JP2001179077A - 多相エマルジョン - Google Patents

多相エマルジョン

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JP2001179077A
JP2001179077A JP36783899A JP36783899A JP2001179077A JP 2001179077 A JP2001179077 A JP 2001179077A JP 36783899 A JP36783899 A JP 36783899A JP 36783899 A JP36783899 A JP 36783899A JP 2001179077 A JP2001179077 A JP 2001179077A
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emulsion
phase
fatty acid
polyoxyethylene
aqueous phase
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Masashi Goto
昌史 後藤
Akio Maekawa
明男 前川
Tadao Nakajima
忠夫 中島
Masataka Shimizu
正高 清水
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Miyazaki Prefecture
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Sunstar Inc
Miyazaki Prefecture
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定性に優れた多相エマルジョンを提供す
る。 【解決手段】 W/O型エマルジョンを均一な孔径を有
する多孔質膜に通し、IOB値が1.3以上の界面活性
剤を配合した水相に分散させて得られる多相エマルジョ
ンであって、分散されたW/O/Wエマルジョン粒子の
平均粒径が0.1〜30μmである多相エマルジョン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、安定性に優れた多
相エマルジョン(W/O/W型エマルジョン)に関す
る。
【0002】
【従来の技術】多相エマルジョンは特定成分をマイクロ
カプセル的に内包させることができるため、従来よりあ
らゆる分野で様々な応用が期待されているが、より優れ
た安定性を有する多相エマルジョンが求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、安定性に優
れた多相エマルジョンを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、W/O型エ
マルジョンを、均一な粒径を有する多孔質膜を通して、
特定のIOB値の界面活性剤を含有する溶液に分散する
ことにより得られた多相エマルジョンであって、W/O
/Wエマルジョン粒子の平均粒径が特定の範囲内である
多相エマルジョン(W/O/W型エマルジョン)は、極
めて優れた安定性を有していることを見出し、本発明を
完成した。
【0005】即ち、本発明は、下記の各項に示す発明を
提供するものである。
【0006】項1 W/O型エマルジョンを均一な孔径
を有する多孔質膜に通し、IOB値が1.3以上の界面
活性剤を配合した水相に分散させて得られる多相エマル
ジョンであって、分散されたW/O/Wエマルジョン粒
子の平均粒径が0.1〜30μmである多相エマルジョ
ン。
【0007】項2 界面活性剤が、ポリオキシアルキレ
ン飽和脂肪アルコールエーテル、ポリオキシアルキレン
不飽和脂肪アルコールエーテル、ポリオキシアルキレン
飽和脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン不飽和脂肪
酸エステル、ポリグリセリン飽和脂肪酸エステル及びポ
リグリセリン不飽和脂肪酸エステルからなる群から選ば
れる少なくとも1種であることを特徴とする項1記載の
多相エマルジョン。
【0008】項3 界面活性剤が、ポリオキシエチレン
飽和脂肪アルコールエーテル及びポリオキシエチレン不
飽和脂肪アルコールエーテルからなる群から選ばれる少
なくとも1種であることを特徴とする項2記載の多相エ
マルジョン。
【0009】項4 内水相の配合量が、多相エマルジョ
ンの全重量に基づいて0.0001〜20重量%である
ことを特徴とする項1〜3のいずれかに記載の多相エマ
