JP2001180467A - アンチロックブレーキシステムのアクチュエータ取付構造 - Google Patents

アンチロックブレーキシステムのアクチュエータ取付構造

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い剛性が確保され、ABS作動音及び振動
を低減することができるアンチロックブレーキシステム
のアクチュエータ取付構造を提供する。 【解決手段】 アンチロックブレーキシステムのアクチ
ュエータをブラケットを介して車体に取り付けるように
したアンチロックブレーキシステムのアクチュエータ取
付構造において、上記アンチロックブレーキシステムの
アクチュエータ10を取り付けるアクチュエータブラケ
ット11を、車体のクロスメンバ8とサイドメンバ7の
結合部付近に、クロスメンバ8とサイドメンバ7に支持
されて配設した構造。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンチロックブレ
ーキシステムを搭載した自動車のホイールシリンダへの
油圧を制御するアンチロックブレーキシステムのアクチ
ュエータ取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、急制動時における車輪のロック
を防止し、車体姿勢の安定性及び操縦性の向上を図る目
的からアンチロックブレーキシステム(以下、ABSと
略称する。)を搭載することがある。このABSは、主
としてマスターシリンダと、前輪および後輪の各ホイー
ルシリンダとを接続するブレーキ配管の途中に、各ホイ
ールシリンダへの油圧を制御するアンチロックブレーキ
システムのアクチュエータ(以下、ABSアクチュエー
タと略称する。)を配設した構造になっている。
【0003】このABSを搭載する場合、ABSアクチ
ュエータ周辺のブレーキ配管の短縮化、簡素化を図るた
め、ABSアクチュエータはマスターシリンダと共にエ
ンジンルームに配設されることが多い。
【0004】このABSアクチュエータは、通常、ブラ
ケットを介して車体に取り付けるが、ABS作動時に、
振動を発生するため、フレームやメンバ等の強度のある
部分に取り付ける場合がほとんどである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、レイア
ウト等の都合上、ABSアクチュエータブラケットを直
接、フレーム等に取り付けるために、足の長いブラケッ
トになったり、フレーム等に小物の取付ブラケットを溶
接等で取り付けて、そこに、ABSアクチュエータブラ
ケットを取り付ける場合が多く見られる。このような取
付の場合、剛性が低くなり、ABS作動時の音や振動が
大きくなり運転者に不快な音、振動を伝えることにな
る。
【0006】本発明は上記課題を解決し、高い剛性が確
保され、ABS作動音及び振動を低減することができる
アンチロックブレーキシステムのアクチュエータ取付構
造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため、アンチロックブレーキシステムのアクチュエ
ータをブラケットを介して車体に取り付けるようにした
アンチロックブレーキシステムのアクチュエータ取付構
造において、上記アンチロックブレーキシステムのアク
チュエータを取り付けるアクチュエータブラケットを、
車体のクロスメンバとサイドメンバの結合部付近に、ク
ロスメンバとサイドメンバに支持されて配設したことに
ある。また、本発明は、上記アクチュエータブラケット
を、エンジンルーム内の車幅方向に配設されたダッシュ
クロスメンバと、車体前後方向に配設されたエプロンサ
イドメンバとの結合部角部に、上記アクチュエータブラ
ケットの取付部をダッシュクロスメンバとエプロンサイ
ドメンバに支持されるようにして配設したことにある。
さらに、本発明は、上記アクチュエータブラケットを、
下方側に向けて折り曲げた折り曲げ部を有する基板部
と、該基板部の下面に装着され、下方に向けて延出した
脚部を有する脚体と、上記基板部の上面に取り付けら
れ、上記アクチュエータを取り付ける保持部とで構成
し、上記基板部の折り曲げ部と上記脚体の脚部の下端部
に、下方を開口した切り欠き溝を形成し、該切り欠き溝
に締結部材を介して車体のクロスメンバとエプロンサイ
ドメンバに締結したことにある。またさらに、本発明
は、上記エプロンサイドメンバに取り付ける脚体の脚部
の長さを上記基板部の折り曲げ部の長さよりも長く形成
したことにある。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照しながら詳細に説明する。図1ないし図4は、本発
