本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1に係る試験装置を図面に基いて説明する。図1は、実施形態1に係る試験装置の構成例を示す斜視図である。図2は、図1に示された試験装置の要部の斜視図である。図3は、図1に示された試験装置の試験対象のウェーハの斜視図である。
実施形態1に係る図1及び図2に示す試験装置1は、図3に示すウェーハ10から個々に分割されたチップ14を試験して、ウェーハ10を個々のデバイス13に分割する所謂後工程の加工条件の妥当性を評価することを可能とする装置である。
(ウェーハ)
実施形態1では、ウェーハ10は、シリコン、サファイア、ガリウムなどを基板11とする円板状の半導体ウェーハや光デバイスウェーハ等である。ウェーハ10は、基板11の表面11-1に格子状に形成された複数の分割予定ライン12によって格子状に区画された領域にデバイス13が形成されている。実施形態1において、ウェーハ10は、外周縁に環状フレーム16が装着された支持部材である粘着テープ15が裏面11-2に貼着されて、環状フレーム16に支持されて、ウェーハユニット17を構成している。即ち、実施形態1では、ウェーハ10は、粘着テープ15により支持されている。また、ウェーハ10は、分割予定ライン12に沿って個々のチップ14に個片化されている。なお、チップ14は、基板11の一部とデバイス13とを備える。
なお、実施形態1では、ウェーハ10は、基板11の表面11-1にデバイス13が形成されているが、本発明では、試験装置1が後工程の加工条件の妥当性を評価することを可能とする装置であるために、表面11-1にデバイス13が形成されていなくても良い。
(試験装置)
試験装置1は、図1及び図2に示すように、装置本体2上に設けられウェーハユニット17を複数収容するカセット4が載置されるカセット載置台3と、カセット4にウェーハユニット17を出し入れする搬出入ユニット5と、カセット4から搬出されたウェーハユニット17又はカセット4に搬入される前のウェーハユニット17が仮置きされる一対の仮置きレール6(図1には一方のみ示す)と、フレーム固定ユニット7と、制御ユニット400とを備える。
カセット4は、複数のウェーハユニット17を鉛直方向と平行なZ軸方向に間隔をあけて収容する収容容器であって、ウェーハ10を出し入れする開口8が設けられている。カセット載置台3は、上面にカセット4が載置され、カセット4をZ軸方向に昇降させる。
一対の仮置きレール6は、装置本体2上でかつカセット載置台3に載置されるカセット4の開口8の幅方向の両端に設けられ、水平方向と平行なY軸方向に直線状に延びている。仮置きレール6は、ウェーハユニット17の環状フレーム16が仮置きされる。
フレーム固定ユニット7は、環状のフレーム支持部材18と、フレーム支持部材18の上方に配置されかつ固定された環状のフレーム押さえ部材19と、フレーム支持部材18を昇降させる図示しない昇降機構とを備える。フレーム支持部材18は、上昇される前では上面が仮置きレール6の上面と同一平面上に位置して、ウェーハユニット17の環状フレーム16が載置される。フレーム固定ユニット7は、フレーム支持部材18の上面にウェーハユニット17の環状フレーム16が載置されると、昇降機構がフレーム支持部材18を上昇させて、フレーム押さえ部材19とフレーム支持部材18との間に環状フレーム16を挟み込んで、ウェーハユニット17を固定する。
搬出入ユニット5は、図示しない移動機構によりY軸方向に移動自在に設けられている。搬出入ユニット5は、カセット4からウェーハユニット17を搬出して、仮置きレール6上に仮置きした後、フレーム固定ユニット7の降下したフレーム支持部材18の上面までウェーハユニット17を搬出して、フレーム支持部材18の上面に載置する。また、搬出入ユニット5は、フレーム固定ユニット7の降下したフレーム支持部材18の上面上のウェーハユニット17を仮置きレール6を介してカセット4内に搬入する。
また、試験装置1は、フレーム固定ユニット7をY軸方向と水平方向と平行でかつY軸方向と直交するX軸方向とに移動する移動機構30と、突き上げ機構50と、撮像カメラ60と、ピックアップ手段であるピックアップ機構70と、第2移動機構80と、チップ観察機構100と、強度測定機構200とを備える。
移動機構30は、装置本体2上に設けられかつ移動テーブル40を水平方向と平行でかつY軸方向と直交するX軸方向に移動するX軸移動機構32と、X軸移動機構32によりX軸方向に移動される移動テーブル40上に設けられかつフレーム固定ユニット7をY軸方向に移動するY軸移動機構42とを備える。X軸移動機構32は、一対の仮置きレール6とY軸方向に並ぶ位置と一対の仮置きレール6から離れる位置とに亘って移動テーブル40即ちフレーム固定ユニット7をX軸方向に移動する。各移動機構32,42は、軸心回りに回転自在に設けられた周知のボールねじ36,46、ボールねじ36,46を軸心回りに回転させる周知のモータ38,48及び移動テーブル40又はフレーム固定ユニット7をX軸方向又はY軸方向に移動自在に支持する周知のガイドレール34,44を備える。
突き上げ機構50は、X軸移動機構32により一対の仮置きレール6から離れる位置に位置付けられたフレーム固定ユニット7の下方に配置される。突き上げ機構50は、装置本体2の凹部9内に設けられ、フレーム固定ユニット7に固定されたウェーハユニット17のいずれかのチップ14を粘着テープ15よりも上方に突き上げるものである。突き上げ機構50は、上面がチップ14の平面形と同等の棒状に形成され、長手方向がZ軸方向と平行である。突き上げ機構50は、図示しないモータやエアシリンダにより上面がフレーム固定ユニット7により固定されたウェーハユニット17の粘着テープ15よりも下方側の位置から粘着テープ15よりも上方側の位置まで上昇される。また、突き上げ機構50は、上面が真空吸引源により吸引されて、上面に粘着テープ15を介してチップ14を吸引保持する。突き上げ機構50は、上面に粘着テープ15を介してチップ14を吸引保持し、エアシリンダにより上昇されることで、所定のチップ14を粘着テープ15よりも上方に突き上げる。
撮像カメラ60は、凹部9上のフレーム固定ユニット7により固定されたウェーハユニット17のウェーハ10の全体を撮像可能な位置に配置される。撮像カメラ60は、フレーム固定ユニット7により固定されたウェーハ10の全体を撮像する撮像素子を備えている。撮像素子は、例えば、CCD(Charge-Coupled Device)撮像素子又はCMOS(Complementary MOS)撮像素子である。撮像カメラ60は、フレーム固定ユニット7により固定されたウェーハユニット17のウェーハ10の全体を撮影して、ウェーハ10の所望のチップ14と突き上げ機構50との位置合わせを行なうため等の画像を得、得た画像を制御ユニット400に出力する。
(ピックアップ機構)
図4は、図1に試験装置のピックアップ機構の斜視図である。図5は、図4に示されたピックアップ機構のチップを保持したコレットを下方撮像ユニットの下方撮像カメラに対向させた状態を示す斜視図である。図6は、図5に示された下方撮像カメラがチップを撮像する状態を示す斜視図である。
ピックアップ機構70は、複数のチップ14に分割され粘着テープ15で支持されたウェーハ10から突き上げ機構50により突き上げされた所定のチップ14をピックアップするものである。ピックアップ機構70は、図4に示すように、第2移動機構80によりY軸方向とZ軸方向とに移動される移動基台72と、移動基台72から第2移動機構80から離れる方向にX軸方向に延在したアーム74と、アーム74の先端に設けられチップ14を保持するコレット76とを備える。
アーム74は、移動基台72を介して第2移動機構80と接続された柱状の第1支持部77と、第1支持部77の先端部から下方に向かって突出する第2支持部78とを備える。第2支持部78は、第1支持部77に密着する図5に示す位置と、第1支持部77から離れる図6に示す位置とに亘ってZ軸方向に移動自在に第1支持部77に連結されている。なお、実施形態1では、第1支持部77及び第2支持部78は、周知のツールチェンジャー等によって互いに着脱自在に構成されている。
