優れているので、フッ素樹脂を補強線の心線の外周に被膜することは、特に電荷量の大きい落雷を受ける送電線路の架空地線の耐雷補強対策に適している。
さらに、請求項4記載の発明は、支持物間に架線された撚り線からなる架空地線等の架空線に対してスパイラル状に補強線を巻き付けた架空線の耐雷補強方法において、前記架空線に対する前記補強線の巻き付け方向が、該架空線の撚り方向と同一とすることを特徴とする架空線の耐雷補強方法である。
これにより、前記架空線に対する前記補強線の巻き付け方向が、該架空線の撚り方向と同一とすることによって、前記架空線が落雷等により断線した場合に、前記架空線の断線箇所にて、自然に前記撚りの程度が少なくなろうとするので、前記架空線に対する前記補強線の巻き付きの程度が増加するため、前記補強線の弛みが少なくなる。このため、補強線が巻き付いた架空線を補強し、万一断線した場合にも、地上への落下を一層確実に防ぐことができる。なお、本発明方法の補強線として請求項1乃至3に記載の補強線を用いることで、耐雷補強の効果をより高めることができる。
さらに、請求項5記載の発明は、支持物間に架線された撚り線からなる架空線に対してスパイラル状に補強線を巻き付けた架空線の耐雷補強方法に用いる耐雷補強線の設計方法において、前記架空線の架線時の初期弛度dに対する該架空線の断線後の平衡状態における初期弛度からの弛度変化量Δdの比(Δd/d)を弛度比とし、該架空線の断線後の平衡状態における前記補強線にかかる荷重に対する該架空線の断線直後の前記補強線にかかる衝撃荷重の比を衝撃倍率とし、前記弛度比と前記衝撃倍率との関係式を予め求めておき、前記弛度比と前記衝撃倍率との関係式を用いて、該架空線の断線直後の前記補強線に作用する衝撃荷重を求め、該補強線に必要とされる強度を算出することを特徴とする架空線の耐雷補強線の設計方法である。
これにより、前記架空線の架線時の初期弛度dおよび該架空線の断線後の平衡状態における初期弛度からの弛度変化量Δdを求め、これらから弛度比(Δd/d)を求め、前記弛度比と衝撃倍率との関係式を用いて前記求めた弛度比に対応する前記衝撃倍率を求め、さらに、該架空線の断線後の平衡状態における前記補強線にかかる荷重(張力)を求め、この求めた荷重に前記衝撃倍率を掛けて該架空線の断線直後の前記補強線に作用する衝撃荷重を求めることができ、この求めた衝撃荷重に耐える補強線の強度を算出することができる。
さらに、請求項6記載の発明は、請求項5に記載した架空線の耐雷補強線の設計方法であって、前記弛度変化量Δdは、前記架空線に対する前記補強線の巻き付け方向が、該架空線の撚り方向と一致することにより算出されることを特徴とする架空線の耐雷補強線の設計方法である。
これにより、低減した弛度変化量Δdを求めることができ、前記弛度比が低減すると前記衝撃倍率が低減するので、前記衝撃倍率を低減することができる。
請求項1記載の発明によれば、補強線の心線は繊維系強化線材であり、かつ、前記繊維系強化線材の外周に耐熱性樹脂を被覆してなることにより、架空地線等の架空線の素線切れが発生しないような雷に対しては、補強線の被覆は損傷を受けないので、保守性がよい。また、仮に架空線が被雷によって断線した場合にも補強線が充分な強度を有するため、架空線の地上への落下を防止することができる。
さらに、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果とともに、補強線を高強度かつ軽量化することができる。
さらに、請求項3記載の発明によれば、請求項1または2記載の発明の効果とともに、耐熱性に優れた補強線を得ることができ、この補強線を特に電荷量の大きい落雷を受ける送電線路の架空地線の耐雷補強に適用することができる。
さらに、請求項4記載の発明によれば、架空線が断線後に架空線および補強線の弛度を抑制することができ、断線した架空線の地上への垂れ下がり量を低減することができる。
さらに、請求項5記載の発明によれば、架空線の断線直後の補強線に作用する衝撃荷重(張力)を求め、この衝撃荷重に耐えるために必要な補強線の心線の強度を算出することにより、落雷による架空線の断線時の衝撃を考慮することができ、補強線の安全性、経済性に優れた詳細な設計が可能となる。
