JP2019072961A - 既設管更生用管状ライナーの形成方法及び管状基材 - Google Patents
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Abstract
【課題】強化繊維コア材の緯糸の曲がりが発生しにくく、フェルトシートが拡径しにくくならず、樹脂含浸性が良好である管状基材を作製し管状ライナーを形成する。また、強化繊維コア材の製造コストを下げる。【解決手段】ポリエステル繊維からなる2枚のフェルトシート2,3の間に、長繊維の強化繊維からなる経糸5と緯糸6とが織布や組布にされることなく単に重ねられてなる強化繊維コア材4が、積層され結合一体化されて基材1aとされ、経糸5が管長方向となり緯糸6が管周方向となるように基材1aが管状に巻かれてなる管状基材である。管周方向の一箇所以上に重ね代又は縫製部が設けられる。【選択図】図1
Description
本発明は、既設管(下水道管、上水道管、農水管、ガス管等)の内面に更生用の管状ライナーを形成する方法と、そのために用いる管状基材に関するものである。
この種の管状ライナー及びその管状基材として、従来より、次のものが知られている。
特許文献1には、有機繊維の不織布とガラス繊維からなる織物とが重なり合った状態で、筒状に丸められたニードルパンチ積層部材が開示されている。また、周方向両端部が重ねられた状態のニードルパンチ積層部材に硬化性樹脂液を含浸し、流体圧力により内外面を反転させながら管路内に設置し、加熱するとともに内側から加圧して、周方向両端部を互いにスライドさせながら管路内面に密着させつつ硬化性樹脂液を硬化させる、管路の内張り方法が開示されている。
特許文献2には、補強繊維(ガラス繊維等)の繊維軸が既設管の管軸と40〜50度の範囲内で交差して配列された織物又は組布と、その内側に配列された硬化性樹脂を含浸したフェルトとを含み、織物又は組布とフェルトとはニードルパンチングにより一体化された更生材が開示されている。ここで、組布は、ガラス繊維等からなる経糸と緯糸とを交叉した状態で重ねて、接着剤で接合したりステッチングで縛ったりしたりしてなるものである。
特許文献3には、強化繊維(ガラス繊維等)が一方向に配列された長尺の強化繊維シートを、複数、長手軸線方向に対して異なる角度で配向させて積層し、長手軸線方向に沿ってステッチングにより一体化された繊維スリーブ積層体と、繊維スリーブ積層体の内周側及び/又は外周側に配置された不織布等とを有する管状ライナーが開示されている。また、繊維スリーブ積層体に熱硬化性樹脂を含浸させ、管状体の内面に貼着する補修補強方法が開示されている。
上記のとおり、従来の管状基材に用いられる強化繊維部材には、特許文献1,2のような織物、特許文献2のようなステッチングされた組布、特許文献3のような複数の一方向配列シートがステッチングされた複数シート等がある。
ステッチングされた組布又は複数シートを用いた場合、管周方向となる緯糸又は一方向配列繊維の曲がりが発生しやすく、軸に対して直角になりにくい。一旦、緯糸又は一方向配列繊維が曲がると、後の工程中での修正が困難となる。
また、織布や、ステッチングされた組布及び複数シートを用いた場合、ニードルパンチ加工すると、上下のフェルトシートの絡みが強くなり、強化繊維によって局部的に拘束されて、フェルトシート自体も拡径しにくくなりやすい。
また、ステッチングされた組布又は複数シートは、強化繊維の締付状態に差が生じ、場合によっては樹脂含浸性が低下することもある。
また、これらの強化繊維部材はいずれも、予め指定寸法でシート状に加工するため、シート状が保持されて扱いやすいという利点はあるが、材料ロスが多く、在庫が溜まりやすく、シート状に加工する加工コストが外段取りでかかり、製造コストが高くなる。
本発明の目的は、管状基材における強化繊維コア材の緯糸の曲がりが発生しにくく、強化繊維コア材によってフェルトシートが拡径しにくくならず、樹脂含浸性が良好である管状ライナーを形成することにある。
本発明の別の目的は、強化繊維コア材を形成する際の材料ロスを少なくし、在庫が溜まりにくくし、基材の積層ラインの中で強化繊維コア材を形成できるようにして、製造コストを下げることにある。
本発明の別の目的は、強化繊維コア材を形成する際の材料ロスを少なくし、在庫が溜まりにくくし、基材の積層ラインの中で強化繊維コア材を形成できるようにして、製造コストを下げることにある。
上記目的を達成するために、本発明は次の手段を採った。
(1)管状基材
既設管の内部に更生用の管状ライナーを形成するための管状基材であって、
ポリエステル繊維からなる2枚のフェルトシートの間に、長繊維の強化繊維からなる経糸と緯糸とが織布や組布にされることなく単に重ねられてなる強化繊維コア材が、積層され結合一体化されて基材とされ、経糸が管長方向となり緯糸が管周方向となるように基材が管状に巻かれ、管周方向の一箇所以上に、基材の縁部同士が重なり合った管周方向の重ね代又は基材の縁部同士が縫製された縫製部が設けられたことを特徴とする既設管更生用管状ライナーの管状基材。
(1)管状基材
既設管の内部に更生用の管状ライナーを形成するための管状基材であって、