ルジョン。
【0010】項5 内水相と外水相が等張液であること
を特徴とする項1〜4のいずれかに記載の多相エマルジ
ョン。
【0011】本明細書においては、油相中に(多相エマ
ルジョンにおいて内水相となる)水相を分散させたエマ
ルジョンを「W/O型エマルジョン」といい、該エマル
ジョンにおけるエマルジョン粒子を「W/Oエマルジョ
ン粒子」という。W/O型エマルジョンを、さらに水相
(外水相)中に分散させたエマルジョンを「多相エマル
ジョン」又は「W/O/W型エマルジョン」という。ま
た、多相エマルジョンにおけるエマルジョン粒子を、
「W/O/Wエマルジョン粒子」といい、W/O/Wエ
マルジョン粒子に内包される水相を「内水相」という。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の多相エマルジョ
ン(W/O/W型エマルジョン)を概念的に示したもの
であり、1が内水相を示し、2が油相を、3が外水相を
それぞれ示す。また、4がW/O/Wエマルジョン粒子
を示す。
【0013】本発明多相エマルジョンにおいて、W/O
型エマルジョンからW/O/W型エマルジョンを調製す
る際に用いる界面活性剤としては、IOB値が1.3以
上のものであれば特に限定されず、アニオン性界面活性
剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤及び非イオ
ン性界面活性剤から適宜選択することができる。
【0014】これらの中でも、本発明においては、特に
IOB値が1.35以上、さらに1.4以上の界面活性
剤が好ましい。IOB値の上限は特に限定されないが、
通常、5程度であり、4程度が好ましく、3程度がより
好ましい。
【0015】IOB(inorganic-organic balance)値
は、有機化合物の親水性を表す数値であり、数値が大き
いほど、親水性が高くなる。計算方法としては、「有機
概念図−基礎と応用」(甲田善生著 (1984)三共出
版)などに記載された有機性・無機性表に基づき、有機
性値、無機性値を計算し、IOB値=無機性値/有機性
値として算出される。また、汎用の界面活性剤のIOB
値は、例えば、日本エマルジョン(株)の界面活性剤カ
タログにも記載されている。
【0016】このような界面活性剤としては、例えば、
IOB値が1.3以上の、ポリオキシアルキレン飽和脂
肪アルコールエーテル、ポリオキシアルキレン不飽和脂
肪アルコールエーテル、ポリオキシアルキレン飽和脂肪
酸エステル、ポリオキシアルキレン不飽和脂肪酸エステ
ル、ポリグリセリン飽和脂肪酸エステル、ポリグリセリ
ン不飽和脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン飽和脂肪
アルコールフェニルエーテル、ポリオキシエチレン不飽
和脂肪アルコールフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
硫酸塩等が挙げられる。
【0017】これらの中でも、本発明多相エマルジョン
においては、ポリオキシアルキレン飽和脂肪アルコール
エーテル、ポリオキシアルキレン不飽和脂肪アルコール
エーテル、ポリオキシアルキレン飽和脂肪酸エステル、
ポリオキシアルキレン不飽和脂肪酸エステル、ポリグリ
セリン飽和脂肪酸エステル、ポリグリセリン不飽和脂肪
酸エステルが好ましい。
【0018】これらの中でも、本発明多相エマルジョン
における界面活性剤としては、特に、ポリオキシエチレ
ン飽和脂肪アルコールエーテル、ポリオキシエチレン不
飽和脂肪アルコールエーテル、ポリオキシエチレン飽和
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン不飽和脂肪酸エス
テル、ポリグリセリン飽和脂肪酸エステル、ポリグリセ
リン不飽和脂肪酸エステルが好ましく、ポリオキシエチ
レン飽和脂肪アルコールエーテル及びポリオキシエチレ
ン不飽和脂肪アルコールエーテルが最も好ましい。
【0019】ポリオキシアルキレン飽和/不飽和脂肪ア
ルコールエーテルとしては、脂肪アルコールの炭素数が
10〜22、特に12〜20のものが好ましい。また、
脂肪アルコールは、直鎖脂肪アルコール又は分岐脂肪ア
ルコールのいずれであってもよいが、直鎖脂肪アルコー
ルが好ましい。
【0020】ポリオキシアルキレン飽和/不飽和脂肪ア
ルコールエーテルにおけるポリオキシアルキレンとして
は、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリ
オキシブチレン等が挙げられ、これらの2種以上の組み
合わせであってもよい。
【0021】アルキレンオキシドの付加モル数は、脂肪
アルコール部分の炭素数または構造に応じて適宜設定さ
れ、界面活性剤のIOB値が1.3以上となるようなも
のであれば特に限定はされないが、例えばエチレンオキ
シドの場合、通常15〜60程度である。
【0022】このような界面活性剤としては、具体的に
は、ポリオキシエチレン(15)ラウリルエーテル(IOB
値=1.39)、ポリオキシエチレン(20)ラウリルエー
テル(同=1.49)、ポリオキシエチレン(20)オレイ
ルエーテル(同 1.33)、ポリオキシエチレン(50)
オレイルエーテル(同 1.61)、ポリオキシエチレ
ン(30)ステアリルエーテル、(同 1.47)、ポリオ
キシエチレン(30)ベヘニルエーテル(同 1.40)、
ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(1)セチ
ルエーテル(同1.33)等が例示できる。
【0023】ポリオキシアルキレン飽和/不飽和脂肪酸
エステルとしては、脂肪酸の炭素数が10〜22程度の
ものが好ましい。また、脂肪酸は、直鎖脂肪酸または分
岐脂肪酸のいずれであってもよいが、直鎖脂肪酸が好ま
しい。
【0024】ポリオキシアルキレン飽和/不飽和脂肪酸
エステルにおけるポリオキシアルキレンとしては、ポリ
オキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブ
チレン等が挙げられ、これらの2種以上の組み合わせで
あってもよい。
【0025】アルキレンオキシドの付加モル数は、脂肪
酸の炭素数または構造に応じて適宜設定され、界面活性
剤のIOB値が1.3以上となるようなものであれば特
に限定はされないが、例えばエチレンオキシドの場合、
通常15〜60程度である。
【0026】このような界面活性剤としては、具体的に
は、ポリオキシエチレン(20)モノオレエート(IOB値
=1.65)、ポリオキシエチレン(30)モノイソステア
レート(同2.03)等が例示できる。
【0027】ポリグリセリン飽和/不飽和脂肪酸エステ
ルとしては、脂肪酸の炭素数が10〜22程度のものが
好ましい。また、脂肪酸は、直鎖脂肪酸または分岐脂肪
酸のいずれであってもよいが、直鎖脂肪酸が好ましい。
【0028】グリセリンの重合度は、脂肪酸の炭素数又
は構造に応じて適宜設定でき、界面活性剤のIOB値が
1.3以上となるようなものであれば特に限定はされな
いが、通常8〜20程度である。
【0029】具体的には、オクタグリセリルモノラウレ
ート(IOB値=1.44)、デカグリセリルモノオレ
エート(同1.34)、デカグリセリルモノラウレート
(同1.52)等が例示できる。
【0030】ポリオキシエチレン飽和/不飽和脂肪アル
コールフェニルエーテルにおける脂肪酸の炭素数は、6
〜18程度が好ましい。また、脂肪アルコールは、直鎖
脂肪アルコールまたは分岐脂肪アルコールのいずれであ
ってもよいが、直鎖脂肪アルコールが好ましい。
【0031】エチレンオキシドの付加モル数は、脂肪酸
の炭素数または構造に応じて適宜設定でき、界面活性剤
のIOB値が1.3以上となるようなものであれば特に
限定はされないが、通常12〜40程度である。
【0032】このような界面活性剤としては、具体的に
は、ポリオキシエチレン(15)オクチルフェニルエーテル
(IOB値=1.41)、ポリオキシエチレン(30)ノニ
ルフェニルエーテル(同1.57)等が例示できる。
【0033】ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油における
エチレンオキシドの付加モル数は、IOB値が1.3以
上となるようなものであれば特に限定はされないが、通
常、50〜100程度である。
【0034】具体的には、ポリオキシエチレン(60)硬化
ヒマシ油(IOB値=1.36)、ポリオキシエチレン
(100)硬化ヒマシ油(同1.52)等が例示できる。
【0035】ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸
塩としては、アルキル部分の炭素数が10〜20程度の
ものが好ましい。
【0036】また、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル硫酸塩におけるエチレンオキシドの付加モル数は、通
常1〜10程度である。
【0037】このような界面活性剤としては、具体的に
は、ポリオキシエチレン(3)ラウリル硫酸ナトリウム
