JPH08217899A - 樹脂表皮材 - Google Patents
樹脂表皮材Info
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- JPH08217899A JPH08217899A JP7021792A JP2179295A JPH08217899A JP H08217899 A JPH08217899 A JP H08217899A JP 7021792 A JP7021792 A JP 7021792A JP 2179295 A JP2179295 A JP 2179295A JP H08217899 A JPH08217899 A JP H08217899A
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- Japan
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- resin
- carbonate
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- Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】スラッシュ成形法で形成されたPVC表皮を用
いた場合にも、摩擦による異音を効果的に防止できるよ
うにする。 【構成】シロキサン結合を有するカーボネート系ポリウ
レタン樹脂と略球形をなす微粒子粉末とを含む組成物を
樹脂表皮材表面に積層したことを特徴とする。シロキサ
ン結合を有するカーボネート系ポリウレタン樹脂を用い
ているため、機構は不明であるがPVC表皮から移行す
る可塑剤による膨潤がきわめて少ない。そして微粒子粉
末は略球形であるので、摩擦時にコロ作用が発現し、マ
トリクス固有の摩擦特性と相乗的に作用して静摩擦係数
及び動摩擦係数が低減される。
いた場合にも、摩擦による異音を効果的に防止できるよ
うにする。 【構成】シロキサン結合を有するカーボネート系ポリウ
レタン樹脂と略球形をなす微粒子粉末とを含む組成物を
樹脂表皮材表面に積層したことを特徴とする。シロキサ
ン結合を有するカーボネート系ポリウレタン樹脂を用い
ているため、機構は不明であるがPVC表皮から移行す
る可塑剤による膨潤がきわめて少ない。そして微粒子粉
末は略球形であるので、摩擦時にコロ作用が発現し、マ
トリクス固有の摩擦特性と相乗的に作用して静摩擦係数
及び動摩擦係数が低減される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、振動する部品が他の部
品と摩擦することによって生じる異音を防止するため
に、その部品表面などに配置されて用いられる樹脂表皮
材に関する。
品と摩擦することによって生じる異音を防止するため
に、その部品表面などに配置されて用いられる樹脂表皮
材に関する。
【0002】
【従来の技術】PVC製の表皮材は、自動車のインスト
ルメントパネル、ドアトリム、天井、座席などに多用さ
れている。ところがPVC製の表皮材は、他のプラスチ
ック部品や同種又は異種の表皮材と相対的に異なる動き
で摩擦されたときにキシミ音などの異音を発生すること
が知られている。
ルメントパネル、ドアトリム、天井、座席などに多用さ
れている。ところがPVC製の表皮材は、他のプラスチ
ック部品や同種又は異種の表皮材と相対的に異なる動き
で摩擦されたときにキシミ音などの異音を発生すること
が知られている。
【0003】そして、この異音を防止ないし低減させる
ために、干渉が予想される部位に十分な間隙を確保した
り、フェルトなどの緩衝材を貼り付けたりすることが行
われている。しかし十分な間隙を設けることが困難な部
位も多く、またフェルトなどを介在する方法ではそれに
よって外観品質が低下するという問題もある。そこで表
皮材表面に被膜を形成して摩擦係数を下げることが考え
られ、PVC、ポリアクリル酸エステル混合物系、ウレ
タン樹脂系など種々の表面処理剤が提案されている。中
でも、シリコーン共重合ウレタン樹脂を用いたものが近
年注目されている。
ために、干渉が予想される部位に十分な間隙を確保した
り、フェルトなどの緩衝材を貼り付けたりすることが行
われている。しかし十分な間隙を設けることが困難な部
位も多く、またフェルトなどを介在する方法ではそれに
よって外観品質が低下するという問題もある。そこで表
皮材表面に被膜を形成して摩擦係数を下げることが考え
られ、PVC、ポリアクリル酸エステル混合物系、ウレ
タン樹脂系など種々の表面処理剤が提案されている。中
でも、シリコーン共重合ウレタン樹脂を用いたものが近
年注目されている。
【0004】例えば特開昭63−317514号公報に
は、シロキサン結合を有するウレタン共重合体からなる
コーティング組成物が開示され、特開昭61−1386
37号公報にはシリコーン共重合ウレタン樹脂が開示さ
れている。また上記特開昭63−317514号公報に
は、カーボンブラックやテトラフルオロエチレン粉末を
加えてさらに特性を高めることが記載され、また、特開
昭61−138637号公報にはナイロンパウダーやフ
ッ素樹脂パウダーを加えた組成物が開示されている。
は、シロキサン結合を有するウレタン共重合体からなる
コーティング組成物が開示され、特開昭61−1386
37号公報にはシリコーン共重合ウレタン樹脂が開示さ
れている。また上記特開昭63−317514号公報に
は、カーボンブラックやテトラフルオロエチレン粉末を
加えてさらに特性を高めることが記載され、また、特開
昭61−138637号公報にはナイロンパウダーやフ
ッ素樹脂パウダーを加えた組成物が開示されている。
【0005】自動車部品のように走行時の連続的な微振
動で摩擦する部品から発生する異音を防止するには、静
摩擦係数より動摩擦係数を低減するのが有効である。と
ころが上記した従来の処理剤では、静摩擦係数の低減効
果はみられるものの、動摩擦係数の低減効果は充分とは
