JP2001179670A - 水晶基板の吸着方法、吸着ノズルおよび水晶基板検査装置 - Google Patents

水晶基板の吸着方法、吸着ノズルおよび水晶基板検査装置

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JP2001179670A
JP2001179670A JP36241299A JP36241299A JP2001179670A JP 2001179670 A JP2001179670 A JP 2001179670A JP 36241299 A JP36241299 A JP 36241299A JP 36241299 A JP36241299 A JP 36241299A JP 2001179670 A JP2001179670 A JP 2001179670A
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suction
quartz substrate
air
sucking
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Satoru Kobayashi
了 小林
Yoshihisa Kawabe
好央 川辺
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Nippon Maxis Co Ltd
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Nippon Maxis Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸着ノズルによる水晶基板の吸着、保持、解
除ミスを低減する。 【解決手段】 ノズル吸着面12に開口部16に通じる
溝17を設ける。吸着時、ノズル吸着面12に設けた溝
17から、水晶基板の吸着力を損なわない程度の量の空
気を吸着ノズル10内に流入させて、吸着時にも空気流
が止まらないようにする。解除時にも、ノズル吸着面1
2に設けた溝17から、水晶基板の解除を損なわない程
度の量の空気を吸着ノズル10外に流出させて、解除時
に空気流が開口部16以外からも吐き出されるようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水晶基板の吸着方
法、吸着ノズルおよび水晶基板検査装置に係り、特に小
型で薄く軽い水晶振動子用の水晶基板を吸着するのに好
適なものに関する。
【0002】
【従来の技術】図6は、水晶ブランクの外観検査を自動
化する水晶ブランク検査装置のシステム構成図である。
システムは以下の要素で構成される。
【0003】パーツフィーダ51は、多数の水晶ブラン
ク1をランダムに収納するとともに、振動させながらリ
ニアフィーダ52に移動、整列させて1個または複数個
の単位で外部の測定ステージ57へ供給する。
【0004】搬送ロボット53はバキュームチャック5
6を備え、リニアフィーダ52から測定ステージ57へ
供給された1個または複数個の水晶ブランク1を吸着保
持して測定ステージ57上に設けた載置台2に搬送す
る。また、検査後は載置台2上の水晶ブランク1を保持
して測定ステージ57の下流側に搬送する。
【0005】載置台2は、サファイア基板などから構成
され、搬送ロボット53により搬送された水晶ブランク
1を略水平に載置する透明部材から構成される。光源
は、暗視野観察用光源6と偏光観察用光源26とを切替
え自在に備える。暗視野観察用光源6は赤色LEDや蛍
光灯などで構成され、載置台2に載置された水晶ブラン
ク1の水平なブランク面に対して上下方向に±30°の
照射角度の範囲内で拡散された散乱光を水晶ブランク1
の側面側全周方向から、水晶ブランク1をちょうど包み
こむように照射する。偏光観察用光源26は、赤色LE
Dなどで構成され、ブランク面に対して垂直方向から水
晶ブランク1を射抜くように落射する。図示していない
が、偏光観察時にポラライザとアナライザとが光路に挿
入されるようになっている。
【0006】撮像手段60はカメラ、例えばCCDカメ
