JP2014507758A - 高圧架空送電線用に強化されたアルミニウム合金導体複合材 - Google Patents

高圧架空送電線用に強化されたアルミニウム合金導体複合材 Download PDF

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Abstract

【解決手段】本発明の実施形態は、高圧架空送電線用に強化されたアルミニウム合金導体複合材、関連する使用方法および製造方法に関する。一実施形態では、送電ケーブルが提供される。送電ケーブルは、複合コア、一つまたは複数の材料からなるマトリックス内の複数のファイバー、またはエポキシマトリックス内に埋め込まれた一組の炭素繊維のうち少なくとも一つを有するコアと、コアの周りに巻き付けられた複数のワイヤと、を備える。ワイヤは、6201 T83アルミニウム合金、6201 T81アルミニウム合金、1350−H19アルミニウム合金、または耐熱アルミニウム−ジルコニウム合金のうちの少なくとも一つを含む。送電ケーブルは低弛度特性を有している。
【選択図】図2

Description

本発明は一般にケーブルに関し、より詳細には、高圧架空送電線用に強化されたアルミニウム合金導体複合材に関する。
既存の従来の導体を、高圧架空送電線用途での送電ケーブルに使用することができる。これらの従来の導体および関連する送電ケーブルは、高圧電流の伝送により生じる比較的高い温度に耐えるように設計されている。さらに、二つの送電構造物または塔の間に従来の導体および関連する送電ケーブルを架けた場合、導体および送電ケーブルの重量により、二つの送電構造物または塔の間で従来の導体および関連するケーブルは垂れ下がる。架空送電ケーブル上の水分が凍るときのような特定の天候では、これらの従来の導体および関連する送電ケーブルは、氷とともに重量が増し、導体および送電ケーブルの弛度(sag)が大きくなる。氷の重量または荷重がある限界を越えると、架空送電ケーブルが破壊するかまたは地面のすぐ上にまで垂れ下がり、送電に障害がでたり危険な状態になることもある。
例えば、従来の導体および関連する送電ケーブルの一つは、多数の1350H0アルミニウムワイヤで囲まれた複合コアで製造することができる。この従来の導体および関連する送電ケーブルは、架空送電ケーブル用途で使用される裸の導体で中心構造部材として通常使用されている鋼線の約2/3の係数を複合コアが有しているので、氷雪負担能力が限られている。さらに、1350H0アルミニウムワイヤは約30%伸張するが引張強度は非常に小さい。氷雪荷重にさらされると、この従来の導体および関連する送電ケーブル上の氷の重量による機械的負荷が複合コアに伝達され、ある機械的負荷に達すると複合コアが垂れ下がるか故障し始める。
したがって、高圧架空送電線用途での送電ケーブルに使用される改良された導体が必要とされている。
本発明の実施形態は、上述の必要性の一部または全てを提供することができる。本発明の特定の実施形態は、高圧架空送電線用に強化されたアルミニウム合金導体複合材、関連する使用方法および製造方法に関する。一実施形態では、送電ケーブルが提供される。送電ケーブルは、複合コア、一つまたは複数の材料からなるマトリックス内の複数のファイバー、またはエポキシマトリックス内に埋め込まれた一組の炭素繊維のうち少なくとも一つを有するコアと、コアの周りに巻き付けられた複数のワイヤと、を備える。ワイヤは、6201 T83アルミニウム合金、6201 T81アルミニウム合金、1350−H19アルミニウム合金、または耐熱アルミニウム−ジルコニウム合金のうちの少なくとも一つを含む。送電ケーブルは低弛度特性を有している。
実施形態の一態様では、複数のワイヤはそれぞれ台形または円形を含む断面形状を有していてもよい。
実施形態の一態様では、複数のワイヤはそれぞれ台形の断面形状を有し、コアの周りに複数の同心配置されたワイヤの層を形成するようにワイヤの向きが合わされている。
実施形態の一態様では、複数のワイヤが、コアの周りの少なくとも二つの同心配置されたワイヤの層を含んでもよい。
実施形態の一態様では、コアの周りの複数の同心配置されたワイヤの層が少なくとも三層であってもよい。
実施形態の一態様では、複数のワイヤがコアの周りにらせん状に巻き付けられる。
実施形態の一態様では、約1400リニアフィート(426.7m)にわたる送電ケーブル上に約1.25インチ(3.2cm)の厚さの氷があるとき、低弛度特性とは、約40.0〜48.0フィート(12.2〜14.6m)の弛度であってもよい。
実施形態の一態様では、約1400リニアフィート(426.7m)にわたる送電ケーブル上に約2.0インチ(5.1cm)の厚さの氷があるとき、低弛度特性とは、約63.0フィート(19.2m)〜90.2フィート(27.5m)の弛度であってもよい。
別の実施形態では、送電ケーブルの製造方法が提供される。この方法は、少なくとも一つの複合コアを有するコア、一つまたは複数の材料からなるマトリックス内の複数のファイバー、またはエポキシマトリックス内に埋め込まれた一組の炭素繊維のうち少なくとも一つを有するコアを準備し、6201 T83アルミニウム合金、6201 T81アルミニウム合金、1350−H19アルミニウム合金、または耐熱アルミニウム−ジルコニウム合金のうちの少なくとも一つを含む複数のワイヤを準備し、コアの周りに複数のワイヤを巻き付けて送電ケーブルを作成することを含む。送電ケーブルは低弛度特性を有している。
実施形態の一態様では、複数のワイヤはそれぞれ台形または円形を含む断面形状を有していてもよい。
実施形態の一態様では、複数のワイヤはそれぞれ台形の断面形状を有し、コアの周りに複数の同心配置されたワイヤの層を形成するようにワイヤの向きが合わされている。
実施形態の一態様では、複数のワイヤが、コアの周りの少なくとも三つの同心配置されたワイヤの層を含んでもよい。
実施形態の一態様では、コアの周りの複数の同心配置されたワイヤの層が少なくとも三層であってもよい。
実施形態の一態様では、約1400リニアフィート(426.7m)にわたる送電ケーブル上に約1.25インチ(3.2cm)の厚さの氷があるとき、低弛度特性とは、約40.0〜48.0フィート(12.2〜14.6m)の弛度であってもよい。
実施形態の一態様では、約1400リニアフィート(426.7m)にわたる送電ケーブル上に約2.0インチ(5.1cm)の厚さの氷があるとき、低弛度特性とは、約63.0フィート(19.2m)〜90.2フィート(27.5m)の弛度であってもよい。
実施形態の一態様では、コアの周りに複数のワイヤを巻き付けるステップが、コアの周りに複数のワイヤをらせん状に巻き付けることを含んでもよい。