ポリエステル繊維からなる2枚のフェルトシートの間に、長繊維の強化繊維からなる経糸と緯糸とが織布や組布にされることなく単に重ねられてなる強化繊維コア材が、積層され結合一体化されて基材とされ、経糸が管長方向となり緯糸が管周方向となるように基材が管状に巻かれ、管周方向の一箇所以上に、基材の縁部同士が重なり合った管周方向の重ね代又は基材の縁部同士が縫製された縫製部が設けられたことを特徴とする既設管更生用管状ライナーの管状基材。
前記強化繊維コア材は、経糸が400〜2400TEXのガラスロービングであって1〜6本/インチ(25.4mm)で整列し、緯糸が1200〜4800TEXのガラスロービングであって2〜12本/インチ(25.4mm)で整列したものであることが好ましい。
前記結合一体化は、2枚のフェルトシートと強化繊維コア材との合わせニードルパンチ痕によるものであり、管周方向の一箇所以上に設けられたのは、前記重ね代である態様を例示できる。
前記強化繊維コア材は、緯糸が長さ75〜500mmに裁断された状態で整列したものであり、前記結合一体化は、2枚のフェルトシートと強化繊維コア材とがステッチングにより結合しているものであり、管周方向の一箇所以上に設けられたのは、前記縫製部である態様を例示できる。
(2)管状基材の作製方法
既設管の内部に更生用の管状ライナーを形成するための管状基材の作製方法であって、
ポリエステル繊維からなる2枚のフェルトシートの間に強化繊維コア材を積層するラインの中(いわゆるインライン)で、長繊維の強化繊維からなる経糸と緯糸とを織布や組布にすることなく単に重ねて強化繊維コア材を形成しながら、形成直後の強化繊維コア材を2枚のフェルトシートの間に積層し、
2枚のフェルトシートと強化繊維コア材とを結合一体化して基材とし、
経糸が管長方向となり緯糸が管周方向となるように基材を管状に巻き、管周方向の一箇所以上に、基材の縁部同士が重なり合った管周方向の重ね代又は基材の縁部同士が縫製された縫製部を設けることを特徴とする。
既設管の内部に更生用の管状ライナーを形成するための管状基材の作製方法であって、
ポリエステル繊維からなる2枚のフェルトシートの間に強化繊維コア材を積層するラインの中(いわゆるインライン)で、長繊維の強化繊維からなる経糸と緯糸とを織布や組布にすることなく単に重ねて強化繊維コア材を形成しながら、形成直後の強化繊維コア材を2枚のフェルトシートの間に積層し、
2枚のフェルトシートと強化繊維コア材とを結合一体化して基材とし、
経糸が管長方向となり緯糸が管周方向となるように基材を管状に巻き、管周方向の一箇所以上に、基材の縁部同士が重なり合った管周方向の重ね代又は基材の縁部同士が縫製された縫製部を設けることを特徴とする。
(3)管状ライナーの形成方法(その1)
既設管の内部に更生用の管状ライナーを形成する方法であって、
ポリエステル繊維からなる2枚のフェルトシートの間に、長繊維の強化繊維からなる経糸と緯糸とが織布や組布にされることなく単に重ねられてなる強化繊維コア材が、積層され結合一体化されて基材とされ、経糸が管長方向となり緯糸が管周方向となるように基材が管状に巻かれ、管周方向の一箇所以上に、基材の縁部同士が重なり合った管周方向の重ね代が設けられた管状基材を用い、
管状基材に未硬化の硬化性樹脂を含浸させ、
既設管の内部に管状基材を挿入し、
管状基材を拡径させて既設管の内面に押し当て、その際に、前記重ね代が減少し又は無くなり、フェルトシートは管周方向に僅かに引張られて伸長し、強化繊維コア材の緯糸は管周方向に伸長せず、
その後、硬化性樹脂を硬化させて、既設管の内面に合致した管状ライナーを形成することを特徴とする。
既設管の内部に更生用の管状ライナーを形成する方法であって、
ポリエステル繊維からなる2枚のフェルトシートの間に、長繊維の強化繊維からなる経糸と緯糸とが織布や組布にされることなく単に重ねられてなる強化繊維コア材が、積層され結合一体化されて基材とされ、経糸が管長方向となり緯糸が管周方向となるように基材が管状に巻かれ、管周方向の一箇所以上に、基材の縁部同士が重なり合った管周方向の重ね代が設けられた管状基材を用い、
管状基材に未硬化の硬化性樹脂を含浸させ、
既設管の内部に管状基材を挿入し、
管状基材を拡径させて既設管の内面に押し当て、その際に、前記重ね代が減少し又は無くなり、フェルトシートは管周方向に僅かに引張られて伸長し、強化繊維コア材の緯糸は管周方向に伸長せず、
その後、硬化性樹脂を硬化させて、既設管の内面に合致した管状ライナーを形成することを特徴とする。
(4)管状ライナーの形成方法(その2)
既設管の内部に更生用の管状ライナーを形成する方法であって、
ポリエステル繊維からなる2枚のフェルトシートの間に、長繊維の強化繊維からなる経糸と緯糸とが織布や組布にされることなく単に重ねられてなる強化繊維コア材が、積層され結合一体化されて基材とされ、経糸が管長方向となり緯糸が管周方向となるように基材が管状に巻かれ、管周方向の一箇所以上に、基材の縁部同士が縫製された縫製部が設けられた管状基材を用い、
管状基材に未硬化の硬化性樹脂を含浸させ、
既設管の内部に管状基材を挿入し、
管状基材を拡径させて既設管の内面に押し当て、その際に、フェルトシートは管周方向に引張られて伸長し、強化繊維コア材の緯糸は管周方向に伸長せずに経糸に対して滑り、
その後、硬化性樹脂を硬化させて、既設管の内面に合致した管状ライナーを形成することを特徴とする既設管更生管状ライナーの形成方法。
既設管の内部に更生用の管状ライナーを形成する方法であって、