ラなどから構成され、載置台2の真上にセットされて、
光源6または26により照明された水晶ブランク1のブ
ランク面に対して垂直な方向から水晶ブランク1を撮像
する。
【0007】画像処理装置59は、撮像手段60により
撮像された画像をディスプレイ54に表示するととも
に、画像信号から水晶ブランク1に存在する傷または輪
郭(寸法)、厚さの違いにより生じた暗部を抽出し、抽
出した信号に基づいて水晶ブランク上の傷、輪郭が明瞭
に区別できるように、またコンベックス各具合などが明
瞭に検査できるように統計処理を行う。
【0008】パソコン55は画像処理装置59に対して
設定値を入力したり、画像処理装置59で得られたデー
タを公知の表計算ソフトで統計処理し、その処理結果を
記憶する。
【0009】水晶ブランク1は、バキュームチャック5
6で吸着されて搬送ロボット53によって載置台2へと
搬入され、検査後、再度バキュームチャック56で吸着
されて搬送ロボット53によって搬出されるようになっ
ている。
【0010】ところで、図7に示すように、バキューム
チャック56は、バキュームチューブ31と、水晶ブラ
ンク1を傷付けないようにバキュームチューブ31に嵌
められたシリコーンゴム製吸着パッド32とから構成さ
れている。このバキュームチャック56によって、水晶
ブランク1を吸着し、パーツフィーダ20から検査位置
まで搬送した後、載置台2上に載置する。
【0011】ところで、水晶振動子となる水晶ブランク
は、チップコンデンサやチップ抵抗、IC等の電子部品
と異なり、非常に小型で薄く軽いものであり、振動子特
有の表面加工もしてある。表面加工とは、ベベリング加
工、コンベックス加工、ポリッシュ仕上げ等である。こ
のため、水晶ブランクをバキュームチャック56を使っ
て吸着、搬送、解除、載置するとき、上記電子部品と比
較して問題がある。
【0012】非常に小型で薄く軽い水晶ブランクの中
で、比較的大きく自重のある短冊形の水晶ブランク、例
えば8mm×2mm、厚さ35μm以上のクラス(以
下、小型クラスという)では、上述したバキュームチャ
ック56を使って比較的安定した吸着等ができる。この
クラスは通常ベベリングないしコンベックス加工がして
あり、発振周波数はは4MHz〜20MHzである。
【0013】しかし、超小型で自重のほとんどない短冊
形水晶ブランク、例えば3mm×1.5mm、厚さ35
μm以下のクラス(以下、超小型クラスという)を同じ
バキュームチャック56で吸着して搬送しようとする
と、吸着、搬送、解除、載置が不安定になる現象が観測
される。例えば、100個あたりに1個くらいの頻度で
外観検査位置での位置検出不良になる。因みに、この超
小型クラスのものは、通常、ポリッシュ仕上げがしてあ
り、発振周波数は20MHz以上である。吸着や、解除
等が不安定になる原因は、自重がほとんどなく、静電気
の影響を強く受けるためであると推測される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】そこで、絶縁体のシリ
コン吸着パッドを止めて、図8に示すようなステンレス
製のバキュームチャック40を採用し、これを接地して
使った。バキュームチャック40は吸着ノズル41とノ
ズルヘッド42とから構成される。吸着ノズル41をバ
ネ43でノズルヘッド42に押し当てることにより、吸
着ノズル41を水晶ブランクへ押し当てた時の衝撃を吸
収するようになっている。
【0015】ところが、小型クラスの水晶ブランクでは
有効であったものの、超小型クラスの水晶ブランクに適
用してみても、やはり不安定であり、有効性が認められ
なかった。依然として、上述した割合で装着位置ずれ、
または部品の飛び、外れが発生していた。また、部品が
立ったり斜めになった状態で吸着されることもあった。
通常、1ロット当たり数千〜数万個のオーダで検査する
ため、上記不良割合は、将来の更なる高周波化、小型
化、ポリッシュ化を考慮すると、増加することが考えら
れるので、無視することはできない。吸着ミス、搬送ミ
ス、解除ミスなどに起因して起こる位置検出エラーは、
上記水晶ブランク検査装置を用いて外観検査等を自動化