(IOB値=2.34)、ポリオキシエチレン(10)ミリ
スチル硫酸ナトリウム(同2.02)等が挙げられる。
【0038】これら界面活性剤は、単独で又は2種以上
を組み合わせて用いることができる。
【0039】本発明多相エマルジョンは、医薬品、化粧
品、食品等の分野で用いることができ、上記したような
界面活性剤を、医薬品、化粧品、食品等の調製に通常使
用される、基剤、希釈剤、添加剤等と共に用い、多相エ
マルジョンを形成するための常法に従って調製すること
ができる。
【0040】基剤、希釈剤、添加剤等としては、具体的
には、水等の希釈剤;オリーブ油、アルモンド油等の油
脂類;流動パラフィン、スクワラン等の炭化水素類;ジ
メチルシリコーン、環状シリコーン等のシリコーン類;
オレイン酸、ステアリン酸等の脂肪酸類;ミツロウ、ラ
ノリン等のロウ類;ヒドロキシエチルセルロース、カチ
オン化セルロース、ポリエチレングリコール、タンパク
質誘導体、樹脂等の高分子類;グリセリン、1,3−ブ
チレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等の保
湿剤;エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の
低級アルコール;セチルアルコール、ステアリルアルコ
ール、オレイルアルコール等の高級アルコール;ジブチ
ルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤;紫外線吸収剤;
パラベン等の防腐剤;エチレンジアミン四酢酸ナトリウ
ム、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸ナト
リウム等のキレート剤;アミノ酸類;ビタミン類;ホル
モン類;着色剤;香料:有機酸及び無機酸等のpH調整
剤等が挙げられる。これら基剤、希釈剤、添加剤等は、
多相エマルジョンの用途、形態等に応じて適宜選択さ
れ、内水相、油相又は外水相に適宜配合される。或い
は、予め本発明多相エマルジョンを調製し、医薬品、化
粧品、食品等に該エマルジョンを配合することもでき
る。
【0041】なお、本発明多相エマルジョンにおいて、
内水相と外水相を等張液に調節すると、多相エマルジョ
ンの安定性がさらに向上し、内包物の漏洩が極めて少量
となるので好ましい。等張液に調節する方法として、例
えば、内水相及び外水相のいずれかに、或いは両方に、
塩や油に溶解しにくい低分子量の成分を配合させる方法
が挙げられる。
【0042】塩としては、有機酸又は無機酸の塩から適
宜選択することができるが、塩化ナトリウム、塩化マグ
ネシウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム等が好まし
い。
【0043】油に溶解しにくい低分子量の成分として
は、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコ
ール、ソルビトール、マンニトール、グルコース、シュ
クロース、フルクトース、キシリトール等の低分子量の
アルコール、糖類等が挙げられる。
【0044】本発明多相エマルジョンにおいて、W/O
/Wエマルジョン粒子の平均粒径は、0.1〜30μm
であり、好ましくは0.3〜25μm程度である。
【0045】エマルジョン粒子の平均粒径は、例えば、
光学顕微鏡にて任意の数十個程度のW/O/Wエマルジ
ョン粒子の直径を測定し、それらの平均として求めるこ
とができる。W/O/Wエマルジョン粒子が比較的小さ
い場合は、平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布
計により求めることができる。
【0046】本発明多相エマルジョンにおいて、内水相
の配合量は特に限定されず適宜設定することができる
が、多相エマルジョンの全重量に基づいて通常、0.0
0001〜70重量%程度、より好ましくは0.000
1〜20重量%程度、特に好ましくは0.001〜10
重量%程度である。さらに0.01〜10重量%程度で
あると、多相エマルジョンの安定性がより向上するので
好ましい。
【0047】なお、油相の配合量は、本発明所期の効果
が得られるようなものであれば特に限定されず適宜設定
することができるが、通常、多相エマルジョンの全重量
に基づいて、0.00001〜80重量%程度、好まし
くは0.0001〜40重量%程度である。外水相の配
合量も、特に限定されず適宜設定することができるが、
通常、多相エマルジョンの全重量に基づいて、40〜9