ポリエステル繊維からなる2枚のフェルトシートの間に、長繊維の強化繊維からなる経糸と緯糸とが織布や組布にされることなく単に重ねられてなる強化繊維コア材が、積層され結合一体化されて基材とされ、経糸が管長方向となり緯糸が管周方向となるように基材が管状に巻かれ、管周方向の一箇所以上に、基材の縁部同士が縫製された縫製部が設けられた管状基材を用い、
管状基材に未硬化の硬化性樹脂を含浸させ、
既設管の内部に管状基材を挿入し、
管状基材を拡径させて既設管の内面に押し当て、その際に、フェルトシートは管周方向に引張られて伸長し、強化繊維コア材の緯糸は管周方向に伸長せずに経糸に対して滑り、
その後、硬化性樹脂を硬化させて、既設管の内面に合致した管状ライナーを形成することを特徴とする既設管更生管状ライナーの形成方法。
これらの形成方法において、前記管状基材の拡径は、管状基材の内周及び外周のいずれか一方又は両方にフィルムを配して、管状基材の内部に流体圧を加えることにより行うことが好ましい。
前記管状基材の拡径は、拡径率4〜20%となるように行うことが好ましく、6〜12%がより好ましい。
[作用]
強化繊維コア材は、長繊維の強化繊維からなる経糸と緯糸とが織布や組布にされることなく単に重ねられてなるから、上述した従来例のようなステッチングによる拘束がない。
管周方向となる緯糸は、拡径時を通して繊維の拘束が少ないため、管周方向に伸長するフェルトシートによって、強化繊維の曲がりが修正でき、軸に対して繊維一本一本がより直角に直線配列しやすくなり、樹脂硬化後の管状ライナーの強度が向上する。
繊維が収束したロービングは、ステッチングによる拘束がないため、開繊し偏平になって幅が広くなりやすいことから、管状ライナーの樹脂硬化後の表面に現れる強化繊維による凹凸面を低減できる。
強化繊維は、予めシート状に加工することなく、インラインで、ポリエステル繊維からなるフェルトシートに経糸と緯糸を整列させ、合わせニードルパンチまたはステッチングにて、積層品を一体化した製品とする。インラインで補強繊維を整列させるため、製造コストが安価となる。また、必要寸法で必要な数量を加工できるため、材料ロスが低減できる。
強化繊維コア材は、長繊維の強化繊維からなる経糸と緯糸とが織布や組布にされることなく単に重ねられてなるから、上述した従来例のようなステッチングによる拘束がない。
管周方向となる緯糸は、拡径時を通して繊維の拘束が少ないため、管周方向に伸長するフェルトシートによって、強化繊維の曲がりが修正でき、軸に対して繊維一本一本がより直角に直線配列しやすくなり、樹脂硬化後の管状ライナーの強度が向上する。
繊維が収束したロービングは、ステッチングによる拘束がないため、開繊し偏平になって幅が広くなりやすいことから、管状ライナーの樹脂硬化後の表面に現れる強化繊維による凹凸面を低減できる。
強化繊維は、予めシート状に加工することなく、インラインで、ポリエステル繊維からなるフェルトシートに経糸と緯糸を整列させ、合わせニードルパンチまたはステッチングにて、積層品を一体化した製品とする。インラインで補強繊維を整列させるため、製造コストが安価となる。また、必要寸法で必要な数量を加工できるため、材料ロスが低減できる。
本発明によれば、管状基材における強化繊維コア材の緯糸の曲がりが発生しにくく、強化繊維コア材によってフェルトシートが拡径しにくくならず、樹脂含浸性が良好である管状ライナーを形成することができる。
さらに、強化繊維コア材を形成する際の材料ロスを少なくし、在庫が溜まりにくくし、基材の積層ラインの中で強化繊維コア材を形成できるようにして、製造コストを下げることもできる。
さらに、強化繊維コア材を形成する際の材料ロスを少なくし、在庫が溜まりにくくし、基材の積層ラインの中で強化繊維コア材を形成できるようにして、製造コストを下げることもできる。
上述した形態の他にも、以下の各形態を例示できる。
(1)既設管
更生する既設管は、特に限定されないが、下水道管、上水道管、農水管、ガス管等の既設管を例示できる。
(1)既設管
更生する既設管は、特に限定されないが、下水道管、上水道管、農水管、ガス管等の既設管を例示できる。
(2)フェルトシート
ポリエステル繊維からなるフェルトシートには、スパンボンドやスパンレース等のポリエステル不織布も含まれるものとする。
フェルトシートは、樹脂含浸性に影響するため、繊維径が16μm以上のもの、特に20〜40μmのものが、樹脂含浸性に優れ、適度な剛性を有して好ましい。
フェルトシートは、単層でもよいが、複数を積層し、多層構造としてもよい。
ポリエステル繊維からなるフェルトシートには、スパンボンドやスパンレース等のポリエステル不織布も含まれるものとする。
フェルトシートは、樹脂含浸性に影響するため、繊維径が16μm以上のもの、特に20〜40μmのものが、樹脂含浸性に優れ、適度な剛性を有して好ましい。
フェルトシートは、単層でもよいが、複数を積層し、多層構造としてもよい。
(3)強化繊維コア材
強化繊維は、長繊維からなる。
強化繊維の材質は、特に限定されないが、ガラス、鉱物、アルミナ、シリカ、セラミック、バサルト等の無機材料、ポリエステル、ポリプロピレン、アラミド、ボロン、ナイロン、ビニロン、ザイロン等の合成樹脂材料、金属材料、炭素繊維等を例示でき、さらにこれらの混合又は複合でもよい。