コレット76は、第2支持部78の下端部に取り付けられている。コレット76は、下面79が真空吸引源により吸引されて、図5に示すように、下面79にチップ14を吸引保持する。ピックアップ機構70は、コレット76の下面79に突き上げ機構50により突き上げられたチップ14を吸引保持し、第2移動機構80により上昇されることで、所定のチップ14を粘着テープ15からピックアップする。
また、実施形態1では、試験装置1は、突き上げ機構50の上面側に粘着テープ15からピックアップされる際にチップ14にかかる荷重を計測する計測手段であるロードセルを備えても良い。ロードセルは、計測結果を制御ユニット400に出力する。なお、本発明では、計測手段であるロードセルをピックアップ機構70のコレット76の下面79側に設けても良い。
第2移動機構80は、装置本体2上に設けられかつ移動テーブル90をY軸方向に移動する第2Y軸移動機構82と、第2Y軸移動機構82によりY軸方向に移動される移動テーブル90上に設けられかつ移動基台72即ちピックアップ機構70をZ軸方向に移動するZ軸移動機構92とを備える。第2Y軸移動機構82は、突き上げ機構50の上面と下面79がZ軸方向に対面する位置から移動テーブル90即ちピックアップ機構70をY軸方向に移動する。各移動機構82,92は、軸心回りに回転自在に設けられた周知のボールねじ86,96、ボールねじ86,996を軸心回りに回転させる周知のモータ88,98及び移動テーブル90又はピックアップ機構70をY軸方向又はZ軸方向に移動自在に支持する周知のガイドレール84,94を備える。
チップ観察機構100は、チップ14の表面11-1、裏面11-2及び側面を撮像して観察するものである。チップ観察機構100は、図1に示すように、装置本体2上の突き上げ機構50のY軸方向の隣りに配置され、下方撮像ユニット102と、側方撮像ユニット112と、チップ14の上下を反転するチップ反転機構150とを備える。
(下方撮像ユニット)
図7は、図6に示された下方撮像カメラを一部断面で示す側面図である。図8は、図7に示された下方撮像カメラの干渉対物レンズの構造を示す模式図である。
下方撮像ユニット102は、ピックアップ機構70のコレット76に保持されたチップ14を下方から撮像するものである。下方撮像ユニット102は、図5及び図6に示すように、装置本体2上に設けられた直方体状の支持基台104と、支持基台104の第2移動機構80寄りの一端側の上面から上方に向かって延びた柱状の支持柱106と、支持基台104の他端側の上面に設けられかつチップ14を下方から撮像するための下方撮像カメラ108とを備える。
また、支持基台104は、装置本体2との間に、例えば防振ゴム等の防振材で構成される防振部材110を設けており、下方撮像カメラ108は、防振部材110上に配置されている。防振部材110によって、装置本体2から下方撮像カメラ108への振動の伝達が抑制される。支持柱106は、ピックアップ機構70のアーム74の第1支持部77から離れた第2支持部78が上面に当接し、上面で第1支持部77から離れた第2支持部78を支持する。また、実施形態1では、支持柱106は、上面が図示しない真空吸引源により吸引されて、第2支持部78を吸引保持するが、永久磁石等の磁力を用いて第2支持部78を保持しても良い。
下方撮像カメラ108は、第1支持部77から分離された第2支持部78が支持柱106で吸引保持された状態で、コレット76に保持されたチップ14とZ軸方向に沿って対面して、チップ14を下方から撮像する。これにより、第2移動機構80の動作等に起因する第1支持部77の振動がチップ14に伝達することを防止し、下方撮像カメラ108によるチップ14の撮像の精度を向上させることができる。
なお、チップ14の裏面11-2には、分割前のウェーハ10の裏面11-2側に施された研削加工の加工痕(ソーマーク)等の微細な凹凸が形成されていることがあり、このような凹凸は、チップ14の抗折強度に影響する。そのため、チップ14の抗折強度を測定する際には、予めチップ14の裏面11-2の状態を確認しておくことが好ましい。このために、試験装置1は、コレット76の移動経路と重なる位置に下方撮像カメラ108を設けて、チップ14をコレット76によって保持した状態のまま下方撮像カメラ108上に配置でき、チップ14の裏面11-2を撮像することができる。
下方撮像カメラ108は、チップ14の裏面11-2に形成された加工痕(ソーマーク)を検出可能である。下方撮像カメラ108は、図7及び図8に示すように、例えば干渉対物レンズを備える干渉計等によって構成される。下方撮像カメラ108は、箱型のハウジング120の下部に設けられた撮像素子122と、ハウジング120の下部に設けられた干渉対物レンズ124と、ハウジング120の内部に設けられかつ白色LED等でなる光照射部126と、ハウジング120の内部に設けられかつ撮像素子122と干渉対物レンズ124との間に配置されたハーフミラー128とを備える。光照射部126は、ハーフミラー128に向かって光を照射する。
また、下方撮像カメラ108は、ハウジング120と干渉対物レンズ124との間に電源132から供給される電圧に応じて長さが変化する圧電素子130を備えている。電源132から圧電素子130に供給される電圧を制御することにより、干渉対物レンズ124のZ軸方向における位置(高さ)が調整される。
干渉対物レンズ124は、図8に示すように、対物レンズ134と、ガラス板136に設けられた参照ミラー138と、ハーフミラー140とを備える。参照ミラー138は、ハーフミラー140に対して対物レンズ134の焦点位置と対称な位置に配置される。
光照射部126から出射された白色光は、ハーフミラー128で反射され、干渉対物レンズ124に入射する。そして、ハーフミラー140を透過してチップ14の裏面11-2で反射した光と、ハーフミラー140及び参照ミラー138で反射した光とが干渉する。干渉によって得られた光には、干渉対物レンズ124とチップ14の下面との間の距離に応じた干渉縞が生じる。
下方撮像カメラ108は、この干渉によって得られた光を撮像素子122が検出し、撮像素子122が干渉縞を含んだ画像を撮像する。撮像素子122は、例えば、CCD(Charge-Coupled Device)撮像素子又はCMOS(Complementary MOS)撮像素子である。下方撮像カメラ108は、撮像素子122が撮像した干渉縞を含んだ画像を制御ユニット400に出力する。制御ユニット400は、撮像素子122が撮像した干渉縞を含んだ画像の干渉縞の強度に基づいて、チップ14の裏面11-2の微細な凹凸を検出できる。
なお、実施形態1では、下方撮像カメラ108は、ミラウ型の干渉対物レンズ124を備えるが、本発明では、干渉対物レンズ124は、ミウラ型に限定されずに、例えば、マイケルソン型又はリニク型の干渉対物レンズでも良い。
なお、干渉対物レンズ124を備える下方撮像カメラ108の撮像の精度は、試験装置1の振動による影響を受けやすい。そのため、試験装置1は、図5及び図6に示すように、防振部材110を設けて装置本体2から下方撮像カメラ108への振動の伝達を抑制するとともに、アーム74の第1支持部77と第2支持部78とを分離して第1支持部77の振動がコレット76に伝わることを防止する。
前述した構成の下方撮像カメラ108は、コレット76に吸引保持されたチップ14の裏面11-2を撮像し、撮像して得た画像を制御ユニット400に出力する。また、下方撮像カメラ108は、チップ反転機構150により上下が反転されかつ裏面11-2側がコレット76に吸引保持されたチップ14の表面11-1を撮像し、撮像して得た画像を制御ユニット400に出力する。
(側方撮像ユニット)
図9は、図1に示された試験装置の側方撮像ユニット及びチップ反転機構の概略の構成を示す斜視図である。図10は、図9に示されたチップ反転機構がチップを反転する状態を示す斜視図である。図11は、図10に示されたチップ反転機構がチップを反転した状態を示す斜視図である。