別の実施形態では、送電システムが提供される。送電システムは、送電ケーブルと、少なくとも一つの電流源と、を備える。送電ケーブルは、複合コア、一つまたは複数の材料からなるマトリックス内の複数のファイバー、またはエポキシマトリックス内に埋め込まれた一組の炭素繊維のうち少なくとも一つを有するコアと、6201 T83アルミニウム合金、6201 T81アルミニウム合金、1350−H19アルミニウム合金、または耐熱アルミニウム−ジルコニウム合金のうちの少なくとも一つを含む複数のワイヤと、を備え、低弛度特性を有している。少なくとも一つの電流源が送電ケーブルに接続され、送電ケーブルを介して電流が伝送される。
実施形態の一態様では、複数のワイヤはそれぞれ台形または円形を含む断面形状を有していてもよい。
実施形態の一態様では、複数のワイヤはそれぞれ台形の断面形状を有し、コアの周りに複数の同心配置されたワイヤの層を形成するようにワイヤの向きが合わされている。
実施形態の一態様では、複数のワイヤが、コアの周りの少なくとも二つの同心配置されたワイヤの層を含んでもよい。
実施形態の一態様では、コアの周りの複数の同心配置されたワイヤの層が少なくとも三層であってもよい。
実施形態の一態様では、複数のワイヤがコアの周りにらせん状に巻き付けられる。
実施形態の一態様では、約1400リニアフィート(426.7m)にわたる送電ケーブル上に約1.25インチ(3.2cm)の厚さの氷があるとき、低弛度特性とは、約40.0〜48.0フィート(12.2〜14.6m)の弛度であってもよい。
実施形態の一態様では、約1400リニアフィート(426.7m)にわたる送電ケーブル上に約2.0インチ(5.1cm)の厚さの氷があるとき、低弛度特性とは、約63.0フィート(19.2m)〜90.2フィート(27.5m)の弛度であってもよい。
本発明の様々な実施形態に係る他のシステム、プロセス、装置、態様および特徴は、本文書の残りの部分で明らかになるだろう。
本発明の実施形態を一般論として説明してきたが、以下では、縮尺通りには描かれていない添付の図面を参照する。
本発明の一実施形態に係る例示的な導体および送電ケーブルの断面図である。 本発明の一実施形態に係る例示的な導体および送電ケーブルの側面切断図である。 本発明の一実施形態に係る例示的な送電システムを示す図である。 二種類の従来の導体および送電ケーブルと本発明の一実施形態の弛度特性を比較したグラフである。 二種類の従来の導体および送電ケーブルと本発明のいくつかの実施形態の弛度特性を比較したグラフである。 本発明の一実施形態に係る別の例示的な導体および送電ケーブルの断面図である。 本発明の一実施形態に係る別の例示的な導体および送電ケーブルの断面図である。 本発明の一実施形態に係る導体および送電ケーブルに用いられる例示的なワイヤの断面図である。 本発明の一実施形態に係る導体および送電ケーブルに用いられる別の例示的なワイヤの断面図である。 本発明の一実施形態に係る導体および送電ケーブルの例示的な製造方法のプロセス図である。 本発明の一実施形態に係る導体および送電ケーブルを用いる例示的な方法のフローチャートである。
以下、本発明の実施形態が示された添付の図面を参照して、本発明の実施形態についてさらに完全に説明する。しかしながら、本発明は多数の異なる形態で実現可能であり、以下で述べる実施形態に限定されるものと解されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、この開示が完全かつ徹底的なものとなるように、および本発明の範囲を完全に伝えるように提供されている。全体にわたり同様の符号は同様の要素を指し示す。
本発明の一実施形態に係る一つまたは複数のワイヤが巻き付けられたコアを有する電線構造を指すために、「導体」および「送電ケーブル」という用語、ならびにこれらの複数形が、本明細書で置換可能に使用される。
導体および送電ケーブルが二つの場所の間に架けられたときに表れる導体および送電ケーブルの物理的特性または機械的特性を指すために、「弛度(sag)」および「弛度特性(sag characteristic)」という用語が本明細書で置換可能に使用される。例えば、導体または送電ケーブルの弛度または弛度特性は、距離の離れた二つの場所の間のケーブル、または二つの場所の間に架かるケーブルの垂直方向のたわみによって測定することができる。さらなる例として、「低弛度性能」および「改良された弛度性能」とは、導体および送電ケーブルの弛度が減少するとき、または従来の導体および送電ケーブルよりも他の点で改良されたときの事例を述べている。
本発明の特定の実施形態は、一般に、高圧架空送電線用に強化されたアルミニウム合金導体複合材、関連する使用方法および製造方法を提供する。高圧架空送電線用に強化されたアルミニウム合金導体複合材を実装することができるので、本発明の実施形態に係るシステム、方法および装置を使用すると、弛度性能を改良し、保守および修理コストを削減することができる。さらに、本発明の特定の実施形態による技術的効果により、氷雪環境により生じる特定の負荷に耐える能力などが得られる。本発明の特定の実施形態は、他の環境、文脈および用途でも使用でき、送電ケーブルの用途に限定されず、一つまたは複数のワイヤまたは導体が互いに接続される送電ケーブル以外の用途を含むべきであることを理解すべきである。
図1は、本発明の一実施形態に係る例示的な導体および送電ケーブルの断面図である。図1に示すように、例示的な導体100は、コア102と、コア102の周りに巻き付けられた一つまたは複数のワイヤ104とを備える。図示のコア102は、相対的に円形の断面形状を有している。巻き付けられたワイヤ104はそれぞれ、図7および図8に示され説明される台形断面と同様に、相対的に台形の形状をしていてもよい。図1に示す例示的な導体100を、送電システム用の導体および送電ケーブルとして使用することができる。送電システムの一例が図2、図3にそれぞれ200、300として示されている。
図1に示す実施形態における巻き付けられたワイヤ104は、コア102の周りの三つの同心層106、108、110に配置することができる。第1の内側同心層106は、6本のワイヤ104A−104Fを備える。各ワイヤは、コア102の外面に相対的に接近しているかまたは隣接しており、また、同じ同心層106の少なくとも2本の隣接ワイヤに接近している。第2の中間同心層108は、10本のワイヤ104G−104Pを備える。各ワイヤは、第1の内側同心層106の一つまたは複数のワイヤの外面に相対的に接近しているかまたは隣接しており、また、第2の中間同心層108の少なくとも2本の隣接ワイヤに接近している。第3の外側同心層110は、15本のワイヤ104Q−104FFを備える。各ワイヤは、第2の中間層108の一つまたは複数のワイヤの外面に相対的に接近しているかまたは隣接しており、また、第3の外側同心層110の少なくとも2本の隣接ワイヤに相対的に接近しているかまたは隣接している。