9.9重量%程度である。
【0048】本発明の多相エマルジョンは、i) 内水相
となる液体を油相となる液体に分散させてW/O型エマ
ルジョンを調製し、ii) 該W/O型エマルジョンを、均
一な孔径を有する多孔質膜に通して、IOB値が1.3
以上の界面活性剤を含有している外水相となる液体(水
性連続相)に分散させることにより製造することができ
る。従って、本発明の多相エマルジョンにおいて、IO
B値が1.3以上の界面活性剤が、少なくとも外水相中
に存在している。
【0049】以下に、本発明の多相エマルジョンの製造
方法の一例を挙げる。
【0050】i) W/O型エマルジョンの調製 まず、W/O型エマルジョンの調製法を説明する。W/
O型エマルジョンの調製は、常法に従って行うことがで
き、その方法は特に限定されるものではないが、例え
ば、高圧ホモジナイザー、高速攪拌機、超音波乳化機等
を用いた乳化方法により調製することができる。
【0051】高圧ホモジナイザーによる方法は、例え
ば、9.8MPa(100kgf/cm2)以上の高圧
でホモジナイズできるホモジナイザー[例えば、マイク
ロフルイダイザー(商品名,みずほ工業社製)、ゴーリ
ンホモジナイザー(商品名)等]を用いて行うことがで
きる。これらの装置を用いてW/O型エマルジョンを調
製する際の条件は適宜選定されるが、例えば、9.8〜
245MPa(100〜2500kgf/cm2)程
度、好ましくは49〜196MPa(500〜2000
kgf/cm2)程度の圧力にて、室温にて、又は必要
に応じて加熱しながら調製することが望ましい。
【0052】W/O型エマルジョンは、特開平2−95
433号公報に開示されているような、均一な孔径を有
する多孔質膜を用いた膜乳化法により調製してもよい。
即ち、多孔質膜を挟んで分散相(多相エマルジョンの内
水相)となる液体(a)と連続相(油相)となる液体
(b)が存在し、液体(a)を、膜を通して液体(b)
内に窒素ガス等により圧入する方法により調製すること
も可能である。
【0053】多孔質膜は、均一な孔径を有しているもの
であれば無機質又は有機質のいずれであってもよく、例
えば、特公昭62−25618号公報に開示されたCa
O−B23−SiO2−Al23系多孔質ガラス、特開
昭61−40841号公報(米国特許第4,657,8
75号明細書)に開示されたCaO−B23−SiO 2
−Al23−Na2O系多孔質ガラス及びCaO−B2
3−SiO2−Al23−Na2O−MgO系多孔質ガラ
ス等を膜状体にしたガラス多孔質膜等を用いることがで
きる。
【0054】本明細書において「均一な孔径」とは、多
孔膜体の孔径が、相対累積細孔分布曲線において、細孔
容積が全体の10%を占めるときの孔径(φ10)を、細
孔容積が全体の90%を占める時の孔径(φ90)で除し
た値が1〜1.5程度の範囲内にある場合をいう。
【0055】また、円筒状のガラス多孔質膜を多孔質膜
として用いた場合は、円筒の内側で液体(b)を循環さ
せておき、外側から液体(a)を窒素ガス等により圧入
する方法により、W/O型エマルジョンを調製すること
ができる。
【0056】なお、ガラス多孔質膜は元来親水性である
が、W/O型エマルジョンを調製する際は、通常、種々
の表面処理を施すことによりその表面を疎水性として使
用する。
【0057】細孔の平均径は、得ようとするW/Oエマ
ルジョン粒子の平均粒径に応じて適宜選択できるが、通
常0.1〜10μm程度、好ましくは0.3〜8μm程
度である。
【0058】多孔質膜の膜厚は、特に限定されるもので
はないが、通常、0.3〜1.5mm程度である。
【0059】膜乳化法において、液体(a)を圧入する
際の圧力は、分散相の種類、連続相の種類、界面活性剤
の種類及び濃度等に応じて適宜設定することができる
が、通常、20kPa〜5MPa程度である。
【0060】上記したような種々の方法により調製され
るW/O型エマルジョンのW/Oエマルジョン粒子の粒
径は、特に限定されるものではないが、多相エマルジョ
ンを調製する際に用いる多孔質膜の孔径より小さい方が
好ましい。
【0061】ii) 多相エマルジョン(W/O/W型エマ
ルジョン)の調製 次いで、得られたW/O型エマルジョンを、本発明特定
のIOB値を有する界面活性剤を含有する連続相(外水
相)となる液体(c)中に、膜乳化法により乳化させる
ことにより多相エマルジョンを調製することができる。
【0062】即ち、W/O型エマルジョンを、液体
(c)内に上記したような多孔質膜を通して圧入するこ
とにより、エマルジョン粒子の粒径が均一なW/O/W
