JP2001181614A - El素子用蛍光体ペースト及びその製造方法 - Google Patents

El素子用蛍光体ペースト及びその製造方法

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Masayuki Hagimura
雅之 萩村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 貯蔵中に蛍光体粉が沈殿して固まりにくく、
また印刷性を向上できるEL素子用蛍光体ペースト及び
その製造方法を提供する。また無機物表面への密着性を
改善できるEL素子用蛍光体ペーストを提供する。 【解決手段】 少なくとも高誘電率樹脂と、溶剤と、電
界発光型蛍光体粉と、溶剤により膨潤する膨潤性層状粘
土鉱物とを含ませることによってEL素子用蛍光体ペー
ストを構成した。また少なくとも高誘電率樹脂と、溶剤
と、電界発光型蛍光体粉と、金属原子に少なくとも1つ
以上の加水分解性の基が付加された有機金属化合物とを
含ませてEL素子用蛍光体ペーストを構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スクリーン印刷用
に用いて好適なEL素子用蛍光体ペースト及びその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電場(交流)を加えた場合に生ず
る発光現象を利用してなるエレクトロルミネッセンス
(EL)素子が開発され利用されている。図1は印刷に
よって層状に形成したEL素子の1例を示す概略拡大断
面図である。同図に示すようにEL素子は、可撓性を有
する透明な合成樹脂製シート41の下面に形成した透明
電極層421の下面に、蛍光体層423と誘電体層42
5と背面電極層427とを印刷形成することでEL素子
層42を形成し、さらにEL素子層42の下面全体にレ
ジスト層429を印刷積層して構成されている。
【0003】ここで透明電極層421としては例えばI
TO膜(酸化インジウム錫膜)を用いる。蛍光体層42
3としては、高誘電率樹脂中に電界発光型蛍光体の粉末
を混合したものを用いる。誘電体層425としては、高
誘電率樹脂に高誘電率フィラーを混合したものを用い
る。背面電極層としては例えばカーボンペーストや銀ペ
ーストを用いる。
【0004】そして透明電極層421と背面電極層42
7間に、例えば100Vで1KHzの交流電圧を印加す
れば、蛍光体層423全体が発光し、その光は合成樹脂
製シート41を通してその表面を明るく照らし出す。
【0005】ところで上記蛍光体層423は印刷によっ
て形成されるため、その材料は、ペースト状であり、素
材は、高誘電率樹脂と溶剤と電界発光型蛍光体粉とを混
合してなる蛍光体ペーストで構成されていた。
【0006】しかしながらこの蛍光体ペーストには、以
下のような問題点があった。 貯蔵中に前記蛍光体粉が沈殿して固まってしまって再
分散(かき混ぜて再び分散させること)が困難な凝集体
を形成するため、その作業性が損なわれていた。
【0007】また無理な長時間に亘る再分散操作によ
り、蛍光体粉表面を傷め、その特性を劣化させる恐れも
あった。即ち蛍光体粉は水分の存在下で発光させると寿
命が大幅に短いという性質があるため、これを酸化アル
ミニウム等の皮膜で保護コーティングして水分を遮断す
ることにより、寿命を改善したものが広く用いられるよ
うになったが、このようなものは表面を損傷させると保
護コーティングの効果がなくなり、寿命を縮める結果と
なる。
【0008】粒径の大きい蛍光体粉(30μm程度)
を含むペーストであるため、延び、エッヂの切れなどの
印刷性が悪い。
【0009】この蛍光体ペーストを前記透明電極層
(ITO膜)421等の無機物表面に塗布した場合、特
に高温多湿な環境下での動作において剥離し易く、剥離
部分が発光しなくなったり、特に無機物がITO膜の場
合は加水分解を受け黒変し、美観を損ねる。
【0010】蛍光体層423を構成する高誘電率樹脂
の誘電率に限界があり、高い発光輝度を得るためにより
高い誘電率が求められていた。しかしながら誘電率のよ
り高い無機粉体を配合すると蛍光体層423の透明度が
損なわれ、返って輝度を低下させるという問題があっ
た。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の点に鑑