さらに、請求項6記載の発明によれば、請求項5記載の発明の効果とともに、補強線の経済性に優れた最適な設計が可能となる。
以下、本発明における実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本願発明に係る補強線を示し、図1(a)は外観を示し、図1(b)は図1(a)の補強線のA−A断面を拡大して示す。図2は前記補強線の使用状態を示し、図3は図2の架空線と補強腺の一部分を拡大して示し、図3(a)は架空線が断線する前の状態を示し、図3(b)は架空線が断線後の状態を示す。さらに、図4は架空線の弛度比と衝撃倍率との関係の一例を示す。
図1(a)、(b)に示すように、補強線10は、心線11、心線11の外周に被覆された内側被膜12および内側被膜12に被覆された外側被膜13を備えている。心線11は、繊維系強化線材であり、例えば、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、PBO繊維、PAN系炭素繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、ポリアセタール繊維および高強度PVA繊維のいずれかから選ばれる少なくとも1種の繊維からなる。また、内側被膜12および外側被膜13の材質は耐熱性樹脂の1種のフッ素樹脂であり、特に、内側被膜12の材質は例えばフッ素樹脂の1種のテフロン(登録商標)である。なお、内側被膜12は外側被膜13の厚さを均一に形成するために製造上設けられており、その必要がなければ省略することができる。
図2に示すように、鉄塔等の第1支持物21と第2支持物22との間に架空地線等の架空線30が架設されている。具体的には、架空線30の図示左端部31が第1支持物21の頂部21aに連結され、架空線30の図示右端部32が第2支持物22の頂部22aに連結されている。そして、補強線10が架空線30に対してスパイラル状に巻き付けられ、補強線10の図示左側端部15が第1支持物21の頂部21aに連結され、補強線10の図示右側端部16が第2支持物22の頂部22aに連結されている。
なお、架設されている架空線30に沿って図示しない巻付機を走行させつつ、巻付機の補強線10を巻いたボビンを架空線30の回りに回転させることにより、補強線10を架空線30に対してスパイラル状に巻き付けることができる。
図3(a)は架空線30に補強線10が巻き付けられている状態の概略を拡大して示す。架空線30は各単線(素線)33を撚って形成されている撚り線であり、架空線30に対する補強線10の巻き付け方向が架空線30の撚り方向と同一である。
図2に示すように、架空線30が通常の架線状態(図示A状態)で、架空線30の初期弛度dがある。この状態で、落雷等により架空線30が断線した場合には、架空線30は2つに分断されて、断線箇所34から図示左端部31までの部分30aと断線箇所35から図示右端部32までの部分30bとに分かれる。この状態では、補強線10が分断された各部分30a、30bを支えて、各部分30a、30bが落下することを防いでいる。そして、前記分断の直後では、図2の一番下側(図示B状態)にまで各部分30a、30bが落下し、その後、各部分30a、30bは上方に振動し、各部分30a、30bのこの上下方向の振動の振幅は次第に小さくなり平衡状態(図示C状態)で各部分30a、30bは静止する。この平衡状態では、各部分30a、30bの弛度は、架空線30の架線時の初期弛度dに弛度変化量Δdを加えたものとなる。なお、架空線30の架線時の初期弛度dに対する前記弛度変化量Δdの比(Δd/d)を弛度比とする。ここで、架空線30の断線後の平衡状態(図示C状態)における補強線で支持された架線の実長が得られれば、d+Δdを求めることができるため、求められたd+Δdの値から初期弛度dを差し引くことによりΔdを求めることができる。この場合、架空線30の断線後の平衡状態(図示C状態)における補強線で支持された架線の実長は、(断線前架空線実長)−(断線による架空線の張力低下による架空線の縮み長さ)+(補強線の巻きが解ける長さの増分)+(補強線の張力増加による補強線の延び)によって表すことができ、これらの数値は試験データや計算により得ることができる。