明のアンチロックブレーキシステムのアクチュエータ取
付構造を示し、図5ないし図7はアクチュエータブラケ
ットの構造を示したものである。
【0009】図1ないし図4において、1は車体2前部
に設けられたエンジンルームであり、このエンジンルー
ム1は、左右に設けられたフロントフェンダエプロンパ
ネル3の後端部相互間をダッシュパネル4で連結して車
室内と区画されている。フロントフェンダエプロンパネ
ル3の内面側には、エンジンルーム1内に膨出したホイ
ールハウス5とストラットタワー6が形成されている。
上記左右のフロントフェンダエプロンパネル3の下縁側
には、車体2の前後方向に沿ってエプロンサイドメンバ
7がそれぞれ配設されている。上記ダッシュパネル4の
下縁側には、車幅方向に沿ってダッシュクロスメンバ8
が配設されている。このダッシュクロスメンバ8とエプ
ロンサイドメンバ7は、互いに直交する方向に設けられ
て接合されている。エプロンサイドメンバ7の上端面
は、ダッシュクロスメンバ8の上端面よりも僅かに下方
側に配設されている。上記ダッシュパネル4の上部側に
はカウル部9が設けられている。
【0010】エプロンサイドメンバ7とダッシュクロス
メンバ8が接合された角部Cには、アンチロックブレー
キシステムのアクチュエータ10(以下、ABSアクチ
ュエータ10と略称する。)を取り付けるアクチュエー
タブラケット11が取付部12を介して取り付けられて
いる。このアクチュエータブラケット11の構造を、図
5ないし図7に従って説明する。アクチュエータブラケ
ット11は、下方側に向けて折り曲げた折り曲げ部13
aを有する基板部13と、該基板部13の下面に装着さ
れるとともに、上記折り曲げ部13と直交する向きで、
下方に向けて延出した脚部14aを有する脚体14と、
上記基板部13の上面に取り付けられ、上記ABSアク
チュエータ10を取り付ける保持部15とで構成されて
いる。上記アクチュエータブラケット11の取付部12
を構成する上記脚体14の脚部14aの長さは、同じく
取付部12を構成する基板部13の折り曲げ部13aの
長さよりも長く形成されている。
【0011】上記基板部13は、剛性を上げるため、上
面部13bから折り曲げ部13aにかけて、両側にフラ
ンジ13cが形成されており、かつ上面部13bの先端
に片側をテーパ13dに形成した延出面13eが設けら
れている。この延出面13eの下面には、上記折り曲げ
部13aと直交する向きで、下方に向けて脚部14aを
垂下させた脚体14が溶接されている。この脚体14の
両側には、剛性を上げるため、上部接合面14bから脚
部14aにかけて、基板部13と同様にフランジ部14
cが形成されている。上記基板部13の折り曲げ部13
aと上記脚体14の脚部14aには、縦方向のリブ1
6,17がそれぞれ形成されて補強され、脚体14の脚
部14aは、折り曲げ部13aに比べて幅が狭く形成さ
れている。また、上記基板部13の折り曲げ部13aと
上記脚体14の脚部14aの下端部には、下方を開口し
た縦方向の切り欠き溝18,19が形成されており、こ
の切り欠き溝18,19に、ボルト20,21を係合さ
せるとともにエプロンサイドメンバ7とダッシュクロス
メンバ8にボルト20,21を螺合してアクチュエータ
ブラケット11が取り付けられている。基板部13の折
り曲げ部13aには、2箇所に切り欠き溝18を形成
し、脚体14の脚部14aには、1箇所に切り欠き溝1
9を形成している。
【0012】上記保持部15は、上記基板部13の上面
部13bに接合した水平部15aと、水平部15aに直
角に起立された垂直部15bとで構成されている。垂直
部15bには、板面に、取付穴22が形成されており、
ダンパ23を介してボルト24によりABSアクチュエ
ータ10が固定されている。垂直部15bの上縁部に
は、ABSアクチュエータ10の輪郭に沿った円弧部2
5が形成されている。保持部15の水平部15aには、
上記基板部13の上面部13bとともに取付穴26が形
成されており(図5参照)、取付穴26にはダンパ27
を介してボルト28によってABSアクチュエータ10
が固定されている。
【0013】次に、上記構成による本発明のアンチロッ
クブレーキシステムのアクチュエータ取付構造の作用を
説明する。アクチュエータブラケット11に、ABSア
クチュエータ10を取り付ける。ABSアクチュエータ
10は、取付穴26にダンパ27を係合配置し、ABS
アクチュエータ10の下面にボルト28の上端を係合さ
せておいて、ボルト28をダンパ27の穴27aを通し