みてなされたものでありその目的は、貯蔵中に蛍光体粉
が沈殿して固まりにくく、また印刷性を向上し、より均
一で微細なパターンの蛍光体層の膜を形成できるEL素
子用蛍光体ペースト及びその製造方法を提供することに
ある。
【0012】また本発明の目的は、無機物表面への密着
性を改善でき、また透明度を損なわずに高い誘電率の蛍
光体層が得られるEL素子用蛍光体ペーストを提供する
ことにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め本発明は、EL素子用蛍光体ペーストを以下のように
構成した。 〔第1発明〕少なくとも高誘電率樹脂と、溶剤と、電界
発光型蛍光体粉と、前記溶剤により膨潤する膨潤性層状
粘土鉱物とを含ませてEL素子用蛍光体ペーストとす
る。
【0014】ここで高誘電率樹脂とは、真空誘電率を1
とした比誘電率が概ね7以上、望ましくは10以上の樹
脂で、例としてシアノエチル系樹脂、ポリフッ化ビニリ
デン系樹脂、ポリシアン化ビニリデン系樹脂などがあ
る。
【0015】前記溶剤は、極性溶剤(極性溶媒)である
ことが好ましい。ここで極性溶剤とは、有極性液体(分
子が電気双極子をもっている液体)を用いた溶剤をい
い、溶解力が大きくて一般に無極性溶媒には溶けない物
質でも溶かすことが多く、一般に高分子化合物の良溶媒
となる。極性溶剤の例としては、ケトン類(アセトフェ
ノン、イソホロン等)、含窒素化合物(Nメチルピロリ
ドン、NNジメチルフォルムアミド等)、アルキレンカ
ルボネート類(エチレンカルボネート、プロピレンカル
ボネート等)、他にエステル類、アルコール及びグリコ
ール誘導体がある。
【0016】電界発光型蛍光体粉としては例えばZnS
にCuをドープしたものの粉末を用いる。
【0017】膨潤性層状粘土鉱物とは、分子構造が層状
を成し、水又は溶剤などの液体に浸漬するとそれらを層
間に吸収し、その結果層間の結合力が弱まりゲル体やゾ
ルを形成する性質の金属酸化物を主体とする無機化合物
を言う。例としてスメクタイト(親水性スメクタイ
ト)、ベントナイト(スメクタイトを主成分とする天然
鉱物)、ナトリウム系フッ素雲母等がある。
【0018】親水性スメクタイトは図2に示すように、
SiO4四面体が頂点を共有してつながった2枚の四面
体シートが残りの頂点を互いに内側に向けて八面体配位
をとるイオンによって結合して重なった珪酸塩層と、ア
ルカリ或いはアルカリ土類イオンとそれに配位した水分
子からなる層間が互層した構造を持つ層状珪酸塩であ
る。雲母に類似した構造及び化学組成を持つが、珪酸塩
層の同形置換の量は少なく陰電荷も雲母の1/3程度と
小さいため層間陽イオンとの結合は弱い。このためスメ
クタイトは水や他の溶媒で膨潤し、粒子径が非常に小さ
いため分散してゾル・ゲルを形成する。チクソトロピー
性があり、増粘・沈降防止剤となる。なおスメクタイト
には有機物をインターカレートした非親水性のものもあ
るが、親水性スメクタイトはこのようなインターカレー
トを行っていないものをいう。
【0019】ナトリウム系フッ素雲母は図3に示す構造
を有し、有機溶媒中で膨潤し、チクソトロピー性を示
し、増粘・沈降防止剤となる。
【0020】上記各構成部材からなるEL素子用蛍光体
ペーストは、膨潤性層状粘土鉱物を混合しているので、
粘性が増して分散性が良くなり、貯蔵中であっても蛍光
体粉が沈殿しなくなり、再分散が容易で作業性が向上し
た。このため従来のように無理な分散をする必要がなく
なり、蛍光体粉の表面が傷つけられることはなくその特
性劣化を防止することができた。
【0021】同時にチキソ性が増大するので粒径の大き
い蛍光体粉(30μm程度)を含むペーストであって
も、印刷時の延びが良くなり、スクリーン印刷用のペー
ストとしての延び、エッヂの切れが良くなり、印刷性が
向上した。
【0022】特に溶剤として極性溶剤を用いれば溶解力
が大きくなり、また膨潤性層状粘土鉱物として親水性の
スメクタイトを用いれば、極性溶剤に対する親和性が強
く、膨潤性、分散性が良好となるため、上記効果がより
効果的に実現できる。
【0023】〔第2発明〕ところで上記EL素子用蛍光
体ペーストの製造は、以下の手順で行うことが好まし
い。即ちまず溶剤に膨潤性層状粘土鉱物を分散して粘土
鉱物分散液とし、次に前記粘土鉱物分散液に高誘電率樹