処理する上で、将来、大きな障害となることが予想され
る。
【0016】このような障害は、自動化外観検査装置が
導入される前は議論されてこられず、自動化外観検査装
置が導入されて初めてクローズアップされてきた問題で
ある。
【0017】本発明の課題は、吸着状態でも空気の流れ
を止めてしまうのではなく、常に呼吸させることによっ
て、上述した従来技術の問題点を解消して、吸着ミスや
解除ミスの生じ難い水晶基板の吸着方法、吸着ノズルお
よび水晶基板検査装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、水晶基板
の吸着時および解除時に、吸着ノズルの吸着面で空気も
れを生じさせるようにした水晶基板の保持方法である。
ここで吸着時とは、吸着の前、吸着開始時、吸着中、吸
着後も含むが、少なくとも吸着開始時であればよい。ま
た、解除時とは解除開始時および解除後も含むが、少な
くとも解除開始時であればよい。
【0019】ノズル吸着面と水晶基板との間に積極的に
空気もれを生じさせると、吸着時、吸着面にゴミ等があ
った場合や、静電気が生じていたりしても、常に空気が
流れているので、水晶基板の姿勢やバランスが崩れるこ
とがなく、安定した吸着が確保できる。また、吸着が開
始される時は瞬時に吸着力が発生せずノズル吸着面に対
する水晶基板の衝撃が緩和されるため、水晶基板にひび
割れが生じるおそれがなくなり、水晶基板の破壊防止に
効果がある。また、解除時にはノズル吸着面に吸着して
いた水晶基板が解除される前に空気がもれるので、ノズ
ル吸着面から解除される水晶基板に加わる空気衝撃が緩
和され、吸着部からの解除が円滑に行なえる。本発明で
空気もれを生じさせて、空気の流れを止めずに常に呼吸
させておくと良くなるのは、例えば、ダムでも完全にせ
き止めるのではなく一部放流させるようにしたり、また
自動車のランプでもスタンバイ電流を流していたりする
ことと同じ理由によると推測される。なお、空気もれに
よる吸着能力の低下は、もともと小型で軽く薄い水晶基
板では問題にならない。
【0020】第2の発明は、ノズル開口部から吸着ノズ
ル内に空気を吸い込んで、前記ノズル開口部を設けたノ
ズル吸着面に水晶基板を吸着する時、前記ノズル吸着面
と水晶基板との間から、水晶基板の吸着力を阻害しない
量の空気を吸着ノズル内に吸い込んで、吸着時にも空気
流が止まらないようにすることを特徴とする水晶基板の
吸着法である。
【0021】吸着時に静電気の発生が極力押えられ、静
電気が悪さをしないので、稼働中の吸着ノズルからの水
晶基板の外れはもちろん、パーツフィーダなどの供給部
から水晶基板をとりだす際に水晶基板を吸着できない等
の吸着エラーが低減する。
【0022】上記第2の発明において、空気をノズル開
口部から吐き出して、開口部に吸着していた水晶基板を
開口部から解除させる際にも、開口部と水晶基板との間
から、水晶基板の解除を阻害しない量の空気を吸着ノズ
ル外に流出させて、解除時に空気流が開口部以外からも
吐き出されるようにすることが好ましい。
【0023】吸着ノズルへの吸着が円滑に解除されるた
め、静電気の発生を極力抑えられ、静電気による悪さが
なくなるので、ステージ上での位置ずれ、または水晶基
板の飛び、外れを有効に防止できる。
【0024】第1から第2の発明において、基板が水晶
振動子用のブランクであることが好ましい。表面がポリ
ッシュ仕上げされている水晶振動子用ブランクは、特に
空気流が止った状態で完全密着させると弊害があるが、
常に空気流が流れているとそのような弊害がない。
【0025】第3の発明は、ノズル吸着面に、吸着時に
吸着を阻害しない量の空気もれを生じさせ、解除時に解
除を阻害しない量の空気もれを生じさせる通気部を設け
た水晶基板の吸着ノズルである。吸着ノズルの吸着面に
通気部を設けるだけの簡単な構造で、微小で軽く薄い水
晶基板であっても、静電気の影響を受けることなく、円
滑な吸着、搬送、解除、載置を行うことができる。
【0026】第3の発明において、通気部がノズル吸着
面に形成されて前記開口部に連通する溝で構成されてい
たり、この溝が開口部に対して対称位置に設けられてい