各隣接ワイヤ104の間には、それぞれの台形の角の近傍に、隣接ワイヤが合致せずまたは各層に接触しないような一つまたは複数の比較的小さな空間112が存在する。本発明の実施形態の一態様は、比較的コンパクトな断面を提供しつつ、それぞれのワイヤの断面を最大化し、導体構造の全体が必要に応じて屈曲する能力を与えるためのものである。
図1に示すコア102は、米国カリフォルニア州アーバインのComposite Technology Cable(CTC)社により登録商標ACCCとして販売されている導体で用いられている複合コアなどの、複合コア材料であってもよい。別の実施形態では、コアは、一つまたは複数の材料でなるマトリックス内の複数のファイバーであってもよい。さらに別の実施形態では、コアは、エポキシマトリックス内に埋め込まれた一組の炭素繊維であってもよい。本発明の実施形態に係る導体および送電ケーブルとともに使用される他の適切なコアは、米国特許第7,211,319号および第7,368,162号に説明されている。例えば、コア用の適切なマトリックス材料は、複合コア、接着剤、セラミックス、金属マトリックス、樹脂、エポキシ、発泡材、エラストマー、またはポリマー内に複数のファイバーを埋め込み束ねることができる、任意のタイプの有機材料または無機材料を含むが、これらに限定されない。さらなる例によると、適切なファイバー材料は、ガラス、ガラス型、カーボン(グラファイト)、カーボン型、ケブラー、玄武岩、アラミド、ホウ素、液晶、高性能ポリエチレン、カーボンナノファイバー、またはナノチューブを含むが、これらに限定されない。本発明の実施形態に係る複合コアのマトリックスおよびファイバー材料として他の材料を使用してもよいことを理解するだろう。さらに、米国特許第7,211,319号および第7,368,162号に記載の製造方法が、本発明の実施形態に係るコアの製造に適していることを理解するだろう。
コア102の周りに巻き付けられる一つまたは複数のワイヤ104は、米国ジョージア州アトランタのAlcan Cable社によりARVIDALの商標で販売されている合金などの、6201 T83アルミニウム合金で製造されてもよい。別の実施形態では、6201 T81アルミニウム合金、またはASTM標準を満たす6201 T81アルミニウム合金で一つまたは複数のワイヤが製造されてもよい。別の実施形態では、1350−H19アルミニウム合金、またはASTM B230を満たす1350−H19アルミニウム合金で一つまたは複数のワイヤが製造されてもよい。さらに別の実施形態では、耐熱アルミニウム−ジルコニウム合金、またはASTM B941を満たす耐熱アルミニウム−ジルコニウム合金で一つまたは複数のワイヤが製造されてもよい。
いずれの例においても、コア102と、コア102の周りに巻き付けられたワイヤ104に上述した材料の組み合わせを使用すると、導体および送電ケーブルを、比較的低弛度のすなわち改良された弛度特性とすることができる。弛度性能の改善は、複合コアへの重量の負荷または伝達を低減する材料を組み合わせ使用することから生じていると信じられている。この重量は、従来の導体および送電ケーブルの欠点の一つであった。本発明の実施形態の技術的効果の一つは、特に架空送電線での使用時に導体または関連する送電ケーブル上に氷や水が集積するときに、導体またはケーブル自体の重量による導体または関連する送電ケーブルの弛度を低減できることである。この技術的効果は、運転コストを減らすことができる。例えば、送電ケーブルのスパンを大きくしたり、および/または送電ケーブルの支持構造または塔を短くして、自らの地所を横切って架空送電線を建設し運用するための地役権または許可を与えるか否かを決定する土地所有者に譲歩することができる。本発明の一実施形態の別の技術的効果は、比較的低温での運転と低弛度特性との組み合わせを持つ導体および送電ケーブルであるという点である。例えば、導体および送電ケーブルの一実施形態は、約1400リニアフィート(426.7m)にわたる送電ケーブル上に約1.25インチ(3.2cm)の厚さの氷が着いている状態で、最大で約華氏203度(摂氏95度)まで、約40.0〜48.0フィート(12.2〜14.6m)の低弛度特性で連続的に運転することができる。別の例では、導体および送電ケーブルの一実施形態は、約1400リニアフィート(426.7m)にわたる送電ケーブル上に約2.0インチ(5.1cm)の厚さの氷が着いている状態で、最大で約華氏203度(摂氏95度)まで、約63.0フィート(19.2m)〜90.2フィート(27.5m)の低弛度特性で連続的に運転することができる。本発明の一実施形態のさらに別の技術的効果は、架設中の導体および送電ケーブルの表面ひっかきや損傷に対する耐性が増大することである。このような損傷は放電またはコロナにつながり、導体および/または送電ケーブルをさらに損傷しうる。場合によっては、導体および/または送電ケーブルへの損傷が送電中のノイズを増加させる。これは近隣の土地所有者や居住者に気づかれることがある。
一実施形態では、複数のワイヤがそれぞれ台形または円形の断面形状を有していてもよい。
一実施形態では、複数のワイヤはそれぞれ台形の断面形状を有し、コアの周りに同心配置された複数のワイヤ層を形成するようにワイヤの方向が合わされてもよい。
一実施形態では、複数のワイヤは、コアの周りに同心配置された少なくとも二つのワイヤ層を含んでもよい。
一実施形態では、コアの周りに同心配置された複数のワイヤ層が、少なくとも三層であってもよい。
一実施形態では、複数のワイヤがコアの周りにらせん状に巻かれていてもよい。
一実施形態では、約1400リニアフィート(426.7m)にわたる送電ケーブル上に約1.25インチ(3.2cm)の厚さの氷が着いているとき、弛度特性が約40.0〜48.0フィート(12.2〜14.6m)であってもよい。
一実施形態では、約1400リニアフィート(426.7m)にわたる送電ケーブル上に約2.0インチ(5.1cm)の厚さの氷が着いているとき、弛度特性が約63.0フィート(19.2m)〜90.2フィート(27.5m)であってもよい。
他の実施形態では、異なる形状の導体、送電ケーブル、コア、ワイヤ、および異なる向きの導体、送電ケーブル、コア、ワイヤを本発明で使用することができる。さらに、異なる数のコア、ワイヤ、同心層を本発明の実施形態で使用することができる。
