JP2001178597A - 異音防止性車輌シートクッション材の製造方法 - Google Patents

異音防止性車輌シートクッション材の製造方法

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JP2001178597A
JP2001178597A JP36729899A JP36729899A JP2001178597A JP 2001178597 A JP2001178597 A JP 2001178597A JP 36729899 A JP36729899 A JP 36729899A JP 36729899 A JP36729899 A JP 36729899A JP 2001178597 A JP2001178597 A JP 2001178597A
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lubricant
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vehicle seat
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Hiroyuki Kikuya
寛行 菊屋
Tatsuo Kawamura
達夫 河村
Toshio Iwami
俊雄 石水
Mitsuo Nishimura
光男 西村
Tsutomu Nakajima
勉 中島
Masanobu Sakano
雅信 坂野
Masaaki Katsura
雅明 桂
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Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd
Toyo Tire Corp
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Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】車輌に装着したポリウレタンフォームからなる
車輌シートクッション材の使用に際して、振動や着座に
より車輌シートクッション材と台座が擦れても、摩擦に
よる異音を発生することのない異音防止性車輌シートク
ッション材の製造方法を提供する。 【解決手段】ポリウレタンフォームからなる車輌シート
クッション材の台座接触面に、フッ素系滑材を含有する
潤滑剤を塗布して皮膜を形成することを特徴とする異音
防止性車輌シートクッション材の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、異音防止性車輌シ
ートクッション材の製造方法に関する。さらに詳しく
は、本発明は、車輌に装着したポリウレタンフォームか
らなる車輌シートクッション材の使用に際して、振動や
着座により車輌シートクッション材と台座が擦れても、
摩擦による異音を発生することのない異音防止性車輌シ
ートクッション材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車などの車輌シートには
ポリウレタンフォームからなるクッション材が用いられ
ている。このようなポリウレタンフォームは、シート上
の人の動きにより台座である金属との摩擦により、時に
異音を発生して問題となっている。異音が発生する原因
は、クッション材であるポリウレタンフォームの表面と
台座である金属の表面の摩擦抵抗が大きく、滑りが断続
的であるために、発生するものである。このために、ポ
リウレタンフォームからなる車輌シートクッション材と
金属の摩擦抵抗を低減して、異音の発生を防止するため
の試みがさまざまになされている。例えば、特開平1−
171913号公報には、ポリウレタンフォームの裏面
とバネフレーム、パイプなどの鋼材との摩擦抵抗が緩和
され、異音を防止することができるポリウレタンフォー
ムの製造方法として、ポリウレタン発泡原液を注入して
ポリウレタンフォームを製造する金型に、シリコーンを
混合した離型剤をあらかじめ塗布しておく方法が提案さ
れている。しかし、金型に塗布された離型剤の転写によ
りポリウレタンフォームの表面に形成される皮膜の厚さ
は薄く、車輌シートクッション材としての使用期間中に
皮膜が摩耗消失するので、車輌本体と同程度の耐久性を
与えることは困難である。また、特開平4−24047
2号公報には、シートフレーム及び/又は表皮材裏面と
ポリウレタンフォームとの擦れによる異音を防止するの
に有用なシートパッドの製造方法として、ポリウレタン
フォームからなるシートパッドに、シリコーン及びウレ