側方撮像ユニット112は、チップ14を側方から即ちチップ14の側面を撮像するものである。側方撮像ユニット112は、下方撮像ユニット102のY軸方向の隣りに配置され、実施形態1では、下方撮像ユニット102よりも突き上げ機構50から離れた側に配置されている。
側方撮像ユニット112は、図9に示すように、チップ14を支持する柱状のチップ支持台114と、チップ14の側面を撮像する側面撮像カメラ116とを備える。
チップ支持台114は、装置本体2から上方に向かって延びており、下方撮像カメラ108とY軸方向に並ぶ位置(即ち、コレット76の移動経路と重なる位置)に配置されている。チップ支持台114は、上面が水平方向と平行に平坦に形成され、上面上にピックアップ機構70のコレット76により搬送されたチップ14を支持する。また、チップ支持台114は、図示しない回転駆動源と接続されており、回転駆動源によりZ軸方向と平行な軸心回りに回転する。
側面撮像カメラ116は、チップ支持台114の上面上に配置されたチップ14の側面を撮影可能な位置に配置されている。側面撮像カメラ116は、チップ14の側面を撮像する撮像素子を備えている。撮像素子は、例えば、CCD(Charge-Coupled Device)撮像素子又はCMOS(Complementary MOS)撮像素子である。側面撮像カメラ116は、チップ支持台114の上面に配置されたチップ14の側面を撮像し、撮像して得た画像を制御ユニット400に出力する。
なお、試験装置1は、コレット76の移動経路と重なる位置にチップ支持台114を設けているため、コレット76によってチップ14をチップ支持台114の上面に配置できる。
側方撮像ユニット112は、チップ支持台114によって支持されたチップ14の一側面を側面撮像カメラ116によって撮像する。その後、チップ支持台114を所定の角度回転させた後、側面撮像カメラ116によってチップ14の他の側面を撮像する。このようにして、側方撮像ユニット112は、側面撮像カメラ116によってチップ14の全ての側面(例えば、チップ14の4辺の側面)が撮像し、チップ14の厚さや、チップ14に形成された欠け(チッピング)の大きさ等を含んだ画像を得て、得た画像を制御ユニット400に出力する。また、側方撮像ユニット112は、チップ支持台114の回転角度を制御することにより、チップ14が強度測定機構200に配置される際における、チップ14の水平方向の向き(角度)を調整できる。
上記の下方撮像ユニット102及び側方撮像ユニット112により、チップ観察機構100は、コレット76にピックアップされたチップ14の表面11-1、裏面11-2及び側面を撮像する。なお、本発明では、チップ14の側面を撮像する側面撮像カメラ116は、コレット76によって保持された状態のチップ14の側面を撮像可能な位置に設けられていてもよい。この場合、チップ14をチップ支持台114で支持することなくチップ14の側面を観察できるため、チップ14をチップ支持台114上に配置することによってチップ14の裏面11-2等が傷つくことを防止できる。
チップ反転機構150は、図9に示すように、側方撮像ユニット112のチップ支持台114の上方に配置されている。チップ反転機構150は、先端部でチップ14を保持した状態で、X軸方向と平行な軸心回りに基底部151を180°回転可能に構成されている。
チップ反転機構150は、Y軸方向及びZ軸方向と平行な板状の基底部151と、基底部151の側面からX軸方向に沿ってチップ支持台114及び側面撮像カメラ116側に向かって延びた板状の接続部152と、接続部152の側面撮像カメラ116寄りの先端部に設けられた矩形状のチップ保持部153とを備える。
チップ保持部153は、接続部152の先端部に重ねられている。チップ保持部153は、チップ14の形状に対応して矩形状に形成されており、上面が図示しない真空吸引源により吸引されてチップ14を吸引保持する。
チップ反転機構150は、チップ保持部153が接続部152の下方に配置されてチップ支持台114の上面とZ軸方向に対向する図10中に実線で示す位置と、チップ保持部153が接続部152の上方に配置されてチップ支持台114の上面とY軸方向に並ぶ図10中に二点鎖線で示す位置と亘って、基底部151がX軸方向と平行な軸心回りに図示しない回転駆動源により180°回転される。
チップ反転機構150は、チップ14の上下に反転する際、チップ14を支持したチップ支持台114の上面に対して、図10中に二点鎖線で示す位置から基底部151を180°回転させて、図10中に実線で示す位置に位置付ける。チップ反転機構150は、チップ保持部153をチップ支持台114に支持されたチップ14と対向させてチップ14の上面と接触させる。
チップ反転機構150は、チップ保持部153の上面にチップ14を吸引保持し、図11に示すように、基底部151を180°回転させる。チップ反転機構150は、チップ14の上下を反転する。
チップ反転機構150により反転されたチップ14は、ピックアップ機構70のコレット76により吸引保持されて、チップ保持部153の吸引保持が停止した後、第2移動機構80に移動されるコレット76により下方撮像ユニット102上又は強度測定機構200に搬送される。このように、チップ反転機構150は、チップ14の上下を反転する。
前述した構成のチップ観察機構100は、チップ反転機構150で反転し、チップ支持台114を軸心回りに回転することで、下方撮像カメラ108でチップ14の表面11-1及び裏面11-2を撮像し、側面撮像カメラ116でチップ14の全ての側面を撮像して、撮像して得た画像を制御ユニット400に出力する。制御ユニット400は、チップ観察機構100の撮像カメラ108,116が撮像して得た画像からチップ14の寸法(X軸方向の寸法及びY軸方向の寸法)、表面11-1及び裏面11-2それぞれの各外縁に生じた各チッピングの大きさ、裏面11-2の面粗さ(算出平均粗さSa)を算出する。このように、実施形態では、チップ観察機構100は、ピックアップ機構70でピックアップされたチップ14の寸法(X軸方向の寸法及びY軸方向の寸法)、表面11-1及び裏面11-2それぞれの各外縁に生じた各チッピングの大きさ、裏面11-2の面粗さ(算出平均粗さSa)を計測する計測手段である。
図12は、図1に示された試験装置の強度測定機構を示す斜視図である。図13は、図12に示された強度測定機構の支持ユニットの斜視図である。図14は、図13に示された支持ユニットがチップを支持した状態を示す断面図である。図15は、図14に示されたチップが支持台の支持部に接触した状態を示す断面図である。図16は、図15に示されたチップが破壊された状態を示す断面図である。
強度測定機構200は、ピックアップ機構70でピックアップされたチップ14の抗折強度を計測する計測手段である。強度測定機構200は、チップ観察機構100とY軸方向の隣りに配置され、実施形態1では、チップ観察機構100よりも突き上げ機構50から離れた側に配置されている。また、実施形態1では、強度測定機構200は、コレット76の移動経路と重なる位置に配置されている。
強度測定機構200は、図12に示すように、下部容器201と、支持ユニット210と、押圧ユニット220と、破片排出ユニット260とを備える。下部容器201は、装置本体2上に配置され、上側に開口部202が形成された箱状に形成されている。
支持ユニット210は、ピックアップ機構70のコレット76によりピックアップされかつチップ観察機構100により表面11-1、裏面11-2及び側面が撮像されたチップ14を支持するものである。支持ユニット210は、下部容器201内に収容され、コレット76の移動経路と重なる位置に配置されている。このために、第2移動機構80は、コレット76を突き上げ機構50にZ軸方向に対向する位置から支持ユニット210にZ軸方向に対向する位置に移動する。
支持ユニット210は、図13に示すように、チップ14を支持する一対の支持台211と、一対の支持台211それぞれのX軸方向における位置と一対の支持台211間の隙間212の幅とを変更する支持台移動機構219とを備える。