いえず、自動車部品が発生する異音を十分に防止するこ
とができなかった。
動で摩擦する部品から発生する異音を防止するには、静
摩擦係数より動摩擦係数を低減するのが有効である。と
ころが上記した従来の処理剤では、静摩擦係数の低減効
果はみられるものの、動摩擦係数の低減効果は充分とは
いえず、自動車部品が発生する異音を十分に防止するこ
とができなかった。
【0006】そこで本願発明者らは、鋭意研究の結果、
シリコーン共重合ウレタン硬化性樹脂にウレタン系樹脂
からなる微粒子を含ませた異音防止処理剤を開発した
(特開平5−156206号公報)。この異音防止処理
剤によれば、動摩擦係数の変動幅が狭くなり、自動車部
品の場合のように連続的な微振動による摩擦で発生する
異音を効果的に防止することができる。
シリコーン共重合ウレタン硬化性樹脂にウレタン系樹脂
からなる微粒子を含ませた異音防止処理剤を開発した
(特開平5−156206号公報)。この異音防止処理
剤によれば、動摩擦係数の変動幅が狭くなり、自動車部
品の場合のように連続的な微振動による摩擦で発生する
異音を効果的に防止することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが特開平5−1
56206号公報に開示された異音防止処理剤には、被
塗物の種類に選択性があり、異音防止効果がほとんど期
待できない場合があることが明らかとなった。例えばイ
ンストルメントパネルやドアトリムなど、スラッシュ成
形法で形成されたPVC表皮をもつ自動車部品にこの異
音防止処理剤を塗布した場合には、PVC表皮中の可塑
剤が異音防止剤塗膜中に移行して塗膜を膨潤させ、異音
防止効果が大きく損なわれることが明らかとなった。
56206号公報に開示された異音防止処理剤には、被
塗物の種類に選択性があり、異音防止効果がほとんど期
待できない場合があることが明らかとなった。例えばイ
ンストルメントパネルやドアトリムなど、スラッシュ成
形法で形成されたPVC表皮をもつ自動車部品にこの異
音防止処理剤を塗布した場合には、PVC表皮中の可塑
剤が異音防止剤塗膜中に移行して塗膜を膨潤させ、異音
防止効果が大きく損なわれることが明らかとなった。
【0008】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、特開平5−156206号公報に開示され
た異音防止処理剤を改良して、スラッシュ成形法で形成
されたPVC表皮材を用いた場合にも異音を効果的に防
止できるようにすることを目的とする。
ものであり、特開平5−156206号公報に開示され
た異音防止処理剤を改良して、スラッシュ成形法で形成
されたPVC表皮材を用いた場合にも異音を効果的に防
止できるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の樹脂表皮材は、シロキサン結合を有するカーボネー
ト系ポリウレタン樹脂と略球形をなす微粒子粉末とを含
む組成物を樹脂表皮材表面に積層したことを特徴とす
る。
明の樹脂表皮材は、シロキサン結合を有するカーボネー
ト系ポリウレタン樹脂と略球形をなす微粒子粉末とを含
む組成物を樹脂表皮材表面に積層したことを特徴とす
る。
【0010】
【作用】本発明の樹脂表皮材では、樹脂表皮材表面に積
層された表面組成物にシロキサン結合を有するカーボネ
ート系ポリウレタン樹脂を用いているため、機構は不明
であるがPVC表皮から移行する可塑剤による膨潤がき
わめて少なく、かつPVC表皮との付着性も良好であ
り、耐摩耗性も確保される。そして微粒子粉末は略球形
であるので、摩擦時にコロ作用が発現し、マトリクス固
有の摩擦特性と相乗的に作用して静摩擦係数及び動摩擦
係数が低減されると考えられる。
層された表面組成物にシロキサン結合を有するカーボネ
ート系ポリウレタン樹脂を用いているため、機構は不明
であるがPVC表皮から移行する可塑剤による膨潤がき
わめて少なく、かつPVC表皮との付着性も良好であ
り、耐摩耗性も確保される。そして微粒子粉末は略球形
であるので、摩擦時にコロ作用が発現し、マトリクス固
有の摩擦特性と相乗的に作用して静摩擦係数及び動摩擦
係数が低減されると考えられる。
【0011】さらに、微粒子粉末により表面組成物被膜
の表面粗さが大きくなるので、艶消し作用によりその光
沢を表皮の光沢と近似させることができ、表面組成物被
膜により外観品質が損なわれるのが防止される。
の表面粗さが大きくなるので、艶消し作用によりその光
沢を表皮の光沢と近似させることができ、表面組成物被
膜により外観品質が損なわれるのが防止される。
【0012】
〔発明の具体例〕シロキサン結合を有するカーボネート
系ポリウレタン樹脂とは、一般にはポリアルキルシロキ
サン化合物とポリオール及びポリイソシアネートとの反
応物をいう。必要に応じて鎖伸長剤としての二価アルコ
ールを用いることもできる。
系ポリウレタン樹脂とは、一般にはポリアルキルシロキ
サン化合物とポリオール及びポリイソシアネートとの反
応物をいう。必要に応じて鎖伸長剤としての二価アルコ
ールを用いることもできる。
【0013】本発明においては、表面に積層された組成
物の組成を樹脂100重量部中にアルキルシロキサン結
合が2〜40重量部の範囲とすれば、スラッシュ成形法
で製造されたPVC表皮上で特に低い摩擦係数を示すよ
うになる。アルキルシロキサン結合が2重量部未満では
摩擦係数の低減が困難となり、40重量部を超えると摩
擦係数低減の効果が飽和する。特に好ましいのは15〜
25重量部である。
物の組成を樹脂100重量部中にアルキルシロキサン結
合が2〜40重量部の範囲とすれば、スラッシュ成形法
で製造されたPVC表皮上で特に低い摩擦係数を示すよ
うになる。アルキルシロキサン結合が2重量部未満では
摩擦係数の低減が困難となり、40重量部を超えると摩
擦係数低減の効果が飽和する。特に好ましいのは15〜
25重量部である。
【0014】また鎖伸長剤としての二価アルコールは、
