JP2001181677A - 洗浄剤組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高起泡性及び低刺激性の洗浄剤組成物の提
供。 【解決手段】 一般式（Ｉ）で表されるリン酸モノエス
テルと一般式（II）で表されるリン酸ジエステルの重量
比（Ｉ）／（II）が80／20〜60／40である混合物を含有
する洗浄剤組成物。 【化１】 （式中、Ｒは平均炭素数９〜15で、分岐率10％以上のア
ルキル基又はアルケニル基を示し、Ｘ¹、Ｘ²及びＸ³は
それぞれ水素原子又はアルカリ金属を示し、ｎはエチレ
ンオキサイドの平均付加モル数を示す０〜５の数であ
る。）

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は高起泡性及び低刺激
性の洗浄剤組成物に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り洗浄剤の界面活性剤として、アルキル硫酸塩、ポリオ
キシエチレンアルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩等の陰イオン界面
活性剤が広く用いられてきた。しかし、このような陰イ
オン界面活性剤を含む洗浄剤を使用すると、手荒れ等の
皮膚障害を起こしやすいという問題がある。

【０００３】一方、非イオン界面活性剤は皮膚荒れ性を
ほとんどもたないことが知られているが、起泡力、洗浄
力等の洗浄剤としての諸性能は陰イオン界面活性剤に比
べると著しく劣り、洗浄剤への洗浄活性成分としては適
当ではなかった。

【０００４】また、陰イオン界面活性剤の一種であるリ
ン酸エステル系界面活性剤は、皮膚等に対する刺激性が
低く、温和な界面活性剤として知られているが、いずれ
もモノエステルとジエステルの混合物あるいはモノ、
ジ、トリエステルの混合物であったため、そのままでは
水に対する溶解性が著しく悪く、洗浄力、起泡力もほと
んど認められず、洗浄剤への配合も困難であった。また
水溶性の改善のためエチレンオキサイドを導入した化合
物も知られていたが、この化合物も、起泡力、洗浄力が
小さく、洗浄剤への配合は困難であった。

【０００５】本発明の課題は、高起泡性及び低刺激性の
洗浄剤組成物を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、一般式（Ｉ）
で表されるリン酸モノエステル（以下リン酸モノエステ
ル（Ｉ）という）と一般式（II）で表されるリン酸ジエ
ステル（以下リン酸ジエステル(II)という）の重量比
（Ｉ）／（II）が80／20〜60／40である混合物を含有す
る洗浄剤組成物である。

【０００７】

【化２】

【０００８】（式中、Ｒは平均炭素数９〜15で、分岐率
10％以上のアルキル基又はアルケニル基を示し、Ｘ¹、
Ｘ²及びＸ³はそれぞれ水素原子又はアルカリ金属を示
し、ｎはエチレンオキサイドの平均付加モル数を示す０
〜５の数である。）

【０００９】

【発明の実施の形態】リン酸モノエステル（Ｉ）及びリ
ン酸ジエステル(II)において、Ｒは、起泡性及びクラフ
ト点の観点から平均炭素数９〜15、好ましくは10〜14、
更に好ましくは11のアルキル基又はアルケニル基であ
り、その分岐率は、起泡性及びクラフト点の観点から10
％以上、好ましくは10〜60％である。

【００１０】ここで、分岐率とは，Ｒで示される全アル
キル基又はアルケニル基中の分岐鎖アルキル基又はアル
ケニル基の割合（重量％）である。

【００１１】またＸ¹、Ｘ²及びＸ³はそれぞれ水素原子
又はアルカリ金属を示すが、アルカリ金属として、例え
ば、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられ、ナ
トリウム、カリウムが好ましい。

【００１２】ｎはエチレンオキサイドの平均付加モル数
を示す０〜５の数であり、好ましくは０〜３である。

【００１３】本発明の洗浄剤組成物に配合されるリン酸
エステル混合物は、水溶性、起泡性等の観点から、重量
比でリン酸モノエステル（Ｉ）／リン酸ジエステル(II)
＝80／20〜60／40、好ましくは80／20〜70／30である。

【００１４】また本発明に用いられるリン酸エステル混
合物のクラフト点は、起泡性の観点から40℃以下が好ま
しく、またその３重量％水溶液の20℃におけるｐＨは、
皮膚刺激を抑制する観点から５〜９が好ましい。