タンの両方を含有するエマルジョンを塗布する方法が提
案されている。この方法により形成される低摩擦性の皮
膜は、金型に塗布された離型剤により形成される皮膜よ
りは強靭ではあるが、なお車輌本体の耐久性には遠く及
ばない。さらに、特開平6−225823号公報には、
シートフレーム及び/又は表皮材裏面とポリウレタンフ
ォームとの擦れによる異音を防止するシートパッドの異
音防止方法として、ウレタンモールドフォームの金属加
工品に接する面に、潤滑剤を塗布乾燥させた不織布を一
体発泡成形又は後接着によって一体成形するシートパッ
ドの異音防止方法が提案されている。この方法によれ
ば、シートパッドの低摩擦性表面の耐久性は向上する
が、潤滑剤を塗布乾燥させた不織布を別工程で製造する
必要があり、また、一体発泡成形する場合には金型内の
所定の位置に不織布を載置するために成形サイクルが長
くなり、後接着する場合には接着工程が必要となるため
に、コスト高になることは避けられない。このために、
ポリウレタンフォームからなる車輌シートクッション材
の表面に、耐久性に優れた低摩擦性の皮膜を簡便な方法
により形成することができる異音防止性車輌シートクッ
ション材の製造方法が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、車輌に装着
したポリウレタンフォームからなる車輌シートクッショ
ン材の使用に際して、振動や着座により車輌シートクッ
ション材と台座が擦れても、摩擦による異音を発生する
ことのない異音防止性車輌シートクッション材の製造方
法を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリウレタンフ
ォームからなる車輌シートクッション材の台座接触面
に、フッ素系滑材を含有する潤滑剤を塗布することによ
り耐久性のある低摩擦性の皮膜を形成することができ、
さらに、フッ素系滑材とシリコーン系滑材を併用するこ
とにより皮膜の低摩擦性がいっそう向上し、また、結合
剤としてアクリル樹脂エマルジョンとウレタン樹脂エマ
ルジョンを併用することにより皮膜の耐久性がいっそう
向上することを見いだし、この知見に基づいて本発明を
完成するに至った。すなわち、本発明は、(1)ポリウ
レタンフォームからなる車輌シートクッション材の台座
接触面に、フッ素系滑材を含有する潤滑剤を塗布して皮
膜を形成することを特徴とする異音防止性車輌シートク
ッション材の製造方法、(2)潤滑剤が、フッ素系滑
材、シリコーン系滑材及び樹脂エマルジョンを含有する
第1項記載の異音防止性車輌シートクッション材の製造
方法、(3)樹脂エマルジョンが、アクリル樹脂エマル
ジョン及びウレタン樹脂エマルジョンである第2項記載
の異音防止性車輌シートクッション材の製造方法、
(4)車輌シートクッション材の台座接触面への潤滑剤
の塗布量が、乾燥皮膜重量として2〜50g/m2であ
る第1項記載の異音防止性車輌シートクッション材の製
造方法、及び、(5)乾燥皮膜中のフッ素系滑材の含有
量が10〜70重量%、シリコーン系滑材の含有量が
0.5〜20重量%、アクリル樹脂の含有量が5〜60
重量%、ウレタン樹脂の含有量が5〜60重量%である
第3項記載の異音防止性車輌シートクッション材の製造
方法、を提供するものである。さらに、本発明の好まし
い態様として、(6)フッ素系滑材が、分子量20万以
下、平均粒子径0.05〜10μmのポリテトラフルオ
ロエチレンの微粒子である第1項記載の異音防止性車輌
シートクッション材の製造方法、(7)シリコーン系滑
材が、分子量1〜50万のオルガノポリシロキサン又は
アルキルポリシロキサンである第2項記載の異音防止性
車輌シートクッション材の製造方法、(8)アクリル樹
脂エマルジョンが、ガラス転移温度10℃以上、分子量
50万以上のメチルメタクリレート単位とブチルアクリ
レート単位を有するアクリル樹脂のエマルジョンである
第3項記載の異音防止性車輌シートクッション材の製造
方法、(9)ウレタン樹脂エマルジョンが、ガラス転移
温度−50〜20℃、分子量10万以上の脂肪族ポリイ
ソシアネート単位と1,6−ヘキサンジオールの炭酸エ
ステル単位を有するウレタン樹脂のエマルジョンである
第3項記載の異音防止性車輌シートクッション材の製造
方法、(10)潤滑剤が、親水性有機溶剤を含有する第
2項記載の異音防止性車輌シートクッション材の製造方
法、(11)潤滑剤中の親水性有機溶剤の含有量が、
0.1〜6重量%である第10項記載の異音防止性車輌
シートクッション材の製造方法、及び、(12)親水性
有機溶剤が、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタン
ジオールモノイソブチレートである第10項記載の異音