一対の支持台211は、それぞれ直方体状に形成され、互いにX軸方向に間隔をあけて配置され、互いの間に隙間212が設けられている。また、一対の支持台211は、上面の長手方向がY軸方向に沿って配置されている。一対の支持台211は、双方の上面側に抗折強度が測定されるチップ14がコレット76等により配置される。なお、実施形態1では、支持台211は、チップ14の裏面11-2側が載置される。
一対の支持台211は、それぞれ上面の互いに隣接する縁部に上方に突出する柱状(棒状)の支持部213が形成され、上面の前述した縁部以外が接触部材214で被覆されている。支持部213は、例えばステンレス鋼材等の金属でなり、Y軸方向と平行に配置され、チップ14の裏面11-2側を支持する。なお、実施形態1では、支持部213の上面の断面形状は、上方に凸の曲面に形成されている。
接触部材214は、支持部213よりも柔軟な材質(例えば、スポンジゴム等)により構成され、厚みが一定の板状に形成されている。接触部材214は、平面形状が矩形状に形成され、変形していない状態の厚みが支持部213の上面からの突出量よりも厚い。
接触部材214は、上面にチップ14の裏面11-2が重ねられて、チップ14を支持する。なお、実施形態1では、変形していない状態の接触部材214の上面は、支持部213の上端よりも1mm程度上方に配置される。このために、支持台211上に配置されたチップ14は、裏面11-2が支持部213から間隔をあけて、接触部材214の上面に接触する。
支持台移動機構219は、各支持台211をX軸方向に移動させるものであって、装置本体2に固定された固定板215に回転自在に設けられたボールねじ216と、ボールねじ216を回転するモータ217と、各支持台211をX軸方向に移動自在に支持するガイドレール218とを備える。
押圧ユニット220は、支持ユニット210に支持されたチップ14を圧子227で押圧し、チップ14の押圧時に押圧ユニット220にかかる荷重を測定するとともに、支持ユニット210に支持されたチップ14を押圧して破壊するものである。押圧ユニット220は、下部容器201の上方に設けられている。
押圧ユニット220は、図12に示すように、移動機構230と、移動基台221と、圧子227と、上部容器240と、エアー供給ユニット250とを備える。
移動機構230は、装置本体2から上方に延びて装置本体2に固定された支持板231と、支持板231に軸心回りに回転自在に支持されたボールねじ232と、ボールねじ232を軸心回りに回転するモータ233と、移動基台221をZ軸方向に移動自在に支持するガイドレール234とを備える。
支持板231、ボールねじ232及びガイドレール234の長手方向は、Z軸方向と平行である。ボールねじ232は、移動基台221に設けられたねじ孔に螺合している。ガイドレール234は、支持板231に取り付けられている。移動機構230は、モータ233がボールねじ232を軸心回りに回転することで、移動基台221をZ軸方向に移動する。
移動基台221は、直方体状に形成され、下面側に下方に延びた円筒状の第1支持部材222が接続されており、第1支持部材222の下端側にロードセル等でなる荷重計測器223が固定されている。荷重計測器223は、圧子227がチップ14を押圧するときの荷重を計測し、計測結果を制御ユニット400に出力する。
荷重計測器223の下側には、円筒状の第2支持部材224を介して挟持部材225が取り付けられている。挟持部材225は、正面視で略門型形状に形成されており、互いに対向する一対の挟持面226間に支持ユニット210によって支持されたチップ14を押圧する圧子227が固定されている。
圧子227は、下方に向かうにしたがって幅が狭くなる先細りの板状に形成され、下端が下側に凸の曲面に形成されている。なお、本発明では、圧子227の形状は、これに限定されない。圧子227は、下端がY軸方向と平行に挟持部材225により支持され、下端が一対の支持台211間の隙間212の上方に配置される。
また、移動基台228の両側面には、板状に形成された一対の接続部材229が取り付けられている。接続部材229は、移動基台228の側面から下方に向かって延び、下端が挟持部材225の下端よりも下方に配置されている。
上部容器240は、接続部材229の下端に取り付けられ、下方に開口部を有して、支持ユニット210の一対の支持台211を収容可能な箱状に形成されている。また、上部容器240は、挟持部材225の下方に配置され、圧子227を通すことが可能な圧子挿入孔241が設けられている。
上部容器240は、例えば透明な材質(ガラス、プラスチック等)により構成されている。また、上部容器240は、開口部202を通して下部容器201内に侵入可能な大きさに形成されている。このために、移動機構230によって押圧ユニット220が下方に移動されると、上部容器240は、下部容器201に挿入され、支持ユニット210の上側を覆う。
エアー供給ユニット250は、圧子227の先端部にエアーを吹き付けるものである。エアー供給ユニット250は、圧子227に向かってエアーを噴射するノズル251と、ノズル251に開閉弁252を介してエアーを供給するエアー供給源253とを備える。
ノズル251は、パイプ状に形成され、上部容器240のノズル挿入穴内に通されて、先端が上部容器240内の圧子227の先端部に対向する。エアー供給ユニット250は、ノズル251からエアーを圧子227の先端部に吹き付けて、圧子227の先端部、接触部材214の上面等に付着した異物を除去する。
破片排出ユニット260は、下部容器201の内部に存在するチップ14の破片141(図16に示す)を排出するものである。破片排出ユニット260は、チップ14の破片141を排出するための経路を構成する破片排出路261と、破片排出路261に開閉弁262を介して接続した吸引源263とを備える。
破片排出路261は、一端が下部容器201の底部を貫通した破片排出口に接続し、他端が開閉弁262を介して吸引源263に接続されている。また、破片排出路261には、チップ14の破片141を回収するフィルター等を備える破片回収部264が設けられている。
破片排出ユニット260は、開閉弁262が開いて、吸引源263が破片排出路261を吸引することで、破片141を下部容器201外に排出し、破片回収部264で回収する。
また、強度測定機構200は、下部容器201内を撮像する撮像カメラ270を備えている。撮像カメラ270は、支持ユニット210によって支持されたチップ14、圧子227の先端部等を撮像するものである。
強度測定機構200は、チップ14の抗折強度を測定する際は、移動基台221と圧子227と上部容器240等を移動機構230により上方に位置付けた状態で、支持台移動機構219により一対の支持台211のX軸方向における位置を調整するとともに、チップ14の寸法等に応じた幅の隙間212を一対の支持台211間に形成する。強度測定機構200は、一対の支持台211上にコレット76等によりチップ14が載置される。このときチップ14は、両端部が一対の支持台211によって支持され、中央部が隙間212と重なる。
なお、チップ14を一対の支持台211上に配置する際にチップ14の裏面11-2側が支持部213と接触すると、配置の際の衝撃によってチップ14の裏面11-2側が傷つくことがある。この場合、チップ14の抗折強度が変化してしまい、複数のチップ14の抗折強度を同一の条件で測定することが困難になることがある。
このため、実施形態1では、強度測定機構200は、支持台211の上面側に柔軟な材料でなる接触部材214を設けて、接触部材214の上面が支持部213の上端よりも上方に位置する。実施形態1では、強度測定機構200は、チップ14を一対の支持台211上に配置すると、チップ14が支持部213に接触することなく接触部材214の上面と接触し、上面で支持される。これにより、強度測定機構200は、チップ14を配置する際にチップ14の裏面11-2側が支持部213と接触して傷つくことを防止でき、チップ14の抗折強度の変化を抑制できる。
強度測定機構200は、移動基台221と圧子227と上部容器240等を移動機構30により降下させて、図14に示すように、上部容器240を下部容器201内に挿入し、上部容器240で一対の支持台211の上側を覆う。