図3(b)は前記平衡状態の架空線30の各部分30a、30bおよび補強線10の概略を示す。図3(b)に示すように、前記部分30aでは、架空線30の各単線33を撚る方向に対して反対の方向(矢印37の方向)に各単線33が戻るので、前記部分30aに巻き付く補強線10が一層締め付けられる。一方、前記部分30bにおいても、前記部分30bの各単線33を撚る方向に対して反対の方向(矢印38の方向)に各単線33が戻るので、前記部分30bに巻き付く補強線10が一層締め付けられる。このため、図2に示す断線した架空線30の各部分30a、30bの平衡状態の弛度変化量Δdを低減することができる。
なお、図4に示すように、架空線30の断線後の平衡状態(図2のC状態)にて補強線10にかかる荷重(張力)に対する架空線30の断線直後(図2のB状態)の補強線10にかかる衝撃荷重の比を衝撃倍率yとし、前記弛度比(Δd/d)と前記衝撃倍率yとの関係式を予め実験的に求めておく。
なお、図4のグラフにおいて、菱形の点は径間長(支持物間の長さ)205mの場合の実験結果であり、三角形の点は径間長(支持物間の長さ)326mの場合の実験結果である。これらの実験結果より、弛度比xと衝撃倍率yとの関係式は
y=0.17x+1.42
となっている。そして、この関係式により前記弛度比xに対応する衝撃倍率yを算出し、さらに、平衡時の補強線10の荷重(張力)をかけると、補強線10の衝撃荷重を求めることができる。この衝撃荷重に耐えるように補強線10を設計することにより補強線10の強度を充分なものとすることができる。そして具体的には、補強線10の心線11が前記衝撃荷重に耐えるように設計することになる。
以上により、架空地線等の架空線30に対してスパイラル状に巻き付けた架空線30の耐雷補強線10の心線11が繊維系強化線材であるので、補強線10が架空線30が万一落雷により断線した際に架空線30を支えるために充分な強度を有することができ、さらに、前記繊維系強化線材の外周に耐熱性樹脂(内側被膜12および外側被膜13)が被覆されているので、架空線30に落雷による電流が流れることによる架空線30の発熱によって架空線30の温度が上昇しても前記耐熱性樹脂が補強線10の心線11である繊維系強化線材を保護することができる。
さらに、前記前記繊維系強化線材としてアラミド繊維、ポリアリレート繊維、PBO繊維、PAN系炭素繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、ポリアセタール繊維および高強度PVA繊維のいずれかから選ばれる少なくとも1種の繊維を使用すると、前記繊維系強化線材の強度を架空線30の耐雷補強線10の心線11として充分なものにすることができる。
さらに、外側被膜13としてフッ素樹脂を使用すると、フッ素樹脂は耐熱性がよいので、前記耐熱性樹脂として適している。さらに、フッ素樹脂は電気的絶縁性にも優れているので、特に電荷量の大きい落雷を受ける送電線路の架空地線等の架空線30の耐雷補強対策に適している。
さらに、架空線30に対する補強線10の巻き付け方向が架空線30の撚り方向と同一とすることによって、架空線30が落雷等により断線した場合に、架空線30の断線箇所34、35にて、自然に前記撚りの程度が少なくなろうとするので、架空線30に対する補強線10の巻き付きの程度が増加するため、補強線10の弛みが少なくなる。このため、補強線10が巻き付いた架空線30を補強し、万一断線した場合にも地上への落下を一層確実に防ぐことができる。