特に、耐久性とコスト面で、ガラスロービングが望ましい。ガラスロービングの材質や収束剤は、耐酸性・絶縁性・耐水性・剛性等の用途要求に応じて、適したものを選定できる。
経糸と緯糸の材質を変えてもよい。
強化繊維コア材は、経糸と緯糸とで単層でもよいが、その複数を積層し、多層構造としてもよい。
強化繊維は、長繊維からなる。
強化繊維の材質は、特に限定されないが、ガラス、鉱物、アルミナ、シリカ、セラミック、バサルト等の無機材料、ポリエステル、ポリプロピレン、アラミド、ボロン、ナイロン、ビニロン、ザイロン等の合成樹脂材料、金属材料、炭素繊維等を例示でき、さらにこれらの混合又は複合でもよい。
特に、耐久性とコスト面で、ガラスロービングが望ましい。ガラスロービングの材質や収束剤は、耐酸性・絶縁性・耐水性・剛性等の用途要求に応じて、適したものを選定できる。
経糸と緯糸の材質を変えてもよい。
強化繊維コア材は、経糸と緯糸とで単層でもよいが、その複数を積層し、多層構造としてもよい。
既設管や強化繊維、フィルム等に導電性を有する場合、異種金属接触腐食(ガルパニック腐食)を生じやすいので、絶縁層を設ける等の配慮が必要となる。
強化繊維は、管長方向となる経糸が400〜2400TEXで1〜6本/インチ、経糸に対し90°方向に緯糸が1200〜4800TEXで2〜12本/インチで整列したガラスロービングがよい。4800TEXを超えると、コストがかかるとともに、凹凸感が目立つため、好ましくない。
また、ガラスの面密度が極端に密に増加すると、樹脂含浸性が悪くなるため、好ましくない。
長繊維は、連続的に束となっているロービング糸が望ましい。
平均繊維径が10μm〜24μmのガラスフィラメントを数百本に収束剤(バインダー)で収束したストランドに引き揃えた耐酸性のガラスロービングがよい。
また、ガラスの面密度が極端に密に増加すると、樹脂含浸性が悪くなるため、好ましくない。
長繊維は、連続的に束となっているロービング糸が望ましい。
平均繊維径が10μm〜24μmのガラスフィラメントを数百本に収束剤(バインダー)で収束したストランドに引き揃えた耐酸性のガラスロービングがよい。
緯糸は、整列後に任意の長さ寸法に裁断してもよい(フェルトシートは裁断しない)。裁断は、回転刃等で加工できる。裁断することで周方向の伸長抵抗が低減でき、拡径しやすくなる。この場合、フェルトシートとは、合わせニードルパンチ以外にステッチングで一体化してもよい。
(4)縁部同士が縫製または管周方向の重ね代
管周方向の縁部同士を管状に形成するには、ロックミシンによる縫製が例示できる。ミシン糸は、高強度のポリエステル、ポリエチレン、アラミドが好ましい。
管周方向の重ね代は、積層され一体化した基材を位置合わせしてホットメルトガンにて溶着する方法が例示できる。ホットメルト剤は、ポリエチレン系、EVA系等を例示できる。ホットメルトによる塗布は、点状でも線状でもいずれでもよい。ホットメルト剤は、施工温度以下で軟化し拡径できる低融点タイプが望ましい。
管周方向の縁部同士を管状に形成するには、ロックミシンによる縫製が例示できる。ミシン糸は、高強度のポリエステル、ポリエチレン、アラミドが好ましい。
管周方向の重ね代は、積層され一体化した基材を位置合わせしてホットメルトガンにて溶着する方法が例示できる。ホットメルト剤は、ポリエチレン系、EVA系等を例示できる。ホットメルトによる塗布は、点状でも線状でもいずれでもよい。ホットメルト剤は、施工温度以下で軟化し拡径できる低融点タイプが望ましい。
(5)硬化性樹脂
硬化性樹脂は、特に限定されないが、不飽和ポリエステル樹脂、ノンスチレンビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、低スチレンビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂の他、常温硬化性樹脂、光硬化性樹脂を例示できる。
硬化性樹脂は、特に限定されないが、不飽和ポリエステル樹脂、ノンスチレンビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、低スチレンビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂の他、常温硬化性樹脂、光硬化性樹脂を例示できる。
(6)フィルム
フィルムの材質は、特に限定されないが、ポリエチレン、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン等の樹脂を例示でき、これらの単層のみならず、複数層または複合でもよい。適宜の工法により、管状基材の内周面または外周面、あるいは両方の面にフィルムを配する。次の工法を例示する。
a:予め、管状基材に熱融着性樹脂でフィルムを接着する。この場合、縫製または溶着にて筒形状とした後、融着性のテープ等で封止する必要がある。
b:フィルムチューブとして、樹脂含浸時に重ねてもよい。既設管内に管状基材を挿入する方法は、引込工法や反転工法がある。施工直後に、内周のフィルムチューブを取り外す工法もある。本発明は、いずれの工法にも有効である。
フィルムの材質は、特に限定されないが、ポリエチレン、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン等の樹脂を例示でき、これらの単層のみならず、複数層または複合でもよい。適宜の工法により、管状基材の内周面または外周面、あるいは両方の面にフィルムを配する。次の工法を例示する。