樹脂100重量部中に4〜10重量部となる範囲とする
のが好ましい。4重量部未満では形成される被膜のヤン
グ率が低く、PVC表皮から移行する可塑剤の影響を受
けて摩擦係数が増大する。また10重量部を超えると形
成される被膜の可撓性及び弾性が不足するとともに、溶
剤に対する溶解性が低下して塗布が困難になる場合もあ
る。4〜8重量部とするのが特に好ましい。
樹脂100重量部中に4〜10重量部となる範囲とする
のが好ましい。4重量部未満では形成される被膜のヤン
グ率が低く、PVC表皮から移行する可塑剤の影響を受
けて摩擦係数が増大する。また10重量部を超えると形
成される被膜の可撓性及び弾性が不足するとともに、溶
剤に対する溶解性が低下して塗布が困難になる場合もあ
る。4〜8重量部とするのが特に好ましい。
【0015】ポリアルキルシロキサン化合物としては、
ポリシロキサンポリオール、ポリシロキサンポリアミン
などが例示される。ポリオールとしては、ポリカーボネ
ートポリオール又はポリカーボネートエステルポリオー
ルが用いられる。ポリカーボネートポリオールとは、多
価アルコールとホスゲン、多価アルコールとクロル蟻酸
エステル、多価アルコールとジアルキルカーボネート又
はジアリルカーボネート等との縮合によって得られる末
端水酸基のポリオールであり、市販の種々の分子量のも
のを用いることができる。
ポリシロキサンポリオール、ポリシロキサンポリアミン
などが例示される。ポリオールとしては、ポリカーボネ
ートポリオール又はポリカーボネートエステルポリオー
ルが用いられる。ポリカーボネートポリオールとは、多
価アルコールとホスゲン、多価アルコールとクロル蟻酸
エステル、多価アルコールとジアルキルカーボネート又
はジアリルカーボネート等との縮合によって得られる末
端水酸基のポリオールであり、市販の種々の分子量のも
のを用いることができる。
【0016】ポリカーボネートポリオールの製造に用い
られる多価アルコールとしては、1,6-ヘキサンジオー
ル、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、1,5-ペンタンジオール、又は1,6-ヘ
キサンジオールとシクロヘキサンジメタノール共重合体
などが例示される。その分子量は500〜2000程度
が望ましく、そのOH価は50〜200程度が望まし
い。
られる多価アルコールとしては、1,6-ヘキサンジオー
ル、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、1,5-ペンタンジオール、又は1,6-ヘ
キサンジオールとシクロヘキサンジメタノール共重合体
などが例示される。その分子量は500〜2000程度
が望ましく、そのOH価は50〜200程度が望まし
い。
【0017】ポリカーボネートエステルポリオールと
は、上記のポリカーボネートポリオールと多価カルボン
酸の反応物、ポリカーボネートポリオールと多価アルコ
ール及び多価カルボン酸の反応物、あるいはポリカーボ
ネートポリオールとカプロラクトンの反応物である末端
水酸基のポリオールをいう。多価アルコールとしては1,
6-ヘキサンジオールが特に好ましく、多価カルボン酸と
しては1,10- デカンジカルボン酸が特に好ましい。
は、上記のポリカーボネートポリオールと多価カルボン
酸の反応物、ポリカーボネートポリオールと多価アルコ
ール及び多価カルボン酸の反応物、あるいはポリカーボ
ネートポリオールとカプロラクトンの反応物である末端
水酸基のポリオールをいう。多価アルコールとしては1,
6-ヘキサンジオールが特に好ましく、多価カルボン酸と
しては1,10- デカンジカルボン酸が特に好ましい。
【0018】ポリイソシアネートとしては従来公知のも
のが使用可能であり、キシリレンジイソシアネートなど
芳香族系のものも用いられるが、耐光性の面からは脂肪
族ポリイソシアネートが望ましく、イソホロンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4-ジシ
クロヘキシルメタンジイソシアネート、リジンジイソシ
アネートなどが挙げられる。
のが使用可能であり、キシリレンジイソシアネートなど
芳香族系のものも用いられるが、耐光性の面からは脂肪
族ポリイソシアネートが望ましく、イソホロンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4-ジシ
クロヘキシルメタンジイソシアネート、リジンジイソシ
アネートなどが挙げられる。
【0019】なお、シロキサン結合を有するカーボネー
ト系ポリウレタン樹脂には、尿素結合を含むことができ
る。このカーボネート系ポリユリアウレタン樹脂は、カ
ーボネート系ポリウレタン樹脂の製造時にポリイソシア
ネートの一部をジアミンと反応させることで容易に製造
できる。ジアミンとしては従来公知のものを用いること
ができるが、脂肪族ジアミン化合物としてのエチレンジ
アミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキ
サメチレンジアミン等や、脂環族ジアミンとしてのイソ
ホロンジアミン、水添4,4-ジアミノジフェニルメタン等
が特に好ましい。
ト系ポリウレタン樹脂には、尿素結合を含むことができ
る。このカーボネート系ポリユリアウレタン樹脂は、カ
ーボネート系ポリウレタン樹脂の製造時にポリイソシア
ネートの一部をジアミンと反応させることで容易に製造
できる。ジアミンとしては従来公知のものを用いること
ができるが、脂肪族ジアミン化合物としてのエチレンジ
アミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキ
サメチレンジアミン等や、脂環族ジアミンとしてのイソ
ホロンジアミン、水添4,4-ジアミノジフェニルメタン等
が特に好ましい。
【0020】このカーボネート系ポリユリアウレタン樹
脂におけるアルキルシロキサン結合の量は、前記のカー
ボネート系ポリウレタン樹脂の場合と同様とするのが望