たりすることが好ましい。また、前記通気部はノズル吸
着面に形成した凹凸面によって構成することもできる。
凹凸面は例えば4.6μm以上の表面粗さをもつことが
好ましい。
【0027】第4の発明は、上記発明の吸着ノズルと、
水晶基板を振動させながら整列排出するパーツフィーダ
と、前記パーツフィーダから排出される水晶基板を前記
吸着ノズルで吸着して画像取込みステージに移載する移
載手段と、移載した水晶基板の画像検査を行う画像処理
手段とを備えた水晶基板検査装置である。吸着ミスの少
ない吸着ノズルを使用するので、吸着に起因する位置検
出不良が低減し、高性能な量産装置を実現できる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。図1は水晶ブランクを吸着する吸着ノズルの断面
図、およびノズル吸着面(ノズル端面)を示す。
【0029】吸着ノズル10は、空気穴11が軸方向に
貫通する筒形をしている。図では円筒形をしているが角
筒形でもよい。吸着ノズル10は、ノズル吸着面12を
有する小径部13と、ノズルヘッド(図8の符号42参
照)の接続される基部となる大径部15と、小径部13
および大径部15をつなぐテーパ状の肩部14とから構
成される。小径部13の外径は被吸着部品としての水晶
ブランクよりも小さく形成してあり、吸着時にノズル開
口部16が水晶ブランクよりはみ出さないようにして吸
着力の確保と吸込みを防止している。またノズル吸着面
12は、水晶ブランクが密着するように鏡面仕上(ポリ
ッシュ仕上)げされている。
【0030】ノズル10内の空気穴11は、ノズルの外
径に合わせて、小径部13から肩部14までは細径で、
大径部15は太径で構成されている。ノズル開口部16
の形状は任意でよいが、通常円形で構成され、図示例も
そのようにしてある。ノズル吸着面12には、ノズル中
央に開けた開口部16と連通する通気部としての溝17
が直径方向に切ってある。溝17はノズル吸着面12の
周端に開口部16に対して対称な位置に開口しており、
ノズル吸着面12に水晶ブランクが密着された状態で、
外部と連通してノズル10内に空気が出入りできるよう
になっている。このような溝付きの吸着ノズル10は、
カッタないし砥石等の切削具を用いて、既存の吸着ノズ
ル(図8の符号41)のノズル吸着面を直径方向に横断
して切削するだけで簡単作ることができる。溝幅は開口
部16よりはみ出してもよいが、開口部16の径と一致
させるとよい。
【0031】上述したようにノズル吸着面12に溝17
を掘った吸着ノズル10を接地して、下記に示す大小の
クラスおよびポリッシュ仕上げの有無の水晶ブランクに
適用して吸着、搬送、解除状態を調べてみた。
【0032】 Aクラス: 8.0mm×2.0mm、厚さ35μmm以上(ポリッシュ仕上げなし) Bクラス: 3.0mm×1.5mm、厚さ35μm未満(ポリッシュ仕上げなし) Cクラス: ポリッシュ仕上げしたBクラス その結果、特にポリッシュ仕上げしたCクラスの超小型
水晶ブランクに特に有効で、吸着ミスや搬送ミス、解除
ミスなどエラーが大幅に減少した。その理由は次のよう
に推測される。
【0033】図2に示すように、水晶ブランクのベベリ
ングやコンベックス加工は、砥粒番碇が#800くらい
のラッピング研磨材を用いて行うが、表面粗さは平均で
4.6μmとなり、図2(a)に示すように表面の凹凸
が非常に大きい。これに対して、ポリッシング仕上げす
ると表面粗さが平均0.06μmとなり、図2(b)に
示すようにほとんど凹凸がなく平滑面をしている。
【0034】したがって、ベベリングやコンベックス加
工した小型クラスの水晶ブランクを吸着ノズルで吸着す
る時、吸着ノズルの吸着面が平滑であっても、水晶ブラ
ンクの表面が前述したように凹凸面となっているため、
吸着面との間で、凹凸による空気の漏れがあり、吸着時
であっても、全く空気の流れが止っているわけではな
く、適度な量の空気がノズルに流れている。このことは
解除時にもいえる。
【0035】これに対して吸着面が平滑な吸着ノズル
で、ポリッシュ仕上げをして平滑化された超小型クラス