強度測定機構200は、圧子227等を移動機構30によりさらに降下させて、圧子227の先端をチップ14の表面11-1側に接触させ、チップ14を圧子227により押圧する。また、チップ14の押圧によって圧子227にかかる荷重(Z軸方向の力)が、荷重計測器223によって計測され、計測結果が適宜制御ユニット400に出力される。
強度測定機構200は、圧子227等を更に降下させて、チップ14を圧子227により更に押圧し、チップ14を支持する接触部材214を変形させるとともにチップ14を撓ませる。その結果、図15に示すように、チップ14の裏面11-2側が支持台211の支持部213と接触して、チップ14が一対の支持部213によって支持され、チップ14を押圧する圧子227にかかる荷重が増大する。なお、このとき、接触部材214の柔軟性によっては、接触部材214の変形のみが生じチップ14の撓みが生じない場合もある。
強度測定機構200は、圧子227を更に降下させ、圧子227からチップ14に付与される押圧力を所定の値を超えさせて、図16に示すように、チップ14を破壊する。チップ14が破壊されると、荷重計測器223によって測定される荷重が最大値からゼロになる。そのため、強度測定機構200は、荷重計測器223によって測定された荷重の値の変化からチップ14が破壊されたタイミングを検出できる。また、荷重計測器223によって測定された荷重の最大値が、チップ14の抗折強度に対応する。
チップ14が破壊されると、チップ14の破片141が飛散する。ここで、チップ14が圧子227によって押圧される際には、図16に示すように、上部容器240がチップ14及び支持ユニット210の一対の支持台211の上側を覆っている。その結果、チップ14の破片141が強度測定機構200の外部に飛散することが防止される。
上記のように、上部容器240によって破片141の飛散が防止されるため、チップ14の抗折強度の試験を行う際、強度測定機構200のオペレータはゴーグル等の保護具の着用を省略できる。これにより、保護具の着用による強度測定機構200の構成要素(圧子227等)やチップ14の視認性の低下が防止される。
なお、圧子227によってチップ14を押圧すると、圧子227に異物(チップ14の破片141等)が付着することがある。この異物は試験の精度に影響を与えることがあるため、除去されることが好ましい。実施形態1では、強度測定機構200は、チップ14の抗折強度の計測を行った後には、エアー供給ユニット250によって圧子227にエアーを吹き付け、圧子227に付着した異物を除去する。なお、本発明では、エアー供給ユニット250を用いて圧子227等から異物を除去するタイミングに制限はない。例えば、異物の除去は、一のチップ14の試験が完了した後、次のチップ14の試験が行われるまでの間に、必要に応じて実施される。
また、圧子227の先端部に向かって噴射されたエアーは、上部容器240の内部を流動し、一対の支持台211上にも吹き付けられる。その結果、支持部213や接触部材214の上面に付着した異物(チップ14の破片141等)がエアーによって吹き飛ばされて除去される。これにより、次の試験を行う際、チップ14の裏面11-2側に異物が接触してチップ14が傷つくことを防止できる。
なお、ノズル256の先端が支持台211の上面に向かって配置されていると、ノズル256から噴射されたエアーが支持台211の上面側に強く吹き付けられる。この場合、支持部213や接触部材214に付着した異物が、エアーによって吹き飛ばされて上部容器240の内部で舞い上がった後、再度支持部213や接触部材214に付着することがある。この場合、異物が接触部材214の上面から適切に除去されにくい。
一方、実施形態1に係る強度測定機構200は、ノズル256の先端が圧子227の先端部に向かってエアーを吹き付けるため、支持台211の上面に吹き付けられるエアーの勢いが適度に弱められる。これにより、強度測定機構200は、異物を接触部材214の上面側から適切に除去できる。
チップ14の試験やエアー供給ユニット250による異物の除去を繰り返すと、下部容器201の内部にはチップ14の破片141が蓄積される。そこで、実施形態1では、強度測定機構200は、破片排出ユニット260を用いて下部容器201の内部に蓄積された破片141を回収する。強度測定機構200は、破片排出ユニット260を用いると、下部容器201の開口部202の内部を手作業で清掃することなく、破片141を素早く除去できる。
なお、強度測定機構200では、上部容器240が下部容器201の開口部202よりも小さく形成されており、また、上部容器240には圧子227が挿入される圧子挿入孔241等が形成されている。このため、強度測定機構200は、上部容器240を下部容器201に向かって降下させても、下部容器201の開口部202は上部容器240によって密閉されないので、破片排出口からチップ14の破片141を吸引する際、開口部202に外気が容易に取り込まれ、チップ14の破片141の吸引を円滑に行うことができる。
以上のように、強度測定機構200は、チップ14の3点曲げ試験を行うことができ、この3点曲げ試験により、チップ14の曲げ強度(抗折強度)を計測し、計測結果を制御ユニット400に出力する。
(制御ユニット)
図17は、図1に示された試験装置の制御ユニットが記憶する計測結果データの一例を示す図である。図18は、図1に示された試験装置の表示ユニットが表示する結果画面の一例を示す図である。
制御ユニット400は、試験装置1の上述した各ユニットをそれぞれ制御して、各チップ14に対する試験動作を試験装置1に実施させるものである。具体的には、制御ユニット400は、搬出入ユニット5を制御して試験前のウェーハ10を含むウェーハユニット17をカセット4から搬出させて一対の仮置きレール6上に仮置きさせ、搬出入ユニット5を制御して、仮置きレール6上に仮置きされたウェーハユニット17の環状フレーム16をフレーム固定ユニット7の降下したフレーム支持部材18上に載置させる。制御ユニット400は、フレーム固定ユニット7を制御して、フレーム支持部材18を上昇させて、ウェーハユニット17をフレーム固定ユニット7で固定した後、移動機構30を制御して、フレーム固定ユニット7により固定されたウェーハユニット17を突き上げ機構50上に位置付ける。
制御ユニット400は、撮像カメラ60にフレーム固定ユニット7に固定されたウェーハユニット17のウェーハ10を撮像させる。制御ユニット400は、ウェーハ10の所定のチップ14と突き上げ機構50との位置合わせを遂行し、突き上げ機構50及びピックアップ機構70等を制御して所望のチップ14をピックアップして、チップ観察機構100を制御して表面11-1、裏面11-2及び側面を撮像してこれらの画像を取得した後、強度測定機構200を制御してチップ14を圧子227等で破壊する。
制御ユニット400は、移動機構30を制御して、突き上げ機構50に対するウェーハユニット17の位置を調整して、チップ14を順にピックアップし、画像の取得、破壊を順に実施する。制御ユニット400は、全てのチップ14の画像の取得、破壊を実施すると、移動機構30を制御して、フレーム固定ユニット7を仮置きレール6とY軸方向に並ぶ位置に位置付ける。制御ユニット400は、フレーム固定ユニット7のウェーハユニット17の固定を停止し、搬出入ユニット5等を制御して、チップ14がピックアップ除去されたウェーハユニット17をカセット4内に収容する。
なお、制御ユニット400は、CPU(central processing unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(read only memory)又はRAM(random access memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インターフェース装置とを有するコンピュータである。制御ユニット400の演算処理装置は、記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施して、試験装置1を制御するための制御信号を、入出力インターフェース装置を介して試験装置1の上述した各ユニットに出力する。