ましい。また尿素結合の導入量は、樹脂100重量部中
に2〜10重量部の範囲とすれば、スラッシュ成形法で
製造されたPVC表皮上で特に低い摩擦係数を示すよう
になる。2重量部未満では形成される被膜のヤング率が
低く、PVC表皮から移行する可塑剤の影響を受けて摩
擦係数が増大する。また10重量部を超えると形成され
る被膜の可撓性及び弾力が不足するとともに、溶剤に対
する溶解性が低下して塗布が困難になる場合もある。
4.5〜8重量部とするのが特に好ましい。
脂におけるアルキルシロキサン結合の量は、前記のカー
ボネート系ポリウレタン樹脂の場合と同様とするのが望
ましい。また尿素結合の導入量は、樹脂100重量部中
に2〜10重量部の範囲とすれば、スラッシュ成形法で
製造されたPVC表皮上で特に低い摩擦係数を示すよう
になる。2重量部未満では形成される被膜のヤング率が
低く、PVC表皮から移行する可塑剤の影響を受けて摩
擦係数が増大する。また10重量部を超えると形成され
る被膜の可撓性及び弾力が不足するとともに、溶剤に対
する溶解性が低下して塗布が困難になる場合もある。
4.5〜8重量部とするのが特に好ましい。
【0021】略球形の微粒子粉末としては、無機物及び
有機物のいずれも使用できるが、施工時の溶剤に溶解し
ないものであることが必要である。またマトリクスであ
るシロキサン結合を有するカーボネート系ポリウレタン
樹脂と屈折率が近似しているものが望ましい。このよう
にすれば形成された被膜が透明となるので、被塗物の外
観品質を損なうのが防止できる。
有機物のいずれも使用できるが、施工時の溶剤に溶解し
ないものであることが必要である。またマトリクスであ
るシロキサン結合を有するカーボネート系ポリウレタン
樹脂と屈折率が近似しているものが望ましい。このよう
にすれば形成された被膜が透明となるので、被塗物の外
観品質を損なうのが防止できる。
【0022】この微粒子粉末の粒径は形成される被膜の
膜厚に応じて決められるが、被膜は一般に5〜30μm
程度が望ましいので、粒径は5μm以下とするのが好ま
しい。また微粒子粉末の添加量は、シロキサン結合を有
するカーボネート系ポリウレタン樹脂100重量部に対
して5〜100重量部が望ましい。5重量部より少ない
と摩擦係数低減の効果が得られず、100重量部より多
く添加しても効果が飽和するばかりか被膜の機械的物性
が低下する。
膜厚に応じて決められるが、被膜は一般に5〜30μm
程度が望ましいので、粒径は5μm以下とするのが好ま
しい。また微粒子粉末の添加量は、シロキサン結合を有
するカーボネート系ポリウレタン樹脂100重量部に対
して5〜100重量部が望ましい。5重量部より少ない
と摩擦係数低減の効果が得られず、100重量部より多
く添加しても効果が飽和するばかりか被膜の機械的物性
が低下する。
【0023】なお、微粒子粉末の添加量に応じて形成さ
れる被膜の光沢が変化するので、被塗物の光沢に近似し
た光沢となる添加量とするのが特に好ましい。本発明の
樹脂表皮材表面に積層された組成物には、上記必須成分
以外に各種顔料、充填材、紫外線吸収剤、酸化防止剤、
安定剤など種々の添加剤を用いることができる。また、
初期の目的を損なわない範囲で、シロキサン結合をもた
ないカーボネート系樹脂、セルロース系樹脂、PVCな
ど、相溶性を有する樹脂を混合して用いることも可能で
ある。
れる被膜の光沢が変化するので、被塗物の光沢に近似し
た光沢となる添加量とするのが特に好ましい。本発明の
樹脂表皮材表面に積層された組成物には、上記必須成分
以外に各種顔料、充填材、紫外線吸収剤、酸化防止剤、
安定剤など種々の添加剤を用いることができる。また、
初期の目的を損なわない範囲で、シロキサン結合をもた
ないカーボネート系樹脂、セルロース系樹脂、PVCな
ど、相溶性を有する樹脂を混合して用いることも可能で
ある。
【0024】本発明の樹脂表皮材表面に積層された組成
物は、マトリクスであるシロキサン結合を有するカーボ
ネート系ポリウレタン樹脂を溶解する溶剤で適当な粘度
に希釈され、スプレーや刷毛など公知の塗装手段で被塗
物表面に塗布される。そして溶剤が揮発すると、微粒子
粉末がマトリクス中に保持された被膜が形成され、相手
部材との摩擦時の異音の発生が防止又は低減される。
物は、マトリクスであるシロキサン結合を有するカーボ
ネート系ポリウレタン樹脂を溶解する溶剤で適当な粘度
に希釈され、スプレーや刷毛など公知の塗装手段で被塗
物表面に塗布される。そして溶剤が揮発すると、微粒子
粉末がマトリクス中に保持された被膜が形成され、相手
部材との摩擦時の異音の発生が防止又は低減される。
【0025】なお、希釈に用いられる溶剤としては、マ
トリクスであるシロキサン結合を有するカーボネート系
ポリウレタン樹脂を溶解するとともに微粒子粉末を溶解
しないことが必要であり、メチルエチルケトン、メチル
-n- プロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチ
ルケトン、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸ブチル、アセ
トン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、ブチルアルコール、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ジメチルフォルムアミド、四塩化炭素、
パークロルエチレン、トリクロルエチレンなどが例示さ
れる。 〔実施例〕以下、実施例により具体的に説明する。な
お、以下にいう「部」は全て重量部を意味する。 (実施例1)ジエチルカーボネート1482部と、1,6-
ヘキサンジオール1652部とを120〜200℃で1
5時間反応させた。その後150℃に冷却し、30〜5
0mmHgに減圧して残留するエチルアルコールを十分
に除去し、2519部のポリカーボネートポリオールを
得た。このポリカーボネートポリオールの数平均分子量