の水晶ブランクを吸着する時、水晶ブランクと吸着面と
の間に隙間が生じる余地はないため、真空切換えを行っ
た時、水晶ブランクは吸着ノズルにバシッと吸い付くよ
うに吸着される。このため、吸着力は強いが、吸着時に
水晶ブランクのバランスないし吸着姿勢が崩れたり、水
晶ブランクにひび割れが発生して水晶基板を破壊したり
するおそれがある。
【0036】実施の形態の吸着ノズルによれば、吸着面
12に溝17が切ってあるので、吸着力は若干減殺され
るものの、水晶ブランクにひび割れを生じさせるような
瞬間的な吸着がなく、吸着力が緩和され、しかも定常的
に外部からノズル内への空気の流れがあるため、水晶基
板が吸着面に対して立ったり斜めになったりすることが
有効に防止できる。また、静電気が生じていても、吸着
位置が望む通りになるので、吸着位置補正をする必要が
減り、吸着姿勢もよく、また部品吸着力も水晶ブランク
に関する限り特に問題はない。その結果、吸着ミスや搬
送ミス等が激減し、吸着に起因する外観検査位置での位
置検出不良は、1000個あたりに1個くらいの頻度に
減った。
【0037】また、このことは水晶ブランクを吸着ノズ
ルから解除するときにも言える。すなわち、吸着ノズル
から空気を吐き出す時、瞬時に水晶ブランクを吸着ノズ
ルから解除するのではなく、正圧切換えを行った時、ま
ず吸着面12と平行な溝17から空気が吐き出され、そ
の後に吸着面12と垂直な方向から空気が吐き出され
る。このため真空破壊の衝撃が和らぎ、一旦間を置いて
から吐出圧が水晶ブランクに加わるので、解除が円滑に
行われ、この場合にも、水晶ブランクが立ったり、斜め
になったりすることを有効に防止でき、解除ミスがなく
なる。
【0038】ノズル開口部16に対して対称位置から空
気の流入、あるいは流出があることが好ましい。バラン
スよく吸着または解除するためである。対称位置である
から、2ヵ所に限定されず、3ヵ所でも4ヵ所、それ以
上でも良い。図3(a)は4ヵ所十字状に溝17を設け
た例を示している。
【0039】また、溝形状は限定されず、任意の形状で
よい。例えば、図3(b)は断面矩形、図3(c)は断面
U字形、図3(d)は断面V字形とした例を示してい
る。更に、上記実施の形態ではいずれも吸着面に溝を設
けるようにしたが、必ずしも吸着面に設けなくてもよ
い。その場合、図3(e)に示すように、吸着面12か
ら離れたノズル側面に穴37を開けるとよい。
【0040】実施の形態では吸着面に空気の出入りを可
能とした溝を設けた場合を説明した。しかし、本発明
は、要するに吸着面における隙間の存在により、常に隙
間から緩衝用の空気の出入りがあるようにすればよい。
したがって、実施の形態の溝の代りに、吸着ノズル側の
吸着面を、溝に変えて、凹凸面で形成しても良い。すな
わち、凹凸面をもつ水晶ブランクの役割を、吸着ノズル
側に持たせて、ポリッシュ仕上げした水晶ブランクの安
定吸着を可能にするという形をとる。
【0041】なお、一般的には、吸着面に溝等を形成す
ると、空気の漏れによりノズル内の負圧が十分に確保で
きず吸着力が低下する懸念が出るが、水晶基板のように
超小型で、薄く、自重もほとんどないような場合には、
そのような懸念はない。
【0042】また、本実施の形態では真空パッドを使用
せず、筒状の吸着ノズルを直接使用しているが、図4に
示すように、バキュームチャック30の吸着ノズル28
をステンレスで形成するとよい。このステンレス(SU
S)で形成した吸着ノズル28の吸着面28aに、さら
に窒化膜25を形成すると(図4(b))、一層静電気
の発生を抑制することができる。SUSは、アルミより
はちょっと重くなるが、さびず、加工性がよい。さらに
SUSに窒化膜処理をすると、SUSの性質を維持しつ
つ硬質化が図れる。なお、バキュームチャック30ない
し吸着ノズル28は接地する。
【0043】このようにバキュームチャック30はステ
ンレスの吸着ノズル28で構成し、その吸着面28aを
窒化処理して硬質化すると、シリコーンゴムと違い寿命
が長く、ほとんど交換する必要がない。また吸着時、水
晶ブランクとの間に静電気が発生しても、静電気を大地
に逃がすことができるので、水晶ブランクの帯電を一層