脂を溶解せしめてメジウムとし、このメジウムに電界発
光型蛍光体粉を配合することによってEL素子用蛍光体
ペーストとする製造方法である。
【0024】このような順番で各構成部材を混合するの
は以下の理由による。即ちもし高誘電率樹脂を溶剤に溶
解したものに膨潤性層状粘土鉱物を配合しようとした場
合、樹脂が障害となって膨潤性層状粘土鉱物が膨潤せ
ず、従って膨潤性層状粘土鉱物の分散が不完全になって
しまう。一方本発明のように膨潤性層状粘土鉱物をまず
溶剤に分散させれば膨潤性層状粘土鉱物が良く膨潤し、
その後高誘電率樹脂を溶解することで均一で良質なペー
ストが製造できることが実験により確かめられたからで
ある。
【0025】〔第3発明〕少なくとも高誘電率樹脂と、
溶剤と、電界発光型蛍光体粉と、金属原子に少なくとも
1つ以上の加水分解性の基が付加された有機金属化合物
とを含ませてEL素子用蛍光体ペーストとする。
【0026】ここで高誘電率樹脂と溶剤と電界発光型蛍
光体粉とは、何れも前記第1発明と同一のものを使用す
る。
【0027】金属原子に少なくとも1つ以上の加水分解
性の基が付加された有機金属化合物の中には、金属原子
に加水分解性の基と有機官能基が適宜結合した「カップ
リング剤」と総称(市販)されているものと、金属原子
に加水分解性の基のみが結合した「アルコキシド類」と
がある。
【0028】通称「カップリング剤」と総称されている
ものの例としては、金属原子がチタンであるチタネート
系カップリング剤、金属原子がアルミニウムであるアル
ミニウム系カップリング剤、金属原子が珪素であるシラ
ンカップリング剤などがある。アルコキシド類の金属原
子の種類は多岐にわたるが、チタネート系化合物でアル
コキシド類に当たるものの例としてはオルトチタン酸テ
トライソプロピル、オルトチタン酸テトラnブチル(モ
ノマー及びテトラマー)などが挙げられる。図4に加水
分解性の基と有機官能基の例を示す。また図5にアルミ
ニウム系カップリング剤の1例(アセトアルコキシアル
ミニウムジイソプロピレート)を示す。
【0029】この発明においては、有機金属化合物に付
加された加水分解性の基の化学的作用によって、無機物
(ITO等)と高誘電率樹脂の橋渡しをするので、被着
体、特に無機物(ITO等)の表面に対する密着性が改
善し、密着性不足に起因するトラブルの発生を防止でき
る。即ち前記従来技術の欄のにおいて説明した問題点
が解決できた。
【0030】また無機物である蛍光体粉と高誘電率樹脂
の橋渡しもするので、配合された蛍光体粉の分散性がよ
り高まり、発光の均一性が改善される。
【0031】またこのEL素子用蛍光体ペーストを用い
てEL素子を製造した後、残留した有機金属化合物の加
水分解性の基が外から浸入してくる水分を優先的に捕捉
するので、他の素材の加水分解を防止し、水分によるE
L素子の寿命劣化(蛍光体の加水分解による輝度の劣化
やITO膜の加水分解による黒変)が緩和される。
【0032】ところで前記有機金属化合物は、少なくと
も1つ以上の加水分解性の基が付加されたチタネート系
化合物であることが好ましい。
【0033】このチタネート系化合物は加水分解された
結果、一部から高誘電率の微粒子(数nm)酸化チタン
が生成し、系の透明度を損なわずに全体の誘電率が引き
上げられて発光効率が改善される。
【0034】さらに前記チタネート系化合物は、前記加
水分解性の基の他に、少なくとも1つ以上の有機官能基
が付加されたチタネート系化合物であることが好まし
い。
【0035】このように構成すれば、前記加水分解性の
基の方は無機物と特に親和性があり、一方有機官能基は
もっぱら有機物の方に親和性があり、両者ともに親和性
が高まり、各部材間の分散性・密着性が向上し効果的で
ある。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明の実施例として、高誘電率
樹脂と、極性溶剤と、電界発光型蛍光体粉と、前記溶剤
により膨潤する膨潤性層状粘土鉱物と、金属原子に1つ
以上の加水分解性の基と1つ以上の有機官能基とが付加
されたチタネート系化合物とを含ませてなるEL素子用
蛍光体ペーストを製造し、以下に示す比較例と比較し
た。
【0037】〔実施例〕具体的実施例として、溶剤(プ
ロピレンカルボネート)230gに、親水性スメクタイ
ト(商品名”ルーセンタイトSPN”コープケミカル社