は2000であり、OH価は65であった。
トリクスであるシロキサン結合を有するカーボネート系
ポリウレタン樹脂を溶解するとともに微粒子粉末を溶解
しないことが必要であり、メチルエチルケトン、メチル
-n- プロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチ
ルケトン、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸ブチル、アセ
トン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、ブチルアルコール、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ジメチルフォルムアミド、四塩化炭素、
パークロルエチレン、トリクロルエチレンなどが例示さ
れる。 〔実施例〕以下、実施例により具体的に説明する。な
お、以下にいう「部」は全て重量部を意味する。 (実施例1)ジエチルカーボネート1482部と、1,6-
ヘキサンジオール1652部とを120〜200℃で1
5時間反応させた。その後150℃に冷却し、30〜5
0mmHgに減圧して残留するエチルアルコールを十分
に除去し、2519部のポリカーボネートポリオールを
得た。このポリカーボネートポリオールの数平均分子量
は2000であり、OH価は65であった。
【0026】得られたポリカーボネートポリオール10
0部と、ポリシロキサンポリオール(OH価33)20
部と、1,4-ブタンジオール15.3部と、ジメチルフォ
ルムアミド272部及びメチルエチルケトン181.4
部を均一に混合し、そこへヘキサメチレンジイソシアネ
ート59部を添加して、85〜95℃で5時間反応さ
せ、シロキサン結合を有するカーボネート系ポリウレタ
ン樹脂の溶液を得た。この溶液の不揮発分は30重量
%、粘度は200dPa・s/25℃であった。
0部と、ポリシロキサンポリオール(OH価33)20
部と、1,4-ブタンジオール15.3部と、ジメチルフォ
ルムアミド272部及びメチルエチルケトン181.4
部を均一に混合し、そこへヘキサメチレンジイソシアネ
ート59部を添加して、85〜95℃で5時間反応さ
せ、シロキサン結合を有するカーボネート系ポリウレタ
ン樹脂の溶液を得た。この溶液の不揮発分は30重量
%、粘度は200dPa・s/25℃であった。
【0027】このカーボネート系ポリウレタン樹脂に各
成分を下記の割合で配合し、サンドミルで分散を行って
本実施例の異音防止処理剤とした。なお、微粒子粉末と
しては、有機架橋成分からなる有機架橋ビーズ(「ダイ
ナミックビーズA6−0526」大日精化工業(株)
製、平均粒径5μm)を用いた。 成分 配合量 カーボネート系ポリウレタン樹脂 35.00kg 有機架橋ビーズ 8.40kg ヒンダードアミン系光安定剤 0.03kg 「サノールLS−770」三共(株)製 フェノール系酸化防止剤 0.02kg 「イルガノックス1010」チバガイギー社製 メチルエチルケトン 52.00kg ジメチルフォルムアミド 28.00kg この異音防止処理剤の不揮発分は15.4重量%、粘度
は125mPa・s/25℃であった。 (実施例2)ジエチルカーボネート1368部と、1,6-
ヘキサンジオールトシクロヘキサンジエタノールの共重
合体1669部とを120〜200℃で15時間反応さ
せた。その後150℃に冷却し、30〜50mmHgに
減圧して残留するエチルアルコールを十分に除去し、2
485部のポリカーボネートポリオールを得た。このポ
リカーボネートポリオールの数平均分子量は2010で
あり、OH価は65であった。
成分を下記の割合で配合し、サンドミルで分散を行って
本実施例の異音防止処理剤とした。なお、微粒子粉末と
しては、有機架橋成分からなる有機架橋ビーズ(「ダイ
ナミックビーズA6−0526」大日精化工業(株)
製、平均粒径5μm)を用いた。 成分 配合量 カーボネート系ポリウレタン樹脂 35.00kg 有機架橋ビーズ 8.40kg ヒンダードアミン系光安定剤 0.03kg 「サノールLS−770」三共(株)製 フェノール系酸化防止剤 0.02kg 「イルガノックス1010」チバガイギー社製 メチルエチルケトン 52.00kg ジメチルフォルムアミド 28.00kg この異音防止処理剤の不揮発分は15.4重量%、粘度
は125mPa・s/25℃であった。 (実施例2)ジエチルカーボネート1368部と、1,6-
ヘキサンジオールトシクロヘキサンジエタノールの共重
合体1669部とを120〜200℃で15時間反応さ
せた。その後150℃に冷却し、30〜50mmHgに
減圧して残留するエチルアルコールを十分に除去し、2
485部のポリカーボネートポリオールを得た。このポ
リカーボネートポリオールの数平均分子量は2010で
あり、OH価は65であった。
【0028】得られたポリカーボネートポリオール15
0部と、ポリシロキサンポリオール(OH価33)30
部と、1,4-ブタンジオール25部と、ジメチルフォルム
アミド437.6部及びメチルエチルケトン291.8
部を均一に混合し、そこへヘキサメチレンジイソシアネ
ート107.6部を添加して、85〜95℃で5時間反
応させ、シロキサン結合を有するカーボネート系ポリウ
レタン樹脂の溶液を得た。この溶液の不揮発分は30重
量%、粘度は196dPa・s/25℃であった。
0部と、ポリシロキサンポリオール(OH価33)30
部と、1,4-ブタンジオール25部と、ジメチルフォルム
アミド437.6部及びメチルエチルケトン291.8
部を均一に混合し、そこへヘキサメチレンジイソシアネ
ート107.6部を添加して、85〜95℃で5時間反
応させ、シロキサン結合を有するカーボネート系ポリウ
レタン樹脂の溶液を得た。この溶液の不揮発分は30重
量%、粘度は196dPa・s/25℃であった。
【0029】このカーボネート系ポリウレタン樹脂に各
成分を実施例1と同様に配合し、サンドミルで分散を行