型の多相エマルジョンが得られる。この際、上記したよ
うな均一な孔径を有する多孔質膜を用いることができ
る。
【0063】細孔の平均径は、得ようとするW/O/W
エマルジョン粒子の平均粒径に応じて適宜選択すること
ができるが、通常0.15〜30μm程度、好ましくは
0.3〜25μm程度である。
【0064】外水相となる液体(c)における本発明特
定の界面活性剤の配合量は、特に限定はされないが、通
常、多相エマルジョンの全重量に基づいて、0.000
001〜10重量%程度、好ましくは、0.00001
〜5重量%程度となるような量である。
【0065】W/O型エマルジョンからW/O/W型多
相エマルジョンを調製する方法としては、均一な孔径を
有する多孔質膜を通す方法であればよく、調製時の条件
は特に限定されるものでなく適宜設定することができ、
例えば上記i)にて記載したような条件において調製し
てもよく、それ以外の条件であってもよい。
【0066】
【発明の効果】本発明の多相エマルジョンは、均一な孔
径を有する多孔質膜を通して得られるので、W/O/W
エマルジョン粒子の粒径が均一であり、極めて優れた安
定性を有しており、内包物の漏洩が極めて少なく、医薬
品、化粧料、食品等特に安定性を要求される分野におけ
る応用に適している。
【0067】
【実施例】次に実施例および比較例を挙げて本発明をさ
らに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。なお、実施例中の配合量は、いずれも多相
エマルジョン全重量に基づく重量%を意味する。また、
以下の実施例において、平均粒径の50%以下の粒子を
1%程度しか含んでいない場合を、“粒径が均一”とし
た。
【0068】実施例1 多相エマルジョンの製造 表1の(1)〜(3)を分散相液体、(4)及び(5)を連続相液体
とし、高圧ホモジナイザー[商品名:マイクロフルイダ
イザー、みずほ工業社製]を用い、98MPa(1,0
00kg/cm2)にて乳化してW/O型エマルジョン
を得た。
【0069】次いで、孔径2μmの円筒型ガラス多孔質
膜[商品名:SPGパイプ、オーツタイヤ社製]の内側
に表1の(6)〜(12)を循環させておき、上記で得られた
W/O型エマルジョンを該膜体の外側から窒素ガス50
kPaにて圧入して、W/O/Wエマルジョン粒子の粒
径が均一なW/O/W型の多相エマルジョンを得た。
【0070】なお、表1中の平均粒径は、光学顕微鏡に
て任意に選定した20個のエマルジョン粒子の直径を測
定し、それらを平均することにより求めた。
【0071】実施例2〜3及び比較例1〜2 表1に示す組成の多相エマルジョンを、実施例1と同様
の方法により調製した。なお、得られたW/O/Wエマ
ルジョン粒子の粒径は均一であった。
【0072】比較例3〜6 W/O型エマルジョンを実施例1に示す方法により調整
し、多相エマルジョンの調製を、ホモミキサーを用いて
行い(3,000rpmにて10分間攪拌)、表1に示
す組成の多相エマルジョンを得た。なお、得られたW/
O/Wエマルジョン粒子の粒径分布は広く、粒径が均一
でなかった。
【0073】比較例7 W/O型エマルジョンを実施例1に示す方法により調整
した。次いで、ホモミキサーを用いて多相エマルジョン
を調製しようとしたが、乳化ができず、表1に示す組成
の多相エマルジョンは得られなかった。 実施例4〜8及び比較例8 表1に示す組成の多相エマルジョンを、ガラス多孔質膜
の孔径を表1に示すものにした以外は実施例1と同様に
して得た。なお、得られたエマルジョン粒子の粒径は均
一であった。
【0074】試験例1 実施例1〜8及び比較例1〜8において得られた多相エ
マルジョンをサンプルとし、それらの安定性について、
下記の基準により評価を行った。 外観安定性試験 各サンプルを40℃にて1ヶ月放置し、目視による外観
観察及び顕微鏡観察を行った。評価は、以下の基準によ
り行った。
【0075】 オイル浮きが全くなく、多相エマルジョンが完全に残存 …… ◎ オイル浮きはないが、多相エマルジョンが一部変化 …… ○ オイル浮きがややあり、多相エマルジョンが一部変化 …… △ オイル浮きがかなりあり、多相エマルジョンがほとんど変化 …… × 漏洩量定量 各サンプルの内水相には、水溶性色素である食用黄色5
号が、全組成物中0.001重量%となるように配合し
てある。サンプルを40℃にて1ヶ月放置後、遠心分離
(1,000rpm、5分間)を行い、外水相を分取し
た。1つのサンプルについて遠心分離及び分取を計3回
行い、分取した外水相の480nmにおける吸光度を分