製)20gを配合し、カッターミキサーでしばらく攪拌
し分散溶液とする。次いで前記分散溶液にシアノエチル
系高誘電率樹脂(商品名”シアノレジンCR‐M”信越
化学社製)75gを配合し、加熱攪拌により溶解してメ
ジウムとし、さらに前記メジウムに電界発光型蛍光体粉
(商品名”#40”シルベニア社製)300gを加え攪
拌し、チタネート系カップリング剤(商品名”プレンア
クトKR44”味の素社製)6gを加え、これを実施例
にかかるEL素子用蛍光体ペーストとした。
【0038】〔比較例〕比較例として、溶剤(プロピレ
ンカルボネート)230gにシアノエチル系高誘電率樹
脂(商品名”シアノレジンCR‐M”信越化学社製)7
5gを配合し、加熱攪拌により溶解し、これに電界発光
型蛍光体粉(商品名”#40”シルベニア社製)300
gを加え攪拌し、これを比較例にかかるEL素子用蛍光
体ペーストとした。
【0039】〔実施例と比較例の対比〕上記実施例にか
かるEL素子用蛍光体ペーストの場合、このペーストを
1週間以上静置保管したが、蛍光体分の沈殿は起こらず
分散状態を保っていた。さらに1ヶ月以上静置保管した
ところ軽い沈殿が生じたが、攪拌により直ちに再分散し
た。
【0040】これに対して上記比較例にかかるEL素子
用蛍光体ペーストの場合、このペーストを静置保管した
ところ、一昼夜で蛍光体分が沈殿し、攪拌器具も突き刺
さらない程の強固な凝集体を形成した。この凝集体を強
制的に破砕し攪拌したが、凝集体の破砕片を分散し尽く
すまでにかなり長時間の攪拌が必要であった。
【0041】次に上記実施例にかかるEL素子用蛍光体
ペーストの場合、このペーストをスクリーン印刷でIT
O膜付きPETフイルムに塗布した結果、スキージー及
びスクレッパー掻き取り時の延展性が良く、印刷性が優
れていた。また印刷パターンのエッジが鮮明で解像度が
良好であった。
【0042】これに対して上記比較例にかかるEL素子
用蛍光体ペーストの場合、このペーストをスクリーン印
刷でITO膜付きPETフイルムに塗布したところ、ス
キージー及びスクレッパー掻き取り時にペーストが延展
性の乏しいスラリー状になり、塗布の均一化のためにス
クリーン印刷機を微妙に調節した結果作業安定性を損ね
た。また印刷パターンのエッジが不鮮明であった。
【0043】次に上記実施例にかかるEL素子用蛍光体
ペーストを用いて、このペーストをスクリーン印刷でI
TO膜付きPETフイルムに塗布乾燥し、その上に前記
図1に示すような各印刷層を形成してEL素子を製作し
た。即ちITO膜付きPETフイルム(合成樹脂製シー
ト41と透明電極層421)に本実施例にかかるEL素
子用蛍光体ペーストを塗布乾燥して蛍光体層423を形
成し、その上に高誘電率樹脂と溶剤とチタン酸バリウム
(高誘電率フィラー)を含む誘電体ペーストを印刷乾燥
することで誘電体層425を形成し、その上にカーボン
導電ペーストと銀導電ペーストを塗布乾燥することで背
面電極層427を形成し、その上に保護レジストペース
トを印刷することでレジスト層429を形成してEL素
子を製作した。そして40℃、95%RHにて100時
間通電(AC90V、600Hz)した。その結果、剥
がれ、変色などの異常がなく、全面において均一な発光
を維持していた。またEL素子の部分をフイルムと共に
カットしても、カットした切り口において剥がれは生じ
なかった。
【0044】これに対して上記比較例にかかるEL素子
用蛍光体ペーストを用いて、その他の部材の材質構造は
上記実施例と全く同じものを用いて上記実施例と同じ方
法でEL素子を製作し、40℃、95%RHにて100
時間通電(AC90V、600Hz)した。その結果、
部分的に剥がれ、シミ状の変色が発生し、その部分は発
光しなくなった。またEL素子の部分をフイルムと共に
カットすると、カットした切り口において剥がれが生じ
た。
【0045】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれ
ば以下のような優れた効果を有する。 膨潤性層状粘土鉱物を混合したので粘性が増して分散
性が良くなり、貯蔵中であっても蛍光体粉が沈殿しなく
なり、再分散が容易で作業性が向上した。このため従来
のように無理な分散をする必要がなくなり、蛍光体粉の
表面が傷つけられることはなくその特性劣化を防止する
ことができた。