って本実施例の異音防止処理剤とした。この異音防止処
理剤の不揮発分は15.4重量%、粘度は120mPa
・s/25℃であった。 (実施例3)実施例1と同様のポリカーボネートポリオ
ール600部と、ポリシロキサンポリオール(OH価3
3)120部と、1,3-ヘキサンジオール33.8部及び
トルエン75部を均一に混合し、70〜80℃に昇温す
る。そこへヘキサメチレンジイソシアネート370部を
添加して、105〜110℃で3時間反応させた後トル
エン1377部を加えて25〜35℃に冷却した。さら
にイソプロピルアルコール1452部を加えた後、イソ
ホロンジアミン120部を添加し1時間反応させて、シ
ロキサン結合を有するカーボネート系ポリユリアウレタ
ン樹脂の溶液を得た。この溶液の不揮発分は30重量
%、粘度は210dPa・s/25℃であった。
成分を実施例1と同様に配合し、サンドミルで分散を行
って本実施例の異音防止処理剤とした。この異音防止処
理剤の不揮発分は15.4重量%、粘度は120mPa
・s/25℃であった。 (実施例3)実施例1と同様のポリカーボネートポリオ
ール600部と、ポリシロキサンポリオール(OH価3
3)120部と、1,3-ヘキサンジオール33.8部及び
トルエン75部を均一に混合し、70〜80℃に昇温す
る。そこへヘキサメチレンジイソシアネート370部を
添加して、105〜110℃で3時間反応させた後トル
エン1377部を加えて25〜35℃に冷却した。さら
にイソプロピルアルコール1452部を加えた後、イソ
ホロンジアミン120部を添加し1時間反応させて、シ
ロキサン結合を有するカーボネート系ポリユリアウレタ
ン樹脂の溶液を得た。この溶液の不揮発分は30重量
%、粘度は210dPa・s/25℃であった。
【0030】このカーボネート系ポリユリアウレタン樹
脂に各成分を下記の割合で配合し、サンドミルで分散を
行って本実施例の異音防止処理剤とした。なお、微粒子
粉末としては実施例1と同様の有機架橋ビーズを用い
た。 成分 配合量 カーボネート系ポリユリアウレタン樹脂 35.00kg 有機架橋ビーズ 8.40kg ヒンダードアミン系光安定剤 0.03kg 「サノールLS−770」三共(株)製 フェノール系酸化防止剤 0.02kg 「イルガノックス1010」チバガイギー社製 メチルエチルケトン 25.00kg メチルイソブチルケトン 15.00kg キシレン 17.00kg イソプロピルアルコール 17.00kg この異音防止処理剤の不揮発分は16.1重量%、粘度
は185mPa・s/25℃であった。 (実施例4)実施例2と同様のポリカーボネートポリオ
ール600部と、ポリシロキサンポリオール(OH価3
3)120部と、1,3-ヘキサンジオール33.8部及び
トルエン75部を均一に混合し、70〜80℃に昇温す
る。そこへヘキサメチレンジイソシアネート370部を
添加して、105〜110℃で3時間反応させた後トル
エン1377部を加えて25〜35℃に冷却した。さら
にイソプロピルアルコール1452部を加えた後、イソ
ホロンジアミン120部を添加し1時間反応させて、シ
ロキサン結合を有するカーボネート系ポリユリアウレタ
ン樹脂の溶液を得た。この溶液の不揮発分は30重量
%、粘度は190dPa・s/25℃であった。
脂に各成分を下記の割合で配合し、サンドミルで分散を
行って本実施例の異音防止処理剤とした。なお、微粒子
粉末としては実施例1と同様の有機架橋ビーズを用い
た。 成分 配合量 カーボネート系ポリユリアウレタン樹脂 35.00kg 有機架橋ビーズ 8.40kg ヒンダードアミン系光安定剤 0.03kg 「サノールLS−770」三共(株)製 フェノール系酸化防止剤 0.02kg 「イルガノックス1010」チバガイギー社製 メチルエチルケトン 25.00kg メチルイソブチルケトン 15.00kg キシレン 17.00kg イソプロピルアルコール 17.00kg この異音防止処理剤の不揮発分は16.1重量%、粘度
は185mPa・s/25℃であった。 (実施例4)実施例2と同様のポリカーボネートポリオ
ール600部と、ポリシロキサンポリオール(OH価3
3)120部と、1,3-ヘキサンジオール33.8部及び
トルエン75部を均一に混合し、70〜80℃に昇温す
る。そこへヘキサメチレンジイソシアネート370部を
添加して、105〜110℃で3時間反応させた後トル
エン1377部を加えて25〜35℃に冷却した。さら
にイソプロピルアルコール1452部を加えた後、イソ
ホロンジアミン120部を添加し1時間反応させて、シ
ロキサン結合を有するカーボネート系ポリユリアウレタ
ン樹脂の溶液を得た。この溶液の不揮発分は30重量
%、粘度は190dPa・s/25℃であった。
【0031】このカーボネート系ポリユリアウレタン樹
脂溶液に各成分を実施例1と同様に配合し、サンドミル
で分散を行って本実施例の異音防止処理剤とした。この
異音防止処理剤の不揮発分は16.1重量%、粘度は1
60mPa・s/25℃であった。 (比較例1)実施例1と同様のポリカーボネートポリオ
ール140部と、1,3-ブタンジオール14.8部を均一
に混合し、65〜70℃に昇温した後ヘキサメチレンジ
イソシアネート117部を添加して105〜110℃で
4時間反応させた。さらにトルエン308部とジメチル
フォルムアミド307部を加えて25〜35℃に冷却
し、イソプロピルアルコール308部を加えた後、イソ
ホロンジアミン35部を添加し1時間反応させて、シロ
キサン結合を有しないカーボネート系ポリユリアウレタ
ン樹脂の溶液を得た。この溶液の不揮発分は25重量
%、粘度は210dPa・s/25℃であった。
脂溶液に各成分を実施例1と同様に配合し、サンドミル
で分散を行って本実施例の異音防止処理剤とした。この
異音防止処理剤の不揮発分は16.1重量%、粘度は1
60mPa・s/25℃であった。 (比較例1)実施例1と同様のポリカーボネートポリオ