a:予め、管状基材に熱融着性樹脂でフィルムを接着する。この場合、縫製または溶着にて筒形状とした後、融着性のテープ等で封止する必要がある。
b:フィルムチューブとして、樹脂含浸時に重ねてもよい。既設管内に管状基材を挿入する方法は、引込工法や反転工法がある。施工直後に、内周のフィルムチューブを取り外す工法もある。本発明は、いずれの工法にも有効である。
表1及び図1〜図5に示す実施例1〜3及び比較例の管状基材を作製し、樹脂を含浸させて拡径させ、既設管の内周に管状ライナーを形成した。なお、実施例で記す材料、構成、数値は例示であって、適宜変更できる。
[共通事項]
管状基材1は、ポリエステル繊維からなる2枚のフェルトシート2,3の間に、長繊維の強化繊維からなる経糸5と緯糸6とによる強化繊維コア材4が、積層され結合一体化されて基材1aとされ、経糸5が管長方向となり緯糸6が管周方向となるように基材1aが管状に巻かれ、管周方向の一箇所以上に、基材1aの縁部同士が重なり合った管周方向の重ね代7又は基材1aの縁部同士が縫製された縫製部8が設けられてなるものである。但し、実施例1〜3の強化繊維コア材4は、経糸5と緯糸6とが織布や組布にされることなく単に重ねられてなるものであるが、比較例の強化繊維コア材4は、経糸5と緯糸6とが重ねられてステッチングにより組布にされたものである。
管状基材1は、ポリエステル繊維からなる2枚のフェルトシート2,3の間に、長繊維の強化繊維からなる経糸5と緯糸6とによる強化繊維コア材4が、積層され結合一体化されて基材1aとされ、経糸5が管長方向となり緯糸6が管周方向となるように基材1aが管状に巻かれ、管周方向の一箇所以上に、基材1aの縁部同士が重なり合った管周方向の重ね代7又は基材1aの縁部同士が縫製された縫製部8が設けられてなるものである。但し、実施例1〜3の強化繊維コア材4は、経糸5と緯糸6とが織布や組布にされることなく単に重ねられてなるものであるが、比較例の強化繊維コア材4は、経糸5と緯糸6とが重ねられてステッチングにより組布にされたものである。
・フェルトシート2,3には、繊度8dtex(=27.2μm)、目付200g/m2 のものを用い、単層で上下各1層とした。
・強化繊維コア材4には、長繊維の強化繊維として繊維径24μmの耐酸性ガラスストランドを引き揃えたガラスロービングを用いた。但し、表1のとおり、経糸及び緯糸の糸番手、本数、目付は、実施例1〜3及び比較例ごとに異なる。
・ONTEC社製TURBOTEX製造装置を用いて、図1に示すように、経糸及び緯糸の長繊維を整列させた。
・管状加工前に裁断した基材1aの幅は、すべて754mmとした。
・含浸させる不飽和ポリエステル系樹脂は、常温では流動性のある未硬化状態を保つものである。
・強化繊維コア材4には、長繊維の強化繊維として繊維径24μmの耐酸性ガラスストランドを引き揃えたガラスロービングを用いた。但し、表1のとおり、経糸及び緯糸の糸番手、本数、目付は、実施例1〜3及び比較例ごとに異なる。
・ONTEC社製TURBOTEX製造装置を用いて、図1に示すように、経糸及び緯糸の長繊維を整列させた。
・管状加工前に裁断した基材1aの幅は、すべて754mmとした。
・含浸させる不飽和ポリエステル系樹脂は、常温では流動性のある未硬化状態を保つものである。
(実施例1)
[基材]:図1及び図2(a)に示すように、400TEXの経糸5,5…を経糸ボビン21,21…から繰出し、ロール23から繰り出す1枚のフェルトシート3の上に、1インチ当たり6本の割合で整列させながら、インラインで、2400TEXの緯糸6を緯糸ボビン24から繰出し、整列した経糸5にその外周を螺旋状に取り囲むように重ねて、1インチ当たり上下各1本の割合で整列させ、整列した経糸5及び緯糸6からなる強化繊維コア材4に、ロール22から繰出すもう1枚のフェルトシート2を上から被せる。この3層の積層体を、インラインで、ニードルパンチ装置25により合わせニードルパンチ加工し、ニードルパンチ痕9にて結合一体化し、幅754mmに裁断して、図3(a)に示すような基材1aを作製した。
[基材]:図1及び図2(a)に示すように、400TEXの経糸5,5…を経糸ボビン21,21…から繰出し、ロール23から繰り出す1枚のフェルトシート3の上に、1インチ当たり6本の割合で整列させながら、インラインで、2400TEXの緯糸6を緯糸ボビン24から繰出し、整列した経糸5にその外周を螺旋状に取り囲むように重ねて、1インチ当たり上下各1本の割合で整列させ、整列した経糸5及び緯糸6からなる強化繊維コア材4に、ロール22から繰出すもう1枚のフェルトシート2を上から被せる。この3層の積層体を、インラインで、ニードルパンチ装置25により合わせニードルパンチ加工し、ニードルパンチ痕9にて結合一体化し、幅754mmに裁断して、図3(a)に示すような基材1aを作製した。
[管状加工]:図3(b)及び図4(a)に示すように、経糸5が管長方向となり緯糸6が管周方向となるように基材1aを外径が約φ210mmの管状に巻き、管周方向の一箇所に、基材1aの縁部同士が重なり合った管周方向の94mmの重ね代7を設け、重ね代7の間にホットメルトガンで例えばEVA系のホットメルト剤11を1本の線状に塗布し接着して、管状基材1とした。内外周へのフィルム貼りはない。