【0046】同時にチキソ性が増大するので粒径の大き
い蛍光体粉を含むペーストであっても、印刷時の延びが
良くなり、スクリーン印刷用のペーストとしての延び、
エッヂの切れが良くなり、印刷性が向上した。
【0047】特に溶剤として極性溶剤を用いれば溶解力
が大きくなり、また膨潤性層状粘土鉱物として親水性の
スメクタイトを用いれば、上記効果がより効果的に実現
できる。
【0048】溶剤に膨潤性層状粘土鉱物を分散して粘
土鉱物分散液とした後に、高誘電率樹脂を溶解せしめる
こととしたので、均一で良質なペーストが製造できる。
【0049】金属原子に少なくとも1つ以上の加水分
解性の基が付加された有機金属化合物を含ませてEL素
子用蛍光体ペーストを構成した場合は、有機金属化合物
に付加された加水分解性の基の化学的作用によって、無
機物と高誘電率樹脂の橋渡しをするので、被着体、特に
無機物の表面に対する密着性が改善し、密着性不足に起
因するトラブルの発生を防止できる。また無機物である
蛍光体粉と高誘電率樹脂の橋渡しもするので、配合され
た蛍光体粉の分散性がより高まり、発光の均一性が改善
される。
【0050】特に前記有機金属化合物として少なくとも
1つ以上の加水分解性の基が付加されたチタネート系化
合物を用いた場合は、チタネート系化合物が加水分解さ
れた結果、一部から高誘電率の微粒子酸化チタンが生成
するので、系の透明度を損なわずに全体の誘電率が引き
上げられて発光効率が改善される。
【0051】さらにチタネート系化合物として加水分解
性の基の他に、少なくとも1つ以上の有機官能基が付加
されたチタネート系化合物を用いた場合は、加水分解性
の基の方は無機物と特に親和性があり、一方有機官能基
はもっぱら有機物の方に親和性があり、有機・無機とも
に親和性が高まり、各部材間の分散性・密着性が向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】印刷によって層状に形成したEL素子の1例を
示す概略拡大断面図である。
【図2】親水性のスメクタイトの結晶構造を示す図であ
る。
【図3】ナトリウム系フッ素雲母の結晶構造を示す図で
ある。
【図4】加水分解性の基と有機官能基の例を示す図であ
る。
【図5】アルミニウム系カップリング剤の1例(アセト
アルコキシアルミニウムジイソプロピレート)を示す図
である。
【符号の説明】
41 合成樹脂製シート 42 EL素子層 421 透明電極層 423 蛍光体層 425 誘電体層 427 背面電極層 429 レジスト層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも高誘電率樹脂と、溶剤と、電
    界発光型蛍光体粉と、前記溶剤により膨潤する膨潤性層
    状粘土鉱物とを含ませてなることを特徴とするEL素子
    用蛍光体ペースト。
  2. 【請求項2】 前記溶剤は極性溶剤であり、且つ前記膨
    潤性層状粘土鉱物は、親水性スメクタイトであることを
    特徴とする請求項1記載のEL素子用蛍光体ペースト。
  3. 【請求項3】 溶剤に膨潤性層状粘土鉱物を分散して粘
    土鉱物分散液とし、次に前記粘土鉱物分散液に高誘電率
    樹脂を溶解せしめてメジウムとし、このメジウムに電界
    発光型蛍光体粉を配合することによって製造されること
    を特徴とするEL素子用蛍光体ペーストの製造方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも高誘電率樹脂と、溶剤と、電
    界発光型蛍光体粉と、金属原子に少なくとも1つ以上の
    加水分解性の基が付加された有機金属化合物とを含ませ
    てなることを特徴とするEL素子用蛍光体ペースト。
  5. 【請求項5】 前記有機金属化合物は、少なくとも1つ
    以上の加水分解性の基が付加されたチタネート系化合物
    であることを特徴とする請求項4記載のEL素子用蛍光
    体ペースト。
  6. 【請求項6】 前記チタネート系化合物は、少なくとも
    1つ以上の有機官能基が付加されたチタネート系化合物
    であることを特徴とする請求項5記載のEL素子用蛍光
    体ペースト。
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