ール140部と、1,3-ブタンジオール14.8部を均一
に混合し、65〜70℃に昇温した後ヘキサメチレンジ
イソシアネート117部を添加して105〜110℃で
4時間反応させた。さらにトルエン308部とジメチル
フォルムアミド307部を加えて25〜35℃に冷却
し、イソプロピルアルコール308部を加えた後、イソ
ホロンジアミン35部を添加し1時間反応させて、シロ
キサン結合を有しないカーボネート系ポリユリアウレタ
ン樹脂の溶液を得た。この溶液の不揮発分は25重量
%、粘度は210dPa・s/25℃であった。
【0032】このカーボネート系ポリユリアウレタン樹
脂に各成分を下記の割合で配合し、サンドミルで分散を
行って本実施例の異音防止処理剤とした。なお、微粒子
粉末としては実施例1と同様の有機架橋ビーズを用い
た。 成分 配合量 カーボネート系ポリユリアウレタン樹脂 35.00kg 有機架橋ビーズ 7.00kg ヒンダードアミン系光安定剤 0.02kg 「サノールLS−770」三共(株)製 フェノール系酸化防止剤 0.02kg 「イルガノックス1010」チバガイギー社製 メチルエチルケトン 25.00kg メチルイソブチルケトン 15.00kg キシレン 17.00kg イソプロピルアルコール 17.00kg この異音防止処理剤の不揮発分は13.6重量%、粘度
は185mPa・s/25℃であった。 (試験・評価)上記各実施例及び比較例の異音防止処理
剤を有機溶剤で所定粘度(8.5秒/岩田カップNK#
2)に希釈し、スラッシュ成形法で製造されたPVC表
皮材表面に、塗膜厚が5〜7μmになるようにスプレー
塗装して、摩擦係数測定用の試料を作成した。なお、希
釈に用いた有機溶剤の種類と量は以下のとおりである。
脂に各成分を下記の割合で配合し、サンドミルで分散を
行って本実施例の異音防止処理剤とした。なお、微粒子
粉末としては実施例1と同様の有機架橋ビーズを用い
た。 成分 配合量 カーボネート系ポリユリアウレタン樹脂 35.00kg 有機架橋ビーズ 7.00kg ヒンダードアミン系光安定剤 0.02kg 「サノールLS−770」三共(株)製 フェノール系酸化防止剤 0.02kg 「イルガノックス1010」チバガイギー社製 メチルエチルケトン 25.00kg メチルイソブチルケトン 15.00kg キシレン 17.00kg イソプロピルアルコール 17.00kg この異音防止処理剤の不揮発分は13.6重量%、粘度
は185mPa・s/25℃であった。 (試験・評価)上記各実施例及び比較例の異音防止処理
剤を有機溶剤で所定粘度(8.5秒/岩田カップNK#
2)に希釈し、スラッシュ成形法で製造されたPVC表
皮材表面に、塗膜厚が5〜7μmになるようにスプレー
塗装して、摩擦係数測定用の試料を作成した。なお、希
釈に用いた有機溶剤の種類と量は以下のとおりである。
【0033】 (1)実施例1・実施例2の異音防止処理剤 100部 メチルイソブチルケトン 40部 酢酸イソブチル 30部 ジメチルフォルムアミド 30部 (2)実施例3,4・比較例1の異音防止処理剤 100部 キシレン 50部 メチルイソブチルケトン 30部 イソプロピルアルコール 20部 そして、それぞれの試料について、相手材として一般的
なPVCシートを用い、荷重250g、引張り速度30
mm/minにて、常態時の静摩擦係数、動摩擦係数及
びスティック−スリップ係数(S−S係数)を測定し
た。またその際に発生する異音を調査した。それぞれの
結果を表1に示す。
なPVCシートを用い、荷重250g、引張り速度30
mm/minにて、常態時の静摩擦係数、動摩擦係数及
びスティック−スリップ係数(S−S係数)を測定し
た。またその際に発生する異音を調査した。それぞれの
結果を表1に示す。
【0034】さらに、一般的なPVCシートを用い、学
振型摩擦試験機にて80g/cm2の荷重でそれぞれの
試料を3000回摩耗させる耐久摩耗試験を行った。そ
の後上記と同様にして静摩擦係数、動摩擦係数及びステ
ィック−スリップ係数(S−S係数)を測定した。それ
ぞれの結果を表1に示す。
振型摩擦試験機にて80g/cm2の荷重でそれぞれの
試料を3000回摩耗させる耐久摩耗試験を行った。そ
の後上記と同様にして静摩擦係数、動摩擦係数及びステ
ィック−スリップ係数(S−S係数)を測定した。それ
ぞれの結果を表1に示す。
【0035】
【表1】 表1より、常態時において比較例1の異音防止処理剤で
処理された試料は、各実施例の異音防止処理剤に比べて
高い摩擦係数を示し、また異音も大きくなっている。ま
た各実施例の試料では、耐久摩耗試験後にも常態時とほ
ぼ同等の摩擦係数を示し、スラッシュ成形法で製造され
たPVC表皮材に対して異音防止効果を奏し、かつ摩擦
特性の耐久性に優れていることが明らかである。
処理された試料は、各実施例の異音防止処理剤に比べて
高い摩擦係数を示し、また異音も大きくなっている。ま
た各実施例の試料では、耐久摩耗試験後にも常態時とほ
ぼ同等の摩擦係数を示し、スラッシュ成形法で製造され
たPVC表皮材に対して異音防止効果を奏し、かつ摩擦
特性の耐久性に優れていることが明らかである。
【0036】そして比較例と実施例の上記差異は、比較
例1で用いられたカーボネート系ポリユリアウレタン樹
脂がシロキサン結合を有していないことに起因している
ことが明らかである。 (比較例2)従来から真空成形用PVCシートに用いら
れている異音防止塗料(「レザロイドLU-482SP」大日精
化工業(株)製)を選び、比較例2の異音防止処理剤と
した。
例1で用いられたカーボネート系ポリユリアウレタン樹
脂がシロキサン結合を有していないことに起因している
ことが明らかである。 (比較例2)従来から真空成形用PVCシートに用いら
れている異音防止塗料(「レザロイドLU-482SP」大日精
化工業(株)製)を選び、比較例2の異音防止処理剤と
した。
【0037】実施例2と上記比較例2の異音防止処理剤
を用い、真空成形用PVCシート(可塑剤量約20重量