また、制御ユニット400は、各チップ14の表面11-1、裏面11-2及び側面の画像から各チップ14の寸法(X軸方向の寸法及びY軸方向の寸法)、表面11-1及び裏面11-2それぞれの各外縁に生じた各チッピングの大きさ、裏面11-2の面粗さ(算出平均粗さSa)を算出する。また、制御ユニット400は、強度測定機構200の荷重計測器223の計測結果から各チップ14の抗折強度を算出する。こうして、試験装置1のチップ観察機構100及び強度測定機構200は、チップ14の抗折強度、寸法、面粗さチッピングのうち複数の項目を計測する。
制御ユニット400は、各ウェーハ10の複数のチップ14の計測結果を図17に例示する計測結果データ500として記憶装置に記憶する。即ち、実施形態1では、制御ユニット400は、各ウェーハ10毎に図17に示す計測結果データ500を生成して、記憶装置に記憶する。
なお、図17に示す計測結果データ500は、各チップ14の番号を示すチップ番号501と、各チップ14の位置502と、各チップ14の抗折強度503、各チップ14の裏面11-2の面粗さ(算出平均粗さSa)504と、表面側チッピングデータ506と、裏面側チッピングデータ507と、各チップ14の破壊時の荷重計測器の計測データ508と、各チップ14の側面を側面撮像カメラ116で撮像して得た画像である側面画像509と、各チップ14の裏面11-2を下方撮像カメラ108で撮像して得た画像である裏面画像510と、各チップ14の寸法511とを対応付けている。
なお、図17に示す計測結果データ500の各チップ14の位置502は、ウェーハ10の所定位置(基準位置ともいう)として1とし、基準位置からのX軸方向及びY軸方向にいくつ目のチップ14であるかを示している。表面側チッピングデータ506は、各チップ14の表面11-1側のX軸方向と平行な外縁の各チッピングの大きさを示す情報と各チップ14の表面11-1側のY軸方向と平行な外縁の各チッピングの大きさを示す情報を含んでいる。裏面側チッピングデータ507は、各チップ14の裏面11-2側のX軸方向と平行な外縁の各チッピングの大きさを示す情報と各チップ14の裏面11-2側のY軸方向と平行な外縁の各チッピングの大きさを示す情報を含んでいる。
荷重計測器の計測データ508は、所定時間毎の荷重計測器223の計測結果である荷重を示す情報を含んでいる。即ち、荷重計測器の計測データは、計測開始からの経過時間と、荷重計測器223の計測結果である荷重とを1対1で対応付けている。側面画像509は、側面撮像カメラ116が撮像して得た全ての側面の画像を合成した画像である。裏面画像510は、下方撮像カメラ108が撮像して得た裏面11-2の画像を算術平面粗さの範囲毎に異なる色で示す画像である。なお、本明細書に添付された図面では、色の違いを網掛けの密(粗)の度合いで示している。
また、試験装置1は、制御ユニット400に接続されかつ加工動作の状態や画像などを表示する表示画面301を有する表示手段である表示ユニット300(図1に示す)と、制御ユニット400に接続されかつオペレータが試験装置1の制御ユニット400に情報などを入力する際に用いる入力手段であるタッチパネル302とを備えている。表示ユニット300は、液晶表示装置などにより構成される。タッチパネル302は、表示ユニット300の表示画面301に重ねられる。このために、表示ユニット300は、タッチパネル302を備える。
表示ユニット300は、タッチパネル302などから受け付けたオペレータの操作に基づいて制御ユニット400により制御されることにより、チップ観察機構100及び強度測定機構200で計測された計測結果を図18に示す結果画面600として表示画面301に表示する。
結果画面600は、ウェーハ10のチップ14の計測結果を示すものである。結果画面600は、全体像表示領域601と、選択チップ計測結果表示領域610と、切り替え部である切り替え領域650とを備える。
全体像表示領域601は、表示画面301の中央に設定され、チップ14毎に細分化されたウェーハ10の表面11-1の全体像602を表示するものである。実施形態1では、全体像表示領域601は、各チップ14がピックアップされる前のウェーハ10の表面11-1の全体像602を中央に配置し、各チップ14のX軸方向の位置を示すX軸方向座標603と、各チップ14のY軸方向の位置を示すY軸方向座標604とを全体像602の外側に配置している。なお、X軸方向座標603とY軸方向座標604とで示される各チップ14の位置は、図17に示す計測結果データの各チップ14の位置502と対応している。
選択チップ計測結果表示領域610は、全体像表示領域601に表示されたウェーハ10の全体像602の複数のチップ14のうちオペレータにより選択されたチップ14の計測結果を表示する領域である。実施形態1では、選択チップ計測結果表示領域610は、図18に示すように、選択されたチップ14の位置、抗折強度、裏面11-2の面粗さ(算出平均粗さSa)及びチッピングの状態を示す第1結果表示領域611と、選択されたチップ14の荷重計測器223の計測結果を表示する第2結果表示領域621と、選択されたチップ14の側面画像509を表示する第3結果表示領域631と、選択されたチップ14の裏面画像510を表示する第4結果表示領域641とを備える。
実施形態1では、第1結果表示領域611は、全体像表示領域601の左側に設定されている。第1結果表示領域611に表示されるチッピングの状態は、例えば、第1の大きさである0μmを超え10μm以下のチッピングの個数を示す第1チッピング表示領域612と、第1の大きさよりも大きな第2の大きさである10μmを超え20μm以下のチッピングの個数を示す第2チッピング表示領域613とに分けられて表示される。なお、本発明では、チッピング表示領域612,613は、3つ以上設けられても良い。各チッピング表示領域612,613では、表面11-1側のX軸方向と平行な一方の外縁に形成されたチッピングの個数を図18中の「X1」で示す領域に表示し、表面11-1側のX軸方向と平行な他方の外縁に形成されたチッピングの個数を図18中の「X2」で示す領域に表示し、表面11-1側のY軸方向と平行な一方の外縁に形成されたチッピングの個数を図18中の「Y1」で示す領域に表示し、表面11-1側のY軸方向と平行な他方の外縁に形成されたチッピングの個数を図18中の「Y2」で示す領域に表示する。実施形態1では、各チッピング表示領域612,613に表面11-1側のチッピングの個数を示すが、本発明では、選択チップ計測結果表示領域610は、裏面11-2側のチッピングの個数を示しても良い。
なお、第1結果表示領域611が表示する計測結果は、計測結果データ500の各チップ14の位置502と、各チップ14の抗折強度503、各チップ14の裏面11-2の面粗さ(算出平均粗さSa)504と、表面側チッピングデータ506と対応している。
実施形態1では、第2結果表示領域621は、第1結果表示領域611の下方に設定され、第3結果表示領域631は、全体像表示領域601の下方に設定され、第4結果表示領域641は、第3結果表示領域631の右側に設定されている。第2結果表示領域621は、横軸を計測開始からの経過時間とし、荷重計測器223の計測した荷重を縦軸として、荷重計測器223の計測結果を表示する。第2結果表示領域621が表示する計測結果は、計測結果データ500の各チップ14の破壊時の荷重計測器の計測データ508と対応している。第3結果表示領域631が表示する計測結果は、計測結果データ500の側面画像509と対応している。第4結果表示領域641が表示する計測結果は、計測結果データ500の裏面画像510と対応している。なお、実施形態1において、第4結果表示領域641に表示される裏面画像510は、凹凸の範囲毎に異なる色で表示し、図18には、凹凸が小さくなるにしたがって密な網掛けで示し、凹凸が大きくなるにしたがって粗な網掛けで示している。