[含浸・挿入]:図4(a)に示すように、施工前に、管状基材1の内周と外周にそれぞれポリエチレン(PE)からなるシームレスの、内周側のφ210mm弱のチューブフィルム12と、外周側のφ250mm弱のチューブフィルム13とを挿入して配し、管状基材1に未硬化の不飽和ポリエステル系樹脂を含浸し、これらを引込工法で、内径φ250mmの既設管30内に挿入した。
[拡径・硬化]:図4(b)に示すように、管状基材1の内周にチューブフィルム12を介して内圧0.05MPa、温度80℃の温水圧を加えることにより、管状基材1を拡径させて既設管30の内面に押し当てる。その際に、ホットメルト剤11は温水の熱により融解し、前記重ね代7は減少して最終的になくなり、フェルトシート2,3は管周方向に僅かに引張られて伸長し(重ね代7がずれる際の摩擦力で生じる程度の僅かな引張力と伸長)、強化繊維コア材4の緯糸6は、前記フェルトシート2,3の僅かな伸長により管周方向に引張られて、緯糸6に曲がりがある場合にはその曲がりが修正されるが、伸長はしない。やがて、含浸した不飽和ポリエステル系樹脂は温水の熱により硬化し、既設管30の内面に合致した管状ライナーが形成された。
(実施例2)
基材1aについては、図2(b)に示すように、強化繊維コア材4が、1200TEXの経糸5を1インチ当たり5本の割合で整列させ、2400TEXの緯糸6を1インチ当たり上下各5本の割合で整列させてなるものである点において、実施例1と相違し、その他は実施例1と共通である。また、管状加工、含浸・挿入、拡径・硬化の工程についても、実施例1と共通である。
基材1aについては、図2(b)に示すように、強化繊維コア材4が、1200TEXの経糸5を1インチ当たり5本の割合で整列させ、2400TEXの緯糸6を1インチ当たり上下各5本の割合で整列させてなるものである点において、実施例1と相違し、その他は実施例1と共通である。また、管状加工、含浸・挿入、拡径・硬化の工程についても、実施例1と共通である。
(実施例3)
基材1aについては、図2(c)に示すように、強化繊維コア材4が、2400TEXの経糸5を1インチ当たり1本の割合で整列させ、1200TEXの緯糸6を1インチ当たり上下各6本の割合で整列させ、さらに、図2(e)に示すように、緯糸6をマルチ回転刃にて軸方向に沿ってピッチ長さ200mmで定寸裁断し、整列させたものである点と、フェルトシート2,3と繊維コア材4の3層の積層体を(ニードルパンチではなく)ステッチングにより結合一体化した点において、実施例1と相違と相違し、その他は実施例1と共通である。
基材1aについては、図2(c)に示すように、強化繊維コア材4が、2400TEXの経糸5を1インチ当たり1本の割合で整列させ、1200TEXの緯糸6を1インチ当たり上下各6本の割合で整列させ、さらに、図2(e)に示すように、緯糸6をマルチ回転刃にて軸方向に沿ってピッチ長さ200mmで定寸裁断し、整列させたものである点と、フェルトシート2,3と繊維コア材4の3層の積層体を(ニードルパンチではなく)ステッチングにより結合一体化した点において、実施例1と相違と相違し、その他は実施例1と共通である。
[管状加工]:図3(c)及び図5(a)に示すように、経糸5が管長方向となり緯糸6が管周方向となるように基材1aを外径が約φ240mmの管状に巻き、実施例1のような重ね代は設けない。外周となる片面にフィルム14を熱溶着にて貼り、基材1aの縁部同士をアラミド製のミシン糸でロックミシンにて縫製加工して縫製部8を形成し、縫製部8の上に溶着テープ16を熱溶着して封止して、管状基材1とした。
[含浸・挿入]:図5(a)に示すように、施工前に、管状基材1に未硬化の不飽和ポリエステル系樹脂を含浸し、管状基材1の内周にPEからなるシームレスのφ230mmのチューブフィルム12を挿入して配し、これらを引込工法で、内径φ250mmの既設管30内に挿入した。
[拡径・硬化]:図5(b)に示すように、管状基材1の内周にチューブフィルム12を介して内圧0.05MPa、温度80℃の温水圧を加えることにより、管状基材1を拡径させて既設管30の内面に押し当てる。その際に、縫製部8は維持され、フェルトシート2,3は管周方向に引張られて伸長し、強化繊維コア材4の経糸5は前記フェルトシート2,3の伸長に連れ動き(経糸5の相互間隔が広がる)、緯糸6は前記フェルトシート2,3の伸長により管周方向に引張られて、緯糸6に曲がりがある場合にはその曲がりが修正されるが、伸長せずに経糸5に対して滑る(緯糸6の両端末間が空く)。やがて、含浸した不飽和ポリエステル系樹脂は温水の熱により硬化し、既設管30の内面に合致した管状ライナーが形成された。
(比較例)
基材1aについては、図2(d)に示すように、強化繊維コア材4が、1200TEXの経糸5を1インチ当たり5本の割合で整列させ、2400TEXの緯糸6を1インチ当たり上下各5本の割合で整列させ、さらに、ステッチ糸18(ポリエステル糸)で経糸5と緯糸6を括るようステッチングしたものである点において、実施例1と相違し、その他は実施例1と共通である。また、管状加工、含浸・挿入、拡径・硬化の工程については、実施例3と共通である。