防止性車輌シートクッション材の製造方法、を挙げるこ
とができる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の異音防止性車輌シートク
ッション材の製造方法においては、ポリウレタンフォー
ムからなる車輌シートクッション材の台座接触面に、フ
ッ素系滑材を含有する潤滑剤を塗布して皮膜を形成す
る。フッ素系滑材を含有する潤滑剤を塗布して皮膜を形
成することにより、ポリウレタンフォームからなる車輌
シートクッション材の摩擦抵抗を低減し、クッション材
と金属製の台座の擦れによる異音の発生を防止すること
ができる。本発明方法に用いるフッ素系滑材に特に制限
はなく、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリク
ロロトリフルオロエチレン、テトロフルオロエチレン−
ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリ
デン、ポリフッ化ビニルなどのフッ素樹脂の微粒子を挙
げることができる。これらのフッ素樹脂の微粒子は、1
種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組
み合わせて用いることもできる。これらの中で、ポリテ
トラフルオロエチレンの微粒子を特に好適に用いること
ができる。本発明方法に用いるフッ素系滑材は、分子量
が20万以下であることが好ましい。分子量が20万を
超えると、摩擦抵抗低減効果が不十分となるおそれがあ
る。本発明方法に用いるフッ素系滑材は、平均粒子径が
0.05〜10μmであることが好ましく、0.1〜5μ
mであることがより好ましい。平均粒子径が0.05μ
m未満のフッ素系滑材は、製造が容易でなくコスト高と
なるおそれがある。平均粒子径が10μmを超えると、
摩擦抵抗低減効果が不十分となるおそれがある。本発明
方法において、フッ素系滑材は、水分散液として潤滑剤
の調製に用いることができる。
【0006】本発明方法においては、フッ素系滑材とシ
リコーン系滑材を併用することができる。フッ素系滑材
とシリコーン系滑材を併用することにより、摩擦抵抗低
減効果をいっそう向上することができる。本発明方法に
用いるシリコーン系滑材としては、例えば、オルガノポ
リシロキサン、アルキルポリシロキサンなどを挙げるこ
とができる。オルガノポリシロキサンとしては、例え
ば、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサ
ン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジ
ェンポリシロキサンなどのほか、複数のこれらの構造単
位を有する共重合体などを挙げることができる。アルキ
ルポリシロキサンとしては、例えば、アルキル変性ポリ
シロキサン、フッ素変性ポリシロキサン、ポリエーテル
変性ポリシロキサン、カルビノール変性ポリシロキサ
ン、アミノ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロ
キサンなどを挙げることができる。これらのシリコーン
系滑材は、1種を単独で用いることができ、あるいは、
2種以上を組み合わせて用いることもでき、オルガノポ
リシロキサンとアルキルポリシロキサンの混合物を特に
好適に用いることができる。本発明方法において、シリ
コーン系滑材は、分子量が1〜50万であることが好ま
しく、30〜45万であることがより好ましい。分子量
が1万未満であると、摩擦抵抗低減効果が不十分となる
おそれがある。分子量が50万を超えると、粘度が高く
なって取り扱いが困難となるおそれがある。本発明方法
において、シリコーン系滑剤は、界面活性剤を用いて乳
化したエマルジョンとして潤滑剤の調製に用いることが
できる。
【0007】本発明方法において、フッ素系滑材又はフ
ッ素系滑材とシリコーン系滑材を含有する潤滑剤は、滑
材を樹脂エマルジョン中に分散することにより調製する
ことができる。使用する樹脂エマルジョンに特に制限は
ないが、アクリル樹脂エマルジョンとウレタン系エマル
ジョンを併用することが好ましい。アクリル樹脂エマル
ジョンから形成される皮膜は硬度が高く、滑材を強固に
ポリウレタンフォームの表面に保持することができる
が、造膜性に劣るので、柔らかい皮膜を形成するウレタ
ン樹脂エマルジョンを併用することにより、ポリウレタ
ンフォームへの密着性、摩擦抵抗低減効果、耐久性に優
れた皮膜を形成することができる。本発明方法に用いる
アクリル樹脂エマルジョンに特に制限はなく、例えば、
メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルア
クリレート、ブチルアクリレート、テトラデシルアクリ
レート、セチルアクリレートなどのアクリル酸エステ
ル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プ
ロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、オクチ
ルメタクリレート、デシルメタクリレート、テトラデシ
ルメタクリレートなどのメタクリル酸エステルなどのホ
モポリマー、コポリマーなどのほか、これらのモノマー
と共重合可能な他のモノマーとのコポリマーなどのアク
リル樹脂のエマルジョンを挙げることができる。これら
の中で、メチルメタクリレート単位とブチルアクリレー
ト単位を有するアクリル樹脂のエマルジョンを好適に用
いることができる。本発明方法に用いるアクリル樹脂エ
マルジョンを構成するアクリル樹脂は、ガラス転移温度
が10℃以上であり、分子量が50万以上であることが
好ましい。アクリル樹脂のガラス転移温度が10℃未満
であっても、分子量が50万未満であっても、滑材の保
持力が不足するおそれがある。
【0008】本発明方法に用いるウレタン樹脂エマルジ
ョンに特に制限はなく、ポリイソシアネートとポリオー
ルより合成される公知のウレタン樹脂のエマルジョンを
用いることができる。ポリイソシアネートとしては、例
えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジ
イソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、水
添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタン
ジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシ
アネートなどの脂肪族ポリイソシアネート、トリレンジ
イソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、
ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネー
ト、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシ
アネート、トリフェニルメタントリイソシアネートなど
の芳香族ポリイソシアネートなどを挙げることができ
る。これらのポリイソシアネートは、1種を単独で用い
ることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用い
ることもできる。ポリオールとしては、例えば、ポリエ
ーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカー
ボネートポリオールなどを挙げることができる。これら
のポリオールは、1種を単独で用いることができ、ある
いは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。こ
れらの中で、脂肪族ポリイソシアネート単位と1,6−
ヘキサンジオールの炭酸エステル単位を有するイソシア
ネート樹脂のエマルジョンを好適に用いることができ
る。本発明方法に用いるウレタン樹脂エマルジョンを構
成するウレタン樹脂は、ガラス転移温度が−50〜20
℃であり、分子量が10万以上であることが好ましい。
ウレタン樹脂のガラス転移温度が20℃を超えると、造
膜力が不足するおそれがある。ウレタン樹脂のガラス転
移温度が−50℃未満であっても、分子量が10万未満
であっても、滑材の保持力が不足するおそれがある。ウ
レタン樹脂は、抗張力29.4〜58.8MPa(300〜
600kgf/cm2)、伸び300%以上、100%応力2
〜19.6MPa(20〜200kgf/cm2)であることが好
ましい。
【0009】本発明方法に用いる潤滑剤は、親水性有機
溶剤を含有することが好ましい。潤滑剤に親水性有機溶
剤を含有させることにより、親水性有機溶剤が造膜助剤
としての効果を発揮し、常温において、短時間で皮膜を
形成することが可能となり、異音防止性車輌シートクッ
ション材の生産性を高めることができる。使用する親水
性有機溶剤に特に制限はなく、常温において水と均一に
混合し得る有機溶剤を用いることができるが、2,2,4
−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチ
レートを特に好適に用いることができる。本発明方法に
おいて、潤滑剤中の親水性有機溶剤の含有量に特に制限
はないが、0.1〜6重量%であることが好ましく、0.