切り替え領域650は、全体像表示領域601のウェーハ10の全体像602の各チップ14上に表示する計測結果の項目を切替えるものであって、実施形態1では、全体像表示領域601の右側に設定されている。実施形態1では、切り替え領域650は、全体像表示領域601の各チップ14上に各チップ14の項目の一例である抗折強度を表示するための抗折強度表示領域651と、全体像表示領域601の各チップ14上に各チップ14の項目の一例である面粗さを表示するための面粗さ表示領域652と、全体像表示領域601の各チップ14上に各チップ14の項目の一例であるチッピングの状態を表示するためのチッピング表示領域653と、全体像表示領域601の各チップ14上に各チップ14の項目の一例である寸法を表示するためのサイズ表示領域654と、表示領域651,652,653,654のいずれかが選択された時の各チップ14上の計測結果の範囲を示す範囲表示領域655とを備えている。
抗折強度表示領域651は、全体像表示領域601の各チップ14上に各チップ14の抗折強度を表示する際に操作される領域である。面粗さ表示領域652は、全体像表示領域601の各チップ14上に各チップ14の面粗さを表示する際に操作される領域である。チッピング表示領域653は、全体像表示領域601の各チップ14上に各チップ14のチッピングの状態を表示する際に操作される領域である。実施形態1では、チッピング表示領域653が操作されると全体像表示領域601の各チップ14上に各チップ14のチッピングの状態である各チップ14のチッピングの合計個数を示す。サイズ表示領域654は、全体像表示領域601の各チップ14上に各チップ14の寸法を表示するための領域である。実施形態1では、サイズ表示領域654が操作されると、全体像表示領域601の各チップ14上に各チップ14の正規の寸法からの誤差の総計(X軸方向の誤差とY軸方向の誤差との和)を示す。こうして、タッチパネル302の切り替え領域650は、表示ユニット300で表示される複数の項目である計測結果のうちの第1の項目を表示する結果画面600と第2の項目を表示する結果画面600とを切り替えるものである。
範囲表示領域655は、計測結果のレベルである範囲656を複数設定している。例えば、図18に示す例では、抗折強度の範囲656を示し、800Mpa以上でかつ900Mpa未満の範囲656と、700Mpa以上でかつ800Mpa未満の範囲656と、600Mpa以上でかつ700Mpa未満の範囲656と、500Mpa以上でかつ600Mpa未満の範囲656と、400Mpa以上でかつ500Mpa未満の範囲656とが設定され、各範囲656と互いに異なる色657とを1対1で対応付けている。
全体像表示領域601は、各チップ14の色を、範囲表示領域655において各チップ14の計測結果が含まれる範囲656と対応付けられた色657で表示する。このように、チップ観察機構100及び強度測定機構200の計測結果は、レベルである範囲656に応じて異なる色657が設定され、結果画面600は、チップ14がピックアップされる前のウェーハ10の全体像602上の位置のチップ14を計測結果の範囲656に応じて設定された色657で表示する。こうして、結果画面600は、チップ14がピックアップされる前のウェーハ10の全体像602上の位置にチップ観察機構100及び強度測定機構200で計測された計測結果を表示する。
なお、図18は、各範囲656が対応付けられた色657及びチップ14の色を、計測結果が悪いもの程、粗な網掛けで示している。即ち、図18は、例えば、抗折強度が低いチップ14程、粗な網掛けで示し、抗折強度が高いチップ14程、密な網掛けで示している。また、図18では、結果画面600は、ウェーハ10の各チップ14の計測中にも表示することができ、未測定のチップ14を白地で示し、存在しなかったチップ14及びピックアップできなかったチップ14を黒地で示している。
また、制御ユニット400は、図1などに示すように、ウェーハ10のチップ14の正規の情報を記憶する正規情報記憶部401と、表示画面111に表示する結果画面600を設定する結果画面設定部402とを備えている。実施形態1では、正規情報記憶部401は、正規のウェーハ10の各チップ14が形成される正規の位置、チップ14の正規の寸法等のウェーハ10及びチップ14の正規の情報をタッチパネル302を介して受け付けて記憶する。
結果画面設定部402は、結果画面600を表示画面111に表示させるためのプログラム等を記憶している。結果画面設定部402は、結果画面600の全体像表示領域601に表示するウェーハ10の全体像を生成する全体像生成部403と、選択チップ計測結果表示領域610に表示する情報を生成するチップ情報生成部404と、結果画面600の全体像表示領域601に表示するウェーハ10の全体像602の各チップ14が表示する計測結果に関する情報を生成する計測結果生成部405とを備える。
全体像生成部403は、正規情報記憶部401に記憶されたウェーハ10及びチップ14の正規の情報を参照して、ウェーハ10の全体像602を生成する。
チップ情報生成部404は、タッチパネル302の検出結果に基づいて、結果画面600の全体像表示領域601に表示されたウェーハ10の全体像602の複数のチップ14のうちのいずれかがオペレータにより選択されると、オペレータにより選択されたチップ14を抽出する。各チップ情報生成部404は、図17に示す計測結果データ500を参照して、抽出したチップ14の計測結果を選択し、選択チップ計測結果表示領域610の各結果表示領域611,621,631,641に表示する情報を生成する。各チップ情報生成部404は、生成した情報を選択チップ計測結果表示領域610の各結果表示領域611,621,631,641に表示する。こうして、試験装置1は、表示ユニット300の表示画面301に表示された結果画面600の全体像表示領域601に表示するウェーハ10の全体像602のいずれかのチップ14を操作して選択することで、選択したチップ14の計測結果を選択チップ計測結果表示領域610の各結果表示領域611,621,631,641に表示することができる。
計測結果生成部405は、タッチパネル302の検出結果に基づいて、結果画面600の切り替え領域650の抗折強度表示領域651と面粗さ表示領域652とチッピング表示領域653とサイズ表示領域654とのうちのいずれかがオペレータにより選択されると、オペレータにより選択された表示領域651,652,653,654を抽出する。計測結果生成部405は、図17に示す計測結果データ500を参照して、抽出した表示領域651,652,653,654が表示する全てのチップ14の計測結果を選択し、範囲表示領域655に予め設定された範囲656に対応付けられた色657等の情報を参照して、全体像表示領域601に表示するウェーハ10の全体像602の各チップ14に表示する情報を生成する。計測結果生成部405は、生成した情報を全体像表示領域601に表示するウェーハ10の全体像602の各チップ14に表示する。
こうして、試験装置1は、切り替え領域650のいずれかの表示領域651,652,653,654を操作して選択することで、選択した表示領域651,652,653,654が表示する計測結果が含まれる範囲656に対応付けられた色657で、全体像表示領域601のウェーハ10の全体像602の各チップ14を表示することができる。また、前述したように、結果画面600は、各チップ14を色657で表示することで、チップ14がピックアップされる前のウェーハ10の全体像602上の位置にチップ観察機構100及び強度測定機構200で計測された計測結果を表示する。
正規情報記憶部401の機能は、制御ユニット400の記憶装置により実現される。結果画面設定部101の全体像生成部403と、各チップ情報生成部404と、計測結果生成部405との機能は、演算処理装置が記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施することにより実現される。
以上説明したように、実施形態1に係る試験装置1は、結果画面600が、チップ14がピックアップされる前のウェーハ10の全体像602上の位置にチップ観察機構100及び強度測定機構200で計測された計測結果を表示するので、ウェーハ10の全体像602における計測結果の状況を把握でき、従来にくらべて多角的に後工程の加工条件の影響を検証することが可能となる。