有効に防止でき、搬送に際して、片寄ったりせず、安定
して搬送でき、置いたときも解除され安い。特に、3m
m角以下、厚み30μm以下の微小化水晶ブランクで効
果が顕著である。
【0044】図5は水晶ブランク検査装置のパーツフィ
ーダ部の説明図である。パーツフィーダ20は、そのわ
ん状容器21の内面に螺旋状のトラック22が形成され
ており、このトラック22の排出側端部にリニアフィー
ダ23を取り付け、このリニアフィーダ23のトラック
に水晶ブランク1が移送されるように構成されている。
パーツフィーダ20のわん状容器21は、ステンレス、
例えばSUSで形成されている。水晶ブランク1が移送
されるわん状容器21の内面には、窒化膜25の硬質処
理が施される(図5(b))。また、パーツフィーダ2
0は接地され、わん状容器21に帯電した静電気を大地
に逃がすようになっている。
【0045】ステンレス鋼はアルミよりも硬く、アルミ
と同じ導電性である。しかし、ステンレスのムク材で
は、水晶との接触面の耐摩耗性が得られず、SUSが水
晶に負けてしまうので、SUSの耐摩耗性が必要とな
る。SUSへの焼入れ処理で対処することも可能である
が、表面処理して硬質化する。ここでは公知のタフトラ
イド処理を行って耐摩耗性を得ている。
【0046】パーツフィーダ及び上述した吸着ノズルを
有するバキュームチャック30をSUSで形成し、静電
気を大地に逃がすようにしても、水晶ブランクの帯電を
完全にゼロにするのは困難である。このため図5に示す
ように、パーツフィーダ20の上方に、除電機27を設
ける。除電機27、例えばイオナイザは、高圧の交流ま
たは直流電圧(10kV程度)をかけた電極針を被除電
対象物上に立てる。高電圧により被除電対象物の近辺の
分子が分離し、雰囲気が+帯電と−帯電とに分れ、これ
が除電に寄与する。
【0047】さらに上述した吸着ノズルを、図6の示す
水晶ブランク検査装置に適用すれば、水晶ブランクを吸
着し、ノズルヘッドが載置位置まで移動した後、水晶ブ
ランクをステージ上に載置する際、水晶基板は確実に吸
着が解除されるため、載置位置ずれ、または水晶基板の
飛び、外れは発生しない。また、吸着時に水晶基板がノ
ズルに吸込まれたり、立ったり斜めになった状態で吸着
されることも防ぐことができる。この場合、重力、遠心
力が吸着力に勝ると、吸着していた部品がノズルから外
れ、装着できなくなるが、実施の形態では部品が水晶ブ
ランクであるため、そのような不具合はない。
【0048】なお、上記の実施形態では水晶ブランクに
ついて説明したが、本発明はこれに限定されない。水晶
ブランクと同等の小型、軽量、厚さの薄い微小水晶基板
にも適用できる。
【0049】
【実施例】吸着ノズルは、強度、耐久性の優れたステン
レス例えばSUS16Uで形成し、その寸法仕様を次の
通りにすると、ポリッシュ仕上げしたCクラスの超小型
水晶ブランクに対して、吸着力の低下をもたらさず、吸
着が安定し、解除ミスの少ない最適ノズルが得られる。
【0050】
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、水晶基板の吸着時およ
び解除時に、吸着ノズルの端面と水晶基板との間に空気
もれを生じさせるようにしたので、小型で軽く薄い水晶
基板であっても、吸着、保持、解除ミスを有効に低減で
きる。特に、超小型のポリッシュ仕上げした水晶基板に
適用したときの効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態による吸着ノズルを示し(a)は断
面図、(b)は先端平面図、(c)は先端を拡大した斜
視図である。
【図2】ポリッシュ仕上げ前とポリッシュ仕上げ後との
表面粗さの比較図であり、(a)はラッピング研磨、
(b)はポリッシュ仕上げを示す。
【図3】他の実施の形態による吸着ノズルの溝ないし通
気部の種類を示し、(a)は十字形、(b)は放射形、
(c)は円形、(d)はS字形、(e)は断面矩形、
(f)は断面V字形、(g)は側面穴の説明図である。
【図4】実施形態の吸着ノズルの説明図であり、(a)