2〜2重量%であることがより好ましい。親水性有機溶
剤の含有量が0.1重量%未満であると、造膜を補助す
る効果が不十分となるおそれがある。親水性有機溶剤の
含有量が6重量%を超えると、防災上の特別の配慮が必
要となるおそれがある。本発明方法において、車輌シー
トクッション材の台座接触面への潤滑剤の塗布量に特に
制限はないが、乾燥皮膜重量として2〜50g/m2
あることが好ましく、4〜25g/m2であることがよ
り好ましい。潤滑剤の塗布量が乾燥皮膜重量として2g
/m2未満であると、摩擦抵抗低減効果が不十分となる
おそれがある。潤滑剤の塗布量は、乾燥皮膜重量として
50g/m2以下で十分な摩擦抵抗低減効果が得られ、
通常は乾燥皮膜重量として50g/m2を超える潤滑剤
の塗布は不必要である。本発明方法において、潤滑剤中
のフッ素系滑材、シリコーン系滑材、アクリル樹脂エマ
ルジョン及びウレタン樹脂エマルジョンの含有量比に特
に制限はないが、車輌シートクッション材の台座接触面
に形成される乾燥皮膜中の含有量が、フッ素系滑材10
〜70重量%、シリコーン系滑材0.5〜20重量%、
アクリル樹脂5〜60重量%、ウレタン樹脂5〜60重
量%であることが好ましく、フッ素系滑材20〜50重
量%、シリコーン系滑材1〜10重量%、アクリル樹脂
20〜55重量%、ウレタン樹脂10〜40重量%であ
ることがより好ましい。本発明の異音防止性車輌シート
クッション材の製造方法によれば、水性系の潤滑剤を用
いて、車輌シートクッション材の台座接触面に、常温で
短時間に滑性、密着性、耐久性に優れた皮膜を形成し、
異音の発生を防止することができる。
【0010】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、実施例において、性能評
価は下記の方法により行った。 (1)摩擦係数 幅100mm、長さ250mmの長方形の試験片を23℃、
50%RHで6時間以上状態調節したのち、摩擦係数測
定機[YONEKURA社、CATY]を用い、荷重6
4g/cm2、ヘッドスピード200mm/minで測定する。 (2)乾熱老化試験 温度80℃の恒温槽中に、400時間加熱老化する。そ
の後、標準状態下に6時間以上放置し、(1)に準じ摩擦
試験を行い摩擦係数を求める。 (3)湿熱老化試験 温度50℃、湿度95%RHの恒温恒湿槽中に、400
時間湿熱老化する。その後、標準状態下に6時間以上放
置し、(1)に準じ摩擦試験を行い摩擦係数を求める。 (4)異音評価 幅100mm、長さ100mm、厚み50mmの試験片と、直
径200mm、厚み2mmの円形鉄板(SS41、表面黒塗
り)2枚の評価用治具を0℃で6時間以上放置したの
ち、円形鉄板を試験片の上下にセットして、元厚の60
%まで圧縮し、上方の円形鉄板を5rpmで回転させ、回
転開始後から5秒以内の異音の発生の有無を、官能検査
により確認する。 実施例1(潤滑剤の調製) メチルメタクリレート単位60モル%及びブチルアクリ
レート単位40モル%からなり、ガラス転移温度15.
8℃、分子量200万のアクリル樹脂40重量%を含有
するアクリル樹脂エマルジョン43重量部、イソホロン
ジイソシアネート(IPDI)単位及び1,6−ヘキサ
ンジオールの炭酸エステル単位からなり、ガラス転移温
度−43℃、分子量25万のウレタン樹脂38重量%を
含有するウレタン樹脂エマルジョン17重量部、分子量
18万、平均粒子径2.5μmのポリテトラフルオロエ
チレン微粉末50重量%を含有する水分散液26重量
部、分子量35万のオルガノポリシロキサンとアルキル
ポリシロキサン混合物をノニオン界面活性剤を用いて乳
化した不揮発分80重量%のシリコーンオイルエマルジ
ョン1.7重量部、2,2,4−トリメチル−1,3−ペン
タンジオールモノイソブチレート0.5重量部、固形分
15重量%のパーフルオロアルキル燐酸エステル系消泡
剤0.17重量部、固形分24重量%のベンゾメチルア
ミド系防腐剤0.17重量部、β型銅フタロシアニンブ
ルー顔料35重量%を含有する水分散液1.4重量部、
固形分50重量%のウレタン系増粘剤0.1重量部及び
水9.96重量部を配合し、ディゾルバーを用いて混合
撹拌し、粘度175mPa・s、固形分38.9重量%の潤
滑剤を調製した。 実施例2 実施例1で調製した潤滑剤を、密度50kg/m3のウレ
タンフォームの表面にスプレーにより13.1g/m2
布し、20℃で5分間乾燥して評価試料を作製した。摩
擦係数は、評価試料作製直後は0.31であり、乾熱老
化試験後は0.34であり、湿熱老化試験後は0.38で
あった。異音評価試験において、評価試料作製直後、乾
熱老化試験後、湿熱老化試験後ともに、異音は発生しな
かった。 実施例3 実施例1で調製した潤滑剤を、密度50kg/m3のウレ