図2は、本発明の一実施形態に係る例示的な導体または送電ケーブルの側面切断図である。図1に示した導体100と同様に、図2に示す導体200は、複合コア202と、複合コア202の周りに巻き付けられた一つまたは複数のワイヤ204とを備える。図示の複合コア202は、相対的に円形の断面形状であってもよい。図示の巻き付けられたワイヤ204はそれぞれ、相対的に台形の形状であってもよい。巻き付けられたワイヤは、複合コア202の周りに三つの同心層206、208、210を形成する。図2に示すように、巻き付けられたワイヤ204と同心層206、208、210は、複合コアの長さ方向に沿ってらせん状に巻き付けられている。各同心層は、隣合う同心層とは反対向きにまたは異なる方向212、214、216に巻き付けられている。図では、便宜上、ワイヤ204の三つの同心層206、208、210が連続的に切り込まれており、複合コア202の外部と下層の同心層206、208とが露出している。
他の実施形態では、本発明に従って、ワイヤ同心層の一部または全てに対して異なる巻き付け方向を使用してもよい。特定の実施形態では、同心層の巻き付けワイヤが、交互に反対向きになるのではなく、同様の方向に巻き付けられてもよい。特定の実施形態では、同心層のワイヤの巻き付けの単位長さ当たりの回転数が図2に示したものより少なくても多くてもよい。
図3は、本発明の一実施形態に係る例示的な送電システムを示す。この実施形態では、送電システム300は、電流源302と、電流負荷304と、電流源302と電流負荷304の間の少なくとも一つの送電ケーブル306と、を備える。通常、電流源302と電流負荷304の間に、一つまたは複数の送電ケーブル支持部308A、308Nが間隔を空けて配置され、電流源302と電流負荷304の間の送電ケーブル306の少なくとも一部を支持する。図示の実施形態では、電流源302から、電流負荷304に向かう方向310の送電ケーブル306の長さに沿って、高圧電流を伝送することができる。隣接する送電ケーブル支持部308A、308Nの間に送電ケーブル306が延びているので、送電ケーブル306は、支持部308A、308Nの間でたるむ。この弛度は、送電ケーブルの長さ314またはスパンに対する垂直方向の距離312によって測定することができる。
図3に示す電流源302は、比較的高圧の電流を発電または伝送するよう動作する発電デバイスまたは送電デバイスであってもよい。例えば、電流源は、約345kV以上の電流を生成するよう動作する、発電所の昇圧変圧器であってもよい。他の実施形態では、電流源は、より低いかまたはより高い電圧の電流を生成することができる。
図3に示す電流負荷304は、比較的高圧の電流を受け取りまたは使用するよう動作する送電デバイスまたは電動デバイスであってもよい。例えば、電流負荷は、約345kV以上の電圧の電流を受け取るように動作する、変電所の降圧変圧器であってもよい。他の実施形態では、電流負荷は、より低いかまたはより高い電圧の電流を受け取るか使用することができる。
図3に示す送電ケーブル306は、図1および図2に100、200として示した導体および送電ケーブルと同様である。例えば、送電ケーブル306は、複合コア、一つまたは複数の材料からなるマトリックス中の複数のファイバー、またはエポキシマトリックスに埋め込まれた一組の炭素繊維を含むコアを備えてもよいが、これらに限定されない。さらなる例によると、送電ケーブル306は、コアの周りにらせん状に巻き付けられた一つまたは複数のワイヤを備える。一つまたは複数のワイヤは、6201 T83アルミニウム合金、6201 T81アルミニウム合金、1350−H19アルミニウム合金、または耐熱アルミニウム−ジルコニウム合金を含むが、これらに限定されない。いずれの例でも送電ケーブルは比較的低い弛度特性を有することができる。
使用時に、送電システム300は、電流源302から電流負荷304に高圧電流を提供することができる。運転中に電圧が与えられるか高圧電流を伝送するとき、送電ケーブル306は、運転中に存在する場合がある氷や水などの比較的重い荷重に耐えることができる。
図4Aは、二種類の従来の導体および送電ケーブルと本発明の導体および送電ケーブルの実施形態の弛度特性を比較した図である。図4Aの表400は、三種類の異なる導体および送電ケーブルA、B、Cの例示的な弛度特性を示している。X軸402は導体および送電ケーブル上の氷の厚さをインチで測定した範囲を示し、Y軸404はフィートで測定した弛度を示す。AおよびBは従来の導体および送電ケーブルの例であり、Cは本発明の一実施形態に係る例示的な導体および送電ケーブルである。この比較例における弛度特性は、華氏32度(摂氏0度)において異なる氷厚さの範囲に対してそれぞれ試験された、約1400フィート(426.7m)にわたる導体および送電ケーブルに対するものである。試験された氷の厚さは、0.75インチ(1.90cm)、1.0インチ(2.5cm)、1.1インチ(2.8cm)、1.2インチ(3.0cm)、および1.25インチ(3.2cm)である。
第1の例では、氷の厚さすなわち荷重が0.75インチ(1.90cm)、約1400フィートのスパンに対して、導体および送電ケーブルAは約37フィート(11.3m)たるみ、導体および送電ケーブルBは約52フィート(15.8m)たるみ、導体および送電ケーブルCは約31.75フィート(9.68m)たるむ。別の例では、氷の厚さすなわち荷重が1.0インチ(2.5cm)、約1400フィート(426.7m)のスパンに対して、導体および送電ケーブルAは約44.6フィート(13.6m)たるみ、導体および送電ケーブルBは約55.1フィート(16.8m)たるみ、導体および送電ケーブルCは約36.2フィート(11.0m)たるむ。別の例では、氷の厚さすなわち荷重が1.1インチ(2.8cm)、約1400フィート(426.7m)のスパンに対して、導体および送電ケーブルAは約47.63フィート(14.52m)たるみ、導体および送電ケーブルBは約56.3フィート(17.2m)たるみ、導体および送電ケーブルCは約38フィート(11.6m)たるむ。別の例では、氷の厚さすなわち荷重が1.2インチ(3.0cm)、約1400フィート(426.7m)のスパンに対して、導体および送電ケーブルAは約50.62フィート(15.43m)たるみ、導体および送電ケーブルBは約59フィート(18.0m)たるみ、導体および送電ケーブルCは約39.6フィート(12.1m)たるむ。さらに別の例では、氷の厚さすなわち荷重が1.25インチ(3.2cm)、約1400フィート(426.7m)のスパンに対して、導体および送電ケーブルAは約53.1フィート(16.2m)たるみ、導体および送電ケーブルBは約61.9フィート(18.9m)たるみ、導体および送電ケーブルCは約40.46フィート(12.33m)たるむ。