光光度計を用いて測定し、下記式により漏洩率を求め
た。漏洩率は、3回の平均値を示した。
【0076】
【式1】
【0077】なお、比較例7については多相エマルジョ
ンが得られなかったため、漏洩量の定量はできなかっ
た。
【0078】結果を下記表1に示す。
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
【0081】外水相にIOB値が1.3以上の界面活性
剤を含有する本発明品(実施例1〜8)は、IOB値が
1.3未満の界面活性剤を含有する比較例1〜4と比
べ、安定性が優れていた。
【0082】また、IOB値が1.3以上の界面活性剤
を用いた場合であっても、多孔質膜を通して得られた本
発明発明品は、W/O型エマルジョンからW/O/W型
エマルジョンを調製する際にホモミキサーを用いたもの
と比べ、安定性が優れていた(比較例5〜7)。
【0083】さらに、W/O/Wエマルジョン粒子の平
均粒径が本発明の範囲外のものと比べた場合も、本発明
品は安定性が優れていた(比較例8)。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明多相エマルジョン(W/O/W型エマ
ルジョン)を概念的に示す図である。
【符号の説明】
1 内水相 2 油相 3 外水相 4 W/O/Wエマルジョン粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 忠夫 宮崎県宮崎市大字塩路501 (72)発明者 清水 正高 宮崎県宮崎市大字島之内11074 Fターム(参考) 4B035 LC05 LE07 LG04 LG09 LG54 LK17 4C076 AA18 DD08 DD09 DD23 EE53 FF43 4C083 AA122 AB332 AC181 AC182 AC401 AC421 AC422 AC442 AC782 AC792 BB04 BB60 DD34 EE01 FF01 4D077 AA02 AA04 AA09 AB08 AB11 AB12 AC04 BA07 BA12 BA13 BA14 BA15 CA20 DC02Z DC12Z DC14Z DC15Z DC16Z DC20Z DC24Z DC27Z DC32Y DC36Y DD29Z DD36Z DE02Z DE07Z DE08Z DE09Z 4G065 AB03Y AB10Y BA01 BA03 BA04 BA05 BA06 BB01 CA06 DA01 DA02 EA01 EA03 FA01 FA02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 W/O型エマルジョンを均一な孔径を有
    する多孔質膜に通し、IOB値が1.3以上の界面活性
    剤を配合した水相に分散させて得られる多相エマルジョ
    ンであって、分散されたW/O/Wエマルジョン粒子の
    平均粒径が0.1〜30μmである多相エマルジョン。
  2. 【請求項2】 界面活性剤が、ポリオキシアルキレン飽
    和脂肪アルコールエーテル、ポリオキシアルキレン不飽
    和脂肪アルコールエーテル、ポリオキシアルキレン飽和
    脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン不飽和脂肪酸エ
    ステル、ポリグリセリン飽和脂肪酸エステル及びポリグ
    リセリン不飽和脂肪酸エステルからなる群から選ばれる
    少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の
    多相エマルジョン。
  3. 【請求項3】 界面活性剤が、ポリオキシエチレン飽和
    脂肪アルコールエーテル及びポリオキシエチレン不飽和
    脂肪アルコールエーテルからなる群から選ばれる少なく
    とも1種であることを特徴とする請求項2記載の多相エ
    マルジョン。
  4. 【請求項4】 内水相の配合量が、多相エマルジョンの
    全重量に基づいて0.0001〜20重量%であること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の多相エマ
    ルジョン。
  5. 【請求項5】 内水相と外水相が等張液であることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の多相エマルジ
    ョン。
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