タンフォームの表面にスプレーにより20.0g/m2
布し、30℃で2分間乾燥して評価試料を作製した。摩
擦係数は、評価試料作製直後は0.28であり、乾熱老
化試験後は0.32であり、湿熱老化試験後は0.36で
あった。異音評価試験において、評価試料作製直後、乾
熱老化試験後、湿熱老化試験後ともに、異音は発生しな
かった。 実施例4 実施例1で調製した潤滑剤を、密度50kg/m3のウレ
タンフォームの表面にスプレーにより26.8g/m2
布し、40℃で1分間乾燥して評価試料を作製した。摩
擦係数は、評価試料作製直後は0.24であり、乾熱老
化試験後は0.30であり、湿熱老化試験後0.34であ
った。異音評価試験において、評価試料作製直後、乾熱
老化試験後、湿熱老化試験後ともに、異音は発生しなか
った。 比較例1 実施例2〜3において用いたウレタンフォームに潤滑剤
を塗布することなく、性能評価を行った。摩擦係数は、
評価試料作製直後は1.17であり、乾熱老化試験後は
1.17であり、湿熱老化試験後は0.72であった。異
音評価試験において、評価試料作製直後、乾熱老化試験
後、湿熱老化試験後ともに、異音が発生した。実施例2
〜4及び比較例1の結果を、第1表に示す。
【0011】
【表1】
【0012】第1表に見られるように、本発明方法によ
り製造された異音防止性車輌シートクッション材は、摩
擦係数が小さく、摩擦による異音を発生することはな
い。
【0013】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、滑性及び樹
脂との親和性が良好なシリコーン系及びフッ素系滑材
と、皮膜が硬く造膜性に劣るアクリル樹脂エマルジョン
に皮膜が柔らかいウレタン樹脂エマルジョンを併用する
ので、ポリウレタンフォームとの密着性が良好で、摩擦
抵抗低減効果、耐久性ともに優れた皮膜を常温で形成す
ることができる。したがって、熱によるポリウレタンフ
ォームの物性阻害を生ずることなく、低温、短時間の熱
処理で効率的に異音防止性車輌シートクッション材を製
造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河村 達夫 東京都中央区日本橋馬喰町一丁目7番6号 大日精化工業株式会社内 (72)発明者 石水 俊雄 東京都中央区日本橋馬喰町一丁目7番6号 大日精化工業株式会社内 (72)発明者 西村 光男 東京都中央区日本橋馬喰町一丁目7番6号 大日精化工業株式会社内 (72)発明者 中島 勉 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目17番18号 東洋ゴム工業株式会社内 (72)発明者 坂野 雅信 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目17番18号 東洋ゴム工業株式会社内 (72)発明者 桂 雅明 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目17番18号 東洋ゴム工業株式会社内 Fターム(参考) 3B084 CA07 3B096 AA04 AD07 AD08 4D075 AA04 CA05 DA25 DB50 DC13 EA13 EB16 EB22 EB42

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリウレタンフォームからなる車輌シート
    クッション材の台座接触面に、フッ素系滑材を含有する
    潤滑剤を塗布して皮膜を形成することを特徴とする異音
    防止性車輌シートクッション材の製造方法。
  2. 【請求項2】潤滑剤が、フッ素系滑材、シリコーン系滑
    材及び樹脂エマルジョンを含有する請求項1記載の異音
    防止性車輌シートクッション材の製造方法。
  3. 【請求項3】樹脂エマルジョンが、アクリル樹脂エマル
    ジョン及びウレタン樹脂エマルジョンである請求項2記
    載の異音防止性車輌シートクッション材の製造方法。
  4. 【請求項4】車輌シートクッション材の台座接触面への
    潤滑剤の塗布量が、乾燥皮膜重量として2〜50g/m
    2である請求項1記載の異音防止性車輌シートクッショ
    ン材の製造方法。
  5. 【請求項5】乾燥皮膜中のフッ素系滑材の含有量が10
    〜70重量%、シリコーン系滑材の含有量が0.5〜2
    0重量%、アクリル樹脂の含有量が5〜60重量%、ウ
    レタン樹脂の含有量が5〜60重量%である請求項3記
    載の異音防止性車輌シートクッション材の製造方法。
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