図4Aに示すように、導体および送電ケーブルCは、ほぼ同一のスパンまたは長さに対して、ある範囲の氷の厚さにおいて、従来の導体および送電ケーブルA、Bよりも弛度が減少または小さくなっている。上述したように、本発明の特定の実施形態の様々な技術的効果が、運転コストを低下させ、改善された運転特性を提供し、ひっかきや損傷に対する耐性を改善することができる。
図4Bは、二種類の従来の導体および送電ケーブルと本発明のいくつかの実施形態の弛度特性を比較した図である。図4Bの表406は、いくつかの異なる導体および送電ケーブルD,E,F,G,H,I,Jの弛度特性の例を示している。X軸408は、1000〜1500フィートで測定された導体および送電ケーブルのスパンの範囲を示す。Y軸410は、フィートで測定した弛度を示す。KおよびLは、従来の導体および送電ケーブルの例であり、D,E,F,G,H,I,Jは、本発明の一実施形態に係る導体および送電ケーブルの例である。この比較例における弛度特性は、インチ(5.1cm)の氷が送電ケーブル上に着いたときのものである。各導体および送電ケーブルに対して、1000フィート(304.8m)、1100フィート(335.3m)、1200フィート(365.8m)、1300フィート(396.2m)、1400フィート(426.7m)、1500フィート(457.2m)のスパンについて試験した。
一例として、氷の厚さすなわち荷重が2.0インチ(5.1cm)、約1000フィート(304.8m)のスパンにおいて、従来の導体および送電ケーブルK,Lの弛度が約56.82フィート(17.32m)、51.76フィート(15.78m)であるのに対し、導体および送電ケーブルD,E,F,G,H,I,Jの弛度は、約36.9〜45.9フィート(11.2〜14.0m)の範囲である。別の例では、氷の厚さすなわち荷重が2.0インチ(5.1cm)、約1100フィート(335.3m)のスパンにおいて、従来の導体および送電ケーブルK,Lの弛度が約68.82フィート(20.98m)、62.28フィート(18.98m)であるのに対し、導体および送電ケーブルD,E,F,G,H,I,Jの弛度は、約41.2〜55.6フィート(12.6〜16.9m)の範囲である。別の例では、氷の厚さすなわち荷重が2.0インチ(5.1cm)、約1200フィート(365.8m)のスパンにおいて、従来の導体および送電ケーブルK,Lの弛度が約81.98フィート(24.99m)、74.66フィート(22.76m)であるのに対し、導体および送電ケーブルD,E,F,G,H,I,Jの弛度は、約47.2〜66.2フィート(14.4〜20.2m)の範囲である。別の例では、氷の厚さすなわち荷重が2.0インチ(5.1cm)、約1300フィート(396.2m)のスパンにおいて、従来の導体および送電ケーブルK,Lの弛度が約96.31フィート(29.36m)、87.7フィート(26.7m)であるのに対し、導体および送電ケーブルD,E,F,G,H,I,Jの弛度は、約54.3〜77.7フィート(16.6〜23.7m)の範囲である。さらに別の例では、氷の厚さすなわち荷重が2.0インチ(5.1cm)、約1400フィート(426.7m)のスパンにおいて、従来の導体および送電ケーブルK,Lの弛度が約111.83フィート(34.09m)、101.8フィート(31.0m)であるのに対し、導体および送電ケーブルD,E,F,G,H,I,Jの弛度は、約63.01〜90.18フィート(19.21〜27.49m)の範囲である。さらに別の例では、氷の厚さすなわち荷重が2.0インチ(5.1cm)、約1500フィート(457.2m)のスパンにおいて、従来の導体および送電ケーブルK,Lの弛度が約128.53フィート(39.18m)、116.99フィート(35.66m)であるのに対し、導体および送電ケーブルD,E,F,G,H,I,Jの弛度は、約72.36〜103.60フィート(22.06〜31.58m)の範囲である。
図4Bに示すように、導体および送電ケーブルD,E,F,G,H,I,Jは、ほぼ同一の氷の厚さまたは氷雪荷重に対して、ある範囲のスパンにわたり、従来の導体および送電ケーブルK、Lよりも弛度が減少または小さくなっている。上述したように、本発明の特定の実施形態の様々な技術的効果が、運転コストを低下させ、改善された運転特性を提供し、ひっかきや損傷に対する耐性を改善することができる。
図5−6は、本発明の実施形態に係る導体および送電ケーブルの構成の他の例を示す。図5は、台形ワイヤの二つの同心層がコアを取り囲む導体および送電ケーブル構成の一例を示し、図6は、円形ワイヤの三つの同心層がコアを取り囲む導体および送電ケーブル構成の別の例を示しており、両方とも本発明の実施形態に従う。円形断面の寸法は、コアのサイズ、各同心層内のワイヤの数、同心層の数、導体および送電ケーブルの全体の外径、隣接するワイヤ間の空間、特に図1の112のような各円形ワイヤ間の空間を含むがこれらに限定されない因子に応じて変化しうることを理解するであろう。
図5に示すように、導体および送電ケーブルの例500は、コア502と、コア502の周りに巻き付けられた二つの同心層506、508内の複数の台形ワイヤ504とを備える。図5の実施形態は、第3のワイヤ同心層110がない点を除き、図1に示した実施形態と同様である。第1の内側同心層506は6本の台形ワイヤを含み、第2の外側同心層508は10本の台形ワイヤを含む。台形ワイヤの断面積および寸法の例は、後述する図7および図8に示されている。コア502は一般に円形であり、例えば、米国カリフォルニア州アーバインのComposite Technology Cable(CTC)社から登録商標ACCCで販売されてる導体で使用されている複合コアである。ワイヤ504は、6201 T83アルミニウム合金で製造されてもよい。図1および図2に示した実施形態と同様に、ワイヤ504と同心層506、508はコア502の周りにらせん状に巻き付けられ、各層506、508は、互いに反対向きにすなわち異なる方向に巻き付けられている。
例えば、図5に示す導体および送電ケーブルの例は、OD(外径)が約1.00インチ(2.5cm)、全断面積が約0.7523平方インチ(4.854cm)、1フィート当たりの重量が約0.864ポンド(1.286kg/m)である。コア502は、OD(外径)が約0.3050インチ(0.774cm)、断面積が0.0731平方インチ(0.4716cm)であり、ワイヤ504は、それぞれの断面積が約0.0424平方インチ(0.1181cm)であり、集合断面積が約0.9422平方インチ(6.079cm)である。