て固定する(図7参照)。また、垂直部15bの取付穴
22に、ダンパ23を係合配置し、このダンパ23の穴
23aにボルト24を挿通してアクチュエータブラケッ
ト11の雌ねじ部(図示せず)に螺合する。次に、エプ
ロンサイドメンバ7とダッシュクロスメンバ8の取付部
に予めボルト20,21を取り付けておいて、このボル
ト20,21に切り欠き溝18,19を係合させてアク
チュエータブラケット11を仮止めする。そして、ボル
ト20,21を締め付けて基板部13の折り曲げ部13
aをダッシュクロスメンバ8の側面に密着させ、上記脚
体14の脚部14aを、エプロンサイドメンバ7の側面
に密着させてアクチュエータブラケット11を固定す
る。
【0014】上記実施の形態によると、アクチュエータ
ブラケット11をエプロンサイドメンバ7とダッシュク
ロスメンバ8に固定しているので、車体の前後方向と左
右方向において、高い剛性を確保して固定することがで
きることから、アンチロックブレーキシステムの作動
音、振動を低減することができる。アクチュエータブラ
ケット11の取付に際して、ボルト20,21に切り欠
き溝18,19を係合させてアクチュエータブラケット
11を仮止めすることができることから、組付性が良好
である。脚体14の脚部14aを長く形成したので、エ
プロンサイドメンバ7との接触面積を大きく取ることが
できることから、結合剛性を高めることができる。AB
Sアクチュエータ10は、ダンパ23、27を介してア
クチュエータブラケット11に取り付けられているの
で、振動を効果的に吸収することができる。
【0015】図8および図9は、ABSアクチュエータ
10とブレーキブースタ29との油圧系統を車体前方か
ら見て示したものである。右ハンドル車の場合、ブレー
キブースタ29は、エンジンルーム1内に、車体の後方
に向かって左側に配設されている。これに対して、AB
Sアクチュエータ10を車体の左側に配設する。そし
て、ABSアクチュエータ10とブレーキブースタ29
との間を配管30,31で連結する。ABSアクチュエ
ータ10からは、各ホイールシリンダに対して油圧を配
管32によってそれぞれ供給する。
【0016】このように、ABSアクチュエータ10と
ブレーキブースタ29をエンジンルーム1の左右に分け
て配設することにより、エンジンルーム1の左右両側に
荷重を分散することができる。エンジンルーム1の片側
にABSアクチュエータ10とブレーキブースタ29が
集中しないので、エンジンルーム1内のレイアウトに自
由度を持たせることができる。
【0017】なお、本発明は上記実施の形態にのみ限定
されるものではなく、例えば、アクチュエータブラケッ
ト11は、ダッシュクロスメンバ8とエプロンサイドメ
ンバ7に取り付けたが、車幅方向に配設された他のクロ
スメンバと、車体の前後方向に配設されたサイドメンバ
との間に取り付けることも可能である。また、基板部1
3の折り曲げ部13aをダッシュクロスメンバ8に取付
け、脚体14の脚部14aを、エプロンサイドメンバ7
に取り付けたが、逆に取り付けることも可能である。さ
らに、脚体14の脚部14aの長さ、および幅は、必要
に応じて、設定すればよい。
【0018】また、アクチュエータブラケット11の基
板部13の折り曲げ部13aと脚体14の脚部14aに
形成した切り欠き溝18,19は、必要に応じて、その
深さおよび数を設定することができる。等、その他、本
発明の要旨を変更しない範囲内で適宜、変更して実施し
得ることは言うまでもない。
【0019】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によるアンチ
ロックブレーキシステムのアクチュエータ取付構造によ
れば次のような効果を奏することができる。請求項1に
おいて、アンチロックブレーキシステムのアクチュエー
タをブラケットを介して車体に取り付けるようにしたア
ンチロックブレーキシステムのアクチュエータ取付構造
において、上記アンチロックブレーキシステムのアクチ
ュエータを取り付けるアクチュエータブラケットを、車
体のクロスメンバとサイドメンバの結合部付近に、クロ
スメンバとサイドメンバに支持されて配設したので、車
体の前後方向と左右方向において、高い剛性を確保して
固定することができることから、アンチロックブレーキ
システムの作動音、振動を低減することができる。請求
項2において、アクチュエータブラケットを、エンジン
ルーム内の車幅方向に配設されたダッシュクロスメンバ
と、車体前後方向に配設されたエプロンサイドメンバと
の結合部角部に、上記アクチュエータブラケットの取付