基材1aについては、図2(d)に示すように、強化繊維コア材4が、1200TEXの経糸5を1インチ当たり5本の割合で整列させ、2400TEXの緯糸6を1インチ当たり上下各5本の割合で整列させ、さらに、ステッチ糸18(ポリエステル糸)で経糸5と緯糸6を括るようステッチングしたものである点において、実施例1と相違し、その他は実施例1と共通である。また、管状加工、含浸・挿入、拡径・硬化の工程については、実施例3と共通である。
(評価)
施工後の管状ライナーを切断し、断面を観察して既設管との隙間の有無を確認した。また、管状ライナーの外周長を測定し、平均外径を算出した。これらの評価を表1に示す。比較例の管状ライナーは、拡径しにくく、既設管の内周との間に隙間が生じた。それに対し、実施例1〜3の管状ライナーは、管周方向に拡径することができ、既設管の内面にフィットし、厚みムラやしわの発生が少なかった。
施工後の管状ライナーを切断し、断面を観察して既設管との隙間の有無を確認した。また、管状ライナーの外周長を測定し、平均外径を算出した。これらの評価を表1に示す。比較例の管状ライナーは、拡径しにくく、既設管の内周との間に隙間が生じた。それに対し、実施例1〜3の管状ライナーは、管周方向に拡径することができ、既設管の内面にフィットし、厚みムラやしわの発生が少なかった。
また、管周方向の伸び20%時のフィルムなし基材1aの耐力は、同方向に長い、つかみ間隔350mm、幅50mmの試験体をJIS L1913の引張試験方法にて、引張速度100mm/分、n=5の平均で求めた。基材1aの耐力は、ニードル条件や引張試験のチャッキング力によるが、同一条件での相対評価として評価し、いずれも、周方向の緯糸が破断した値でなく、フェルトとの滑り抵抗力を意味している。
その他、実施例1〜3により次の効果が得られる。
・既設管の内径、設計拡径率により、適切な重ね代とすることで、層内の厚みを低減できる。
・強化繊維コア材は、従来例のようなステッチングによる拘束がない。管周方向となる緯糸は、拡径時を通して繊維の拘束が少ないため、管周方向に伸長するフェルトシートによって、強化繊維の曲がりが修正でき、軸に対して繊維一本一本がより直角に直線配列しやすくなり、樹脂硬化後の管状ライナーの強度が向上する。
・繊維が収束したロービングは、ステッチングによる拘束がないため、開繊し偏平になって幅が広くなりやすいことから、管状ライナーの樹脂硬化後の表面に現れる強化繊維による凹凸面を低減できる。
・強化繊維は、あらかじめ、シート状に加工することなく、インラインでポリエステル繊維からなるフェルトシートに経糸と緯糸を整列させることができるため、予め、強化繊維をシート状に加工しなくてよく、製造コストが低減できる。
・製造工程で必要な数量を加工できるため、余剰在庫を持つリスクも低減でき、強化繊維の原料歩留もよくなる。
・既設管の内径、設計拡径率により、適切な重ね代とすることで、層内の厚みを低減できる。
・強化繊維コア材は、従来例のようなステッチングによる拘束がない。管周方向となる緯糸は、拡径時を通して繊維の拘束が少ないため、管周方向に伸長するフェルトシートによって、強化繊維の曲がりが修正でき、軸に対して繊維一本一本がより直角に直線配列しやすくなり、樹脂硬化後の管状ライナーの強度が向上する。
・繊維が収束したロービングは、ステッチングによる拘束がないため、開繊し偏平になって幅が広くなりやすいことから、管状ライナーの樹脂硬化後の表面に現れる強化繊維による凹凸面を低減できる。
・強化繊維は、あらかじめ、シート状に加工することなく、インラインでポリエステル繊維からなるフェルトシートに経糸と緯糸を整列させることができるため、予め、強化繊維をシート状に加工しなくてよく、製造コストが低減できる。
・製造工程で必要な数量を加工できるため、余剰在庫を持つリスクも低減でき、強化繊維の原料歩留もよくなる。
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することができる。
1 管状基材
1a 基材
2 フェルトシート
3 フェルトシート
4 強化繊維コア材
5 経糸
6 緯糸
7 重ね代
8 縫製部
9 ニードルパンチ痕
11 ホットメルト剤
12 チューブフィルム
13 チューブフィルム
14 フィルム
16 溶着テープ
18 ステッチ糸
30 既設管
1a 基材
2 フェルトシート
3 フェルトシート
4 強化繊維コア材
5 経糸
6 緯糸
7 重ね代
8 縫製部
9 ニードルパンチ痕
11 ホットメルト剤
12 チューブフィルム
13 チューブフィルム
14 フィルム
16 溶着テープ
18 ステッチ糸
30 既設管
Claims (9)
- 既設管(30)の内部に更生用の管状ライナーを形成するための管状基材(1)であって、
ポリエステル繊維からなる2枚のフェルトシート(2,3)の間に、長繊維の強化繊維からなる経糸(5)と緯糸(6)とが織布や組布にされることなく単に重ねられてなる強化繊維コア材(4)が、積層され結合一体化されて基材(1a)とされ、経糸(5)が管長方向となり緯糸(6)が管周方向となるように基材(1a)が管状に巻かれ、管周方向の一箇所以上に、基材(1a)の縁部同士が重なり合った管周方向の重ね代(7)又は基材(1a)の縁部同士が縫製された縫製部(8)が設けられたことを特徴とする既設管更生用管状ライナーの管状基材。 - 前記強化繊維コア材(4)は、経糸(5)が400〜2400TEXのガラスロービングであって1〜6本/インチ(25.4mm)で整列し、緯糸(6)が1200〜4800TEXのガラスロービングであって2〜12本/インチ(25.4mm)で整列したものである請求項1記載の既設管更生用管状ライナーの管状基材。