別の例として、図5と同様の形状および構成を有する導体および送電ケーブルの別の例は、耐熱アルミニウム−ジルコニウム合金で製造されたワイヤ504を備える。導体および送電ケーブルのこの例の寸法は、OD(外径)が約1.18インチ(3.0cm)であり、全断面積が約1.0153平方インチ(6.5503cm)であり、1フィート当たりの重量が約1.181ポンド(1.758kg/m)である。この例のコア502は、OD(外径)が約0.375インチ(0.953cm)、断面積が0.1104平方インチ(0.7123cm)であり、ワイヤ504は、それぞれの断面積が約0.0286平方インチ(0.1845cm)であり、集合断面積が約0.9422平方インチ(6.079cm)である。
別の例として、図5と同様の形状および構成を有する導体および送電ケーブルの別の例は、1350 H19アルミニウム合金で製造されたワイヤ504を備える。導体および送電ケーブルのこの例の寸法は、OD(外径)が約1.18インチ(3.0cm)であり、全断面積が約1.0153平方インチ(6.5503cm)であり、1フィート当たりの重量が約1.870ポンド(2.783kg/m)である。この例のコア502は、OD(外径)が約0.375インチ(0.953cm)、断面積が0.1104平方インチ(0.7123cm)であり、ワイヤ504は、それぞれの断面積が約0.0286平方インチ(0.1842cm)であり、集合断面積が約0.9422平方インチ(6.079cm)である。
図6に示すように、導体および送電ケーブルの別の例600は、コア602と、コア602の周りに巻き付けられた三つの同心層606、608、610内の複数の円形ワイヤ604とを備える。図6の実施形態は、ワイヤ604が台形ではなく円形である点を除き、図1に示した実施形態と同様である。第1の内側同心層606は9本の円形ワイヤを含み、第2の中間同心層608は15本の円形ワイヤを含み、第3の外側同心層610は21本の円形ワイヤを含む。コア602は一般に円形であり、例えば米国カリフォルニア州アーバインのComposite Technology Cable(CTC)社から登録商標ACCCで販売されてる導体で使用されている複合コアである。ワイヤ604は、6201 T83アルミニウム合金で製造されてもよい。図1、図2、図5に示した実施形態と同様に、ワイヤ604と同心層606、608、610は、コア602の周りにらせん状に巻き付けられる。各層606、608、610は、隣接する同心層とは反対向きにすなわち異なる方向に巻き付けられている。
例えば、図6と同様の形状および構成を有する導体および送電ケーブルの例は、OD(外径)が約1.22インチ(3.10cm)、全断面積が約0.8950平方インチ(5.774cm)、1フィート当たりの重量が約1.037ポンド(1.544kg/m)である。コア602は、OD(外径)が約0.3050インチ(0.774cm)、断面積が0.0731平方インチ(0.4716cm)であり、ワイヤ604は、それぞれの断面積が約0.0183平方インチ(0.274cm)であり、集合断面積が約0.8219平方インチ(5.033cm)である。
例えば、図6と同様の形状および構成を有する導体および送電ケーブルの別の例は、6201 T83アルミニウム合金で製造されたワイヤ604を備える。導体および送電ケーブルのこの例の寸法は、OD(外径)が約1.22インチ(3.10cm)、全断面積が約0.8950平方インチ(5.774cm)、1フィート当たりの重量が約1.037ポンド(1.544kg/m)である。コア602は、OD(外径)が約0.3050インチ(0.774cm)、断面積が0.0731平方インチ(0.4716cm)であり、ワイヤ604は、それぞれの断面積が約0.0183平方インチ(0.274cm)であり、集合断面積が約0.8219平方インチ(5.033cm)である。
例えば、図6と同様の形状および構成を有する導体および送電ケーブルの別の例は、耐熱アルミニウム−ジルコニウム合金で製造されたワイヤ604を備える。導体および送電ケーブルのこの例の寸法は、OD(外径)が約1.22インチ(3.10cm)、全断面積が約0.8950平方インチ(5.774cm)、1フィート当たりの重量が約1.037ポンド(1.544kg/m)である。コア602は、OD(外径)が約0.3050インチ(0.774cm)、断面積が0.0731平方インチ(0.4716cm)であり、ワイヤ604は、それぞれの断面積が約0.0183平方インチ(0.274cm)であり、集合断面積が約0.8219平方インチ(5.033cm)である。
例えば、図6と同様の形状および構成を有する導体および送電ケーブルの別の例は、1350 H19アルミニウム合金で製造されたワイヤ604を備える。導体および送電ケーブルのこの例の寸法は、OD(外径)が約1.22インチ(3.10cm)、全断面積が約0.8950平方インチ(5.774cm)、1フィート当たりの重量が約1.042ポンド(1.550kg/m)である。コア602は、OD(外径)が約0.3050インチ(0.774cm)、断面積が0.0731平方インチ(0.4716cm)であり、ワイヤ604は、それぞれの断面積が約0.0183平方インチ(0.274cm)であり、集合断面積が約0.8219平方インチ(5.033cm)である。
図7および8は、本発明の実施形態に係る導体および送電ケーブルに使用される例示的なワイヤの断面図である。台形断面の寸法は、コアのサイズ、各同心層内のワイヤの数、同心層の数、導体および送電ケーブルの全体の外径、隣接するワイヤ間の空間、特に図1の112のような各円形ワイヤ間の空間を含むがこれらに限定されない因子に応じて変化しうることを理解するであろう。
図7は、本発明の一実施形態に係る導体および送電ケーブルに使用される例示的なワイヤの断面図である。図7に示す実施形態では、図1の内側同心層106のような、コアの周りの第1内側同心層内でワイヤ700を使用することができる。ワイヤ700は台形であり、比較的短い内面702と、比較的長い外面704と、内面702と外面704との間に延びる一組の横面706、708と、を有している。隣接する面702、704、706、708の間の角710、712、714、716は、通常丸くされているか、または先細にされている。横面706、708の間の円弧幅718は、約58度37.90分である。