部をダッシュクロスメンバとエプロンサイドメンバに支
持されるようにして配設したので、エンジンルーム内で
車体の前後方向と左右方向において、高い剛性を確保し
て固定することができることから、アンチロックブレー
キシステムの作動音、振動を低減することができる。請
求項3において、アクチュエータブラケットを、下方側
に向けて折り曲げた折り曲げ部を有する基板部と、該基
板部の下面に装着され、下方に向けて延出した脚部を有
する脚体と、上記基板部の上面に取り付けられ、上記ア
クチュエータを取り付ける保持部とで構成し、上記基板
部の折り曲げ部と上記脚体の脚部の下端部に、下方を開
口した切り欠き溝を形成し、該切り欠き溝に締結部材を
介して車体のクロスメンバとエプロンサイドメンバに締
結したので、締結部材に切り欠き溝を係合させてアクチ
ュエータブラケットを仮止めすることができることか
ら、組付性が良好である。請求項4において、エプロン
サイドメンバに取り付ける脚体の脚部の長さを上記基板
部の折り曲げ部の長さよりも長く形成したので、エプロ
ンサイドメンバとの接触面積を大きく取ることができる
ことから、結合剛性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるアンチロックブレーキシステムの
アクチュエータ取付構造の実施の形態を示す斜視図であ
る。
【図2】図1の正面図である。
【図3】図1の平面図である。
【図4】図1の部分拡大図である。
【図5】図3のアクチュエータを外してアクチュエータ
ブラケットを示す平面図である。
【図6】アクチュエータブラケットを拡大して示す斜視
図である。
【図7】アクチュエータを外してアクチュエータブラケ
ットを示す斜視図である。
【図8】ブレーキブースタとアクチュエータの配管系統
を示す斜視図である。
【図9】図8の正面図である。
【符号の説明】
1 エンジンルーム 2 車体 3 フロントフェンダエプロンパネル 4 ダッシュパネル 7 エプロンサイドメンバ 8 ダッシュクロスメンバ 10 ABSアクチュエータ 11 アクチュエータブラケット 12 取付部 13 基板部 14 脚体 15 保持部 16,17 リブ 18,19 切り欠き溝 20,21 ボルト 22,26 取付穴 23,27 ダンパ 24,28 ボルト 13a 折り曲げ部 14a 脚部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンチロックブレーキシステムのアクチ
    ュエータをブラケットを介して車体に取り付けるように
    したアンチロックブレーキシステムのアクチュエータ取
    付構造において、上記アンチロックブレーキシステムの
    アクチュエータを取り付けるアクチュエータブラケット
    を、車体のクロスメンバとサイドメンバの結合部付近
    に、クロスメンバとサイドメンバに支持されて配設した
    ことを特徴とするアンチロックブレーキシステムのアク
    チュエータ取付構造。
  2. 【請求項2】 上記アクチュエータブラケットを、エン
    ジンルーム内の車幅方向に配設されたダッシュクロスメ
    ンバと、車体前後方向に配設されたエプロンサイドメン
    バとの結合部角部に、上記アクチュエータブラケットの
    取付部をダッシュクロスメンバとエプロンサイドメンバ
    に支持されるようにして配設したことを特徴とする請求
    項1に記載のアンチロックブレーキシステムのアクチュ
    エータ取付構造。
  3. 【請求項3】 上記アクチュエータブラケットを、下方
    側に向けて折り曲げた折り曲げ部を有する基板部と、該
    基板部の下面に装着され、下方に向けて延出した脚部を
    有する脚体と、上記基板部の上面に取り付けられ、上記
    アクチュエータを取り付ける保持部とで構成し、上記基
    板部の折り曲げ部と上記脚体の脚部の下端部に、下方を
    開口した切り欠き溝を形成し、該切り欠き溝に締結部材
    を介して車体のクロスメンバとエプロンサイドメンバに
    締結したことを特徴とする請求項2に記載のアンチロッ
    クブレーキシステムのアクチュエータ取付構造。
  4. 【請求項4】 上記エプロンサイドメンバに取り付ける
    脚体の脚部の長さを上記基板部の折り曲げ部の長さより
    も長く形成したことを特徴とする請求項3に記載のアン
    チロックブレーキシステムのアクチュエータ取付構造。
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