さらに、架空線30の架線時の初期弛度dおよび架空線30の断線後の平衡状態における初期弛度からの弛度変化量Δdを求め、これらから弛度比xを求め、弛度比xと衝撃倍率yとの関係式を用いて前記求めた弛度比xに対応する衝撃倍率yを求め、さらに、架空線30の断線後の平衡状態における補強線10にかかる荷重(張力)を求め、この求めた荷重に前記衝撃倍率yを掛けて架空線30の断線直後の補強線10に作用する衝撃荷重を求めることができ、この求めた衝撃荷重に耐える補強線10の強度を算出することができる。なお、補強線10の強度はその心線11が負担しているので、補強線10の強度に応じた補強線10の心線11の太さを決定することになる。このため、補強線10の太さを必要最小限のものに押さえることができる。
さらに、前記弛度変化量Δdが、架空線30に対する補強線10の巻き付け方向が、架空線30の撚り方向と一致することにより算出されるようにすると、低減した弛度変化量Δdを求めることができ、これにより、弛度比xが低減し、衝撃倍率yが低減する。このため、補強線10の経済性に優れた最適な設計が可能となる。
なお、補強線10の径と架空線30の径との比は図3に示したものに限られず、必要に応じて任意に設定可能である。
本願発明に係る補強線を示し、(a)は補強線の外観を示す正面図であり 、(b)は(a)のA−A断面を拡大して示す断面図である。 前記補強線の使用状態を示す説明図である。 図2の架空線と補強腺の一部分を拡大して示す概略図であり、(a)は架 空線が断線する前の状態を示し、(b)は架空線が断線後の状態を示す。 架空線の弛度比と衝撃倍率との関係の一例を示すグラフである。
符号の説明
10 補強線
11 心線
12 内側被膜
13 外側被膜
21 第1支持物
22 第2支持物
30 架空線

Claims (6)

  1. 支持物間に架線された架空地線等の架空線に対してスパイラル状に巻き付けた架空線の耐雷補強線であって、
    前記補強線の心線は繊維系強化線材であり、かつ、前記繊維系強化線材の外周に耐熱性樹脂を被覆してなることを特徴とする架空線の耐雷補強線。
  2. 請求項1に記載した架空線の耐雷補強線であって、
    前記繊維系強化線材は、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、PBO繊維、PAN系炭素繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、ポリアセタール繊維および高強度PVA繊維のいずれかから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする架空線の耐雷補強線。
  3. 請求項1または2に記載した架空線の耐雷補強線であって、
    前記耐熱性樹脂はフッ素樹脂であることを特徴とする架空線の耐雷補強線。
  4. 支持物間に架線された撚り線からなる架空線に対してスパイラル状に補強線を巻き付けた架空線の耐雷補強方法において、
    前記架空線に対する前記補強線の巻き付け方向が、該架空線の撚り方向と同一とすることを特徴とする架空線の耐雷補強方法。
  5. 支持物間に架線された撚り線からなる架空線に対してスパイラル状に補強線を巻き付けた架空線の耐雷補強方法に用いる耐雷補強線の設計方法において、
    前記架空線の架線時の初期弛度dに対する該架空線の断線後の平衡状態における初期弛度からの弛度変化量Δdの比(Δd/d)を弛度比とし、
    該架空線の断線後の平衡状態における前記補強線にかかる荷重に対する該架空線の断線直後の前記補強線にかかる衝撃荷重の比を衝撃倍率とし、
    前記弛度比と前記衝撃倍率との関係式を予め求めておき、
    前記弛度比と前記衝撃倍率との関係式を用いて、該架空線の断線直後の前記補強線に作用する衝撃荷重を求め、該補強線に必要とされる強度を算出することを特徴とする架空線の耐雷補強線の設計方法。
  6. 請求項5に記載した架空線の耐雷補強線の設計方法であって、
    前記弛度変化量Δdは、前記架空線に対する前記補強線の巻き付け方向が、該架空線の撚り方向と同一とすることにより算出されることを特徴とする架空線の耐雷補強線の設計方法。
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