例えば、図7に示すワイヤ700の寸法は、内面702を画成する円弧幅上のポイント間の水平距離720が約0.1493インチ(3.792mm)、外面704を画成する円弧幅上のポイント間の水平距離722が約0.3228インチ(8.199mm)、横面706、708の間の最も幅が広いポイントにおけるワイヤ700の上部の角710、712の間の水平距離724が約0.2911インチ(7.394mm)である。
図8は、本発明の一実施形態に係る導体および送電ケーブルに使用される例示的なワイヤの別の断面図である。図8に示す実施形態では、図1の中間同心層108のような、コアの周りの第2中間同心層内でワイヤ800を使用することができる。ワイヤ800は台形であり、比較的短い内面802と、比較的長い外面804と、内面802と外面804との間に延びる一組の横面806、808と、を有している。隣接する面802、804、806、808の間の角810、812、814、816は、通常丸くされているか、または先細にされている。横面806、808の間の円弧幅818は、約34度56.33分である。
例えば、図8に示すワイヤ800の寸法は、内面802を画成する円弧幅上のポイント間の水平距離820が約0.1979インチ(5.027mm)、外面804を画成する円弧幅上のポイント間の水平距離822が約0.3013インチ(7.653mm)、横面806、808の間の最も幅が広いポイントにおけるワイヤ800の上部の角810、812の間の水平距離824が約0.2800インチ(7.112mm)である。
本発明に係る他の導体、送電ケーブル、システムおよび装置の実施形態が、より少数のまたはより多数の部品を備えてもよいし、図1−8に示した導体、送電ケーブル、システムおよび装置について述べた機能の一部または全てを包含してもよいことを理解するであろう。
本発明の特定の実施形態におけるこれらの導体、送電ケーブル、システムおよび装置を、他の実施形態、文脈および用途にも適用できることが認められる。図1−8に関して図示し説明した導体、送電ケーブル、システムおよび装置は例示のみを目的として提供されていることを理解するであろう。これらのまたは同様の導体、送電ケーブル、システムおよび装置部品を使用して、多数の他の運転環境、導体、送電ケーブル、システムおよび装置が実現可能である。したがって、これらの導体、送電ケーブル、システムおよび装置部品は、任意の特定の運転環境、導体、送電ケーブル、システムおよび装置構成に限定されるものと解されるべきではない。
図1−8の例示的な導体、送電ケーブル、システムおよび装置を用いて実装可能な例示的な方法およびプロセスについて、図9および図10を参照して説明する。図9は、本発明の一実施形態に係る導体および送電ケーブルを製造する例示的な方法900のプロセス図である。図10で説明するフローチャート1000は、本発明の一実施形態に係る導体および送電ケーブルの使用方法である。
図9の方法900は、コアが準備されるブロック902で開始する。コアは、少なくとも一つの複合コア、一つまたは複数の材料からなるマトリックス内の複数のファイバー、またはエポキシマトリックス内に埋め込まれた一組の炭素繊維のうちの少なくとも一つを含む。
ブロック902の後に、複数のワイヤが準備されるブロック904が続く。ワイヤは、6201 T83アルミニウム合金、6201 T81アルミニウム合金、1350−H19アルミニウム合金、または耐熱アルミニウム−ジルコニウム合金のうちの少なくとも一つを含む。
実施形態の一態様では、複数のワイヤはそれぞれ台形または円形を含む断面形状を有していてもよい。
実施形態の一態様では、複数のワイヤはそれぞれ台形の断面形状を有し、コアの周りに複数の同心配置されたワイヤの層を形成するようにワイヤの向きが合わされる。
実施形態の一態様では、複数のワイヤは、コアの周りの少なくとも三つのワイヤの同心配置されたワイヤの層を含んでもよい。
実施形態の一態様では、コアの周りの複数の同心配置されたワイヤの層が、少なくとも三層であってもよい。
実施形態の一態様では、約1400リニアフィート(426.7m)にわたる送電ケーブル上に約1.25インチ(3.2cm)の厚さの氷があるとき、低弛度特性とは約40.0〜48.0フィート(12.2〜14.6m)の弛度であってもよい。
実施形態の一態様では、約1400リニアフィート(426.7m)にわたる送電ケーブル上に約2.0インチ(5.1cm)の厚さの氷があるとき、低弛度特性とは約63.0フィート(19.2m)〜90.2フィート(27.5m)の弛度であってもよい。
実施形態の一態様では、コアの周りに複数のワイヤを巻き付けて送電ケーブルを形成するステップが、コアの周りに複数のワイヤをらせん状に巻き付けることを含んでもよい。
ブロック904の後に、コアの周りに複数のワイヤを巻き付けて送電ケーブルを形成するブロック906が続く。送電ケーブルは低弛度特性を有している。
ブロック906の後、方法900は終了する。
図10に移り、方法1000は、コアが準備されるブロック1002で開始する。コアは、少なくとも一つの複合コア、一つまたは複数の材料からなるマトリックス内の複数のファイバー、またはエポキシマトリックス内に埋め込まれた一組の炭素繊維のうちの少なくとも一つを含む。
ブロック1002の後に、複数のワイヤが準備されるブロック1004が続く。ワイヤは、6201 T83アルミニウム合金、6201 T81アルミニウム合金、1350−H19アルミニウム合金、または耐熱アルミニウム−ジルコニウム合金のうちの少なくとも一つを含む。コアの周りに複数のワイヤを巻き付けて送電ケーブルを形成する。送電ケーブルは低弛度特性を有している。
実施形態の一態様では、複数のワイヤはそれぞれ台形または円形を含む断面形状を有していてもよい。
実施形態の一態様では、複数のワイヤはそれぞれ台形の断面形状を有し、コアの周りに複数の同心配置されたワイヤの層を形成するようにワイヤの向きが合わされる。
実施形態の一態様では、複数のワイヤは、コアの周りの少なくとも三つの同心配置されたワイヤの層を含んでもよい。
実施形態の一態様では、コアの周りの複数の同心配置されたワイヤの層が、少なくとも三層であってもよい。
実施形態の一態様では、約1400リニアフィート(426.7m)にわたる送電ケーブル上に約1.25インチ(3.2cm)の厚さの氷があるとき、低弛度特性とは約40.0〜48.0フィート(12.2〜14.6m)の弛度であってもよい。
実施形態の一態様では、約1400リニアフィート(426.7m)にわたる送電ケーブル上に約2.0インチ(5.1cm)の厚さの氷があるとき、低弛度特性とは約63.0フィート(19.2m)〜90.2フィート(27.5m)の弛度であってもよい。