また、試験装置1は、結果画面600が、ウェーハ10の全体像602上でチップ14を計測結果の範囲656に対応付けられた色657で表示して、チップ14を計測結果に応じた色657別に表示する。その結果、試験装置1は、結果画面600を一瞥してウェーハ10全体における計測結果の傾向を確認しやすいという効果を奏する。
また、試験装置1は、切り替え領域650を操作することで、結果画面600のウェーハ10の全体像602で表示する計測結果の項目を切り替えることができるので、異なる計測結果の項目同士の関連性を確認することができる。
また、試験装置1は、ウェーハ10の所定のチップ14をコレット76でピックアップした後、コレット76を第2移動機構80で移動させることにより、チップ14を強度測定機構200の支持ユニット210上に配置できる。このため、試験装置1は、チップ14のピックアップ及びチップ14の強度測定機構200への配置を手作業で行うことなく、チップ14の抗折強度を測定することが可能となる。その結果、試験装置1は、チップ14の試験を簡易化するとともに、ピックアップ動作やチップ14の配置のばらつき等に起因する試験の精度の低下を防止することができる。
〔変形例1〕
本発明の実施形態1の変形例1に係る試験装置を図面に基いて説明する。図19は、実施形態1の変形例1に係る試験装置の表示ユニットが表示する結果画面の全体像表示領域のウェーハの全体像を示す図である。なお、図19は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
実施形態1の変形例1に係る試験装置1は、図19に示すように、結果画面600の全体像表示領域601のウェーハ10の全体像602-1の各チップ14上に切り替え領域650で選択された計測結果の数値を表示すること以外、実施形態1と同じである。即ち、変形例1では、結果画面600は、全体像表示領域601の各チップ14がピックアップされる前のウェーハ10の全体像602上の位置にチップ観察機構100及び強度測定機構200で計測された計測結果を数値で表示する。なお、図19は、一例として、切り替え領域650の抗折強度表示領域651が選択されて、全体像602-1の各チップ14上に各チップ14の抗折強度の数値を示す例を示している。
変形例1では、試験装置1の計測結果生成部405は、タッチパネル302の検出結果に基づいて、結果画面600の切り替え領域650の抗折強度表示領域651と面粗さ表示領域652とチッピング表示領域653とサイズ表示領域654とのうちのいずれかがオペレータにより選択されると、オペレータにより選択された表示領域651,652,653,654を抽出する。計測結果生成部405は、図17に示す計測結果データ500を参照して、抽出した表示領域651,652,653,654が表示する全てのチップ14の計測結果を選択し、範囲表示領域655に予め設定された範囲656に対応付けられた色657等の情報を参照して、全体像表示領域601に表示するウェーハ10の各チップ14に表示する色と、計測結果データ500に記憶された各チップ14の計測結果の数値とを含んだ情報を生成する。
計測結果生成部405は、生成した情報を全体像表示領域601に表示するウェーハ10の全体像602-1の各チップ14に表示する。こうして、試験装置1は、切り替え領域650のいずれかの表示領域651,652,653,654を操作して選択することで、選択した表示領域651,652,653,654が表示する計測結果が含まれる範囲656が対応付けられた色657で、全体像表示領域601のウェーハ10の全体像602-1の各チップ14を表示するとともに、各チップ14上に計測結果の数値を表示する。
変形例1に係る試験装置1は、結果画面600が、チップ14がピックアップされる前のウェーハ10の全体像602-1上の位置にチップ観察機構100及び強度測定機構200で計測された計測結果を表示するので、実施形態1と同様に、ウェーハ10の全体像602-1における計測結果の状況を把握でき、従来にくらべて多角的に後工程の加工条件の影響を検証することが可能となる。
〔変形例2〕
本発明の実施形態1の変形例2に係る試験装置を図面に基いて説明する。図20は、実施形態1の変形例2に係る試験装置の表示ユニットが表示する結果画面の全体像表示領域を示す図である。なお、図20は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
実施形態1の変形例2に係る試験装置1は、結果画面600の全体像表示領域601-2に切り替え領域650で複数選択された計測結果に応じたウェーハ10の全体像602を表示する。即ち、変形例2では、試験装置1は、結果画面600の全体像表示領域601に複数のウェーハ10の全体像602を表示する。このように、変形例2では、表示ユニット300は、結果画面600のウェーハ10の全体像602上で選択されたチップ14に対する複数の項目の計測結果を表示する。なお、図20は、一例として、切り替え領域650の抗折強度表示領域651及び面粗さ表示領域652が選択されて、抗折強度を示すウェーハ10の全体像602と面粗さを示すウェーハ10の全体像602とを表示する例を記載している。また、本発明では、結果画面600の全体像表示領域601-2に3つ以上のウェーハ10の全体像602を表示しても良い。
変形例2では、試験装置1の計測結果生成部405は、タッチパネル302の検出結果に基づいて、結果画面600の切り替え領域650の抗折強度表示領域651と面粗さ表示領域652とチッピング表示領域653とサイズ表示領域654とのうちのいずれか複数がオペレータにより選択されると、オペレータにより選択された複数の表示領域651,652,653,654を抽出する。計測結果生成部405は、図17に示す計測結果データ500を参照して、抽出した複数の表示領域651,652,653,654が表示する全てのチップ14の計測結果を選択し、範囲表示領域655に予め設定された範囲656に対応付けられた色657等の情報を参照して、全体像表示領域601に表示する各ウェーハ10の全体像602の各チップ14に表示する色を含んだ情報を生成する。
計測結果生成部405は、生成した情報を全体像表示領域601に表示する各ウェーハ10の全体像602の各チップ14に表示する。こうして、試験装置1は、切り替え領域650の複数の表示領域651,652,653,654を操作して選択することで、選択した表示領域651,652,653,654が表示する計測結果が含まれる範囲656に対応付けられた色657で全体像表示領域601の各ウェーハ10の全体像602の各チップ14を表示する。また、変形例2に係る試験装置1は、変形例1と同様に、各チップ14上に計測結果の数値を表示しても良い。
変形例2に係る試験装置1は、結果画面600が、チップ14がピックアップされる前のウェーハ10の全体像602上の位置にチップ観察機構100及び強度測定機構200で計測された計測結果を表示するので、実施形態1と同様に、ウェーハ10の全体像602における計測結果の状況を把握でき、従来にくらべて多角的に後工程の加工条件の影響を検証することが可能となる。
変形例2に係る試験装置1は、結果画面600に選択された複数項目の計測結果を表示するウェーハ10の全体像602を表示するので、個々のチップ14の複数の計測結果を容易に把握でき、加工条件を多角的に評価することができる。
なお、本発明は、上記実施形態等に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。前述した実施形態1等では、強度測定機構200が3点曲げ試験によってチップ14の抗折強度を測定する例について説明したが、強度測定機構200によって行われる試験の内容は適宜変更できる。例えば強度測定機構200は、球抗折試験や4点曲げ試験によってチップ14の抗折強度の試験を行ってもよい。
また、実施形態1等では、試験装置1は、チップ14の抗折強度、寸法、裏面11-2の面粗さ(算出平均粗さSa)、チッピングを計測したが、本発明では、これらの項目のうち少なくともいずれか一つを計測すれば良い。