【００１５】なお本発明において、クラフト点の測定は
電気伝導度計により当量電導度と温度との関係を測定し
た結果表れる曲線の屈曲点をクラフト点とした。

【００１６】本発明に用いられるリン酸エステル混合物
は、例えば対応する脂肪族アルコールと、無水リン酸又
はオキシ塩化リン等のリン酸化剤とを、リン酸モノエス
テル（Ｉ）とリン酸ジエステル(II)とが上記のような割
合で得られるような条件で反応させ、更に、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等のアルカリで中和することに
より得られる。

【００１７】ここで用いられる脂肪族アルコールとして
は、上記のような平均炭素数及び分岐率を有するように
脂肪族アルコールを混合した混合物、あるいは上記のよ
うな平均炭素数及び分岐率を有する市販の脂肪族アルコ
ールを用いることができる。

【００１８】本発明の洗浄剤組成物中のリン酸エステル
混合物の配合割合は、５〜60重量％が好ましく、10〜40
重量％が更に好ましい。

【００１９】本発明の洗浄剤組成物中には、必要に応
じ、通常の洗浄剤に用いられる成分、例えば、プロピレ
ングリコール、グリセリン、ソルビトール等の保湿剤；
メチルセルロース、ポリオキシエチレングリコールジス
テアレート、エタノール等の粘度調整剤；トリクロサ
ン、トリクロロカルバン等の殺菌剤；グリチルリチン酸
カリウム、酢酸トコフェロール等の抗炎症剤；ジンクピ
リチオン、オクトピロックス等の抗フケ剤；メチルパラ
ベン、ブチルパラベン等の防腐剤；香料、色素、酸化防
止剤等を配合することができる。

【００２０】更に、本発明の洗浄剤組成物には、通常の
洗浄剤に用いられる界面活性剤、例えばポリオキシアル
キレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アル
キルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸
塩、アルカンスルホン酸塩、脂肪酸塩、α−スルホ脂肪
酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル
カルボン酸塩等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシアル
キレンアルキルエーテル、アルキルグリコシド、脂肪酸
のモノ及びジアルカノールアミド、プルロニック系活性
剤等の非イオン界面活性剤、第４級アンモニウム塩等の
陽イオン界面活性剤、カルボベタイン、スルホベタイン
等の両性界面活性剤等を配合することもできる。

【００２１】本発明の洗浄剤組成物は良好な起泡力及び
洗浄力を有し、皮膚荒れを生じさせない特徴を持つため
に、シャンプー、固型石鹸など直接皮膚と洗浄剤とが長
時間接触する洗浄剤用として特に有用であるが、皿洗い
用液体洗浄剤、粉末洗浄剤や歯みがき剤などにも用いる
ことができる。

【００２２】

【実施例】実施例１〜１１及び比較例１〜８ 表１に示すリン酸エステル混合物の2.0重量％水溶液
に、人工汚れとしてラノリンを0.5重量％加え、平型プ
ロペラで40℃において回転数1000rpmで10秒毎反転の条
件で１分間シリンダー中で攪拌し、攪拌終了後、５分後
の起泡量を測定した。結果を表１に示す。

【００２３】

【表１】

【００２４】注） *1：リン酸モノエステル（Ｉ）／リン酸ジエステル（I
I）（重量比） *2：シェル社製 *3：三菱化学（株）製 *4：日産化学（株）製 *5：花王（株）製

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤生 明 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内 Ｆターム(参考） 4C083 AC102 AC122 AC132 AC182 AC402 AC482 AC642 AC692 AC792 AC812 AC852 AC901 AC902 AC932 AD212 AD262 AD532 AD662 CC38 CC41 DD23 EE07 EE10 EE50 4H003 AB39 BA01 BA09 BA12 DA02 DA17 FA02 FA18

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一般式（Ｉ）で表されるリン酸モノエス
   テルと一般式（II）で表されるリン酸ジエステルの重量
   比（Ｉ）／（II）が80／20〜60／40である混合物を含有
   する洗浄剤組成物。 【化１】 （式中、Ｒは平均炭素数９〜15で、分岐率10％以上のア
   ルキル基又はアルケニル基を示し、Ｘ¹、Ｘ²及びＸ³は
   それぞれ水素原子又はアルカリ金属を示し、ｎはエチレ
   ンオキサイドの平均付加モル数を示す０〜５の数であ
   る。）