%)と、スラッシュ成形法で製造されたPVCシート
(可塑剤量約40重量%)表面にそれぞれ膜厚が5〜7
μmとなるように塗布して試料を作製した。そして、そ
れぞれの試料について、相手材として一般的なPVCシ
ートを用い、荷重250g、引張り速度30mm/mi
nにて、常態時の静摩擦係数、動摩擦係数及びスティッ
ク−スリップ係数(S−S係数)を測定した。またその
際に発生する異音を調査した。それぞれの結果を表2に
示す。
を用い、真空成形用PVCシート(可塑剤量約20重量
%)と、スラッシュ成形法で製造されたPVCシート
(可塑剤量約40重量%)表面にそれぞれ膜厚が5〜7
μmとなるように塗布して試料を作製した。そして、そ
れぞれの試料について、相手材として一般的なPVCシ
ートを用い、荷重250g、引張り速度30mm/mi
nにて、常態時の静摩擦係数、動摩擦係数及びスティッ
ク−スリップ係数(S−S係数)を測定した。またその
際に発生する異音を調査した。それぞれの結果を表2に
示す。
【0038】
【表2】 表2より、比較例2の異音防止処理剤では、真空成形用
PVCシートには効果があるものの、スラッシュ成形法
で製造され可塑剤が多いスラッシュ成形PVCシートで
は効果が著しく低減していることがわかる。しかし実施
例2の異音防止処理剤は、いずれのシートにも優れた摩
擦特性を示し、異音防止効果に優れていることが明らか
である。
PVCシートには効果があるものの、スラッシュ成形法
で製造され可塑剤が多いスラッシュ成形PVCシートで
は効果が著しく低減していることがわかる。しかし実施
例2の異音防止処理剤は、いずれのシートにも優れた摩
擦特性を示し、異音防止効果に優れていることが明らか
である。
【0039】
【発明の効果】すなわち本発明の樹脂表皮材によれば、
スラッシュ成形法で製造されたPVC表皮材であっても
異音を有効に防止することができる。また連続的な微振
動で発生する摩擦による異音も防止でき、自動車部品の
異音防止に有効である。また積層される組成物は、摩擦
面に塗布するだけでよいので作業性に優れ、かつ適度な
艶消し被膜となるので外観品質にも優れている。
スラッシュ成形法で製造されたPVC表皮材であっても
異音を有効に防止することができる。また連続的な微振
動で発生する摩擦による異音も防止でき、自動車部品の
異音防止に有効である。また積層される組成物は、摩擦
面に塗布するだけでよいので作業性に優れ、かつ適度な
艶消し被膜となるので外観品質にも優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 83/04 LRY C08L 83/04 LRY (72)発明者 渡辺 道生 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目7番6号 大日精化工業株式会社内 (72)発明者 井上 利明 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目7番6号 大日精化工業株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】 シロキサン結合を有するカーボネート系
ポリウレタン樹脂と略球形をなす微粒子粉末とを含む組
成物を樹脂表皮材表面に積層したことを特徴とする樹脂
表皮材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7021792A JPH08217899A (ja) | 1995-02-09 | 1995-02-09 | 樹脂表皮材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7021792A JPH08217899A (ja) | 1995-02-09 | 1995-02-09 | 樹脂表皮材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08217899A true JPH08217899A (ja) | 1996-08-27 |
Family
ID=12064917
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7021792A Pending JPH08217899A (ja) | 1995-02-09 | 1995-02-09 | 樹脂表皮材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08217899A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004080686A1 (ja) * | 2003-03-13 | 2004-09-23 | Nakata Coating Co., Ltd. | パウダースラッシュ成形機およびパウダースラッシュ成形方法 |
JP2008101194A (ja) * | 1996-09-23 | 2008-05-01 | Aortech Biomaterials Pty Ltd | ポリシロキサンを含有するポリウレタンエラストマー組成物 |
-
1995
- 1995-02-09 JP JP7021792A patent/JPH08217899A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008101194A (ja) * | 1996-09-23 | 2008-05-01 | Aortech Biomaterials Pty Ltd | ポリシロキサンを含有するポリウレタンエラストマー組成物 |
WO2004080686A1 (ja) * | 2003-03-13 | 2004-09-23 | Nakata Coating Co., Ltd. | パウダースラッシュ成形機およびパウダースラッシュ成形方法 |
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