- 前記結合一体化は、2枚のフェルトシート(2,3)と強化繊維コア材(4)との合わせニードルパンチ痕(9)によるものであり、管周方向の一箇所以上に設けられたのは、前記重ね代(7)である請求項1又は2記載の既設管更生用管状ライナーの管状基材。
- 前記強化繊維コア材(4)は、緯糸(6)が長さ75〜500mmに裁断された状態で整列したものであり、前記結合一体化は、2枚のフェルトシート(2,3)と強化繊維コア材(4)とがステッチングにより結合しているものであり、管周方向の一箇所以上に設けられたのは、前記縫製部(8)である請求項1又は2記載の既設管更生用管状ライナーの管状基材。
- 既設管(30)の内部に更生用の管状ライナーを形成するための管状基材(1)の作製方法であって、
ポリエステル繊維からなる2枚のフェルトシート(2,3)の間に強化繊維コア材(4)を積層するラインの中で、長繊維の強化繊維からなる経糸(5)と緯糸(6)とを織布や組布にすることなく単に重ねて強化繊維コア材(4)を形成しながら、形成直後の強化繊維コア材(4)を2枚のフェルトシート(2,3)の間に積層し、
2枚のフェルトシート(2,3)と強化繊維コア材(4)とを結合一体化して基材(1a)とし、
経糸(5)が管長方向となり緯糸(6)が管周方向となるように基材(1a)を管状に巻き、管周方向の一箇所以上に、基材(1a)の縁部同士が重なり合った管周方向の重ね代(7)又は基材(1a)の縁部同士が縫製された縫製部(8)を設けることを特徴とする既設管更生用管状ライナーの管状基材の作製方法。 - 既設管(30)の内部に更生用の管状ライナーを形成する方法であって、
ポリエステル繊維からなる2枚のフェルトシート(2,3)の間に、長繊維の強化繊維からなる経糸(5)と緯糸(6)とが織布や組布にされることなく単に重ねられてなる強化繊維コア材(4)が、積層され結合一体化されて基材(1a)とされ、経糸(5)が管長方向となり緯糸(6)が管周方向となるように基材(1a)が管状に巻かれ、管周方向の一箇所以上に、基材(1a)の縁部同士が重なり合った管周方向の重ね代(7)が設けられた管状基材(1)を用い、
前記管状基材(1)に未硬化の硬化性樹脂を含浸させ、
既設管(30)の内部に管状基材(1)を挿入し、
管状基材(1)を拡径させて既設管(30)の内面に押し当て、その際に、前記重ね代(7)が減少し又は無くなり、フェルトシート(2,3)は管周方向に僅かに引張られて伸長し、強化繊維コア材(4)の緯糸(6)は管周方向に伸長せず、
その後、硬化性樹脂を硬化させて、既設管(30)の内面に合致した管状ライナーを形成することを特徴とする既設管更生管状ライナーの形成方法。 - 既設管(30)の内部に更生用の管状ライナーを形成する方法であって、
ポリエステル繊維からなる2枚のフェルトシート(2,3)の間に、長繊維の強化繊維からなる経糸(5)と緯糸(6)とが織布や組布にされることなく単に重ねられてなる強化繊維コア材(4)が、積層され結合一体化されて基材(1a)とされ、経糸(5)が管長方向となり緯糸(6)が管周方向となるように基材(1a)が管状に巻かれ、管周方向の一箇所以上に、基材(1a)の縁部同士が縫製された縫製部(8)が設けられた管状基材(1)を用い、
管状基材に未硬化の硬化性樹脂を含浸させ、
既設管(30)の内部に管状基材(1)を挿入し、
管状基材(1)を拡径させて既設管(30)の内面に押し当て、その際に、フェルトシート(2,3)は管周方向に引張られて伸長し、強化繊維コア材(4)の緯糸(6)は管周方向に伸長せずに経糸(5)に対して滑り、
その後、硬化性樹脂を硬化させて、既設管(30)の内面に合致した管状ライナーを形成することを特徴とする既設管更生管状ライナーの形成方法。 - 前記管状基材(1)の拡径は、管状基材(1)の内周及び外周のいずれか一方又は両方にフィルム(12,13,14)を配して、管状基材(1)の内部に流体圧を加えることにより行う請求項6又は7記載の既設管更生管状ライナーの形成方法。
- 前記管状基材(1)の拡径は、拡径率4〜20%となるように行う請求項6、7又は8記載の既設管更生管状ライナーの形成方法。
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JP2001181939A (ja) * | 1999-10-14 | 2001-07-03 | Unitika Glass Fiber Co Ltd | 管路内面ライニング成形用材料 |
JP2006181875A (ja) * | 2004-12-27 | 2006-07-13 | Nippon Steel Composite Co Ltd | 管状ライナー |
JP2013208828A (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-10 | Sekisui Chem Co Ltd | ライニング材 |
-
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