実施形態の一態様では、コアの周りに複数のワイヤを巻き付けて送電ケーブルを形成するステップが、コアの周りに複数のワイヤをらせん状に巻き付けることを含んでもよい。
ブロック1004の後に、電源を電源負荷に接続し、送電ケーブルを使用して高圧電流を伝送するブロック1006が続く。
ブロック1006の後、方法1000は終了する。
加えて、本発明を一つまたは複数の実施形態の観点で上述したが、本発明はそれらに限定されないことを理解すべきである。上述した本発明の様々な特徴および態様は、個別にまたは組み合わせて使用してもよい。特定の実施形態における実装の文脈で特定の目的のために本発明を説明したが、その実用性はそれらに限定されず、本発明を様々な環境および実装で有利に利用することができる。さらに、具体的な順序で生じるものとして方法を説明したが、方法を実行する順番は本明細書に図示し説明したものに限定されず、また図解し説明した要素の全てを実行する必要はないことが認められる。したがって、本明細書に開示された実施形態の全容を考慮して、以下の請求項が解釈されるべきである。

Claims (20)

  1. 送電ケーブルであって、
    複合コア、一つまたは複数の材料からなるマトリックス内の複数のファイバー、またはエポキシマトリックス内に埋め込まれた一組の炭素繊維のうち少なくとも一つを有するコアと、
    前記コアの周りに巻き付けられた複数のワイヤと、を備え、
    前記ワイヤは、6201 T83アルミニウム合金、6201 T81アルミニウム合金、1350−H19アルミニウム合金、または耐熱アルミニウム−ジルコニウム合金のうちの少なくとも一つを含み、
    前記送電ケーブルが低弛度特性を有している
    ことを特徴とする送電ケーブル。
  2. 前記複数のワイヤはそれぞれ、台形または円形を含む断面形状を有していることを特徴とする請求項1に記載の送電ケーブル。
  3. 前記複数のワイヤはそれぞれ台形の断面形状を有し、前記コアの周りに複数の同心配置されたワイヤの層を形成するように前記ワイヤの向きが合わされることを特徴とする請求項1に記載の送電ケーブル。
  4. 前記複数のワイヤが、前記コアの周りの少なくとも二つの同心配置されたワイヤの層を含むことを特徴とする請求項1に記載の送電ケーブル。
  5. 前記コアの周りの複数の同心配置されたワイヤの層が少なくとも三層であることを特徴とする請求項3に記載の送電ケーブル。
  6. 前記複数のワイヤが前記コアの周りにらせん状に巻き付けられることを特徴とする請求項1に記載の送電ケーブル。
  7. 約1400リニアフィート(426.7m)にわたる前記送電ケーブル上に約2.0インチ(5.1cm)の厚さの氷があるとき、前記低弛度特性とは、約63.0フィート(19.2m)〜90.2フィート(27.5m)の弛度であることを特徴とする請求項1に記載の送電ケーブル。
  8. 送電ケーブルの製造方法であって、
    少なくとも一つの複合コアを有するコア、一つまたは複数の材料からなるマトリックス内の複数のファイバー、またはエポキシマトリックス内に埋め込まれた一組の炭素繊維のうち少なくとも一つを有するコアを準備し、
    6201 T83アルミニウム合金、6201 T81アルミニウム合金、1350−H19アルミニウム合金、または耐熱アルミニウム−ジルコニウム合金のうちの少なくとも一つを含む複数のワイヤを準備し、
    前記コアの周りに前記複数のワイヤを巻き付けて送電ケーブルを形成することを含み、
    前記送電ケーブルが低弛度特性を有している
    ことを特徴とする方法。
  9. 前記複数のワイヤはそれぞれ、台形または円形を含む断面形状を有していることを特徴とする請求項8に記載の方法。
  10. 前記複数のワイヤはそれぞれ台形の断面形状を有し、前記コアの周りに複数の同心配置されたワイヤの層を形成するように前記ワイヤの向きが合わされることを特徴とする請求項8に記載の方法。
  11. 前記複数のワイヤが、前記コアの周りの少なくとも三つの同心配置されたワイヤの層を含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
  12. 前記コアの周りの複数の同心配置されたワイヤの層が少なくとも三層であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  13. 約1400リニアフィート(426.7m)にわたる前記送電ケーブル上に約2.0インチ(5.1cm)の厚さの氷があるとき、前記低弛度特性とは、約63.0フィート(19.2m)〜90.2フィート(27.5m)の弛度であることを特徴とする請求項8に記載の方法。
  14. 前記コアの周りに前記複数のワイヤを巻き付けるステップが、前記コアの周りに前記複数のワイヤをらせん状に巻き付けることを含む請求項8に記載の方法。
  15. 送電システムであって、
    複合コア、一つまたは複数の材料からなるマトリックス内の複数のファイバー、またはエポキシマトリックス内に埋め込まれた一組の炭素繊維のうち少なくとも一つを有するコアと、
    6201 T83アルミニウム合金、6201 T81アルミニウム合金、1350−H19アルミニウム合金、または耐熱アルミニウム−ジルコニウム合金のうちの少なくとも一つを含む複数のワイヤと、
    を備え、低弛度特性を有している送電ケーブルと、
    前記送電ケーブルに接続され、該送電ケーブルを介して電流が伝送される少なくとも一つの電流源と、
    を備える送電システム。
  16. 約1400リニアフィート(426.7m)にわたる前記送電ケーブル上に約2.0インチ(5.1cm)の厚さの氷があるとき、前記低弛度特性とは、約63.0フィート(19.2m)〜90.2フィート(27.5m)の弛度であることを特徴とする請求項15に記載の送電システム。
  17. 前記複数のワイヤはそれぞれ、台形または円形を含む断面形状を有していることを特徴とする請求項15に記載の送電システム。
  18. 前記複数のワイヤはそれぞれ台形の断面形状を有し、前記コアの周りに複数の同心配置されたワイヤの層を形成するように前記ワイヤの向きが合わされることを特徴とする請求項15に記載の送電システム。
  19. 前記複数のワイヤが、前記コアの周りの少なくとも三つの同心配置されたワイヤの層を含むことを特徴とする請求項17に記載の送電システム。
  20. 前記コアの周りの複数の同心配置されたワイヤの層が少なくとも三層であることを特徴とする請求項15に記載の送電システム。
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