は要部斜視図、(b)は吸着部の被覆説明図である。
【図5】実施形態のバキュームチャックの筒状吸着部の
説明図であり、(a)は要部斜視図、(b)は吸着部の
被覆説明図である。
【図6】実施形態の水晶ブランク検査装置のシステム構
成図である。
【図7】従来の真空パッドを示す説明図である。
【図8】実施形態によるバキュームチャックの構成図で
ある。
【符号の説明】
10 吸着ノズル 11 空気穴 12 ノズル吸着面 16 ノズル開口部 17 溝(通気部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3C007 DS01 FS01 FT01 FU00 GU03 NS11 NS17 3F061 AA01 CA01 CB01 CC00 DB00 DB06 DC03 3F072 AA28 GB10 KD03 KE13

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水晶基板の吸着時および解除時に、吸着ノ
    ズルの吸着面で空気もれを生じさせるようにした水晶基
    板の吸着方法。
  2. 【請求項2】ノズル開口部から吸着ノズル内に空気を吸
    い込んで、前記ノズル開口部を設けたノズル吸着面に水
    晶基板を吸着する時、前記ノズル吸着面と水晶基板との
    間から、水晶基板の吸着力を阻害しない量の空気を吸着
    ノズル内に吸い込んで、吸着時にも空気流が止まらない
    ようにすることを特徴とする水晶基板の吸着法。
  3. 【請求項3】空気をノズル開口部から吐き出して、前記
    ノズル開口部を設けたノズル吸着面に吸着していた水晶
    基板を解除させる時に、前記ノズル吸着面と水晶基板と
    の間から、水晶基板の解除を阻害しない量の空気を吸着
    ノズル外に吐き出して、解除時に空気が前記ノズル開口
    部以外からも吐き出されるようにすることを特徴とする
    請求項2に記載の水晶基板の吸着方法。
  4. 【請求項4】前記基板が水晶振動子用のブランクである
    請求項1〜3のいずれかに記載の水晶基板の吸着方法。
  5. 【請求項5】ノズル吸着面に、吸着時に吸着を阻害しな
    い量の空気もれを生じさせ、解除時に解除を阻害しない
    量の空気もれを生じさせる通気部を設けた水晶基板の吸
    着ノズル。
  6. 【請求項6】前記通気部が前記ノズル吸着面に形成され
    た溝で構成され、前記溝はノズル開口部と連通している
    請求項5に記載の吸着ノズル。
  7. 【請求項7】前記溝が前記ノズル開口部に対して対称位
    置に設けられている請求項6に記載の吸着ノズル。
  8. 【請求項8】前記通気部が、前記ノズル吸着面に形成し
    た凹凸面によって構成されている請求項5に記載の吸着
    ノズル。
  9. 【請求項9】請求項4〜8のいずれかに記載の吸着ノズ
    ルと、 水晶基板を振動させながら整列排出するパーツフィーダ
    と、 前記パーツフィーダから排出される水晶基板を前記吸着
    ノズルで吸着して画像取込みステージに移載する移載手
    段と、 移載した水晶基板の画像検査を行う画像処理手段とを備
    えた水晶基板検査装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010002357A (ja) * 2008-06-23 2010-01-07 Akim Kk 振動子片特性検査装置及び振動子片特性検査方法
JP2013158899A (ja) * 2012-02-08 2013-08-19 Yushin Precision Equipment Co Ltd 成形品取出機及び吸着ノズル
CN104274328A (zh) * 2013-07-11 2015-01-14 天士力制药集团股份有限公司 气冷滴丸生产线
JP2017168724A (ja) * 2016-03-17 2017-09-21 株式会社昭和真空 電子部品の移載方法および装置

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